特許第6157605号(P6157605)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6157605
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】ポジ型感光性材料
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/039 20060101AFI20170626BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20170626BHJP
   G03F 7/40 20060101ALI20170626BHJP
   G03F 7/32 20060101ALI20170626BHJP
   C08F 220/10 20060101ALI20170626BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
   G03F7/039 601
   G03F7/004 503A
   G03F7/40 501
   G03F7/32
   C08F220/10
   G03F7/20 521
【請求項の数】18
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-516525(P2015-516525)
(86)(22)【出願日】2013年5月13日
(65)【公表番号】特表2015-526752(P2015-526752A)
(43)【公表日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】EP2013059771
(87)【国際公開番号】WO2013185989
(87)【国際公開日】20131219
【審査請求日】2015年6月18日
(31)【優先権主張番号】13/524,790
(32)【優先日】2012年6月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511293803
【氏名又は名称】アーゼッド・エレクトロニック・マテリアルズ(ルクセンブルグ)ソシエテ・ア・レスポンサビリテ・リミテ
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】リュウ・ウェイホン
(72)【発明者】
【氏名】ルー・ピンフン
(72)【発明者】
【氏名】チェン・チュンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー・ステフェン
(72)【発明者】
【氏名】トウキー・メドハト・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ライ・ソクメー
【審査官】 倉本 勝利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−063823(JP,A)
【文献】 特開2003−287890(JP,A)
【文献】 特表2011−501815(JP,A)
【文献】 特開2003−156849(JP,A)
【文献】 特開2013−210609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F7/004−7/06;7/075−7/115;
7/16−7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも一種の光酸発生剤;
b)o−クレゾール、p−クレゾールまたはm−クレゾールから選択される一種以上のクレゾール系繰り返し単位を含む、少なくとも一種のノボラックポリマー;
c)ポリマー主鎖を有する少なくとも一種のポリマー、ここで前記ポリマーは、次の式の構造からなる、ポジ作動型感光性組成物。
【化1】
式中、R〜Rは、独立して、−H、Fまたは−CHであり、Aは、エチレン基または1,2−プロピレン基であり、Bは、C〜C12アルキルもしくは脂肪環式基であり、Dは、−COOCH−基または−COO−基(ここでそのカルボニル炭素はポリマー主鎖に結合する)であり、Arは、フェニル基であり、Eは、線状もしくは分枝状C〜C10アルキレン基であり、Gは、酸解裂性基であり、vは0〜10モル%、wはモル%〜15モル%、xは14モル%〜80モル%、yは25モル%〜35モル%であり、そしてzは20モル%〜50モル%である。
【請求項2】
少なくとも一種の光酸発生剤が、オニウム塩、ジカルボキシイミジルスルホネートエステル、オキシムスルホネートエステル、ジアゾ(スルホニルメチル)化合物、ジスルホニルメチレンヒドラジン化合物、ニトロベンジルスルホネートエステル、ビイミダゾール化合物、ジアゾメタン誘導体、グリオキシム誘導体、β−ケトスルホン誘導体、ジスルホン誘導体、スルホン酸エステル誘導体、イミドイルスルホネート誘導体、またはハロゲン化トリアジン化合物である、請求項1に記載のポジ作動型感光性組成物
【請求項3】
少なくとも一種のノボラックポリマーが、p−クレゾールまたはm−クレゾールから選択される一種以上のクレゾール系繰り返し単位を含む、請求項1または2に記載のポジ作動型感光性組成物。
【請求項4】
少なくとも一種のノボラックポリマーが、少なくとも80モル%のm−クレゾールを含むクレゾール系ノボラックである、請求項3に記載のポジ作動型感光性組成物
【請求項5】
Aが、エチレン基であり、そしてBがメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基である、請求項1〜4のいずれか一つに記載のポジ作動型感光性組成物。
【請求項6】
Gが、t−ブチル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、テトラヒドロフラン−2−イル基、4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−プロポキシエチル基、3−オキソシクロヘキシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、8−メチル−8−トリシクロ[5.2.1.0 2,6]デシル基、1,2,7,7−テトラメチル−2−ノルボニル基、2−アセトキシメンチル基、2−ヒドロキシメチル基、1−メチル−1−シクロヘキシルエチル基、4−メチル−2−オキソテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル基、2,3−ジメチルブタン−2−イル基、2,3,3−トリメチルブタン−2−イル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1,2,3,3−テトラメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−エチル−1,3,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2,6,6−トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン−2−イル基、2,3−ジメチルペンタン−3−イル基、及び3−エチル−2−メチルペンタン−3−イル基からなる群から選択される酸解裂性基である、請求項1〜5のいずれか一つに記載のポジ作動型感光性組成物。
【請求項7】
Gが、t−ブチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、8−メチル−8−トリシクロ[5.2.1.0 2,6]デシル基、1,2,7,7−テトラメチル−2−ノルボニル基、2−アセトキシメンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシルエチル基、2,3−ジメチルブタン−2−イル基、2,3,3−トリメチルブタン−2−イル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1,2,3,3−テトラメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−エチル−1,3,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2,6,6−トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン−2−イル基、2,3−ジメチルペンタン−3−イル基、または3−エチル−2−メチルペンタン−3−イル基から選択される酸解裂性基である、請求項1〜5のいずれか一つに記載のポジ作動型感光性組成物。
