(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被計量物をそれぞれ搬送して搬送終端から排出する複数の搬送部と、各搬送部に対応して配置されると共に、前記搬送終端から排出される被計量物を保持し、保持した被計量物を下方へ供給する複数の供給部と、各供給部に対応して配置されると共に、各供給部から供給される被計量物を保持し、該保持した被計量物の重量を計量する複数の計量部と、前記複数の計量部からの各計量信号をフィルタ処理するフィルタ処理手段と、該フィルタ処理手段によってフィルタ処理された各計量信号から取得した計量値に基づいて、1計量サイクル毎に組合せ演算を行う組合せ演算部とを備え、
前記フィルタ処理手段は、該フィルタ処理手段への入力信号に対し出力信号が所定の比率にまで応答する時間をフィルタ応答時間とし、1計量サイクル時間内において許容された前記応答時間でフィルタ処理する第1フィルタ処理手段を有する組合せ秤であって、
前記フィルタ処理手段は、前記第1フィルタ処理手段の応答時間を超える長さの、複数の計量サイクルに亘る応答時間の第2フィルタ処理手段を有し、前記組合せ演算に参加して組合せに選ばれなかった計量部については、その計量部からの計量信号を、前記第2フィルタ処理手段でフィルタ処理するものであり、
前記組合せ演算部は、前記組合せ演算に参加して組合せに選ばれなかった前記計量部については、前記第2フィルタ処理手段でフィルタ処理された計量信号から取得した計量値を、次回の組合せ演算に用いる、
ことを特徴とする組合せ秤。
前記第1フィルタ処理手段及び前記第2フィルタ処理手段のフィルタ処理は、FIRフィルタによるフィルタ処理であり、前記第2フィルタ処理手段の少なくとも1個のノッチに対応するFIRフィルタの有するタップ数が、前記第1フィルタ処理手段のいずれのノッチに対応するFIRフィルタの有するタップ数よりも多い、
請求項2に記載の組合せ秤。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図8は、上記特許文献1に記載されている多重移動平均処理の概要を説明するための図である。
【0007】
多重移動平均処理では、先ず、計量信号を高速でサンプリングして時系列データD
1、D
2……を取得し、
図8に示すように、これら時系列データのD
1から始まるn
1個(
図8では10個)の時系列データ(D
1〜D
10)の平均値
1M
1を得、次にD
2から始まるn
1個の時系列データ(D
2〜D
11)の平均値
1M
2を得る。以下、同様にして
1M
i個の移動平均データを得る。この一連の平均値を、第1次の移動平均という。
【0008】
そして、これら第1次の移動平均データ
1M
iに対してn
1個とは異なる数であるn
2個(
図8では11個)づつ平均をとって、
2M
i個の第2次の移動平均データを得る。以下、このような移動平均を繰り返すことを多重移動平均処理といい、上記n
1,n
2を移動平均数という。
【0009】
この多重移動平均処理において、次数と移動平均数とを選択することによって、計量信号に含まれる、計量部の固有振動や外的要因による振動等の不要な振動成分を減衰させることができる。
【0010】
ところで、組合せ秤では、計量処理の高速化が要求されているので、できるだけ短い時間で計量ホッパに供給された被計量物の計量を完了して、組合せ演算に参加させる必要がある。
【0011】
このため、組合せ秤の設定運転速度から決まる計量サイクルに応じた一定時間内に、計量信号に含まれる振動成分を所定の精度が得られるまでに減衰させる上記の多重移動平均処理の事例の如く複数種類のフィルタを従属接続したフィルタ処理を行なっている。
【0012】
このような構成のフィルタ処理において、フィルタは所定の大きさAの入力信号に対し所定の大きさの出力(例えば0.999A)を得るまでに要する時間、すなわちフィルタ応答時間は、1計量サイクルの中で、重量センサから出力される計量信号が、被計量物の重量に応答し終えたタイミングから組合せ選択演算が実施されるタイミングまでの間の時間に制限されている。
【0013】
しかし、上記のように組合せ秤は、計量部の固有振動を初め交流ノイズ信号や種々の機械振動信号が計量信号に対して振動ノイズ信号として混入しており、これらの振動ノイズ信号を減衰除去するには、それぞれの振動ノイズ信号の周波数に対して特に大きい減衰特性を有する複数のノッチフィルタや低いカットオフ周波数のローパスフィルタを従属接続する必要があるが、多くのフィルタを重ねれば重ねるほどフィルタ全体としての応答時間が長くなり、1計量サイクル内で上記の許容された時間を超えてしまう。
【0014】
