(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
鉄道車両には車両の走行に必要なブレーキ、ドア開閉装置、空調機器などの各種電気機器が搭載されている。これらを制御する継電器盤は、各種電気機器からの入力電気信号の処理を行い、処理結果に基づいて各種電気機器に対して指令電気信号の出力を行っている。
【0003】
従来の鉄道車両用の継電器盤は板状の基盤上に各種電気機器と接続を行うコネクタ、各種電気機器への指令信号の切り替えを行うリレー、および各種電気機器からの入力電気信号が入力される入力基板、入力基板からの信号に基づいて演算処理を行う演算処理基板、演算処理基板からの信号に基づいて各種電気機器への指令電気信号の出力を行う出力基板がそれぞれ複数設置されている。
【0004】
継電器盤上に設置される複数の入力基板は各種電気機器からの電気入力信号を演算処理に適した形に変換するための前処理を行う。鉄道車両では扱う電気機器の状態変化に伴う雑音が大きいことが問題になるので入力基板では雑音対策が問題となる。入力信号の種類により入力基板の入力部の構成が変化するが今回はデジタル入力について検討する。
【0005】
鉄道車両の仕様の複雑化に対応するために演算処理を継電器の組み合わせによるものからきめ細かい仕様変更をソフトウエアの変更で行うことができるICやLSIなどの半導体回路を用いることが行われるようになってきた。
【0006】
しかしながら、半導体回路は継電器回路に比べ雑音に弱いという問題があるので、大電力を扱う鉄道車両に搭載される電気機器から生じる雑音への対策が望まれていた。従来、雑音対策として、アナログフィルタにデジタルフィルタを組み合わせた例が開示されている(特許文献1を参照)。
【0007】
近年の鉄道車両の仕様の複雑化に伴い、使用される電気機器の種類も増加して継電器盤に装着される各種基板の数も増加するとともに、電気機器との入出力コネクタのピン数も増加している。電気機器の種類が増加すると継電器の入出力関係が複雑化してリード線の配線が煩雑になりやすい。この配線作業(特に、リード線を束ねて整理する作業や、継電器へのはんだ付け作業)は、熟練工による手作業に依存しているのが現状である。ところが、多くの手作業による結線作業では一定の割合で不具合が生じる。特に鉄道車両は常時振動が加わるので、当初良好だった半田付けが経年変化により不良化する場合がある。
【0008】
特に各種電気機器の状態を示す各種電気機器からの高電圧(100V〜200V)で入力される状態電気信号を半導体での演算処理に適した低電圧に変換する入力基板の入力部は抵抗網の発熱と車両特有の温度変化により顕在化する部品の実装不良やはんだ付け不良に伴う雑音による誤動作も問題となって来た。
【0009】
演算処理基板の仕様は継電器盤が置かれた車両の種類や列車内での位置などにより変化する。したがって、各継電器盤が置かれた車両毎に演算処理を行う演算処理基板の仕様を変更する必要がある。従来は、演算処理を継電器の組み合わせで行っていたので、継電器間の接続を基板上にディップスイッチを置いてその値を人手で切り替えて基板の仕様変更を行っていた。しかしながら、この仕様変更は人手によるため時間がかかる上に誤った設定が行われるおそれもあった。
【0010】
また、鉄道車両の仕様の複雑化に伴い使用される電気機器の種類も増加するとこれらの電気機器を制御するための各種基板も増えるので、各種基板のIDと制御される電気機器のIDの管理が煩雑になる。
【0011】
従来は、IDを決めるディップスイッチの設定を人手により行っていたが、設定に時間が掛かることと誤りの可能性から見直しが求められていた。そこで、基板やパソコンのIDをその外部から決めることが検討されている(特許文献2、3を参照)。
【0012】
また、鉄道車両の仕様の複雑化に伴い継電器盤の仕様も複雑化するが、鉄道車両で使われる装置は故障による運転中止を招かない工夫が必要になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記に述べたように、鉄道車両の仕様の複雑化に対応する継電器盤を提供するためには、演算処理の部品として継電器から半導体へ変える際に必須である雑音対策、基板のID設定の誤り対策、故障対策が必要になる。
【0015】
そこで発明者らは、半導体による演算処理回路の導入によりリード線による継電器の配線数の削減が図れ、ID設定の自動化を図ることでディップスイッチの設定工数の削減が図れることに着目した。それらを実現することで継電器基盤を作製する際の工数の大幅な削減が達成されることを目指して研究開発を行った。その結果、配線数、配線工数、設定作業を削減して、コンストダウンを図ることができ、かつメンテナンス性を向上させるとができ、さらには重量軽減を図ることができる信頼性の高い本発明に係る鉄道車両用継電器盤の開発に至ったものである。
【0016】
