(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2工程において、さらに、前記第1開口内において、前記厚み方向に投影したときに、前記補強金属支持部と重なる補強絶縁部を有するように絶縁層を形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の配線回路基板の製造方法。
互いに隣り合う前記複数の端子部の隣接方向における前記補強絶縁部の長さは、前記複数の端子部間の距離に対して、10%〜100%であることを特徴とする、請求項3または4に記載の配線回路基板の製造方法。
互いに隣り合う前記複数の端子部の隣接方向における前記補強金属支持部の長さは、前記複数の端子部間の距離に対して、10%〜100%であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の配線回路基板の製造方法。
金属支持層と、前記金属支持層の厚み方向一方側に形成される絶縁層と、互いに間隔を隔てて配置される複数の端子部を有し、前記絶縁層の厚み方向一方側に形成される導体層とを備え、
前記厚み方向に投影したときに、前記絶縁層は、前記複数の端子部を含むように形成される第1開口を備え、前記金属支持層は、前記複数の端子部を含むように形成される第2開口を備える配線回路基板であって、
前記厚み方向に投影したときに、前記第1開口内において、前記複数の端子部の間に配置される少なくとも1つの補強絶縁部、および/または、前記第2開口内において、前記複数の端子部の間に配置される少なくとも1つの補強金属支持部を備え、
前記第2開口は、互いに隣り合う前記複数の端子部の隣接方向における一方側端縁と、前記隣接方向における他方側端縁と、前記厚み方向および前記隣接方向の両方向と直交する幅方向における両端縁とを有し、
前記隣接方向における一方側端縁と、前記隣接方向における他方側端縁と、前記幅方向における両端縁とが連続することにより、それらの内側のみに開口を区画することを特徴とする、配線回路基板。
【発明を実施するための形態】
【0041】
この回路付サスペンション基板は、ハードディスクドライブの磁気ヘッド(図示せず)を実装して、その磁気ヘッドを、磁気ヘッドと磁気ディスクとが相対的に走行する時の空気流に抗して、磁気ディスクとの間に微小な間隔を保持しながら支持するものであり、磁気ヘッドと、外部の回路としてのリード・ライト基板とを接続するための配線が、一体的に形成されている。
【0042】
なお、
図1において、紙面左側が、回路付サスペンション基板1の長手方向(隣接方向)における一方側であり、紙面右側が、回路付サスペンション基板1の長手方向(隣接方向)における他方側である。また、
図1において、紙面上側が、回路付サスペンション基板1の幅方向における一方側であり、紙面下側が、回路付サスペンション基板1の幅方向における他方側である。また、
図3〜
図5において、紙面上側が、回路付サスペンション基板1の上側(厚み方向における一方側)であり、紙面下側が、回路付サスペンション基板1の下側(厚み方向における他方側)である。
【0043】
回路付サスペンション基板1は、
図1に示すように、長手方向に延びる平面視略矩形の平帯形状に形成されている。回路付サスペンション基板1は、その長手方向一方側に配置され、磁気ヘッド(図示せず)を備えるスライダ(図示せず)が搭載されるスライダ搭載部8と、その長手方向他方側に配置され、外部基板としてのリード・ライト基板(図示せず)に電気的に接続される外部接続部9と、スライダ搭載部8と外部接続部9との間において、長手方向に延びる配線部10とを備えている。
【0044】
また、回路付サスペンション基板1は、導体層の一例としての導体パターン4を備えている。
【0045】
導体パターン4は、複数(6つ)のヘッド側端子13と、複数(6つ)の端子部の一例としての外部側端子14と、複数(6つ)の配線15とを備えている。
【0046】
複数のヘッド側端子13は、スライダ搭載部8において、幅方向に互いに間隔(好ましくは、等間隔)を隔てて並列配置されている。ヘッド側端子13は、平面視略矩形状(角ランド)に形成されている。ヘッド側端子13は、スライダ(図示せず)の磁気ヘッド(図示せず)に電気的に接続される。
【0047】
複数の外部側端子14は、外部接続部9において、長手方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。外部側端子14は、平面視略矩形状(角ランド)に形成されている(
図2参照)。外部側端子14は、リード・ライト基板(図示せず)に電気的に接続される。
【0048】
複数の配線15は、複数のヘッド側端子13と、複数の外部側端子14とを接続するように設けられている。詳しくは、複数の配線15は、配線部10において、幅方向に互いに間隔を隔てて並列配置されており、長手方向に延びるように形成されている。そして、配線15は、スライダ搭載部8において、幅方向両外側に膨出し、長手方向一方側に延びた後、幅方向内側に延び、長手方向他方側に折り返されて、その一端部がヘッド側端子13に接続されている。また、配線15は、外部接続部9において、幅方向他方側に屈曲した後、その他端部が外部側端子14に接続されている。なお、配線15は、ヘッド側端子13および外部側端子14よりも幅狭に形成されている。
【0049】
また、回路付サスペンション基板1は、
図1および
図5(l)に示すように、長手方向に延びる金属支持層の一例としての支持基板2と、その支持基板2の上面に積層される絶縁層の一例としてのベース絶縁層3と、そのベース絶縁層3の上面に積層される導体パターン4と、その導体パターン4を被覆するように、ベース絶縁層3の上面に積層されるカバー絶縁層5(
図1、
図2および
図6では省略、
図5および
図9を参照)とを備えている。
【0050】
そして、外部接続部9において、支持基板2には、
図2(b)および
図5(l)に示すように、第2開口の一例としての支持基板側開口部22が形成されている。
【0051】
