(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも正面板(38)と、背面板(40)と、側板(42)とで囲まれた収容空間(44)に、それぞれ発熱体を収容した複数の容器(46)が段積みされて設置された複数の筐体(36)を有するパッケージ(14)を有する収容装置において、
前記パッケージ(14)の背面側に設置された排気経路(34)と、
前記排気経路(34)の横方向に隣接して設置された排気装置(24)と、
前記正面板(38)の下部のみに設けられた吸気口(176)と、
前記排気経路(34)に面する前記背面板(40)のうち、それぞれ前記容器(46)に対応する位置に設けられ、且つ、前記排気経路(34)に通じる開口(192)と、を有し、
少なくとも1つの前記開口(192)の流路抵抗が調整されて、各前記容器(46)の周囲温度が均一化されていることを特徴とする収容装置。
【発明の概要】
【0006】
ところで、多数のモジュールを有する二次電池システムにおいては、各モジュールの周囲温度(例えば下面温度)を均一化させることで、各モジュールの動作の安定化を図ることができ、好ましい。
【0007】
しかし、ファン等の排気装置を用いない自然換気では、各段の流量の調節ができないため、各モジュールの周囲温度を均一化させることは困難である。
【0008】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、二次電池等の発熱体を収納した容器を多数収容した収容装置において、各容器の周囲温度を均一化させることができる収容装置を提供することを目的とする。
【0009】
[1] 本発明に係る収容装置は、少なくとも屋根と、正面板と、背面板と、側板とで囲まれた収容空間を有する少なくとも1つの筐体と、前記筐体の前記収容空間に段積みされ、それぞれ発熱体を収納した複数の容器とを有する収容装置において、前記正面板の下部のみに設けられた吸気口と、前記背面板の板面に沿って延びる排気経路と、前記背面板のうち、それぞれ前記容器に対応する位置に設けられ、前記排気経路に通じる開口と、前記排気経路の上部終端に設置された排気装置と、を有し、少なくとも1つの前記開口の流路抵抗が調整されて、各前記容器の周囲温度(例えば上面温度)が均一化されていることを特徴とする。
【0010】
これにより、例えば容器を、多数の二次電池の単電池が接続されたモジュール電池とした場合に、二次電池の通常運転において、局部的にモジュール電池の温度が高くなることを避けることができ、安定した運転を確保することができる。
【0011】
[2] 本発明において、前記排気装置に近い位置にある少なくとも1つの前記容器に対応した開口の流路抵抗が、その他の前記容器に対応した開口の流路抵抗よりも大きくしてもよい。これにより、排気装置に近い位置にある少なくとも1つの容器への空気の流入を制限することができる。その結果、空気の流入が少なかった容器への空気の流入が多くなり、全容器の周囲温度の均一化に寄与する。
【0012】
[3] 本発明において、前記開口の流路抵抗は、前記開口から前記排気装置までの距離に応じて調整されていてもよい。
【0013】
[4] この場合、前記開口の流路抵抗は、前記開口から前記排気装置までの距離が短くなるにつれて大きくなるように調整されていてもよい。これにより、各容器への空気の流量が均一化され、全容器の周囲温度も均一化することとなる。
【0014】
[5] 本発明において、複数の前記筐体が前記排気経路に沿って横方向に並置されていてもよい。
【0015】
[6] 本発明において、複数の前記筐体が前記排気経路を間に挟んで横方向に並置されていてもよい。
【0016】
[7] 本発明において、前記排気経路を間に挟んで並置された2つの筐体を1つの組としたとき、複数の前記組が前記排気経路に沿って並置されていてもよい。
【0017】
[8] 本発明において、前記発熱体は、多数の二次電池の単電池が接続されたモジュール電池であってもよい。
【0018】
[9] この場合、前記正面板の前記吸気口を開閉する吸気口開閉部と、前記排気経路を通じて排気されるガスに含まれる活物質の濃度を検知する検知ユニットと、前記検知ユニットにて検知された前記活物質の濃度が規定値以上の場合に、前記吸気口開閉部及び前記排気装置を制御して、前記吸気口を閉じ、前記排気装置を停止する制御部とを有してもよい。これにより、ガス濃度異常となった際に、活物質を含むガスが外部へ排気されるのを防止することができる。
【0019】
[10] 前記検知ユニットは、それぞれ一方の開口が前記排気経路に向けて設置された2本の導管と、前記2本の導管(第1導管及び第2導管)の各他方の開口が挿入されたチャンバーと、感知部が前記チャンバー内に設置されたガスセンサとを有し、前記2本の導管は、各一方の開口が、それぞれ向きを異ならせて前記排気経路に設置されていてもよい。
【0020】
排気経路中のガスは、排気装置によって収容装置外に強制排気されることから、排気経路からのガスの一部を他の経路、例えばガスセンサ側に引き込む場合、例えば真空ポンプを用いても、ガスの引き込みには困難が伴う。
【0021】
