特許第6157487号(P6157487)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6157487改良ブリスターパック製造装置とブリスターパック内にパッキングする方法と得られたブリスターパック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6157487
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】改良ブリスターパック製造装置とブリスターパック内にパッキングする方法と得られたブリスターパック
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/04 20060101AFI20170626BHJP
   B65D 75/34 20060101ALI20170626BHJP
   B65D 85/82 20060101ALI20170626BHJP
   B65B 1/28 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
   B65B9/04
   B65D75/34
   B65D85/82
   B65B1/28
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-537740(P2014-537740)
(86)(22)【出願日】2012年10月24日
(65)【公表番号】特表2015-500774(P2015-500774A)
(43)【公表日】2015年1月8日
(86)【国際出願番号】IB2012002142
(87)【国際公開番号】WO2013061137
(87)【国際公開日】20130502
【審査請求日】2015年9月14日
(31)【優先権主張番号】MI2011A001944
(32)【優先日】2011年10月26日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】500361593
【氏名又は名称】イ・エメ・ア,インドゥストリア・マキーネ・オートマティーク・ソシエタ・ペル・アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(72)【発明者】
【氏名】アマランティ、アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】フォンタナ、アレッシオ
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−103415(JP,A)
【文献】 特開昭49−044882(JP,A)
【文献】 特表2004−536748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/04
B65B 1/28
B65D 75/34
B65D 85/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリスター(30)が設けられてブリスターストリップ(13)を形成するための成形用ストリップ(11)と、カバー用ストリップ(14)と、有害材料(33)とを用いて所望の形状と寸法のブリスターパックを製造可能な改良ブリスターパック製造装置であって、
前記ブリスター(30)の内側の前記有害な材料(33)を供給し位置付けるための供給装置(16)と、前記ブリスターストリップ(13)を前記カバー用ストリップ(14)で封止するための封止装置(18)とからなり、
前記封止装置(18)の上流には、前記有害材料(33)が供給され分配され、前記カバー用ストリップ(14)が前記ブリスターストリップ(13)に貼り付けられる隔離チャンバ(15)が設けられ、
前記隔離チャンバ(15)は、前記有害材料(33)を収容した前記ブリスターストリップ(13)と前記カバー用ストリップ(14)との組み合わせの少なくとも2つの横方向エッジ(119)に近接して連続的に封止されたバンド(19)を連続的に得るように構成された少なくとも1つの予備封止装置(17)を備え
予備封止された横方向バンド(19)を少なくとも除去するせん断装置(22)と安全容器(23)をさらに備え、前記せん断装置(22)で除去された横方向バンド(19)が前記安全容器(23)内部に集められることを特徴とする改良ブリスターパック製造装置。
【請求項2】
前記隔離チャンバ(15)を減圧状態に保つための減圧手段(24)が設けられており、
減圧の大きさは30Paと100Paの間であることを特徴とする請求項1に記載の改良ブリスターパック製造装置。
【請求項3】
前記供給装置(16)が前記隔離チャンバ(15)内に少なくとも部分的に存在することを特徴とする請求項1又は2に記載の改良ブリスターパック製造装置。