支持基板側開口部22は、支持基板2を厚み方向に貫通し、厚み方向に投影したときに、複数の外部側端子14を全て含む、平面視略矩形状に形成されている。詳しくは、平面視において、支持基板側開口部22の幅方向両端縁は、外部側端子14の幅方向両端縁よりも、幅方向内側となるように形成されている。また、平面視において、支持基板側開口部22は、その長手方向一方側端縁が、最も長手方向一方側の外部側端子14よりも、長手方向一方側となるように形成されており、その長手方向他方側端縁が、最も長手方向他方側の外部側端子14よりも、長手方向他方側となるように形成されている。
【0052】
そして、外部接続部9において、支持基板側開口部22に対応して、ベース絶縁層3には第1開口の一例としてのベース側開口部23が形成され、カバー絶縁層5にはカバー側開口部24が形成されている。つまり、厚み方向に投影したときに、ベース側開口部23とカバー側開口部24とは、支持基板側開口部22と重複する。
【0053】
このように、複数の外部側端子14は、支持基板側開口部22およびベース側開口部23から、その下面が露出され、カバー側開口部24から、その上面が露出されるように配置されることにより、フライングリードとして構成されている。そして、この外部側端子14は、その下面には、導体薄膜18が形成され、その上面および両側面には、めっき層19が形成されている。
【0054】
なお、回路付サスペンション基板1では、
図2(a)に示すように、外部接続部9において、後で詳述するように複数(5つ)の補強金属支持部の一例としての補強支持部25を除去せず、形成したままの態様がある。
【0055】
複数の補強支持部25は、支持基板2における支持基板側開口部22の幅方向一方側と他方側とを連結するように形成され、厚み方向に投影したときに、複数の外部側端子14間に配置されるように、長手方向に間隔(好ましくは、等間隔)を隔てて配置されている。言い換えると、補強支持部25は、1つの支持基板側開口部22内に、複数配置されている。すなわち、複数の補強支持部25のそれぞれは、厚み方向に投影したときに、互いに隣り合う外部側端子14の間に配置されている。つまり、複数の補強支持部25は、厚み方向に投影したときに、複数の外部側端子14と交互に配置されている。詳しくは、厚み方向に投影したときに、補強支持部25の長手方向における中央が、互いに隣接する外部側端子14間における中央と一致するように配置されている。
【0056】
このような回路付サスペンション基板1によれば、複数の補強支持部25によって、支持基板2の支持基板側開口部22を補強することができるので、回路付サスペンション基板1に衝撃や振動が加わった場合であっても、複数の外部側端子14を保護することができる。
【0057】
その結果、外部側端子14のたわみや折れを抑制することができる。
【0058】
また、回路付サスペンション基板1では、
図6に示すように、外部接続部9において、後で詳述するように複数(5つ)の補強支持部25、および、複数(5つ)の補強絶縁部31の両方を除去せず、形成したままの態様がある。
【0059】
複数の補強支持部25は、厚み方向に投影したときに、複数の外部側端子14と交互となるように、支持基板側開口部22内に配置されている(
図2(a)参照)。
【0060】
複数の補強絶縁部31は、ベース絶縁層3におけるベース側開口部23の幅方向一方側と他方側とを連結し、対応する補強支持部25の上面に積層されるように形成され、厚み方向に投影したときに、複数の外部側端子14間に配置されるように、長手方向に間隔(好ましくは、等間隔)を隔てて配置されている。言い換えると、補強絶縁部31は、1つのベース側開口部23内に、複数配置されている。すなわち、複数の補強絶縁部31のそれぞれは、厚み方向に投影したときに、互いに隣り合う外部側端子14の間に配置されている。つまり、複数の補強絶縁部31は、厚み方向に投影したときに、複数の外部側端子14と交互に配置されている。詳しくは、厚み方向に投影したときに、補強絶縁部31の長手方向における中央が、互いに隣接する外部側端子14間における中央と一致するように配置されている。
【0061】
このような回路付サスペンション基板1によれば、厚み方向に投影したときに、補強絶縁部31と補強支持部25とが重なるように配置され、高い剛性を備えることができるので、回路付サスペンション基板1に衝撃や振動が加わった場合であっても、より確実に外部側端子14を保護することができる。
【0062】
そのため、補強絶縁部31および補強支持部25部のいずか一方のみが形成されている場合と比較して、外部側端子14のたわみや折れをより抑制することができる。
【0063】
次に、製造工程の途中において、補強支持部25が形成される回路付サスペンション基板1の第1の製造方法について、
図3、
図4、および、
図5を参照して説明する。
【0064】
まず、この第1の製造方法では、
図3(a)に示すように、長手方向に延びる平帯状の支持基板2を用意する(第1工程)。
【0065】
支持基板2は、例えば、ステンレス、42アロイ、アルミニウム、銅−ベリリウム、りん青銅などの金属材料から形成される。好ましくは、ステンレスから形成される。
【0066】
また、支持基板2は、その厚さが、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、35μm以下のものが用いられる。
【0067】
次に、この方法では、
図3(b)に示すように、ベース絶縁層3を、支持基板2の上面に、導体パターン4が形成される部分に形成する。このとき、外部接続部9では、ベース絶縁層3を、厚み方向に投影したときに支持基板側開口部22と重複するベース側開口部23を形成するとともに、複数の外部側端子14に対応する複数の端子形成部27が形成されるパターンに形成する(第2工程)。
【0068】
複数の端子形成部27は、ベース絶縁層3におけるベース側開口部23の幅方向一方側と他方側とを連結するように形成され、長手方向に互いに間隔を隔てて配置される。なお、端子形成部27は、その後の工程で、その上面に、複数の外部側端子14を形成した後、除去される。