本発明は、配線数、配線工数、設定工数を削減できる信頼性の高い鉄道車両用継電器盤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1に記載された発明は、鉄道車両に設置された各種電気機器から出力される前記各種電気機器の状態を示す状態電気信号に応じて前記各種電気機器に対してその動作を指令する指令電気信号を生成するとともに前記各種電気機器に対して前記指令電気信号を出力することで前記各種電気機器を遠隔操作するように構成された鉄道車両用継電器盤であって、前記各種電気機器からの前記状態電気信号が入力される入力手段と、該入力手段からの信号に基づいて演算処理を行う演算処理手段と、該演算処理手段からの信号に基づいて前記各種電気機器へ前記指令電気信号を出力する出力手段と、が設けられ、前記入力手段の入力部にデジタルフィルタが備えられ、前記デジタルフィルタが、前記状態電気信号を複数回サンプリングして得られる各サンプリング値を比較してそれらの大小を判定する比較判定器と、該比較判定器の出力に基づいて定まるデジタルフィルタの出力を蓄える蓄積部とを有し、前記蓄積部に蓄えられるデジタルフィルタの出力の値は、前記複数回のサンプリング値を比較した値が所定の幅に収まった場合に前記比較判定器により前記複数回のサンプリング値が一致したと判定されて前記複数回のサンプリング値に応じた新たな値に確定され、それ以外の場合は前記複数回のサンプリング値が不一致であると判定されて前記デジタルフィルタの出力の値が保持されるように構成されている鉄道車両用継電器盤である。
【0018】
状態電気信号は、オン又はオフのデジタル信号とレベル変化で表現されるアナログ信号が有る。入力された状態電気信号はそのレベルを変換されて半導体論理回路で扱うレベルになってからサンプリングされてデジタル値になる。デジタル化される過程で外来雑音の他に固有の熱雑音などの影響も受けるので、サンプリングされて得られたデジタル値が多少変動するので所定の幅以内の違いであれば、同一レベルと判定する。複数回のサンプリング値が全て一致すれば、その値をデジタルフィルタの出力として確定させるが、不一致の場合は以前の値を保持したままにする。こうした処理をすることで本発明は入力される状態電気信号がデジタルの場合に雑音による誤動作を防止するものである。
【0019】
また請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の鉄道車両用継電器盤において、一つの前記状態電気信号を奇数個の互いに等しい値に分割する分割手段と、奇数個の前記デジタルフィルタと、奇数個の前記デジタルフィルタの出力が入力されて多数決で出力を決める多数決手段と、が設けられ、奇数個の前記デジタルフィルタの各々へ前記分割手段からの出力が入力され、奇数個の前記デジタルフィルタの出力が前記多数決手段へ入力されて、多数決の結果の値に基づいた前記多数決手段からの信号を前記演算処理手段へ送るように構成されている鉄道車両用継電器盤である。
【0020】
本発明に係る継電器盤では、各種電気機器からの高圧の状態電気信号を半導体による演算処理に適した状態電気信号へ変換する入力手段の入力部でレベル変換をする抵抗網の発熱により半田不良などが起こり易い。そこで、入力された状態電気信号を奇数個の状態電気信号へ分割してレベル変換を行いデジタルフィルタへ入力する。正常な動作では、各デジタルフィルタへ入力される状態電気信号のレベルは等しくなる。異常が起こると異常になった回路からの出力は他の回路からの値とは異なるので、デジタルフィルタの出力を多数決回路へ入力することで、この異常値による影響を取り除くことができる。
【0021】
請求項3に記載された発明は、前記多数決手段において奇数個の前記デジタルフィルタからの出力の互いの不一致が検出された場合に故障が検出されてその故障の情報が入力手の外部へ通知されるように構成されている請求
項2に記載の鉄道車両用継電器盤である。
【0022】
信頼性が求められる鉄道車両用の継電器盤で不具合の発生頻度が高い入力部を奇数個に分割してからデータの処理を行うことで信頼性が向上する。また、多数決回路でデータの不一致が出た場合は故障があると認識してそれを外部へ表示したり、回路を通じて他の基板へ通知することができる。
【0023】
請求項4に記載された発明は、前記入力手段と、前記演算処理手段と、前記出力手段とが、それぞれマザーボード上のコネクタに挿入される入力基板と、演算処理基板と、出力基板として構成され、各基板に固有の同一の機能を有する第1の回路と第2の回路とが2重に設けられ、初期設定によって第1の回路が動作を行う主回路とされ第2の回路が待機する従回路とされ、前記各基板が挿入された所定のコネクタの端子間がバス回路となる配線で接続され、前記各基板には、前記バス回路を通じて信号伝送を行うためのバス符号化手段とバス復号化手段が設けられ、前記バス回路を介した前記各基板