すなわち、振動ノイズの減衰のために長い応答時間を有するフィルタにて1計量サイクルにおける計量信号を処理して計量値を求めようとしても、フィルタ出力が、重量センサから出力される被計量物の重量値にまで到達しないうちに計量値取得タイミングに至る。言い替えればフィルタの中で被計量物の重量値からかけ離れた大きさの計量信号も含めて処理されるタイミングの間は、フィルタ出力の計量値としての精度は低く、使用できない。
【0015】
したがって、1計量サイクル内において、フィルタの応答時間は許容された長さの範囲内でなければならない。
【0016】
組合せ秤では、固有振動ノイズなど、所定の精度を得るために減衰させなければならない振動ノイズ信号があり、逆に言えばこのような振動ノイズ信号を所定の精度が計量値において得られるまで減衰させるためのフィルタの設置が必須であり、設置が必須であるフィルタが有する応答時間によって1計量サイクルの時間も規定され、計量装置としての処理能力も決まることになる。
【0017】
このように1計量サイクル内での計量信号の測定に必須の特性を持つフィルタに加えて、例えば組合せ秤の設置された床面から与えられる振動といったような、8Hz以下の低周波の振動、すなわち、周期の長い振動ノイズに対しても減衰効果を得る特性を有するフィルタを追加設置することができれば、組合せ秤としてさらに安定な精度が得られ、また偶発的に床に加わった振動が計量信号に混入することによって計量値の精度を損ねたりする現象がなくなる。
【0018】
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、計量信号に含まれる比較的低周波の振動成分を可及的に減衰させて計量精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
【0020】
(1)本発明の組合せ秤は、被計量物をそれぞれ搬送して搬送終端から排出する複数の搬送部と、各搬送部に対応して配置されると共に、前記搬送終端から排出される被計量物を保持し、保持した被計量物を下方へ供給する複数の供給部と、各供給部に対応して配置されると共に、各供給部から供給される被計量物を保持し、該保持した被計量物の重量を計量する複数の計量部と、前記複数の計量部からの各計量信号をフィルタ処理するフィルタ処理手段と、該フィルタ処理手段によってフィルタ処理された各計量信号から取得した計量値に基づいて、
1計量サイクル毎に組合せ演算を行う組合せ演算部とを備え、
前記フィルタ処理手段は、該フィルタ処理手段への入力信号に対し出力信号が所定の比率にまで応答する時間をフィルタ応答時間とし、1計量サイクル時間内において許容された前記応答時間でフィルタ処理する第1フィルタ処理手段を有する組合せ秤であって、
前記フィルタ処理手段は、前記第1フィルタ処理手段の応答時間を超える長さの
、複数の計量サイクルに亘る応答時間の第2フィルタ処理手段を有し、前記組合せ演算に参加して組合せに選ばれなかった計量部については、その計量部からの計量信号を、前記第2フィルタ処理手段でフィルタ処理する
ものであり、
前記組合せ演算部は、前記組合せ演算に参加して組合せに選ばれなかった前記計量部については、前記第2フィルタ処理手段でフィルタ処理された計量信号から取得した計量値を、次回の組合せ演算に用いるものである。
【0021】
フィルタ応答時間を規定する前記所定の比率は、「1」、すなわち、入力と出力とが1:1であるのが好ましいが、前記所定の比率は、「1」を下回ってもよい。
【0022】
組合せ演算に参加して組合せに選ばれなかった計量部には、被計量物が保持されたままで、次の計量サイクルの組合せ演算まで待機することになるが、本発明によると、この待機している時間を利用して、1計量サイクル時間内で許容された応答時間より長い応答時間の第2フィルタ処理手段でフィルタ処理を行なったフィルタ出力から計量信号を得ることが可能になるので、1計量サイクル時間内で許容された許容時間でフィルタ処理する通常のフィルタ処理に比べて、長い時間に亘って多くの計量信号をサンプリングしてフィルタ処理したフィルタ出力をもって計量値とすることができ、これによって、低い周波数の振動成分を減衰させることができ、計量精度が向上する。
【0023】
(2)本発明の組合せ秤の好ましい実施態様では、前記第1フィルタ処理手段及び前記第2フィルタ処理手段は、ノッチフィルタであり、
前記第2フィルタ処理手段は、前記第1フィルタ処理手段の有する、ある周波数に対応するノッチに加えて、異なる別の周波数に対応する1個または複数個のノッチを有する。
【0024】
この実施態様によると、第1及び第2フィルタ処理手段の各ノッチを、当該組合せ秤の計量信号に含まれる特有の種々の振動ノイズ信号の周波数に対応させることによって、振動ノイズ信号に極めて大きい減衰特性が得られ、精確な計量値を得ることができる。
【0025】