【請求項8】
Aが、エチレン基であり及びDが、−COOCH−である、請求項1〜7のいずれか一つに記載のポジ作動型感光性組成物。
【請求項9】
yが>0モル%の時、Eが1,2−プロピレン基である、請求項1〜8のいずれか一つに記載のポジ作動型感光性組成物。
【請求項10】
ポリマーの構造式において、vが3モル%〜8モル%である、請求項1〜9のいずれか一つに記載のポジ作動型感光性組成物。
【請求項11】
ポリマーの構造式において、vが4モル%〜6モル%であり、wが9モル%〜12モル%であり、及びyが28モル%〜33モル%である、請求項1〜10のいずれか一つに記載のポジ作動型感光性組成物。
【請求項12】
ポリマーの構造式において、wが9モル%〜12モル%であり、及びyが28モル%〜33モル%である、請求項1〜11のいずれか一つに記載のポジ作動型感光性組成物。
【請求項13】
光酸発生剤が、ジカルボキシイミジルスルホネートエステル、オキシムスルホネートエステル、ジアゾ(スルホニルメチル)化合物、ジスルホニルメチレンヒドラジン化合物、ニトロベンジルスルホネートエステル、ビイミダゾール化合物、ジアゾメタン誘導体、グリオキシム誘導体、β−ケトスルホン誘導体、ジスルホン誘導体、スルホン酸エステル誘導体、イミドイルスルホネート誘導体、及びハロゲン化されたトリアジン化合物からなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一つに記載のポジ作動型感光性組成物。
【請求項14】
イミドイルスルホネート誘導体が、1,3−ジオキソイソインドリン−2−イルトリフルオロメタンスルホネート、1,3−ジオキソイソインドリン−2−イルノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1,3−ジオキソイソインドリン−2−イルパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、3−ジオキソイソインドリン−2−イル2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、3−ジオキソイソインドリン−2−イルN−[2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、1,3−ジオキソ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イルトリフルオロメタンスルホネート、1,3−ジオキソ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イルノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1,3−ジオキソ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イルパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1,3−ジオキソ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イル2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、及び1,3−ジオキソ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イルN−[2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネートからなる群から選択される、請求項13に記載のポジ作動型感光性組成物。
【請求項15】
イミドイルスルホネート誘導体が、1,3−ジオキソ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イルトリフルオロメタンスルホネート、1,3−ジオキソ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イルノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1,3−ジオキソ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イルパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1,3−ジオキソ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イル2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、及び1,3−ジオキソ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イルN−[2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネートからなる群から選択される、請求項13に記載のポジ作動型感光性組成物。
【請求項16】
ポジ型レリーフ画像を形成する方法であって、
a)請求項1〜15のいずれか一つに記載のポジ作動型感光性組成物を基材上に施与することによって感光性層を形成し、
b)感光性層を化学線に像様露光して潜像を形成し、
c)潜像を現像剤中で現像し、
d)任意選択的に、前記像様露光された感光性層を熱処理する、
ことを含む、前記方法。
【請求項17】
現像剤が、テトラ(C〜Cアルキル)アンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムから選択される少なくとも一種の化合物を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
化学線の波長が約240nm〜約450nmである、請求項16または17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、特に厚いフィルムの画像形成に有用な、感光性フォトレジスト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトレジスト組成物は、集積回路デバイスの製造など、微細化された電子部品の製造のためのマイクロリソグラフィプロセスに使用されている。これらのプロセスでは、一般的に、フォトレジスト組成物のコーティングされたフィルムを、集積回路、回路基板及びフラットパネルディスプレー基材の製造に使用されるケイ素ウェハなどの基材に施す。次いで、コーティングされた基材をベークして、フォトレジスト組成物中の溶剤を蒸発させ、基材上にコーティングを定着させる。基材のコーティング及びベークされた表面は次に化学線による像様露光に付される。
【0003】
この化学線暴露は、コーティングされた表面の露光された領域において化学的な変化を引き起こす。可視光線、紫外線(UV)、極端紫外線(EUV)、電子ビーム、及びX線放射エネルギーが、現在マイクロリソグラフィプロセスにおいて常用されている放射線種である。この像様露光の後、コーティングされた基材を現像剤溶液で処理して、基材のコーティングされた表面の放射線露光された領域(ポジタイプフォトレジストの場合)または未露光の領域(ネガタイプフォトレジストの場合)のいずれかを溶解、除去する。
【0004】
