特許第6157712号(P6157712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6157712
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】目元化粧用塗布具および目元化粧用具
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20170626BHJP
【FI】
   A45D34/04 510A
   A45D34/04 515Z
【請求項の数】13
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-253284(P2016-253284)
(22)【出願日】2016年12月27日
(65)【公開番号】特開2017-119108(P2017-119108A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2016年12月27日
(31)【優先権主張番号】特願2015-257289(P2015-257289)
(32)【優先日】2015年12月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】木下 傑
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 素樹
(72)【発明者】
【氏名】岡元 美也子
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−192996(JP,A)
【文献】 特開2006−169229(JP,A)
【文献】 特開2015−47360(JP,A)
【文献】 米国特許第4527575(US,A)
【文献】 特開昭61−199807(JP,A)
【文献】 実開平1−127511(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支軸と、
該支軸に支持される基台部と、
前記基台部の腹面に形成され、前記基台部の長手方向に直交する方向に延在する複数の突起と、
前記基台部の前記腹面と対向する背面から突出し、前記基台部の前記長手方向に直交する方向に延在する複数の背面突起と、を有する目元化粧用塗布具であって、
前記突起は前記基台部の腹面から突出するよう形成され、前記突起は前記基台部の側縁から外側に突出する突出部を含んでおり、
前記腹面は前記支軸に対して所定の角度に傾いており、前記背面は前記支軸に対して前記腹面と同じ方向に前記所定の角度よりも小さい角度傾いており、
前記背面は前記長手方向に対して外側に向けて突出した凸状湾曲面であり、前記腹面は、前記長手方向に対して前記背面が突出する方向に窪んだ凹状湾曲面であり、前記長手方向において、前記背面の凸状湾曲面の曲率と前記腹面の凹状湾曲面の曲率とは異なり、
前記基台部の厚さは、前記基台部の前記長手方向において、前記腹面及び前記背面の前記傾き及び前記曲率によって、前記支軸から離れるにつれて徐々に薄くなることを特徴とする、
目元化粧用塗布具。
【請求項2】
前記背面は、幅方向に対して外側に向けて突出した凸状湾曲面であり、
前記背面から突出する各背面突起は、前記延在する方向において、中央部が高く前記基台部の前記側縁へ近づくにつれて徐々に低くなる略三日月形状であって、
前記幅方向において、前記略三日月形状の各平面突起の頂面の湾曲の曲率は、前記背面の前記凸状湾曲面の湾曲よりも大きい、ことを特徴とする、
請求項1に記載の目元化粧用塗布具。
【請求項3】
前記基台部の幅方向における横断面は、前記腹面において、少なくとも一部が略直線である形状であることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の目元化粧用塗布具。
【請求項4】
前記基台部の幅は、前記長手方向において、前記支軸から離れるにつれて、徐々に狭くなっており、前記腹面は針形状であることを特徴とする、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の目元化粧用塗布具。
【請求項5】
前記基台部の長手方向において、前記支軸から最も離れた、前記基台部の前記針形状の先端に、長手方向に延伸する針状の先端部を設けている、
請求項に記載の目元化粧用塗布具。
【請求項6】
前記基台部の少なくとも一部にフロッキー処理を施すことを特徴とする、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の目元化粧用塗布具。
【請求項7】
前記腹面から突出する前記突起の先端部は、前記基台部の前記長手方向に対応する幅が、最も広いところで、0.5mm以上1.3mm以下の幅を備える、平面又は延在方向に対して窪んだ湾曲面を形成することを特徴とする、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の目元化粧用塗布具。
【請求項8】
「前記突起の延在方向の長さ」x「前記突起の幅」で求められる、前記突起の前記先端部の先端面積が0.6mm2以上6.0mm2以下であることを特徴とする、
請求項に記載の目元化粧用塗布具。
【請求項9】
複数の前記突起の前記先端部が前記基台部の前記長手方向に対して窪んだ湾曲形状に並ぶように、複数の前記突起が並設されており、
前記突起の前記先端部の幅と隣接する突起間の間隙の幅との比率が、1:4以上1:0.8以下である、ことを特徴とする、
請求項7又は8に記載の目元化粧用塗布具。
【請求項10】
前記基台部の前記側縁の少なくとも一部から外側に突出する前記突出部の先端部が、0.5mm以上1.3mm以下の幅を備える平面又は湾曲面を形成することを特徴とする、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の目元化粧用塗布具。
【請求項11】
「前記突起の高さ」x「前記突起の幅」で求められる、前記突出部の先端部の先端面積が0.2mm以上2.0mm以下であることを特徴とする、
請求項10に記載の目元化粧用塗布具。
【請求項12】
複数の前記突出部は、前記支軸から離れるにつれて前記基台部の前記側縁から長く突出するように並設されており、
前記突出部の先端部の幅と隣接する突出部間の間隙の幅との比率が、1:4以上1:0.8以下である、ことを特徴とする、
請求項10又は11に記載の目元化粧用塗布具。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の目元化粧用塗布具と、
前記目元化粧用塗布具の前記支軸に連結可能な把持部と、
前記把持部と装着可能であって、化粧料を収容する化粧料容器と、を備えることを特徴とする、
目元化粧用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は目元化粧用塗布具であって、特にマスカラ液、まつ毛用育毛剤、マスカラ下地、まつ毛コーティング剤、まつ毛エクステ用コーティング剤などの化粧料を塗布する目元化粧用塗布具及び該目元化粧用塗布具が適用される目元化粧用具に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧を行う際に使用する化粧用具として数々のものがあるが、その一つとしてマスカラ(液)を塗布する際に使用するマスカラ塗布具がある。マスカラは、マスカラ液を塗布することで、まつ毛を濃く、長く、及びカールさせるものである。
【0003】
マスカラを塗布する際、まつ毛を濃くし、仕上がりを美しく見せるには、まつ毛の生え際(根元)からまつ毛の毛先まで、マスカラ液がしっかり塗布されていると好ましい。