(3)本発明の組合せ秤の他の実施態様では、前記第1フィルタ処理手段及び前記第2フィルタ処理手段のフィルタ処理は、FIRフィルタによるフィルタ処理であり、前記第2フィルタ処理手段の少なくとも1個のノッチに対応するFIRフィルタの有するタップ数が、前記第1フィルタ処理手段のいずれのノッチに対応するFIRフィルタの有するタップ数よりも多い。
【0026】
この実施態様によると、第2フィルタ処理手段の少なくとも1個のノッチに対応するFIRフィルタのタップ数が、第1フィルタ処理手段のいずれのノッチに対応するFIRフィルタのタップ数に比べて多いので、第2フィルタ処理手段は、第1フィルタ処理手段に比べて、低周波数帯域の振動ノイズ信号を除去することができる。
【発明の効果】
【0027】
組合せ演算に参加して適量組合せに選ばれなかった計量部は、被計量物が保持されたままで、次の計量サイクルの組合せ演算まで待機することになるが、本発明によれば、この待機している時間を利用して、1計量サイクル内において許容された応答時間を持つ第1フィルタ手段による通常のフィルタ処理に比べて長い応答時間を持つ第2フィルタ手段によるフィルタ処理したフィルタ出力から計量値を得ることができるので、1計量サイクル内の許容応答時間による通常のフィルタ処理に比べて、低い周波数の振動成分を効果的に減衰させることができ、計量精度が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係る組合せ秤の概略構成を示す模式図である。
【0031】
この実施形態の組合せ秤は、その上部の中央に、供給装置1から供給される被計量物2を振動によって放射状に分散させる円錐形のトップコーン3と、このトップコーン3を振動させる分散フィーダ4が設けられている。
【0032】
供給装置1は、図示しないベルトコンベヤから供給される被計量物2を振動によって搬送してトップコーン3の中央部へ供給する。トップコーン3では、供給装置1からその中央部に供給される被計量物2を振動によってその周縁部方向へ搬送する。トップコーン3の周囲には、トップコーン3から送られてきた被計量物2を、複数の各供給ホッパ5に搬送する複数のフィーダパン6と、このフィーダパン6をそれぞれ振動させる複数の直進フィーダ7とが放射状に設けられており、被計量物2をそれぞれ搬送してフィーダパン6の搬送終端から排出する複数の搬送部が構成される。
【0033】
フィーダパン6の周縁部には、複数の供給ホッパ5及び計量ホッパ8がそれぞれ対応して設けられ、それぞれ円周状に配置されている。供給ホッパ5及び計量ホッパ8の下部には、開閉可能な排出用のゲート5a,8aがそれぞれ設けられている。
【0034】
供給ホッパ5は、フィーダパン6から送り込まれた被計量物2を受け取り、その下方に配置された計量ホッパ8が空になると排出用のゲート5aを開いて計量ホッパ8へ被計量物2を供給する。また、各計量ホッパ8は、計量ホッパ8内の被計量物2の重量を計測するロードセル等の各重量センサ9にそれぞれ連結され、各重量センサ9による計量値は、制御装置10へ出力される。計量ホッパ8及び重量センサ9によって、投入される被計量物2を保持して計量する計量部が構成される。
【0035】
フィーダパン6、直進フィーダ7、供給ホッパ5、計量ホッパ8及び重量センサ9は、1組のヘッドを構成しており、組合せ秤は、複数のヘッドを備えている。
【0036】
制御装置10は、各重量センサ9からのアナログ計量信号を、所定の時間間隔△tでもってA/D変換し、後述のようにデジタルフィルタ処理して計量値を取得し、組合せ演算を行って、複数の計量ホッパ8の中から被計量物2を排出すべき計量ホッパ8の適量組合せを選択する。そして、包装機13から排出要求信号の入力があると、その選択した適量組合せに該当する計量ホッパ8の排出用のゲート8aを開いて被計量物2を集合シュート11へ排出し、排出された被計量物2は、その下方の集合ファネル12を介して包装機13へ投入されて包装される。
【0037】
なお上記の△tは、制御装置10で取り扱う後に述べるフィルタ処理手段が処理する最も大きい周波数を持つ振動ノイズ信号の1周期に比べ十分短い周期が選択される。
【0038】
操作設定表示部15は、例えばタッチパネル等を用いて構成され、組合せ秤の操作およびその動作パラメータの設定等を行うための設定部と、運転速度、組合せ計量値等を画面に表示する表示部とを備える。
【0039】
制御装置10では、供給装置1の動作制御および組合せ秤の全体の動作制御を行うとともに、上記のようにデジタルフィルタ処理及び組合せ演算を行う。組合せ演算では、複数の計量ホッパ8の中から、被計量物2の計量値の合計である組合せ重量が、目標組合せ重量に等しいか、あるいは、目標組合せ重量よりも重く、かつ、目標組合せ重量に最も近い計量ホッパ8の組合せが、適量組合せとして1つ選択される。
【0040】
