(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態を、詳細に説明する。
本実施の形態では、カメラ筐体に、位置決めのための複数の位置決めピンを設けている
。そして、カメラ筐体1に取り付けた時の光軸にCMOSセンサの中心が取り付けられた
時に、このCMOSセンサの取り付け位置を、この位置決めピンからの相対的な位置関係
を、予め正確に測定しておく。そして、この予め測定したピンとCMOS関係の位置関係
を再現した位置決め治具を作成しておくように構成される。具体的な構成について、図面
を用いて詳細に説明する。
【0010】
図1は、実施の形態に係る実装基盤の裏側の構成の説明図である。
図1において、カメラ筐体1に取り付けられる実装基盤2の裏側の中心には、撮像素子
であるCMOSセンサ3が取り付けられる。実装基盤2の裏側から見た時の左上と右下に
は、カメラ筐体1に設けられ、実装基盤2の相対位置を精密に特定するための、位置決め
ピン4を貫通させるための、位置決め穴5が設けられている。この位置決め穴5は、後述
する位置決め部品を用いた位置調整を行うため、カメラ筐体1に設けられた位置決めピン
4の直径よりも十分に大きい穴になっている。更に、右上と左下には、カメラ筐体1に取
り付ける際にねじ止めするためのねじ穴6が設けられている。ここでねじ穴6の直径は、
カメラ筐体3と取り付けるためのネジの径に対応した大きさとなっている。
【0011】
なお、位置決め穴5は複数必要であるが、本実施の形態では、位置あわせの精度を上げ
るため、CMOSセンサ2を中心に対象となるような位置に配置している。このため、位
置決め穴5とねじ止め穴6の配置は一例であり、左上と右下に位置決め穴5、右上と左下
にねじ止め穴6という構成でも構わない。
【0012】
図2は、実施の形態に係る実装基盤2の表側の構成を説明するための図である。CMO
Sセンサ3の裏面に対応する中心部には、CMOSセンサ3で撮像した画像信号に対して
信号処理等を行う回路素子等が取り付けられる。
【0013】
以下、本実施の形態におけるCMOSセンサ3とレンズとの光軸あわせを精密に行う原
理について、
図3乃至
図7以降を用いて説明する。
【0014】
図2において、位置決め穴5(
図2では表側からみるため右上と左下となる)には、こ
の位置決め部品7を用いて、実装基盤2の精密な位置調整が行えるようにするための、位
置決め部品を挿入するようになっている。
【0015】
図3は、実施の形態に係る位置決め部品7の断面図である。
【0016】
位置決め部品7は、ほぼ円形の板状本体部8と、本体部の中心に、カメラ筐体1に設け
られた位置決めピン4の直径とほほ同じ径の穴部9が設けられている。そして穴部の周囲
には、壁部10が設けられている。この位置決め部材7の壁部10の外径は、実装基盤2
の位置合せ穴5の大きさより小さいため、位置合わせ部材7を、基盤の位置あわせ穴5に
挿入した時に、移動できるような遊びがある状態となる。この状態で、位置決め部材7を
、専用の位置決め治具11を使用して正確な位置に固定することで、正確な位置決めを実
現している。
【0017】
図4は、実施の形態に係る前記位置決め治具11を用いた位置決め部品の位置調整方法
の説明図である。
【0018】
位置決め治具11は、予めカメラ筐体1にCMOSセンサ3を実装した実装基盤を2取
り付け面における、CMOSセンサ3の取り付け位置と、位置決めピン4との位置関係を
、正確に再現した構成となっている。
【0019】
位置決め治具11上において、CMOSセンサ3の取り付けるべき位置の左側と上側に
壁部12を設けている。更に、CMOSセンサ3の取り付け位置の右上と左下には位置決
めピン13が設けられている。ここで、位置決め治具11の位置決めピン13の大きさと
位置は、カメラの筐体上1と位置決めピンと、可能な限り同一となるような直径で構成さ
れている。更に、位置決め治具11の位置決めピン/CMOSセンサとの位置関係も、カ
メラ筐体1の位置決めピン/CMOSセンサの位置関係と可能な限り同じ位置関係となっ
ている。
【0020】
この位置決め治具11に、予めCMOSセンサ3を実装した実装基盤1に載せる。この
とき、CMOSセンサ3の上部と左部を、位置決め治具11の壁部12に正確にあてつけ
てようにして乗せる。このように乗せると、実装基盤2の位置決め穴5と位置と、位置決
め治具11の位置決めピン13の位置が対応するようになる。
【0021】
図5は、実施の形態に係る実装基盤2を位置決め治具に取り付けた時の断面図である。
【0022】
図5において、位置決め治具11の位置決めピン13が、実装基盤2を介して取り付け
られている。このとき、位置決め部材7の壁部10は、実装基盤2の位置合わせ穴部5よ
り細いため、図の左右方向に遊びがある状態になる。位置決め部品7の穴部9に、位置決
め治具11の位置決めピン13を挿入する。ここで、位置決め治具11上ではCMOSセ
ンサ3と位置決めピン13との相対的位置関係が正確に再現されているため、実装基板上
2でも、CMOSセンサ3の位置と位置決め部品7との位置関係が、正確に再現できるこ
とになる。そして、位置決め部品7の穴部9に位置決めピン13が挿入された状態で、実
装基盤2と、位置決め部品7とをハンダ14等で固着する。
【0023】
ここで、位置決め部材7は、予め実装基盤1の位置決め穴5に挿入しておいてから、位
置決め治具11に取り付ける方法でもよいし、位置決め治具11に実装基盤2を取り付け
た後に位置決め部品7を取り付ける方法のどちらでもよい。
【0024】
図6は、実施の形態に係る実装基盤2を位置決め治具11から外した状態を示す図である
。位置決め部品7を正確な位置に固着されているため、実装基板2上でも、CMOSセン
サ3と位置決めピンとの位置関係が正確に再現された状態となる。
【0025】
図7は、実施の形態に係るカメラ筐体1への取り付けを示す図である。
【0026】
図について、実装基盤2に固着されている位置決め部品7の穴部に、カメラ筐体1の位
置決めピン4を挿入する。そして、取り付けネジ14を締結することで、実装基盤2の取
り付けが完了する。
【0027】
以上説明したように、本実施の形態では、カメラ筐体1上に位置決めピン4を設け、こ
の位置決めピン4とCMOSセンサ3との相対的位置関係を再現した位置決め治具11を
用いることで、カメラ筐体上1におけるCMOSセンサの位置と、正確な光軸調整を可能
としている。
【0028】
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階で
はその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形や変更が可能である。また、個々の実施の形態
は、可能な限り適宜組み合わせで実施が可能である。