(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る医療情報検索装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。医療情報検索装置が検索対象とする医療情報は、医師の所見を含む電子カルテであってもよいし、たとえば医用画像とシェーマ図が関連付けられただけの医療情報であってもよい。なお、以下の説明では、本発明に係る医療情報検索装置として、電子カルテの検索を支援する電子カルテ検索支援装置を用いる場合の一例について示す。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子カルテ検索支援システム10の一例を示す全体構成図である。第1実施形態に係る電子カルテ検索支援システム10は、少なくとも検索用の入力キーワードに関連付けられたシェーマテンプレートの情報にもとづいて電子カルテ検索を行うものである。
【0012】
電子カルテ検索支援システム10は、カルテ管理サーバ11と、カルテ管理サーバ11とデータ送受信可能に有線または無線で接続された医療情報検索装置としての電子カルテ検索支援装置12を有する。カルテ管理サーバ11と電子カルテ検索支援装置12とは、ネットワークを介して接続されてもよい。ネットワークには、電気通信技術を利用した情報通信網全般を意味し、病院基幹LAN(Local Area Network)などの無線/有線LANやインターネット網のほか、電話通信回線網、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワークおよび衛星通信ネットワークなどを含む。
【0013】
カルテ管理サーバ11は、EMRなどの医療情報をデータベースとして管理する。医療情報は、各種モダリティで取得された医用画像、シェーマテンプレートの情報、医師の所見等のいずれか1つまたはこれらから選ばれた複数により構成される。以下の説明では、カルテ管理サーバ11が電子カルテ検索支援装置12により登録された電子カルテをデータベースとして管理する場合の例について説明する。また、カルテ管理サーバ11は、電子カルテ検索支援装置12によりデータベース検索されて、所要の電子カルテを電子カルテ検索支援装置12に与える。
【0014】
電子カルテ検索支援装置12は、入力部21、表示部22、記憶部23および制御部24を有する。
【0015】
入力部21は、たとえばキーボード、タッチパネル、テンキーなどの一般的な入力装置により構成され、ユーザの操作に対応した操作入力信号を制御部24に出力する。
【0016】
表示部22は、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成され、制御部24の制御に従って検索用画像や検索結果画像などの各種情報を表示する。
【0017】
記憶部23は、データの書き換えが可能な不揮発性のメモリであり、たとえばハードディスクドライブやソリッドステートドライブなどにより構成することができる。
【0018】
図2は、記憶部23に記憶されるシェーマテンプレートテーブルの一例を示す説明図である。また、
図3は、記憶部23に記憶されるキーワードシェーマ関連付けテーブルの一例を示す説明図である。
【0019】
記憶部23は、あらかじめシェーマテンプレートID、シェーマテンプレート名、シェーマテンプレート画像情報などがシェーマテンプレートごとに関連付けられたシェーマテンプレートテーブルを記憶する(
図2参照)。ここで、シェーマテンプレートID、シェーマテンプレート名、シェーマテンプレート画像情報の少なくとも1つをシェーマテンプレートの情報というものとする。なお、シェーマテンプレートの情報は、シェーマテンプレートを識別するための情報であればよく、他にもたとえばシェーマテンプレートの種類などであってもよい。
【0020】
また、記憶部23は、あらかじめキーワードとシェーマテンプレートの情報とが関連付けられたキーワードシェーマ関連付けテーブルを記憶する(
図3参照)。
図3には、キーワードシェーマ関連付けテーブルに用いられるシェーマテンプレートの情報としてシェーマテンプレート名が用いられる場合の例を示した。キーワードは、臓器名および病名の少なくとも一方を含むようにするとよい。
【0021】
なお、記憶部23にあらかじめ記憶されるシェーマテンプレートテーブルおよびキーワードシェーマ関連付けテーブルなどのデータの一部または全部は必要に応じてネットワークを介してダウンロードされて更新されてもよい。
【0022】
