【文献】
Ericsson, ST-Ericsson,Demodulation test setup for MBSFN ABS configuration,3GPP TSG-RAN WG4 #63 R4-122924,2012年 5月14日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記無線通信機器に対する測定パターンであって、前記関連するダウンリンク送信が前記無線通信機器によって前記第1のネットワークノードから受信されることになっている一又は複数のサブフレームを示す測定パターンを構成することをさらに含み、
前記一又は複数の示されたサブフレームは候補サブフレームを含み、また
前記アップリンク送信に関連する前記ダウンリンク送信は、一又は複数の前記示されたサブフレームの間に起こる、請求項1に記載の方法。
前記候補サブフレームは、前記第2のセルがマルチキャストブロードキャスト単一周波数ネットワーク(MBSFN)オールモストブランクサブフレームを使用するように構成される間のサブフレームを含む、請求項1に記載の方法。
前記ダウンリンク送信に対して使用される候補サブフレームを示す情報を、前記特定された候補サブフレームに関連付けられた第2のネットワークノードに送信すること(704)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
関連するダウンリンク送信を候補サブフレームに合わせるため、冗長アップリンク送信を適応的に使用する前記第1のネットワークノードの機能を示す情報を送信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記プロセッサは、前記関連するダウンリンク送信が前記無線通信機器によって前記第1のネットワークノードから受信されることになっている一又は複数のサブフレームを示す測定パターンを、前記無線通信機器に送信するようにさらに構成されており、
前記一又は複数の示されたサブフレームは候補サブフレームを含み、また
前記アップリンク送信に関連する前記ダウンリンク送信は、一又は複数の前記示されたサブフレームの間に起こる、請求項14に記載の装置。
前記プロセッサは、前記ダウンリンク送信に対して使用される候補サブフレームを示す情報を、前記特定された候補サブフレームに関連付けられた第2のネットワークノードに送信するようにさらに構成されている、請求項14に記載の装置。
前記プロセッサは、関連するダウンリンク送信を候補サブフレームに合わせるため、冗長なアップリンク送信を適応的に使用する機能を示す情報を送信するようにさらに構成されている、請求項14に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1Aは、一又は複数の無線通信機器20に通信サービスを提供する無線通信システム10を図解している。無線通信システム10は、特定の地理的エリア内の通信サービスに無線アクセスを提供するアクセスネットワーク30、及び無線通信システム10内で情報のバックホール配信を提供するコアネットワーク40を含む。アクセスネットワーク30は、ある実施形態で、複数の異なる種類の無線アクセスノード(例えば、基地局32及び低出力ノード34の双方)を含む複数の無線アクセスノードを含む。各無線アクセスノードは一又は複数のセル50にサービスを提供する。セル50が近接している(及び重なる可能性がある)ため、第1のセル50(本明細書では「ビクティムセル」と呼ぶ)内で動作する無線通信機器20は、ビクティムセルに重なる又は近接する第2のセル50(本明細書では「アグレッサセル」と呼ぶ)内で発生する送信によって干渉を受けることがある。このアグレッサセルは、ビクティムセルとして同一の無線アクセスノードによってサービス提供されること、又は別の無線アクセスノードによってサービス提供されることがある。
【0011】
加えて、上述のように、アクセスネットワーク30は、異なる出力レベルで送信する無線アクセスノードが配備される異種ネットワークを表すことがある。無線アクセスノードが干渉セルにサービスを提供するときよりも高い出力を使用する無線アクセスノードによってビクティムセルがサービス提供される場合には、例えば
図1Aに関して、ビクティムセルが低出力ノード34の1つによってサービス提供され、且つアグレッサセルが基地局32の1つによってサービス提供される場合には、これはより深刻な干渉の問題を引き起こすことがある。
【0012】
このような干渉の問題は、ある種の低出力ノード34を利用する異種ネットワークに一般的に実装される特定の解決策によって、さらに悪化することがある。例えば、
図1Bは、一又は複数の低出力ノード34がクローズドサブスクライブドグループ(CSG)を利用するように構成されているときに、無線通信システム10のある実施形態に起こりうる問題を図解している。
図1Bの実施例では、一又は複数の低出力ノード34はCSGを利用するように構成されている。CSGの利用により、低出力ノード34は「クローズドサブスクライバグループ」の一部となる特定の認定ユーザーに対してサービスへのアクセスを制限することができる。CSGで構成された無線アクセスノードは、CSGのメンバである無線通信機器20に通信サービスを提供するが、当該ノードのCSGのメンバではない無線通信機器20へのサービスは拒否する。例えば、職場で従業員にサービスを提供するため使用者によって操作されるピコセルは、その会社のすべての従業員の無線通信機器20を含むCSGで構成されてもよい。CSGを使用することにより、この低出力ノード34は、その会社の従業員に対して隣接する基地局32によって提供されるものを超える付加的な又はより良いサービスカバレッジを提供しうるが、エリア内の非従業員がピコセルの送信、受信、又は処理リソースに接続するのを防止することができる。
【0013】
したがって、CSG低出力ノード34によってサービス提供されるセル50で動作している非CSG無線通信機器20は、CSG低出力ノード34が最も近い無線アクセスノードであるとしても、CSG低出力ノード34を利用することができない。一方、CSG低出力ノード34によって行われる無線送信は、これらの非CSG無線通信機器20とこれらにサービス提供する他の無線アクセスノードとの間の通信に干渉することがある。しかも、非CSG無線通信機器20は、CSG低出力ノード34からサービスを得ることができないにもかかわらず、CSG低出力ノード34のきわめて近くに配置されることがあり、これにより非CSG無線通信機器20に対して著しい量の干渉を引き起こすことがある。例えば、
図1Bに示した実施例では、無線通信機器20gは低出力ノード34gによってサービス提供されるCSGのメンバではなく、低出力ノード34gからサービスを得ることはできないものと想定されている。その代り、無線通信機器20gはセル50jの基地局32gによってサービス提供される。その結果、CSG低出力ノード34gによってサービス提供されるセル34gは、無線通信機器20がセル34gに重なるセル50jの一部の中で動作している間に、アグレッサセルとして作用することがある。このアグレッサセル50gからの干渉は、無線通信機器20gが低出力ノード34gにきわめて近いところで動作しているときには、きわめて強くなることがある。
【0014】
特に異種ネットワークで起こりうる別の干渉の問題は、「セルレンジエクスパンション」(又は「セルレンジエクステンション」)(CRE)の使用に関連している。
図1Cは、一又は複数の低出力ノード34がCREに対応するように構成されている実施例を図解している。CREでは、セル選択/再選択は、例えば、付加的なエリア(
図1CのCREゾーン52で表される)を含むように低出力セルのカバレッジを拡張するパスロス又はパスゲインベースのアプローチに対する、従来の信号強度ベース(RSRPベース)のアプローチとは異なる。特定のCREゾーン52が大きくなればなるほど、その境界ではサービングセルの信号強度は弱くなる。これにより、隣接するマクロセルは、CREゾーン52内で動作している無線通信機器20に対してアグレッサセルとして作用することがある。例えば、
図1Cでは、基地局32kによってサービス提供されるセル50mは、低出力ノード34kのCREゾーン52k内で動作している無線通信機器20kに対してアグレッサセルとして作用することがある。したがって、一般に、
図1A〜1Cで示したように、セル間干渉は無線通信システムにおいて、特に異種配置を実装する無線通信システムにおいて、重大な懸念となることがある。
【0015】
このようなセル間干渉から特定の種類のシグナリングを保護することは重要であろう。例えば、LTE対応の無線通信システム10のある実施形態は、送信エラーの訂正に関して、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)機能を利用することができる。特定の実施形態では、HARQ機能は伝送ブロックを送信及び再送信するNプロセスストップアンドウェイト機構を提供する。伝送ブロックを受信すると、受信機は伝送ブロックのデコードを試み、デコードが成功したかどうか及び/又は伝送ブロックの再送信が必要かどうかを示すフィードバック情報(例えば、受信の成功に対しては承認(ACK)、或いは受信の失敗に対しては非承認(NAK)を表す単一ビット)を送信することによって、デコード操作の結果を送信機に通知する。アグレッサセルからの干渉によって、この種のフィードバック情報が成功裏に送信されることが妨げられる場合には、かなり多数の不必要な再送信が発生すること及び/又は誤って受信された送信が再送信されないことがありうる。
【0016】
