(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1において、前記ジョイントエレメントと前記ロッドエレメントとは、前記ジョイントエレメントの前記接続開口部と、前記ロッドエレメントの前記切り欠き部とが、前記軸線周りに互い違いに配置されたものである、トリガー式混合液噴出容器。
請求項1乃至3のいずれか1項において、前記接続開口部と前記切り欠き部とは、前記軸線周りに90度の角度で互い違いに配置されたものである、トリガー式混合液噴出容器。
請求項1乃至4のいずれか1項において、前記切り欠き部と前記旋回溝部とは、前記軸線周りに90度の角度で互い違いに配置されたものである、トリガー式混合液噴出容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、浴室洗剤などでは、2つの液体を反応させたのちに使用するものがあり、こうした用途に対応させるため、2つの排出流路を合流させることが考えられる。
【0005】
しかしながら、2つの液体を噴出口の直前で混合させる場合、混合から噴出までの時間が短いため、2液の混合が不十分となることが考えられる。2液の混合が不十分な場合、内容液の効能に影響を及ぼし、泡立ち等にばらつき等を生じさせることが考えられる。
【0006】
また、液体によっては、混合の後、時間の経過とともにその効力(効能)が徐々に低下する性質のものもある。2つの液体を混合させる場合、合流流路内に溜まった液体が逆流すると、排出流路内などで混ざり合ってしまう可能性がある。この場合、2液は既に混ざり合ってしまっているため、時間をおいて再度使用するとき、混合液は本来の効力を期待できなくなるという問題がある。
【0007】
本発明の目的とするところは、逆流を防止しながら、2液の混合を十分に行える、新規なトリガー式混合液噴出容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明である、トリガー式混合液噴出容器は、2つの口筒部を有する容器本体と、前記口筒部に通じる開口部が形成されて当該容器本体に固定される中栓と、前記中栓に着脱可能なインテークとを有し、
更に、
当該インテークに通じるシリンダと当該シリンダに通じる排出流路とを一対に横並びに配置したボディと、前記シリンダに配置されたピストンをそれぞれ同期動作させるレバーと、2つの前記排出流路からの液体それぞれが逆流防止弁を通して流入して噴出口から混合液として噴出される噴出部を備え、
前記噴出部は、前記ボディの前端に接続されるジョイントエレメントと、前記ジョイントエレメントの内側に配置されるロッドエレメントと、前記ロッドエレメントの前端部を取り囲んで密封する密封筒および
前記噴出口を有して前記ジョイントカバーに装着されるノズル部とを有し、
前記ジョイントエレメントは、前記ボディの前記排出流路に通じて横並びに配置される2つの案内流路と、2つの前記案内
流路がそれぞれ接続開口部を通して合流する合流流路とを有し、
前記ロッドエレメントは、前記ジョイントエレメントと前記ジョイントカバーとの間に位置決めされるシャフト部と、前記シャフト部を取り囲んで前記ジョイントエレメントに嵌合する嵌合部と、前記嵌合部の外面に互いに軸線を挟んで反対側の位置に形成されて前記ジョイントエレメントの前記合流流路を前方に通じさせる一対の切り欠き部とを有し、
一対の旋回溝部が、前記シャフト部の外面それぞれに形成され、又は、前記ノズル部の密封部の内面に形成されており、
前記逆流防止弁は、前記ボディに形成された前記排出流路と前記ジョイントエレメントの前記案内流路との間に配置されたものである。
【0009】
本発明において、前記ジョイントエレメントと前記ロッドエレメントとは、前記ジョイントエレメントの前記接続開口部と、前記ロッドエレメントの前記切り欠き部とが、前記軸線周りに互い違いに配置されたものであることが好ましい。
【0010】
本発明において、前記切り欠き部と前記旋回溝部とは、前記軸線周りに互い違いに配置されたものであることが好ましい。
【0011】
さらに本発明において、前記接続開口部と前記切り欠き部とは、前記軸線周りに90度の角度で互い違いに配置されたものであることが好ましい。
