特許第6158079号(P6158079)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 3088−7418 ケベック インコーポレイテッド マッド マブ コーポレイションの特許一覧

特許6158079展開型(Evolving)建築構造物の改良
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6158079
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】展開型(Evolving)建築構造物の改良
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/343 20060101AFI20170626BHJP
   E04B 1/24 20060101ALI20170626BHJP
   E04B 9/06 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
   E04B1/343 Q
   E04B1/24 A
   E04B9/06 F
【請求項の数】10
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-508336(P2013-508336)
(86)(22)【出願日】2011年5月6日
(65)【公表番号】特表2013-525648(P2013-525648A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】CA2011000532
(87)【国際公開番号】WO2011137525
(87)【国際公開日】20111110
【審査請求日】2014年4月25日
(31)【優先権主張番号】61/331,897
(32)【優先日】2010年5月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512287676
【氏名又は名称】3088−7418 ケベック インコーポレイテッド マッド マブ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】3088−7418 QUEBEC INC. MAD MAB CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】マーク エー ボヴェット
(72)【発明者】
【氏名】ミッシェル トレンブレ
【審査官】 渋谷 知子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/096997(WO,A1)
【文献】 特開昭57−024754(JP,A)
【文献】 米国特許第04646506(US,A)
【文献】 米国特許第04757663(US,A)
【文献】 特開2009−097146(JP,A)
【文献】 米国特許第6301854(US,B1)
【文献】 米国特許第5881516(US,A)
【文献】 米国特許第5956916(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/343
E04B 1/24
E04B 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分解可能且つ再組立可能な建築構造物を施工するための測定不要システムであって、
複数の規則的に離間したアタッチメント受け要素(12、14、22、24)をそれぞれが有する複数の束柱(10)及び根太(20)を備えた、複数の組立式建築構成要素と、
前記複数の束柱(10)及び根太(12)を分解可能に接合するために前記規則的に離間したアタッチメント受け要素(12、14、22、24)に係入する複数の取り外し可能なアタッチメントと
を備え、前記規則的に離間したアタッチメント受け要素(12、14、22、24)は、分解可能且つ互いに異なる複数の構成に再組立可能である測定不要建築構造物の組み立てを可能にし、
分解可能な天井アンカーシステムは、
少なくとも2つの根太(20)であり、各根太が、該各根太に沿った所定位置に位置付けた複数の受け要素(112)を備える、前記少なくとも2つの根太(20)と、
互いに離間し、かつ、前記根太に垂直に配置され、前記受け要素(112)に受けられる少なくともつの天井野縁受け要素(110)であって、それぞれが少なくとも1つの胴縁把持部材(116)を備える前記少なくとも2つの天井野縁受け要素(110)と、
前記少なくとも2つの天井野縁受け要素(110)の対応する2つの前記胴縁把持部材(116)に挿入されて、前記少なくとも2つの天井野縁受け要素(110)に受けられる少なくともつの胴縁(130)と、を備え、
2つ以上の胴縁(130)が、前記少なくとも2つの天井野縁受け要素(110)の前記胴縁把持部材(116)に挿入された状態で、前記2つ以上の胴縁(130)は、天井面を受ける平面を形成する測定不要システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記各根太(20)は、床(T)を受ける上面と、前記天井面を受ける下面と、を備え、
前記受け要素(112)は、前記少なくとも2つの根太(20)の前記下面に設けられているシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシステムにおいて、前記天井野縁受け要素(110)は、第1の根太(20)の第1の受け要素(112)に取り付けられる第1端部と、第2の根太(20)の第2の受け要素(112)に取り付けられる第2端部と、を備えるシステム。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記束柱及び前記根太はそれぞれ、配管、配線、暖房、換気、空調(HVAC)ダクティング、及び/又はセントラルバキュームダクティングを受ける少なくとも1つの開口をさらに備えるシステム。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記構造物の内部及び外部を画定する外壁パネルと、
前記外壁パネルに隣接し、前記束柱それぞれの間に配置された絶縁材と、を更に備え、
前記複数の取り外し可能なアタッチメントは、複数の取り外し可能な外壁パネルアタッチメントを含み、各外壁パネルアタッチメントは、
前記アタッチメント受け要素に受け止められる第1分解可能アタッチメント部材と、
前記外壁パネルを受け止める第2分解可能アタッチメント部材と、
前記絶縁材を所定位置に固定する固定要素と、を備えるシステム。
【請求項6】
請求項に記載のシステムにおいて、
前記固定要素は、前記第1分解可能アタッチメント部材及び前記第2分解可能アタッチメント部材を接続するスペーサに設けられているシステム。
【請求項7】