【0069】
ベース絶縁層3は、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、アクリル、ポリエーテル、ニトリル、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂から形成される。好ましくは、熱寸法安定性などの観点から、ポリイミドから形成される。
【0070】
ベース絶縁層3を形成するには、例えば、支持基板2の上面に、感光性の合成樹脂の溶液(ワニス)を塗布して、乾燥させて、感光性のベース皮膜を形成する。
【0071】
次いで、感光性のベース皮膜を、図示しないフォトマスクを介して露光する。フォトマスクは、遮光部分、および、光全透過部分をパターンで備えており、ベース絶縁層3(複数の端子形成部27含む)を形成する部分には光全透過部分を、ベース絶縁層3を形成しない部分(すなわち、ベース側開口部23が形成される部分)には遮光部分を、ベース皮膜に対して、対向配置する。
【0072】
その後、露光後のベース皮膜を現像し、加熱硬化させる。
【0073】
これによって、ベース絶縁層3が、ベース側開口部23と、複数の端子形成部27とが形成されるパターンに形成される。
【0074】
このようにして形成されるベース絶縁層3(複数の端子形成部27含む)の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上であり、例えば、35μm以下、好ましくは、15μm以下である。
【0075】
また、複数の端子形成部27の幅(長手方向長さ)は、外部側端子14の幅(長手方向長さ、外部側端子14の幅L3(
図2参照、後述)とする)に対して、例えば、同一長さ以上、好ましくは、外部側端子14の幅L3+20μm以上であり、例えば、外部側端子14の幅L3+200μm以下、好ましくは、外部側端子14の幅L3+100μmとなるように設定される。
【0076】
次に、この方法では、導体パターン4を、ベース絶縁層3の上面に、ヘッド側端子13、外部側端子14、および、配線15が形成されるパターンに形成する。このとき、外部接続部9では、複数の外部側端子14のそれぞれは、ベース絶縁層3の複数の端子形成部27のそれぞれの上面に形成される。
【0077】
また、導体パターン4を形成するには、ベース絶縁層3の上面に、導体パターン4を、例えば、サブトラクティブ法、アディティブ法などの公知のパターンニング法によって形成すればよく、好ましくは、アディティブ法が用いられる。
【0078】
アディティブ法では、
図3(c)に示すように、導体薄膜18を、ベース絶縁層3の上面と、ベース側開口部23から露出する支持基板2の上面とに形成する。詳しくは、導体薄膜18を、ベース絶縁層3の上面と、ベース絶縁層3のベース側開口部23の内側面と、ベース絶縁層3のベース側開口部23から露出する支持基板2の上面と、ベース絶縁層3の複数の端子形成部27の側面および上面とに、連続して形成する。
【0079】
導体薄膜18は、例えば、クロムや銅などから形成される。
【0080】
導体薄膜18の形成は、真空蒸着法、とりわけ、スパッタリングが好ましく用いられる。導体薄膜18は、複数の導体薄膜18を積層してもよく、好ましくは、クロム薄膜をスパッタリングによって形成する。なお、クロム薄膜の厚みが、例えば、100Å以上、600Å以下である。
【0081】
次いで、
図3(d)に示すように、めっきレジスト28を、導体薄膜18の上面に、導体パターン4(ヘッド側端子13、外部側端子14、および、配線15)の反転パターンで形成する。このとき、外部接続部9では、めっきレジスト28を、導体薄膜18の上面に、外部側端子14の反転パターンで形成する。
【0082】
めっきレジスト28は、例えば、ドライフィルムレジストなどを用いて公知の方法により、上記したレジストパターンとして形成する。
【0083】
次いで、
図4(e)に示すように、導体パターン4(ヘッド側端子13、外部側端子14、および、配線15)をめっきレジスト28から露出する導体薄膜18の上面に形成する。このとき、外部側端子14を、めっきレジスト28から露出する導体薄膜18の上面(端子形成部27の上面)に、形成する(第3工程)。
【0084】
導体パターン4は、例えば、銅、ニッケル、金、はんだ、またはこれらの合金などの導体材料から形成される。好ましくは、銅から形成される。
【0085】
また、導体パターン4は、めっきにより形成する。めっきは、電解めっき、無電解めっきのいずれでもよいが、電解めっきが好ましく用いられ、とりわけ、電解銅めっきが好ましく用いられる。
【0086】
このようにして形成される導体パターン4の厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、20μm以下である。
【0087】
また、ヘッド側端子13の幅(幅方向長さ)は、例えば、20μm以上、好ましくは、35μm以上であり、例えば、100μm以下、好ましくは、80μm以下である。
【0088】
また、複数のヘッド側端子13間の間隔は、例えば、20μm以上、好ましくは、30μm以上であり、例えば、100μm以下、好ましくは、80μm以下である。
【0089】
また、外部側端子14の幅(長手方向長さ、外部側端子14の幅L3(
図2参照)とする)は、例えば、100μm以上、好ましくは、150μm以上であり、例えば、400μm以下、好ましくは、300μm以下である。
【0090】
また、複数の外部側端子14間の間隔(外部側端子14間の距離L4(
図2参照)とする)は、例えば、30μm以上、好ましくは、50μm以上であり、例えば、800μm以下、好ましくは、600μm以下である。
【0091】
また、配線15の幅(幅方向長さ)は、例えば、8μm以上、好ましくは、10μm以上であり、例えば、250μm以下、好ましくは、200μm以下である。
【0092】
また、複数の配線15間の間隔は、例えば、8μm以上、好ましくは、10μm以上であり、例えば、250μm以下、好ましくは、200μm以下である。