【0012】
同様に本発明において、前記切り欠き部と前記旋回溝部とは、前記軸線周りに90度の角度で互い違いに配置されたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、逆流を防止しながら、2液の混合を十分に行える、新規なトリガー式混合液噴出容器を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の、トリガー式混合液噴出容器の一実施形態である、トリガー式ディスペンサ容器を詳細に説明する。
【0016】
図1中、符号1は、本発明の一実施形態である、トリガー式ディスペンサ容器である。トリガー式ディスペンサ容器1は、容器部分1Aと、ディスペンサ(噴出機構部分)1Bとを有する。符号2は、2つの液体A,Bが充填される容器本体である。
図2に示すように、容器本体2は、液体A(1液)が充填される充填部2Aと、液体B(他の1液)が充填される充填部2Bを一体に備える。充填部2Aおよび充填部2Bにはそれぞれ、液体の充填空間S
A,S
Bに通じる口筒部2Cが設けられている。本実施形態では、
図2に示すように、充填部2Aおよび充填部2Bは、互いに接する部分が扁平に形成されている。また口筒部2Cの下方では、充填部2A,2Bが全体として筒状の首部2Eを形作っている。首部2Eにはねじ部2sが設けられている。
【0017】
また、容器本体2には、口筒部2Cに通じる開口部A
1が形成された中栓3が固定されている。本実施形態では、容器部分1Aは、容器本体2と中栓3からなる。本実施形態では、中栓3は、2つの口筒部2Cに対して別個独立して固定されている。
【0018】
詳細には、中栓3はそれぞれ、開口部A
1が形成された仕切壁3aを有し、この仕切壁3aからは、固定筒3bが下方に向かって伸びている。固定筒3bは、開口部A
1を取り囲む筒体して形成されている。また仕切壁3aからは、固定筒3bよりも内側に、固定筒3bに取り囲まれる筒体としてなるシール筒3cが設けられている。シール筒3cは、仕切壁3aから下方に向かって伸びている。さらに仕切壁3aからは、シール筒3cよりも内側に、チューブ固定筒3dが下方に向かって伸びている。チューブ固定筒3dは、開口部A
1を取り囲む筒体として形成されている。
【0019】
中栓3はそれぞれ、
図2に示すように、固定筒3bの内側に、容器本体2の口筒部2Cに設けた環状の爪2Dを係止させることで、口筒部2Cの上端開口を閉じる。また、中栓3は、容器本体2の口筒部2Cの内側をシール筒3cで密封する。これにより、中栓3はそれぞれ、開口部A
1を残して容器本体2の口筒部2Cとのシール性を確保している。さらに、中栓3は、チューブ固定筒3dにそれぞれ、ディップチューブ4を固定し、このディップチューブ4の内側に、充填空間S
A内の液体Aを吸引するための通路と、充填空間S
B内の液体Bを吸引するための通路とを確保している。
【0020】
さらに、中栓3の仕切壁3aには、開口部A
1を取り囲む内側筒状部3eと、この内側筒状部3eを取り囲む外側筒状部3fが設けられている。内側筒状部3eおよび外側筒状部3fは、仕切壁3aから上方に向かって伸びている。
【0021】
一方、ディスペンサ1Bは、中栓3に着脱可能なインテーク部材11を有する。インテーク部材11は、中栓3に装着される保持板11aと、この保持板11aから上方に伸びる2つの筒体部11bを有して、この筒体部11bそれぞれに、中栓3の開口部A
1に通じる第1導入流路(貫通孔)r
1を形成する。
【0022】
また、保持板11aには、2つの筒体部11bの周りにそれぞれ、筒体部11bを取り囲むガイド筒11cが設けられている。ガイド筒11cは、保持板11aから上方に向かって伸びている。
【0023】
さらに、保持板11aの下面には、第1導入流路
r1を取り囲む内側筒状部11eと、この内側筒状部11eを取り囲む外側筒状部11fが設けられている。内側筒状部11eおよび外側筒状部11fは、保持板11aから下方に向かって伸びている。すなわち、インテーク部材11は、第1導入流路r