請求項に記載のシステムにおいて、前記固定要素は少なくとも1つの舌部であるシステム。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記外壁パネルは、前記束柱それぞれから離間しており、前記外壁パネルと前記束柱それぞれとの間に空間が画定されるシステム。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
前記絶縁材は、絶縁パネル、絶縁繊維、絶縁フォーム、吹き付け絶縁フォーム、ミネラルウール、セルロース、又はそれらの組み合わせから選択されるシステム。
【請求項10】
請求項に記載のシステムにおいて、
前記絶縁材は前記絶縁パネルであり、前記絶縁パネルは、前記束柱それぞれの上に突出するリップをさらに備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示する主題は、包括的には建設工事の分野に関し、より詳細には展開型建築構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
建築構造物キットには多くのタイプがある。これらの建築構造物は、通常は建設現場で互いに組み立てることができる構成要素を含むキットの形態をとる。しかしながら、このようなキットは、限られた数の部品しか有さないのが普通であり、したがっていくつかの単純な青写真に従って建築物を組み立てる役割しか果たさない。さらに、多くの既存のキットは、限られた構造剛性しか有さないので、これらのキットを用いて組み立てた建築物は、通常は上屋等の比較的単純な建築物である。
【0003】
キットを用いて建築物を組み立てる場合、建築業者は、キット構成要素を組み立てるために従来の測定技法の使用に頼らざるを得ず、これには測定手順に起因した誤差及び遅延のあらゆる危険が伴う。
【0004】
さらに、キットを用いて建築物を組み立てる場合、これらのキットは、建築物を完全に仕上げるために追加部品で補わなければならない。したがって、通常は何らかの従来の建設技法を用いなければならないことにより、キットがもたらす利点が少なくなる。これらの建設技法では、多くの場合、建設現場で木片及び他の材料片を切断する必要がある。したがって、あらゆる誤差の危険を伴って測定を行うと共に、材料片を切断する必要があり、これにより、使用不可能な比較的小さな材料片が残って廃棄されることが多い。したがって、これらの従来の建設技法は、比較的時間がかかり比較的多量の廃棄物を発生させる。
【0005】
同様に、キットを用いて組み立てる現在のモジュール式建築物では、建築物が全体的に組み立てられ、構造物を分解して構造物を元の構成又は別の構成に組み立て直す可能性はない。これは、オリジナルキットのいくつかの要素を解体プロセス中に破壊しなければならないからである。
【0006】
さらに、既存の建築物では、組立時にキットを用いたか従来の建設技法を用いたかに関係なく、通常は建築物内部と建築物外部との間に多くの熱橋がある。これらの熱橋は、建築物の内壁と外壁との間に絶縁材が通常は挿入されることにより生じる。これらの内壁及び外壁は、通常は間柱に取り付けられる。したがって、これらの間柱がある場所には絶縁材が設けられず、建築物の内外間でこれらの間柱を通して熱が伝達され得る。熱橋は通常、冬場は比較的大きな熱損失を引き起こし、夏場は建築物への熱の進入を引き起こす。
【0007】
したがって、新規の改良された建築構造物を提供することが当業界で必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、改良された展開型建築構造物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
「展開型」という用語は、本発明の建築構造物が分解可能且つ再組立可能な組立式部品の組み立てから建設されることを意味するためのものである。本発明の展開型建築構造物は、家族の展開に応じた必要に合わせて、又は新規所有者に合わせて容易に変更することができる。特に窓、ドア、及び内壁は、建築構造物内で移動させることができる。外的状況では、展開型建築構造物全体を分解し、移動させ、他の場所で異なる構成又は同じ構成に組み立て直すことができる。本発明の展開型構造物は、展開型建築構造物の建設に用いられ得るモジュールを構成するためにそのような組立式部品から予め組み立てることができる。
【0010】
第1実施形態では、分解可能且つ再組立可能な建築構造物を施工するための測定不要システムであって、
複数の取り外し可能なアタッチメントを係入する複数の規則的に離間したアタッチメント受け要素を有する複数の束柱及び根太を備えた、複数の組立式建築構成要素を、第1構成の建築構造物に組み立て、アタッチメントは、複数の束柱及び根太を分解可能に接合し、
規則的に離間したアタッチメント受け要素の規則的な位置決めにより、測定不要アセンブリを提供し、建築構造物は、部分的又は完全に分解可能且つ第1構成又は異なる構成に再組立可能である測定不要システムを開示する。
【0011】
根太は、相互に接続されて根太梁を形成する少なくとも1つの細長の根太セクションを備え得る。
【0012】
根太は、少なくとも2つの細長の根太セクションを相互に接合して根太を形成する少なくとも1つの固定部材をさらに備え得る。
【0013】
束柱及び根太はそれぞれ、配管、配線、暖房、換気、空調(HVAC)ダクティング、及び/又はセントラルバキュームダクティングを受ける少なくとも1つの開口をさらに備え得る。
【0014】
さらに別の実施形態では、分解可能且つ再組立可能な建築構造物を施工するためのキットであって、
第1外壁パネルアタッチメント及び第2外壁パネルアタッチメントを備えた、構造物の内部及び外部を画定する外壁パネルと、
少なくとも2つの略細長の束柱であり、第1壁パネルアタッチメント及び第2壁パネルアタッチメントの一方をそれぞれ受け止める少なくとも1つのアタッチメント受け要素をそれぞれが備えることにより、第1壁パネルアタッチメント及び第2壁パネルアタッチメントがアタッチメント受け要素に受け止められると、壁パネルが少なくとも2つの束柱から離間してパネルと束柱それぞれとの間に空間が画定される少なくとも2つの略細長の束柱と、
壁パネルに隣接して束柱それぞれの間に係合するよう構成した絶縁材と
を備え、空間は、構造物の内部と外部との間の熱橋効果を実質的に低減し、建築構造物を、部分的又は完全に分解されて第1構成又は異なる構成に組み立て直されるよう構成したキットを開示する。
【0015】
絶縁材は、絶縁パネル、絶縁繊維、絶縁フォーム、吹き付け絶縁フォーム、ミネラルウール、セルロース、又はそれらの組み合わせから選択され得る。
【0016】
絶縁パネルは、束柱それぞれの上に突出するリップをさらに備え得る。
【0017】
第1壁パネルアタッチメント及び第2壁パネルアタッチメントはそれぞれ、絶縁パネルを所定位置に固定する固定要素をさらに備え得る。
【0018】
固定要素は少なくとも1つの舌部であり得る。
【0019】
