特許第6157993号(P6157993)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6157993イメージセンサ固定方法及びイメージセンサ位置決め治具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6157993
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】イメージセンサ固定方法及びイメージセンサ位置決め治具
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20060101AFI20170626BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20170626BHJP
   H04N 5/335 20110101ALI20170626BHJP
【FI】
   G02B7/02 C
   G02B7/02 Z
   H04N5/225 300
   H04N5/335
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-176133(P2013-176133)
(22)【出願日】2013年8月27日
(65)【公開番号】特開2015-45711(P2015-45711A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2016年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】東芝メディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 哲男
【審査官】 川俣 洋史
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−213486(JP,A)
【文献】 特開2003−258214(JP,A)
【文献】 特開2001−028431(JP,A)
【文献】 特開2009−232159(JP,A)
【文献】 特開2002−218293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02
H04N 5/225
H04N 5/335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置決め用の位置決め穴を有する実装基盤にイメージセンサを取り付ける工程と、
前記イメージセンサが前記実装基盤に取り付けられた状態で、位置決め治具に設けられた位置決めピンを前記位置決め穴に挿入する工程と、
前記位置決めピンが前記位置決め穴に挿入された状態で、前記イメージセンサを前記位置決め治具に設けられた壁部にあてつける工程と、
位置決め部品を、前記位置決めピンに挿入する工程と、
前記イメージセンサが前記壁部にあてつけられた状態で、前記位置決め部品を前記実装基盤固着する工程と、
前記位置決め部品が固着された前記実装基盤を前記位置決め治具から取り外し、撮像装置の筐体に取り付ける工程と
を含むイメージセンサ固定方法。
【請求項2】
前記位置決めピンが前記位置決め穴に挿入された状態で、前記位置決め部品を、前記位置決めピンに挿入する工程を含む、
請求項1記載のイメージセンサ固定方法。
【請求項3】
イメージセンサが取り付けられた実装基盤が有する位置決め用の位置決め穴より小さい径を有し、前記位置決め穴に挿入される位置決めピンと、
前記位置決めピンが前記位置決め穴に挿入された状態で、前記イメージセンサをあてつけられる位置に設けられた壁部と
具備するイメージセンサ位置決め治具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に撮像素子を取り付ける際の取り付け位置の位置決めに関する。
【背景技術】
【0002】
映像をデジタル化して記録するカメラ等の撮像装置では、撮像素子であるイメージセン
サとしてCMOSやCCD等のイメージセンサを備えている。イメージセンサは、レンズ
を取り付けた筐体に取りつけるときには、レンズの光軸に、撮像素子の中心を精度よく合
わせる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−86779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撮像素子は、実装基板上に実装し、この実装基盤を筐体で取り付ける方法が取られていた
。この場合、筐体と実装基盤との位置関係を精密にあわせるため、精密加工が必要であっ
た。しかしながら、加工の精密度を上げても、なお光軸あわせについて微調整が必要な場