【0004】
従来では、マスカラ塗布具として軸から放射状に突出するブラシが用いられていた(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2013−538065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、マスカラ塗布具としてブラシを用いた場合には、ブラシの毛先が長いこと、及び放射状に突出することにより、使用者がマスカラブラシの先端がまぶたや眼球へ接触する恐れを感じてしまう。
【0007】
また、まつ毛の根元に塗布具を当てた場合に、ブラシやコームの先端がまつ毛の隙間からまぶたに接触することで、まぶたにマスカラ液が付着することを回避しようという潜在的な意識が働いてしまう。
【0008】
よって、従来のマスカラ塗布具ではまつ毛の根元に確実にマスカラ液(化粧料)を塗布することができないという問題点があった。
【0009】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、まつ毛の根元へマスカラ液を塗布する際に眼球やまぶたへの接触の恐怖を低減しながら、良好なメーキャップ効果が得られる目元化粧用塗布具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題は、支軸と、該支軸に支持される基台部と、前記基台部に形成され、前記基台部の長手方向に直交する方向に延在する複数の突起と、前記基台部の前記腹面と対向する背面から突出し、前記基台部の前記長手方向に直交する方向に延在する複数の背面突起と、を有する目元化粧用塗布具であって、前記突起は前記基台部の腹面から突出するよう形成され、前記突起は前記基台部の側縁から外側に突出する突出部を含んでおり、前記腹面は前記支軸に対して所定の角度に傾いており、前記背面は前記支軸に対して前記腹面と同じ方向に前記所定の角度よりも小さい角度傾いており、前記背面は前記長手方向に対して外側に向けて突出した凸状湾曲面であり、前記腹面は、前記長手方向に対して前記背面が突出する方向に窪んだ凹状湾曲面であり、前記長手方向において、前記背面の凸状湾曲面の曲率と前記腹面の凹状湾曲面の曲率とは異なり、前記基台部の厚さは、前記基台部の前記長手方向において、前記腹面及び前記背面の前記傾き及び前記曲率によって、前記支軸から離れるにつれて徐々に薄くなることを特徴とする、目元化粧用塗布具によって解決することができる。
【発明の効果】
【0011】
一態様によれば、目元化粧用塗布具において、まつ毛の根元へ塗布する際に眼球やまぶたへの接触の恐怖を低減しながら、良好なメーキャップ効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施形態である、マスカラ塗布具(目元化粧用塗布具)及び該マスカラ塗布具を適用する目元化粧用具であって、(A)はマスカラ塗布具をマスカラ容器へ装着した状態の半断面図であり、(B)はマスカラ塗布具をマスカラ容器から取り外した状態の正面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態である、マスカラ塗布具の塗布体の拡大図であって、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は下面図である。
図3図3は、本発明のマスカラ塗布具の塗布体の拡大説明図であって、(A)は斜視図であり、(B)は(A)における1−1'線に沿う断面図であり、(C)は(A)における2−2'線に沿う断面図である。
図4図4は比較例のマスカラの塗布体の説明図であって、(A)は比較例のマスカラの図3の(A)のP方向から見た矢視図であり、(B)は比較例のマスカラを用いて化粧をするときの目元を示す図である。
図5】本発明の一実施形態のマスカラの塗布体の説明図であって、(A)は本発明の一実施形態のマスカラの図3の(A)のP方向から見た矢視図あり、(B)は本願の一実施形態のマスカラを用いて化粧をするときの目元を示す図である。
図6図6は本発明の一実施形態の目元化粧用塗布具のマスカラの上まつ毛への使用態様の例を示し、(A)および(B)はまつ毛根元へのマスカラ液塗布時の正面図、(C)はまつ毛根元へのマスカラ液塗布時の側面図、(D)はまつ毛の中央部〜先端部へのマスカラ液塗布時の側面図、(E)はまつ毛中央部のまつ毛さばき時の斜視図、(F)は目尻付近のまつ毛さばき時の斜視図を示す。
図7図7は本発明の一実施形態の目元化粧用塗布具のマスカラの下まつ毛への使用態様の例であって、(A)は背側を上に向けた使用例の正面図で、(B)は(A)に対応する側面図であり、(C)は腹側を上に向けた使用例の正面図で、(D)は(C)に対応する側面図である。
図8図8は本発明の一実施形態の目元化粧用塗布具のアイライナーの使用態様の例を示し、(A)は細めにアイラインを引く場合の正面図、(B)は太めにアイラインを引く場合の正面図を示す。
図9図9は、本発明に係る基台部の複数の変形例の横断図である。
図10図10は、本発明に係る腹面突起の複数の変形例の横断図である。
図11図11は、本発明に係る腹面突起の複数の変形例の横断図である。
図12図12は、本発明に係る背面突起の複数の変形例の横断図である。
図13図13は、本発明に係る側面突起の複数の変形例の横断図である。
図14図14は、本発明に係る塗布体の先端部の変形例を含むマスカラ塗布具の塗布体の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
<目元化粧用具>
図1は、本発明の一実施形態である、マスカラ塗布具(目元化粧用塗布具、アプリケーター)及び該マスカラ塗布具を適用する目元化粧用具を示している。図1において、(A)はマスカラ塗布具をマスカラ容器へ装着した状態の半断面図であり、(B)はマスカラ塗布具がマスカラ容器から取り外された状態の外観図である。
【0014】
先ず、図1の(A)及び(B)を用いてマスカラツール(目元化粧用具)1について説明する。マスカラツール1は、マスカラ塗布具40とマスカラ容器50とを有する。
【0015】
マスカラ容器(化粧料容器)50は、内部に化粧料(マスカラ液等)Mが充填される(収容される)容器である。図1で示される化粧料Mは、マスカラ(マスカラ液)に限られず、まつ毛用育毛剤、マスカラ下地、まつ毛コーティング剤、まつ毛エクステ用コーティング剤、アイライナー液、およびマスカラとアイライナー兼用化粧料組成物等の複数用途に使用できる化粧料などであってもよい。
【0016】
マスカラ塗布具40は、塗布体10と、支持軸(支軸)20と、把持部30とを備えている。円柱形状の把持部(枝部、蓋部)30には、支持軸20が取り付けられている。支持軸20の先端には、マスカラ液の塗布体10が取り付けられている。塗布体10の詳細については後述する。
【0017】
マスカラ容器50は略筒状体であり、化粧料Mを取り出すための開口部が形成されている。開口部には雄ネジ51が形成されており、この雄ネジ51にはマスカラ塗布具40の把持部30の内壁に形成された雌ネジ31が螺合する。
【0018】
マスカラ容器50が、図1の(A)に示すように把持部30に螺合した状態では、支持軸20に設けられた塗布体10は、マスカラ容器50内の化粧料Mに浸漬される。
【0019】
また、マスカラ容器50の開口部近傍には、しごき部材52が設けられている。しごき部材52は弾性体により構成され、マスカラ容器50をマスカラ塗布具40から取り外す際、塗布体10と接触することにより、塗布体10に過剰に付着したマスカラをしごく。このしごき部材52により、塗布体10に含ませるマスカラの量を適度に調整することができる。