制御部24は、CPU、RAMおよびROMをはじめとする記憶媒体などにより構成され、この記憶媒体に記憶されたプログラムに従って電子カルテ検索支援装置12の動作を制御する。制御部24のCPUは、ROMをはじめとする記憶媒体に記憶された電子カルテ検索支援プログラムおよびこのプログラムの実行のために必要なデータをRAMへロードし、このプログラムに従って、電子カルテに登録されたテキスト情報がゆらいでいる場合または電子カルテにテキスト情報が登録されていない場合であっても、ユーザが所望する電子カルテの検索を支援するための処理を実行する。
【0023】
制御部24のRAMは、CPUが実行するプログラムおよびデータを一時的に格納するワークエリアを提供する。制御部24のROMをはじめとする記憶媒体は、電子カルテ検索支援装置12の起動プログラム、電子カルテ検索支援プログラムや、これらのプログラムを実行するために必要な各種データを記憶する。
【0024】
なお、ROMをはじめとする記憶媒体は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、CPUにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、これら記憶媒体内のプログラムおよびデータの一部または全部はネットワークを介してダウンロードされるように構成してもよい。
【0025】
図1に示すように、制御部24のCPUは、電子カルテ検索支援プログラムによって、少なくともカルテ編集部31、カルテ登録部32、検索用画像生成部33、検索条件取得部34、カルテ検索部35、検索結果画像生成部36として機能する。この各部31〜36は、RAMの所要のワークエリアをデータの一時的な格納場所として利用する。なお、これらの機能実現部は、CPUを用いることなく回路などのハードウエアロジックによって構成してもよい。
【0026】
まず、第1実施形態における電子カルテ登録に係る構成について説明する。
【0027】
図4は、第1実施形態に係る電子カルテ画像40の一例を示す説明図である。
【0028】
カルテ編集部31は、入力部21を介してユーザから所定の電子カルテに対する編集要求を受けると、この電子カルテの情報を内容とする電子カルテ画像40を表示部22に表示させる。
【0029】
電子カルテ画像40は、シェーマテンプレート呼び出し画像を表示するための第1領域41と、呼び出されたシェーマテンプレートの画像を表示するとともにこのシェーマテンプレート画像に対する入力部21を介したユーザ編集を受け付けるための第2領域42とを有する。
【0030】
また、電子カルテ画像40には、第2領域42に表示されたシェーマテンプレート画像に対して編集を行うためにユーザに利用される描画ツール43と、電子カルテに対して病状や所見などのテキスト情報を記入するためにユーザに利用されるテキスト入力ツール44が含まれる。
【0031】
カルテ編集部31は、第1領域41のシェーマテンプレート呼び出し画像に対するユーザ操作に応じて、シェーマテンプレートの選択を受け付ける。この結果、電子カルテには選択されたシェーマテンプレートの画像が含まれることになる。また、カルテ編集部31は、電子カルテに対するテキスト情報入力を受け付ける。なお、本実施形態においては、電子カルテに対してテキスト情報が入力されていなくてもよい。
【0032】
図5は、カルテ管理サーバ11で管理される電子カルテデータの構成例を示す説明図である。
【0033】
カルテ登録部32は、カルテ編集部31から、少なくとも現在編集対象となっている電子カルテの情報およびこの電子カルテに含まれるシェーマテンプレートの情報を取得する。そして、カルテ登録部32は、入力部21を介してユーザからこの電子カルテを登録(保存)すべき旨の指示を受けると、少なくともこの電子カルテの情報と電子カルテに含まれるシェーマテンプレートの情報とを関連付けて、カルテ管理サーバ11に登録する。
【0034】
図5には、カルテ管理サーバ11で管理される電子カルテデータが、少なくとも電子カルテIDと、患者IDと、シェーマテンプレート名とが関連付けられたデータである場合の例について示した。
【0035】
この結果、カルテ管理サーバ11は、少なくとも電子カルテの情報と電子カルテに含まれるシェーマテンプレートの情報とが関連付けられたデータベースを保持する。
【0036】
続いて、第1実施形態における電子カルテの検索に係る構成について説明する。
【0037】
図6は、第1実施形態に係る電子カルテの検索用画像45の一例を示す説明図である。
【0038】
検索用画像生成部33は、入力部21を介してユーザから電子カルテの検索開始要求を受けると、電子カルテの検索条件の入力を受け付けるための検索条件設定用画像(検索用画像)45を表示部22に表示させる(