【請求項4】
前記隔離チャンバ(15)の入口と出口は、前記隔離チャンバ(15)内で生成された粉末が漏れ出る危険性がないようになっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の改良ブリスターパック製造装置。
【請求項5】
予備封止用バンド(19)と密着した、予備封止される前記ブリスターストリップ(13)の少なくとも表面のための洗浄手段(35)をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の改良ブリスターパック製造装置。
【請求項6】
予備封止されたストリップの外部表面のための洗浄手段(26,34)をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の改良ブリスターパック製造装置。
【請求項7】
有害材料(33)を収容するブリスターパックを得るための方法であって、
成形用ストリップ(11)に作られたブリスター(30)に有害材料を挿入した後に、隔離チャンバ(15)において、カバー用ストリップ(14)が設けられて予備封止が行われ、ブリスターストリップ(13)とカバー用ストリップ(14)の組み合わせの長手方向エッジに少なくとも近接して連続した長手方向封止バンド(19)が得られ
前記予備封止されたバンド(19)がせん断装置(22)によって切り離され、
前記予備封止されたバンド(19)は安全容器(23)に送ることができる
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記隔離チャンバ(15)の出口のところで、予備封止された前記ブリスターストリップ(13)が封止ユニット(18)によって完全に封止されることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記隔離チャンバ(15)からの出口近傍に洗浄手段を設けて、連続的な予備封止バンド(19)を伴ったブリスターストリップ(13)とカバー用ストリップ(14)の組み合わせの外部表面から前記有害材料(33)の粉末状の残留物が除去されることを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記カバー用ストリップ(14)との予備封止動作の直前に、予備封止が行われる前記ブリスターストリップ(13)の少なくとも長手方向領域が洗浄されることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は改良ブリスターパック製造装置に関し、より正確には、有毒な、有害な、発がん性の製品及びより一般的には人、動物、環境に対して危険な製品、以下では総称して有害材料という用語で称するものを包装するためのブリスターパック製造装置に関する。
【0002】
本発明はまた、有害材料をブリスターパックに包装するための方法と、このようにして得られた有害材料を収容したブリスターパックに関する。
【背景技術】
【0003】
上述の有害材料が導入され封止されたブリスターを備えたブリスターパックを製造するためのブリスターパック製造装置は既知である。
【0004】
既知のブリスターパック製造装置は2タイプあって、第一のタイプは制御されたチャンバ内に材料が完全に収容されるもので、第二のタイプは隔離チャンバに部分的に囲まれているものである。
【0005】
有害材料をカプセルやタブレット又は他の手段で包装する場合でも、有害材料の取り扱いはそれ自体が有害である粉末を発生させるので、これらの戦略は必須である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
第一のタイプのブリスターパック製造装置は、制御されたチャンバの内側で作業する作業者が保護服のような保護用衣類を着用する必要があるという欠点を有している。これら保護服は、自律移動を可能にするタイプと、連続的な空気を吹き付けるタイプがある。どちらのタイプの保護服の使用を選択するかは、ブリスターパック製造装置で取り扱う有害製品の種類に依存する。これは、高コスト、長時間、作業者の負担、エネルギーの浪費、強力な減圧システム、それ自体が高コストな複雑な部屋又は施設を要求する。
【0007】
第二のタイプのブリスターパック製造装置は、少なくとも有害材料を分配するユニットを囲む隔離チャンバを設けている。この既知の技術は、洗浄や保守のため、又は製造する製品のフォーマット変更のため、又は置換のような他の作業のために、毎回作業者が分配ユニットに立ち入る必要があるという重要な問題を発生させる。
【0008】
国際公開第02/092439号には、既知のタイプのブリスターパック製造装置が記載されている。
【0009】
本発明の目的は、シンプルで、大きくなく、保守作業や洗浄、製品のフォーマット変更などのために容易にかつ迅速に立ち入ることのできるブリスターパック製造装置を提供することである。