の間の信号伝送が誤り符号を付加したパケット信号により行われ、該パケット信号を前記各基板で復号化する際に前記誤り符号により誤りが検出された場合に故障が検出されてその故障の情報が前記各基板の外部へ通知される請求項1乃至3何れか1項に記載の鉄道車両用継電器盤である。
【0024】
前記入力手段と、前記演算処理手段と、前記出力手段とが、それぞれコネクタを備える入力基板と、演算処理基板と、出力基板として構成され、前記コネクタ間がバス回路となる配線で接続され、前記各基板には、前記バス回路通じて信号伝送を行うためのバス符号化手段とバス復号化手段が設けられ、前記各基板間の信号伝送が誤り符号を付加したパケット信号により行われるので、バス回路による信号伝送の信頼性が高まる。また、誤り符号によりバス回路上の信号の誤りを検出したときは故障を検出してバス回路を介して装置全体へ故障の情報を送出することで故障対策を行うことができる。
【0025】
請求項5に記載された発明は、請求項4に記載の鉄道車両用継電器盤において、前記出力基板に前記指令電気信号を出力するリレーと該リレーへの入力信号と該リレーからの出力信号とを照合して該リレーへの入力信号と該リレーからの出力信号の一致、不一致を判断する照合判断手段が更に設けられ、該照合判断手段によって前記リレーへの入力信号とリレーからの出力信号が不一致の場合に故障が検出され、その故障の情報が前記出力基板の外部へ通知される鉄道車両用継電器盤である。
【0026】
出力基板からの指令電気信号を送出するリレーは大電力を扱うので、端子の損傷などを起こし易い。そこで、リレーへの入力とリレーからの出力を比較して、指示通りの指令電気信号が送出されることを担保する。入出力信号を比較対照することで不一致が有る場合に故障を認識することができるので、電気機器への指令信号の信頼性を高めることができる。また、故障を認識すると出力基板のその故障の情報はバス回路を通じて演算処理基板へ送られ装置全体で故障の情報が共有される。また、故障を起こした当該基板上のlEDランプ等を点灯させて基板の補修作業をやり易くすることもできる。
【0027】
請求項6に係る発明は、請求項4又は5に記載の鉄道車両用継電器盤において、前記演算処理基板に前記バス回路とそれぞれ接続された第1の演算処理部と第2の演算処理部が設けられ、初期設定によって前記第1の演算処理部が主とされ、前記第2
の演算処理部が従とされ、前記第1の演算処理部からみた前記バス回路へ送出した信号に対する前記第2の演算処理部及び前記入力基板と前記出力基板とからの応答信号と前記第2の演算処理部からみた前記バス回路へ送出した信号に対する前記第1の演算処理部及び前記入力基板と前記出力基板とからの応答信号を比較判断する比較判断手段が設けられ、該比較判断手段により前記第1の演算処理部及び前記第2の演算処理部の動作が正常か否かが判断され、前記第1
の演算処理部の動作が不正常で且つ
前記第2
の演算処理部の動作が正常である場合に、前記第1の演算処理部が従とされ、前記第2の演算処理部が主とされるとともに、前記演算処理基板の外部へ故障の通知を行う鉄道車両用継電器盤である。
【0028】
演算処理基板には同一の機能を有する演算処理部が2つ用意さていて、演算処理部と入出力基板との信号のやり取りを監視する演算処理基板に設けられた比較判断手段により、第1の第1の演算処理部の故障が検出され、第2の演算処理部が正常である場合にマスターであった第1の演算処理部からスレーブであった第2の演算処理部へ主導権が移り、マスターとスレーブが入れ替わる。
【0029】
請求項7に記載された発明は、前記演算処理基板が、前記入力基板又は前記出力基板からの故障の情報を受けた場合は、前記演算処理基板から前記バス回路と接続されている全ての前記入力基板及び前記出力基板に対して回路の切り替え指示が送信されて、その信号を受信した前記入力基板及び前記出力基板において、前記主回路が前記第1の回路から前記第2の回路へ変更され、前記従回路が前記第2の回路から前記第1の回路へ変更されるように構成されている請求項4乃至6何れか1項に記載の鉄道車両用継電器盤である。
【0030】
演算処理基板は、入力基板及び出力基板の故障の情報に基づいて、故障対策を行う。その一例が、回路の切替である。入出力基板からの故障の情報には故障を起こした基板のIDなどが含まれ、その情報を鉄道車両用継電器盤の外部の上位装置へ通知することで、故障対策が容易になり、故障情報の統計的な処理が可能になる。
【0031】
請求項8に記載された発明は、請求項
4乃至7何れか1項に記載の鉄道車両用継電器盤において、前記入力基板と、前記演算処理基板と、前記出力基板とが、それぞれ固有のIDを有し、各前記基板の仕様が前記IDに対応づけられ、そのIDが各基板の外部との電気的な接続状態で決められる鉄道車両用継電器盤である。
【0032】