さらに別の実施形態では、分解可能な外壁パネルアタッチメントであって、
適合するアタッチメント受け要素に受け止められる第1分解可能アタッチメント部材と、
適合する外壁パネルを受け止める第2分解可能アタッチメント部材と、
第1アタッチメント部材及び第2アタッチメント部材を接続するスペーサと
を備えた分解可能な外壁パネルアタッチメントを開示する。
【0020】
スペーサは固定要素をさらに備え得る。
【0021】
固定要素は少なくとも1つの舌部であり得る。
【0022】
さらに別の実施形態では、3次元軸に沿って調整可能な束柱アンカーであって、
建築基礎に埋設され、第1軸に沿って調整可能な装着部材を有するベース部材と、
保持部材であり、
装着部材に取り付け可能であり、第2軸に沿って調整可能な座部、及び
束柱を受け、第3軸に沿って調整可能な冠部
を有する保持部材と
を備え、基礎と正確に位置合わせされてそこに取り付ける束柱を水平にするよう3次元軸に沿って調整可能である束柱アンカーを開示する。
【0023】
装着部材は、第1軸に沿った座部の調整を可能にする第1調整部材を備え得る。
【0024】
装着部材は少なくとも1つのねじロッドを備え得る。
【0025】
装着部材は2つのねじロッドからなり得る。
【0026】
装着部材は装着継手を備え得る。
【0027】
装着継手は蟻継ぎであり得る。
【0028】
第1調整部材はねじロッドを挿嵌させるねじナットを備え得る。
【0029】
座部は、第2軸に沿った座部の調整を可能にする第2調整部材を備える。
【0030】
第2調整部材は少なくとも1つの開口を備え得る。
【0031】
第2調整部材は2つの開口を備え得る。
【0032】
少なくとも1つの開口は、略円形、卵形、楕円形、及び矩形の開口の少なくとも1つであり得る。
【0033】
第2調整部材は固定部材を受けるよう構成され得る。
【0034】
冠部は、第3軸に沿った冠部の調整を可能にする第3調整部材を備え得る。
【0035】
第3調整部材は少なくとも1つの開口を備え得る。
【0036】
少なくとも1つの開口は、略円形、卵形、楕円形、及び矩形の開口の少なくとも1つであり得る。
【0037】
第3調整部材は、冠部を座部に固定する少なくとも1つの固定部材を受け得る。
【0038】
少なくとも1つの固定部材は、ねじボルト及びねじナットであり得る。
【0039】
冠部は束柱受け部材を備え得る。
【0040】
束柱受け部材は締結具受け要素を備え得る。
【0041】
束柱受け部材はブラケットを備え得る。
【0042】
束柱アンカーは、建築基礎への埋設、機械的固着、及び/又は接着的固着により、上記基礎に固着され得る。
【0043】
さらに別の実施形態では、分解可能な床アンカーシステム用のキットであって、
少なくとも2つの根太であり、根太に沿った所定位置に位置付けた少なくとも1つのブリッジ要素をそれぞれが備える少なくとも2つの根太と、
ブリッジ要素に受け止められるラグを各端に備える少なくとも1つの二次根太と
を備え、二次根太は、少なくとも2つの根太のそれぞれに挿入されると、少なくとも2つの根太に対して略垂直となり、床材面を受ける平面を形成し、
分解可能な床アンカーシステムを部分的又は完全に分解して第1構成又は異なる構成に組み立て直すことができるキットを開示する。
【0044】
根太は2つ以上のブリッジ要素を備え得る。
【0045】
2つ以上のブリッジ要素は固定の規則的間隔で離間し得る。
【0046】
ラグは締結具受け要素をさらに備え得る。
【0047】
根太は少なくとも1つの締結具受け要素を備え得る。
【0048】
根太は複数の締結具受け要素を備え得る。
【0049】
二次根太は少なくとも1つの締結具受け要素を備え得る。
【0050】
二次根太は複数の締結具受け要素を備え得る。
【0051】
締結具受け要素は固定の規則的間隔で離間し得る。
【0052】
根太は、相互に接続されて根太を形成する少なくとも2つの根太セクションを備え得る。
【0053】
根太は、少なくとも2つの根太セクションを相互に接合して根太を形成する少なくとも1つの固定部材をさらに備え得る。
【0054】
梁は、配管、配線、暖房、換気、空調(HVAC)ダクティング、及び/又はセントラルバキュームダクティングを受ける少なくとも1つの開口をさらに備え得る。
【0055】
さらに別の実施形態では、分解可能且つ再組立可能な床構造物を組み立てる方法であって、
a)上述の複数の根太及び複数の二次根太を備えた複数の組立式床構成要素を、複数の根太を相互に平行に配置し、二次根太の各端に設けたラグを各対向ブリッジ要素に挿入することにより、分解可能な床構造物に組み立てるステップ
を含み、根太及び二次根太は、相互に対して略垂直であり、床材面を受ける平面を形成し、床構造物は、部分的又は完全に分解可能且つ第1構成又は異なる構成に再組立可能である方法を開示する。
【0056】
本方法は、ステップa)の後に、
b)複数の二次根太を複数の根太に締結するステップ
をさらに含み得る。
【0057】
本方法は、ステップb)の後に、
c)分解可能な床構造物に床材面を重ねるステップ
をさらに含み得る。
【0058】
さらに別の実施形態では、分解可能な床を組み立てる方法であって、
a)上述の複数の根太及び複数の二次根太、並びに複数の床用タイルを備えた組立式床構成要素を、複数の根太を相互に平行に配置し、二次根太の各端に設けたラグを各対向ブリッジ要素に挿入することにより、分解可能な床構造物に組み立てることによって、複数の床用タイルを受ける平面を形成するステップと、
b)複数の床用タイルを分解可能な床構造物に重ねるステップと
を含み、根太及び二次根太は、相互に対して略垂直であり、複数の床用タイルを受ける平面を形成し、床構造物を部分的又は完全に分解して第1構成又は異なる構成に組み立て直すことができる方法を開示する。
【0059】
本方法は、ステップb)の後に、
i)床用タイルを重ねる前又は重ねた後に複数の二次根太を複数の根太に締結するステップ
をさらに含み得る。
【0060】
さらに別の実施形態では、分解可能な胴縁支持材であって、
分解可能な胴縁把持部材であり、
スペーサ、及び
スペーサの両端に接続した第1及び第2フック部材
の少なくとも一方を備えた分解可能な胴縁把持部材と、
適合するアタッチメント受け要素に受け止められて分解可能な胴縁把持部材に接続される分解可能なアタッチメント部材と
を備えた分解可能な胴縁支持材を開示する。
【0061】
胴縁支持材は一体的であり得る。
【0062】
さらに別の実施形態では、分解可能且つ再組立可能な壁支持システム用のキットであって、
少なくとも1つの胴縁と、
少なくとも2つの上記胴縁支持材と
を備えたキットを開示する。
【0063】
さらに別の実施形態では、分解可能且つ再組立可能な壁用のキットであって、
内部及び外部を画定する壁パネルと、
少なくとも1つの胴縁と、
少なくとも2つの上記胴縁支持材と、