【0020】
更に、マスカラ容器50の開口部の近傍には、容器側当接部53が設けられている。また支持軸20には、把持側当接部21が設けられている。把持側当接部21は、容器側当接部53に化粧料Mが溜まった場合に、その化粧料を容器内に押し戻す作用を有する。
【0021】
支持軸20は、把持部30から取り外し可能であってもよく、一体形成されていてもよい。取り外し可能な場合は係合部(突起部)22が、把持部30の内壁32や係合部(不図示)に着脱可能に係合する。
【0022】
図2及び図3に示すように、塗布体10は、基台部19、突起13,14、及び支持部17を備えている。
【0023】
塗布体10は、支持軸20から取り外し可能であってもよく、一体形成されていてもよい。取り外し可能な場合は支持部17に接続された連結部17Jが、支持軸20の内壁等と着脱可能に係合することで、塗布体10が支持軸20へ連結される。
【0024】
また、基台部19、突起13,14、及び支持部17は、表面がフロッキー(細毛)16で覆われる構成としてもよい。
【0025】
<塗布体>
次に、図2及び図3を用いて塗布体10の詳細について説明する。
【0026】
図2及び図3は、本発明の一実施形態である、マスカラ塗布具40の塗布体10の拡大図である。
【0027】
塗布体10は、支持軸20の先端に連結される支持部17と、支持部17に支持される基台部19と、該基台部19から突出する複数の壁状の突起13,14を備えている。この壁状の突起13,14は、断面が矩形状又は多角形状の角柱状の突起である。なお、支持部17を設けず、基台部19と支持軸20を直接連接してもよい。
【0028】
この塗布体10は、樹脂を一体成型することにより形成されている。樹脂材料としては熱可塑性樹脂を用いることが望ましく、例えばエラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセテート、ナイロン等を用いることができる。
【0029】
基台部19は、平面視で長手方向L(基台部19の中央部の湾曲方向)及びそれと直交する幅方向(短手方向)Sを有する縦長の細長い形状をしている。基台部19は、腹面(マスカラ液を主に塗布する側の塗付面)11、背面(まつ毛さばき面)12、及び針状先端15を含む。
【0030】
基台部19は、高さ方向H、及び幅方向Sにおいて、先端に向かうにつれて漸次細く(幅狭に)なっている。基台部19は、腹面11及び該腹面11に対向して位置する背面12を有する略板状の形状をしている。
【0031】
基台部19は、支持軸20が延伸する軸方向Aに対して、腹面11側へ凹状に湾曲したアーチ状をしている。つまり腹面11は凹状湾曲面(くぼみ面)になっている。これとともに基台部19は、該基台部19の幅方向Sに関しても、図2の(A)及び図3の(A)に示すように、腹面11側へ凹状に若干湾曲している。
【0032】
図2の(A)において、円Bで示す部分がまつ毛中央部から先端部へのマスカラの塗布に使用され、円Cに示す部分がマスカラ塗布時にまつ毛を梳くことに使用され、円Dに示す部分がアイラインを引くこと及びマスカラ塗布時のダマを分離することに使用される。また、図2の(B)において、円Eに示す部分は、まつ毛の根元及び全体へマスカラを塗布することに使用される。
【0033】
図2の(A)からわかるように、基台部19の支持軸20から最も離れた先端は、連結される支持軸20の軸Aから離間した位置にあり、塗布体10の基台部19は、支持軸20の軸Aの延在方向から傾いている。一例として基台部19の支持軸20に対する傾斜角度は、5〜10°程度であると好適である(基台部19の軸Aからの傾斜角度を図2の(A)に矢印θで示す)。
【0034】
塗布体10の基台部19が支持軸20に対して傾斜することで、マスカラ容器50をマスカラ塗布具40から取り外す際、塗布体10がしごき部材52を通過する際に、腹面11及び腹面突起13を有する腹側に化粧料を多く付着することができ、背面12及び背面突起14を有する背側では化粧料がしごかれる。よって、腹側は塗布に適し、背側はさばきの効果を有する。
【0035】
基台部19は、長手方向Lに対して、腹面11側へ凹状に湾曲したアーチ状をしている。つまり長手方向Lに対して、腹面11は凹状に湾曲し、背面12は凸状に湾曲している。腹面11は、基台部19の凹状に湾曲(凹状湾曲面)した内側に位置し、背面12は、前記凸状に湾曲した外側(凸状湾曲面)に位置する。このように、基台部19の腹面11の湾曲の曲率半径R1は、まつ毛が生えているまぶたの湾曲(目のカーブ)R(図3の(A)、図6の(A)参照)に対応するよう設定されている。
【0036】
更に、基台部19は、長手方向Lにおいて、背面12の湾曲の半径R2は腹面11の湾曲の半径R1よりも大きい、即ち、背面12の曲率が小さく(曲がり具合が緩やか)であり、腹面11の曲率が大きい(曲がり具合がきつい)(図3の(A)参照)。よって、基台部19の高さ方向Hにおいて支持軸20から離れるにつれて腹面11と背面12の距離(厚さ)が漸次短く(薄く)なる。例えば、図2の(A)の側面図に示すような、牙状の形状となる。
【0037】
具体的には、基台部19のうち、腹面11の長手方向Lの長さが15mm〜40mm、特に16mm〜28mmであることが、目頭から目尻にわたるまつ毛全体を一度に押さえることができる点と、操作性を兼ね備える点から好ましい。
【0038】
また基台部19は、基台部19の短手方向である幅方向Sが、最も広い部分において3〜8mm、特に3.5mm〜4.5mmであることが、まつ毛の根元から毛先にわたる全体を押さえることができる点と、操作性を兼ね備える点から好ましい。
【0039】
基台部19の腹面11の湾曲の程度(即ち、湾曲の曲率)は、曲率半径R1で表して20mm以上、特に30mm以上であることが、まぶたの湾曲(図6の(A)参照)に合わせてまつ毛を確実に押さえつけることができる点から好ましい。
【0040】
基台部19の背面12の長手方向Lに沿う湾曲の曲率は、曲率半径R2で表して30mm以上、特に40mm以上であることが、面で接してまつ毛一本一本を分ける(梳く)点から好ましい。
【0041】
ここで、図3の(B)及び図3の(C)に示すように、腹面11の湾曲方向Aと略垂直方向の断面は、横断面(基台部の短手方向である幅方向S)において、少なくとも一部が直線である形状である。ここで、断面における略直線状は、軽度の凹曲線、凸曲線の形状を含みうる(図9図10図11参照)。
【0042】
一方、基台部19の背面12側は、その幅方向Sに関して、外方へ向けて凸状に若干湾曲している。背面12の幅方向についての湾曲に関し、これらの背面12の曲率半径R3〜R3'(図3の(B)、図3の(C))は0.5mm〜8mm、特に1.5mm〜4.0mmであることが好ましい。
【0043】
幅方向Sにおいて、支持部17に近い部分(図3の(C))の背面12の曲率半径R3'と針状先端15に近い部分(図3の(B))の背面12の曲率半径R3は等しく、この例では、2.0mmである。あるいは、先端に近い部分の曲率半径R3の方が支持部17に近い部分の曲率半径R3'よりも小さい場合も考えられ、その場合には、最も幅が広い部分(支持部17側)で、曲率半径は1.5mm〜2.5mm程度であるとよい。また、先端に近い部分は、もっと細くてもよく、例えば曲率半径が1.0mmであってもよい。
【0044】