【0093】
次いで、
図4(f)に示すように、めっきレジスト28を、例えば、エッチング、剥離などによって除去する。
【0094】
次いで、
図4(g)に示すように、導体パターン4(ヘッド側端子13、外部側端子14、および、配線15)から露出する導体薄膜18を、例えば、ウェットエッチング(例えば、化学エッチング)などの公知のエッチング法によって、除去する。
【0095】
これにより、導体パターン4(ヘッド側端子13、外部側端子14、および、配線15)が導体薄膜18の上面に形成される。
【0096】
次いで、
図4(h)に示すように、カバー絶縁層5を、ベース絶縁層3の上面に、配線15を被覆し、ヘッド側端子13、および、外部側端子14を露出させるように形成する。このとき、外部接続部9では、カバー絶縁層5を、カバー側開口部24が形成されるパターンに形成する。
【0097】
カバー絶縁層5は、ベース絶縁層3と同一の合成樹脂から形成され、好ましくは、ポリイミドから形成される。
【0098】
カバー絶縁層5を形成するには、例えば、感光性の合成樹脂(ワニス)を、配線15を含むベース絶縁層3の上面に塗布して、感光性のカバー皮膜を形成した後、ベース絶縁層3と同様に、図示しないフォトマスクを介して露光し、現像した後、加熱硬化させる。
【0099】
これによって、カバー絶縁層5が、配線15を被覆するとともに、ヘッド側端子13、および、外部側端子14を露出させる、つまり、外部接続部9では、カバー側開口部24が形成されるパターンに形成される。
【0100】
このようにして形成されるカバー絶縁層5の厚みは、例えば1μm以上、好ましくは、2μm以上である。
【0101】
次いで、
図5(i)に示すように、外部接続部9では、支持基板2を部分的に除去して、支持基板側開口部22、および、補強支持部25を形成する(第4工程)。
【0102】
例えば、支持基板側開口部22、および、補強支持部25を形成するには、ドライエッチング(例えば、プラズマエッチング)や、ウェットエッチング(例えば、化学エッチング)などのエッチング法、例えば、ドリル穿孔、レーザ加工などが用いられる。好ましくは、ウェットエッチングが用いられる。
【0103】
これによって、支持基板2が、支持基板側開口部22、および、補強支持部25が形成されるパターンに加工される。
【0104】
このようにして形成される支持基板側開口部22は、その長手方向長さが、例えば、4000μm以上、好ましくは、5500μm以上であり、例えば、20000μm以下、好ましくは、10000μm以下であり、その幅方向長さ(支持基板側開口部22の幅L2(
図2参照)とする)が、例えば、50μm以上、好ましくは、100μm以上であり、例えば、3000μm以下、好ましくは、2000μm以下である。
【0105】
また、このようにして形成される補強支持部25は、その幅(長手方向長さ、補強支持部25の幅L1(
図2参照)とする)が、外部側端子14間の距離L4に対して、例えば、10%以上、好ましくは、30%以上であり、例えば、100%以下、好ましくは、90%以下となるように、例えば、30μm以上、好ましくは、50μm以上であり、例えば、800μm以下、好ましくは、600μm以下に形成される。補強支持部25の長さ(幅方向長さ)は、例えば、50μm以上、好ましくは、100μm以上であり、例えば、3000μm以下、好ましくは、2000μm以下である。
【0106】
また、複数の補強支持部25間の間隔は、例えば、100μm以上、好ましくは、200μm以上であり、例えば、600μm以下、好ましくは、400μm以下である。
【0107】
次いで、
図5(j)に示すように、支持基板側開口部22から露出するベース絶縁層3の複数の端子形成部27をウェットエッチング(例えば、化学エッチング)などのエッチング法により除去する(第5工程)。
【0108】
なお、ウェットエッチングでは、ベース絶縁層3における端子形成部27以外の部分は、支持基板2がエッチングレジストとなり、ウェットエッチングが阻止される。
【0109】
これにより、複数の外部側端子14は、その上面が、カバー側開口部24から露出され、その下面(すなわち、外部側端子14の下面に形成される導体薄膜18の下面)が、ベース側開口部23およびカバー側開口部24から露出されることにより、フライングリードとして構成される。
【0110】
次いで、
図5(k)に示すように、めっき層19を、外部側端子14の上面および両側面に形成する。
【0111】
めっき層19は、例えば、ニッケルや金などから形成される。
【0112】
めっき層19の形成は、電解めっきおよび無電解めっきのいずれの方法を用いてもよく、好ましくは、電解めっきが用いられる。めっき層19は、複数のめっき層19を積層してもよく、好ましくは、ニッケルめっき層と、金めっき層とを、電解ニッケルめっきと電解金めっきとによって順次形成する。
【0113】
このようにして形成されるめっき層19の厚み(ニッケルめっき層および金めっき層の厚み)は、いずれも、例えば、0.05μm以上、好ましくは、0.1μm以上であり、例えば、5μm以下、好ましくは、3μm以下である。
【0114】
その後、
図5(l)に示すように、
補強支持部25を除去するとともに、支持基板2を外形加工する。
補強支持部25を除去するとともに、支持基板2を外形加工するには、ドライエッチング(例えば、プラズマエッチング)や、ウェットエッチング(例えば、化学エッチング)などのエッチング法、例えば、ドリル穿孔、レーザ加工などが用いられる。好ましくは、ウェットエッチングが用いられる。
【0115】
次いで、支持基板2を、例えば、水や、メタノール、アセトンなどの洗浄溶媒で洗浄し、電気検査、外観検査を実施する。
【0116】
これにより、回路付サスペンション基板1を得る。
【0117】
このような回路付サスペンション基板1の製造方法によれば、
図5に示すように、支持基板2を部分的に除去したときに、支持基板側開口部22が形成されるとともに、複数の補強支持部25が、外部側端子14と交互となるように、隣り合う外部側端子14の間に配置される。