しかし、排気経路に向けて設置された第1導管及び第2導管の各一方の開口が、それぞれ向きを違えていることから、各一方の開口間で圧力差が生じるため、チャンバー内において、第1導管の他方の開口と第2導管の他方の開口との間にガスの流れが発生する。すなわち、排気経路からのガスの一部がチャンバー内に引き込まれることになる。これにより、ガスセンサによって、チャンバー内に引き込まれたガスに含まれる活物質の濃度を検出することができる。
【0022】
[11] さらに、前記排気装置は、前記排気経路に隣接して設置された制御室の上部に設置され、少なくとも前記制御部は、前記制御室の下部に設置されていてもよい。これにより、制御室においてデッドスペースとなっていた空間を利用して排気装置を設置することができ、設置空間の有効利用を図ることができ、サイズの大型化を抑制することが可能となる。
【0023】
[12] [9]〜[11]のいずれかにおいて、前記筐体の前記屋根の上部に、前記筐体内の圧力上昇を緩和する避圧ダンパーを有してもよい。これにより、密閉空間内での圧力上昇を緩和させることができる。
【0024】
[13] [8]〜[12]のいずれかにおいて、各前記モジュール電池がそれぞれ金属製の架台に設置され、前記モジュール電池の外部端子と配線との接続部分と前記架台との間に絶縁物が介在されていてもよい。
【0025】
これにより、モジュール電池の外部端子と接続される配線の配線方向がモジュール電池の横方向への配列方向となるため、隣接するモジュール電池間では、配線長を短くすることができ、ケーブル等が撓むのを抑制することができる。配線長が長いところでは、配線と架台との間に絶縁物を介在させて電気的絶縁を確保しているため、たとえ絶縁被覆が溶けても電気的絶縁が維持され、多点地絡によるショートの発生を回避することができる。
【0026】
以上説明したように、本発明に係る収容装置によれば、二次電池等の発熱体を収納した容器を多数収容した収容装置において、各容器の周囲温度を均一化させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る収容装置を例えばNaS電池に適用した実施の形態例を
図1〜
図19を参照しながら説明する。
【0029】
本実施の形態に係る収容装置10は、
図1〜
図4に示すように、隙間12(
図3及び
図4参照)を置いて互いに対向して設置された例えば2つのパッケージ14(第1パッケージ14A及び第2パッケージ14B)と、を有する。また、収容装置10は、第1パッケージ14A、第2パッケージ14B及び隙間12の上部全体を覆う屋根16と、第1パッケージ14A、第2パッケージ14B及び隙間12の一方の側部全体を覆う側部閉塞板18と、を有する。収容装置10は、さらに、第1パッケージ14A、第2パッケージ14B及び隙間12の他方の側部全体を覆う仕切り板20と、該仕切り板20に隣接して設置された制御室22と、を有する。
【0030】
制御室22の上部には排気装置24が設置され、下部には制御装置26が設置される。制御装置26は、後述するように、検知ユニット28と制御部30とを有する。また、仕切り板20のうち、隙間12に対応した部分の上部に排気装置24につながる連通孔32(
図3及び
図4参照)が設けられている。つまり、第1パッケージ14Aと第2パッケージ14B間に存する隙間12は、排気装置24による空気の排気経路34を構成する。なお、制御室22の側板35のうち、排気装置24と対向する位置に排気口37が設けられている。排気口37は風圧式シャッタを有してもよい。この場合、排気装置24の運転に連動して風圧式シャッタが開き、排気口37は開状態となる。排気装置24が停止状態になると、風圧式シャッタが閉じ、排気口37は閉状態となる。
【0031】
第1パッケージ14A及び第2パッケージ14Bは、それぞれ複数(例えば4つ)の筐体36(第1筐体36A〜第4筐体36D)を有する。各筐体36は、少なくとも正面板38と、背面板40と、側板42とで囲まれた収容空間44を有する。収容空間44には、複数(例えば5つ)のモジュール電池46(容器)が段積みされて設置されている。
【0032】
また、筐体36は、収容空間44内に4本の支柱48を有し、この4本の支柱48には、例えば架台50が等間隔に、且つ、互いに平行に設置されている。各架台50には、それぞれ1つずつモジュール電池46が載置固定される。
【0033】
各モジュール電池46は、
図5及び
図6に示すように、例えば鋼材で構成された基台51と、該基台51上に載置固定された箱体52と、箱体52内に収容された多数の単電池54からなる集合電池56と、箱体52の開口を閉塞する蓋体58とを有する。単電池54は例えば円筒状を有し、軸方向が鉛直方向に向けて箱体52内に収容されている。また、単電池54の破損、異常加熱、あるいは活物質の漏洩等に対応できるように、図示しないが、消化砂として珪砂が箱体52と集合電池56との間隙に充填されている。
【0034】
箱体52は、例えば直方体に近い形状を有し、4つの側壁及び底壁を備え、上面開口とされている。箱体52は、例えばステンレスからなる板材によって構成し、それ自体が中空部60を有する箱状に形成されている。中空部60は、気密的に封止された密閉空間であり、図示されない真空バルブによって、中空部60と外部空間とが連通し得る構造となっている。中空部60には、ガラス繊維を接着剤で板状に固化させた多孔質の真空断熱ボード62を装填して、箱体52を真空断熱構造としている。