また、背面突起14の先端の曲率半径について、図3の例では、0.7mm〜2.1mmであると好ましい。このとき幅方向Sにおいて、支持部17に近い部分(図3の(C))の背面突起14の曲率半径R4'(例えば2.0mm)よりも、針状先端15に近い部分(図3の(B))の背面突起14の曲率半径R4(例えば0.7mm)の方が小さい。あるいは、先端に近い部分の背面突起14の先端の曲率半径R4と、支持部17に近い部分の曲率半径R4'が等しい場合も考えられる。
【0045】
また、図2の(B)及び(C)からわかるように、基台部19は、基台部19の幅方向においても、支持軸20から離れるにつれて細くなる被針形状(笹の葉状)の木の葉のような形状(Fで囲った部分)である。ここで、被針形状には、広被針形状や、三角形の支持部17側以外の二辺が外側に膨らむように湾曲している形状や、三角形も含まれるとする。
【0046】
このように形状が細くなることで、目のカーブの端部の目頭や目尻の短いまつ毛と塗布体10とが接触し易く、目頭や目尻へ化粧料を塗布するときの、操作性が向上する。なお、図2の(B)等に示すように、被針形状の先端に針状先端を形成する場合は、被針形状の先端を切り取った切頭形にするのが好ましい。
【0047】
次に、突起(壁状の突起13,14)について説明する。
【0048】
基台部19における腹面11には、複数の壁状の腹面突起(壁状突起、突起ともいう)13が立設されている。各腹面突起13は、腹面11の幅方向の略全体に延在している壁状突起である。複数の腹面突起13は、腹面11に略平行に並設されて形成されている。腹面突起13を設けることで、腹面11におけるマスカラ液のさばきが向上する。
【0049】
更に、図2の(A)、図3の(A)からわかるように、本実施形態では、壁状形状の腹面突起(壁状突起)13は、腹面11から、腹面11の前方向であって、断面が直線の部分と略垂直な方向に突出している。
【0050】
よって、腹面11及び腹面突起13は支持軸20から傾き、支持軸20から異なる方向へ延在している。支持軸20から傾くことで、まつ毛の根元へのマスカラ液塗布時、カーブした目元への密着度を調整しやすくなる。また、腹面突起13において、支持部17から遠い部分は、基台部19の幅方向Sの腹側の側縁111から延出するように設けられている。
【0051】
更に、図2の(A)に示されるように、各腹面突起13の先端面(突起先端、稜線)131の形状は、平面又は湾曲面である。また、腹面突起13の全体では、各腹面突起13の腹面11から複数突出する高さは略同じ高さであるため、複数の腹面突起13が並ぶことで、複数の腹面突起13の先端面131は、軸方向Aに対して、凹状に湾曲になるように並ぶことになる。
【0052】
このとき、腹面突起13は、延在の方向と直交する幅方向において、突出の根元と前記突出の先端面131とは略等しい幅Wcを備えている。従って、まつ毛との当接面は面形状になり、尖った形状ではないため、マスカラ塗布時に塗布体10が目に接近することへの恐怖感を低減することができる。
【0053】
ここで、腹面突起13の幅Wcは、0.1mm以上1.5mm以下、より好ましくは0.2mm以上0.8mm以下、例えば0.5mmであると好適である。
【0054】
また、腹面突起13の間隔Icは、0.3mm以上2.0mm以下、1.2mm前後であると好適である。ここで記載した間隔の数値は、腹面突起13の最も高い部分同士の間隔を表している。
【0055】
また、側縁111と突出部132により、幅方向Sに対して段差を形成している。なお、後述する図5の(B)で示すように、塗布の際、{「間隔Ic」−「幅Wc」}で形成される、突起(腹面11に対する腹面突起13、及び側縁(外縁)111に対する突出部132)間の空間(間隙)(「間隔Ic」−「幅Wc」=「間隙(Gap)Gc」)(図2の(A)参照)に、まつ毛が入り込むことで、まつ毛に化粧料Mが塗布される。
【0056】
したがって、上述のように、恐怖心を低減し、且つ、突起間の間隙にまつ毛を入り込ませるように、「接触面(腹面突起13の先端面131又は突出部132の側端133)の幅Wc」:「間隙の幅(Gc)」の比率が、1:4以上1:0.8以下であると好ましい。
【0057】
ここで、腹面突起13の高さTcは、0.1mm以上4.0mm以下、より好ましくは、0.5mm〜2.0mm程度、例えば0.9mm程度であると好適である。
【0058】
詳しくは、図6の(C)に示すように腹面11が上を向いた状態で、目元に塗布体10を近づける際、「腹面突起13の高さTc」(図2の(A)参照)x「腹面突起の幅Wc」がまつ毛と最初に接触する接触面となる。
【0059】
従って、まぶたへ近接する際に恐怖感を取り除くために、「腹面突起13の高さTc」x「腹面突起の幅Wc」で規定される突出部132の側端(側縁、先端部)133の接触面積(先端面積)が0.2mm以上2.0mm以下、例えば0.5mm程度であると好適である。
【0060】
ここで、腹面突起13の幅方向Sへの突出長さLp(図2の(B)参照)は0.1mm以上2.5mm以下であると好適であり、さらに、0.5mm以上1.8mm以下、例えば、1mm程度であるとさらに好適である。
【0061】
また、腹面突起13の長さLcは、基台部19の幅方向Sとほぼ等しく、特に最も広い部分において3.0mm〜8.0mm程度、特に3.5mm〜4.5mm程度であると好適である。
【0062】
詳しくは、図6の(D)に示すように、腹面がまつ毛に対向する状態で、目元に塗布体10を近づける際、「腹面突起13の長さLc」x「腹面突起の幅Wc」がまつ毛と接触する接触面となる。従って、まぶたへ近接する際に恐怖感を取り除くために、「腹面突起13の長さLc」(図2の(B)参照)x「腹面突起の幅Wc」(図2の(A)参照)で規定される腹面突起13の先端面131の接触面積(先端面積)が0.6mm以上6.0mm以下、例えば2.0mm程度であると好適である。
【0063】
このように、略板状の腹面突起13の先端面131は、基台部19の長手方向Lに対して所定の幅Wcを有し、基台部19の幅方向Sに上記所定の幅Wcに対応する所定の長さ(図2では腹面11の全体面)に延在している、面形状である。また、隣接する腹面突起13は略等間隔に並んでおり、各腹面突起13の間は腹面11である。
【0064】
この構成により、化粧料を塗布する際、まつ毛は、面形状の腹面突起13の先端面131又は腹面11と面状に接触する。よって、まつ毛を持ち上げやすくするとともに、塗布体10が眼球やまぶたに接近することへの恐怖感を低減することができる。
【0065】
更に、図2の(B)に示すよう支持部17近くの腹面突起13の先端面131の一部は角部が削られ、最も高い部分を楕円形状にしてもよい。この構成により、角部を減らし、まつ毛の根元への圧接の際に、腹面突起13の角の部分が周囲のまぶたへ接触しづらくなる。
【0066】
ここで、図2の(B)に示すように、腹面11に設けられる腹面突起13の突出部132は、腹面11の側縁(外周縁)111から外側に突出している。突出部132が側縁111の外側に突出することで、後述するまつ毛の根元から中央部へマスカラ塗布具40を移動させる際にまつ毛を梳きやすくする。
【0067】
なお、全ての腹面突起13が突出部132を有する必要はなく、少なくともその一部分が突出部132を備えてればよい。また、突出部132の側縁111からの突出量が、異なっていても、均一でもよい。例えば、本実施形態では、針状先端15に近い腹面突起13ほど、突出部132の突出量が大きくなる。よって、基台部19の先端付近の横断面を示す図3の(B)では、腹面突起13の突出部132は、側縁111から飛び出しているが、基台部19が幅広である支持部17に近い部分の横断面を示す図3の(C)では、腹面突起13は、側縁111から突出していない。