【0118】
そのため、複数の補強支持部25によって、支持基板2の支持基板側開口部22を補強することができるので、その後の工程、すなわち、支持基板側開口部22から露出するベース絶縁層3の複数の端子形成部27をウェットエッチングなどのエッチング法により除去する工程(第5工程)、および、めっき層19を、外部側端子14の上面および両側面に形成する工程において、回路付サスペンション基板1に衝撃や振動が加わった場合であっても、複数の外部側端子14の間に配置される補強支持部25によって、複数の外部側端子14を保護することができる。
【0119】
その結果、回路付サスペンション基板1の製造工程において、フライングリードとして構成される外部側端子14のたわみや折れを抑制することができる。
【0120】
また、このような回路付サスペンション基板1の製造方法によれば、支持基板側開口部22から露出するベース絶縁層3の複数の端子形成部27をウェットエッチングなどのエッチング法により除去する工程(第5工程)、および、めっき層19を、外部側端子14の上面および両側面に形成する工程において、補強支持部25によって、外部側端子14を保護することができながら、複数の補強支持部25を除去することにより、厚み方向に投影したときに、ベース側開口部23および支持基板側開口部22内に外部側端子14のみを配置させることができる。
【0121】
また、本発明の回路付サスペンション基板1の製造方法によれば、補強支持部25の幅L1は、外部側端子14間の距離L4に対して、上記した範囲であるので、補強支持部25によって、外部側端子14を保護することができながら、外部側端子14の厚み方向一方側面および他方側面の両方を確実に露出させることができる。
【0122】
そのため、回路付サスペンション基板1の製造工程において、外部側端子14のたわみや折れを抑制することができながら、外部のリード・ライト基板(図示せず)との接続を確実に実施することができる。
【0123】
次に、製造工程の途中において、補強支持部25と補強絶縁部31とが形成される回路付サスペンション基板1の第2の製造方法について、
図3、
図7、
図8、および、
図9を参照して説明する。なお、
図7、
図8、および、
図9に示す回路付サスペンション基板1の製造方法において、
図3、
図4、および、
図5に示す回路付サスペンション基板1の製造方法(以下、上記の製造方法とする)と同様の部分については、その説明を省略する。
【0124】
まず、この第2の製造方法では、
図3(a)に示すように、長手方向に延びる平帯状の支持基板2を用意する(第1工程)。
【0125】
次に、
図7(a)に示すように、ベース絶縁層3を、支持基板2の上面に、厚み方向に投影したときに支持基板側開口部22と重複するベース側開口部23を形成するとともに、複数の外部側端子14に対応する複数の端子形成部27と、複数の補強支持部25に対応する複数の補強絶縁部31とが形成されるパターンに形成する(第2工程)。
【0126】
より具体的には、複数の端子形成部27は、上記の製造方法と同様のパターンに形成される。複数の補強絶縁部31のそれぞれは、ベース絶縁層3におけるベース側開口部23の幅方向一方側と他方側とを連結するように形成され、隣接する複数の端子形成部27間に配置される。つまり、複数の補強絶縁部31は、ベース側開口部23において、長手方向に互いに間隔を隔てて配置される。なお、補強絶縁部31は、その後の工程で、複数の補強支持部25を除去した後、除去される。
【0127】
このようにして形成される複数の補強絶縁部31の厚みは、端子形成部27と同様である。つまり複数の補強絶縁部31の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上であり、例えば、35μm以下、好ましくは、15μm以下である。
【0128】
また、複数の補強絶縁部31の幅(長手方向長さ、補強絶縁部31の幅L5(
図6参照)とする)は、外部側端子14間の距離L4に対して、例えば、10%以上、好ましくは、30%以上であり、例えば、100%以下、好ましくは、90%以下となるように、例えば、30μm以上、好ましくは、50μm以上であり、例えば、800μm以下、好ましくは、600μm以下に形成される。補強絶縁部31の長さ(幅方向長さ)は、例えば、50μm以上、好ましくは、100μm以上であり、例えば、3000μm以下、好ましくは、2000μm以下である。
【0129】
また、複数の補強絶縁部31間の間隔は、例えば、100μm以上、好ましくは、200μm以上であり、例えば、600μm以下、好ましくは、400μm以下である。
【0130】
次いで、
図7(b)に示すように、導体薄膜18を、ベース絶縁層3の上面と、ベース側開口部23から露出する支持基板2の上面とに形成する。
【0131】
次いで、
図7(c)に示すように、めっきレジスト28を、導体薄膜18の上面に、導体パターン4(ヘッド側端子13、外部側端子14、および、配線15)の反転パターンで形成する。なお、複数の補強絶縁部31の上面には、導体パターン4が形成されないので、めっきレジスト28を、補強絶縁部31の全体を覆うように、形成する。
【0132】
次いで、
図7(d)に示すように、導体パターン4(ヘッド側端子13、外部側端子14、および、配線15)をめっきレジスト28から露出する導体薄膜18の上面に形成する。このとき、外部側端子14を、めっきレジスト28から露出する導体薄膜18の上面(端子形成部27の上面)に、形成する(第3工程)。
【0133】
次いで、
図8(e)に示すように、めっきレジスト28を、例えば、エッチング、剥離などによって除去する。
【0134】
次いで、
図8(f)に示すように、導体パターン4(ヘッド側端子13、外部側端子14、および、配線15)から露出する導体薄膜18を除去する。
【0135】
次いで、