本発明の継電器盤において、前記入力手段と前記出力手段とはそれぞれ、基本仕様が共通の複数基板として用意される。例えば入力手段は入力基板A、出力手段は出力基板Bとして継電器盤に実装される。入力基板に入力される状態電気信号は電気機器により異なるので、それぞれ固有の入力部を持つように、基板が挿入される継電器盤のマザーボードのコネクタの一部に固有の配線が行われる。コネクタの固有の配線により、基板Aは、A1,A2のようにその仕様が変更される。同様に、出力基板Bもその仕様がマザーボードのコネクタの固有の配線により自動的に変更が行われる。そして、その仕様はIDにより管理される。このように構成することで基板を継電器盤に装着後にディップスイッチで設定する作業が不要になる。
【0033】
請求項9に記載された発明は、請求項1乃至8何れか1項に記載の鉄道車両用継電器盤において、該鉄道車両用継電器盤の仕様を決める仕様決定コネクタが設けられ、該鉄道車両用継電器盤の仕様が前記仕様決定コネクタに接続される電気的な接続状態で決められる鉄道車両用継電器盤である。
【0034】
鉄道車両用の継電器盤は設置される車両の列車内での位置やモータの有無などでその仕様が変わって来る。継電器盤の基本仕様は共通であるが、車両により異なる部分については、仕様決定コネクタへ接続される配線パターンにより変更が行われる。演算処理基板が挿入された鉄道車両用継電器盤の仕様により異なる演算処理基板の処理内容は、鉄道車両用継電器盤に設けられた仕様決定コネクタへの電気配線の内容に依存して決められるので、演算処理基板の共通化が図れる。
【発明の効果】
【0035】
請求項1に記載された発明によれば、各種電気機器からのデジタル信号に重畳した雑音を除去して確実な制御を行う信頼性の高い鉄道車両用継電器盤を提供することができる。
【0036】
請求項2に記載された発明によれば、奇数個の入力から多数決で出力を決めることで、仮に一部に不具合があっても全体として正常な動作をすることが期待される。部品の不具合や半田付けの経時変化に耐えて確実な制御を行う信頼性の高い鉄道車両用継電器盤を提供することができる。
【0037】
請求項3に記載された発明によれば、多数決回路の出力で奇数入力に不一致が有る場合に、故障を検出して外部へ通知して、速やかに修理または交換を促して信頼性を維持するようにすることで、構成を簡単化しつつ、継電器盤の信頼性を高めることができる。
【0038】
請求項4に記載された発明によれば、各基板がバスで接続され誤り符号の付加されたパケット信号として伝送されるのでバス回路での故障が容易に発見され、故障が検出されると不具合の有る回路が予備の回路へと切り替わるので継電器盤の信頼性が高くなる。
【0039】
請求項5に記載された発明によれば、出力基板でリレーの入出力信号が比較され照合されるので、リレーの不具合の検出が容易になり、故障時には予備の回路への切り替えが行われて継電器盤の信頼性が高まる。
【0040】
請求項6に記載された発明によれば、演算処理部が2つ用意され、故障時に予備の演算処理部へ切り替わるので継電器盤の信頼性が高まる。
【0041】
請求項7に記載された発明によれば、基板に故障が生じた場合は、各基板に2重に用意された回路を切り替えて、車両用継電器盤の動作が止まらないように構成しているので継電器盤の信頼性が高くなる。
【0042】
請求項8に記載された発明によれば、鉄道車両用継電器盤に実装された各基板にIDが付けられてそのIDが継電器盤のマザーボードに挿入することで決められるので基板の仕様を決めるためにディップスイッチの設定が不要になり工数の削減と人手による誤りの根絶により信頼性の高い鉄道車両用継電器盤を提供することができる。
【0043】
請求項9に記載された発明によれば、鉄道車両用継電器盤に設けられた仕様決定コネクタへ接続される電気配線により継電器盤の仕様が決められるのでディップスイッチなどによる設定作業が不要になり工数の削減と人手による誤りの根絶により信頼性の高い鉄道車両用継電器盤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明で用いられるデジタルフィルタによる雑音除去の原理を
図1に示す。
図1では5回毎のサンプリング回数(N)でデジタルフィルタの出力値が決める場合で説明する。
図1には5回毎のサンプリングを6度(S1〜S6)行った様子を示している。最初のサンプリングの群をS1としてさらにその中の最初のサンプリングから最後のサンプリングまでをS11、S12〜S15とする。同様に、各群において一つ一つのサンプリングをそれぞれS21〜S25,S31〜S35、S41〜S45,S51〜S55、S61〜S65のように表示する。
【0046】
本発明のデジタルフィルタの処理内容をN連照合と呼び、5回のサンプリング値の値を相互比較してデジタルフィルタの値を決める。その様子を
図2のフロー図のBの部分に示す。
【0047】