少なくとも2つの略細長の束柱であり、胴縁支持材を受け止める少なくとも1つのアタッチメント受け要素をそれぞれが備えることにより、少なくとも1つの胴縁が少なくとも2つの胴縁支持材に受け止められると、壁パネルが少なくとも2つの略細長の束柱から離間されてパネルと略細長の束柱それぞれとの間に空間が画定される少なくとも2つの略細長の束柱と
を備え、空間は、分解可能な壁の内部と外部との間の熱橋効果を実質的に低減し、壁を部分的又は完全に分解して第1構成又は異なる構成に組み立て直すことができるキットを開示する。
【0064】
本キットは、壁パネルに隣接して束柱それぞれの間に係合するよう構成した絶縁要素をさらに備え得る。
【0065】
絶縁要素は、絶縁パネル、絶縁繊維、及び絶縁フォームの少なくとも1つであり得る。
【0066】
胴縁は消音材から作られ得る。
【0067】
さらに別の実施形態では、分解可能な胴縁支持材であって、
少なくとも1つの細長の平面部材であり、
胴縁を固定する第1及び第2フック部材を有する少なくとも1つの胴縁把持部材と、
適合するアタッチメントを受ける複数の規則的に離間したアタッチメント受け要素と
を備えた少なくとも1つの細長の平面部材
を備えた分解可能な胴縁支持材を開示する。
【0068】
分解可能な胴縁支持材は、スペーサ部材により接続した2つの細長の平面部材を備え得る。
【0069】
分解可能な胴縁支持材はU字形であり得る。
【0070】
胴縁支持材は一体的であり得る。
【0071】
さらに別の実施形態では、分解可能且つ再組立可能な壁支持システム用のキットであって、
少なくとも1つの胴縁と、
少なくとも2つの上記胴縁支持材と
を備えたキットを開示する。
【0072】
さらに別の実施形態では、分解可能且つ再組立可能な壁用のキットであって、
内部及び外部を画定する壁パネルと、
少なくとも1つの胴縁と、
少なくとも2つの上記胴縁支持材と、
少なくとも2つの略細長の束柱であり、分解可能な胴縁支持材を受け止める少なくとも1つのアタッチメント受け要素をそれぞれが備えることにより、少なくとも1つの胴縁が少なくとも2つの胴縁支持材に受け止められると、壁パネルが少なくとも2つの略細長の束柱から離間されてパネルと略細長の束柱それぞれとの間に空間が画定される少なくとも2つの略細長の束柱と
を備え、空間は、分解可能な壁の内部と外部との間の熱橋効果を実質的に低減し、壁を部分的又は完全に分解して第1構成又は異なる構成に組み立て直すことができるキットを開示する。
【0073】
本キットは、壁パネルに隣接して束柱それぞれの間に係合するよう構成した絶縁要素をさらに備え得る。
【0074】
絶縁要素は、絶縁パネル、絶縁繊維、及び絶縁フォームの少なくとも1つであり得る。
【0075】
胴縁は消音材から作られ得る。
【0076】
さらに別の実施形態では、分解可能な電気接続箱支持材であって、
分解可能な胴縁把持部材であり、
スペーサ、及び
スペーサの両端に接続した第1及び第2フック部材
の少なくとも一方を備えた分解可能な胴縁把持部材と、
分解可能な胴縁支持材に接続され、少なくとも1つの電気接続箱を収容する開口を備えたハウジングと
を備えた分解可能な電気接続箱支持材を開示する。
【0077】
分解可能な電気接続箱支持材は一体的であり得る。
【0078】
分解可能な電気接続箱支持材は少なくとも1つの電装箱を内部にさらに備え得る。
【0079】
さらに別の実施形態では、分解可能且つ再組立可能なフレーム用のキットであって、
内面及び外面を有するフレームアセンブリであり、
内面に面しており、フレームアセンブリを略平行な第1及び第2束柱に固定する少なくとも2つのフレームアセンブリアタッチメント
を備え、束柱は、フレームアセンブリアタッチメントを受ける複数の規則的に離間したアタッチメント受け要素を有する、フレームアセンブリと、
第1及び第2胴縁受け棒材であり、
少なくとも1つの胴縁を受ける少なくとも1つの胴縁把持部材
を備え、略平行な第1及び第2束柱に対して略垂直に固定されてフレームアセンブリの周りに境界を形成するよう構成した、第1及び第2胴縁受け棒材と
を備えたキットを開示する。
【0080】
胴縁把持部材は、胴縁を固定する第1及び第2フック部材を備え得る。
【0081】
胴縁受け棒材は、2つの胴縁を受けるよう構成され得る。
【0082】
フレームアセンブリは、窓アセンブリ又はドアアセンブリであり得る。
【0083】
本発明の主題の特徴及び利点は、添付図面に示すように、以下の選択実施形態の詳細な説明に照らしてより明確となるであろう。認識されるように、開示し特許請求される主題は、特許請求の範囲から逸脱することなく種々の態様で変更可能である。したがって、図面及び説明は、事実上説明であって限定ではないとみなされ、主題の全範囲が特許請求の範囲に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0084】
図1A】本発明の一実施形態による建築構造物の図を示す。
図1B】本発明の一実施形態による建築構造物の図を示す。
図2A】本発明の一実施形態による略細長の束柱の背面斜視図を示す。
図2B】本発明の一実施形態による略細長の束柱の正面斜視図を示す。
図3A】本発明の一実施形態による根太又は梁の斜視図を示す。
図3B】本発明の一実施形態による根太又は梁の斜視図を示す。
図3C】本発明の一実施形態による根太又は梁の斜視図を示す。
図4】本発明の一実施形態による略細長の束柱の側面図を示す。
図5】本発明の一実施形態による根太又は梁の斜視図を示す。
図6A】本発明の一実施形態による壁構造物の側面斜視図を示す。
図6B】本発明の一実施形態による壁構造物の側面斜視図を示す。
図6C】本発明の一実施形態による壁構造物の側面斜視図を示す。
図7】本発明の一実施形態による分解可能な壁パネルアタッチメントの側面図を示す。
図8A】本発明の一実施形態による束柱アンカーの斜視図を示す。
図8B】本発明の一実施形態による束柱アンカーの斜視図を示す。
図8C】本発明の一実施形態による束柱アンカーの斜視図を示す。
図9A】本発明の一実施形態による分解可能な床アンカーシステムを示す。
図9B】本発明の一実施形態による分解可能な床アンカーシステムを示す。
図10】本発明の一実施形態による分解可能な床アンカーシステムを示す。
図11A】本発明の一実施形態による分解可能な床アンカーシステムを示す。
図11B】本発明の一実施形態による分解可能な床アンカーシステムを示す。
図12A】本発明の一実施形態による壁パネル支持システムの側面図を示す。
図12B】本発明の一実施形態による壁パネル支持システムの側面図を示す。
図13A】本発明の一実施形態による電気接続箱支持材の斜視図を示す。
図13B】本発明の一実施形態による電気接続箱支持材の斜視図を示す。
図13C】本発明の一実施形態による電気接続箱支持材の上面図を示す。
図13D】本発明の一実施形態による電気接続箱支持材の斜視図を示す。
図13E】本発明の一実施形態による電気接続箱支持材の正面図を示す。
図13F】本発明の一実施形態による電気接続箱支持材の正面斜視図を示す。