【0035】
蓋体58は、天壁64及び庇66を備え、箱体52の上面開口を閉塞するように設置される。蓋体58は、箱体52と同様に例えばステンレスからなる板材によって構成されている。蓋体58は、その内面側(下面側)に、必要最小限の断熱性を得るための図示しない断熱材層を配置し、中空部68に少なくとも2以上の脱着可能な断熱板70を積層充填している。すなわち、各モジュール電池46は、蓋体58(上面)のみを大気断熱構造にして、且つ、モジュール電池46の上面からの放熱量を制御可能にしている。
【0036】
また、
図5に示すように、4つの側壁のうち、正面の第1側壁72aの外表面(1つの外側面)には、正極外部端子を構成する正極バスバー74と、負極外部端子を構成する負極バスバー76とが設置されている。
【0037】
一方、集合電池56は、
図7に示すように、正極78から負極80に向かって2以上のブロック82が直列接続されて構成されている。各ブロック82は、2以上の単電池54が直列接続した2以上の回路(ストリング84)が並列に接続されて構成されている。
【0038】
正極78は、正極外部端子を構成する正極バスバー74及び中継部材である正極バス86を備え、正極バス86は、正極集電部88、正極延長部90及び正極ポール92を備える。負極80は、負極外部端子を構成する負極バスバー76及び中継部材である負極バス94を備え、負極バス94は、負極集電部96、負極延長部98及び負極ポール100を備える。
【0039】
ここで、正極78及び負極80の具体的構成例について
図8及び
図9を参照しながら説明する。
【0040】
図8に示すように、正極78の正極集電部88及び正極延長部90は、箱体52の収容空間に収容される。正極ポール92は第1側壁72aを貫通する。正極集電部88及び正極延長部90は、1つの導電材(例えば金属板)を途中で直角に曲げられることで構成される。正極集電部88は、第2側壁72bの内面に沿い、正極延長部90は、第1側壁72aの内面に沿うように配される。正極ポール92は、箱体52の収容空間において正極延長部90に結合され、箱体52の外部において正極バスバー74に結合される。
【0041】
一方、
図9に示すように、負極集電部96及び負極延長部98は、収容空間に収容される。負極ポール100は第1側壁72aを貫通する。負極集電部96及び負極延長部98は、1つの導電材(例えば金属板)を途中で直角に曲げられることで構成される。負極集電部96は、第3側壁72cの内面に沿い、負極延長部98は、第1側壁72aの内面に沿うように配される。
【0042】
負極ポール100は、収容空間において負極延長部98に結合され、箱体52の外部において負極バスバー76に結合される。
【0043】
なお、上述した正極集電部88及び正極延長部90、並びに負極集電部96及び負極延長部98が金属板にて構成されることは、正極バス86並びに負極バス94の電気抵抗の低下に寄与する。もちろん、正極集電部88及び正極延長部90、並びに負極集電部96及び負極延長部98は、それぞれ2個以上の導電部品の結合物であってもよい。また、正極ポール92及び負極ポール100がそれぞれポール形状を有することは、正極ポール92及び負極ポール100を経由する熱の出入りの抑制に寄与する。
【0044】
次に、第1パッケージ14A及び第2パッケージ14Bに収容された合計40個のモジュール電池46を電気的に接続する場合について
図10を参照しながら説明する。
図10において、手前側の20個のモジュール電池46が第1パッケージ14Aに収容され、奥側の20個のモジュール電池46が第2パッケージ14Bに収容される。
【0045】
そして、同じパッケージ14内で、且つ、同じ段においては、互いに隣接するモジュール電池46間の配線長が短いため、段内用の配線部材(後述する可とう導体102)にて電気的に接続して、それぞれ直列接続体を構成する。例えば第1パッケージ14Aの第1段目で第1直列接続体104Aが構成され、第2パッケージ14Bの第1段目で第2直列接続体104Bが構成され、第1パッケージ14Aの第2段目で第3直列接続体104Cが構成され、第2パッケージ14Bの第2段目で第4直列接続体104Dが構成される。以下同様に、第1パッケージ14Aの第5段目で第9直列接続体104Iが構成され、第2パッケージ14Bの第5段目で第10直列接続体104Jが構成される。第5直列接続体104E〜第8直列接続体104Hにおいても同様であるため、重複説明を省略した。
【0046】
第1直列接続体104Aと第2直列接続体104Bとの間、第3直列接続体104Cと第4直列接続体104Dとの間においては、配線長が長いため、それぞれ段内用の配線ケーブル(段内ケーブル106)で電気的に接続される。第7直列接続体104Gと第8直列接続体104Hとの間、第9直列接続体104Iと第10直列接続体104Jとの間においても同様である。
【0047】
また、第2直列接続体104Bと第3直列接続体104C間、並びに第4直列接続体104Dと第5直列接続体104E間は、それぞれ段間用の配線ケーブル(段間ケーブル108)にて電気的に接続される。これによって、第1直列接続体104A〜第5直列接続体104Eによる第1大型直列接続体110Aが構成され、第1直列接続体104Aの始端が第1大型直列接続体110Aの正極となり、第5直列接続体104Eの終端が第1大型直列接続体110Aの負極となる。