N連照合とは、一群のサンプリングで得られたサンプリング値が所定の範囲で一致するか否かを照合するものである。入力されたアナログ値をサンプリングしてA/Dコンバータでデジタル化すると熱雑音などの影響を受けてデジタル値が多少変動する。予め定めた変動幅の範囲に収まれば対比する値が等しいものとして処理する。
【0048】
その処理方法は、一群のサンプリング値が全て等しければ得られたサンプリング値を新たなデジタルフィルタの出力とするが、一群のサンプリング値に不一致が生じた場合は、以前の値をそのままデジタルフィルタの出力とするものである。等価的なローパスフィルタになっている。
【0049】
以下に説明するサンプリング値の処理において、ハードウエアで構成する場合は蓄積部はレジスタ用ICであり、ソフトウエア処理の場合は蓄積部は処理装置が参照できるメモリである。また、比較器はハードウエアで、処理することもできる。データの一致を調べるときに、入力信号をA/D変換して、その下位ビットを適宜無視することで所定の範囲でのデータの一致、不一致を調べることができる。また、アナログ信号として扱うときは、コンパレータとシュミットトリガーを組み合わせても良い。
【0050】
図1において、S1の各サンプリング値を見ると、S11〜S14は低レベルとしてその値が決まり、S15は高レベルとしてその値が決まる。各サンプリング値は対比のためにそれぞれレジスタに蓄えられるS11からS15の各サンプリング値を互いに比較すると不一致となるので、デジタルフィルタの値は前データの値を保持したまま変化しない。
【0051】
S2では、S21〜S25までで得られるサンプリング値は高レベルで一致しているので、デジタルフィルタの出力は高レベルとなる。S3では、入力信号に重畳した雑音の影響でサンプリング値が不一致となるので、デジタルフィルタの出力はS2で決まった値を保持する。S4では、S41〜S45のサンプリング値が高レベルで一致するのでデジタルフィルタの値は高レベルとなる。S5では、S51とS52のサンプリング値が低レベルになり、S53〜S55のサンプリング値が高レベルになるので各サンプリング値が不一致となり、デジタルフィルタの値は、前データで決まって高レベルに保持される。そして、S6では全てのサンプリング値が低レベルなので、デジタルフィルタの値は低レベルとなる。
【0052】
以上の処理の結果、デジタルフィルタの出力は
図1の出力のように入力に対して処理時間の分だけ時間的に遅れて、入力信号から雑音を除去したものとなる。
【0053】
ここで、鉄道車両における雑音成分は100KHz〜1MHz程度が多く、その持続時間は入力の持続時間よりも短い。
図1に示したのは原理図なので、N連照合を行う回数は雑音の種類により決める。また上記の処理はハードウエアロジックでも良いCPUを用いたソフト的な処理でもよくまた両者のハイブリッド回路でも良い。
【0054】
次に、本発明を実施する処理過程構成を
図2に、その処理を実行するための構成を
図3〜
図5に示す。
図2の図中のA〜Jは
図3〜
図5の図中のA〜Jに対応している。なお、今回、
図3〜
図5の構成図に示すように耐故障性を上げるために同一の機能を有する構成が並列される2重構成としている。
図3に示す入力基板及び出力基板にはそれぞれ16回路の入力回路及び出力回路が設けられている。
【0055】
初めに各基板での共通事項の説明をする。各基板はコネクタによりマザーボードへ接続される。マザーボードに備えられたコネクタには予めそこへ挿入される基板の仕様を決めるための配線が行われている。マザーボードに挿入された基板は予め行われるコネクタでの電気配線を介してそれぞれの仕様が決められることになる。また、演算処理基板では、鉄道車両用継電器盤に設けられた仕様決定コネクタからの電気回路による仕様の要求に基づいて自分の処理内容を決める。詳細は後述する。
【0056】
次に、各基板が挿入されるコネクタはマザーボードに設けられ、その端子はバス回路へと接続される。バス回路を流れる信号の信頼性を担保するために、誤り符号を用いた。簡便なのはパリティ符号であるが、各基板の演算処理に余裕があれば誤り訂正符号などを用いても良い。
【0057】
図2の各基板での信号処理において、バス回路からの信号は配列パリティチェックを受ける。入力基板及び出力基板では誤りを検出すると故障通知としてバス回路へ自分の基板のIDと故障の内容を付加したパケットを生成してバス回路へ送出する。
【0058】
図2の左側に及び
図3記載された入力基板のAは、入力基板の入力部での3分岐である。これは後ほど多数決回路へ入力される信号が奇数であることによるので、3分岐に限らず奇数分割であれば良い。この入力部は従来から高電圧(100V〜200V)の状態電気信号が入力される抵抗回路網で発熱が大きく半田不良などの不具合が多かった。今回、入力された状態電気信号を3個の抵抗網で個別に半導体論理回路で扱える値へ変換するように構成した。不具合は一定の確立で起きるが同時に起こる確率は低いので多数決で判別することにより実質的な故障を起こさないようにしてある。