1を取り囲むように下方に向かって突出する一対の内側筒状部11e(外側筒状部11f)を横並びに設けたものである。なお、本実施形態では、保持板11aは、内側筒状部11eと外側筒状部11fとの間であって、互いに向かい合う位置に、空気置換孔A
2が形成されている。
【0024】
図2に示すように、インテーク部材11を中栓3に装着したとき、インテーク部材11の内側筒状部11eは、中栓3の内側筒状部3eに対して外側から嵌合する。これにより、中栓3の開口部A
1は、中栓3の内側筒状部3eおよびインテーク部材11の内側筒状部11eの内壁で形成された流路r
0を通ってインテーク部材11の第1導入
流路r
1に通じる。また、
図2に示すように、インテーク部材11を中栓3に装着したとき、インテーク部材11の外側筒状部11fも、中栓3の外側筒状部3fに対して内側から嵌合する。これにより、
図2に示すように、中栓3とインテーク部材11との間には、中栓3に形成した空気置換孔A
2を通して充填空間S
A、S
Bに通じる空間S
1が形成される。
【0025】
また、
図1に示すように、ディスペンサ1Bは、インテーク部材11に接続されるインテークロッド12を有する。本実施形態では、インテークは、インテーク部材11とインテークロッド12とで構成されている。インテークロッド12は、インテーク部材11の保持板11aに固定される固定部12aを有する。固定部12aからは、外筒部12bが上方に向かって伸びている。本実施形態では、外筒部12bの内側に、下方に向かって伸びる内筒部12cが設けられている。これにより、インテークロッド12の内側には、内筒部12cの内側に形成された小径流路r
2と、この小径流路r
2に繋がり外筒部12bの内側に形成された大径流路r
3とが形成されている。インテークロッド12の内筒部12cは、インテーク部材11の筒体部11bの内側に対して嵌合することで、インテーク部11bとの間のシール状態を保持する。これにより、インテークロッド12内に形成された流路(r
2,r
3)は、第2導入流路(r
2,r
3)として、筒体部11b内に形成された第1導入流路r
1に通じる。なお、本実施形態には、インテークロッド12の外筒部12bに、空気置換孔A
3が形成されている。
【0026】
本実施形態では、
図2に示すように、インテークロッド12の外筒部12bは、固定部12aに対して横並びに配置された一対の外筒部12bとしてなる。インテークロッド12は、固定部12aの内側に係止されることで、インテーク部材11に固定される。また、インテーク部材11とインテークロッド12との間は、インテーク部材11に設けられたガイド筒11cがインテークロッド12の外筒部12bの内側に嵌合することで、シールされた状態に保持されている。
【0027】
また、
図1に示すように、ディスペンサ1Bは、インテークロッド12を介してインテークロッド12に接続されるボディ13を有する。ボディ13は、
図1に示すように、インテークロッド12の外筒部12bを収容するベース13aと、このベース13aから前方に向かって伸びる排出筒13bとを有する。
【0028】
ボディ13は、
図2に示すように、横並びに配置されており、ベース13aに収容されたインテークロッド12には、逆止弁14が設けられている。逆止弁14は、インテークロッド12の大径流路r
3を閉じる弁体14aと、この弁体14aを閉じ方向に付勢する弾性部14bとを有し、弾性部14bがベース13aの天面に保持される。これにより、逆止弁14は、インテークロッド12の大径流路r
3からの流れのみ許容する。
【0029】
また
図1に示すように、インテークロッド12には、連通孔A
4が形成されている。連通孔A
4は、逆止弁14が配置されたインテークロッド12の大径流路r
3を排出筒13bの内側に形成された排出流路r
6に通じさせる。インテークロッド12の外筒部12bとボディ13のベース13aとの間には、インテークロッド12の連通孔A
4とボディ13の排出流路r
6とに通じる環状の隙間r
4が形成されている。さらにボディ13は、排出筒13bの下方に、別体として設けられたシリンダ13cを有する。シリンダ13cは、環状の隙間r