合があり、課題があった。
【0005】
本実施の形態では、撮像素子の取り付けに際し、より精度を向上させたイメージセンサ固定方法及びイメージセンサ位置決め治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の実施の形態に係るイメージセンサ固定方法は、位置決め用の位置決め穴を有する実装基盤にイメージセンサを取り付ける工程を含む。また、イメージセンサ固定方法は、前記イメージセンサが前記実装基盤に取り付けられた状態で、位置決め治具に設けられた位置決めピンを前記位置決め穴に挿入する工程を含む。また、イメージセンサ固定方法は、前記位置決めピンが前記位置決め穴に挿入された状態で、前記イメージセンサを前記位置決め治具に設けられた壁部にあてつける工程を含む。また、イメージセンサ固定方法は、位置決め部品を、前記位置決めピンに挿入する工程を含む。また、イメージセンサ固定方法は、前記イメージセンサが前記壁部にあてつけられた状態で、前記位置決め部品を前記実装基盤固着する工程を含む。また、イメージセンサ固定方法は、前記位置決め部品が固着された前記実装基盤を前記位置決め治具から取り外し、撮像装置の筐体に取り付ける工程を含む。
【0007】
また、上記目的を達成するための本発明の実施の形態に係るイメージセンサ位置決め治具は、イメージセンサが取り付けられた実装基盤が有する位置決め用の位置決め穴より小さい径を有し、前記位置決め穴に挿入される位置決めピンを具備する。また、イメージセンサ位置決め治具は、前記位置決めピンが前記位置決め穴に挿入された状態で、前記イメージセンサをあてつけられる位置に設けられた壁部を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係るCMOSセンサの実装基盤の裏側の構成の説明図。
図2】実施の形態に係る実装基盤の表側の構成を説明するための図。
図3】実施の形態に係る位置決め部品の断面図。
図4】実施の形態に係る位置決め部品の位置調整方法の説明図。
図5】実施の形態に係る実装基盤を位置決め治具に取り付けた時の断面図。
図6】実施の形態に係る実装基盤を位置決め治具から外した状態を示す図。
図7】実施の形態に係るカメラ筐体への取り付けを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態を、詳細に説明する。
本実施の形態では、カメラ筐体に、位置決めのための複数の位置決めピンを設けている
。そして、カメラ筐体1に取り付けた時の光軸にCMOSセンサの中心が取り付けられた
時に、このCMOSセンサの取り付け位置を、この位置決めピンからの相対的な位置関係
を、予め正確に測定しておく。そして、この予め測定したピンとCMOS関係の位置関係
を再現した位置決め治具を作成しておくように構成される。具体的な構成について、図面
を用いて詳細に説明する。
【0010】
図1は、実施の形態に係る実装基盤の裏側の構成の説明図である。
図1において、カメラ筐体1に取り付けられる実装基盤2の裏側の中心には、撮像素子
であるCMOSセンサ3が取り付けられる。実装基盤2の裏側から見た時の左上と右下に
は、カメラ筐体1に設けられ、実装基盤2の相対位置を精密に特定するための、位置決め
ピン4を貫通させるための、位置決め穴5が設けられている。この位置決め穴5は、後述
する位置決め部品を用いた位置調整を行うため、カメラ筐体1に設けられた位置決めピン
4の直径よりも十分に大きい穴になっている。更に、右上と左下には、カメラ筐体1に取
り付ける際にねじ止めするためのねじ穴6が設けられている。ここでねじ穴6の直径は、
カメラ筐体3と取り付けるためのネジの径に対応した大きさとなっている。
【0011】
なお、位置決め穴5は複数必要であるが、本実施の形態では、位置あわせの精度を上げ
るため、CMOSセンサ2を中心に対象となるような位置に配置している。このため、位
置決め穴5とねじ止め穴6の配置は一例であり、左上と右下に位置決め穴5、右上と左下
にねじ止め穴6という構成でも構わない。
【0012】
図2は、実施の形態に係る実装基盤2の表側の構成を説明するための図である。CMO
Sセンサ3の裏面に対応する中心部には、CMOSセンサ3で撮像した画像信号に対して
信号処理等を行う回路素子等が取り付けられる。
【0013】
以下、本実施の形態におけるCMOSセンサ3とレンズとの光軸あわせを精密に行う原
理について、図3乃至図7以降を用いて説明する。
【0014】
図2において、位置決め穴5(図2では表側からみるため右上と左下となる)には、こ
の位置決め部品7を用いて、実装基盤2の精密な位置調整が行えるようにするための、位