【0010】
本出願人は、最先端の装置の欠点を解消し、この目的や他の目的を達成し長所を得るために、本発明を考案試験し、具体化した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は独立請求項において説明され特徴付けられるが、従属請求項は本発明の他の特徴又は主たる創意の変形を記載する。
【0012】
上記目的に従って、本発明に係る改良ブリスターパック製造装置は、有害物質を、ブリスターを備えたストリップ(以降、ブリスターストリップと称す)とブリスターパックを形成するためのカバー用又は封止用ストリップとの間に封止する封止装置と、この封止装置の上流に設けられた隔離チャンバとで構成されている。この隔離チャンバは、取り扱われブリスターパック内に挿入される有毒材料の種類に依存して、内側に向かって保護され、既知のシステムによって減圧状態を保持している。
【0013】
変形実施例では、隔離チャンバは、処理された有毒物質が生成可能な粉末の種類や特性に依存して、30Paから約100Paの間の減圧状態を維持する。
【0014】
本発明によれば、ブリスターストリップ内に存在するブリスターに包装されるための有害物質を供給し挿入する装置の少なくとも一部と同様に、予備封止装置が隔離チャンバ内に存在する。
【0015】
この予備封止装置は、既に有害物質をブリスター内に入れたブリスターストリップ上にカバー用ストリップを貼り付けて、ブリスターストリップに作られたブリスターを閉じる。
【0016】
しかし、カバー用ストリップの貼り付けは、カバー用ストリップでカバーされるブリスターストリップの横方向と長手方向のエッジ近傍の2つの連続したバンドにのみ影響する。
【0017】
有利なことに、封止された連続したバンドは長手方向エッジの端部にあるので、あとで除去することができる。
【0018】
本発明の変形例によれば、予備封止バンドもブリスターストリップの2つの横方向エッジの間の中間位置に作ることができる。
【0019】
このように、有害材料が外部に拡散しないようにエレメントは実際上筒状で少なくとも横方向が閉じて作成される。ストリップ形状の筒状エレメントは、隔離チャンバから出た後に、既知の封止装置で封止される。
【0020】
変形例によれば、ブリスターストリップは、隔離チャンバの出口近傍でその表面に存在するすべての可能性のある粉末が除去される。
【0021】
封止されたブリスターストリップ上で行われる後続のすべての作業が実施されると、少なくとも横方向予備封止バンドが除去され、副生成物が送られて破壊されるか不活性化されるところに送られる。
【0022】
変形例によれば、予備封止装置と共に、予備封止で形成されるバンドと等しいかより大きなバンドの表面の両長手方向側面から粉末を除去するための洗浄システムを設けることができる。
【0023】
本発明の上記及び他の特徴は、添付の図面を参照して非限定的な例として与えられる好ましい実施例の以下の記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は改良ブリスターパック製造装置の概略図である。
図2図2図1の改良ブリスターパック製造装置の上面図である。
図3図3は予備封止前の横方向バンドの洗浄のためのガス状流体ジェットを用いたシステムの図である。
図4図4はブリスターストリップの一側面に限定した予備封止工程の概略図である。
図5図5は隔離チャンバの入口と出口での予備封止されたブリスターストリップの表面をクリーニングするための手段を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
理解を容易にするために、図面において、同一の共通な部材を識別するために、同じ参照番号を用いている。
【0026】
添付図面を参照して、本発明に係る改良ブリスターパック製造装置の全体を参照番号10で示す。
【0027】
このブリスターパック製造装置10は、既知の複数の装置で構成されており、例えば成形可能なストリップ11と、ブリスター30の成形装置12と、成形可能なストリップ11に形成されたブリスター30に導入されてブリスターストリップを形成するための有害材料33を供給する供給装置16と、封止装置18と、ブリスターパックの予備切断機20と、符号化装置21と、この場合後述のように予備封止されたものの横方向バンド19を除去するせん断装置22とで構成されている。
【0028】
供給装置16は隔離チャンバ15内に置かれ、外側の適切な装置と接続可能であり、ブリスターストリップ13を形成するために成形可能なストリップ11上に成形装置12によって作成されたブリスター30内に包装される有害材料又は有害製品33を供給するようになっている。
【0029】