加えて、HARQはまた、第1のスケジュールされたアップリンク送信(例えば、初回のアクセス、ハンドオーバ後、RRC接続完了時など)及びダウンリンクでの競合解消(HARQフィードバックは、競合解消メッセージでエコーバックされたメッセージ3に規定されているように、自らの識別子を検出する無線通信機器20によってのみ送信される)の双方に関して、競合ベースランダムアクセス送信のために使用されてもよい。第1のアップリンク送信ステップ又は競合解消ステップでのHARQの失敗は、例えば、当該の無線通信機器20によるセル無線ネットワーク一時識別子(C−RNTI)の検出の失敗、又は同一のC−RNTIを別の無線通信機器20に誤って割り当てることなどを引き起こすことがある。
【0017】
無線通信システム10のある実施形態は、送信の一部又はすべてに対して「同期HARQ」を利用する。例えば、LTE実装は、アップリンク共有チャネル(UL−SCH)上でアップリンクユーザーデータ送信に対して同期HARQを使用して、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH)上でのダウンリンクにHARQフィードバック情報を提供する。同期HARQは、同期HARQフィードバック及び同期再送信を含む。このような実施形態では、フィードバック情報のダウンリンク送信及び任意のアップリンク送信のためのタイムインスタンツは、アップリンク送信のためにスケジューリングされたサブフレームに基づいて固定されており、無線アクセスノード及び当該の無線通信機器20の双方に対して既知である。その結果、このHARQモードで動作している場合には、HARQプロセスナンバの信号伝達が不要になることがある。再送信の最大回数は無線通信機器20ごとに設定されてもよい。同期HARQの運用の実施例を
図5Aに示す。
【0018】
無線通信システム10の特定の実施形態では、アグレッサセルでの送信は、これらのセルにサービス提供する無線アクセスノードによって行われるダウンリンク送信を制限する所定の送信パターンによって制約されることがある。これらの送信パターンは、当該のセルでダウンリンク送信を行うために使用される時間及び/又は周波数リソースを制限することがある。その結果、これらの送信パターンは、別の時間及び/又は周波数リソースのアグレッサセルによる干渉からビクティムセルを保護することができる。
【0019】
例えば、無線通信システム10は、あるサブフレームの間に最小量のシグナリングを送信するこれらの無線アクセスノードをもたらすオールモストブランクサブフレーム(ABS)を利用する、無線アクセスノードを構成することができる。特定の実施形態では、ABSパターンは、当該セル50に対して、低出力及び/又は低送信アクティビティサブフレーム(例えば、少ない数の変調シンボルが送信される或いはデータ又はシグナリングの量において他の何らかの減少が起こるサブフレーム)を定義する。例えば、潜在的なアグレッサセルに対するABSパターンは、アグレッサセルでユーザーデータが送信されていない間に任意の数のサブフレームを指定することができるが、当該サブフレームの間に制御チャネル情報が送信されていることがある。特定の実施形態では、ABSパターンは無線アクセスノード間で(例えば、X2インターフェースを介して)交換可能である。
【0020】
さらに、特定の実施形態では、アグレッサセルによって引き起こされるセル間干渉は、マルチキャストブロードキャスト単一周波数ネットワーク(MBSFN)サブフレームとしても構成される、これらのABSサブフレームの間に大幅に低減可能である。ある実施形態では、MBSFNサブフレームは非MBSFN領域とMBSFN領域とに分割される。例えば、非MBSFN領域は、非MBSFN領域の長さが1つ又は2つのシンボルである(例えば、DLリソースブロックの数が10を超えるときには、1つのシンボルが1つ又は2つのセル固有ポートと共に使用されることがある)MBSFNサブフレームの中で、最初の1つまたは2つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに及ぶことがある。このような実施形態では、MBSFNサブフレームの中のMBSFN領域は、非MBSFN領域の一部を構成しないOFDMシンボルとして定義されることがある。MBSFNサブフレームの一部は、物理マルチキャストチャネル(PMCH)送信などのマルチキャスト送信を実行するが、その名称にもかかわらず、すべてのMBSFNサブフレームがこのような送信を含むわけではない。マルチキャスト送信のないMBSFNサブフレームは、本明細書では「ブランクMBSFNサブフレーム」と呼ばれる。
【0021】
それにもかかわらず、ブランクMBSFNサブフレームの中であっても、ある種のシグナリングは非MBSFN領域の一部の中で送信されることがある。例えば、LTEネットワークでは、共通参照信号(CRS)はブランクMBSFNサブフレームの非MBSFN領域内で、すなわち第1のシンボル内で送信されてもよい。しかしながら、非MBSFNサブフレーム内で構成されるABS(「非MBSFN ABS構成」)とは異なり、ブランクMBSFNサブフレームの中で構成されるABS(「MBSFN ABS構成」)は、ある種の情報(例えば、LTEネットワークのCRS)はMBSFNサブフレームのMBSFN領域に送信されないという事実によって、セル間干渉が減少する結果となることがある。無線通信システム10の特定の実施形態で使用されうるMBSFN ABS構成の実施例に対するサブフレームの図は
図2Aに概略的に図解されており、一方特定の実施形態で使用されうる非MBSFN ABS構成の実施例に対するサブフレームの図は
図2Bに概略的に図解されている。
図2A及び2Bの実施例では、2つの送信アンテナポートは、第1のポート(「R
0」で表示)及び第2のポート(斜交線で表示)に対して示された送信と共にCRSに対して使用されることが想定されている。
図2A及び2Bからわかるように、潜在的なアグレッサセルがMBSFN ABSで構成される場合には、送信は非MBSFN ABSで構成される場合よりもサブフレーム当たりより少ないシンボル数で起こり、結果的にMBSFN ABSで構成されるアグレッサセルからの全体的な干渉は減少する。
【0022】
しかしながら、すべてのダウンリンク(DL)サブフレームがMBSFN構成可能なわけではない。
図3は、FDDが利用される場合、MBSFN構成がロングタームエボリューション(LTE)ネットワークの3GPP TS36.331仕様書の下でどのように制約されるかの実施例を示している。
図3に示すように、一部のシステム情報はこれらのサブフレームで送信される必要があるため、MBSFNはFDDシステム内のサブフレーム#0、#4、#5、#9で構成されえないことがある。したがって、このような実施形態では、サブフレーム#1、#2、#3、#6、#7、及び#8はMBSFNサブフレームで構成されえない。
図3に示したFDD制約とは対照的に、TDD LTEシステムでは、MBSFNに対してサブフレーム#3、#4、#7、#8及び#9のみが構成されうる。より多くのサブフレームを保護するため、MBSFN及び非MBSFN ABSの混合を使用することが可能であるが、MBSFN及び非MBSFN ABSサブフレームの混合は、不正確なセル状態情報のレポート、高度な受信機を備えた無線通信機器20に対する効率の低い復調アルゴリズム、ネットワーク構成上の不必要な制約、及びアグレッサセルでのスループットの低下、などの他の問題を生む可能性がある。加えて、利用可能なMBSFNサブフレームの一部は、干渉の解除以外の目的で使用されることが必要になることがある。したがって、無線通信システム10は、保護することが必要であるか保護することが望ましいビクティムセル内のすべてのダウンリンクサブフレームを保護するため、ABSに対して利用可能な十分なMBSFNセルを有していないことがある。これは、MBSFNサブフレームがある時点で干渉を低減するためだけに使用されうること、及び特定の実施形態では、保護されうる期間がネットワークごとに変わりうることを意味する。
【0023】
したがって、アグレッサセル送信パターンが構成されうる方法に関する制約は、MBSFN ABSパターンなどの送信パターンを使用して、ビクティムセル内で必要なすべての送信リソースを干渉から保護することを不可能にすることがある。例えば、無線通信システム10の特定の実施形態でHARQタイミングが8msの周期に基づいていると想定すると、これはLTEに対して設定されたHARQ周期と矛盾しない。アップリンクグラントがサブフレームnに最初に割り当てられると、HARQフィードバック情報(例えば、ACK/NAKの指示)はサブフレーム(n+8k)mod(10)のPHICHチャネル上で送信される。ここでkは任意の正の整数値であり、mod(.)は除算後の余りである。nが奇数の場合、サブフレーム1、9、7、5、及び3は、対応するHARQプロセスに関してACK/NAK情報を有することになる。この場合、サブフレーム9及び5は保護が必要になるが、これらのサブフレームは
図3に図解されている実施例ではMBSFN構成可能ではない。nが偶数の場合、ダウンリンクHARQフィードバック情報は、対応するHARQプロセスに関してサブフレーム0、8、6、4、及び2に送信される。この場合、サブフレーム0及び4は保護が必要になるが、
図3の実施例の下ではどちらもMBSFN構成可能ではない。
【0024】
これがどのように問題を引き起こすのかを説明するため、
図4は、無線アクセスノードがビクティムセル内のPHICH上でHARQフィードバックを成功裏に送信するように試みる無線通信システム10の実施例の実施形態で起こりうるアップリンクHARQタイミングの実施例を示している。ビクティムセル内の無線通信機器20がPHICH送信を成功裏に受信及びデコードする可能性がある場合には、アグレッサセル内にMBSFN ABSサブフレーム又は他の何らかの機構を有する、ビクティムセル内のPHICH送信を保護することが必要になることがある。
図4の実施例では、アグレッサセル内でMBSFN ABSサブフレームによる保護を必要とするビクティムセル内のサブフレームが「保護されるサブフレーム」と書かれた行に表示されている。