この現像操作の後、今や部分的に非保護の基材を、基材エッチング溶液、プラズマガスまたは反応性イオンで処理することができ、または現像の間にフォトレジストコーティングが除去された基材の空間中に金属または金属複合体を堆積させてもよい。フォトレジストコーティングがなおも残る基材の領域は保護される。その後、フォトレジストコーティングの残った領域は剥離操作の間に除去してよく、そうしてパターン化された基材表面が残る。場合により、現像ステップの後でかつエッチングステップの前に、残ったフォトレジスト層を熱処理して、下に基材に対するそれの接着を向上させることが望ましい。
【0005】
パターン化された構造の製造、例えばウェハレベルパッケージング、ディスプレー、発光ダイオードアプリケーションまたは微細電気機械システムの製造では、インターコネクトの密度が増すにつれ、電気インターコネクトの電気化学的堆積が使用されてきた。例えば、Solomon,Electrochemically Deposited Solder Bumps for Wafer−Level Packaging,Packaging/Assembly,Solid State Technology,pages 84-88,April 2001(非特許文献1)を参照されたい。ウェハレベルパッケージングにおける再分配のための金バンプ、銅または他の金属ポスト、及び銅トレースは、後で電気メッキして高度なインターコネクト技術において最終の金属構造を形成することができるフォトレジストの型を必要とする。そのフォトレジスト層は、クリティカル層(critical layers)のIC製造に使用されるフォトレジストと比べて非常に厚い。図形(feature)サイズ及びフォトレジスト厚のどちらも典型的には2μm〜100μm(マイクロメータ)の範囲であり、そのため、高いアスペクト比(ラインサイズに対するフォトレジストの厚さ)をフォトレジスト中にパターン化する必要がある。
【0006】
ノボラックポリマー及び光活性化合物としてのキノンジアジド化合物を含むポジ型作用フォトレジストが当技術分野において周知である。ノボラックポリマーは、キノンジアジドと反応させて、ポリマーと組み合わせてもよい。ノボラック/ジアジドのみをベースとするフォトレジストは、特に非常に厚いフィルムのための或るタイプのプロセスに必要な感光性または側壁の傾斜を持たないことが分かった。更に、現像剤中でのかなりの膜減り(dark−film loss)がしばしば観察される。
【0007】
既知の化学増幅型フォトレジスト、例えばブロックドポリ−4−ヒドロキシスチレン(PHOST)、ヒドロキシスチレンとブロックド(メタ)アクリル酸繰り返し単位、例えばtert−ブチル(メタ)アクリレートとを含むブロックドコポリマー、または脂肪環式基、酸解裂性基及び溶解改良基、例えば酸無水物またはラクトン類を含む(メタ)アクリル系材料をベースとするフォトレジストは、必要な感光性を示し得るが、続くユニット操作、例えばメッキまたはエッチングの間に接着不良を示す恐れもある。このような不良は、粗いか、またはアンダーカットしているかまたは金属図形のどこかで突出部を持つ図形側壁をまねく恐れがある。更に、これらのフォトレジストは、法外に高額の場合がある。
【0008】
それ故、たとえば厚いフィルムの用途においても高い感光性を示し、プロセスに適した現像時間を必要とし、現像剤及び塩基性メッキ液中で少ない膜減りを示し、及び滑らかな側壁を有する図形を形成するために湿式メッキ及びエッチング操作に耐える、ポジ型フォトレジスト材料に対する要望がある。本願明細書及び添付の特許請求の範囲は、これらの要望に取り組むものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Solomon,Electrochemically Deposited Solder Bumps for Wafer−Level Packaging,Packaging/Assembly,Solid State Technology,pages 84-88,April 2001
【発明の概要】
【0010】
本発明は、少なくとも一種の光酸発生剤;少なくとも一種のノボラックポリマー;ポリマー主鎖を有する少なくとも一種のポリマーを含み、ここで前記ポリマーが、次の式の構造を含む、新規のポジ作動型感光性組成物に関する。
【0011】
【化1】
式中、R〜Rは、独立して、−H、Fまたは−CHであり、Aは、線状または分枝状C〜C10アルキレン基であり、Bは、C〜C12アルキルもしくは脂肪乾式基であり、Dは連結基であり、この連結基は、化学結合、カルボキレート基(ここでそのカルボニル炭素はポリマー主鎖に結合する)または−COOCH−基(ここでそのカルボニル炭素はポリマー主鎖に結合する)であることができ、Arは、置換されたもしくは置換されていない芳香族基またはヘテロ芳香族基であり、Eは、線状もしくは分枝状C〜C10アルキレン基であり、Gは、酸解裂性基であり、vは0〜10モル%、wは0モル%〜20モル%、xは14モル%〜80モル%、yは0モル%〜40モル%であり、そしてzは20モル%〜50モル%である。本発明は、該新規組成物を用いてポジ型レリーフ画像を形成する方法にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで使用する「及び」という接続詞は包括的であることを意図しており、「または」という接続詞は、他に指示が無ければ排他的であることを意図していない。例えば、「またはその代わりに」というフレーズは、排他的であることを意図している。「または」という接続詞は、また、分子または分子断片上の点での化学置換を記載する場合には排他的でもあり得る。ここで使用する(メタ)アクリル、(メタ)アクリレートまたは類似の表現は、メタクリル基またはアクリル基の両方を意味することを意図している。ここで使用するノボラックポリマーとは、フェノール化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドまたは置換されたもしくは置換されていないベンズアルデヒドなどのアルデヒドとの縮合生成物、またはフェノール化合物と置換されたもしくは置換されていないメチロール化合物との縮合生成物である。ここで使用するクレゾール系ノボラックポリマーとは、クレゾール繰り返し単位を含むノボラックポリマーである。ここで使用する「例示的な」という形容詞は、優先的な意味合いはなく一例を示すことを意図したものである。
【0013】
ここに開示及び特許請求されるものは、少なくとも一種の光酸発生剤;少なくとも一種のノボラックポリマー;ポリマー主鎖を有する少なくとも一種のポリマーを含み、ここで前記ポリマーが、次の式の構造を含む、ポジ作動型感光性組成物である。
【0014】
【化2】
式中、R〜Rは、独立して、−H、Fまたは−CHであり、Aは、線状または分枝状C〜C10アルキレン基であり、Bは、C〜C12アルキルもしくは脂肪環式基であり、Dは連結基であり、この連結基は、化学結合、カルボキレート基(ここでそのカルボニル炭素はポリマー主鎖に結合する)または−COOCH−基(ここでそのカルボニル炭素はポリマー主鎖に結合する)であることができ、Arは、置換されたもしくは置換されていない芳香族基またはヘテロ芳香族基であり、Eは、線状もしくは分枝状C〜C10アルキレン基であり、Gは、酸解裂性基であり、vは0〜10モル%、wは0モル%〜20モル%、xは14モル%〜80モル%、yは0モル%〜40モル%であり、そしてzは20モル%〜50モル%である。置換されたArは、ヒドロキシル基で置換された芳香族基も含み得る。Arはフェニルまたはヒドロキシフェニルであってよい。上記の一般式は、ポリマーの構成部品の正確な位置づけを示すことを意味するものではなく、それ故、構成部品が一緒にランダムに存在してもよいし、2つ以上の同じ構成部品がポリマー中に並んで存在してもよい。
【0015】
更にここで開示及び特許請求されるのは、ポジ型レリーフ画像の形成方法であって、ポジ作動型感光性組成物を基材に施与することによって感光性層を形成し;ここで前記ポジ型感光性組成物は、少なくとも一種の光酸発生剤;少なくとも一種のノボラックポリマー;ポリマー主鎖を有する少なくとも一種のポリマーを含み、前記ポリマーが、次の式の構造を含み:
【0016】
【化3】