【0048】
同様に、第6直列接続体104Fと第7直列接続体104G間、並びに第8直列接続体104Hと第9直列接続体104I間は、それぞれ段間ケーブル108にて電気的に接続される。これによって、第6直列接続体104F〜第10直列接続体104Jによる第2大型直列接続体110Bが構成され、第6直列接続体104Fの始端が第2大型直列接続体110Bの正極となり、第10直列接続体104Jの終端が第2大型直列接続体110Bの負極となる。
【0049】
可とう導体102及び段内ケーブル106の各々は、水平方向に延在し、水平方向に配列されるモジュール電池46を接続する。
【0050】
ここで、モジュール電池46の正極バスバー74に可とう導体102を接続した状態について
図11〜
図13を参照しながら説明する。
【0051】
図11に示すように、正極バスバー74は、導体接続部112及び屈曲部114とを備える。可とう導体102は、隣接する一方のモジュール電池46の正極バスバー74と他方のモジュール電池46の負極バスバー76(
図11において図示せず)とを電気的に接続する。可とう導体102は、接続部116及び網線118を備える。
【0052】
正極バスバー74の屈曲部114には、正極ポール92が結合される。正極バスバー74の導体接続部112には、
図12に示すように、ボルト孔120が形成される。可とう導体102の接続部116にも、ボルト孔122が形成される。正極バスバー74の導体接続部112及び可とう導体102の接続部116は重ねられ、正極バスバー74の導体接続部112に形成されるボルト孔120及び可とう導体102の接続部116に形成されるボルト孔122にボルト124が挿入される。ナット126は、ボルト124に螺合される。正極バスバー74の導体接続部112及び可とう導体102の接続部116は、ボルト124及びナット126により締結される。
【0053】
正極バスバー74の導体接続部112の表面及び可とう導体102の接続部116の表面は、ニッケルめっきされる。この場合、銀めっきする場合と比較して、正極バスバー74及び可とう導体102の耐久性及び耐熱性が向上するが、接続抵抗が高くなる。接続抵抗が高くなる問題は、正極バスバー74の導体接続部112及び可とう導体102の接続部116の接触面積を大きくし、正極バスバー74の導体接続部112及び可とう導体102の接続部116を密着させることにより解消する。
【0054】
正極バスバー74は板形状を有する。正極バスバー74の導体接続部112は、正極バスバー74の一端寄りを占める。正極バスバー74の屈曲部114は、正極バスバー74の他端寄りを占める。正極バスバー74の導体接続部112及び屈曲部114は、第1側壁72aの外面に平行に配置される。第1側壁72aから正極バスバー74の導体接続部112までの距離は、ボルト124のボルト長より長く、第1側壁72aから屈曲部114までの距離より長い。望ましくは、第1側壁72aから正極バスバー74の導体接続部112までの距離は、ボルト長の2倍以上である。
【0055】
第1側壁72aから正極バスバー74の導体接続部112までの距離がボルト長より長い場合は、ボルト124が第1側壁72aに接触しにくい。
【0056】
第1側壁72aから正極バスバー74の屈曲部114までの距離が短い場合は、正極ポール92が短くなる。その結果、正極ポール92を経由する熱の出入りが抑制され、箱体52内の温度の調整が容易になる。
【0057】
正極バスバー74及び負極バスバー76が左右対称の構造を有する点を除いて、負極バスバー76及び可とう導体102も同様に接続される。
【0058】
また、段内ケーブル106及び段間ケーブル108は、可とう導体102とほぼ同様の構成を有し、網線118に代えてケーブルが接続されている点で異なるだけであり、接続部116の構成は同じである。従って、正極バスバー74や負極バスバー76に、段内ケーブル106を接続する場合や、段間ケーブル108を接続する場合においても、可とう導体102を接続する場合と同様に行うことができる。
【0059】
一方、正極バスバー74を基台51上に支持する正極支持体128は、
図11及び
図13に示すように、台座130、台座固定用ボルト132、下端キャップ134、碍子136、上端キャップ138、L字金具140、L字金具固定用ボルト142及びL字金具固定用ナット144を備える。
【0060】
碍子136の下端146及び下端キャップ134の凹部148は、セメント接合される。下端キャップ134の外面150及び台座130の上面152は溶接される。
【0061】
台座130は、台座固定用ボルト132により基台51に固定される。台座130にはボルト孔154が形成される。基台51にはボルト孔156が形成される。ボルト孔156の内面には、ねじ溝が切られる。台座130は、モジュール電池46の基台51に載せられる。台座固定用ボルト132は、台座130に形成されるボルト孔154及び基台51に形成されるボルト孔156に挿入され、基台51に形成されるボルト孔156に切られるねじ溝に螺合される。台座130に形成されるボルト孔154は、台座130の奥行方向に長い長孔である。これにより、台座130の位置を奥行方向に調整可能である。
【0062】