4に通じる連通孔r
5が形成されている。すなわち、本実施形態のボディ13は、1の筒体部11bに通じるシリンダ13cと、このシリンダ13cに通じる排出流路r
6とが設けられたボディであって、
図2に示すように、2つのボディ13を一対に横並びに配置してなる。また、
図1中、符号15は、シリンダ13c内にスライド可能に密閉保持されるピストンである。ピストン15は、シリンダ13cとの間にポンプ室S
pを形成する。
【0030】
符号16は、各シリンダ13cに配置された2つのピストン15を同期して動作させるレバーである。レバー16は、ボディ13に対して回転可能に保持される軸部16aを有する。これにより、レバー16は、軸部16aを基点に牽曳することができる。さらに、レバー16は、ボディ13に設けられた弾性部材13sによって保持されている。これにより、レバー16を弾性部材13sの付勢力に抗して牽曳したのち、その牽曳動作を解除すると、弾性部材13sの復元力(付勢力)によって初期位置に自動的に復帰させることができる。なお、13dは、ボディ13に固定されるポンプカバーである。
【0031】
符号17は、ディスペンサ1Bを容器部分1Aに装着するための装着筒である。装着筒17は、ボディ13に固定されるカラー18によって、インテークロッド12に対して回転可能に保持されている。装着筒17の内側には、ねじ部17sが形成されている。これにより、
図2に示すように、装着筒17のねじ部17sを容器本体2のねじ部2sに螺合させることで、容器部分1Aに対してディスペンサ1Bを取り外し可能に装着することができる。
【0032】
さらに
図1にて、ディスペンサ1Bは、2つの排出流路r
6を合流させて混合液を噴出させる噴出部20を有する。噴出部20は、ボディ13の前端に接続されるジョイントエレメント21と、ジョイントエレメント21の内側に配置されるロッドエレメント22と、ロッドエレメント22の前端部を取り囲んでジョイントエレメント21に装着されるジョイントカバー23と、噴出口A
10を有してジョイントカバー23に装着されるノズルカバー24とを有する。本実施形態では、ジョイントカバー23とノズルカバー24とでノズル部を構成する。
【0033】
詳細には、
図3(a)に示すように、ジョイントエレメント21は、ボディ13の排出筒13bに接続される接続筒21aが一対横並びに配置されているとともに、これら接続筒21aの前壁21bに、合流筒21cが設けられている。合流筒21cの内側には、ピン21dが設けられている。また、合流筒21cは、
図3(a)に示すように、2つ横並びの接続筒21aよりも下側に配置されている。
【0034】
接続筒21aはそれぞれ、
図3(b)に示すように、その内側に、ボディ13の排出筒13bを収容するための通路r
7が形成されている。さらに接続筒21aの内側にはそれぞれ、排出筒13bとの間をシールするために、接続筒21aの周方向に沿って内向きに突出する複数のシール突起21sが設けられている。本実施形態では
図4(a)に示すように、シール突起21sは間隔を置いて三箇所の位置に設けられている。また、接続筒21aの通路r
7は
図4(a)に示すように、前壁21bと接続筒21aとの接続部分に形成された接続開口部A
7を通して合流筒21cの内側に形成された通路r
8に通じる。通路r
8は、合流流路r
8として機能し、通路r
7は案内流路r
7として機能する。ピン21dは、合流筒21cの後方に、接続筒21aとともに一体に形成された後壁21eから前方に向かって伸びている。さらに、本実施形態では、接続筒21aの前壁21bは、合流筒21cの後端の一部を閉じるとともに、
図4(b)に示すように上方に向かって突出している。なお、
図5には、ジョイントエレメント21の斜視図を示す。
【0035】
加えて合流筒21cは、
図4(b)に示すように、接続筒21aの前壁21bに隣接した部分が嵌合部21c
1として形成されている。嵌合部21c
1は、
図4(b)に示すように、その上下が左右(
図4(a)参照)よりも狭くなっている。これにより、嵌合部21c
1は、
図3(a)に示すように、その外観形状がトラック形に形作られている。