図8(g)に示すように、カバー絶縁層5を、ベース絶縁層3の上面に、配線15を被覆し、ヘッド側端子13、外部側端子14、および、補強絶縁部31を露出させるように形成する。
【0136】
次いで、
図8(h)に示すように、外部接続部9では、支持基板2を部分的に除去して、支持基板側開口部22、および、補強支持部25を形成する(第4工程)。
【0137】
次いで、
図9(i)に示すように、支持基板側開口部22から露出するベース絶縁層3の複数の端子形成部27を除去する(第5工程)。
【0138】
これにより、複数の外部側端子14は、その上面が、カバー側開口部24から露出され、その下面(すなわち、外部側端子14の下面に形成される導体薄膜18の下面)が、ベース側開口部23およびカバー側開口部24から露出されることにより、フライングリードとして構成される。
【0139】
次いで、
図9(j)に示すように、めっき層19を、外部側端子14の上面および両側面に形成する。
【0140】
次いで、
図9(k)に示すように、
補強支持部25を除去する。
【0141】
その後、
図9(l)に示すように、支持基板側開口部22から露出するベース絶縁層3の複数の補強絶縁部31をウェットエッチング(例えば、化学エッチング)などのエッチング法により除去する。
【0142】
次いで、支持基板2を、外形加工する。
【0143】
そして、支持基板2を、上記の製造方法と同様に、例えば、水や、メタノール、アセトンなどの洗浄溶媒で洗浄し、電気検査、外観検査を実施する。
【0144】
これにより、回路付サスペンション基板1を得る。
【0145】
このようにして得られる回路付サスペンション基板1の構成は、製造工程は異なるが、上記の製造方法によって得られる回路付サスペンション基板1の構成と同一である。
【0146】
このような回路付サスペンション基板1の製造方法によれば、
図9に示すように、複数の補強支持部25によって、支持基板2の支持基板側開口部22を補強することができるとともに、複数の補強絶縁部31によって、ベース絶縁層3のベース側開口部23を補強することができる。
【0147】
そのため、その後の工程、すなわち、支持基板側開口部22から露出するベース絶縁層3の複数の端子形成部27をウェットエッチングなどのエッチング法により除去する工程(第5工程)、および、めっき層19を、外部側端子14の上面および両側面に形成する工程において、回路付サスペンション基板1に衝撃や振動が加わった場合であっても、複数の外部側端子14の間に配置される補強支持部25と、補強絶縁部31とによって、複数の外部側端子14を確実に保護することができる。
【0148】
その結果、製造前後において、外部側端子14のたわみや折れをより抑制することができる。
【0149】
また、このような回路付サスペンション基板1の製造方法によれば、支持基板側開口部22から露出するベース絶縁層3の複数の端子形成部27をウェットエッチングなどのエッチング法により除去する工程(第5工程)、および、めっき層19を、外部側端子14の上面および両側面に形成する工程において、補強絶縁部31によって、外部側端子14を保護することができながら、複数の補強絶縁部31を除去することにより、厚み方向に投影したときに、ベース側開口部23および支持基板側開口部22内に外部側端子14のみを配置させることができる。
【0150】
また、このような回路付サスペンション基板1の製造方法によれば、補強絶縁部31の幅L5は、外部側端子14間の距離L4に対して、上記した範囲であるので、補強絶縁部31によって、外部側端子14を保護することができながら、外部側端子14の厚み方向一方側面および他方側面の両方を確実に露出させることができる。
【0151】
そのため、回路付サスペンション基板1の製造工程において、外部側端子14のたわみや折れを抑制することができながら、外部のリード・ライト基板(図示せず)との接続を確実に実施することができる。
【0152】
図2(a)および
図5(k)を参照して、配線回路基板の第1の製造方法の変形例を説明する。なお、第1の製造方法の変形例において、上記した各部に対応する部材については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0153】
上記した
図3〜
図5の配線回路基板の製造方法により得られる回路付サスペンション基板1では、外部接続部9において、
図5(l)に示すように、補強支持部25を除去して、回路付サスペンション基板1を得ているが、補強支持部25を除去せずに回路付サスペンション基板1を得ることもできる。
【0154】
具体的には、
図5(k)に示すように、めっき層19を、外部側端子14の上面および両側面に形成した後、
補強支持部25を除去せずに、支持基板2を外形加工する。
【0155】
これにより、
図2(a)および
図5(k)に示す外部接続部9を備える回路付サスペンション基板1を得る。
【0156】
このような回路付サスペンション基板1の第1の製造方法の変形例によれば、製造後においても、補強支持部25によって、外部側端子14を保護することができる。
【0157】
また、複数の外部側端子14は、複数の補強支持部25の間から露出されているので、外部のリード・ライト基板(図示せず)との接続を確実に実施することができながら、接続時における外部側端子14のたわみや折れを抑制することができる。
【0158】
次いで、
図6および
図9(j)を参照して、配線回路基板の第2の製造方法の変形例を説明する。
【0159】
なお、第2の製造方法の変形例において、上記した各部に対応する部材については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0160】
上記した
図7〜
図9の配線回路基板の製造方法により得られる回路付サスペンション基板1では、外部接続部9において、
図9(k)および
図9(l)に示すように、補強支持部25および補強絶縁部31を除去して、回路付サスペンション基板1を得ているが、補強支持部25および補強絶縁部31を除去せずに回路付サスペンション基板1を得ることもできる。
【0161】