図4が示すように、この実施例の構成では、MBSFNはこれらのサブフレームでは構成されえないため、無線フレーム0のサブフレーム9及び無線フレーム2のサブフレーム5は、MBSFN ABSサブフレームによって保護することはできない。その結果、PHICH送信の一部のみがMBSFN ABSサブフレームによって保護可能となり、MBSFNサブフレームに対する構成の制約により、一部のPHICH送信は確実に検出されないことがある。
【0025】
これは、当該のダウンリンク送信(例えば、PHICH上で送信されるHARQフィードバック情報)の周期、及びビクティムセルでのダウンリンク送信を保護するための適切な干渉条件をもたらす送信パターン(例えば、MBSFN ABSパターン)の周期との不一致の結果として、特定の実施形態で起こりうるより一般的な問題の例である。アグレッサセルに対して構成される送信パターン(例えば、MBSFN ABSパターン)を単純に生かすことによって、ビクティムセル内のダウンリンク送信の一部を保護することは可能であるが、この方法ではビクティムセル内のすべてのダウンリンク送信を保護することができないことがある。一般的に、アグレッサセルによる干渉から保護することができる時間及び/又は周波数リソースに(例えば、MBSFN/非MBSFN、サイクリックプレフィックス構成、干渉条件、ネットワーク構成、機器の動作状態などのサブフレームの種類による)制限があり、同時に(同期HARQのタイミングの制約により)ビクティムセル内で特定のダウンリンク送信を行わなければならない所定の時点が存在する場合には、これらの所定の時点はダウンリンク送信に対して必要となるかもしれないすべてのサブフレームを完全には包含できないことがある。したがって、干渉から保護されうるサブフレームのパターンとこのような保護を必要とするダウンリンク送信との間の周期の不一致を示す無線通信システム10の実施形態では、付加的な策を講じることなく保護を必要とするすべてのダウンリンク送信を保護できないことがある。
【0026】
その結果、無線通信システム10は、当該のダウンリンク送信が干渉保護される又はされうる「候補」リソースの事前に定義した実行可能なサブセットと一致することを保証するため、ビクティムセル内のあるダウンリンク送信に対して使用される時間及び/又は周波数リソースを制御するように構成されている。より具体的には、無線通信システム10の特定の実施形態では、第1の無線アクセスノードは、他のセル内の送信パターンを利用することによって、第1のセル内のダウンリンク送信に干渉保護を提供することができる。第1の無線アクセスノードは、セル間干渉を受けない或いはセル間干渉のレベルを低減する時間及び/又は周波数リソース上に、ある種のダウンリンク送信を構成することができる。
図5A、5B、6及び7に関して以下でさらに説明するように、無線アクセスノードがこの構成を実装する方法の1つの実施例は、関連のダウンリンク送信のタイミングを有益に調整するため、ある種のアップリンク送信で冗長な送信を利用することである。ある実施形態では、ビクティムセル内の無線アクセスノードは、既に述べた構成に関する解決策を非依存的に実装して、アグレッサセルによって使用される固定された送信パターンに反応することができる。しかしながら、代替的な実施形態では、ビクティムセル内の無線アクセスノードは、
図8及び9に関して以下でさらに詳細に説明されるように、送信パターンを連動させるために潜在的なアグレッサセル内の無線アクセスノードと相互作用可能であってもよい。
【0027】
ここで、
図1Aに示した実施例の実施形態に戻ると、無線通信システム10の例示的な実施形態は、無線通信システム10によってサービス提供される複数のセル50の中で動作する一又は複数の無線通信機器20に無線通信サービスを提供する。無線通信システム10は、限定するものではないが、任意のロングタームエボリューション(LTE)、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))通信規格などを含む、任意の好適な種類の及び/又は任意の適切な通信規格に従う通信に対応してもよい。
【0028】
無線通信機器20は、無線通信システム10と無線的に情報をやりとりすることができる任意の機器を表す。無線通信機器20の実施例は、無線電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ラップトップコンピュータ、及び通信システム10による使用に適した他の任意の可搬型通信機器など、従来の通信機器を含む。例えば、特定の実施形態では、無線通信機器20はLTEユーザー機器(UE)の例を表す。加えて、特定の実施形態では、無線通信機器20はまた、自動化機器又はマシン型通信(MTC)が可能な機器を表すこともある。例えば、無線通信機器20は、無線計測器又はセンサ、デジタル掲示板、無線対応家電(例えば、洗濯機、温風機、デジタルビデオレコーダ(DVR))、又はアクセスネットワーク30との無線通信が可能な他の任意の機器を表すことがある。
【0029】
アクセスネットワーク30は、無線通信機器20と無線的に通信を行い、無線通信機器20とコアネットワーク40との間のインターフェースとして働く。アクセスネットワーク30は、無線アクセスネットワーク及び/又は、コアネットワーク40に無線又はエアインターフェースを提供する機能を負う任意の要素を表す又は含むことがある。アクセスネットワーク30は、無線通信機器20と無線的に通信することができる一又は複数の無線アクセスノードを含む。
図1Aの実施例の実施形態では、これらの無線アクセスノードは複数の基地局32及び低出力ノード34を含む。アクセスネットワーク30はまた、基地局コントローラ、アクセスサーバ、ゲートウェイ、リレー、リピータ、及び/又は基地局32によって使用される無線チャネルの管理、ユーザー認証、基地局32と他の無線アクセス要素との間のハンドオフの制御、及び/又は基地局32の相互運用の管理及びコアネットワーク40への基地局32の接続に好適な任意の付加的なコンポーネントを含むことがある。
【0030】
特定の実施形態では、アクセスネットワーク30は、複数の異なる種類の無線アクセスノードが配備される異種ネットワークを表すことがある。例えば、
図1Aの例示的な実施例では、アクセスネットワーク30は、各々が一又は複数のセル50にサービスを提供する複数の基地局32、及び各々が一又は複数のセルにサービスを提供する複数の低出力ノード34を含む。本明細書では、基地局32によってサービス提供されるセル50を「マクロ」セルと呼び、低出力局34によってサービス提供されるセル50を「マイクロ」セルと呼ぶ。特定の実施形態では、低出力局34によってサービス提供されるマイクロセルは、
図1Aに示すように近隣基地局32によってサービス提供される一又は複数のマクロセルと実質的に重なることがある。
基地局32は、無線通信機器20への無線通信サービスを促進するため、無線通信機器20と無線的に通信を行う。基地局32は、無線通信機器20との通信を行い、無線通信機器20をコアネットワーク40に接続するための任意の適切な要素を含みうる。例えば、アクセスネットワーク30及びコアネットワーク40によって支持される通信規格に応じて、各基地局32は、基地局、NodeB、evolved NodeB(eNodeB)、無線基地局(RBS)、又は無線通信機器20と無線的に通信することができる他の好適な要素を表す又は含んでもよい。
【0031】
同様に、低出力ノード34は、無線通信機器20への無線通信サービスを促進するため、無線通信機器20と無線的に通信を行う。低出力ノード34は、無線通信機器20との通信を行い、無線通信機器20をコアネットワーク40に接続するための任意の適切な要素を含みうる。特定の実施形態では、低出力ノード34は基地局32よりも低い最大送信出力を有してもよく、基地局32よりも低い送信出力を使用するように構成されてもよい。低出力ノード34の実施例は、限定するものではないが、ピコ基地局、フェムト基地局、マイクロ基地局、ホームeNodeB(HeNB)、及び無線ローカルアクセスネットワーク(WLAN)アクセスポイントを含む。
【0032】
「低出力」と呼ばれてはいるものの、低出力ノード34は、特定の実施形態では、基地局32と同一の物理要素を含んでもよいが、ある時点では、単純に基地局32とは別に運用するように構成されてもよい。さらに、以下の説明は、例示を目的として、アクセスネットワークが送信出力の異なる無線アクセスノードを含む実施形態に焦点を当てているが、アクセスネットワーク30の他の実施形態は、運用及び/又は他の機能又は特性の他の態様に関して異なる種類の無線アクセスノードを含むことがある。しかも、アクセスネットワーク30の代替的な実施形態は、無線アクセスノードのすべてが同様または同一である同種ネットワークを表すことがある。
【0033】
アクセスネットワーク30内の各無線アクセスノードは、当該無線アクセスノードによってサービス提供される一又は複数のセル50に関連している。セル50は、対応する無線アクセスノードによってサービス提供される近接した地理的な領域を定義することができる。単純化するため、
図1Aは、各無線アクセスノードが単一のセル50にサービス提供するように構成される実施例の実施形態を図解している。しかしながら、特定の実施形態では、無線アクセスノードは複数の異なるセル50に対応することができる。例えば、キャリアアグリゲーション又は他のマルチキャリア機能に対応する実施形態では、特定の無線アクセスノードは、場合により同一の地理的カバレッジにより、周波数スペクトルの異なる部分のキャリアを用いる無線アクセスノードによってサービス提供されるセル50の各々により、複数の異なるセル50にサービス提供することができる。その結果、特定の実施形態では、第1のセル50及び第2のセル50は同一の無線アクセスノードによってサービス提供され、またこれらのセル50は、同一の、重なる、又は完全に別個の地理的な領域を網羅することができる。
【0034】