別の実施例では、ブリスターパック製造装置10は、有害材料33を隔離チャンバ15に既知のタイプの供給パイプのみを通して供給する供給装置16を単独で収容するための、同様に減圧にさらされる別の隔離チャンバを備えている。
【0030】
隔離チャンバ15内に適切なノズルを設けて、洗浄及び/又は乾燥のために熱い又は冷たい、液体及び/又はガス状流体を供給することも、本発明の範囲内である。
【0031】
隔離チャンバ15は、吸引及びフィルタシステム24と、制御及び調整システム、即ち、減圧手段25を有して、隔離チャンバ15がさらされる減圧状態の制御と調整を行う。
【0032】
せん断装置22は、除去されたバンドを集め、隔離チャンバ15と同様の吸引及びフィルタシステムを備えることのできる安全容器23と協調することができる。安全容器23は、バンドを除去するための連続的な又は不連続的なせん断システムと協調することができる。
【0033】
隔離チャンバ15内には、カバー用ストリップ14が供給される予備封止装置17が存在する。
【0034】
予備封止装置17は、協調して動作する2対の対向するホイール29、129を有し(図4図5)、各ホイールは組み合わされたブリスターストリップ13とカバー用ストリップ14の各横方向エッジ119に沿ってカバー用ストリップ14と接合したブリスターストリップ13の2つの横方向バンドのうちの1つを封止して、封止された長手方向の連続的なバンド19を得る。一対又は両対の対向するホイール29、129は、ペアの他方のホイール129、29に向かう圧力にさらされる。
【0035】
従って、前進するストリップ上で、組み合わされたブリスターストリップ13とカバー用ストリップ14の長手方向エッジ上に存在する2つの長手方向の連続的な封止されたバンド19によって、成形されたチューブ状エレメントが形成される。
【0036】
その結果、ストリップ上に堆積したすべての粉末は、得られたチューブ状エレメントの内側に封入される。
【0037】
図示しない代替的な実施例では、対向するホイールの各対29、129は、一個のホイールと固定された封止用部材、例えばタイルやプレート状で、ストリップ13、14の上に位置付けて滑らせるものに置き換えることができる。また別の図示しない代替的な実施例では、対向するホイールの各対29、129は、ストリップ13,14の下に設けられた固定されたガイドで、その上でストリップ13、14を滑らせるものと、一個のホイールと固定された封止用部材、例えばタイル状でストリップ13、14の上に設けるものに置き換えることができる。
【0038】
隔離チャンバ15からの出口近傍では(即ち、出口直前又は出口と接続して)、流体ジェットが、結合し予備封止されたストリップの表面を洗浄して、隔離チャンバ15の内側で付着したストリップの表面に存在する粉末を除去する。
【0039】
図5に示した例では、隔離チャンバ15の適切な保護スクリーンを有する出口壁115と協調して、この場合ノズル26〜34からなる洗浄手段が流体ジェット(空気、不活性ガス、又は微粒子ガス)を放出して、表面を洗浄し、隔離チャンバ15の内側に粉末を放出する。
【0040】
カバー用ストリップ14によって予備封止された有害物質33を組み合わせたブリスターストリップ13の表面上に存在するすべての粉末を吸引するための吸引手段を設けることも、本発明の範囲内である。
【0041】
図3に示した例では、予備封止装置の直前に、各長手方向の側面に対し、封止された連続的なバンド19を除去するライン27と協調して、ジェットを流体の供給して堆積した有害材料の粉末をエッジ119の表面から除去する洗浄手段35が存在する。
【0042】
予備封止されたバンドが吸引手段によって形成される、有害材料33を収容したブリスターストリップ13の領域を洗浄することも、本発明の範囲内である。
【0043】
明らかに、隔離チャンバ15の入口と出口は、既知の方法で構築され構成されて、隔離チャンバ15内で生成された粉末が漏れ出る危険性がないようになっている。
【0044】
また、図5のようにガス状流体26、34を供給する手段を、隔離チャンバ15の内側に設けることができる。
【0045】
また、ガス状流体35(図3)を供給する洗浄装置は、固定された又は回転するブラシシステムに置き換えることができる。
【0046】
ここまで記載してきたように、本発明の範囲から逸脱することなく、ブリスターパック製造装置とブリスターパック内にパッキングする方法とそうして得られたブリスターパックとに部品の変形及び/又は追加ができることは明らかである。
【0047】
本発明を幾つかの特定の実施例を参照して記載してきたが、当業者が請求項に記載の特徴とそれによって形成される保護範囲のすべてを有するブリスターパック製造装置と方法の多くの他の等価な形態を得ることができるのも明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5