【0059】
3分割された信号はそれぞれ上記で説明したN連照合が行われる(
図2及び
図3のB)。N連照合で値が決まった3つの出力に対して多数決処理が行われる(
図2及び
図3のC)。多数決処理は奇数個の入力の中、多数を占める入力を出力とするものである。ここで、入力の値に不一致が有る場合は故障として検出されて外部へ故障情報の信号が送られると共に基板内の故障表示ランプを点灯するなどの故障表示が行われる。ここで、外部への信号はバス回路を通じて行うものの他に、故障通知用のコネクタを設けて外部装置へ情報を通知しても良く、このことは、他の基板でも同様である。
【0060】
次に、多数決回路で値が決まった入力信号はバス化処理(
図2及び
図3のD)される。バス化処理は、バス回路へシリアル信号として送出するために得られたデータ、基板のID,入力された機器のID,継電器基板のIDなどを付加し誤り訂正用の符号を付けてパケットにしてバス回路1および2へ送出する。今回は、バス回路も耐故障性を上げるために2重化してバス回路1及びバス回路2を用意しているが、バス回路は一つでもよいし、3回路以上でも良い。
【0061】
また、入力基板には同一の機能を有する入力回路が2つ設けられている。基板の構成を簡略化するために、入力回路1はバス回路1のみ、入力回路2はバス回路2のみに接続するように構成してもよい。入力回路1に故障が発生すると後述する演算処理基板の判断によって、入力回路2へと切替が行われる。
【0062】
バス回路へ送出された信号は信号を受信した各基板によりパリティチェックなどの誤り処理を経てデータが復号化される。その際に、バス回路からの信号に誤りが検出されると故障フラグを立てる。また入力基板で検出された故障も改めて認識された故障フラグを立てる。これらの故障情報は当該基板の外部へ送出される(
図2及び
図4のE、H)。この一連の操作が故障通知である。
【0063】
入力基板での故障の情報は演算処理基板により処理されて、回路切り替え信号がバス回路へ送出される。バス回路へ送出された切り替え信号は入力基板及び出力基板で切替情報の内容のチェックを受けて、NGの場合、すなわち故障の情報による切り替え指令の場合は第2回路への切替が行われる。一度、切替が行われるとその後の処理は第2回路にて行われることとなる。
【0064】
次に、演算処理基板の仕様は、継電器盤に設けられた仕様決定コネクタ(
図7を参照)への電気配線により決められる機器IDに依存している。機器IDの認識は
図4に示す演算処理基板の機器ID認識手段により行われ、認識されたIDの情報は2つの演算処理部へと送られ演算処理部での処理内容が決められる。詳細は後述する。
【0065】
後述する演算処理基板での故障の情報が発生すると第2回路への演算処理部の切替が行われる。故障でない通常の場合は、復号化後のデータに含まれる基板のID及び入力基板へ入力された機器のIDを有する入力情報が演算部へ送られ演算処理が行われる(
図2及び
図4のF)。例えば、入力信号として、特定の車両の室温が設定温度と比較して高すぎれば暖房を弱めたり、冷房に切り替えたりする信号を生成することになる。
【0066】
演算処理基板からの信号は、生成された信号が送られるべき機器のIDを付加してパケット化してバス回路1及びバス回路2へ送るべくシリアル信号に変換してバス回路へ誤り符号を付加して送出される(バス符号化:
図2及び
図4のG)。
【0067】
次に、出力基板を説明する。演算処理が行われて機器に対する指令信号になったデータはバス回路1,2を経て出力基板へ入力される。バス回路からのデータは誤り処理が行われて誤りが検出されると故障フラグが立って、外部へ故障通知が行われる。バス信号からデータが復号化されてシリアルデータからパラレルデータへ変換される(
図2及び
図5のH)。
【0068】
出力基板には大電力を扱うリレーが設置されているが、このリレーの故障を検知して気機器への指令が誤って行われないように特定の機器への指令信号が間違いないか否かの判断をする照合・判断手段が設けられている。この照合・判断手段(
図2及び
図5のI)はリレーへの入力信号とリレーからの出力信号を比較して照合する。この照合で適切であると判断されるとリレーは正常に動作していると判断されるとともに、バス回路からの信号は各種電気機器を駆動するための指示電気信号へ変換されてリレーを介して各種電気機器へ出力される(
図5の出力部)。
【0069】
次に、継電器基盤、継電器基盤上の各種基板、各種電気機器などに付加されるIDについて説明する。
【0070】
継電器盤へは複数の各種電気機器からの状態電気信号が入力されて来るがどの電気機器からの信号かは接続されているコネクタで認識が出来るので予め定められた入力基板へ状態電気信号が入力される。ところで、継電器盤ではデータのやり取りはバス構造になっているので、入力基板、演算処理基板、出力基板の関係を明確にするためにそれぞれにIDが付加されている。