式中、R〜Rは、独立して、−H、Fまたは−CHであり、Aは、線状または分枝状C〜C10アルキレン基であり、Bは、C〜C12アルキルもしくは脂肪環式基であり、Dは連結基であり、この連結基は、化学結合、カルボキレート基(ここでそのカルボニル炭素はポリマー主鎖に結合する)または−COOCH−基(ここでそのカルボニル炭素はポリマー主鎖に結合する)であることができ、Arは、置換されたもしくは置換されていない芳香族基またはヘテロ芳香族基であり、Eは、線状もしくは分枝状C〜C10アルキレン基であり、Gは、酸解裂性基であり、vは0〜10モル%、wは0モル%〜20モル%、xは14モル%〜80モル%、yは0モル%〜40モル%であり、そしてzは20モル%〜50モル%であり;
感光性層を化学線で像様露光して潜像を形成し;
潜像を現像剤中で現像し、
ここで像様露光された感光性層は、任意選択的に熱処理される、
ことを含む、前記方法である。
【0017】
上記の態様では、(I)に関して、vの例示的なモル百分率範囲は0〜10%であり得る。vの他の例示的なモル百分率範囲は3〜8%であり得る。vの更に他の例示的なモル百分率範囲は4〜6%であり得る。wの例示的なモル百分率範囲は0〜20%であり得る。wの他の例示的なモル百分率範囲は7〜15%であり得る。wの更に他の例示的なモル百分率範囲は9〜12%であり得る。xの例示的なモル百分率範囲は14〜80%であり得る。xの他の例示的なモル百分率範囲は15〜30%であり得る。xの更に他の例示的なモル百分率範囲は16〜20%であり得る。yの例示的なモル百分率範囲は0〜40%であり得る。yの他の例示的なモル百分率範囲は25〜35%であり得る。yの更に他の例示的なモル百分率範囲は28〜33%であり得る。zの例示的なモル百分率範囲は20〜50%であり得る。zの他の例示的なモル百分率範囲は25〜40%であり得る。zの更に他の例示的なモル百分率範囲は29〜36%であり得る。各モル百分率は、合計して100%となる必要があるため独立的ではない。
【0018】
上記の態様では、(I)は、記載のモノマーの一つ以上の供給を用いて合成することができる。モノマーのうちの少なくとも一部は、全てまたは部分的に重合反応の開始時に導入してよい。更に、モノマー供給は、異なるモノマー共反応性を調整するためまたは分子量もしくは溶解性などの他のポリマー性質を制御するために、反応の間に選択された供給速度で遂行してよい。重合は、遊離基開始剤、カチオン性重合開始剤、アニオン性重合開始剤またはキレート化触媒によって開始してよい。
【0019】
上記の態様では、化学線放射時に酸を発生させるために光酸発生剤が存在する。このような光酸発生剤は、単独でまたは混合物として存在することができ、そして特定の波長、波長範囲、エネルギーまたはエネルギー範囲の放射を用いて酸を発生するそれらの能力によって選択してよい。理論により拘束されることは意図しないが、光酸発生剤は様々な機序によって酸を生成すると考えられる。それ故、光酸発生剤は、化学線照射の選択された形態に対して酸の発生を最適化するために、選択された濃度で単独でまたは混合物として存在し得る。
【0020】
例えば、光酸発生剤は、固形のフォトレジストフィルム中に、フォトレジスト固形物1g当たりで約1μモル〜約300μモル(マイクロモル・パー・グラム)の濃度で存在してよい。他の例として、光酸発生剤は、固形のフォトレジストフィルム中に、フォトレジスト固形物1g当たりで約5μモル〜約150μモルの濃度で存在してよい。更に他の例として、光酸発生剤は、固形のフォトレジストフィルム中に、フォトレジスト固形物1g当たりで約10μモル〜約75μモルの濃度で存在してよい。更に他の例として、光酸発生剤は、固形のフォトレジストフィルム中に、フォトレジスト固形物1g当たりで約15μモル〜約50μモルの濃度で存在してよい。
【0021】
光酸発生剤は、様々な化学組成を有し得る。例えば、限定はされないが、適当な光酸発生剤は、オニウム塩、ジカルボキシイミジルスルホネートエステル、オキシムスルホネートエステル、ジアゾ(スルホニルメチル)化合物、ジスルホニルメチレンヒドラジン化合物、ニトロベンジルスルホネートエステル、ビイミダゾール化合物、ジアゾメタン誘導体、グリオキシム誘導体、β−ケトスルホン誘導体、ジスルホン誘導体、ニトロベンジルスルホネート誘導体、スルホン酸エステル誘導体、イミドイルスルホネート誘導体、ハロゲン化されたトリアジン化合物、これらの等価物またはこれらの組み合わせであってよい。
【0022】
オニウム塩光酸発生剤は、限定はされないが、アルキルスルホネートアニオン、置換された及び置換されていないアリールスルホネートアニオン、フルオロアルキルスルホネートアニオン、フルオロアリールアルキルスルホネートアニオン、フッ素化アリールアルキルスルホネートアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、ヘキサフルオロアルセネートアニオン、ヘキサフルオロアンチモネートアニオン、テトラフルオロボレートアニオン、これらの等価物またはこれらの組み合わせを含み得る。具体的には、限定はされないが、適当な光酸発生剤は、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、及びトリフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1、1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、及び4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−[2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−[2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホニルオキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、1,3−ジオキソイソインドリン−2−イルトリフルオロメタンスルホネート、1,3−ジオキソイソインドリン−2−イルノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1,3−ジオキソイソインドリン−2−イルパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、3−ジオキソイソインドリン−2−イル2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、3−ジオキソイソインドリン−2−イルN−[2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、1,3−ジオキソ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イルトリフルオロメタンスルホネート、1,3−ジオキソ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イルノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1,3−ジオキソ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イルパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1,3−ジオキソ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イル2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、または1,3−ジオキソ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イルN−[2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、(E)−2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(メトキシフェニル)−4,6−ビス−(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、これらの等価物またはこれらの組み合わせを含んでよい。適当な光酸発生剤は、アニオン及びカチオンを上述していない組み合わせで含むオニウム塩を含んでもよい。