コアネットワーク40は、アクセスネットワーク30から他の無線通信機器20まで、或いは地上の通信線接続又は他のネットワークを経由してコアネットワーク40に接続されている他の通信機器まで、無線通信機器20によって通信される音声及び/又はデータをルーティングする。コアネットワーク40は、このような通信のルーティングに関して適切な任意の規格又は技術に対応することができる。例えば、LTEに対応している無線通信機器20の実施形態では、コアネットワーク40はシステムアーキテクチャエボリューション(SAE)コアネットワークを表すことがある。コアネットワーク40はまた、長距離伝送通信の集約、ユーザー認証、呼制御、課金を目的とした使用量の計測、又は通信サービスの提供に関連する他の機能の役割を担う。しかしながら、一般的に、コアネットワーク40は、無線通信機器20に対する音声及び/又はデータ通信のルーティング並びに支援に適した任意のコンポーネントを含むことがある。
【0035】
動作時には、無線通信システム10の無線アクセスノード(実施例の実施形態では基地局32及び低出力ノード34など)は、これらの無線アクセスノードによってサービス提供されるセル50の中で動作している無線通信機器20に無線通信サービスを提供する。ある種のダウンリンク送信をセル間干渉から保護するため、これらの送信があるサブフレーム(本明細書では「候補サブフレーム」と呼ぶ)の中で確実に起こるように、これらのダウンリンク送信のタイミングが制御される。これらの候補サブフレームは、一又は複数のアグレッサセルが限られた送信を行う又は全く送信を行わない、ビクティムセル内の干渉が全体的に低減される、及び/又は他の好適な送信条件がビクティムセルに対して起こるようなサブフレームを表す。
【0036】
例えば、特定の実施形態では、候補サブフレームは、アグレッサセルがMBSFN ABSサブフレームを送信するように構成されている、これらのサブフレーム、或いはこれらのサブフレームの特定のサブセットを表すことがある。特定の実施形態では、これらの候補サブフレームは、アグレッサセル内の基地局32aによる送信が何らかの方法によって制限されるサブフレーム(例えば、ABS構成の下でABSサブフレームとして構成されるサブフレーム)、低出力ノード34a又はアクセスネットワーク30が干渉に敏感なある種の又はすべての動作に対して受け入れ可能であるように指定されているサブフレーム(例えば、無線通信機器20aに対して構成される限定的な測定パターンによって特定されるサブフレーム)、又はこれら2つの何らかの組み合わせを表すことがある。代替的に、幾つかの実施形態では、候補サブフレームは、アグレッサセル内での送信及び/又は無線通信機器20の受信機の種類に関連する強い干渉に対処する無線通信機器20の能力(例えば、ある種の干渉に対処する又はこれを軽減する能力の目安)に依存することがある。さらに一般的に、候補サブフレームは、当該のサブフレームの間にアグレッサセル内で送信を行う任意の好適な方法に関連する候補条件を満たす、任意のサブフレームを表すことがある。
【0037】
上記で説明したように、特定の実施形態では、当該のダウンリンク送信(例えば、同期HARQ送信)のタイミングは、当該のダウンリンク送信との間に固定されたタイミングの関係を有する関連のあるアップリンク送信のタイミングによって制約されることがある。結果として、無線通信システム10は、当該のダウンリンク送信のタイミングを制御するため、関連のアップリンク送信のタイミングを使用してもよい。ある実施形態では、保護されるダウンリンク送信は、関連のアップリンク送信の最後の複製の受信(又は、最後の複製が受信されるべき時点のサブフレームの発生)によって引き起こされてもよい。したがって、無線通信機器20が送信するアップリンク送信の連続複製の数をインテリジェントに調整することによって、無線通信システム10は、保護されたサブフレームの間に応答ダウンリンク送信が起こるように保証することができる。より具体的には、特定の実施形態の無線アクセスノードは、関連のアップリンク送信のタイミングを制御するため、送信時間間隔(TTI)バンドリングなど、送信の冗長性機能を使用してもよい。
【0038】
TTIバンドリングにより、無線通信機器20は、ダウンリンクHARQフィードバックを受信する前に、連続するサブフレームで複数のアップリンク送信を試みることができる。これにより、セルエッジにある無線通信機器20に対するアップリンクカバレッジを改善し、HARQ失敗の可能性を低減する(例えば、HARQシグナリングを低減することによって)結果となることがある。付加的に、送信冗長性の使用は、最終の複製のタイミングによって引き起こされるHARQ送信として、応答ダウンリンクHARQ送信に対するタイミングの変更を引き起こすことがある。行われたアップリンク送信の複製の数をインテリジェントに調整することによって、無線アクセスノードは応答ダウンリンクHARQ送信のタイミングを制御することができる。
【0039】
図5A及び5Bは、それぞれTTIバンドリングなしでのHARQシグナリング、及びTTIバンドリングありでのHARQシグナリングに対するタイミングの実施例を図解している。
図5Bの実施例では、無線通信機器20は、4つの連続するTTIで送信された4つの反復バージョン(RV)を含むTTIバンドルを送信する。
図5Aと比較すると、バンドルサイズが4である最短のHARQラウンドトリップタイム(RTT)は11msで、正常なHARQ RTTの8msとは同期できないため、TTIバンドルの再送信は遅延することに留意されたい。したがって、16msの周期が設定される。その間のタイムスロットは、当該の無線通信機器20又は他の無線通信機器20からの他の何らかの送信に使用可能である。
図5A及び5Bに示すように、TTIバンドリング又は他の種類の冗長送信の選択的な使用により、無線アクセスノードはアップリンク送信のタイミング全体、次に関連のダウンリンク送信(例えば、応答HARQ送信)のタイミングを調整することができる。ビクティムセル内の無線アクセスノードがこの技術を使用して、潜在的なアグレッサセルに対する候補サブフレームに当該のダウンリンク送信を合わせると、無線アクセスノードは、利用可能な干渉保護されたサブフレームをより効果的に使用することができる。
【0040】
例えば、
図1Aに戻ると、アグレッサセル(ここでは、セル50a)にサービス提供している第1の無線アクセスノード(この例では、基地局32a)は、第2の無線アクセスノード(ここでは、低出力ノード34a)によってサービス提供されるビクティムセル(ここでは、セル50b)に干渉することが想定されている。低出力ノード34aは、複数の候補サブフレームを特定する構成情報を取得することができ、その候補サブフレームの中で低出力ノード34aはアグレッサセル50a内の基地局32aによる送信からの干渉を低減すると期待することができる。構成情報は、低出力ノード34a自体又は別の機器によって生成される情報を表すことがある。その結果、低出力ノード34aは、例えば、ローカル記憶装置から情報を取り出すことによって、或いは、無線通信システム10の別の要素から、例えばアクセスネットワーク30の連携ノード又は基地局32a自体から情報を受信することによって、この情報を取得してもよい。
【0041】
取得した構成情報は、任意の好適な方法で、例えば、候補サブフレームの各々を明示的に特定することによって、所定の候補サブフレーム群に識別子を提供することによって、或いは他の任意の好適な方法で当該サブフレームを明示的又は暗示的に示すことによって、候補サブフレームを示すことができる。特定の実施形態では、取得した情報は、構成された無線フレームの各サブフレームにビットを提供するビットマップを表す。各ビットの値は、対応するサブフレームが当該アグレッサセル50aに関して候補サブフレームであるかどうかを示す。しかも、上述のように、特定の実施形態では、候補サブフレームは、アグレッサセル50aに対して構成されたMBSFN ABSサブフレームのすべて又は一部を表す。したがって、取得した情報は、どのサブフレームがMBSFN ABSサブフレームとして構成されているかを示すもの、例えば、所定のMBSFN ABSパターンに対する識別子であってもよい。
【0042】
特定の実施形態では、低出力ノード34aはまた、取得した情報を使用して、低出力ノードがサービス提供している無線通信機器20(例えば、無線通信機器20a)がアグレッサセルの送信パターンを活用するように構成してもよい。これにより、無線通信機器20aは低減された干渉条件下で、測定又は他の何らかの動作を確実に実施することができる。例えば、無線アクセスノードは潜在的なビクティムセル内で動作する無線通信機器20と、タイムドメイン測定リソース制限パターン、或いは候補サブフレーム又は候補サブフレームのサブセットを示す他の形態の制限された測定パターンをやりとりすることができる。特定の実施形態では、このようなパターンは、ビクティムセルに干渉すると予測されている一又は複数のアグレッサセルに対して、制限された(例えば、ABS)及び/又は制限されていないサブフレームを示すビットストリングを含む。これらの制限付き測定パターンを使用して、干渉が改善された条件下で、無線通信機器20がサブフレームの間に信号強度測定又は他の所定の動作を実施するように構成してもよい。制限付き測定パターンは、無線リンク管理(RLM)又は無線リソース管理(RRM)測定のためのサービングセルパターン、RRM測定のためのネイバーセルパターン、チャネル状態情報(CSI)測定及び復調のためのサービングセルパターン、或いは測定又は他の動作(例えば、フィードバック情報など、ある種のダウンリンク送信の受信)の実施に適した特定のリソースを特定する他の種類のパターンを表すことがある。
【0043】