図13G】本発明の一実施形態による電気接続箱支持材の背面斜視図を示す。
図13H】本発明の一実施形態による電気接続箱支持材の正面斜視図を示す。
図13I】本発明の一実施形態による電気接続箱支持材の正面斜視図を示す。
図13J】本発明の一実施形態による電気接続箱支持材の正面斜視図を示す。
図14A】本発明の一実施形態によるフレーム構造物の正面図を示す。
図14B】本発明の一実施形態によるフレーム構造物の正面図を示す。
図14C】本発明の一実施形態によるフレーム構造物の断面図を示す。
図15A】本発明の一実施形態による天井野縁受け要素の側面斜視図を示す。
図15B】本発明の一実施形態による天井野縁受け要素の側面斜視図を示す。
図15C】本発明の一実施形態による天井野縁受け要素のフラットパターン図を示す。
図15D】本発明の一実施形態による天井野縁受け要素の側面図を示す。
図16A】本発明の一実施形態によるフレームアセンブリの斜視図を示す。
図16B】本発明の一実施形態によるフレームアセンブリの斜視図を示す。
図16C】本発明の一実施形態によるフレームアセンブリの斜視図を示す。
図16D】本発明の一実施形態によるフレームアセンブリの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0085】
実施形態において、複数の取り外し可能なアタッチメントを係入する複数の規則的に離間したアタッチメント受け要素を有する複数の組立式建築構成要素を、第1構成の建築構造物に組み立てることにより、分解可能且つ再組立可能な建築構造物を施工するための測定不要システムであって、アタッチメントは、複数の組立式建築構成要素を分解可能に接合する、測定不要システムを開示する。規則的に離間したアタッチメント受け要素の規則的な位置決めにより、測定不要アセンブリを提供し、建築構造物は、部分的又は完全に分解可能且つ第1構成又は異なる構成に再組立可能である。
【0086】
キットの種々の構成要素は、それらを取り付けられる他の構成要素に容易に取り付け可能であるような寸法である。したがって、本発明によるキットを用いて建築構造物を組み立てるために部品を切断する必要も測定する必要もない。しかしながら、構成要素のいくつかを使用前に切断する必要のある、本文献に記載のキットと同様のキットも本発明の範囲内にある。
【0087】
当業者であれば、完全な建築構造物を施工するためのキットが本明細書で説明されているが、キットの一部のみを用いて代替的な家屋又は他の建築物の一部を組み立てることが本発明の範囲内にあることを容易に理解するであろう。さらに、キットは、例えば上屋、納屋、及びより大きな建築物、又はその一部等、他の建築構造物を組み立てるのにも有用である。
【0088】
上述の構成要素の全てを含む特定の建築構造物を本文献に記載するが、当業者であれば、あまり複雑でない家屋を施工できるように構成要素のいくつかのみを含むキットがあることも本発明の範囲内にあることを容易に理解するであろう。同様に、上述していない他の構成要素を含むキットがあることも本発明の範囲内にある。
【0089】
次に、図1A図3Cを参照する。束柱10及び根太20等の複数の組立式束柱及び根太を第1構成の建築構造物に組み立てることにより、分解可能且つ再組立可能な建築構造物を施工するための測定不要システムを開示する。
【0090】
図1A及び図1Bに示すように、束柱10及び根太20は、図2A及び図2Bの束柱に要素12、14、図3Aに示す根太に要素22及び24等、複数の規則的に離間したアタッチメント受け要素を有する。当業者に理解され得るようなボルト、ロッド、及び適合ナット等の複数の取り外し可能なアタッチメントが、規則的に離間したアタッチメント受け要素12、14、22、及び24に係入され、アタッチメントは、複数の束柱10及び根太20を分解可能に接合している。規則的に離間したアタッチメント受け要素12、14、22、及び24の規則的な位置決めにより、測定不要アセンブリを提供し、建築構造物は、部分的又は完全に分解可能且つ第1構成又は異なる構成に再組立可能である。
【0091】
束柱10及び根太20は、電気配線、光ファイバケーブル、又は構造物で使用する必要があり得る任意の所望のケーブル配線等の配管及び/又は配線を受けることができる。開口を用いて、暖房、換気、及び空調(HVAC)ダクティング、セントラルバキュームクリーナー用のダクティング、又は構造物に挿入する必要があり得る任意の他の要素を受けることもできる。
【0092】
次に、図3B及び図3Cを参照する。本発明の建築構造物は、少なくとも1つの細長の根太セクション20A及び/又は20Bから形成される根太20を含む。細長の根太セクション20A/20Bは、端同士を固定部材28により接合され、固定部材28は、両構造物上にあるアタッチメント受け要素への締結具の挿入により細長の根太セクションを接合することができる。使用する根太20を組み立てる細長部は短いほど特に有利だが、これは、重い揚重設備を必要とせずに一人又は数人の作業員により取り扱うことができるセクションの製造が可能だからである。これは、森林地域で住宅構造物を組み立てる際に極めて有利である。長い根太の組み立てに通常必要な機械の通り道を作るために木を切り倒す必要がないからである。さらに、根太のセクションが標準のトラック積載量内に収まるので、セクションの輸送に長く重い機械が必要ない。
【0093】
次に、図6A図6Cを参照する。本発明の建築構造物は、構造物の内部及び外部を画定する壁パネル32を有する分解可能且つ再組立可能な壁パネル構造物30を施工するためのキットも含む。壁パネル32を束柱10に接続するために、壁パネルアタッチメント40等のアタッチメントが用いられる。略細長の束柱10のそれぞれが、壁パネルアタッチメント40を受け止める複数のアタッチメント受け要素14を有する。壁パネルアタッチメント40がアタッチメント受け要素14に受け止められると、壁パネル32が束柱10から離間し、壁パネル32と束柱10のそれぞれとの間に空間が画定されるようになる。壁パネル32と束柱10との間の空間は、構造物の内部と外部との間で生じ得る熱橋効果を実質的に低減する。壁構造物30は、部分的又は完全に分解して第1構成又は異なる構成に組み立て直すことができる。
【0094】
壁構造物30をさらに絶縁するために、絶縁パネル36を壁パネル32と束柱10との間に挿入することができる。他のタイプの絶縁材、例えば、ミネラルウール、ポリウレタン等の吹き付け絶縁フォーム、セルロース、又は任意の他のタイプの絶縁材料も考えられる。絶縁パネル36は、壁パネル32に隣接して束柱10それぞれの間に摩擦係合させることができる。絶縁パネル36は、束柱10のそれぞれの上に突出するリップ36Iを備え得ることで、熱橋効果をさらに低減することにより絶縁性を改善する。絶縁パネル36の移動を防止するために、壁パネルアタッチメント40に固定要素を設けることができる。固定要素は、任意の適当な締結具、例えば、ウェッジ又は壁パネルアタッチメント40の一実施形態にある開口に挿通される短い細長片(short elongated piece)であり得る。固定要素は、壁パネルアタッチメント40と一体的に、例えば、壁パネル32に面する絶縁パネル36の面の上に折り重なる壁パネルアタッチメント40の一部として構成され得ることにより、絶縁パネル36が壁パネル32に向けて押されるのを防止する。図6A図6Cに示すように、固定要素は、壁パネルアタッチメント40から絶縁パネル36に折り重なり得る舌部48であり得る。