【0023】
ここに開示及び特許請求される感光性組成物は、有効波長及び/またはエネルギー範囲を延長する感光剤を含んでいてもよい。このような感光剤は、限定はされないが、置換された及び置換されていないアントラセン類、置換された及び置換されていないフェノチアジン類、置換された及び置換されていないペリレン類、置換された及び置換されていないピレン類、及び芳香族カルボニル化合物、例えばベンゾフェノン及びチオキサントン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ベンゾカルバゾール、アクリドンクロルプロマジン及び類似物、または上記の任意のものの組み合わせであってよい。
【0024】
ノボラックポリマーは、ブリッジを有する繰り返し単位及びフェノール化合物を含む。適当なフェノール化合物には、限定はされないが、フェノール類、クレゾール類、置換された及び置換されていないレゾルシノール類、キシレノール類、置換された及び置換されていないベンゼントリオール類、及びこれらの組み合わせなどが含まれる。ノボラックポリマーは、通常は、酸触媒を用いて、フェノール化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドまたは置換されたもしくは置換されていないベンズアルデヒドなどのアルデヒドとの縮合重合、またはフェノール化合物と置換されたもしくは置換されていないメチロール化合物との縮合重合によって製造される。上記のブリッジは、メチレン基またはメチン基を含むことができる。ノボラックポリマーは、アセトン、メチルエチルケトン、アセトフェノン及び類似物などのケトン類の縮合生成物としても製造することができる。触媒としては、ルイス酸、ブレンステッド酸、ジカチオン及びトリカチオン金属イオン、及び類似物などが挙げられ得る。例えば、限定はされないが、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、シュウ酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、またはこれらの任意のものを含む組み合わせを使用してよい。
【0025】
適当なノボラックポリマーの例には、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール及び類似物などのフェノール化合物と、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類との、酸または多価金属イオン触媒の存在下での縮合反応によって得られるものなどが挙げられる。アルカリ可溶性ノボラックポリマーの例示的な重量平均分子量は、1,000〜30,000ダルトンの範囲であることができる。他の例示的な重量平均分子量は、1,000〜20,000ダルトンであり得る。更に他の例示的な重量平均分子量は、1,500〜10,000ダルトンであり得る。2.38%水性テトラメチルアンモニウムヒドロキシド中でのノボラックポリマーの例示的なバルク溶解速度は、10Å/秒(1秒あたりのオングストローム単位)〜15,000Å/秒である。他の例示的なバルク溶解速度は100Å/秒〜10,000Å/秒である。更に他の例示的なバルク溶解速度は200Å/秒〜5,000Å/秒である。1,000Å/秒のなお更に他の例示的な溶解速度は、それぞれm−クレゾール繰り返し単位を含む、単一のノボラックポリマーまたは複数のノボラックポリマーのブレンドから得ることができる。
【0026】
例示的なクレゾール系ノボラックポリマーは、クレゾールモル百分率として、0%〜60%のp−クレゾール、0%〜20%のo−クレゾール、及び0〜80%のm−クレゾールを含み得る。他の例示的なクレゾール系ノボラックポリマーは、0%〜50%のp−クレゾール、0%〜20%のo−クレゾール、及び50%〜100%のm−クレゾールを含み得る。ノボラックポリマー中の繰り返し単位は、ポリマーの組成によって定義され、そのため、例えば、p−クレゾールは、アルデヒドとの重合によってまたはジメチロール−p−クレゾールによって導入され得る。更に、クレゾール系ノボラックポリマーは、他のフェノール化合物、例えばフェノール、キシレノール類、レゾルシノール類、ベンゼントリオール類及び類似物などを含んでよい。更に、ノボラックポリマーは分枝状または線状であることができ、そして選択された繰り返し単離モル百分率または溶解速度を達成するためにブレンドしてよい。バルク溶解速度は、以下の手順によって測定し得る:(1)ノボラック樹脂の1〜3μm(マイクロメータ)のフィルムを溶液からケイ素ウェハ上にスピンコートし、そしてコンタクトホットプレート上で110℃で120秒間ソフトベークする。(2)フィルム厚を、インフェロメトリーもしくはエリプソメトリーなどの光学的方法または機械的プロフィルメーターを用いて測定する。(3)コーティングされたウェハを、TMAH現像剤の溶液中に浸け、そしてノボラックフィルム(t)を完全に溶解するまでの時間を目視でまたは光学的なインフェロメトリー(例えば、溶解速度モニター)を用いて検出する。バルク溶解速度は、フィルム厚をtで除することによって計算される。
【0027】
一般組成(I)を有するポリマーは、(メタ)アクリル酸繰り返し単位並びに置換されたもしくは置換されていないスチレン単位を含み得る。応じて、R〜Rは、独立して、−Hまたは−OHのいずれかであり得る。
【0028】
上記(I)において、Aの例示的な基は、限定はされないが、メチレン、メチルメチレン、エチレン、1,2−プロピレン、2,1−プロピレンまたは類似物などであってよい。Bの例示的な基は、限定はされないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルまたは類似物などであってよい。Eの例示的な基は、限定はされないが、メチレン、メチルメチレン、エチレン、1,2−プロピレン、2,1−プロピレンまたは類似物などであってよい。Dの例示的な基は、−COOCH−(そのカルボニル炭素はポリマー主鎖に結合する)、化学結合、または−COO−基(そのカルボニル炭素はポリマー主鎖に結合する)であってよい。−Arの例示的な基は、限定はされないが、フェニル、2−、3−もしくは4−メチルフェニル、2−、3−もしくは4−ヒドロキシフェニル、1−、2−もしくは3−ナフチル、または類似物などであってよい。上記(I)において、Gの例示的な酸解裂性基は、限定はされないが、t−ブチル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、テトラヒドロフラン−2−イル基、4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−プロポキシエチル基、3−オキソシクロヘキシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、8−メチル−8−トリシクロ[5.2.1.0 2,6]デシル基、1,2,7,7−テトラメチル−2−ノルボニル基、2−アセトキシメンチル基、2−ヒドロキシメチル基、1−メチル−1−シクロヘキシルエチル基、4−メチル−2−オキソテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル基、2,3−ジメチルブタン−2−イル基、2,3,3−トリメチルブタン−2−イル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1,2,3,3−テトラメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−エチル−1,3,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2,6,6−トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン−2−イル基、2,3−ジメチルペンタン−3−イル基、または3−エチル−2−メチルペンタン−3−イル基などであってよい。