図2は、この実施形態の組合せ秤の制御系統の概略構成を示すブロック図であり、
図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0041】
制御装置10は、CPU部10aと、メモリ部10bと、計量ホッパ8を支持する重量センサ9の検出出力が与えられるA/D変換回路部10cと、供給ホッパ5及び計量ホッパ8の排出用のゲート5a,8aを駆動するゲート駆動回路部10dと、供給装置1及び各フィーダ4,6の振動を制御する振動制御回路部10eと、包装機13に接続されたI/O回路部22fとを備えている。
【0042】
演算制御部としてのCPU部10aは、各部を制御すると共に、組合せ演算やフィルタ処理のための演算を行う。メモリ部10bは、組合せ秤の動作プログラム及び設定される動作パラメータ等を記憶しており、CPU部10aに対する演算などの作業領域となる。
【0043】
A/D変換回路部10cは、各計量ホッパ8の被計量物の重量を検出する各重量センサ9からのアナログ計量信号をデジタル計量信号に変換してCPU部10aへ出力する。
【0044】
CPU部10a及びメモリ部10bによって、A/D変換回路部10cからのデジタル計量信号をフィルタ処理するフィルタ手段としてのデジタルフィルタが構成される。
【0045】
ゲート駆動回路部10dは、CPU部10aからの制御信号に基づいて、供給ホッパ5及び計量ホッ8の排出用のゲート5a,8aの開閉を制御する。振動制御回路部10eは、CPU部10aからの制御信号に基づいて、供給装置1、分散フィーダ4及び各直進フィーダ7のそれぞれの振動動作を制御する。また、CPU部10aは、操作設定表示部15と相互に通信できるように接続されている。
【0046】
制御装置10は、CPU部10aがメモリ部10bに記憶されている動作プログラムを実行することにより、組合せ秤全体の動作を制御する。
【0047】
組合せ秤では、上述のような動作を行うための多数の動作パラメータの設定が必要であり、その設定は作業者が操作設定表示部15を用いて行い、設定された動作パラメータの値はCPU部10aへ送られ、メモリ部10bに記憶される。動作パラメータには、組合せ演算における目標値である目標組合せ重量及びそれに対する許容範囲、各フィーダ4,7の振動強度や駆動時間等がある。
【0048】
この実施形態では、当該組合せ秤が設置された床面からの外部振動といったような、例えば、8Hz以下の低周波の振動成分を減衰させて計量精度を向上させるために、次にように構成している。
【0049】
すなわち、組合せ秤では、被計量物2が投入された計量ホッパ8の内、組合せ演算には参加したが、適量組合せに選ばれなかった計量ホッパ8は、次の計量サイクルの組合せ演算まで、被計量物2を保持したまま新たに被計量物2の増減なく待機しているだけである。
【0050】
例えば、計量ホッパ8を10個備えており、各計量ホッパ8に被計量物2が供給されて全ての計量ホッパ8が組合せ演算に参加し、その内、例えば4個の計量ホッパ8が適量組合せに選ばれて、該4個の計量ホッパ8から被計量物2が排出されたとする。次の計量サイクルでは、被計量物2を排出して空となった前記4個の計量ホッパ8に、上方の各供給ホッパ5から被計量物2が供給されて組合せ演算が行われるが、適量組合せに選ばれなかった残りの6個の計量ホッパ8は、被計量物2を保持したままで新たに被計量物2の増減なく、次の計量サイクルの組合せ演算まで待機するだけである。
【0051】
そこで、この実施形態では、組合せ演算に参加したが、適量組合せに選択されず、待機している計量ホッパ8の待機時間を利用し、通常のフィルタ処理では効果的に振幅を減衰させることのできなかった低周波数の振動ノイズ信号をより大きく減衰させるために、通常のフィルタ処理を行なう第1フィルタ処理手段より応答時間の長い第2フィルタ処理手段によってフィルタ処理を行うものである。
【0052】
通常のフィルタ処理である第1フィルタ処理手段によるフィルタ処理は、1計量サイクル毎の組合せ演算に参加する計量値が精確に得られるように、第1フィルタ処理手段用の応答時間が決められる。これに対して、組合せ演算に参加して適量組合せに選択されなかった計量ホッパ8については、次の組合せ演算に参加する計量値がより確実に精確に得られるように長い計量サイクルに対応して決められた長い応答時間を有する第2フィルタ処理手段によるフィルタ処理を行う。この第2フィルタ手段の応答時間は、第1フィルタ手段の応答時間より長く、組合せ演算に参加して適量組合せに選択されなかった計量ホッパ8については、第2フィルタ処理手段によるフィルタ処理によって得た計量値を組合せ演算に用いる。
【0053】
これによって、通常のフィルタ処理である第1フィルタ処理手段のフィルタ処理に比べて、より周期の長い低周波数の振動ノイズ信号の振幅を効果的に減衰させることができる。