碍子136の上端158及び上端キャップ138の凹部160は、セメント接合される。上端キャップ138の外面162及びL字金具140の水平部164の外面166は、溶接される。
【0063】
L字金具140の鉛直部168は、L字金具固定用ボルト142及びL字金具固定用ナット144により正極バスバー74に固定される。L字金具140の鉛直部168には、ボルト孔170が形成される。正極バスバー74には、ボルト孔172が形成される。L字金具140の鉛直部168及び正極バスバー74は重ねられる。L字金具固定用ボルト142は、L字金具140に形成されるボルト孔170及び正極バスバー74に形成されるボルト孔172に挿入される。L字金具固定用ナット144は、L字金具固定用ボルト142に螺合される。L字金具140に形成されるボルト孔170は、鉛直方向に長い長孔である。これにより、L字金具140の位置を鉛直方向に調整可能である。従って、碍子136の寸法のばらつきは、台座130及びL字金具140の位置調整により吸収される。
【0064】
正極バスバー74は、正極支持体128に支持される。基台51に結合される台座130及び正極バスバー74に結合されるL字金具140は、碍子136により電気的に絶縁される。これについては、
図9に示すように、負極バスバー76を基台51上に支持する負極支持体174についても同様である。
【0065】
そして、一方のモジュール電池46の正極バスバー74と、横方向に隣接する他方のモジュール電池46の負極バスバー76とを可とう導体102にて電気的に接続するようにしている。これにより、モジュール電池46の外部端子と接続される配線の配線方向がモジュール電池46の横方向への配列方向となるため、隣接するモジュール電池46間では、配線長を短くすることができ、ケーブル等が撓むのを抑制することができる。
【0066】
一方、段内ケーブル106や段間ケーブル108等のように、配線長が長いところでは、配線と架台50との間に碍子136を介在させて電気的絶縁を確保している。そのため、たとえ絶縁被覆が溶けても電気的絶縁が維持され、多点地絡によるショートの発生を回避することができる。
【0067】
そして、本実施の形態においては、
図1に示すように、正面板38の下部のみに吸気口176が設けられ、屋根16の上部に避圧ダンパー178が設けられ、正面板38の上部に自然換気用の例えば手動式の排気口179が設けられている。吸気口176は、正面板38のうち、1段目のモジュール電池46と対向する位置に設けられる。各吸気口176に対応して吸気口開閉部180(
図18参照)が設置されている。各吸気口開閉部180は、制御部30からの開信号及び閉信号に基づいて対応する吸気口176を開閉操作する。なお、1段目の架台50の下面前方には、1段目のモジュール電池46の下方を通じて筐体36内に空気が入り込むのを防ぐための壁182(板材:
図2参照)が設けられている。なお、排気口179は、通常は、閉状態となっているが、例えば商用電源の供給が停止した後、換気が必要な場合に、手動で開くようになっている。
【0068】
屋根16は、各モジュール電池46の配置に対応して例えば8つの開口184(
図14A及び
図14Bに代表的に1つの開口184を示す)を有する。避圧ダンパー178は、各開口184に対して開閉自在に取り付けられている。避圧ダンパー178は、開口184の側壁186に設けられヒンジ部188と、ヒンジ部188によって開口184に対して開閉自在とされた蓋部材190とを有する。ヒンジ部188は、通常は、
図14Aに示すように、蓋部材190の自重によって、蓋部材190を開口184を閉塞する側に位置させている。そして、
図14Bに示すように、収容装置10内の圧力が所定値(蓋部材の自重)を超えた段階で、ヒンジ部188が作動し、蓋部材190を開口を開放する側に位置させる。収容装置10の圧力が所定値よりも低下した場合は、
図14Aに示すように、蓋部材190は自重によって自動的に閉じることとなる。
【0069】
もちろん、ヒンジ部188に、蓋部材190を開口184に対して閉じる方向に付勢する部材(例えばバネ等)を設けてもよい。この場合、ヒンジ部188は、収容装置10内の圧力が所定値(バネ等の付勢力と蓋部材190の自重を合計した圧力)を超えた段階で、蓋部材190を開口184を開放する側に位置させることとなる。
【0070】
また、
図15A及び
図15Bに代表して示すように、背面板40のうち、それぞれモジュール電池46に対応する位置に、排気経路34に通じる開口192が設けられている。具体的には、開口192は例えば長方形とされ、長辺の長さLaがモジュール電池46の横方向xの長さLbよりも例えば10〜20mmだけ長く、短辺Lcの長さが例えば20〜50mmである。ここで、モジュール電池46の横方向xは、奥行方向y及び鉛直方向zとそれぞれ直交する方向、すなわち、筐体36(
図1参照)の配列方向である。下側の長辺192aは、モジュール電池46の上面を背面板40に投影した位置Pa(
図15B参照)よりも例えば5〜15mmだけ下方に位置している。
【0071】
従って、
図2〜