【0071】
継電器盤上の基板は入力基板、演算処理基板、出力基板の3種類が用意されるがその動作は、受け持つ機器により異なるので仕様を受け持つ機器に合わせて変更する必要がある。その仕様をIDにより指定することができるので、各基板にIDを指示することでその基板の仕様を管理することが可能になる。従来はこのID設定をディップスイッチなどの部品を使い人手で行っていたが、時間が掛かることや設定の誤りなどの問題が有った。
【0072】
そこで、今回、継電器盤上のマザーボードのコネクタの結線を基板に指示する仕様毎に変えることでそのコネクタへ挿入される基板の仕様が定まるようにした。
【0073】
図6にマザーボード上のコネクタの結線による基板仕様変更の様子を示す。
図6において、プリント基板Aはハード的に同一に構成されているが担当する機器によりその仕様が1〜5まで変える必要がある。その場合に、
図6の右下のようにコネクタの結線を予め定めた内容にすることでA1のコネクタに挿入されたプリント基板AはA1の仕様になり、A2のコネクタに挿入されたプリント基板はA2の仕様になる。
【0074】
同様に、プリント基板Bについても同じようにコネクタの配線を予め定めたものにすることで、所定の仕様のプリント基板にすることができる。
【0075】
また
図3〜
図5にあるように、バス経由でのID設定回路も用意されているので、コネクタで大まかな仕様を決めて、細目の仕様をID設定回路経由で行っても良い。このID設定回路経由でマザーボードに挿入されている基板のIDをお互いに認識することもできる。
【0076】
継電器基盤の仕様はその継電器基盤が設置された車両によりその仕様を変更する必要がある。車両には様々な電気機器が装備されておりその信号を受け取り、所定の処理、判断をして指示電気信号を贈る必要がある。次に示す表1に継電器盤に装着される基板の名称と車両毎の内容の一例を示す。
【0078】
表1に於いて、共通部は1号車から8号車まで共通であるが、非共通部は車両により様々であることが分かる、従って、各車両に装備される継電器盤の仕様を車両毎に変更する必要があり、その仕様を基板のIDと対応させることで管理することができる。従来は車両毎に特注の継電器盤を製作していたが、仕様の変更をIDの設定により行うべくディップスイッチで設定することも行われている。但し、人手に依る設定は時間が掛かることと設定の誤りが起こるという問題がある。
【0079】
そこで、今回、継電器盤にその仕様を決めるIDを設定するコネクタを設けて外部からそのコネクタへの電気接続を変えることで、その継電器盤の仕様を変更することを行った。
図7に示すように継電器盤に仕様決定用のコネクタが設けられる。継電器盤は仕様決定のコネクタの電気接続の内容を読み取り、それをID設定回路を経て各基板へ通知する。そうすると、各基板は自分が装着された継電器盤の仕様を理解してそれに応じた自分の仕様を準備することができる。
【0080】
次に、本発明に係る継電器盤の故障対策について説明する。一つは、各基板における回路の2重化である。入力基板、演算処理基板、出力基板それぞれに同じ機能を有する回路が2つ用意されている。各回路は第1の回路、第2の回路と呼ばれ、初期状態では第1の回路が主回路になるように設定される。
【0081】
通常は第1の回路で動作するが、故障時には演算処理基板から送出されてバス回路を経て通知される回路切替指示の信号に基づいて第2の回路へ全基板で切り替わる。また、故障は基板上のLEDなどでも表示されるので、点検時に故障した基板を差し替えることで故障対策を簡便にすることができる。故障の情報の外部への通知には、バス回路と基板上のランプなどの表示の他に、故障対策用のコネクタを設けて外部機器へ故障の情報を通知しても良い。これは、故障表示のランプが点灯している基板の故障対策用コネクタへ外部機器を接続して、マザーボードへのアクセスをしないで、その故障内容の詳細を知ることができるようにするためである。
【0082】
入力基板での故障は多数決回路での不一致の場合に検出される。また出力基板での故障はリレー回路の信号の不一致の場合に検出される。この故障の情報はバス回路を通じで演算処理基板へ送られ、演算処理基板から回路の切替信号が送信される。この切替信号により全ての基板の回路が第1の回路から第2の回路へと切替られる。
【0083】
演算処理基板での故障対応は前述のバス回路からの信号のパリティチェックの他に、他基板から故障情報の検出がある。他基板からの故障情報をチェックして故障有り(NG)と判断されると全基板に対して第2回路への切替指令をバス回路を介して送出する(
図2のE)。
【0084】