【0054】
図3は、この実施形態の動作の一例を説明するためのタイミングチャートであり、同図(a)は直進フィーダ7の駆動状態を、同図(b)は供給ホッパ5の排出用のゲート5aの開閉状態を、同図(c)は計量ホッパ8の排出用のゲート8aの開閉状態を、同図(d)は重量センサ9からの計量信号を、同図(e1)は前記計量信号を第1フィルタ処理手段によってフィルタ処理した後の計量信号を、同図(e2)は重量センサ9からの計量信号を第2フィルタ処理手段によってフィルタ処理した後の計量信号を、同図(g)は供給ホッパ8の排出用のゲート8aの開き初めを基点として経過時間をカウントし、安定した計量値を取得できるタイミングまでの所定時間Tsを定めた安定待ちタイマー時間で、安定タイマーの完了時点で第1フィルタ処理手段によるフィルタ処理出力から計量値を取得する。同図(f)は組合せ演算のタイミングをそれぞれ示している。
【0055】
但し、組合せ演算に参加したが、適量組合せに選ばれなかった計量ホッパ8は、被計量物が滞在したままであるから上方の供給ホッパ5の排出用のゲート5aは開かないため、制御装置10において、他の計量ホッパ8における計量値の取得タイミングをもって適量組合せに選ばれなかった計量ホッパ8の計量値の取得タイミング指令信号を作成し、作成された計量値取得タイミング指令信号によって第2フィルタ処理手段によるフィルタ処理出力から計量値を取得する。
【0056】
この
図3では、フィーダパン6を振動させる直進フィーダ7、供給ホッパ5、計量ホッパ8、及び、重量センサ9からなる一組のヘッドの状態を代表的に示すものである。
【0057】
先ず、計量サイクルT1では、その前の計量サイクルの組合せ演算によって適量組合せに選択された計量ホッパ8の排出用のゲート8aが、包装機13からの排出命令信号に応答して
図3(c)に示されるように開閉され、計量ホッパ8に保持されていた被計量物2が集合シュート11に排出されて包装機13に投入され、包装機13で包装される。なお、
図3では、包装機13からの排出命令信号は、計量サイクルT1についてのみ代表的に示している。
【0058】
被計量物2を排出して空となった計量ホッパ8に対して、供給ホッパ5の排出用ゲート5aが、
図3(b)に示されるように開閉され、供給ホッパ5に保持されていた被計量物2が計量ホッパ8へ投入される。被計量物2を計量ホッパ8に投入して空となった供給ホッパ5に対して、被計量物2を供給するために、
図3(a)に示されるように直進フィーダ7が、設定された駆動時間に亘って駆動される。
【0059】
供給ホッパ5の排出用ゲート5aが、
図3(b)に示されるように開閉されて、空の計量ホッパ8へ被計量物2が投入されると、
図3(d)に示される重量センサ9からの計量信号に対して、第1フィルタ処理手段によって計量サイクル毎の通常のフィルタ処理である第1フィルタ処理した
図3(e1)に示される計量信号から、すなわち後に説明する第1フィルタ処理手段によるフィルタ処理出力から所定の安定時間Tsが経過した時点の計量値を取得し、この計量値に基づいて、
図3(f)に示されるタイミングで組合せ演算が行われる。
【0060】
なお、計量サイクルとは、組合せ秤おける、計量ホッパ8への被計量物2の投入、計量ホッパ8の被計量物2の計量、組合せ演算、計量ホッパ8の被計量物2の排出までの一連のサイクルをいい、例えば
図3(c)に示すように、適量組合せに選ばれて計量ホッパ8の排出用のゲート8aの開放を開始してから、被計量物2を排出し、供給ホッパ5から被計量物2が投入されて計量され、組合せ演算で再び適量組合せに選択されて計量ホッパ8の排出用のゲート8aの開放を開始するまでの一連の動作をいう。
【0061】
次の計量サイクルT2では、計量サイクルT1と同様に、該計量サイクルT1の組合せ演算によって適量組合せに選択された計量ホッパ8の排出用のゲート8aが、
図3(c)に示されるように開閉され、計量ホッパ8に保持されていた被計量物2が排出され、供給ホッパ5の排出用ゲート5aが、
図3(b)に示されるように開閉され、供給ホッパ5に保持されていた被計量物2が、空の計量ホッパ8へ投入される。被計量物2を計量ホッパ8に投入して空となった供給ホッパ5に対して、
図3(a)に示されるように直進フィーダ7が駆動されて被計量物2が供給される。
【0062】
供給ホッパ5の排出用ゲート5aが、
図3(b)に示されるように開閉されて、計量ホッパ8へ被計量物2が投入されると、
図3(d)に示される重量センサ9からの計量信号に対して、計量サイクル毎の通常のフィルタ処理である
図3(e1)に示される第1フィルタ処理手段のフィルタ処理出力である計量信号から、所定の安定時間Tsが経過した時点の計量値を取得し、この計量値に基づいて、組合せ演算を行うのであるが、この組合せ演算では、適量組合せに選ばれない。このため、次の計量サイクルT3では、計量ホッパ8の排出用のゲート8aは、