置決め部品を挿入するようになっている。
【0015】
図3は、実施の形態に係る位置決め部品7の断面図である。
【0016】
位置決め部品7は、ほぼ円形の板状本体部8と、本体部の中心に、カメラ筐体1に設け
られた位置決めピン4の直径とほほ同じ径の穴部9が設けられている。そして穴部の周囲
には、壁部10が設けられている。この位置決め部材7の壁部10の外径は、実装基盤2
の位置合せ穴5の大きさより小さいため、位置合わせ部材7を、基盤の位置あわせ穴5に
挿入した時に、移動できるような遊びがある状態となる。この状態で、位置決め部材7を
、専用の位置決め治具11を使用して正確な位置に固定することで、正確な位置決めを実
現している。
【0017】
図4は、実施の形態に係る前記位置決め治具11を用いた位置決め部品の位置調整方法
の説明図である。
【0018】
位置決め治具11は、予めカメラ筐体1にCMOSセンサ3を実装した実装基盤を2取
り付け面における、CMOSセンサ3の取り付け位置と、位置決めピン4との位置関係を
、正確に再現した構成となっている。
【0019】
位置決め治具11上において、CMOSセンサ3の取り付けるべき位置の左側と上側に
壁部12を設けている。更に、CMOSセンサ3の取り付け位置の右上と左下には位置決
めピン13が設けられている。ここで、位置決め治具11の位置決めピン13の大きさと
位置は、カメラの筐体上1と位置決めピンと、可能な限り同一となるような直径で構成さ
れている。更に、位置決め治具11の位置決めピン/CMOSセンサとの位置関係も、カ
メラ筐体1の位置決めピン/CMOSセンサの位置関係と可能な限り同じ位置関係となっ
ている。
【0020】
この位置決め治具11に、予めCMOSセンサ3を実装した実装基盤1に載せる。この
とき、CMOSセンサ3の上部と左部を、位置決め治具11の壁部12に正確にあてつけ
てようにして乗せる。このように乗せると、実装基盤2の位置決め穴5と位置と、位置決
め治具11の位置決めピン13の位置が対応するようになる。
【0021】
図5は、実施の形態に係る実装基盤2を位置決め治具に取り付けた時の断面図である。
【0022】
図5において、位置決め治具11の位置決めピン13が、実装基盤2を介して取り付け
られている。このとき、位置決め部材7の壁部10は、実装基盤2の位置合わせ穴部5よ
り細いため、図の左右方向に遊びがある状態になる。位置決め部品7の穴部9に、位置決
め治具11の位置決めピン13を挿入する。ここで、位置決め治具11上ではCMOSセ
ンサ3と位置決めピン13との相対的位置関係が正確に再現されているため、実装基板上
2でも、CMOSセンサ3の位置と位置決め部品7との位置関係が、正確に再現できるこ
とになる。そして、位置決め部品7の穴部9に位置決めピン13が挿入された状態で、実
装基盤2と、位置決め部品7とをハンダ14等で固着する。
【0023】
ここで、位置決め部材7は、予め実装基盤1の位置決め穴5に挿入しておいてから、位
置決め治具11に取り付ける方法でもよいし、位置決め治具11に実装基盤2を取り付け
た後に位置決め部品7を取り付ける方法のどちらでもよい。
【0024】
図6は、実施の形態に係る実装基盤2を位置決め治具11から外した状態を示す図である
。位置決め部品7を正確な位置に固着されているため、実装基板2上でも、CMOSセン
サ3と位置決めピンとの位置関係が正確に再現された状態となる。
【0025】
図7は、実施の形態に係るカメラ筐体1への取り付けを示す図である。
【0026】
図について、実装基盤2に固着されている位置決め部品7の穴部に、カメラ筐体1の位
置決めピン4を挿入する。そして、取り付けネジ14を締結することで、実装基盤2の取
り付けが完了する。
【0027】
以上説明したように、本実施の形態では、カメラ筐体1上に位置決めピン4を設け、こ
の位置決めピン4とCMOSセンサ3との相対的位置関係を再現した位置決め治具11を
用いることで、カメラ筐体上1におけるCMOSセンサの位置と、正確な光軸調整を可能
としている。
【0028】
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階で
はその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形や変更が可能である。また、個々の実施の形態
は、可能な限り適宜組み合わせで実施が可能である。
【符号の説明】
【0029】
1…カメラ筐体,2…実装基盤,3…CMOSセンサ,4…位置決めピン,5…位置決
め穴,7…位置決め部品,11…位置決め治具、13…位置決めピン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7