【0036】
一方、
図1に示すように、ロッドエレメント22は、ジョイントエレメント21とジョイントカバー23との間に位置決めされるシャフト部22aと、シャフト部22aを取り囲んでジョイントエレメント21に嵌合する嵌合部22bとを有する。
【0037】
嵌合部22bは、
図6(a)に示すように、ジョイントエレメント21に設けた合流筒21cの嵌合部21c
1と同様、その外観形状がトラック形に形作られている。本実施形態では、嵌合部22bは、
図6(b)に示すように、その後端の両側を切り欠いて突起22pを設けている。また嵌合部22bの外面には、
図6(a)に示すように、互いにシャフト部22aの軸線O
2を挟んで反対側の位置に一対の切り欠き部22cが形成されている。本実施形態では、2つの切り欠き部22cはそれぞれ、嵌合部22bの上下に位置する平坦面を切り欠いて形成されている。
【0038】
一方、シャフト部22aは、
図6(a)に示すように、その軸線O
2を挟んだ反対側の外面それぞれに一対の旋回溝部22dが形成されている。2つの旋回溝部22dは、
図7(a)に示すように、シャフト部22aの前端に形成された凹部22eに合流する。また、シャフト部22aの後端には、
図7(b)に示すように、ジョイントエレメント21のピン21dを挿入するための挿入穴A
9が形成されている。なお、旋回溝部22dは、シャフト部22aの外面とともに、或いは、それに変えて、後述するノズル部の密封筒(ジョイントカバー23の密封筒23a)の内面に形成することもできる。
【0039】
図8(a)は、ジョイントエレメント21にロッドエレメント22を装着した状態を正面から示す。
図8(a)に示すように、ジョイントエレメント21の嵌合部21c
1にロッドエレメント22の嵌合部22bを嵌合させることにより、嵌合部22bに形成された切り欠き部22cは、ジョイントエレメント21の嵌合部21c
1との間に、合流流路r
8を前方に通じさせる一対の絞り流路r
9を形成する。本実施形態では、接続開口部A
7と絞り流路r
9とは、軸線O周りに90度の間隔で互い違いに配置されている。また本実施形態では、
図8(b)に示すように、ロッドエレメント22は、そのシャフト部22aの後端をジョイントエレメント21の後壁21eに接触させることで位置決めするとともに、ジョイントエレメント21の合流筒21cに設けた突起21pに、ロッドエレメント22の嵌合部22bに設けた突起22pを係止させることで、強固な位置決めを可能にしている。
【0040】
一方、ジョイントエレメント21は、
図8(b)に示すように、ボディ13の排出筒13bに装着されている。ボディ13は、排出流路r
6のそれぞれに、シリンダ13cからの圧力によってのみ開放される逆流防止弁19を有する。逆流防止弁19は、排出流路r
6を閉じる弁体19aと、この弁体19aを閉じ方向に付勢する弾性部19bとを有し、弾性部19bが接続筒21aの前壁21bに保持される。これにより、逆流防止弁19は、ボディ13に形成された排出流路r
6からの流れのみ許容する。さらに、弾性部19bには、排出流路r
6内に保持される保持部19cが設けられている。保持部19cは、
図9(a)に示すように、排出流路r
6とジョイントエレメント21の接続筒21a内に形成された案内流路r
7との間の流通を確保するための隙間を有する。
【0041】
案内流路r
7は、
図8(b)に示すように、ジョイントエレメント21の前壁21bと接続筒21aとの接続部分に形成された接続開口部A
7を通って合流筒21cの内側に形成された合流流路r
8に通じる。すなわち、ボディ13の2つの排出流路r
6は、ジョイントエレメント21内の合流流路r
8にて合流する。これにより、噴出口A
10よりも上流側で2液の混合を行うことができる。次いで、合流流路r
8は、
図9(b)に示すように、ジョイントエレメント21の嵌合部21c
1とロッドエレメント22の嵌合部22bに形成した切り欠き22cとで形作られた一対の絞り流路r
9に通じる。
【0042】
2つの絞り流路r
9は、
図1に示すように、ロッドエレメント22に形成された一対の旋回溝部22dとジョイントカバー23との間に形成された2つの旋回流路r