低出力ノード34aがアグレッサセルに対して候補サブフレームを示す構成情報を取得した後、低出力ノード34aは取得した情報を使用して、低出力ノード34aによって行われるある種のダウンリンク送信が候補サブフレームの1つの間にスケジュールされるように保証することができる。低出力ノード34aによってサービス提供される無線通信機器20(ここでは、無線通信機器20a)がアップリンク送信を行う許可を要求するとき、低出力ノード34aは取得した情報を使用して、アップリンク送信に関連付けられたダウンリンク送信(この実施例では、応答HARQ送信)が候補サブフレームの1つの間に行われることを保証するため、無線通信機器20aが作成すべきアップリンク送信の複製の数を決定する。
【0044】
説明した解決策の実装に応じて、低出力ノード34aは、送信される適切な複製の数を制約なしで決定することにより、或いは限られた可能な選択肢の組の中から数を選択すること(例えば、「1つ」から「複数」の間の複製を選択すること)によって、送信する複製の数を決定することができる。例えば、無線通信システム10の特定の実施形態は、起動されると、無線通信機器20aによって送信される固定された所定の数の複製を提供する、TTIバンドリング又は他の冗長な機能に対応してもよい。例えば、従来のLTEネットワークは、複製数が4に固定されたTTIバンドルに対応している。このようなネットワークでは、無線通信機器20は、TTIバンドリングが起動されていない場合には1つの複製を送信し、TTIバンドリングが起動されている場合には4つの複製を送信する。したがって、特定の実施形態では、送信される複製の数を決定することは、TTIバンドリングを起動するかどうかを決定することを意味し、TTIバンドリングが起動されるときには、固定数の複製が送信される。
【0045】
ある実施形態では、低出力ノード34aはある程度スケジューリングの柔軟性を有することがあり、無線通信機器20aがアップリンク送信の最初の複製を送信することになっているサブフレームを選択することもある。このような実施形態では、低出力ノード34aは、送信される複製の数及び最初の複製に対してスケジュールされているサブフレームの両方を選択し、候補サブフレームの1つの間に応答ダウンリンクサブフレームが作成されることを保証する。他の実施形態では、無線通信機器20aによって送信されるスケジューリング要求は、特定のサブフレーム(例えば、スケジューリング要求の受信から所定の時間が経過した後に起こるサブフレーム)に関連することがあり、低出力ノード34aは当該サブフレームの間に第1の複製をスケジュールするように要求されることがある。その結果、このような実施形態では、低出力ノード34aは第1の複製のスケジューリングを調整することができないが、送信されるアップリンク送信の複製の数を調整することだけで、候補サブフレームの間に関連のダウンリンク送信が起こるように保証することができる。
【0046】
無線通信機器20aが送信する複製の適切な数を低出力ノード34aが決定した後、低出力ノード34aは無線通信機器20aに、無線通信機器20aがアップリンク送信を送信するようにスケジュールされたことを示す情報を送信してもよい。例えば、特定の実施形態では、低出力ノード34aは、アップリンク送信を行うために無線通信機器20aが送信リソースを使用することを許可するスケジューリンググラントを送信することがある。このスケジューリンググラントと共に、低出力ノード34aは、無線通信機器20aに対して、無線通信機器20aが連続したサブフレームで送信すべきアップリンク送信の複製の決定数を示す付加的なスケジューリング情報を送信してもよい。1つの実施例として、特定の実施形態では、無線通信システム10はTTIバンドリング機能を利用して、アップリンク送信の冗長な複製を送信するように無線通信機器20を構成することができ、スケジューリング情報は特定のTTIバンドリング構成(例えば、TTIバンドリングを起動/停止する;特定のバンドルサイズのTTIバンドリングを使用する)を特定する。スケジューリング情報はアップリンク送信の他の態様を構成してもよい。例えば、低出力ノード34aは、無線通信機器20が送信すべき再送信の最大数を設定することができる。
【0047】
加えて、低出力ノード34aは、基地局32a又は別のアグレッサセルにサービス提供する無線アクセスノードに、保護されるサブフレームを示す情報を送信することができる。当該無線アクセスノードは、ビクティムセル50b内のダウンリンク送信が確実に保護されるようにするため、アグレッサセルに対して送信パターン(例えば、ABS MBSFNパターン)を調整することができる。低出力ノード34aはまた、候補サブフレームに適応して冗長アップリンク送信(例えば、TTIバンドリング)を使用するための機能、及び/又は冗長アップリンク送信と制限付き測定パターンを同時にサポートする機能を示す他の無線アクセスノード情報を送受信することができる。
【0048】
スケジューリンググラント及び任意の付加的なスケジューリング情報(例えば、バンドリングが起動されるべきことの指示、決定された複製の数の明示的な指示)を受信すると、無線通信機器20aは低出力ノード34aにアップリンク送信を送信する。無線通信機器20aがアップリンク送信の複数の複製を送信すべきことを構成情報が示している場合には、無線通信機器20aは、無線通信機器20aが連続するサブフレームの中で決定された数のアップリンク送信の複製を送信するまで、以降のサブフレームでアップリンク送信を繰り返す。例えば、特定の実施形態では、スケジューリング情報は、無線通信機器20aがTTIバンドリングを起動すべきことを示し、無線通信機器20aは無線通信システム10内のTTIバンドリングに対して固定されたアップリンク送信の所定の数の複製を送信することがある。
【0049】
無線通信機器20aが適切な数のアップリンク送信の複製を送信し終わった後、低出力ノード34aはアップリンク送信に関連するダウンリンク送信を送信する。上記で説明したように、関連ダウンリンク送信はやがてアップリンク送信に関連付けられる。したがって、低出力ノード34aは、アップリンク送信とこれに関連付けられたダウンリンク送信との間のタイミングの関係に従ってダウンリンク送信の時期を決定する。例えば、特定の実施形態では、ダウンリンク送信は、アップリンク送信の最後の複製が送信されてから、所定の数のサブフレームだけ時間が経過した後に送信されるべきHARQフィードバック送信(例えば、ACK又はNAK)を表す。したがって、低出力ノード34aは、アップリンク送信の最後の複製の受信から、所定の数のサブフレームだけ時間が経過した後に(又は、アップリンク送信の最後の複製が受信されるべき時点から所定の数のサブフレームだけ時間が経過した後に)HARQフィードバック送信を送信する。
【0050】
無線通信機器20aが送信する複製の数は、候補サブフレームのタイミングに基づいて決定されたため、ダウンリンク送信は候補サブフレームの1つの間に起こる。これは、候補サブフレームが候補サブフレームに対応するアグレッサセル50aからの干渉から保護され、
図6と同様の信号タイミングになることを意味する。
図1Aの例示的な実施例では、当該候補サブフレームはアグレッサセル50a内の基地局32aの送信に関連する。その結果、ダウンリンク送信は、アグレッサセル50a内の基地局32aによる送信に起因する干渉から保護される。この保護の結果、無線通信機器20aが成功裏にダウンリンク送信を受信する可能性は、ダウンリンク送信のタイミングが制約されていない場合よりも高くなることがある。
【0051】
上述の技術は、当該タイプのダウンリンク送信すべてを無条件で保護するように適用されることがあるが、幾つかの実施形態はこの技術をある状況下でのみ利用することがある。他の状況下では、対応するアップリンク送信に対して設定された複製の数は、TTIバンドリングを起動するための従来のプロセスなど、他の何らかのデフォルト技術を用いて決定される。例えば、特定の実施形態では、ビクティムセル内の無線アクセスノードは、干渉条件が上述の技術を実行前に適用することを保証するかどうかを決定する。したがって、このような実施形態では、無線アクセスノードは、特定の干渉条件が満たされることの決定に応じて、送信される特定のアップリンク送信の複製の数を調整することができる。この干渉条件は、何らかの適切な方法で、当該無線通信機器20及び/又はビクティムセルが受ける干渉に関連することがある。加えて、干渉条件を利用する実施形態では、干渉条件は候補サブフレーム(又は、候補リソース)の群を定義する候補条件と同じになることがある。
【0052】
1つの実施例として、無線アクセスノードは、ビクティムセルでの干渉が十分に大きいと決定された場合にのみ、上述の技術を利用するように構成されてもよい。したがって、特定の実施形態では、干渉条件は無線アクセスノード、当該無線通信機器20、または無線通信システム10の他の要素によって実施される干渉測定に関連することがある。これらの干渉測定は、信号又はチャネルの品質評価、信号強度測定、チャネル評価レポート、又は他の任意の好適な干渉の測定及び/又はビクティムセルでの信号品質を表すことがある。このような実施形態では、無線アクセスノードは、一又は複数の干渉測定に基づいて、上述のように送信が確実に保護されるように、特定のアップリンク送信に関して送信される複製の数を調整するかどうかを決定してもよい。
【0053】
別の実施例として、無線通信システム10は、
図1Bで図解されているシナリオのように、そのサブスクライバグループに属していない無線通信機器20上でCSG無線アクセスノードの影響を低減するため、上記の技術を利用するように構成されてもよい。したがって、干渉条件は、当該の無線通信機器20(
図1Bの無線通信機器20gなど)が、無線通信機器20gが属していないクローズドサブスクライブドグループ用のCSGセル内で動作しているかどうかに関連することがある。このような実施形態では、第1の無線アクセスノード(例えば、