図3(c)の実線で示すように開閉されず、計量ホッパ8には、被計量物2が保持されたままである。また、計量ホッパ8は、被計量物2を排出していないので、供給ホッパ5の排出用ゲート5aも
図3(b)の実線で示すように開閉されず、直進フィーダ7も
図3(a)の実線で示すように駆動されない。
【0063】
このように組合せ演算に参加して適量組合せに選択されず、被計量物2が保持されたままの計量ホッパ8に対応する重量センサ9から計量信号に対して、1計量サイクル内の応答時間の通常フィルタ処理である第1フィルタ処理手段によるフィルタ処理出力ではなく、
図3(e2)に示される第2フィルタ処理手段のフィルタ処理出力における計量信号から、制御装置10が作成した計量値取得指令信号によって計量値を取得し、この計量値に基づいて、次の計量サイクルT3における組合せ演算が行われ、この組合せ演算演算で適量組合せに選ばれると、更に次の計量サイクルT4では、上記計量サイクルT1と同様の動作となる。
【0064】
図3(e1)と(e2)を対比すれば判るように、計量ホッパ8の重量センサ9の出力に対する応答時間は、第1フィルタ処理手段の応答時間RT1より第2フィルタ処理手段の応答時間RT2方が長い。
【0065】
第2フィルタ処理は、通常の第1フィルタ処理で取得された計量値に基づく組合せ演算で適量組合せに選ばれなかった場合に行う処理であるとしてもよい。通常の第1フィルタ処理手段のフィルタ処理出力から計量値を取得した時点では、この計量値が適量組合せに選ばれるか否かは不明である。
【0066】
したがって、通常の第1フィルタ処理出力よりで計量値を取得した時点以降に、第1フィルタ処理手段によるフィルタ処理に引き続いて、処理時間の長い第2フィルタ処理手段を接続しておき、通常の第1フィルタ処理出力から取得した計量値に基づく組合せ演算で適量組合せに選ばれたときには、第2フィルタ処理手段におけるフィルタ処理出力を得る演算は行わず、選ばれなかったとき行うとしてもよい。
【0067】
以上のようにして、組合せ演算に参加して適量組合せに選択されず、被計量物2を保持したまま計量ホッパ8に対応する重量センサ9からの計量信号については、1計量サイクル内の応答時間の通常のフィルタ処理である第1フィルタ処理ではなく、複数の計量サイクルに亘る応答時間の第2フィルタ処理によるフィルタ出力から計量値を得ることができるので、第2フィルタ処理手段は応答時間の長いフィルタ処理が可能になり、計量信号をサンプリングしたデータの取得期間を長くしてサンプリング数を増やすことができ、例えば、床振動のような周期の長い比較的低周波の不要な振動成分を減衰させることができる。
【0068】
なお、上記では、2つの計量サイクルT2,T3に亘る応答時間の第2フィルタ処理の例を示したけれども、組合せ演算で再び適量組合せに選ばれない場合には、更に、フィルタ応答時間を長くした、例えば、3つ以上の計量サイクルに亘る第2フィルタ処理によるフィルタ出力から計量値を得てもよい。
【0069】
この実施形態のフィルタ処理は、上記の多重移動平均処理であり、
図4は、この多重移動平均処理フィルタの構成を示す図であり、x(n)は入力を、y(n),・・・、y(4n)は出力をそれぞれ示す。
【0070】
第1フィルタ処理手段FP1のフィルタは、所定の計量精度を得るために、例えば、計量部の固有振動数や交流周波数等に対応する周波数f1,f2,f3の振動ノイズ信号を大きく減衰させる必要がある。このため、周波数f1,f2,f3にノッチを持つ移動平均フィルタの従属接続系を構成し、この3個の移動平均フィルタの従属接続系の応答時間は、1計量サイクル時間内にあるようにされる。
【0071】
厳密に言えば、第1フィルタ処理手段FP1の応答時間は、
図3において、供給ホッパ5の排出用のゲート5aが開き、供給ホッパ5内の全ての被計量物が計量ホッパ8に到達し、重量センサ9を含む計量部系が被計量物の全重量に応答して計量信号が立ちあがる時点から1計量サイクルにおける組合せ演算を開始するタイミングまでの間に含まれるようにしなければならない。
【0072】
そして、1計量サイクル時間内に取得した計量値の計量ホッパ8が、適量組合せに選択されない場合に、さらに安定な計量値を求めるため周波数f4の振動ノイズ信号を大きく減衰させるため、上記の3個の従属接続の後段に従属接続された周波数f4にノッチを持つ移動平均フィルタの出力によって計量値を得るようにする。
【0073】
4個の移動平均フィルタの従属接続系の応答時間は、2計量サイクルにて計量値が組合せ演算に参加することを考慮し、2計量サイクル時間内にあるようにしなければならない。
【0074】