【0068】
図2の(C)に示すように、基台部19における背面12には、複数の壁状の背面突起14が起立している。各背面突起14は、背面12の幅方向に延出するよう形成された壁状突起である。各背面突起14は、基台部19の長手方向Lに沿って一列に整列している。
【0069】
ここで、背面突起14の高さTv(図2の(A)参照)で最も高いところは、0.1mm以上4.0mm以下、より好ましくは0.7mm程度であると好適である。背面突起14の幅Wvは、0.1mm以上2.0mm以下、1.2mm程度であると好適である。背面突起14の長さLv(図2の(C)参照)は、最も広い部分において3.0mm〜8.0mm程度、特に3.5mm〜4.5mm程度であると好適であって、基台部19の幅方向Sの背側の側縁121から突出する場合は突出量が1.8mm以下であるように、設けられている。
【0070】
また、背面突起14の間隔Ivは、0.3mm以上2.0mm以下、1.2mm前後であると好適である。ここで記載した間隔の数値は、背面突起14の最も高い部分同士の間隔を表している。
【0071】
背面突起14は、基台部19(背面12)の略全長にわたって並んでいる。このように並んだ背面突起14は、図6の(E)に示すようにまつ毛をさばくのに利用される。背面突起14の突起側縁14Sは、図2の(C)に示すように、その全てが背面12の側縁121と同じ位置又は側縁121よりも内側に位置している。あるいは、背面12の側縁121から突出する場合は突出量が1.8mm以下であるように設けられている。
【0072】
更に、図3の(B)及び(C)に示すように、背面突起14は、延在する方向(高さ方向)において、中央部14Cが高く、それより両側縁に向かい漸次低くなる三日月形状としているが、最も高い位置を中央以外としてもよく、形状は限定されない。
【0073】
この構成によっても、図5の(B)に示すように、まつ毛の根元へ、塗布体10で化粧料(マスカラ液)Mを塗布する際、反対側の部分が目に接触することを防止でき、接触の恐怖を低減することができる。
【0074】
<比較例の構成を用いて化粧する際の目元と塗布具との位置関係>
図4の(A)は比較例のマスカラの図3の(A)のP方向から見た矢視図、図4の(B)は比較例のマスカラを用いて化粧をするときの目元の断面模式図である。
【0075】
ここでは、目元の化粧として、マスカラを塗布する際に、使用者は、鏡で自分のまつ毛(図中、上まつ毛UA、下まつ毛LA)の根元を視認しやすくするために、目線を下方に向けたり、顔を上向きにしたり、マスカラ塗布具40を持っていない方の手の指でまぶた(上まぶたUI,下まぶたLI)を持ち上げたり、引っ張ったりすることが好ましい。
【0076】
比較例として、軸部91に対して放射状のブラシ92を備える塗布体を備えるマスカラ塗布具90について検討する。
【0077】
ここで、マスカラ塗布具90では図4の(A)に示すように、使用者が持って操作する把持部30と同一直線上であって、操作の力が直接伝わる軸部91からブラシが放射状に長く飛び出している。このマスカラ塗布具90を用いて、まつ毛UAの根元にブラシ92を接触させてマスカラ液を塗布する場合、軸部91から突出した別の方向のブラシ92の先端が眼球へ接触したり、まつ毛UAの間隙からブラシの先端が突出してまぶたUIに当たってしまったりするおそれがある。
【0078】
具体的に、図4の(B)に示すように、軸部91からブラシ92が放射状に飛び出していると、図中、円γで示すように、上まつ毛UAを塗布しようとするブラシ92aに対し、反対側に突出するブラシ92oが眼球EBに当接するおそれがある。特に、先端に向かうにつれ先細りとなる錐形のブラシ92を備えるマスカラ塗布具90では、ブラシ92の先端の接触部は点形状となるため、眼球EBへの当接による恐怖を感じる傾向が強い。
【0079】
また、マスカラ塗布具90をまぶたUIへ近づけすぎた場合、図中、円δで示すように、まつ毛UAに塗布するために当接させるブラシ92aと隣接するブラシ92bの先端が、まぶたUIに接触するおそれがある。また、接触により、まぶたUIの望まない部分にマスカラ液が付着してしまうと、その付着を落とす手間が必要となる。
【0080】
このように、使用者が比較例のマスカラ塗布具90を用いて化粧する際に、塗布側と反対側のブラシ92oの眼球EBへの接触、塗布側に隣接するブラシ92bのまぶたUIへの接触へのおそれ(恐怖心)があり、さらに、まぶたUIの望まない部分に化粧料が付着した場合には、付着を落とす煩わしさがある。そのため、使用者は、まつ毛UAの根元へマスカラを塗布することを躊躇する傾向にある。
【0081】
これに対し、本願の目元化粧用塗布具では、上記問題を解決することができる。
【0082】
<本願の構成を用いて化粧する際の目元と塗布具との位置関係>
図5の(A)は、本願の一実施形態のマスカラ塗布具40の図3の(A)のP方向から見た矢視図、図5の(B)は本願の一実施形態のマスカラ塗布具40を用いて化粧するときの目元の断面模式図を示す。
【0083】
本願の一実施形態のマスカラ塗布具40を用いるとき、腹面11を上方向に向けて、腹面突起13及び側縁からの突出部132でまつ毛UAの根元にマスカラ液を塗布すると、反対側の背面12が眼球EBに近接する。
【0084】
ここで、上述のように背面12の背面突起14は、中央部14Cが最も高く突出し、突起側縁14Sになるにつれて徐々に低くなる三日月形状(略三日月形状)である。また、背面突起14の突起側縁14Sは、背面12の側縁121と同じ位置又は背面12の側縁121よりも内側に位置している(図5の(A)参照)。あるいは、突起側縁14Sが背側の側縁121から突出する場合は、突出量が1.8mm以下であるように設けられている。
【0085】
よって、図5の(B)に示すように、まつ毛UAに塗布する腹面11の腹面突起13とは反対側の方向の図中、円αの位置には、基台部19から背面突起14が突出しないことになり、眼球EBに塗布体10が触れる可能性を低減することができる。
【0086】
また、腹面突起13の先端面131は、腹面11と略相似形に腹面11と略並行に湾曲して並ぶように配列されているので、まつ毛UAのカーブ(カールしたまつ毛)に沿いやすい。
【0087】
よって、図5の(B)の円βの位置で、まぶたUIに腹面突起13が接触しないように調整しやすい。
【0088】
また、本発明の構成では、腹面突起13の側縁からの突出部132が短い(例えば1.8mm以下である)ため、まつ毛UAの根元のすきまに入れ込んだ際に、まぶたUIに接触しにくい。
【0089】
また、この実施形態では突出部132の先端面(側端起立面)は、腹面11からの突起13の突出の高さに相当し、所定の幅(例えば、0.1mm以上1.5mm以下、より好ましくは0.2mm以上0.8mm以下、例えば0.5mm程度)であると好適である。この幅を有しているので、突起13の先端が尖っておらず、まぶたUIに接近する際の恐怖心を低減できる。
【0090】
これにより、本実施形態のマスカラ塗布具を用いてまつ毛(上まつ毛UA、下まつ毛LA)の根元に化粧料Mを塗布する際に、眼球EBやまぶた(上まぶたUI、下まぶたLI)への接触の恐怖が低減されるため、使用者は、まつ毛の根元にマスカラを確実に塗布することができる。
【0091】
<使用態様>
図6は本発明の一実施形態の目元化粧用具のマスカラの上まつ毛への使用態様の例を示している。図6の(A)及び(B)はまつ毛根元へのマスカラ液塗布時の正面図を示す。
【0092】