図6参照)。ユーザは、検索用画像45を用いて入力部21を介して検索条件を入力する。本実施形態では、ユーザにより入力される検索条件が、少なくとも記憶部23に記憶されたキーワードシェーマ関連付けテーブルのキーワード(文字列)である場合の例について説明する。
【0039】
検索条件取得部34は、ユーザにより入力されたキーワード(入力キーワード)の情報を取得し、記憶部23のキーワードシェーマ関連付けテーブル(
図3参照)から、この入力キーワードに関連付けられたシェーマテンプレートの情報を取得する。この入力キーワードは、少なくともキーワードシェーマ関連付けテーブルのキーワードを含み、さらに患者名や診断日などを示すキーワードを含んでもよい。
【0040】
たとえば入力キーワードが「肺がん」である場合、
図3に示す例では、検索条件取得部34はシェーマテンプレート名の「肺テンプレート1」を取得する。シェーマテンプレート名が取得できれば、記憶部23に記憶されたシェーマテンプレートテーブル(
図2参照)にもとづいて他のシェーマテンプレートの情報(IDなど)を用いることも可能となる。
【0041】
カルテ検索部35は、少なくとも検索条件取得部34により取得されたシェーマテンプレートの情報にもとづいてカルテ管理サーバ11を検索する。以下の説明では、カルテ検索部35が入力キーワードの情報およびシェーマテンプレートの情報にもとづいてカルテ管理サーバ11を検索する場合の例について示す。なお、入力キーワードの情報自体も用いて検索を行う場合、カルテ検索部35は、入力キーワードの情報とシェーマテンプレートの情報を用いてOR検索してもよいし、AND検索してもよい。
【0042】
入力キーワードの情報自体を用いて検索する方法としては、カルテ管理サーバ11に登録された電子カルテのテキスト情報のうち入力キーワードと同一のもの、入力キーワードを含むものなどの入力キーワードに対応するテキスト情報に関連付けられた電子カルテを検索する方法などが挙げられる。
【0043】
図7は、第1実施形態に係る電子カルテの検索結果画像46の一例を示す説明図である。
【0044】
検索結果画像生成部36は、カルテ検索部35の検索結果にもとづいて、検索結果画像46を生成して表示部22に表示させる。
図7には、検索結果画像46が入力キーワードにもとづく検索結果(
図7の「キーワード検索結果」参照)と、シェーマテンプレートの情報にもとづく検索結果(
図7の「シェーマ検索結果」参照)とにより構成される場合の例について示した。なお、カルテ検索部35が入力キーワードの情報自体も用いて検索を行う場合には、検索結果画像生成部36は、たとえば入力キーワードの情報とシェーマテンプレートの情報を用いたOR検索結果の画像を
図7に示すように生成してもよいし、AND検索結果の画像を生成してもよい。
【0045】
次に、本実施形態に係る電子カルテ検索支援システム10の動作の一例について説明する。
【0046】
まず、第1実施形態における電子カルテ登録処理について説明する。
【0047】
図8は、第1実施形態に係る制御部24のCPUにより、少なくとも電子カルテの情報と電子カルテに含まれるシェーマテンプレートの情報とを関連付けたデータをカルテ管理サーバ11に登録する際の手順を示すフローチャートである。
図8において、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
【0048】
この手順は、入力部21を介してユーザから所定の電子カルテに対する編集要求を受けて、この電子カルテの情報を内容とする電子カルテ画像40が表示部22に表示された時点でスタートとなる。
【0049】
まず、ステップS1において、カルテ編集部31は、第1領域41のシェーマテンプレート呼び出し画像に対するユーザ操作に応じて、シェーマテンプレートの選択を受け付ける。
【0050】
次に、ステップS2において、カルテ登録部32は、カルテ編集部31から、少なくとも現在編集対象となっている電子カルテの情報およびこの電子カルテに含まれる選択されたシェーマテンプレートの情報を取得する。
【0051】
次に、ステップS3において、カルテ登録部32は、入力部21を介してユーザからこの電子カルテを登録(保存)すべき旨の指示を受け付ける。
【0052】
次に、ステップS4において、カルテ登録部32は、少なくともこの電子カルテの情報と電子カルテに含まれるシェーマテンプレートの情報とを関連付けて、カルテ管理サーバ11に登録する。
【0053】
以上の手順により、少なくとも電子カルテの情報と電子カルテに含まれるシェーマテンプレートの情報とを関連付けたデータをカルテ管理サーバ11に登録することができる(
図5参照)。
【0054】
続いて、第1実施形態における電子カルテの検索に係る動作について説明する。
【0055】