演算処理基板では、2つの演算処理部が並列して動作するが、初期状態では第1演算部(Core1)が主(Master)であり、第2演算部が(Core2)従(Slave)である。バス回路を介した故障検出は初期状態で主回路である第1の演算部から各入出力基板へ信号を送り、各基板から返信を受けて行うことができる。その様子を
図8(a〜d)に示す。故障検出の際は、全ての基板で主回路と従回路とを共に動作させる。
【0085】
信号のやり取りは、基本的には、演算処理基板のCoreからのポーリングにより行われる。
図8では、aに示すCore1−1−1(M)(ボード1、コネクタ1、バス回路1)から入力基板のIn1−1−1(ボード1、コネクタ1、バス回路1)へ信号を送り、返信を受ける。同様に、cに示す、入力基板のIn2−1−1(ボード2、コネクタ1、バス回路1)へ信号を送り、返信を受ける。返信が正常であれば各基板とバス回路が正常と判断される。
【0086】
また、bに示すバス回路2について、Core1−1−2(M)(ボード1、コネクタ1、バス回路2)から入力基板のIn1−2−2(ボード1、コネクタ2、バス回路2)へ信号を送り、返信を受ける。同様にdに示す、入力基板のIn2−2−2(ボード2、コネクタ2、バス回路2)へ信号を送り、返信を受ける。
【0087】
このように、演算処理基板と入出力基板とは信号のやり取りで各回が正常か否かを判断することができる。ここで(M)は主回路であるMasterを意味する。
【0088】
図8のe,fは演算処理基板内の2つの演算処理部間のやり取りである。2つの演算処理部は
図4に示す様にそれぞれがバス回路1および2に接続されている。
図8のeは、演算処理部1(Core1)Core1−1−1(M)(ボード1、コネクタ1、バス回路1)から同じ演算処理基板の演算処理部2(Core2)Core1−2−1(ボード1、コネクタ2、バス回路1)へ信号を送り、返信を受ける。また、
図8のfに示すバス回路2についても同様の検査を行うことで、互いの信号のやり取りが正常であれば、各演算処理と各バス回路がともに正常であることが分かる。
【0089】
次に、幾つかの故障のケースについて具体的に説明する。
図9に示すケースAでは、バス回路1に接続されるCore2のCN2のバスIFのICピンにクラックが入っていると想定している。
【0090】
演算処理基板内のCore1から、入出力基板との信号のやり取りはOKであるがCore2とのバス1を介した信号のやり取りに不具合がありNGとなっている。またCore2から見ると、バス1がNGでバス2がOKとなる。この場合のCore1及びCore2から見た信号のやり取りの結果の判断を
図9の下部に示す。これらの判断は、比較判断手段
図4の比較判断部で行う。
【0091】
図10にケースBを示す。Core1のバスIFのICピンにクラックが入った場合を想定している。Core1から入出力基板とCore2とのデータのやり取りを行うことでバス1が両方の場合でNGになることが分かる。バス2では入出力基板とCore2とのやりとりに不具合がないので、Core1に係るバス回路1に不具合のあることが分かる。また、Core2については入出力基板及びCore1とのやり取りが正常である。この場合は、演算処理基板の主回路をCore1からCore2変更する。
【0092】
図11に演算処理を行うFPGAの電源ピンにクラックが入った場合をケーズCとして想定する。この場合は、Core1から見ると、入出力基板とのやり取りはバス回路1及び2ともにOKであるが、Core2とのやり取りではバス回路1及び2ともにNGになる。そうすると、Core2そのものが故障していると判断することになる。また、Core2からのやり取りは全てNGとなる。この場合は主回路はCore1のままである。
【0093】
図12にCore1のFPGAの電源ピンにクラックが生じたと想定するケースDを示す。この場合は、Core1からの信号やり取りが出来ないのでCore1では全てNGとなる。また、Core2からの信号のやりとりは入出力基板とのやり取りはOKで、Core1とのやりとりがNGなので、Core1が機能していないと判断される。この場合は強制的に主回路をCore2へ変更する。
【0094】
上記で説明したように各基板で回路を2重化することで継電器盤の信頼性を従来に比べ大幅に上昇させることができる。
【0095】
図13に本発明に係る継電器盤の外観図を示す。一番左側が演算処理基板である。次の7枚の基板が入力基板である。されに次の5枚が出力基板である。各基板には各種電気機器から入力信号および各種電気機器への指令信号のための配線がコネクタを介して行われる。また、一番右にこの継電器盤の仕様を決める仕様決定コネクタがあり、これに電源と仕様決定の配線が行われているコネクタを接続することで、この継電器盤の仕様が決まる。
【0096】
本発明に係る継電器盤においては、従来、演算処理を行っていたプリント基板上の継電器は半導体回路へ置き換えられて、重量の軽減、消費電力の軽減が図られると共にIDの設定が容易になり信頼性が向上した。