図6の(C)はまつ毛根元へのマスカラ液塗布時の側面図、図6の(D)はまつ毛の中央部〜先端部へのマスカラ液塗布時の側面図を示す。なお、図6の(C),(D)は機能の説明のため、使用者の目元は側面図を示すが、マスカラ塗布具40は横断図を用いて説明する。図6の(A)〜(D)で示す塗布動作を行う際は、基台部19の腹側(腹面11,腹面突起13)、と側縁側(側縁111(121)、突出部132)を利用する。
【0093】
図6の(E)はまつ毛中央部のまつ毛さばき時の斜視図、及び図6の(F)は目尻付近のまつ毛さばき時の斜視図を示す。
【0094】
まず、まつ毛根元へのマスカラ液塗布時、図6の(A)に示すように、腹面11の湾曲Rを目元のカーブRに対応させるように、目元(正面方向)に対して位置させる(差し込む)。このとき、側面では図6の(C)に示すように、まつ毛をかき分けるように、突出部132をまつ毛と接触させながら、マスカラ塗布具40をまつ毛の根元へ当接させる。
【0095】
図6の(B)の正面図及び(C)の側面図に示すように、マスカラ塗布具40をまつ毛の根元へ接触させ始める際、突出部132と側縁111との段差により、まつ毛を捌きながら(かき分けながら)、突出部132がまつ毛の根元に接触する。このとき、まつ毛の根元は、突出部132又は側縁111と接触している。
【0096】
上記の図6の(B)及び(C)に示すように、腹側を上側に向けた使用態様(図6の(B))は次の塗布動作へ移行させやすい点で有利である。しかし、塗布開始の際、どちらの側縁側であっても、突出部132と側縁111による段差がまつ毛の根元へ当接していればよいため、腹側を眼球側に向けた使用態様、または腹側を下側に向けた使用態様のいずれであってもよい。
【0097】
ここで、本発明の実施形態では、図6の(C)から分かるように、突起13,14が眼球方向へ突出していないため、マスカラ塗布具40が眼球へ接触する恐怖心を抑制できる。
【0098】
また、図6の(C)に示すように、突出部132がまつ毛の根元に入り込ませやすい形状(長さ)であることにより、まつ毛の根元から化粧料をしっかりと塗布することができる。ここで、突出部132がまつ毛の根元に入り込んで当接する状態である、図6の(B)及び(C)の状態で、まつ毛の根元に押し当てる。そして、しばらくの間、この押し当て状態を維持することで、まつ毛の根元が上方に向くようにする。
【0099】
その後、まつ毛中央部から先端部へマスカラ液を塗布するため、図6の(D)の状態のように塗布体10の腹側(腹面11、腹面突起13)をまつ毛に当接させて押し当てながら、マスカラ塗布具40をまつ毛に対して上方に移動させる。
【0100】
ここで、腹面突起13の先端面131は、平面又は湾曲面(凹状、凸状)の面状であり、略等間隔に並ぶ隣接する腹面突起13の間隔の溝は、腹面11に相当するため、図6の(D)の状態では、まつ毛とマスカラ塗布具40とは、まつ毛が伸びる方向と同じ方向に、面状に接触する。よって、まつ毛にきれいなカールが付与され、仕上がり性が良好になる。
【0101】
さらに、基台部19の腹面11の曲率半径R1は、図6の(A)で示すように、まぶたのカーブ(湾曲形状の曲率半径)Rに大体合致し、腹面11は湾曲形状の少なくとも一部に合致して延在している。更に、腹面突起13の先端面131はまぶたの湾曲形状の少なくとも一部に合致して長手方向Lへ凹状に湾曲するように並んでいる。そのため、目頭から目尻までの広い範囲にわたり、まつ毛を押し当てることができるので、押し当て回数が1回又は最小限の回数で済む。
【0102】
このように、マスカラ液をまつ毛に塗布する際、目のカーブの端部に位置する目頭や目尻ではまつ毛が短いため、マスカラ塗布具40が太いと当接させづらい。よって、目頭や目尻にマスカラ液を塗布する際、マスカラ塗布具40の塗布体10の細い部分を目頭や目尻に当接させると好適である。本実施形態において、塗布体10の針状先端15に向けて、基台部19は高さ方向H及び幅方向S(図2の(B)参照)において先細り形状であるため、図6の(B)の目頭側(I)又は目尻側(T)のように、マスカラ塗布具40の塗布体10の先端部分を利用することで、目頭や目尻側の短いまつ毛にも化粧料が塗布しやすくなり、操作性が向上する。
【0103】
上記のように、側面から見て図6の(C)の角度⇒(D)の角度で、目元(正面)に対して図6の(A)⇒(B)のような相対位置で、塗布する操作によって、まつ毛にマスカラ液を塗布する。なお、必要に応じて、所望の量のマスカラ液がまつ毛に塗布されるまで、上記塗布の操作を繰り返してもよい。
【0104】
ここで、マスカラ液が塗布されたまつ毛は、マスカラ液の有する粘性によって、複数本が束になった状態になることがある。そこで、束になった状態のまつ毛を一本一本分離させるための操作を次に行う。
【0105】
図6の(E)に示すように、マスカラ塗布具40の腹側と背側を上下反転させて、基台部19の背面12を目元に近づける。そして背面12に設けられた背面突起14によって、まつ毛を根元から先端に向けて梳き上げる。まつ毛は、背面12に形成されている背面突起14間の溝部に案内され、背面突起14によって梳かれる(セパレート効果)。なお、図6の(E)では、背面12及び背面突起14を用いて、上側からまつ毛を梳く例を示しているが、背面12及び背面突起14を用いて、下側からまつ毛を梳いてもよい。
【0106】
ここで、基台部19において、上記のように塗布体10が軸に対して傾斜することで、マスカラ塗布具40をマスカラ容器50から取り外す際、塗布体10がしごき部材52(図1の(A)参照)を通過する際に、腹側(腹面11、腹面突起13)は付着した化粧料が残るが、背側(背面12,背面突起14)は化粧料がしごかれる。更に、背面12は表面が凸形状なので、マスカラ液中に浸漬後、しごき部材52を通過する際に、マスカラ液が背面12,背面突起14には残りづらい。よって、図6の(E)のように、背面12,背面突起14でまつ毛を捌くときに、追加のダマが発生することを防止できる。
【0107】
腹面11の突出部132と腹面突起13による化粧料塗布と、背面12と背面突起14による束になったまつ毛を分離させる操作を所望の回数繰り返して、希望する仕上がりを得る。
【0108】
図6の(E)に示す操作でも、複数本のまつ毛の束がほどかれない場合、例えば、目元の構造上、カーブの終端となる目頭や目尻付近では束がほどかれないことがあるが、図6の(F)のような方法で束になったまつ毛を分離させることも可能である。
【0109】
図6の(F)では、目尻付近のまつ毛さばき時であって、基台部19の先端である先細り形状の針状先端15あるいは先端付近の突出部132でダマをかき分けることで、束になったまつ毛を分ける。
【0110】
このように本実施形態によれば、塗布体10の種々の面を使い分けることで、まつ毛を根元から立ち上げてまつ毛全体をカールし、ボリューム感を持たせると共にダマやムラを防ぎ良好な仕上がりを実現できる。よって、本願のマスカラ塗布具でマスカラを塗布することで、まつ毛の根元に当てても怖くなく、メーキャップ効果も両立することが可能になる。
【0111】
また、本願の目元化粧用塗布具を用いて、化粧料を下まつ毛へ塗布することもできる。図7の(A)〜(D)は本発明の一実施形態の目元化粧用塗布具のマスカラの下まつ毛への使用態様の例である。図7の(A)は、背側を上に向けた使用例の正面図で、(B)は(A)に対応する側面図である。図7の(C)は、腹側を上に向けた使用例の正面図で、(D)は(C)に対応する側面図である。
【0112】
図7の(B)及び(D)に示す断面図からわかるように、いずれの場合であっても側面の段差(側縁側の突出部132と側縁111(121))をまつ毛の根元に当て、毛先に向かって梳かしおろすように塗布する。そのため、ダマを発生させずに、まつ毛を捌きながら、マスカラを下まつ毛へ均等に塗布することができる。