図9は、第1実施形態に係る制御部24のCPUにより、電子カルテに用いられたシェーマテンプレートにもとづいて電子カルテを検索する際の手順を示すフローチャートである。
図9において、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
【0056】
まず、ステップS11において、検索用画像生成部33は、電子カルテの検索条件の入力を受け付けるための検索用画像45を表示部22に表示させる(
図6参照)。
【0057】
次に、ステップS12において、検索条件取得部34は、ユーザにより入力されたキーワードの情報を取得する。この入力キーワードは、少なくともキーワードシェーマ関連付けテーブルのキーワードを含み、さらに患者名や診断日などを示すキーワードを含んでもよい。
【0058】
次に、ステップS13において、検索条件取得部34は、記憶部23のキーワードシェーマ関連付けテーブル(
図3参照)から、この入力キーワードに関連付けられたシェーマテンプレートの情報を取得する。
【0059】
次に、ステップS14において、カルテ検索部35は、少なくとも検索条件取得部34により取得されたシェーマテンプレートの情報にもとづいてカルテ管理サーバ11を検索する。このとき、入力キーワードの情報にもとづいた検索をあわせて行ってもよい。
【0060】
次に、ステップS15において、検索結果画像生成部36は、カルテ検索部35の検索結果にもとづいて、検索結果画像46を生成して表示部22に表示させる(
図7参照)。
【0061】
以上の手順により、電子カルテに用いられたシェーマテンプレートにもとづいて電子カルテを検索することができる。
【0062】
本実施形態に係る電子カルテ検索支援システム10は、検索用の入力キーワードに関連付けられたシェーマテンプレートの情報を用いて電子カルテを検索することにより、電子カルテに登録されたテキスト情報がゆらいでいる場合または電子カルテにテキスト情報が登録されていない場合であっても、ユーザが所望する電子カルテの検索を支援することができる。このため、電子カルテ検索支援システム10によれば、ユーザは過去の類似症例を容易かつ的確に検索することができる。
【0063】
たとえば入力キーワードが「肺がん」である場合には、入力キーワードにもとづく検索では、「肺」、「肺 かげ」、「右肺 かげ」、「肺 中葉 かげ」、「右 肺 中 影」などの肺がんに関連するテキスト情報ではあるが「肺がん」そのものではないテキスト情報を含む電子カルテは、抽出することができない。
【0064】
一方、キーワードシェーマ関連付けテーブルで入力キーワード「肺がん」に関連付けられたシェーマテンプレート名の「肺テンプレート1」にもとづく検索では、「肺テンプレート1」が含まれた電子カルテを抽出する。このため、本実施形態に係る電子カルテ検索支援システム10によれば、電子カルテに登録されたテキスト情報がゆらいでいる場合でも、電子カルテにテキスト情報が登録されていない場合であっても、「肺テンプレート1」が含まれた電子カルテであれば全て抽出することができる。
【0065】
なお、シェーマテンプレートにもとづいて検索する場合、ユーザの所望に沿わない電子カルテも検索されてしまう場合がある。たとえば、肺がんの疑いのある患者を検索したい場合、入力キーワードに「肺がん」を入力すると、シェーマテンプレートにもとづく検索では「肺テンプレート1」に関連付けられた電子カルテが全て検索される。この検索結果には、たとえば肺炎の患者に関する電子カルテも含まれる場合がある。
【0066】
そこで、入力キーワードを用いて所定の除外条件を設定することにより、検索結果を絞り込むとよい。この場合、あらかじめキーワードシェーマ関連付けテーブルに対してさらに除外条件を関連付けて記憶部23に記憶させておく。たとえば、キーワード「肺がん」と「肺テンプレート1」に対してさらに除外条件「抗生物質投与」を関連付けておく。
【0067】
また、検索の際には、まず検索条件取得部34が、入力キーワードにもとづいてシェーマテンプレートの情報および除外条件の情報を取得する。そして、カルテ検索部35は、この取得した除外条件に関連付けられた電子カルテを検索対象から除外してカルテ管理サーバ11の検索を行なう。この結果、たとえば上記例では、抗生物質が投与された旨の情報が記録された電子カルテがフィルタリングされ、肺炎患者の電子カルテを検索対象から除外することができる。
【0068】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る電子カルテ検索支援システムの第2実施形態について説明する。
【0069】
図10は、本発明の第2実施形態に係る電子カルテ検索支援システム10Aの一例を示す全体構成図である。第2実施形態に係る電子カルテ検索支援システム10Aは、少なくとも注目領域の情報にもとづいて電子カルテ検索を行うものである。