【0029】
構造(I)の例示的な重量平均分子量は、限定はされないが、800ダルトンから30,000ダルトンの範囲であってよい。構造(I)の他の例示的な重量平均分子量は、限定はされないが、1,500ダルトンから20,000ダルトンの範囲であってよい。構造(I)の更に他の例示的な重量平均分子量は、限定はされないが、2,500ダルトンから20,000ダルトンの範囲であってよい。
【0030】
ここに開示及び特許請求される調合物は、ノボラックポリマーと、一般式(I)を有するポリマーの両方を含む。一例としてかつ限定されることなく、ノボラックポリマーは、20%〜80%w/wの全ポリマー負荷量を含んでよい。更なる一例としてかつ限定されることなく、ノボラックポリマーは、30%〜75%w/wの全ポリマー負荷量を含んでよい。他の更なる一例としてかつ限定されることなく、ノボラックポリマーは、40%〜65%w/wの全ポリマー負荷量を含んでよい。
【0031】
ここに開示及び特許請求される感光性樹脂組成物は、上記の成分を適当な有機溶剤中に溶解することによって調製された溶液の形態で使用してよい。適当な有機溶剤の例には、ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、メチルアミルケトン、及び類似物、多価アルコール及びそれの誘導体、例えばエチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールまたはジプロピレングリコールモノアセテート及び類似物のモノメチル、モノエチル、モノプロピル、モノブチル及びモノフェニルエーテル、環状エーテル、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン及び類似物、エステル類、例えば乳酸メチル、乳酸エチル、メチルアセテート、エチルアセテート、ブチルアセテート及び類似物、及び芳香族基を有する溶剤、例えばアニソール、エチルベンゼン、キシレン類、クロロベンゼン、トルエン及び類似物などが挙げられる。例は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル及び乳酸エチルである。これらの有機溶剤は、必要に応じて、単独でまたは混合物として使用することができる。
【0032】
ここに開示及び特許請求される組成物と適合性がありそして必要に応じてそれに添加できる他の任意選択の添加剤としては、フォトレジスト層の性質を改善するための補助樹脂、可塑剤、表面レベリング剤及び安定剤、現像によって形成されたパターン化されたフォトレジスト層の可視性を高めるための着色剤;アンチハレーション染料、及び類似物などが挙げられる。
【0033】
ここに開示及び特許請求される感光性組成物を用いることによるパターン化されたフォトレジスト層の製造のための手順は、慣用のものであることができる。例えば、半導体ケイ素ウェハなどの基材に、スピンコーターなどの適当なコーティング機を用いることにより溶液の形態の感光性組成物を均一にコーティングし、その後、熱対流炉またはホットプレートでベークしてフォトレジスト層を形成し、次いでこのフォトレジスト層を、縮小光投影露光装置(minifying light−projection exposure apparatus)で、所望のパターンを有するフォトマスクを通して、低圧、高圧及び超高圧水銀ランプ、アークランプ、キセノンランプ及び類似物から放射された深紫外線、近紫外線または可視光線などの化学放射線に像様に暴露、及び所望のパターンに応じて電子ビーム走査して、フォトレジスト層中にパターンの潜像を形成する。その後、フォトレジスト層中の潜像を、任意選択的に、熱対流炉またはホットプレートでベークし、テトラ(C〜Cアルキル)アンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの1〜10%w/w濃度の水溶液などのアルカリ性現像液を用いて現像して、フォトマスクのパターンに対し忠実度の高いパターン化されたフォトレジスト層を形成することができる。
【0034】
厚さは、20nm〜100μmの範囲であり得る。これらの厚さを達成するためには、様々なスピン速度及び全固形物濃度の組み合わせを使用し得る。基材の大きさに依存して、500rpm〜10,000rpmのスピン速度を使用してよい。濃度は、感光性組成物中の全固形物の百分率w/wとして表すことができる。限定はされないが、例示的な全固形分率w/wは0.05%〜65%である。限定はされないが、他の例示的な全固形分率w/wは20%〜60%である。限定はされないが、更に他の例示的な全固形分率w/wは40%〜55%である。
【0035】
上記で触れた文献はそれぞれ、全ての目的に関してその内容の全てが本明細書に掲載されたものとする。以下の具体例は、本発明の組成物を製造及び利用する方法の詳細な例示を与えるものである。しかし、これらの例は、本発明の範囲を如何様にも限定もしくは減縮することを意図したものではなく、本発明を実施するために排他的に利用しなければならない条件、パラメータまたは値を教示するものと解釈するべきではない。
【実施例】
【0036】
合成例1:
【0037】
【化4】
【0038】
1.8gのアクリル酸、6.5gのメトキシエチルアクリレート、35.2gのベンジルメタクリレート、21.6gのヒドロキシプロピルメタクリレート、16.5gのアダマンチルメタクリレートを、190.6gのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)溶剤中に混入した。重合反応は、3.3gのアゾビスイソブチロニトリル[AIBN]の存在下に、80℃で窒素下に18時間進行した。室温まで冷却した後、反応混合物を脱イオン(DI)水中で析出させた。白色のポリマー固形物を洗浄し、45℃で減圧下に乾燥すると、18,885ダルトンの重量平均分子量を有する81.6g(収率>99%)が生じた。
【0039】
合成例2:
【0040】
【化5】
【0041】
6.5gのメトキシエチルアクリレート、39.7gのベンジルメタクリレート、21.6gのヒドロキシプロピルメタクリレート、16.5gのアダマンチルメタクリレートを、190.6gのPGME溶剤中に混入した。重合反応は、3.3gのAIBNの存在下に、80℃で窒素下に18時間進行した。室温まで冷却した後、反応混合物をDI水中で析出させた。白色のポリマー固形物を洗浄し、45℃で減圧下に乾燥すると、10,269ダルトンの重量平均分子量を有する84.3g(収率96%)が生じた。
【0042】
合成例3:
【0043】
【化6】
【0044】
1.8gのアクリル酸、6.5gのメトキシエチルアクリレート、22.0gのベンジルメタクリレート、21.6gのヒドロキシプロピルメタクリレート、21.3gのtert−ブチルメタクリレートを、179.6gのPGME溶剤中に混入した。重合反応は、3.3gのAIBNの存在下に、80℃で窒素下に18時間進行した。室温まで冷却した後、反応混合物をDI水中で析出させた。白色のポリマー固形物を洗浄し、45℃で減圧下に乾燥すると、11,868ダルトンの重量平均分子量を有する73.5g(収率>99%)が生じた。
【0045】
合成例4:
【0046】
【化7】
【0047】
1.8gのアクリル酸、6.5gのメトキシエチルアクリレート、17.6gのベンジルメタクリレート、21.6gのヒドロキシプロピルメタクリレート、24.9gのtert−ブチルメタクリレートを、172.9gのPGME溶剤中に混入した。重合反応は、1.6gのAIBNの存在下に、90℃で窒素下に18時間進行した。室温まで冷却した後、反応混合物をDI水中で析出させた。白色のポリマー固形物を洗浄し、45℃で減圧下に乾燥すると、17,205ダルトンの重量平均分子量を有する71.6g(収率99%)が生じた。
【0048】
合成例5:
【0049】
【化8】
【0050】