図4に示すように、排気装置24の駆動によって、筐体36の背面側の圧力が筐体36の正面側の圧力よりも低下して負圧状態となると、吸気口176を通じて空気が流入する。流入した空気は、それぞれ開口192に向かって、各モジュール電池46の正面部分から上面部分を通り、さらに開口192を通じて排気経路34へ流入する。排気経路34に流入した空気は、排気装置24へ向かって進み、排気口37を通じて外部に排気される。排気装置24を連続駆動することで、上述の空気の流入、排気が連続して行われることになる。
【0072】
通常、本実施の形態のように、横方向に配列された複数の筐体36の終端部(制御室22)に排気装置24を設置して排気を行うと、排気装置24から近い部分は空気の流量(m
3/min)が多く、排気装置24から遠くなるに従って空気の流量が少なくなる。
【0073】
また、排気経路34を構成する空間が、屋根16と、側部閉塞板18と、仕切り板20と、互いに対向する複数の背面板40とで囲まれた扁平の直方体状である。このことから、制御室22の上部に排気装置24を設置して排気を行うと、前記空間のうち、排気装置24に最も近い部分(排気装置24に最も近い第1筐体36Aの4段目及び5段目のモジュール電池46に対応した位置)の圧力が最も低くなるが、前記空間のうち、排気装置24の底面下方に対応した位置(排気装置24に最も近い第1筐体36Aの3段目のモジュール電池46に対応した位置)の圧力を十分に低下させることができない。ここで、上述の排気装置24に最も近い部分とは、例えば排気装置24に最も近い第1筐体36Aの4段目及び5段目のモジュール電池46に対応した位置が挙げられる。上述の排気装置24の底面下方に対応した位置とは、例えば排気装置24に最も近い第1筐体36Aの3段目のモジュール電池46に対応した位置が挙げられる。
【0074】
この場合、背面板40に形成された全ての開口192の開口面積を同じにすると、4段目及び5段目のモジュール電池46への空気の流入が多くなり、反対に3段目のモジュール電池46への空気の流れが淀み、3段目のモジュール電池46に対する空冷効果が低減する。
【0075】
そこで、本実施の形態では、4段目及び5段目のモジュール電池46のいずれか一方あるいは両方に対応する開口192の開口面積を狭くして、開口192の流路抵抗を大きくする。これによって、4段目及び5段目のモジュール電池46のいずれか一方あるいは両方への空気の流入が制限され、反対に3段目のモジュール電池46への空気の流入が多くなり、3段目のモジュール電池46に対する空冷効果を高めることが可能となる。その結果、3段目〜5段目のモジュール電池46に対する空気の流量をほぼ一定にすることができ、各モジュール電池46の周囲温度(例えば上面温度)を均一化することができる。
【0076】
ここで、1つの実験例を示す。この実験例は、排気装置24によって、各モジュール電池46の正面付近の温度が目標温度上昇以下(外気温度+15℃以下)にできるかを検証したものである。
【0077】
上述した収容装置10と同様に、屋根16、側部閉塞板18、仕切り板20、側板35、正面板38、背面板40、側板42及び架台50を有する組立体を作製し、排気装置24に最も近い列に、それぞれ5つのモジュール電池46を段積みした。下から1段、2段・・・5段とし、最上段が5段である。温度計は、モジュール電池46の基台51のうち、正面中央に設置した。すなわち、モジュール電池46の正面付近に設置した。背面板40に形成された開口192のうち、4段目及び5段目のモジュール電池46のいずれか一方あるいは両方に対応する開口192の開口面積を狭くした。
【0078】
そして、排気装置24を停止にした状態とし、吸気口176及び排気口37を開放状態にして、ヒータによりモジュール電池46を昇温した。
【0079】
図16に、1段〜5段におけるモジュール電池46の正面付近の温度変化を示す。10分間の標準偏差の平均は3.7であり、温度差の平均は9.6℃であった。すなわち、3段目〜5段目のモジュール電池46に対する空気の流量をほぼ一定にすることができ、各モジュール電池46の周囲温度(例えば上面温度)を均一化することができた。
【0080】
開口192の流路抵抗を大きくする方法としては、様々な方法があるが、例えば
図17A及び
図17Bに示すように、背面板40に沿って上下方向に移動することによって、背面板40に設けられた開口192の開口面積を調整することができるスライド板194を設置してもよい。この場合、例えば
図17A及び
図17Bに示すように、背面板40のうち、開口192の両側の周辺部に縦方向に延びる長孔196をそれぞれ設け、スライド板194の両側にボルト挿通孔198を設ける。そして、背面板40の長孔196及びスライド板194のボルト挿通孔198にボルト200を挿通した状態で、スライド板194を上下に移動して開口192に対する位置を調整する。その後、ナット202をボルト200にねじ込んでスライド板194を固定することで、簡単に開口192の開口面積、すなわち、開口192の流路抵抗を調整することができる。
【0081】
その他の方法としては、例えば金属線による多数のメッシュが形成されたメッシュ板を使用することができる。例えばメッシュ板として、金属線の線幅が異なる複数のメッシュ板や、メッシュピッチが異なる複数のメッシュ板を用意し、流路抵抗に合わせて、適切なメッシュ板を選択して開口192に取り付けることで、簡単に開口192の流路抵抗を調整することができる。
【0082】