【0113】
あるいは、図6の(F)のような向きで、塗布体10の針状先端15を用いて、下まつ毛にマスカラを塗布してもよい。
【0114】
なお、本願の目元化粧用塗布具において、図6及び図7のように塗布する化粧料(液体)は、マスカラ塗布用に限られず、例えば、まつ毛用育毛剤や、マスカラ下地、まつ毛エクステ用のコーティング剤、まつ毛エクステ用美容液等であってもよい。
【0115】
更に本願の目元化粧用塗布具は、アイライナーとして用いることもできる。図8は本発明の一実施形態の目元化粧用塗布具のアイライナーの使用態様の例を示し、図8の(A)は細めにアイラインを引く場合の正面図、図8の(B)は太めにアイラインを引く場合の正面図を示す。
【0116】
図8の(A)及び(B)に示すように、アイライナー使用時では、目の縁部に、マスカラ塗布具40の針状先端15を当接させるか、側縁111から延出する腹面突起13の突出部132を当接させてアイラインを描いて(引いて)もよい。
【0117】
ここで、アイラインを引く際には、鏡で自分のまつ毛の根元を視認しやすくするため、並びにアイラインを引きやすくするために、まぶたを指で持ち上げたり、まぶたを横方向へ引っ張ったり、下方を向いてまぶたを半開きにしてもよい。
【0118】
まぶたのアイラインを描く領域を目尻部、中央部、目頭部に分割し、この順にアイラインと描くと美しい仕上がりが得られる(各部位の中では、目頭から目尻方向へ手を動かしてラインを描く)が、使用方法はこれに限定されるものではない。
【0119】
ここで、アイライナーとしての用途を考慮して、本願の目元化粧用塗布具は、少なくとも先端部(針状先端15)に、フロッキー16が付与(フロッキー処理(表面の静電植毛))されていると肌あたりの観点から好ましい。
【0120】
<基台部の変形例>
図9は、本発明の基台部19の複数の変形例の横断図を示す。
【0121】
図9は、突起13,14を除いた基台部19の複数の変形例を示す。上記実施形態では、図9の(A)に示すように、基台部19は、幅方向で切断した断面において、腹面11は平面形状で、背面12は、外側に凸状に湾曲している。しかし、基台部19の形状はこれに限られず、様々な形態がとり得る。
【0122】
例えば図9の(B)〜(D)に示すように、面の形状が異なっていてもよい。図9の(B)は背面12aの湾曲が図9の(A)に比べて大きくなっている。図9の(C)は、腹面11aが窪んで湾曲した構成となっている。このとき、窪んだ部分の曲率は、腹側よりも背面の方が大きくなっている。図9の(D)は、腹面11bが外側に向けて突出する湾曲形状とされている。
【0123】
更に、図9の(E)〜(G)に示すように、腹面11と背面12との間に、側面18を設けてもよい。この場合も、上記図9の(A)〜(D)と同様に、面の形状について適宜変形してもよい。例えば、図9の(F)に示すように、腹面11aが凹状に少し湾曲していてもよい。図9の(G)に示すように、腹面11bが凸状に少し湾曲していてもよい。
【0124】
なお、いずれの形態の場合も、眼球への塗布体10の接触の恐怖を回避するため、背面12は外側に凸状に湾曲する湾曲面であると好適である。
【0125】
<突起の変形例>
図10は、本発明の腹面突起の複数の変形例を示す。図10の(A)、(C)〜(F)はマスカラ塗布具40(塗布体10)の横断図であり、図10の(B)が、図3の(A)のP方向から見た(斜め上から見た)図10の(A)の塗布体10の矢視図である。
【0126】
上述の実施形態では、腹面突起13の先端面(稜線)131は図3の(B)及び(C)に示すように、平面形状であった。しかし、腹面突起の形状は平面な形状に限られず、先端面131を曲面等の様々な形状とすることができる。
【0127】
例えば図10の(A)に示すように、腹面突起13aの先端面131aが凸状に湾曲した面としてもよい。腹面突起13aの先端面131aを湾曲面とした場合であっても、基台部19から突出する高さTc及び突出部132aの長さは、上述の実施形態と同様で、短いため、まぶたと接触しづらい。
【0128】
また、図10の(B)は図10の(A)の構成の矢視図である(なお、図10(B)では背面突起14を少し大きめに示している)。腹面突起13aにおいて、先端面131aが湾曲していても、幅方向において、突出の根元と前記突出の先端面131aとは略等しい幅Wcを備えている。従って、まつ毛との当接面は膨らんだカーブ面形状になり、尖った形状ではないため、マスカラ塗布時に塗布体10が目に接近することへの恐怖感を低減することができる。
【0129】
また、図10の(C)で示すように、腹面突起13bの幅方向の全体を凸状の湾曲面形状(略半楕円形状)としてもよい。さらに、図10の(D)に示すように、腹面突起13cの全体が楕円の一部を切断して切断面を腹面11と連接させた形状であってもよい。
【0130】
または、図10の(E)に示すように、腹面曲面を腹面突起13dの側面だけに形成してもよい。更に、図10の(F)に示すように、腹面突起13eの先端面131eを窪んだ湾曲面としてもよい。
【0131】
いずれの構成の場合も、腹面突起13(13a,13b,13c,13d,13e)の、基台部19から腹面方向の突出長さである高さTcは短く、さらに、側縁方向へ延出する突出部132の突出方向の長さLpは短いため、まぶたと接触しづらい。
【0132】
図11は、本発明の腹面突起の複数の変形例を更に示す。上記図10に示す変形例では、突起の形状は左右対象であった。しかし、図11に示すように、突起の形状は左右対象に限られず、様々な形態がとり得る。図11の(A)、(C)〜(G)はマスカラ塗布具40(塗布体10)の横断図であり、図11の(B)が、図3の(A)のP方向から見た矢視図である。
【0133】
図11の(A)に示す、腹面11から突出する腹面突起(壁状突起)13fは、延在する方向に対し漸次その高さが変化するよう形成されている。よって、腹面突起13fの先端面(上面)131fは傾斜面となる。また、腹面突起13fは、その一端(側面)133fが平面とされている。
【0134】
また図11の(B)に示す例では、腹面突起13fの一端133fは腹面11の側縁111から突出しているが、他端は、腹面11の側縁111とは、一致しており突出していない。更に、隣接する腹面突起13fの離間距離は等間隔とされており、腹面突起13fの先端面131は平面であるため、まつ毛或いはまつ毛の生え際と腹面突起13fは面接触する。
【0135】
なお、図11の(A)に示す腹面突起13fではその一端133fを平面としたが、図11の(B)に示すように腹面突起13gの一端133gを外側に膨らむ湾曲面としてもよい。また、図11の(A)に示す腹面突起13fでは、上面を平面形状としたが、図11の(D)に示すように、腹面突起13hの上面が膨らむ湾曲面としてもよい。
【0136】
更に、接触する面は腹面11の全面すべてに設置されなくてもよい。例えば図11の(E)に示す腹面突起13iのように、部分的に設けられてもよい。基台部19の腹面のうち、腹面突起13iが存在しない部位において、基台部19の腹面に、幅方向に複数の溝部(図示せず)が形成されていてもよい。
【0137】
また、腹面突起は、2列に設けられてもよい。2列に設ける場合は、図11の(F)に示すように、腹面突起13jは連接して設置されてもよいし、図11の(G)に示すように腹面突起13kは離れて(2列に)設置されてもよい。基台部19の腹面のうち、腹面突起13kが存在しない部位において、基台部19の腹面に、幅方向に複数の溝部(図示せず)が形成されていてもよい。