2.7gのアクリル酸、6.5gのメトキシエチルアクリレート、15.4gのベンジルメタクリレート、21.6gのヒドロキシプロピルメタクリレート、24.9gのtert−ブチルメタクリレートを、135.2gのPGME溶剤中に混入した。重合反応は、1.6gのAIBNの存在下に、90℃で窒素下に18時間進行した。室温まで冷却した後、反応混合物をDI水中で析出させた。白色のポリマー固形物を洗浄し、45℃で減圧下に乾燥すると、17,153ダルトンの重量平均分子量を有する70.3g(収率99%)が生じた。
【0051】
合成例6:
【0052】
【化9】
【0053】
3.6gのアクリル酸、6.5gのメトキシエチルアクリレート、13.2gのベンジルメタクリレート、21.6gのヒドロキシプロピルメタクリレート、24.9gのtert−ブチルメタクリレートを、135.8gのPGME溶剤中に混入した。重合反応は、3.3gのAIBNの存在下に、90℃で窒素下に18時間進行した。室温まで冷却した後、反応混合物をDI水中で析出させた。白色のポリマー固形物を洗浄し、45℃で減圧下に乾燥すると、11,913ダルトンの重量平均分子量を有する70.8g(収率>99%)が生じた。
【0054】
合成例7:
【0055】
【化10】
【0056】
5.4gのアクリル酸、10.4gのスチレン、21.6gのヒドロキシプロピルメタクリレート、24.9gのtert−ブチルメタクリレートを、118.7gのPGME溶剤中に混入した。重合反応は、1.6gのAIBNの存在下に、90℃で窒素下に18時間進行した。室温まで冷却した後、反応混合物をDI水中で析出させた。白色のポリマー固形物を洗浄し、45℃で減圧下に乾燥すると、14,503ダルトンの重量平均分子量を有する63.0g(収率99%)が生じた。
【0057】
合成例8:
【0058】
【化11】
【0059】
1.8gのアクリル酸、10.0gのメチルメタクリレート、28.8gのヒドロキシプロピルメタクリレート、24.9gのtert−ブチルメタクリレートを、124.7gのPGME溶剤中に混入した。重合反応は、1.6gのAIBNの存在下に、90℃で窒素下に18時間進行した。室温まで冷却した後、反応混合物をDI水中で析出させた。白色のポリマー固形物を洗浄し、45℃で減圧下に乾燥すると、16,650ダルトンの重量平均分子量を有する64.4g(収率98%)が生じた。
【0060】
合成例9:
【0061】
【化12】
【0062】
1.8gのアクリル酸、3.3gのメトキシエチルアクリレート、17.6gのベンジルメタクリレート、21.6gのヒドロキシプロピルメタクリレート、28.4gのtert−ブチルメタクリレートを、138.2gのPGME溶剤中に混入した。重合反応は、1.6gのAIBNの存在下に、90℃で窒素下に18時間進行した。室温まで冷却した後、反応混合物をDI水中で析出させた。白色のポリマー固形物を洗浄し、45℃で減圧下に乾燥すると、15,843ダルトンの重量平均分子量を有する71.9g(収率99%)が生じた。
【0063】
合成例10:
【0064】
【化13】
【0065】
6.5gのメトキシエチルアクリレート、15.4gのベンジルメタクリレート、21.6gのヒドロキシプロピルメタクリレート、30.2gのtert−ブチルメタクリレートを、140.0gのPGME溶剤中に混入した。重合反応は、1.6gのAIBNの存在下に、90℃で窒素下に18時間進行した。室温まで冷却した後、反応混合物をDI水中で析出させた。白色のポリマー固形物を洗浄し、45℃で減圧下に乾燥すると、17,525ダルトンの重量平均分子量を有する72.45g(収率98%)が生じた。
【0066】
合成例11:
【0067】
【化14】
【0068】
2.7gのアクリル酸、6.5gのメトキシエチルアクリレート、15.4gのベンジルメタクリレート、21.6gのヒドロキシプロピルメタクリレート、31.9gの1−エチルシクロペンチルメタクリレートを、147.0gのPGME溶剤中に混入した。重合反応は、1.2gのAIBNの存在下に、90℃で窒素下に18時間進行した。室温まで冷却した後、反応混合物をDI水中で析出させた。白色のポリマー固形物を洗浄し、45℃で減圧下に乾燥すると、16,390ダルトンの重量平均分子量を有する76.33g(収率98%)が生じた。
【0069】
ノボラックポリマー:
以下の調合物例では、三種のノボラックポリマーを使用した。ノボラック−1は、m−クレゾール及びホルムアルデヒドから合成し、2.38%水性TMAH現像剤中で700Å/秒のバルク溶解速度を有した。ノボラック−2は、m−クレゾール及びホルムアルデヒドから合成し、2.38%水性TMAH現像剤中で1,600Å/秒のバルク溶解速度を有した。ノボラック−3は、ノボラック−1とノボラック−2の1/1ブレンドであり、2.38%水性TMAH現像剤中で1,000Å/秒のバルク溶解速度を有した。
【0070】
フォトレジスト加工:
コーティング:全ての調合物は、8インチ径のSi及びCuウェハ上で試験した。Siウェハは脱水ベークし、そしてヘキサメチルジシラザン(HMDS)で蒸気下地処理した。Cuウェハは、5,000オングストロームの二酸化ケイ素、250オングストロームの窒化タンタル、および3,500オングストロームのCu(PVD蒸着)でコーティングしたケイ素ウェハであった。
【0071】
フォトレジストコーティングは、フォトレジストサンプルをスピンコートし、そしてコンタクトモードで標準的なウェハトラックホットプレートを用いて130℃で300秒間のソフトベークを適用することによって調製した。スピン速度は、40ミクロン厚のフォトレジストフィルムが得られるように調整した。全てのフィルム厚測定は、光学的測定法を用いてSiウェハ上で行った。
【0072】
画像形成:ウェハは、SUSS MA200 CCマスクアライナーで露光した。フォトレジストを、100℃で100秒間ポスト露光ベークし、そしてAZ300MIF(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド=TMAHの0.26N水溶液)中で23℃で240秒間パドル現像した。現像されたフォトレジスト画像は、Hitachi S4700またはAMRAY 4200L電子顕微鏡を用いて検査した。
【0073】
調合物例1:10.8gの合成例1のポリマー、16.3gのノボラック−3、及び0.34gの1,3−ジオキソ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イルトリフルオロメタンスルホネート[ナフタレンジカルボキシイミジルトリフレート、NITとも呼ばれる]PAGを、28.4gのPGEMA溶剤中に溶解して溶液を調製した。この溶液を、リソグラフィ試験のためにケイ素及び銅ウェハ上にコーティングした。リソグラフィの結果は、フォトレジストパターンが完全に開けなかったことを示した。アダマンチル基が、100℃のベーク温度で解裂しなかったものと考えられる。
【0074】
調合物例2:10.8gの合成例2のポリマー、16.3gのノボラック−3、及び0.34gのNIT PAGを、28.4gのPGMEA溶剤中に溶解して溶液を調製した。この溶液を、リソグラフィ試験のためにケイ素及び銅ウェハ上にコーティングした。リソグラフィの結果は、パターンが完全に開けなかったことを示した。アダマンチル基が、100℃のベーク温度で解裂しなかったものと考えられる。
【0075】
調合物例3:10.8gの合成例3のポリマー、16.3gのノボラック−2、及び0.34gのNIT PAGを、28.4gのPGMEA溶剤中に溶解して溶液を調製した。この溶液を、リソグラフィ試験のためにケイ素及び銅ウェハ上にコーティングした。リソグラフィの結果は、真っ直ぐな垂直な壁を持ちかつアンダーカットの無い良好なプロフィルを示した。
【0076】
調合物例4:10.8gの合成例4のポリマー、16.3gのノボラック−2、及び0.34gのNIT PAGを、28.4gのPGMEA溶剤中に溶解して溶液を調製した。この溶液を、リソグラフィ試験のためにケイ素及び銅ウェハ上にコーティングした。リソグラフィの結果は、真っ直ぐな垂直な壁を持ちかつアンダーカットの無い良好なプロフィルを示した。
【0077】