周波数f1,f2,f3の振動ノイズ信号の周期は、それぞれ1/f1,1/f2,1/f3、1/f4である。1/f4の値は、床の振動周波数、または周期を設定することで与えられる。
【0075】
周波数f1の振動ノイズ信号用の移動平均フィルタの場合、今A/D変換回路部からは上記のように△tの時間間隔で計量信号が読み込まれるので1つの計量信号を記憶させるメモリセルを
(N1−1)・△t=1/f1
の式を満足する個数であるN1個用意し、シリアルイン、シリアルアウトのN1個のメモリセルから成るシフトレジスタSR1を構成する。
【0076】
図4に示すように、シフトレジスタSR1のN1個のメモリセルをS1(0)〜S1(N1−1)とする。
【0077】
上記
図2のA/D変換回路部10cから新しい計量信号を読み込む度に、シフトレジスタSR1の各メモリセルの記憶データを右シフトし、新に読み込んだ計量信号をメモリセルS1(0)にストアし、メモリセルS1(0)〜S1(N1−1)の出力を平均演算ブロック1/N1にて加算しN1で割って平均値A1を求める。この平均値A1が、周波数f1用の移動平均フィルタの出力である。
【0078】
周波数f2の振動ノイズ信号用の移動平均フィルタはN2の値は
(N2−1)・△t=1/f2
に基づくもので、N2−1個のメモリセルS2(0)〜S2(N2−1)から成るシフトレジスタSR2を構成する。
【0079】
周波数f1用の移動平均フィルタの出力である平均値A1が算出されると、このタイミングでシフトレジスタSR2の各メモリセルの記憶データを右シフトし、算出された平均値A1をメモリセルS2(0)にストアし、メモリセルS2(0)〜S1(N2−1)の出力を平均演算ブロック1/N2にて加算しN2で割って平均値A2を求める。
【0080】
同様に周波数f3の振動ノイズ信号のシフトレジスタSR3がメモリセルS3(0)〜S3(N3−1)から構成され、平均値A1、A2が求まったタイミングで各メモリセルの記憶データを右シフトし、メモリセルS3(0)〜S3(N3−1)の出力を平均演算ブロック1/N3にて加算しN3で割って平均値A3を求める。
【0081】
同様に周波数f4の振動ノイズ信号のシフトレジスタSR4がメモリセルS4(0)〜S4(N4−1)から構成され、平均値A1、A2、A3が求まったタイミングで各メモリセルの記憶データを右シフトし、メモリセルS3(0)〜S3(N3−1)の出力を、平均演算ブロック1/N4にて加算しN4で割って平均値A4を求める。平均値A4は、算出された時点で1個のメモリセルS5(0)にストアされる。
【0082】
A/D変換回路部10cの計量信号が読み込まれる度に△tのサイクルで平均値A4がメモリセルS5(0)にストアされる処理までが行われる。
【0083】
メモリセルS4(0)には、3段階の多重移動平均値であるA3が、次に新にA/D変換回路部10cから計量信号が読み込まれるまでの間、第1フィルタ出力として滞在する。すなわち、この実施形態では、3段階の多重移動平均フィルタを構成するシフトレジスタSR1〜SR3、平均演算ブロック1/N1〜1/N3及びメモリセルS4(0)によって第1フィルタ処理手段FP1が構成される。
【0084】
そしてメモリセルS5(0)には、4段階の多重移動平均値であるA4が、次に新にA/D変換回路部10cから計量信号が読み込まれるまでの間、第2フィルタ出力として滞在する。すなわち、この実施形態では、第1フィルタ処理手段FP1、4段目のシフトレジスタSR4、平均演算ブロック1/N4及びメモリセルS5(0)によって第2フィルタ処理手段FP2が構成される。
【0085】
図5に、
図4のシフトレジスタSR1〜SR5の各メモリセルの出力及び各平均演算ブロック1/N1〜1/N4の出力を示す。同図において、〇はシフトレジスタSR1のメモリセルS1(0)〜S1(N1−1)の出力を、×はシフトレジスタSR2のメモリセルS2(0)〜S2(N2−1)の出力を、△はシフトレジスタSR3のメモリセルS3(0)〜S3(N3−1)の出力を、●はシフトレジスタSR4のメモリセルS4(0)〜S4(N4−1)の出力を、◎はシフトレジスタSR5のメモリセルS5(0)の出力をそれぞれ示している。
【0086】
第1フィルタ処理手段の応答時間(入力に対し、出力が1:1に応答する時間)は、
図5に示すように、1段目の移動平均フィルタの応答時間(N1−1)・△tと、2段目の移動平均フィルタの応答時間(N2−1)・△tと、3段目の移動平均フィルタの応答時間(N3−1)・△tとから、
(N1−1)・△t+(N2−1)・△t+(N3−1)・△t
となり、第2フィルタ処理手段の応答時間は、さらに(N4−1)・△tが加わる。従って応答時間は長くなる。
【0087】