【0095】
次に、図7を参照すると、本発明の分解可能な壁パネルアタッチメント40は、束柱10のアタッチメント受け要素14等の適合するアタッチメント受け要素で受けることができる第1分解可能アタッチメント部材42を備える。これは、適合する壁パネル32を受け得る第2分解可能アタッチメント部材44も備え、スペーサ46がアタッチメント部材42及び44を相互に接続する。分解可能な壁パネルアタッチメント40は、図7に示す舌部48等の固定要素を備え得る。
【0096】
次に、図8A図8Cを参照する。本発明の建築構造物は、コンクリート基礎等の基礎上に施工するのに適している。束柱10を固着するために、束柱アンカーが用いられる。本発明の束柱アンカー50は、建築基礎Fに固着され得るベース部材52を備える。ベース部材52の固着は、基礎を最初に流し込む際にベース部材52を基礎に埋設することにより行うことができる。固着は、接着系アンカーとすることもできる。接着系アンカーは、例えば、樹脂系接着システムを用いて基板、通常は石造及びコンクリートに結合される鋼製スタッド、ボルト、及びアンカレッジを備えた樹脂アンカーである。高荷重用途に理想的なのは、事実上全ての場合に、得られる結合が母材自体よりも強力なことであり、このシステムは化学的接着に基づいているので、拡張式アンカーのように母材に荷重応力を加えることがなく、したがって縁部付近の固着、狭い中心間距離(reduced center)、及び群状の固着(group anchoring)、並びに未知の品質又は低い圧縮強度のコンクリートでの使用に理想的である。固着は、機械的固着とすることもでき、その場合、機械的アンカーが従来の手段により基礎に(例えば穿孔に)挿入される。
【0097】
ベース部材52は、装着部材も備え得る。例えば、装着部材は、適当な装着継手(例えば、蟻継ぎ)を用いるロッド等、又はねじであり得る。保持部材60がベース部材52の上に配置され、これは、装着部材に装着可能な座部62と、束柱10を受けることができ第3軸に沿って調整可能な冠部64とを備える。
【0098】
アンカー50の装着部材は、第1軸に沿って調整可能にするために第1調整部材を備える。例えば、複数のねじロッド54がベース部材62に配置され、座部62をねじロッド54からなる装着部材に取り付ける際に、装着部材に対する座部62の位置を、ねじロッド54へのねじナットの適当な組み付けを用いて調整することができる。
【0099】
座部62は、第2軸に沿った座部62の調整を可能にする第2調整部材を備える。例えば、座部62は、装着部材(例えば、ねじロッド54)を受けることができる1つ又は複数の開口66を備え得る。開口66は、選択された好適な装着部材の形状に対応するよう略円形、卵形、楕円形、又は矩形として整形されることが適している。第2調整部材は、装着部材の周りに空間を残しつつ装着部材を受け入れることができるので、束柱アンカー50を建築構造物全体の他の束柱アンカー50と位置合わせする必要に応じて、座部62を第2軸に沿って所望の方向に前後移動させて座部62の位置を調整することができる。
【0100】
束柱アンカー50の冠部64も、第3軸に沿った冠部の調整を可能にする第3調整部材を備える。例えば、冠部64は、固定部材(例えば、ナットで固定されるねじボルト70)を受けることができる1つ又は複数の開口68を備え得る。開口68は、選択された好適な固定部材の形状に対応するよう略円形、卵形、楕円形、又は矩形として整形されることが適している。第3調整部材は、固定部材の周りに空間を残しつつ固定部材を受け入れることができるので、束柱アンカー50を建築構造物全体の他の束柱アンカー50と位置合わせする必要に応じて、冠部64を第3軸に沿って所望の方向に前後移動させて冠部64の位置を調整することができる。したがって、3つの調整部材は、3次元軸に沿った束柱アンカー50の調整を可能にすることにより、それに取り付けられた束柱10を水平にする。
【0101】
束柱10を束柱アンカー50に接続するために、冠部64は束柱受け部材80を備える。束柱受け部材は、束柱10の規則的に離間したアタッチメント受け要素12と一致する1つ又は複数の締結具受け要素82を有することにより、適当なアタッチメントをそこに挿入して束柱10を束柱アンカー50の冠部64に固定することができる。図8A図8Cに例示するように、束柱受け要素はU字形ブラケットを備えるが、任意の適当な形状のブラケットを束柱受け部材として用いることができる。
【0102】
次に、図9A及び図9Bを参照する。本発明の建築構造物は、分解可能な床アンカーシステムも含む。床アンカーシステムは、根太20を有し、根太20は、根太20に沿った所定の位置に位置付けた1つ又は複数のブリッジ要素92を備える。ブリッジ要素92は、固定の規則的間隔で離間させることもできる。根太20は、相互に接続されて根太20を形成する少なくとも2つの根太セクション(20A/20B)を備え得る。根太セクションは、端同士を固定部材28により接合され、固定部材28は、両構造物上にあるアタッチメント受け要素への締結具の挿入により細長の根太セクションを接合することができる。使用する根太20を組み立てる細長部は短いほど特に有利だが、これは、重い揚重設備を必要とせずに一人又は数人の作業員により取り扱うことができるセクションの製造が可能だからである。これは、森林地域で住宅構造物を組み立てる際に極めて有利である。長い根太の組み立てに通常必要な機械の通り道を作るために木を切り倒す必要がないからである。さらに、根太のセクションが標準のトラック積載量内に収まるので、セクションの輸送に長く重い機械が必要ない。さらにこれは、配管、配線、暖房、換気、空調(HVAC)ダクティング、及び/又はセントラルバキュームダクティングを受ける開口を例えば備え得る、多機能根太セクションの接合を可能にする。
【0103】
床アンカーシステムは、ブリッジ要素92で受けることができるラグ102を各端に備える二次根太100も有する。二次根太100は、根太20に対して略垂直に根太に挿入され、床材面、例えば図10に示す床用タイルT、又は他の適当な床用タイルを受けることができる平面を形成する。本発明の床アンカーシステムは、部分的又は完全に分解して第1構成又は異なる構成に組み立て直すことができる。これは、床材面が建築構造物の所与の階又はレベルで建設段階を完了するために必要である場合に有用であり、建設段階完了時に床材を完全又は部分的に分解して、構造物内に例えばさらなる建材又は機械用の入口点を作ることができる。