上述の例では、排気装置24から最も近い第1筐体36Aの1段目〜5段目のモジュール電池46についてみたが、他のモジュール電池46や、他の筐体36のモジュール電池46についても同様に、開口192の流路抵抗を調整することで、各モジュール電池46の周囲温度(例えば上面温度)を均一化することができる。
【0083】
この場合、開口192の流路抵抗を、開口192から排気装置24までの距離に応じて調整することが好ましい。具体的には、開口192から排気装置24までの距離が短くなるにつれて開口192の流路抵抗が大きくなるように調整する。例えば各筐体36において、上段にいくに従って開口192の流路抵抗を大きくする。この場合も、スライド板194やメッシュ板等を用いて流路抵抗を調整すればよい。
【0084】
その後、排気装置24から最も近い第1筐体36Aの主に1段目〜5段目、あるいは2段目〜5段目のモジュール電池46について再度調整してもよい。上述したように、排気経路34を構成する空間が、扁平の直方体状であることと、制御室22の上部に排気装置24を設置して排気を行うという特有の使用形態から、特定のモジュール電池46(例えば3段目のモジュール電池46)に対する空気の流れが淀みやすくなるからである。
【0085】
一方、制御室22の下部に設置された制御装置26は、
図18に示すように、検知ユニット28と制御部30とを有する。
【0086】
検知ユニット28は、排気経路34を通じて排気されるガスに含まれる活物質の濃度を検知する。検知対象のガスは、排気経路34内のガスでもよいし、排気装置24にて強制排気されるガスでもよい。
【0087】
排気装置24から強制排気されるガスに含まれる活物質の濃度を検知する濃度検知装置としては、
図19に示す濃度検知装置204を好ましく使用することができる。すなわち、排気経路34中のガスは、排気装置24によって、連通孔32を介して排気装置24側に導かれ、さらに、排気口37を介して収容装置10外に強制排気される。このことから、排気経路34からのガスの一部を他の経路、例えばガスセンサ側に引き込む場合、例えば真空ポンプを用いても、ガスの引き込みには困難が伴う。
【0088】
そこで、濃度検知装置204は、それぞれ一方の開口(排気側の開口)の位置が異なった2本の導管を用いて、ガスを引き込む。具体的には、濃度検知装置204は、第1導管208と、第2導管210と、チャンバー212と、ガスセンサ214と、を有する。第1導管208は、例えば直線状に延び、一方の開口208aが上方を向いている。第2導管210は、途中で屈曲変形され、一方の開口210aが排気装置24側に向いたL字状を有する。チャンバー212には、第1導管208及び第2導管210の各他方の開口208b及び210b側が挿入されている。ガスセンサ214は、感知部214aがチャンバー212内に設置されている。本実施の形態は、この濃度検知装置204によりガスを引き込む。
【0089】
第1導管208の一方の開口208aと第2導管210の一方の開口201aは、それぞれ開口部の向きが異なる。各一方の開口208a及び208b間で圧力差が生じるため、チャンバー212内において、第1導管208の他方の開口208bと第2導管210の他方の開口210bとの間にガスの流れが発生する。すなわち、排気経路34からのガスの一部がチャンバー212内に引き込まれることになる。ガスセンサ214は、チャンバー212内に引き込まれたガスに含まれる活物質の濃度を検出する。
【0090】
なお、
図19では、チャンバー212内において、第2導管210の他方の開口210bから第1導管208の他方の開口208bに向かってガスの流れが生じていることを示している。もちろん、第1導管208の他方の開口208bから第2導管210の他方の開口210bに向かってガスの流れが生じる場合もある。また、上述の例では、第1導管208を直線状とし、第2導管210を途中で屈曲した形状とした。もちろん、第1導管208の一方の開口208aにかかる圧力と、第2導管210の一方の開口210aにかかる圧力が異なれば、どのような形状でもよいし、各一方の開口208a及び210aの位置を任意に変えてもよい。
【0091】
図18に示すように、制御部30は、少なくとも吸気口開閉部180及び排気装置24を制御する。通常運転では、吸気口開閉部180に開信号を出力して、吸気口176を常時開状態とする。
【0092】
通常運転のうち、各モジュール電池46の放電期間においては、各モジュール電池46の発熱量が小であるため、制御部30は、排気装置24のファンの回転数を小にして、排気流量を制限する制御を行う。反対に、各モジュール電池46の充電期間においては、各モジュール電池46の発熱量が大となるため、制御部30は、排気装置24のファンの回転数を大にして、排気流量を増大する制御を行う。放電期間及び充電期間での上述した制御は、各モジュール電池46に取り付けた温度センサー216からの情報あるいは充放電シーケンスに連動して行うようにしてもよい。
【0093】