第2フィルタ処理手段のためにシフトレジスタSR4を従属接続すると、周波数f1,f2,f3にノッチを持つフィルタに、それらより小さい周波数f4にノッチを持つフィルタが従属接続されたことになり、周波数f4にノッチを持つフィルタといえども周波数f1,f2,f3の帯域における減衰効果も有するので、第2フィルタ処理手段における、第1フィルタ処理手段が有する周波数f1,f2,f3に対する減衰特性は、第1フィルタ処理手段のみを設けた場合に比べてさらに大きくなる。
【0088】
すなわち、周波数f4にも大きい減衰効果を得るために、シフトレジスタSR4を従属接続することによって得られる第2フィルタ処理出力であるA4においては、第1フィルタ処理手段が有していた周波数f1,f2,f3の振動ノイズ信号に対する減衰特性をより大きくする上に、新に周波数f4の振動ノイズ信号に対して大きい減衰特性を有することになる。
【0089】
したがって1計量サイクルにおける組合せ演算に提供される計量値を取得するための第1フィルタ処理出力における計量信号には、精確な計量値を得るために必須の振動ノイズ減衰処理がなされ、第1フィルタ処理出力における計量信号から取得した計量値が適量組合せに選択されなかった場合に使用される第2フィルタ処理出力における計量信号には、第1フィルタ処理出力と同じ振動ノイズ減衰処理がなされるのに加えて、別の周波数、例えば床振動ノイズ信号の周波数に対する減衰処理がなされるので、より安定な計量値を得ることができる。
【0090】
すなわち第2フィルタ処理手段は、応答時間を第1フィルタ処理手段よりさらに1計量サイクル分長く見込めるので、減衰の対象とする振動ノイズの周波数は、床振動のように8Hz以下の、すなわち125msec以上の周期を持つ低周波数振動信号の減衰が可能になる。
【0091】
第1フィルタ処理手段である多重移動平均フィルタの応答時間が上記に述べたように1計量サイクル以内で組合せ演算の開始に間に合うのであれば、各フィルタのタップ数N1、N2、N3は任意に選択すればよく、また本実施形態では段階数、すなわち次数は3であったが3より大きくても小さくてもよい。
【0092】
またタップ数N4の移動平均フィルタを従属接続し、全体の接続を第2フィルタ処理手段としたが、第2フィルタ処理手段の応答時間が2計量サイクルの中に含まれ1つ後の組合せ選択演算の開始に間に合うのであれば、より多くのタップ数、次数の移動平均フィルタを接続してもよい。
【0093】
別の実施例として、例えばカットオフ周波数がf1であるローパスフィルタF1と、カットオフ周波数がf2(<f1)であるローパスフィルタF2をA/D変換回路部10cから出力された計量信号x(n)を入力として
図6の如く並列に接続してもよい。
【0094】
フィルタF1、F2は、周波数f1,f2を極に持つ伝達関数G1、G2として与えられると、それぞれの伝達関数を表す微分方程式、さらに差分方程式に変換し、制御装置10のCPU部10aに差分方程式と等価な巡回型フィルタにプログラミングされる。△tの時間間隔で計量信号x(n)を入力する毎に同時に双方のフィルタの出力を同時に計算してそれぞれy1(n)、y2(n)を得る。
【0095】
フィルタの応答時間は、フィルタF2の方がフィルタF1より長い。フィルタF1の応答時間は、上記の1計量サイクル内の許容時間内に収まるがフィルタF2の応答時間は、2計量サイクル内の許容時間内に収まるが1計量サイクル内の許容時間内に収まらない。フィルタF1の減衰効果が大きいのは、計量信号に含まれる1個又は複数個の振動ノイズ信号の周波数がf1以上の帯域である場合である。
【0096】
フィルタF1が上記の第1フィルタ処理手段となる。より低い周波数の振動ノイズ信号でf2に近い周波数帯域まで減衰特性を持つフィルタF2が上記の第2フィルタ処理手段となる。
【0097】
このように第1、第2フィルタ処理手段は、互いに独立に分離していてもよく、フィルタ形式は巡回型フィルタであってもよい。
【0098】
さらに別実施例を
図7に示す。
図7において、F1は周波数f1の帯域に減衰効果の大きい2次の帯域除去フィルタ(BEF)で伝達関数G1(s)
={s
2 +(2πf1)
2}/{s
2+2ζ(2πf1)s+(2πf1)
2}
に設計され、F2は周波数f2(<f1)の帯域に減衰効果の大きい2次の帯域除去フィルタで伝達関数G2(s)をG1(s)と同様に設計して従属接続した構成で、それぞれ差分方程式に変換され、巡回型ノッチフィルタとして演算される。
【0099】
フィルタF1、F2までが第1フィルタ処理手段で、フィルタF2の出力が第1フィルタ処理手段の出力である。
【0100】
さらにF2の後段に周波数f3(<f2)の帯域に減衰効果の大きい2次の帯域除去フィルタで伝達関数G3(s)をG1(s)と同様に設計して従属接続し、フィルタF1、F2、F3を第2フィルタ処理手段とし、フィルタF3の出力が第2フィルタ処理手段の出力である。