図1Bの基地局32g)は、無線通信機器20の属さないクローズドサブスクライバグループにサービス提供する第2の無線アクセスノードのセル(例えば、低出力ノード34gによってサービス提供されるセル50g)内で無線通信機器20gが動作しているかどうかに基づいて、特定のアップリンク送信に関する送信された複製の数を調整するかどうかを決定することがある。
【0054】
別の実施例として、無線通信システム10は、
図1Cで図解されているシナリオのように、セルレンジエクスパンションゾーン内で動作している無線通信機器20に対する干渉を低減するため、上述の技術を利用するように構成されてもよい。したがって、特定の実施形態では、干渉条件は、当該無線通信機器20(例えば、
図1Cの無線通信機器20k)がCREゾーン52内又は無線アクセスノードが信号強度を低減したと予測される別の領域内で動作しているかどうかに関連することがある。このような実施形態では、第1の無線アクセスノード(例えば、
図1Cの低出力ノード34k)は、無線通信機器20kが当該の無線アクセスノードのCREセル52(例えば、CREゾーン52k)内で動作しているかどうかに基づいて、特定のアップリンク送信に関して送信される複製の数を調整するかどうかを決定することができる。これは、CREゾーンのような、ビクティムセルが弱くアグレッサセルからの干渉をより受けやすくなりうるエリア内のダウンリンク送信に対する保護となることがある。
【0055】
さらに別の実施形態では、関連するダウンリンク送信の保護を促進するため、冗長なアップリンク送信を使用するかどうかの決定は、当該無線通信機器20が近隣の低出力ノード34を検出しているかどうか、当該無線通信機器20が最も近い低出力ノード34からどれだけ離れているか、当該無線通信機器20が冗長送信(例えば、TTIバンドリング機能)に対応できるかどうか、当該無線通信機器20が構成される測定パターンを有するかどうか、特定のアグレッサセル内のMBSFN ABSパターンが冗長送信を使用せずにビクティムセル内のHARQラウンドトリップタイムに適合するように構成可能かどうか、冗長送信が別のネットワークノード(例えば、自己組織化ネットワーク(SON)、運用保守(O&M)ノード、隣接無線アクセスノード)によって要求されているかどうかなど、干渉に直接関係しうる又は関係しえない他の要因、及び/又は他の任意の好適な検討事項に基づいていてもよい。
【0056】
上記の説明は、アグレッサセルのMBSFN ABSサブフレームを候補サブフレームとして利用する特定の実施形態に焦点を当てているが、候補サブフレームは任意の好適な所定の候補条件を満たすサブフレームを表すことがある。ある実施形態では、この候補条件は、一又は複数の他の無線アクセスノードからの送信によって引き起こされる当該サブフレームの間に起こる干渉の量に関連することがある。特に、候補条件は、特定の無線アクセスノード又は無線アクセスノード群が当該サブフレームの間に送信するように構成されているかどうかに関連することがある。同様に、上記の説明は、特定の種類の関連アップリンク及びダウンリンク送信に注目する特定の実施形態に焦点を当てているが、説明されている技術は無線アクセスノードが冗長性を制御しうるアップリンク送信に時間的に関連する任意のダウンリンク送信を保護するため使用可能である。したがって、他のダウンリンク制御チャネル上の送信、例えば、アップリンク送信によって引き起こされる送信は、上述の方法で保護されてもよい。
【0057】
冗長なアップリンク送信を選択的に使用することにより、無線通信機器10の特定の実施形態は、ある重要なダウンリンク送信をアグレッサセル内に構成される保護されたサブフレームに一致させることができる。これにより、当該のダウンリンク送信の干渉を低減して信頼性を高め、過剰な再送信から生じるオーバーヘッドを低減することができる。したがって、無線通信システム10のある実施形態は、数多くの動作上の利点を提供することができる。しかしながら、無線通信システム10の特定の個々の実施形態は、このような利点の一部を提供する、全く提供しない、或いは全てを提供することがある。
【0058】
図6は、ダウンリンク送信を保護するため選択的な冗長性をどのように使用しうるかの実施例を示している。より具体的には、
図6は、HARQフィードバック送信を候補サブフレームの組に一致させる目的で、HARQフィードバックを遅延させるため、無線アクセスノードがTTIバンドリングを利用する実施例の実施形態を図解している。この実施例の実施形態では、サイズが4TTIのTTIバンドリングの組が使用され、最大送信回数は3に設定される。この実施例の実施形態により、無線通信機器20は(1,0)サブフレーム内でスケジュール可能であり、フィードバック情報(例えば、ACK/NAK)は図示しているように(2,1)及び(8,2)サブフレーム内で送信される。(ここで、(u,v)はv番目の無線フレームのu番目のサブフレームを意味する)。
【0059】
この実施例の実施形態では、ダウンリンク送信に対して候補の時間及び/又は周波数リソースの事前に定義した実行可能なサブセットは、
図6で「MBSFN構成」と記されたサブフレーム(これは、MBSFN ABSパターンを使用しうるアグレッサセル内のMBSFN構成可能なサブフレームである)を含む。ビクティムセル内で低干渉条件が必要又は望ましいサブフレームは「保護されるサブフレーム」と記されている。
図6では、ダウンリンク送信が起こるサブフレームは「ダウンリンク制御」と記され、これらのダウンリンク送信を引き起こすバンドルされたアップリンク送信のためのサブフレームは「アップリンク送信」と記されている。(特定の実施形態では、候補サブフレームサブセットのみがダウンリンク制御送信を保護するように使用され、そのような実施形態では、「ダウンリンク制御」と記されたサブフレームは「保護されるサブフレーム」と記されたサブフレームとは異なることがある)。この実施例では、MBSFN構成可能なサブフレームに適応するようにTTIバンドリングを使用することなく、「保護されるサブフレーム」はMBSFN構成可能なサブフレームのサブセットでないことがあり、PHICHの検出及びさらにはHARQ性能の問題を引き起こすことがある。
図4の実施例との比較は、
図6に見られるように送信の冗長性を使用することによって、MBSFN ABSサブフレームはダウンリンク送信を保護するように使用可能であるが、そうでない場合にはこの方法で保護できないことがあることを示している。
【0060】
図7は、関連するダウンリンク送信を保護するための冗長なダウンリンク送信の利用を構成する際に、
図1Aの基地局32又は低出力ノード34の1つなど、無線アクセスノードに対する実施例の動作を図解するフロー図である。
図7に図解されているステップは、必要に応じて、結合、修正、又は削除されることがある。実施例の動作に付加的なステップが追加されることもある。さらに、説明されているステップは、任意の好適な順序で実施されてもよい。
【0061】
図7の動作は、ステップ700で第1のセル内の無線通信機器20(この実施例では、無線通信機器20a)へのダウンリンク送信に対して複数の候補サブフレームを示す構成情報を取得する無線アクセスノード(この実施例では、
図1Aの低出力ノード34a)によって開始される。候補サブフレームは、当該サブフレームの間の第2のセルでの送信に関連する所定の候補条件を満たすサブフレームを表す。特定の実施形態では、候補条件は、第2のセルでの送信によって引き起こされる当該のサブフレームの間に起こる干渉の量に明確に関連する。
【0062】
特定の実施形態では、低出力ノード34aは、第2のセルに関連付けられた候補サブフレームに基づいて、無線通信機器20aに対する測定パターンを生成することができる。測定パターンは、候補サブフレームの中のすべて又は一部のサブフレームを示すことがある。無線通信機器20aは、ある種の測定を実施するように、又は測定パターンによって示されるサブフレームである種の送信を受信するように構成されてもよい。したがって、例示的な実施例では、ステップ702で、低出力ノード34aは第2のセルに対してすべての候補サブフレームを示す測定パターンを生成し、当該測定パターンを無線通信機器20aに送信する。
【0063】
加えて、低出力ノード34aは、第2のセルにサービス提供する無線アクセスノード(例えば基地局32a)など、別の無線アクセスノードに、低出力ノード34aがダウンリンク送信に対して使用する一又は複数の候補サブフレームを示す情報、アップリンク送信の複製の決定された数、及び/又は低出力ノード34aによって行われるダウンリンク送信を保護するため、他の無線アクセスノードがその送信を調整することを可能にする他の情報を、送信してもよい。したがって、例示的な実施例では、ステップ704で、低出力ノード34aは連携情報を基地局32aに送信する。例えば、特定の実施形態では、低出力ノード34aによって最初に受信された構成情報は、保護される可能性のあるサブフレーム(例えば、MBSFN ABSに対して構成されうるサブフレーム)を特定することができる。基地局32aは連携情報を使用して、保護される可能性のあるサブフレームのうちのいずれが実際に保護を必要としているかを決定することができる。これにより、無線通信システム10は、アグレッサセルによる送信リソースの使用を抑制する連携の度合を制限することができる。
【0064】
構成情報により、低出力ノード34aは、構成情報に基づく無線通信機器20aによるアップリンク送信の構成を開始することができる。特定の実施形態では、この構成は、送信に利用可能なデータを有していることを示す無線通信機器20aによって開始されてもよい。例えば、例示的な実施形態では、ステップ706で、低出力ノード34aは、低出力ノード34aが無線通信機器20aに対してアップリンク送信をスケジュールすることを要求する無線通信機器からのスケジューリング要求を受信する。
【0065】