図1に示す電子カルテ検索支援システム10と実質的に異ならない構成には、同一符号を付して説明を省略する。
【0070】
まず、第2実施形態における電子カルテ登録に係る構成について説明する。
【0071】
図11は、第2実施形態に係る電子カルテ画像40Aの一例を示す説明図である。
【0072】
カルテ編集部31Aは、入力部21を介してユーザから所定の電子カルテに対する編集要求を受けると、この電子カルテの情報を内容とする電子カルテ画像40Aを表示部22に表示させる。
【0073】
電子カルテ画像40Aは、第1実施形態に係る電子カルテ画像40と同様に第1領域41および第2領域42を有するとともに、描画ツール43およびテキスト入力ツール44が含まれる。
【0074】
カルテ編集部31Aは、第1実施形態に係るカルテ編集部31Aと同様に、シェーマテンプレートの選択を受け付けるとともに電子カルテに対するテキスト情報入力(
図11の「影あり」参照)を受け付ける。なお、本実施形態においては、電子カルテに対してテキスト情報が入力されていなくてもよい。
【0075】
また、カルテ編集部31Aは、第2領域42に表示されたシェーマテンプレート画像に対する描画ツール43を用いた注目領域(以下、設定注目領域という)51の設定を受け付ける。
【0076】
カルテ登録部32Aは、カルテ編集部31Aから、少なくとも現在編集対象となっている電子カルテの情報、この電子カルテに含まれるシェーマテンプレートの情報、およびこの電子カルテに含まれる設定注目領域51の情報を取得する。そして、カルテ登録部32Aは、入力部21を介してユーザからこの電子カルテを登録(保存)すべき旨の指示を受けると、少なくともこの電子カルテの情報と電子カルテに含まれるシェーマテンプレートの情報と設定注目領域51の情報とを関連付けて、カルテ管理サーバ11Aに登録する。
【0077】
この結果、カルテ管理サーバ11Aは、少なくとも電子カルテの情報と電子カルテに含まれるシェーマテンプレートの情報と設定注目領域51の情報とが関連付けられたデータベースを保持する。もちろん、ユーザから検索条件としてシェーマテンプレートの情報のみが与えられた場合には、シェーマテンプレートの情報のみにもとづいて電子カルテ検索を行うことになる。本実施形態に示すように設定注目領域51の情報を用いることにより、シェーマテンプレートの情報のみにもとづいて検索する場合に比べ、より検索結果の精度を高めることが容易となる。
【0078】
続いて、第2実施形態における電子カルテの検索に係る構成について説明する。
【0079】
図12は、第2実施形態に係る電子カルテの検索用画像45Aの一例を示す説明図である。
【0080】
検索用画像生成部33Aは、入力部21を介してユーザから電子カルテの検索開始要求を受けると、電子カルテの検索条件の入力を受け付けるための検索条件設定用画像(検索用画像)45Aを表示部22に表示させる(
図12参照)。ユーザは、検索用画像45Aを用いて入力部21を介して検索条件を入力する。
【0081】
本実施形態では、ユーザにより入力される検索条件が、少なくとも検索用の注目領域(以下、検索用注目領域という)52である場合の例について説明する。なお、本実施形態においては、キーワードシェーマ関連付けテーブルのキーワード(文字列)が検索条件である必要はない。
【0082】
ユーザは、検索条件として検索用注目領域52を設定するために、たとえば
図12の「シェーマテンプレート画像読出し」キーを押下することによりシェーマテンプレート画像の読出し要求を行う。検索用画像生成部33Aは、シェーマテンプレート画像の読み出し要求を受けると、複数のシェーマテンプレートの画像を一覧表示したリスト画像を生成して表示部22に表示させる。このリスト画像としては、たとえば電子カルテ画像40、40Aの第1領域41のシェーマテンプレート呼び出し画像と同様の画像などを用いることができる。
【0083】
ユーザによりリスト画像(たとえば
図4、
図11のシェーマテンプレート呼び出し画像と同様の画像)から所望のシェーマテンプレートが選択されると、検索用画像生成部33Aは、この選択されたシェーマテンプレートの画像を検索用画像45Aに重畳させて表示部に表示させる。
図12には、ユーザにより肺テンプレートが選択され、検索用画像45Aに肺テンプレートの画像が重畳された様子の一例を示した。そして、ユーザは、このシェーマテンプレートの画像に対して描画ツール43を用いて検索用注目領域52を設定する。検索用画像45Aに重畳表示されるシェーマテンプレートの画像は、ユーザの操作に応じて画像を回転可能ないわゆるボリュームレンダリング画像であってもよい。
【0084】