具体的には、
図9(j)に示すように、めっき層19を、外部側端子14の上面および両側面に形成した後、端子形成部27を除去せずに、支持基板2を外形加工する。
【0162】
これにより、
図6および
図9(j)に示す外部接続部9を備える回路付サスペンション基板1を得る。
【0163】
このような回路付サスペンション基板1の第2の製造方法の変形例によれば、製造後においても、補強支持部25と補強絶縁部31とが重なるように配置されているので、補強支持部25および補強絶縁部31の両方によって、より確実に外部側端子14を保護することができる。
【0164】
また、複数の外部側端子14は、複数の補強支持部25および複数の補強絶縁部31の間から露出されているので、外部のリード・ライト基板(図示せず)との接続を確実に実施することができながら、接続時における外部側端子14のたわみや折れをより抑制することができる。
【実施例】
【0165】
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、それらに限定されない。
【0166】
実施例1
ステンレスからなる厚み18μmの長手方向に延びる平帯状の支持基板を用意した(
図3(a)参照)。
【0167】
次いで、支持基板の上面に、感光性のポリイミド樹脂前駆体の溶液(ワニス)を塗布して、乾燥させて、感光性のベース皮膜を形成し、感光性のベース皮膜を、図示しないフォトマスクを介して露光した。フォトマスクは、遮光部分、および、光全透過部分をパターンで備えており、ベース絶縁層(複数の端子形成部含む)を形成する部分には光全透過部分を、ベース絶縁層を形成しない部分(すなわち、ベース側開口部が形成される部分)には遮光部分を、ベース皮膜に対して、対向配置した。その後、露光後のベース皮膜を現像し、加熱硬化させることによって、ポリイミドからなる厚み8μmのベース絶縁層を形成した。このとき、外部接続部では、ベース絶縁層を、厚み方向に投影したときに、後に形成する支持基板側開口部と重複するベース側開口部を形成するとともに、複数の外部側端子に対応する複数の端子形成部が形成されるパターンに形成した(
図3(b)参照)。
【0168】
次いで、厚み300Åのクロム薄膜を、スパッタ蒸着法により、ベース絶縁層の上面と、ベース側開口部から露出する支持基板の上面とに形成した(
図3(c)参照)。
【0169】
次いで、めっきレジストを、導体薄膜の上面に、導体パターン(ヘッド側端子、外部側端子、および、配線)の反転パターンで形成した(
図3(d)参照)。
【0170】
次いで、電解銅めっきにより、厚み12μmの導体パターン(ヘッド側端子、外部側端子、および、配線)を、めっきレジストから露出する導体薄膜の上面に形成した(
図4(e)参照)。
【0171】
ヘッド側端子の幅(幅方向長さ)は、55μmであった。
【0172】
複数のヘッド側端子間の間隔は、32μmであった。
【0173】
外部側端子の幅(長手方向長さ、外部側端子の幅L3)は、160μmであった。
【0174】
複数の外部側端子間の間隔(外部側端子間の距離L4)は、420μmであった。
【0175】
配線の幅(幅方向長さ)は、15μmであった。
【0176】
複数の配線間の間隔は、15μmであった。
【0177】
次いで、めっきレジストをエッチングによって除去した(
図4(f)参照)。
【0178】
次いで、導体パターン(ヘッド側端子、外部側端子、および、配線)から露出する導体薄膜をウェットエッチングにより除去した(
図4(g)参照)。
【0179】
次いで、感光性のポリイミド樹脂前駆体の溶液(ワニス)を、配線を含むベース絶縁層の上面に塗布して、感光性のカバー皮膜を形成した後、ベース絶縁層と同様に、図示しないフォトマスクを介して露光し、現像した後、加熱硬化させて、ポリイミドからなる厚み5μmのカバー絶縁層を、配線を被覆するとともに、ヘッド側端子、および、外部側端子を露出させるとともに、カバー側開口部が形成されるパターンに形成した(
図4(h)参照)。
【0180】
次いで、外部接続部における支持基板を、ウェットエッチングにより部分的に除去して、支持基板側開口部、および、補強支持部を形成した(
図4(i)参照)。
【0181】
支持基板側開口部は、その長手方向長さが、5580μmであり、その幅方向長さ(支持基板側開口部の幅L2)が、470μmであった。
【0182】
補強支持部は、その幅(長手方向長さ、補強支持部の幅L1)が、300μmであり、その長さ(幅方向長さ)は、470μmであった。
【0183】
複数の補強支持部間の間隔は、280μmであった。
【0184】
次いで、支持基板側開口部から露出するベース絶縁層の複数の端子形成部を、ウェットエッチングにより除去して、外部側端子をフライングリードとして構成した(
図4(j)参照)。
【0185】
次いで、電解ニッケルめっきと電解金めっきとによって、厚さ0.35μmのニッケルめっき層と、厚さ2.5μmの金めっき層とを、外部側端子上面および両側面に順次形成した(
図5(k)参照)。
【0186】
次いで、ウェットエッチングによって、補強支持部を除去するとともに、支持基板を外形加工した(
図5(l)参照)。
【0187】
これにより、回路付サスペンション基板を得た(
図2(b)および
図5(l)参照)。
【0188】
この回路付サスペンション基板の製造工程においては、フライングリードとして構成される外部側端子での変形は生じなかった。
【0189】
実施例2
上記の各工程において、補強支持部の幅(長手方向長さ、補強支持部の幅L1)を、50μmに形成した以外は、実施例1と同一の方法により、回路付サスペンション基板を得た(
図2(b)および
図5(l)参照)。
【0190】
この回路付サスペンション基板の製造工程においては、フライングリードとして構成される外部側端子での変形は生じなかった。
【0191】
実施例3
上記の各工程において、補強支持部を除去しなかったこと以外は、実施例1と同一の方法により、回路付サスペンション基板を得た(
図2(a)および
図5(k)参照)。
【0192】