特定の実施形態では、無線通信システム10の無線アクセスノードは、あらゆる状況下でダウンリンク送信の保護を試みないことがある。それどころか、無線アクセスノードは、ある状況で、例えば、当該無線通信機器20が受ける又は受けると予想されている干渉に基づいて、保護を促進するため無線通信機器20だけを構成することがある。したがって、例示的な実施例では、ステップ708で、低出力ノード34aは干渉条件が満たされているかどうかを決定する。この干渉条件は、実際の干渉測定、無線通信機器20aがサービス提供していないCSGにサービス提供しているセル内に無線通信機器20aが配置されているかどうか、無線通信機器20aがセルレンジエクスパンションゾーン内で動作しているかどうか、無線通信機器20aが受ける干渉又は受けると予測される干渉に影響を及ぼす他の任意の検討事項、に関連することがある。
【0066】
干渉条件が満たされていない場合には、低出力ノード34aは、当該アップリンク送信の単一の複製を送信する、又は冗長性が適応されるべきかどうかを決定する従来の技術を使用する無線通信機器20aを構成してもよい。しかしながら、例示的な実施例では、干渉条件は満たされていると想定されて動作はステップ710に続く。上述のように、
図7のステップは、様々な実施形態で任意の好適な順序で実施されてもよい。したがって、例示的な実施例ではステップ708まで起こらないように示されているが、任意の先行するステップの完了は、代替的な実施形態では、干渉条件が満たされているかどうかの決定が条件となることがある。
【0067】
ステップ710では、低出力ノード34aは、候補サブフレームに関する情報に基づいて、無線通信機器20aが連続するアップリンクサブフレームで送信すべきアップリンク送信の複製の数を決定する。具体的には、低出力ノード34aは、候補サブフレームの1つの間に発生するアップリンク送信に関連するダウンリンク送信を引き起こす任意の数の複製を選択する。上述のように、説明した解決策の実装に応じて、低出力ノード34aは、送信される適切な複製の数を制約なしで決定することにより、或いは限られた可能な選択肢の組の中から数を選択すること(例えば、「1つ」から「複数」の間の複製を選択すること)によって、送信する複製の数を決定することができる。例えば、特定の実施形態では、送信される複製の数を決定することは、低出力ノード34がTTIバンドリングを起動するかどうかを決定することを意味し、TTIバンドリングが起動されるときには、固定数の複製(例えば、4つ)が送信される。
【0068】
ステップ712で、低出力ノード34aは次に、連続するサブフレームの中で決定された数のアップリンク送信の複製を送信する無線通信機器20aを構成する。特定の実施形態では、低出力ノード34aは、スケジューリング情報又は他の種類の命令を無線通信機器20aに送信することによって決定された数のアップリンク送信の複製を送信するように無線通信機器20aを構成し、送信するアップリンク送信の複製の数を直接的に又は間接的に示す。特定の実施形態では、このスケジューリング情報は、無線通信機器20aが送信すべき複製の数を明示的に指定してもよい。上述のように、特定の実施形態では、複製の数を明示的に指定するのではなく、この構成情報は、無線通信機器20aが固定された数の複製を送信する状況下で、無線通信機器20aがTTIバンドリング又は他の何らかの形態の冗長化を起動すべきかどうかを示すことがある。
【0069】
無線通信機器20aが送信するアップリンク送信の複製の数を示すスケジューリング情報を受信すると、或いはそうではなく低出力ノード34aによって適切な数の複製を送信するように構成されると、無線通信機器20は当該アップリンク送信を実施することがある。このようにする場合、無線通信機器20aは、連続するサブフレームで、低出力ノード34aによって決定される数のアップリンク送信の複製を送信する。したがって、ステップ714で、低出力ノード34aは、無線通信機器20aによって送信される一又は複数のアップリンク送信の複製を受信する。
【0070】
特定の実施形態では、低出力ノード34aはアップリンク送信のタイミングに対して所定の関係性を満たすタイミングで、アップリンク送信に関連するダウンリンク送信を送信する。例えば、低出力ノード34aは、フィードバック情報(例えば、ACK/NACKビットを含むHARQフィードバック)を送信することがある。ある実施形態では、タイミングの関係性は、アップリンク送信の最後の複製が受信された後又は受信されるようにスケジュールされた後に、固定された数のサブフレームとなるサブフレームに起こるダウンリンク送信をもたらす。その結果として、例示的な実施形態では、低出力ノード34aは、ステップ716で、最後の一又は複数の複製が受信されてから所定の時間が経過した後に、ダウンリンク送信を送信する。低出力ノード34aが送信されるアップリンク送信の複製の数を決定した方法により、最後の複製が受信されてから所定の時間が経過した後に起こるサブフレームは、候補サブフレームの1つとなる。したがって、低出力ノード34によって行われるダウンリンク送信は、候補サブフレームの間に起こり、結果としてダウンリンク送信は第2のセルの干渉から保護される。当該アップリンク送信の構成に関する低出力ノード34aの動作は、
図7に示すように終了する。
【0071】
ダウンリンク送信の保護を促進する冗長アップリンク送信の使用に加えて、又はこれに代えて、無線通信システム10は、無線アクセスノード間の他の形態での連携を利用して、潜在的なアグレッサセルによる干渉から潜在的なビクティムセル内のダウンリンク送信を部分的に又は全面的に保護することができる。
図8は、異なるセル50の一部又はすべてのダウンリンク送信を保護するため、当該セル50にサービス提供する一又は複数の無線アクセスノードがこれらのセル50の構成を調整する無線通信システムの実施例の実施形態を図解している。この実施例の実施形態に図解されている技術は、上述のアップリンク冗長化の解決策と共に、或いはダウンリンク送信を保護するための分離された単独の解決策として使用されてもよい。
【0072】
実施例の実施形態では、第1の無線アクセスノード(この実施例では、低出力ノード34x)は、第2の無線アクセスノード(ここでは、基地局32z)に連携情報を送信する。構成情報(
図8では、「構成情報メッセージ80」によって表される)は、低出力ノード34x(ここでは、セル50x)によってサービス提供されるビクティムセル内の無線通信機器20(ここでは、無線通信機器20a)に、低出力ノード34xがフィードバック情報を送信する一又は複数のサブフレームの群を示す。低出力ノード34xは、
図8に示された専用インターフェース(例えば、X2インターフェース)を用いて、或いはコンポーネント間の任意の好適な直接又は間接接続を用いて連携情報を基地局32zに送信することができる。
【0073】
この連携情報に基づいて、基地局32zは、基地局32z(ここでは、セル50z)によってサービス提供されるアグレッサセル内で使用するため、一又は複数の時間及び/又は周波数送信リソースの第2の群を決定する。これらの時間及び/又は周波数リソース(本明細書では総称的に「送信リソース」と呼ぶ)は、時間リソース(例えば、サブフレーム)又は周波数リソース(例えば、サブキャリア)又は両者の組み合わせ(例えば、特定のサブフレームの間の特定のサブキャリアの使用)を表すことがある。基地局32zは、第2の群と第1の群との間の重なりを防止又は制限するように、第2の送信リソース群を決定する。したがって、第2の送信リソース群は、少なくとも一部が第1の群とは異なる。基地局32zは次に、第2の送信リソース群を使用して、一又は複数の無線通信機器20にフィードバック情報を送信するように自局を構成する。
【0074】
無線通信システム10の特定の実施形態に応じて、基地局32zは様々な異なる方法で構成を実現してもよい。特定の実施形態では、構成プロセスは、基地局32zによって使用される送信リソースが時間及び周波数の点において、ビクティムセル50x内の低出力ノード34xによって使用される送信リソースと同一ではないことを保証するため、アグレッサセル50z内で、一般的な又はある特定の送信において、基地局32zによって使用される時間及び/又は周波数リソースを調整することを含みうる。
【0075】
無線通信システム10の特定の実施形態では、基地局32zは、ビクティムセル50x内で保護されることになっている同一の種類のダウンリンク送信を送信するために、基地局32zが使用する送信リソースを調整することがある。例えば、ダウンリンクPHICH送信が保護されることになっている実施形態では、基地局32zは、基地局32zが自局のPHICH送信を送信するために使用する送信リソースに影響を与える基地局32zに関連するパラメータを調整することがある。例えば、基地局32zは、基地局32zに関連するセル識別子、当該の送信のために基地局32zによって使用される任意の数の変調シンボル(例えば、LTE実施形態におけるOFDMシンボル)、又はアグレッサセル50z内での当該の送信に関連するグループ番号(例えば、PHICHのグループ番号)などのパラメータを調整することがある。
【0076】
特定の実施形態では、基地局32zは、アグレッサセル50zによってサービス提供される無線通信機器20の一部又はすべてに関連するパラメータを選択すること又は再選択することによって、当該送信に対して使用される送信リソースを調整することができる。例えば、基地局32zは、アグレッサセル50z内の当該ダウンリンク送信が受信構成情報によって示される送信リソースを使用しないことを保証するため、アグレッサセル50zによってサービス提供される一又は複数の無線通信機器20によって使用される巡回シフト又はリソース割り当てを選択又は再選択してもよい。このような場合、基地局32zは、当該無線通信機器20(例えば、
図8の無線通信機器20y)に新たに選択されたパラメータを示す情報を送信することができる。
【0077】