なお、記憶部23Aにキーワードシェーマ関連付けテーブルが記憶されており、症状・所見にキーワードが入力された場合は、このキーワードに関連付けられたシェーマテンプレートの画像を検索用画像45Aに自動的に選択して表示させてもよい。
【0085】
検索条件取得部34Aは、ユーザにより入力されたキーワード(入力キーワード)の情報を取得する。なお、本実施形態においては、入力キーワードはキーワードシェーマ関連付けテーブルのキーワードである必要はなく、たとえば患者名や診断日などを示すキーワードでもよい。また、検索条件取得部34Aは、検索用注目領域52の情報およびこの検索用注目領域52の設定に用いられたシェーマテンプレートの情報を取得する。
【0086】
カルテ検索部35Aは、少なくとも検索条件取得部34Aにより取得された検索用注目領域52の情報およびこの検索用注目領域52の設定に用いられたシェーマテンプレートの情報にもとづいてカルテ管理サーバ11Aを検索する。以下の説明では、カルテ検索部35Aが入力キーワードの情報、検索用注目領域52の情報およびこの検索用注目領域52の設定に用いられたシェーマテンプレートの情報にもとづいてカルテ管理サーバ11Aを検索する場合の例について示す。なお、カルテ検索部35Aは、各検索条件を用いてOR検索してもよいし、AND検索してもよい。
【0087】
検索用注目領域52を用いて検索する方法としては、カルテ管理サーバ11Aに登録された電子カルテの設定注目領域51のうち検索用注目領域52と一部重複するもの、所定の割合以上重複するもの、重複せずとも近傍に位置するものなどを、座標比較や画像解析により抽出し、抽出された設定注目領域51に関連付けられた電子カルテを検索する方法などが挙げられる。
【0088】
図13は、第2実施形態に係る電子カルテの検索結果画像46Aの一例を示す説明図である。
【0089】
検索結果画像生成部36Aは、カルテ検索部35Aの検索結果にもとづいて、検索結果画像46Aを生成して表示部22に表示させる(
図13参照)。
【0090】
記憶部23Aは、あらかじめシェーマテンプレートテーブルを記憶する(
図2参照)。なお、第2実施形態に係る記憶部23Aは、キーワードシェーマ関連付けテーブルを記憶していなくてもよい。
【0091】
次に、第2実施形態に係る電子カルテ検索支援システム10Aの動作の一例について説明する。
【0092】
まず、第2実施形態における電子カルテ登録処理について説明する。
【0093】
図14は、第2実施形態に係る制御部24AのCPUにより、少なくとも電子カルテの情報と電子カルテに含まれるシェーマテンプレートの情報と設定注目領域51の情報とを関連付けたデータをカルテ管理サーバ11Aに登録する際の手順を示すフローチャートである。
図14において、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。なお、
図8と同等のステップには同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0094】
この手順は、入力部21を介してユーザから所定の電子カルテに対する編集要求を受けて、この電子カルテの情報を内容とする電子カルテ画像40Aが表示部22に表示された時点でスタートとなる。
【0095】
ステップS21において、カルテ編集部31Aは、第2領域42に表示されたシェーマテンプレート画像に対する描画ツール43を用いた設定注目領域51の設定を受け付ける。
【0096】
次に、ステップS22において、カルテ登録部32Aは、カルテ編集部31Aから、少なくとも現在編集対象となっている電子カルテの情報、この電子カルテに含まれる選択されたシェーマテンプレートの情報、およびこの電子カルテに含まれる設定注目領域51の情報を取得する。
【0097】
ステップS3でこの電子カルテを登録(保存)すべき旨の指示を受けると、ステップS23において、カルテ登録部32Aは、少なくともこの電子カルテの情報と電子カルテに含まれるシェーマテンプレートの情報と設定注目領域51の情報とを関連付けて、カルテ管理サーバ11Aに登録する。
【0098】
以上の手順により、少なくとも電子カルテの情報と電子カルテに含まれるシェーマテンプレートの情報と設定注目領域51の情報とを関連付けたデータをカルテ管理サーバ11Aに登録することができる。
【0099】
続いて、第2実施形態における電子カルテの検索に係る動作について説明する。
【0100】
図15は、第2実施形態に係る制御部24AのCPUにより、シェーマテンプレートの注目領域にもとづいて電子カルテを検索する際の手順を示すフローチャートである。
図15において、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