また、制御部30は、検知ユニット28にて検知された活物質の濃度が規定値以上の場合に、吸気口開閉部180に閉信号を出力し、排気装置24に運転停止信号を出力して、吸気口176を閉状態、排気装置24を停止状態とする。排気口37が風圧式シャッタを有する場合は、排気装置24が停止状態になることで、排気口37も風圧式シャッタによって閉状態となる。これにより、活物質を含むガスが外部へ排気されるのを防止することができる。さらに、制御部30は、ガス濃度異常の発生を通報する。例えばパッケージ14の識別番号とガス濃度異常を示す識別コードを送信ファイルに格納し、該送信ファイルを監視センター等に向けて送信して、ガス濃度異常の通報を行う。この場合、インターネット等の公衆通信網や携帯電話網を経由して送信してもよい。また、通報は、監視センターのほか、現地使用者、現地管理者等に対して行ってもよい。また、データ通信による通報のほか、電話による通報も行うことで、ガス濃度異常に対する初動行為を早めることができる。
【0094】
吸気口176の閉鎖及び排気装置24の停止に伴って、少なくとも屋根16、側部閉塞板18、仕切り板20で囲まれた密閉空間に活物質を含むガスが滞留し、圧力が高まってくる。本実施の形態では、密閉空間の圧力が所定値を超えた段階で、避圧ダンパー178のヒンジ部188の開動作によって、蓋部材190が屋根16の開口184を開放する側に位置することから、前記密閉空間内での圧力上昇を緩和させることができる。
【0095】
このように、本実施の形態に係る収容装置10は、正面板38の下部のみに設けられた吸気口176と、背面板40の板面に沿って延びる排気経路34と、背面板40のうち、それぞれモジュール電池46に対応する位置に設けられ、且つ、排気経路34に通じる開口192と、排気経路34の上部終端に設置された排気装置24と、を有する。さらに、収容装置10は、少なくとも1つの開口192の流路抵抗が調整されて、各モジュール電池46の周囲温度(例えば上面温度)が均一化されているため、二次電池の通常運転において、局部的にモジュール電池46の温度が高くなることを避けることができ、安定した運転を確保することができる。
【0096】
そして、排気装置24に近い位置にある少なくとも1つのモジュール電池46に対応した開口192の流路抵抗を、その他のモジュール電池46に対応した開口192の流路抵抗よりも大きくする。これにより、排気装置24に近い位置にある少なくとも1つのモジュール電池46への空気の流入を制限することができる。その結果、空気の流入が少なかったモジュール電池46への空気の流入が多くなり、全モジュール電池46の周囲温度の均一化に寄与する。
【0097】
ところで、排気経路34の上部終端に排気装置24を設置して排気を行うと、排気装置24から近い部分は空気の流量が多く、排気装置24から遠くなるに従って空気の流量が少なくなる。従って、開口192の流路抵抗を、開口192から排気装置24までの距離に応じて調整することが好ましい。例えば開口192の流路抵抗を、開口192から排気装置24までの距離が短くなるにつれて大きくなるように調整することで、各モジュール電池46への空気の流量が均一化され、全モジュール電池46の周囲温度も均一化することとなる。
【0098】
また、本実施の形態においては、正面板38の吸気口176を開閉する吸気口開閉部180と、排気経路34を通じて排気されるガスに含まれる活物質の濃度を検知する検知ユニット28と、を有する。さらに、本実施の形態は、検知ユニット28にて検知された活物質の濃度が規定値以上の場合に、吸気口開閉部180及び排気装置24を制御して、吸気口176を閉じ、排気装置24を停止する制御部30と、を有する。これにより、ガス濃度異常となった際に、活物質を含むガスが外部へ排気されるのを防止することができる。
【0099】
ガス濃度異常の発生に伴って、吸気口176の閉鎖及び排気装置24の停止が行われると、少なくとも屋根16、側部閉塞板18、仕切り板20で囲まれた密閉空間に活物質を含むガスが滞留し、圧力が高まってくることとなる。しかし、本実施の形態では、屋根16の上部に、密閉空間内の圧力上昇を緩和する避圧ダンパー178を設けるようにしたので、密閉空間内での圧力上昇を緩和させることができる。
【0100】
さらに、本実施の形態においては、排気装置24を、排気経路34に隣接して設置された制御室22の上部に設置し、検知ユニット28及び制御部30を有する制御装置26を、制御室22の下部に設置している。これにより、制御室22においてデッドスペースとなっていた空間を利用して排気装置24を設置することができ、設置空間の有効利用を図ることができ、サイズの大型化を抑制することが可能となる。
【0101】
また、モジュール電池46の外部端子(正極バスバー74、負極バスバー76)と接続される配線の配線方向をモジュール電池46の横方向への配列方向としたので、隣接するモジュール電池46間では、配線長を短くすることができ、ケーブル等が撓むのを抑制することができる。段間ケーブルや段内ケーブル等のように、配線長が長いところでは、配線と架台50との間に碍子136を介在させて電気的絶縁を確保している。そのため、たとえ絶縁被覆が溶けても電気的絶縁が維持され、多点地絡によるショートの発生を回避することができる。
【0102】
上述した収容装置10は、多数のモジュール電池46を段積みしたパッケージ14に利用した例を示したが、収容した多数の対象物の温度を均一に保つコンテナや倉庫等にも好ましく採用することができる。
【0103】
なお、本発明に係る収容装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。