【0104】
床アンカーシステムをさらに強化するために、根太20及び二次根太100を相互に可逆的に接合することができる。一実施形態では、二次根太100にあるラグ102は、根太20にある締結具受け要素94と一致する締結具受け要素104を備え得る。適当な締結具をそこに挿入して、二次根太100を根太20に可逆的に接合することができる(図9A及び図9Bを参照)。別の実施形態では、二次根太100は、根太20にある締結具受け要素96と一致する1つ又は複数の締結具受け要素106を各端に備える。適当な締結具をそこに挿入して、二次根太100を根太20に可逆的に接合することができる(図5図11A、及び図11Bを参照)。
【0105】
本発明の床アンカーシステム上に配置した床材面をさらに強化するために、根太20及び二次根太100は、所定の位置に配置され且つ/又は固定の規則的間隔で離間し得る1つ又は複数の締結具受け要素98又は108を含む。
【0106】
使用の際、分解可能且つ再組立可能な床構造物は、複数の根太20及び複数の二次根太100を含む複数の組立式床構成要素を組み立てることにより施工される。複数の根太20は相互に平行に配置され、二次根太100のラグ102は、各対向ブリッジ要素92に挿入される。組み立て後、根太20及び二次根太100は、相互に対して略垂直であり、床材面(例えば、床タイルT)を受けることができる平面を形成する。床構造物は、ラグ102を二次根太100から外すことにより、部分的又は完全に分解可能且つ第1構成又は異なる構成に再組立可能である。
【0107】
床構造物は、複数の二次根太100を複数の根太20に締結することにより強固にすることができ、床材面を分解可能な床構造物に重ねることにより、使用可能な床を施工することができる。複数の根太20への複数の二次根太100の締結は、床材面を平面上に配置する前又は配置した後に行うことができる。
【0108】
次に、図15A図15Dを参照する。床張りの完了後、天井パネルを設置することができる。これは、根太20に対して垂直に複数の天井野縁受け要素110を配置することにより達成することができる。天井野縁受け要素110は、好ましくは規則的に根太20に配置した受け要素112に挿入される。天井野縁受け要素110は、通常の手段により締結されてもよく、又は受け要素112へ挿入される端部を、受け要素112内に固定するために曲げてもよい。続いて、胴縁130を胴縁把持部材116に挿入することができ、胴縁把持部材116は、天井野縁受け要素110の長さに沿って配置され、天井野縁受け要素110の長さだけ分離された対向するフック部材118を有する。天井パネルを胴縁130に取り付けて、天井を構成することができる。天井パネルは、任意のタイプの壁パネル、例えば、木、乾式壁パネル等であり得る。
【0109】
実施形態において、分解可能且つ再組立可能な壁用のキットも開示する。このキットは、1つ又は複数のスペーサ124を備えた分解可能な胴縁把持部材122と、スペーサ124の両端に接続したフック部材126とを有する、分解可能な胴縁支持材120(図12Aを参照)を含む。分解可能な胴縁支持材120は、分解可能な胴縁把持部材122に接続した分解可能なアタッチメント部材128も有する。分解可能なアタッチメント部材128は、束柱10の要素14等の適合するアタッチメント受け要素で受けることができる。分解可能な胴縁支持材120は、単一の一体的な材料片として製造することができる。胴縁支持材120の材料は、必要であれば組み立てた壁に防音レベルを追加するための消音材であり得る。壁パネルは、任意のタイプの壁パネル、例えば、木、乾式壁パネル等であり得る。
【0110】
キットは、分解可能な胴縁支持材210の別の実施形態も備えることができ、この実施形態は、第1及び第2フック214を有する少なくとも1つの胴縁把持部材214を含む細長の平面部材212を備える。複数の胴縁把持部材が、複数の胴縁130に対応するよう細長の平面部材の縁に配置され得る。さらに、細長の平面部材は、胴縁支持材210を束柱10に取着するよう適合するアタッチメントを受けることができる、複数の規則的に離間したアタッチメント受け要素を備える。分解可能な胴縁支持材210は、スペーサ部材により相互に略平行に保持された2つの細長の平面部材を備え得る。例えば、分解可能な胴縁支持材210は、U字形の一体構造であり得る。
【0111】
使用の際、分解可能且つ再組立可能な壁支持システムは、胴縁130及び2つ以上の胴縁支持材120又は210を備える。胴縁130が胴縁支持材120又は210に挿入されて支持され、アセンブリが略細長の束柱10に装着され得る。また、分解可能且つ再組立可能な壁用のキットは、内部及び外部を画定する1つ又は複数の壁パネル140と、1つ又は複数の胴縁130と、2つ以上の胴縁支持材120又は210とを備える。壁パネル140は、任意のタイプの壁パネル、例えば、木、乾式壁パネル等であり得る。使用の際、胴縁130は、胴縁支持材120又は210に受け止められ、2つ以上の略細長の束柱10のアタッチメント受け要素(例えば、要素14)に装着される。壁パネル140は、胴縁130及び胴縁支持材120又は210を組み合わせる前又は組み合わせた後に胴縁130に固設され得る。組み立てられ略細長の束柱10に装着されると、壁パネル140は、壁パネル140と略細長の束柱10それぞれとの間に空間が画定されるように略細長の束柱から離間する。そこに画定された空間は、分解可能な壁システムの内部と外部との間の熱橋効果を実質的に低減する。壁の絶縁性を補うために、壁パネル140に隣接して絶縁要素を加え、略細長の束柱10それぞれの間に係合させてもよい。絶縁要素は、絶縁パネル、絶縁繊維、又は絶縁フォーム、吹き付け絶縁フォーム(例えば、ポリウレタンフォーム)、ミネラルウール、セルロース、又は任意の他のタイプの絶縁材、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0112】
次に、図13A図13Jを参照すると、本発明は、1つ又は複数のスペーサ164とスペーサ166に接続したフック部材166とを有する分解可能な胴縁把持部材162を備えた、分解可能な電気接続箱支持材160も含む。一実施形態によれば、分解可能な胴縁把持部材162は、スペーサ164の両端に接続した2つのフック部材166を備え得る(図13A図13J)。ハウジング168が、分解可能な胴縁把持部材162に接続される。ハウジング168は、少なくとも1つの電気接続箱B(図13A及び図13B)を収容することができる開口を含む。別の実施形態によれば、ハウジング168は、2つ以上の電気接続箱B又は図13D図13F図13H、及び図13Jに示す2つのスロット付いた1つの大きな電装箱Bを収容することが可能な開口を含み得る。分解可能な電気接続箱支持材160は、単一の材料片から一体的に作ることができ、電装箱Bをすでに収納した状態で準備することもできる。一実施形態によれば、分解可能な胴縁把持部材162は、直角又は直角以外の角度でスペーサ164に接続され得る。好ましくは、分解可能な胴縁把持部材162は、鈍角(図13C)で、例えば約100°〜約120°で、又は約100°〜110°で、好ましくは110°でスペーサ164に接続され得る。