【0101】
ステップS31において、検索用画像生成部33Aは、電子カルテの検索条件の入力を受け付けるための検索用画像45Aを表示部22に表示させる(
図12参照)。この検索条件には少なくとも検索用注目領域52が含まれる。
【0102】
次に、ステップS32において、検索条件取得部34Aは、ユーザにより入力されたキーワード(入力キーワード)の情報を取得する。この入力キーワードはキーワードシェーマ関連付けテーブルのキーワードである必要はなく、たとえば患者名や診断日などを示すキーワードでもよい。
【0103】
次に、ステップS33において、検索条件取得部34Aは、検索用注目領域52の情報およびこの検索用注目領域52の設定に用いられたシェーマテンプレートの情報を取得する。
【0104】
次に、ステップS34において、カルテ検索部35Aは、少なくとも検索条件取得部34Aにより取得された検索用注目領域52の情報およびこの検索用注目領域52の設定に用いられたシェーマテンプレートの情報にもとづいてカルテ管理サーバ11Aを検索する。このとき、入力キーワードの情報にもとづいた検索をあわせて行ってもよい。なお、この入力キーワードは、キーワードシェーマ関連付けテーブルのキーワードである必要はない。
【0105】
次に、ステップS35において、カルテ検索部35Aの検索結果にもとづいて、検索結果画像46Aを生成して表示部22に表示させる(
図13参照)。
【0106】
以上の手順により、シェーマテンプレートの注目領域にもとづいて電子カルテを検索することができる。
【0107】
第2実施形態に係る電子カルテ検索支援システム10Aによっても、設定注目領域51および検索用注目領域52を用いて検索を行うことにより、電子カルテに登録されたテキスト情報がゆらいでいる場合または電子カルテにテキスト情報が登録されていない場合であっても、ユーザが所望する電子カルテの検索を支援することができる。なお、本実施形態においても所定の除外条件を用いて検索結果を絞り込んでもよい。
【0108】
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る電子カルテ検索支援システムの第3実施形態について説明する。
【0109】
図16は、本発明の第3実施形態に係る電子カルテ検索支援システム10Bの一例を示す全体構成図である。第3実施形態に係る電子カルテ検索支援システム10Bは、第1実施形態に係る電子カルテ検索支援システム10および第2実施形態に係る電子カルテ検索支援システム10Aを組み合わせたものであり、検索用の入力キーワードに関連付けられたシェーマテンプレートの情報と、注目領域の情報とを用いて電子カルテ検索を行うものである。
図1に示す電子カルテ検索支援システム10と実質的に異ならない構成には、同一符号を付して説明を省略する。
【0110】
まず、第3実施形態における電子カルテ登録に係る構成について説明する。
【0111】
カルテ編集部31Bは、入力部21を介してユーザから所定の電子カルテに対する編集要求を受けると、この電子カルテの情報を内容とする電子カルテ画像40Aを表示部22に表示させる。
【0112】
また、カルテ編集部31Bは、シェーマテンプレートの選択を受け付けるとともに電子カルテに対するテキスト情報入力(
図11の「影あり」参照)を受け付ける。なお、本実施形態においても、電子カルテに対してテキスト情報が入力されていなくてもよい。
【0113】
また、カルテ編集部31Bは、第2領域42に表示されたシェーマテンプレート画像に対する設定注目領域51の設定を受け付ける。この結果、電子カルテには選択されたシェーマテンプレートの情報および設定注目領域51の情報が含まれることになる。
【0114】
カルテ登録部32Aは、第2実施形態で説明した通り少なくともこの電子カルテの情報と電子カルテに含まれるシェーマテンプレートの情報と設定注目領域51の情報とを関連付けて、カルテ管理サーバ11Aに登録する。
【0115】
この結果、カルテ管理サーバ11Aは、第2実施形態で説明した通り少なくとも電子カルテの情報と電子カルテに含まれるシェーマテンプレートの情報と設定注目領域51の情報とが関連付けられたデータベースを保持する。
【0116】
続いて、第3実施形態における電子カルテの検索に係る構成について説明する。
【0117】
検索用画像生成部33Aは、第2実施形態で説明した通り電子カルテの検索条件の入力を受け付けるための検索用画像45Aを表示部22に表示させる(
図12参照)。
【0118】
第3実施形態では、ユーザにより入力される検索条件が、第1実施形態と同一の構成を有する記憶部23に記憶されたキーワードシェーマ関連付けテーブルのキーワード(文字列)、および検索用注目領域52である。