さらに、特定の実施形態では、基地局32zはまた、ビクティムセル50x内で保護されるべきダウンリンク送信とは異なる他の種類のダウンリンク送信に対して、基地局が使用する送信リソースを調整してもよい。例えば、PHICH送信がビクティムセル50x内で保護されることになっている実施形態では、基地局32zはそれにもかかわらず、PDCCHなどの他のチャネルの送信に使用される送信リソースを調整して、これらのチャネルが保護されている送信と干渉しないように保証することがある。したがって、このような実施形態では、基地局32zは、アグレッサセル50zによってサービス提供される一又は複数の無線通信機器20に割り当てられる識別子(例えば、C−RNTI)、当該チャネル(例えば、使用される任意の数の制御チャネルエレメント(CCE))上での送信のための送信フォーマット、又はアグレッサセル50z内での当該ダウンリンク送信に対して使用される送信リソースが受信した連携情報によって特定される送信リソースと同時に起こらないことを保証する他の任意の好適なパラメータ、を選択又は再選択してもよい。
【0078】
無線通信システム10の実施形態に応じて、基地局32zは様々な異なる方法で説明された連携手続きを開始してもよい。特定の実施形態では、基地局32zは、他のノードからの明示的なシグナリングに応答して、無線ネットワークノードの動作を調整するために事前に定義した規則に基づいて、送信を保護するため無線アクセスノードの動作連携の役目を担う連携ノードからの命令に応答して、及び/又は他の任意のトリガイベントの結果として、自律的に(ビクティムセル50x内の干渉測定に基づいて)連携手続きを開始することがある。
【0079】
図9は、
図8の基地局32又は低出力ノード34の1つなどの無線アクセスノードの動作の実施例を図解するフロー図で、これらの無線アクセスノードの一方または両方によって行われるダウンリンク送信を保護するため、別の無線アクセスノードとの構成を調整することを図解している。
図9に図解されているステップは、必要に応じて、結合、修正、又は削除されることがある。実施例の動作に付加的なステップが追加されることもある。さらに、説明されているステップは、任意の好適な順序で実施されてもよい。
【0080】
図9の動作は、ステップ900で、第1のセル内の無線通信機器20に、ダウンリンク送信のための複数の候補サブフレームを示す連携情報を取得する無線アクセスノード(この実施例では、
図8の基地局32z)によって開始される。候補サブフレームは、別の無線アクセスノード(この実施例では、低出力ノード34x)が、低出力ノード34xによってサービス提供される一又は複数の無線通信機器20(この実施例では、無線通信機器20x)に、フィードバック情報(例えば、HARQ ACK/NACKビット)を送信するサブフレームを表す。
【0081】
ステップ902で、基地局32zは次に、取得した連携情報に基づいて、基地局32zによってサービス提供される無線通信デバイス20xにフィードバック情報を送信するために、基地局32zが使用すべき第2の送信リソース群を決定する。第2のサブフレーム群は第1のサブフレーム群とは異なる。
【0082】
基地局32zは、ステップ904で、第2の送信リソース群を用いて、基地局32zによってサービス提供される無線通信機器20(例えば、無線通信機器20y)にフィードバック情報を送信するように自局を構成する作業に進む。基地局32zは、様々な方法で第2のリソース群を用いて、フィードバック情報を送信するように自局を構成することができる。1つの実施例として、基地局32zは、基地局32zに対してセル識別子を設定することによって、フィードバックチャネルに対して使用される送信リソースを調整することがある。別の実施例として、基地局32zは、基地局32zによってサブフレームごとに使用される任意の数の変調シンボル(例えば、OFDMシンボル)を設定することによって、フィードバックチャネルに対して使用される送信リソースを調整することがある。別の実施例として、基地局32zは、無線通信機器20yのグループ番号を設定することによって、フィードバックチャネルに対して使用される送信リソースを調整することがある。グループ番号はフィードバック情報の送信に使用される送信リソースの組を示す。さらに別の実施例として、基地局32zは、無線通信機器20yによって送信される復調参照信号に関連付けられる巡回シフトを設定することによって、フィードバックチャネルに対して使用される送信リソースを調整することがある。
【0083】
PHICHチャネルなどのダウンリンクフィードバックチャネルの構成に加えて、又はこれに代えて、基地局32zは、ステップ906で、他のダウンリンクチャネルを構成して、そのダウンリンク送信を低出力ノード34xのダウンリンクチャネルと調整することがある。例えば、基地局32zは、当該チャネル上の無線通信機器20yへのダウンリンク送信のリソースマッピングに影響を及ぼす無線通信機器20yに対して、識別子(例えば、C−RNTI)を割り当てることによって、PDCCHのような制御チャネルの送信リソースを調整することがある。別の実施例として、基地局32zは、制御チャネルに対して送信フォーマットを調整すること(例えば、使用される制御チャネルエレメントの数を設定すること)によって、PDCCHなどの制御チャネルの送信リソースを調整することがある。
【0084】
連携情報に基づいて自局を構成した後、基地局32zは次に、ステップ908で、構成に従ってダウンリンク送信を送信する。連携の結果として、基地局32zによって送信されるダウンリンク送信は、低出力ノード34xによって送信されるフィードバック送信に干渉しない。低出力ノード34xとの連携送信に関する基地局32zの動作は、
図9に示すように終了する。
【0085】
図10は、無線アクセスノードがサービス提供している(潜在的なビクティムセル内で動作している場合)セル内及び/又は別の無線アクセスノード(潜在的なアグレッサセル内で動作している場合)によってサービス提供される隣接セル内で、ダウンリンク送信を保護するように構成されうる無線アクセスノード1000の特定の実施形態の内容をより詳細に図解するブロック図である。実施例の無線アクセスノード1000の特定の実施形態は、例えば、
図7に関して上述の関連のダウンリンク送信を保護するため、冗長アップリンク送信のスケジューリングを行うことができる。実施例の無線アクセスノード1000の特定の実施形態は追加的に又は代替的に、そのダウリンク送信を、例えば、
図9に関して上述のように別のセルの送信と連携させることができる。
図10に示したように、ネットワークノード1000の実施例の実施形態は、ノードプロセッサ1002、ノードメモリ1004、通信インターフェース1006、アンテナ1008、送信機1010、及び受信機1012を含む。
【0086】
ノードプロセッサ1002は、専用マイクロプロセッサ、汎用コンピュータ、又は電子情報を処理することができる他の形態の電子回路など、任意の形態の処理コンポーネントを表す又は含むことがある。ノードプロセッサ1002の実施例は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び他の任意の好適な専用又は汎用プロセッサを含む。
図10は簡略化するように描かれているが、単一のノードプロセッサ1002、ネットワークノード1000を含むネットワークノード1000の実施形態は、任意の適切な方法で同時使用するように構成された任意の数のノードプロセッサ1002を含んでもよい。
【0087】
ノードメモリ1004は、無線アクセスノード1000によって取得された構成情報を保存する。ノードメモリ1004はまた、ノードプロセッサ1002に対するプロセッサ命令、コーディングアルゴリズム、送信パラメータ、及び/又は動作の間に無線アクセスノード1000によって利用される他の任意のデータを保存してもよい。ノードメモリ1004は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、磁気記憶、光記憶、又は他の好適な種類のデータ記憶コンポーネントなど、データの保存に適した揮発性又は不揮発性のローカル機器又はリモート機器の、任意の集積及び配置を含んでもよい。
図10に単一要素として示したが、ノードメモリ1004は、無線アクセスノード1000の内部又は離れた場所に存在する一又は複数の物理コンポーネントを含んでもよい。
【0088】
通信インターフェース1006は、無線アクセスノード1000と他の無線アクセスノード及び/又はアクセスネットワーク30並びにコアネットワーク40の他の要素との通信を可能にするのに適した電子回路及び他のコンポーネントを含む。例えば、無線アクセスノード1000がアクセスネットワーク30の他のネットワークノードと連携情報を交換する実施形態では、通信インターフェース1006は、無線アクセスノード1000とアクセスネットワーク30の他のノードとの間のX2インターフェースを介して通信を行うことができる回路を表すことがある。
【0089】
アンテナ1008は、無線信号を送受信することができる任意の好適な導体を表す。送信機1010はアンテナ1008を介して高周波(RF)信号を送信し、受信機1012は無線通信機器20によって送信されるある種のRF信号をアンテナ1008から受信する。
図10の実施例の実施形態は、ある数と構成のアンテナ、受信機、及び送信機を含むが、無線アクセスノード1000の代替的な実施形態は、任意の好適な数のこれらのコンポーネントを含んでもよい。加えて、送信機1010、受信機1012、及び/又はアンテナ1008は、部分的に又は全体的に同一の物理コンポーネントを表すことがある。例えば、無線アクセスノード1000の特定の実施形態は、送信機1010と受信機1012の両方を表す送受信機を含む。
【0090】
本発明は幾つかの実施形態と共に説明されているが、当業者には多数の変更、変形、改変、変換、及び修正が想起されるであろう。したがって、本発明はそのような変更、変形、改変、変換、及び修正は添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。