【0138】
<背面突起の変形例>
図12の(A)〜(K)は、本発明に係る背面突起の複数の変形例の横断図である。
【0139】
図12の(A)は上述の実施形態(例えば、図2図3図6等)に対応する背面突起14を備えるマスカラ塗布体10の横断面を示す。図12の(A)では、突起14は、線対称の三日月形状であった。しかし、背面突起14の突出開始位置は、背面の縁部に収まっていなくてもよい。
【0140】
例えば、背面突起14の突出は、背面12の側縁(外周縁)121を超えていてもよい。図12の(B)及び(C)に示すように、例えば、腹面突起13の側端133と同じ位置から、背面突起14a,14bが突出してもよい。さらに、円弧形状は、基台部19に対して対称形状でなくてもよく、非対称に傾斜していてもよい。
【0141】
なお、図12の(C)に示すように、基台部19の幅方向の中央部付近に背面突起14bが存在しない場合、基台部19の背面に、幅方向に複数の溝部12Gが形成されていてもよい。
【0142】
さらに、背面突起14の頂面(先端面)は、全ての部分で湾曲していなくてもよい。例えば、2つ以上の複数の頂点を備える、四角形状であってもよい。
【0143】
背面突起14が四角形状である例として、図12の(D)、(E)及び(F)に示すように、台形形状であってもよい。この際、安全性を考慮し、背面突起14c、14d,14eの角の部分が丸みを帯びているとよい。なお、四角形状又は上述の円弧形状は、基台部19に対して対称形状でなくてもよく、図12の(E)に示すように、非対称に傾斜していてもよい。
【0144】
さらに、背面突起14の側端は、腹面突起13の側端よりも突出していてもよい。例えば図12の(G)に示すように、非対称の四角形状の背面突起14fにおいてpd1部分が腹面突起13よりも突出している。
【0145】
また、背面突起14の側端は、腹面突起13の側端よりも突出している場合、両端側から突出していてもよい。図12の(H)に示すように、例えば矩形形状の背面突起14gにおいて、両端のpd2の部分が腹面突起13の側端133から突出している。
【0146】
あるいは、背面突起14を腹面突起13の側端よりも突出させるために、図12の(I)、(J)及び(K)に示すように、一対の背面突起(14i,14h)、(14k,14j)、(14l,14m)を設けてもよい。
【0147】
図12の(G)〜(K)に示すように、背面突起14の側端は、腹面突起13の側端133よりも突出している場合、背面突起14を図6の(C)に示すようなまつ毛の根元の立ち上げ動作に利用してもよい。
【0148】
図12の(G)〜(K)に示す構成で、腹面突起の側端と、背面突起の側端との距離(段差)が大きすぎる(長すぎる)と、まぶたに接触しやすくなってしまう。そのため、背面突起14の側端と、腹面突起13の側端133又は腹面11の側縁111のいずれか短い方の距離(pd1,pd2,pd3,pd4,pd5)が、1.0mm以下であると好適である。
【0149】
<側面突起の変形例>
図13は、本発明に係る側面突起の複数の変形例の横断図である。上述の図9の(E)〜(G)に示すように、腹面11と背面12との間に、側面18を設けている場合、側面18から突出する側面突起が設けられていてもよい。
【0150】
図13の例では、図9の(E)の構造に対して、側面突起を設けている。側面突起を設ける場合は、図6の(C)に示すようなまつ毛の根元の立ち上げ動作に適用可能にするため、腹面11に対して上方に突出していると好適である。
【0151】
側面突起は、例えば、図13の(A)の側面突起18aに示すように、起立面(腹側)を直線状にしてもよいし、図13の(B)の側面突起18bに示すように、起立面が曲面形状であってもよい。
【0152】
また、側面突起は、図13の(C)に示す側面突起18c,18dのように、両側の側面18に設けてもよい。ここで、側面突起を設ける場合、側面突起(13a,13b,13cの角の部分が丸みを帯びているように構成する。
【0153】
また、図13の(D)は図13(A)の構成の図3の(A)のP方向の簡略化した矢視図である。側面突起18aにおいて、幅方向において、突出の根元と先端面とは略等しい幅Wxを備えている。従って、まつ毛との当接面は面状、カーブ面形状、又は丸みを帯びた角部であり、尖った形状ではないため、マスカラ塗布時に塗布体10が目に接近することへの恐怖感を低減することができる。
【0154】
なお、図13の横断面において、腹面突起13、背面突起14は図示していないが、側面突起を設ける場合に腹面突起13又は/及び背面突起14と一緒に設けてもよいし、腹面突起13又は背面突起14のいずれかに代えて側面突起としてもよい。腹面突起13又は背面突起14のいずれかが存在しない場合は、基台部19の幅方向に延びる複数の溝部(図示せず)が形成されていてもよい。
【0155】
いずれの変形例を用いるとしても、上記実施形態に係るマスカラ塗布具40と同様にこれらの複数の変形例に係るマスカラ塗布具を用いてまつ毛の根元への塗布する際に、眼球やまぶたへの接触の恐怖を低減でき、まつ毛の根元にマスカラを塗布することを躊躇しにくくすることができる。更に、まつ毛を根元から立ち上げてカールし、ボリューム感を持たせると共にダマやムラを防ぎ良好な仕上がりを実現できる。
【0156】
<先端部の変形例>
図14は、本発明の先端部の変形例を含む塗布体の例を示す。
【0157】
本実施形態に係る塗布体は、先端部が二股状に枝分かれすることにより、2つの針状先端15A,15Bを有している。
【0158】
本実施形態の塗布体10Aを使用すると、例えば図6の(F)に示すまつ毛さばき時に、2つの先端部(針状先端15A,15B)と溝を用いてさばくことができる。ただし、上述の実施形態に係る塗布体10(図2参照)と比較して幅が太くなるため、用途とサイズに応じて、適宜構成を選択すると好ましい。
【0159】
本実施形態に係るマスカラ塗布具では、幅が太いため、上記実施形態に係るマスカラ塗布具40よりも、更にまつ毛をカールし、ボリューム感を持たせやすくなると共に、2つの先端部によりダマやムラをより防ぎやすく、良好な仕上がりを実現できる。
【0160】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
【符号の説明】
【0161】
1 マスカラツール(目元化粧用具)
10,10A 塗布体
11,11a,11b 腹面
111 腹面の側縁(外周縁)
12,12a 背面
121 背面の側縁(外周縁)
13,13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13J,13k 腹面突起(突起)
131,131a,131f 先端面
132 腹面突起側方延出部(突出部)
133,133f,133g 腹面突起の側端
14 背面突起
15 針状先端
15A,15B 針状先端(針状の先端部)
16 フロッキー
17 支持部
17J 連結部
18 側面)
19 基台部
20 支持軸
30 把持部
40 マスカラ塗布具(目元化粧用塗布具、アプリケーター)
50 マスカラ容器(化粧料容器)
51 しごき部材
A 軸方向
L 基台部の長手方向
S 基台部の幅方向(短手方向)
H 基台部の高さ方向
D 基台部の先端と軸との距離
M 化粧料(マスカラ液)
Wc 腹面突起の幅
Wv 背面突起の幅
Tc 腹面突起の高さ
Ic 腹面突起の間隔
Gc 腹面突起の間隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14