【0119】
検索条件取得部34Bは、ユーザにより入力されたキーワード(入力キーワード)の情報を取得し、記憶部23のキーワードシェーマ関連付けテーブル(
図3参照)から、この入力キーワードに関連付けられたシェーマテンプレートの情報を取得する。たとえば入力キーワードが「肺がん」である場合、
図3に示す例では、検索条件取得部34Bはシェーマテンプレート名の「肺テンプレート1」を取得する。
【0120】
また、検索条件取得部34Bは、検索用注目領域52の情報を取得する。なお、本実施形態においては、検索条件取得部34Bは検索用注目領域52の設定に用いられたシェーマテンプレートの情報を取得しなくてもよい。
【0121】
なお、検索条件取得部34Bが検索用注目領域52の設定に用いられたシェーマテンプレートの情報を取得する場合には、検索用注目領域52の設定に用いられたシェーマテンプレートの情報と、キーワードシェーマ関連付けテーブルから取得したシェーマテンプレートの情報とが異なる場合がある。この場合には、両者を用いてOR検索してもよいし、ユーザにどちらを検索条件として設定するかの選択を促す画像を表示させて、ユーザ選択に応じていずれか一方を検索条件として用いてもよい。
【0122】
以下の説明では、キーワードシェーマ関連付けテーブルで検索用の入力キーワードに関連付けられたシェーマテンプレートの情報を検索条件として用いる場合の例について説明する。
【0123】
カルテ検索部35Bは、少なくとも検索条件取得部34Bにより取得された検索用の入力キーワードに関連付けられたシェーマテンプレートの情報および検索用注目領域52の情報にもとづいてカルテ管理サーバ11Aを検索する。
【0124】
以下の説明では、カルテ検索部35Bが入力キーワードの情報、検索用の入力キーワードに関連付けられたシェーマテンプレートの情報および検索用注目領域52の情報にもとづいてカルテ管理サーバ11Aを検索する場合の例について示す。なお、カルテ検索部35Bは、各検索条件を用いてOR検索してもよいし、AND検索してもよい。
【0125】
検索結果画像生成部36Bは、カルテ検索部35Bの検索結果にもとづいて、検索結果画像を生成して表示部22に表示させる。
【0126】
次に、第3実施形態に係る電子カルテ検索支援システム10Bの動作の一例について説明する。なお、第3実施形態における電子カルテ登録処理は、
図14に示す第2実施形態おける電子カルテ登録処理と同一であるため説明を省略する。
【0127】
図17は、第3実施形態に係る制御部24BのCPUにより、電子カルテに用いられたシェーマテンプレートの情報およびシェーマテンプレートの注目領域の情報にもとづいて電子カルテを検索する際の手順を示すフローチャートである。
図17において、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。なお、
図8および
図14と同等のステップには同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0128】
ステップS41において、検索条件取得部34Bは、検索用注目領域52の情報を取得する。
【0129】
ステップS42において、少なくとも検索条件取得部34Bにより取得された検索用の入力キーワードに関連付けられたシェーマテンプレートの情報および検索用注目領域52の情報にもとづいてカルテ管理サーバ11Aを検索する。このとき、入力キーワードの情報にもとづいた検索をあわせて行ってもよい。
【0130】
そして、ステップS43において、検索結果画像生成部36Bは、カルテ検索部35Bの検索結果にもとづいて、検索結果画像を生成して表示部22に表示させる。
【0131】
以上の手順により、電子カルテに用いられたシェーマテンプレートの情報およびシェーマテンプレートの注目領域の情報にもとづいて電子カルテを検索することができる。
【0132】
第3実施形態に係る電子カルテ検索支援システム10Bによれば、電子カルテに用いられたシェーマテンプレートの情報、設定注目領域51および検索用注目領域52を用いて検索を行うことにより、電子カルテに登録されたテキスト情報がゆらいでいる場合または電子カルテにテキスト情報が登録されていない場合であっても、ユーザが所望する電子カルテの検索を支援することができる。なお、本実施形態においても所定の除外条件を用いて検索結果を絞り込んでもよい。
【0133】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0134】
また、本発明の実施形態では、フローチャートの各ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。