調合物例5:10.8gの合成例5のポリマー、16.3gのノボラック−3、及び0.34gのNIT PAGを、28.4gのPGMEA溶剤中に溶解して溶液を調製した。この溶液を、リソグラフィ試験のためにケイ素及び銅ウェハ上にコーティングした。リソグラフィの結果は、真っ直ぐな垂直な壁を持ちかつアンダーカットの無い良好なプロフィルを示した。
【0078】
調合物例6:10.0gの合成例6のポリマー、15.0gのノボラック−3、0.18gのNIT PAG、及び0.043gのテトラブチルアンモニウムオキサレートを、27.4gのPGMEA溶剤中に溶解して溶液を調製した。この溶液を、リソグラフィ試験のためにケイ素及び銅ウェハ上にコーティングした。リソグラフィの結果は、真っ直ぐな垂直な壁を持ちかつアンダーカットの無い良好なプロフィルを示した。
【0079】
調合物例7:10.0gの合成例7のポリマー、15.0gのノボラック−3、0.18gのNIT PAG、及び0.043gのTBAオキサレートを、27.4gのPGMEA溶剤中に溶解して溶液を調製した。この溶液を、リソグラフィ試験のためにケイ素及び銅ウェハ上にコーティングした。リソグラフィの結果は、真っ直ぐな垂直な壁を持ちかつアンダーカットの無い良好なプロフィルを示した。しかし、この調合物を用いたコーティングされたウェハは、コーティングされたフィルムに亀裂を示した。
【0080】
調合物例8:10.0gの合成例8のポリマー、15.0gのノボラック−3、0.15gのNIT PAG、及び0.020gのTBAオキサレートを、27.4gのPGMEA溶剤中に溶解して溶液を調製した。この溶液を、リソグラフィ試験のためにケイ素及び銅ウェハ上にコーティングした。リソグラフィの結果は、真っ直ぐな垂直な壁を持ちかつアンダーカットの無い良好なプロフィルを示した。
【0081】
調合物例9:10.0gの合成例9のポリマー、15.0gのノボラック−3、0.15gのNIT PAG、及び0.020gのTBAオキサレートを、27.4gのPGMEA溶剤中に溶解して溶液を調製した。この溶液を、リソグラフィ試験のためにケイ素及び銅ウェハ上にコーティングした。リソグラフィの結果は、真っ直ぐな垂直な壁を持ちかつアンダーカットの無い良好なプロフィルを示した。
【0082】
調合物例10:10.0gの合成例10のポリマー、15.0gのノボラック−3、0.15gのNIT PAG、及び0.020gのTBAオキサレートを、27.4gのPGMEA溶剤中に溶解して溶液を調製した。この溶液を、リソグラフィ試験のためにケイ素及び銅ウェハ上にコーティングした。リソグラフィの結果は、傾斜のある壁プロフィルを有する開かれた図形を示した。
【0083】
具体例に基づいて本発明を説明及び記載したが、本願発明が属する技術の分野の当業者に自明の様々な変更及び改変は、添付の特許請求の範囲に記載の発明の趣旨、範囲及び思想の範囲内であると思料される。
本願は特許請求の範囲に記載の発明に係るものであるが、本願の開示は以下も包含する:
1.
a)少なくとも一種の光酸発生剤;
b)少なくとも一種のノボラックポリマー;
c)ポリマー主鎖を有する少なくとも一種のポリマー、ここで前記ポリマーは、次の式の構造を含む、ポジ作動型感光性組成物。
【化15】
式中、R〜Rは、独立して、−H、Fまたは−CHであり、Aは、線状または分枝状C〜C10アルキレン基であり、Bは、C〜C12アルキルもしくは脂肪環式基であり、Dは連結基であり、この連結基は、化学結合、カルボキレート基(ここでそのカルボニル炭素はポリマー主鎖に結合する)または−COOCH−基(ここでそのカルボニル炭素はポリマー主鎖に結合する)であることができ、Arは、置換されたもしくは置換されていない芳香族基またはヘテロ芳香族基であり、Eは、線状もしくは分枝状C〜C10アルキレン基であり、Gは、酸解裂性基であり、vは0〜10モル%、wは0モル%〜20モル%、xは14モル%〜80モル%、yは0モル%〜40モル%であり、そしてzは20モル%〜50モル%である。

2.
少なくとも一種の光酸発生剤が、オニウム塩、ジカルボキシイミジルスルホネートエステル、オキシムスルホネートエステル、ジアゾ(スルホニルメチル)化合物、ジスルホニルメチレンヒドラジン化合物、ニトロベンジルスルホネートエステル、ビイミダゾール化合物、ジアゾメタン誘導体、グリオキシム誘導体、β−ケトスルホン誘導体、ジスルホン誘導体、スルホン酸エステル誘導体、イミドイルスルホネート誘導体、またはハロゲン化トリアジン化合物である、上記1に記載のポジ作動型感光性材料。

3.
少なくとも一種のノボラックポリマーが、o−クレゾール、p−クレゾールまたはm−クレゾールから選択される一種以上のクレゾール系繰り返し単位を含む、上記1または2に記載のポジ作動型感光性組成物。

4.
少なくとも一種のノボラックポリマーが、少なくとも80モル%のm−クレゾールを含むクレゾール系ノボラックである、上記3に記載のポジ作動型感光性材料。

5.
Aが、メチレン基、エチレン基または1,2−プロピレン基であり、そしてBがメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基である、上記1〜4のいずれか一つに記載のポジ作動型感光性組成物。

6.
Gが酸解裂性基である、上記1〜5のいずれか一つに記載のポジ作動型感光性組成物。

7.
Gが、t−ブチル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、テトラヒドロフラン−2−イル基、4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−プロポキシエチル基、3−オキソシクロヘキシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、8−メチル−8−トリシクロ[5.2.1.0 2,6]デシル基、1,2,7,7−テトラメチル−2−ノルボニル基、2−アセトキシメンチル基、2−ヒドロキシメチル基、1−メチル−1−シクロヘキシルエチル基、4−メチル−2−オキソテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル基、2,3−ジメチルブタン−2−イル基、2,3,3−トリメチルブタン−2−イル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1,2,3,3−テトラメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−エチル−1,3,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2,6,6−トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン−2−イル基、2,3−ジメチルペンタン−3−イル基、または3−エチル−2−メチルペンタン−3−イル基から選択される酸解裂性基である、上記1〜5のいずれか一つに記載のポジ作動型感光性組成物。

8.
Aが、メチレン基、エチレン基または1,2−プロピレン基であり、Dが、−COOCH−または−COO−基であり、そしてArが、フェニルまたはヒドロキシフェニル基である、上記1〜7のいずれか一つに記載のポジ作動型感光性組成物。

9.
Eが1,2−プロピレン基である、上記1〜8のいずれか一つに記載のポジ作動型感光性組成物。

10.
ポジ型レリーフ画像を形成する方法であって、
a)上記1〜9のいずれか一つに記載のポジ作動型感光性組成物を基材上に施与することによって感光性層を形成し、
b)感光性層を化学線に像様露光して潜像を形成し、
c)潜像を現像剤中で現像し、
d)任意選択的に、前記像様露光された感光性層を熱処理する、
ことを含む、前記方法。

11.
現像剤が、テトラ(C〜Cアルキル)アンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムから選択される少なくとも一種の化合物を含む、請求項10に記載の方法。

12.
化学線の波長が約240nm〜約450nmである、請求項10または11に記載の方法。