この回路付サスペンション基板の製造工程においては、フライングリードとして構成される外部側端子での変形は生じなかった。
【0193】
実施例4
ステンレスからなる厚み18μmの長手方向に延びる平帯状の支持基板を用意した(
図3(a)参照)。
【0194】
次いで、支持基板の上面に、感光性のポリイミド樹脂前駆体の溶液(ワニス)を塗布して、乾燥させて、感光性のベース皮膜を形成し、感光性のベース皮膜を、図示しないフォトマスクを介して露光した。フォトマスクは、遮光部分、および、光全透過部分をパターンで備えており、ベース絶縁層(複数の端子形成部含む)を形成する部分には光全透過部分を、ベース絶縁層を形成しない部分(すなわち、ベース側開口部が形成される部分)には遮光部分を、ベース皮膜に対して、対向配置した。その後、露光後のベース皮膜を現像し、加熱硬化させることによって、ポリイミドからなる厚み8μmのベース絶縁層を形成した。このとき、外部接続部では、ベース絶縁層を、厚み方向に投影したときに、後に形成する支持基板側開口部と重複するベース側開口部を形成するとともに、複数の外部側端子に対応する複数の端子形成部と、複数の補強絶縁部とが形成されるパターンに形成した(
図7(a)参照)。
【0195】
補強絶縁部は、その幅(長手方向長さ、補強絶縁部の幅L5)が、100μmであり、その長さ(幅方向長さ)は、520μmであった。
【0196】
次いで、厚み300Åのクロム薄膜を、スパッタ蒸着法により、ベース絶縁層の上面と、ベース側開口部から露出する支持基板の上面とに形成した(
図7(b)参照)。
【0197】
次いで、めっきレジストを、導体薄膜の上面に、導体パターン(ヘッド側端子、外部側端子、および、配線)の反転パターンで形成した(
図7(c)参照)。
【0198】
次いで、電解銅めっきにより、厚み12μmの導体パターン(ヘッド側端子、外部側端子、および、配線)を、めっきレジストから露出する導体薄膜の上面に形成した(
図7(d)参照)。
【0199】
ヘッド側端子の幅(幅方向長さ)は、55μmであった。
【0200】
複数のヘッド側端子間の間隔は、32μmであった。
【0201】
外部側端子の幅(長手方向長さ、外部側端子の幅L3)は、200μmであった。
【0202】
複数の外部側端子間の間隔(外部側端子間の距離L4)は、520μmであった。
【0203】
配線の幅(幅方向長さ)は、15μmであった。
【0204】
複数の配線間の間隔は、15μmであった。
【0205】
次いで、めっきレジストをエッチングによって除去した(
図8(e)参照)。
【0206】
次いで、導体パターン(ヘッド側端子、外部側端子、および、配線)から露出する導体薄膜をウェットエッチングにより除去した(
図8(f)参照)。
【0207】
次いで、感光性のポリイミド樹脂前駆体の溶液(ワニス)を、配線を含むベース絶縁層の上面に塗布して、感光性のカバー皮膜を形成した後、ベース絶縁層と同様に、図示しないフォトマスクを介して露光し、現像した後、加熱硬化させて、ポリイミドからなる厚み5μmのカバー絶縁層を、配線を被覆するとともに、ヘッド側端子、および、外部側端子を露出させるとともに、カバー側開口部が形成されるパターンに形成した(
図8(g)参照)。
【0208】
次いで、外部接続部における支持基板を、ウェットエッチングにより部分的に除去して、支持基板側開口部、および、補強支持部を形成した(
図8(h)参照)。
【0209】
支持基板側開口部は、その長手方向長さが、5580μmであり、その幅方向長さ(支持基板側開口部の幅L2)が、700μmであった。
【0210】
補強支持部は、その幅(長手方向長さ、補強支持部の幅L1)が、60μmであり、その長さ(幅方向長さ)は、700μmであった。
【0211】
複数の補強支持部間の間隔は、400μmであった。
【0212】
次いで、支持基板側開口部から露出するベース絶縁層の複数の端子形成部を、ウェットエッチングにより除去して、外部側端子をフライングリードとして構成した(
図9(i)参照)。
【0213】
次いで、電解ニッケルめっきと電解金めっきとによって、厚さ0.35μmのニッケルめっき層と、厚さ2.5μmの金めっき層とを、外部側端子上面および両側面に順次形成した(
図9(j)参照)。
【0214】
次いで、ウェットエッチングによって、補強支持部を除去するとともに、支持基板を外形加工した(
図9(k)参照)。
【0215】
次いで、ウェットエッチングによって、補強絶縁部を除去した(
図9(l)参照)。
【0216】
これにより、回路付サスペンション基板を得た(
図2(b)および
図9(l)参照)。
【0217】
この回路付サスペンション基板の製造工程においては、フライングリードとして構成される外部側端子での変形は生じなかった。
【0218】
実施例5
上記の各工程において、補強支持部の幅(長手方向長さ、補強支持部の幅L1)を、100μmに形成し、補強絶縁部の幅(長手方向長さ、補強絶縁部の幅L5)を520μmに形成した以外は、実施例4と同一の方法により、回路付サスペンション基板を得た(
図2(b)および
図9(l)参照)。
【0219】
この回路付サスペンション基板の製造工程においては、フライングリードとして構成される外部側端子での変形は生じなかった。
【0220】
実施例6
上記の各工程において、補強支持部および補強絶縁部を除去しなかった以外は、実施例4と同一の方法により、回路付サスペンション基板を得た(
図6および
図9(j)参照)。
【0221】
この回路付サスペンション基板の製造方法においては、フライングリードとして構成される外部側端子での変形は生じなかった。
【0222】
比較例1
上記の各工程において、支持基板を部分的に除去するときに、支持基板側開口部のみを形成し、補強支持部を形成しなかったこと以外は、実施例1と同一の方法により、回路付サスペンション基板を得た(
図2(b)および
図5(l)参照)。
【0223】
この回路付サスペンション基板の製造工程においては、フライングリードとして構成される外部側端子において、一部変形を生じた。