【0113】
使用の際、電装箱Bは、胴縁130に対するその位置決め前に、分解可能な電気接続箱支持材160に挿入されることが好ましい。電装箱Bは、分解可能な電気接続箱支持材160を胴縁130に対して位置決めする前に挿入することもできる。電装箱Bは、ハウジング168及び/又はスペーサ164に予め形成した任意の適当な固設要素を介して分解可能な電気接続箱支持材160に固設され得る。一実施形態によれば、固設要素は、ねじ等の従来の締結具を受けるよう予め形成した孔であってもよいが、当該技術分野で既知の他の一般的に用いられる手段も考えられる。例えば、相補的なクリップ及び溝、又は摩擦係合手段が適している。分解可能な電気接続箱支持材160は、胴縁130のリムがフック部材166に挿入されるよう手の圧力で胴縁130に装着される。分解可能な電気接続箱支持材160は、鉛直梁の位置とは無関係な胴縁130上の任意の位置での電装箱Bの位置決めを可能にする。
【0114】
次に、図14A図14Cを参照する。本発明は、内面及び外面を有する窓アセンブリ又はドアアセンブリ等のフレームアセンブリ1410を備えた分解可能且つ再組立可能なフレーム1400用のキットも含む。フレームアセンブリの内部は、内面に面した少なくとも2つのフレームアセンブリアタッチメント1430を有する。フレームアセンブリアタッチメント1430は、フレームアセンブリ1400を略平行な第1及び第2束柱10それぞれに固定することができる。束柱10は、例えば締結具1431の挿入によりフレームアセンブリアタッチメント1430を受けることができる複数の規則的に離間したアタッチメント受け要素を有する。代替的に、フレームアセンブリアタッチメント1430は、アタッチメント受け要素に直接挿入及び固定されるよう構成することができる。フレーム1400は、少なくとも1つの胴縁130を受けることができる少なくとも1つの胴縁把持部材1440を備えた第1及び第2胴縁受け棒材1420も備える。胴縁受け棒材1420は、略平行な束柱のそれぞれに対して略垂直に固定されてフレームアセンブリ1400の周りに境界を形成することができる。胴縁把持部材1440は、胴縁を固定するよう相互に対向し対面した第1及び第2フック部材を備える。胴縁受け棒材1420は、2つ以上の胴縁130を受けることができる。
【0115】
分解可能且つ再組立可能なフレーム1400は、本明細書による建築構造物に窓を容易に設置するのに特に有利である。窓は、そのような目的で準備した空間に挿入する場合、建築物の外部から設置するのが一般的である。これは、地表面の高さに設置される窓では特に問題とならないが、地表面よりも上に設置される窓の場合、作業員が揚重設備及び/又は足場を用いて窓フレームを適当な高さに持ち上げなければならない。このタイプの作業は常に、作業員が設備又は足場から落下し得る危険度を含む。本発明のフレームでは、窓フレームが単純に建築構造物内に運ばれることが好ましく、作業員は、束柱10及び胴縁受け棒材1420により画定される開口内に窓フレームを手動させて、必要に応じてそれらを固定するだけでよい。全作業を構造物内で行うことができ、その場合、地面まで大きな距離を落下する危険が実際にはない。窓フレーム1400は、所望であれば建築構造物の外部から設置することもできる。
【0116】
次に、図16A図16Dを参照する。本発明は、開口210を画定し、鉛直フレーム要素220及び水平フレーム要素230と少なくとも2つのフレームアセンブリアタッチメント250とを備えた、分解可能且つ再組立可能なフレームアセンブリ200用のキットも含む。フレーム200を用いて、内面及び外囲面を有する窓アセンブリ215又はドアアセンブリを組み立てることができる。フレームアセンブリアタッチメント250は、フレームアセンブリ200を略平行な第1及び第2束柱10それぞれに固定することができる。束柱10は、例えば締結具の挿入によりフレームアセンブリアタッチメント250を受けることができる複数の規則的に離間したアタッチメント受け要素を有する。代替的に、フレームアセンブリアタッチメント250は、アタッチメント受け要素に直接挿入及び固定されるよう構成することができる。いくつかの実施形態によれば、フレームアセンブリアタッチメント250は、鉛直フレーム要素220と平行にこれに隣接した束柱10の表面上の規則的に離間したアタッチメント受け要素に接続し得る(図16C及び図16D等)。別の実施形態によれば、フレームアセンブリアタッチメント250は、鉛直フレーム要素220に対して垂直な束柱10の表面上の規則的に離間したアタッチメント受け要素に接続するよう整形及び/又は位置決めされ得る。鉛直フレーム要素220及び水平フレーム要素230は、一体型要素として製造してもよく、又は第1及び第2鉛直フレーム要素221及び222並びに第1及び第2水平フレーム要素231及び232等のいくつかの要素として製造してもよく、これらの要素は、規則的に離間したアタッチメント受け要素への締結具の挿入により束柱10に締結することもできる。フレームアセンブリ200は、窓アセンブリ215の挿入前に組み立てることができので、絶縁材も窓アセンブリの挿入前に加えることができる。これは、窓アセンブリが吹き付け絶縁材の膨張により生じる圧力により変形し得る材料からできている場合、例えばPCV製窓アセンブリに好都合である。窓フレーム200は、所望であれば建築構造物の外部から設置することもできる。
【0117】
本明細書に提示した実施形態及び例は、特許請求の範囲に記載の主題の一般的性質を説明するものであり、限定的なものではない。当業者には、特許請求の範囲に開示した主題の趣旨及び範囲から逸脱せずに様々な用途に合わせて様々な方法でこれらの実施形態を容易に変更及び/又は適合できることが理解されるであろう。本発明の請求項は、本発明の主題の代替的な実施形態及び等価物の全てを無制限に含むことを理解されたい。本明細書で用いる語句、単語、及び用語は、説明であって限定ではない。法的に認められる場合、本明細書で引用する全ての引用文献の全体を参照により本明細書に援用する。当然ながら、本明細書に開示した種々の実施形態のいかなる態様も、可能な代替的な実施形態及び特徴の代替的な組み合わせの範囲内で組み合わせることができ、変更した特徴の組み合わせの全てが、特許請求の範囲に記載の主題の一部を形成すると理解されるものとする。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図13G
図13H
図13I
図13J
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図15D
図16A
図16B
図16C
図16D