10に通じる。本実施形態では、絞り流路r
9と旋回流路r
10とは、軸線O周りに90度の間隔で互い違いに配置されている。また本実施形態では、ジョイントカバー23は、ロッドエレメント22のシャフト部22aの前端部を取り囲んで密封する密封筒23aを有する。2つの旋回流路r
10は、ジョイントカバー23の密封筒23aとロッドエレメント22に形成された旋回溝部22dとの間に形成される。2つの旋回流路r
10は、ジョイントカバー23とロッドエレメント22に形成された凹部22eによって形成された流路を第2の合流路として、ジョイントカバー23に形成された絞り孔A
11にて流入する。絞り孔A
11は、ジョイントカバー23とノズルカバー24との間に形成された拡大空間S
12を通じ、この拡大空間S
12は、ノズルカバー24に形成した噴出口A
10を通して外界に通じる。
【0043】
図8(b)の破線矢印に示すように、ボディ13に形成された2つの排出流路r
6から圧送された液体A,Bはそれぞれ、逆流防止弁19を開放する。これにより、液体A,Bはそれぞれ、逆流防止弁19の保持部19cに形成された隙間を通って、それぞれの案内流路r
7に流入する(
図9(a)参照)。案内流路r
7に流入した液体A,Bはそれぞれ、
図9(b)の直線矢印に示すように、接続開口部A
7を通って合流流路r
8に流入する。合流流路r
8に流れ込んだ液体A,Bは、ロッドエレメント22の嵌合部22bの後端にぶつかることで(
図8(b)の破線矢印参照)、
図9(c)の矢印に示すように、互いに混合しながらロッドエレメント22のシャフト部22aを回り込んで2つの絞り流路r
9に流入する。
【0044】
特に、本実施形態では、接続開口部A
7と絞り流路r
9(切り欠き22c)とは、
図8(a)に示すように、軸線O
2周りに90度の角度で互い違いに配置されている。この場合、2つの液体A,Bを均等に、それぞれの接続開口部A
7から絞り流路r
9に流入させることができる。これは、より均等な混合に寄与する。
【0045】
2つの絞り流路r
9に流入した混合液は、
図1に示すように、合流室S
11に流入したのち、旋回流路r
10を通って回転力を得た後、ジョイントカバー23に形成された絞り孔A
11から拡大空間S
12に向かって噴射されることで、液体A,Bの混合がさらに促進される。これにより、噴出口A
10からは、液体A,Bの混合が促進された混合液が安定した泡となって噴射される。すなわち、本実施形態のトリガー式ディスペンサ容器1によれば、噴射までの間に十分な混合がなされるため、所望の効能を発揮しつつ泡立ち等にばらつき等を生じない混合液を噴射させることができる。
【0046】
従って、本実施形態のトリガー式ディスペンサ容器1によれば、逆流を防止しながら、2液の混合を十分に行えることができる。また、ボディ13と噴出部20との間に逆流防止弁19を設けたことで、混合済みの残液の逆流を抑えることができる。
【0047】
特に、本実施形態では、一対の接続開口部A
7から2液A,Bが合流流路r
8に流れ込んで第1の混合を行うに次いで、この混合液が合流流路r
8から分岐する一対の絞り流路r
9を通って合流室S
11に流れ込んで第2の混合を行ったのち、さらに、一対の旋回流路r
10に分岐する。これにより、噴出口A
10に到達するまでの対流効果により、2液A,Bをより均一に混合させることができる。
【0048】
さらに、本実施形態では、一対の接続開口部A
7と一対の絞り流路(切り欠き部22c)r
9とが軸線O周りに90度の間隔で互い違いに配置され、また、一対の絞り流路r
9と一対の旋回流路r
10とが軸線O周りに90度の間隔で互い違いに配置されていることで、2液A,Bの均一な混合をさらに確実に可能にする。
【0049】
上述したところは、本発明の一形態を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。例えば、本実施形態において中栓3は別体に設けたが、2つの中栓3は一体に構成することができる。またボディ13も別体に設けたが、一体に形成することができる。