特許第6158148号(P6158148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6158148PTPシート結束体及びPTPシート結束装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6158148
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】PTPシート結束体及びPTPシート結束装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 71/02 20060101AFI20170626BHJP
   B65B 13/18 20060101ALI20170626BHJP
   B65B 27/08 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
   B65D71/02
   B65B13/18 B
   B65B27/08 Z
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-160246(P2014-160246)
(22)【出願日】2014年8月6日
(65)【公開番号】特開2016-37293(P2016-37293A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2016年4月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】藤井 卓也
【審査官】 秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−049469(JP,U)
【文献】 特開2013−035552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 13/18
B65B 27/08
B65D 71/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のPTPシートを所定の集積形態で積み重ねたPTPシート集積体の周囲にバンドフィルムを巻付け結束したPTPシート結束体であって、
前記PTPシートには、第1方向における所定位置において、当該第1方向と直交する第2方向に沿って、当該PTPシートをシート小片に切り離すための切離線が形成され、
前記バンドフィルムは、前記第2方向に沿って前記PTPシート集積体の周囲に巻付けられると共に、その両側縁部が前記第1方向に対し前記切離線から外れた位置に位置決めされており、
前記集積形態が、前記PTPシートを2枚一組の抱き合わせ状態とした上で積み重ねる形態である構成において、
前記バンドフィルムの幅をCとし、
前記PTPシートにおける前記切離線の形成間隔をBとした場合に、
C=nB(nは1以上の自然数)の場合においては、
前記第1方向に対し前記バンドフィルムの両側縁部とそれぞれその内側で最短距離にある前記切離線との距離XがB/4となる位置に、前記バンドフィルムが位置決めされ、
C>nBの場合においては、
前記第1方向に対し前記バンドフィルムの両側縁部とそれぞれその内側で最短距離にある前記切離線との距離Xが、下記式(β)を満たす値のうち、B/4に最も近い値となる位置に、前記バンドフィルムが位置決めされていることを特徴とするPTPシート結束体。
X=(C−nB/2)/2 ・・・(β)
【請求項2】
前記切離線は、前記PTPシートの厚み方向に貫通した切込みが断続的に並んだミシン目線であることを特徴とする請求項1に記載のPTPシート結束体。
【請求項3】
前記PTPシートは、内容物が充填されるポケット部が形成された容器フィルムと、その容器フィルムに対しポケット部の開口側を密封するように取着されるカバーフィルムとから構成され、
前記容器フィルム及び前記カバーフィルムがアルミニウムを主材料として形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のPTPシート結束体。
【請求項4】
複数のPTPシートを所定の集積形態で積み重ねたPTPシート集積体の周囲にバンドフィルムを巻付け結束するためのPTPシート結束装置であって、
前記PTPシート集積体の周囲にバンドフィルムを巻付け結束する位置を、当該バンドフィルムの長手方向と直交する方向に対し調整可能な調整手段を備えたことを特徴とするPTPシート結束装置。
【請求項5】
前記PTPシート結束装置は、
前記PTPシート集積体の周囲にバンドフィルムを巻付け結束するバンド機と、
前記PTPシート集積体を所定の集積装置から受取り、当該PTPシート集積体を前記バンド機まで搬送し受け渡す搬送装置とを備え、
前記調整手段として、前記搬送装置が前記バンド機に対し前記PTPシート集積体を受け渡す際に当該PTPシート集積体を停止する停止位置を調整可能な停止位置調整機構を備えたことを特徴とする請求項に記載のPTPシート結束装置。
【請求項6】
前記搬送装置は、前記PTPシート集積体における前記バンドフィルムの巻付け方向と直交する方向が当該PTPシート集積体の搬送方向となるように、当該PTPシート集積体を押し送り可能な複数の送り部材が前記搬送方向に沿って所定間隔で配列され、当該各送り部材が順次ポジションを移動させながら巡回するように設けられた巡回手段を備え、
前記送り部材の形成ピッチが、前記搬送方向に対する前記PTPシートの長さより長くなるように設定されていることを特徴とする請求項に記載のPTPシート結束装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のPTPシートを積み重ねたPTPシート集積体をバンドフィルムにより結束したPTPシート結束体、及び、PTPシート集積体をバンドフィルムにより結束するためのPTPシート結束装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、PTPシートは、錠剤等の内容物が充填されるポケット部が形成された容器フィルムと、その容器フィルムに対しポケット部の開口側を密封するように取着されるカバーフィルムとから構成されている。
【0003】
かかるPTPシートは、長尺状の容器フィルムを搬送させつつ、ポケット部を形成する工程、当該ポケット部に錠剤等を充填する工程、当該ポケット部の開口側を密封するように容器フィルムにカバーフィルムを取着する工程、PTPシート単位に打ち抜く工程等を経て製造される。
【0004】
このように製造されたPTPシートは、例えば所定枚数ずつ積み重ねられた後、バンド掛け(バンドフィルムによる結束)が行われることがある。
【0005】
一般のバンド掛け工程は、複数のPTPシートを積み重ねたPTPシート集積体の周囲にバンドフィルムを巻付けた上で、バンドフィルムを引締め、当該バンドフィルムの両端部を溶着等によりシールするといった流れで行われる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−35552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、一般にPTPシートには、ポケット部単位のシート小片に切離すためのミシン目などの切離線が形成されている。
【0008】
そのため、製品仕様によっては、図8に示すように、PTPシート集積体50の周囲に巻付けたバンドフィルム51の側縁部51aの位置がPTPシート52の切離線53の位置と重なってしまう場合がある。
【0009】
かかる場合、上記バンド掛け工程においてバンドフィルム51の引締めを行い、PTPシート52の縁部が撓んだ際に、切離線53に沿ってPTPシート52の縁部が裂けてしまうおそれがある。
【0010】
本発明は、上記事情等に鑑みてなされたものであり、PTPシートの外観品質の低下を抑制することのできるPTPシート結束体及びPTPシート結束装置を提供することを主たる目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0012】
手段1.複数のPTPシートを所定の集積形態で積み重ねたPTPシート集積体の周囲にバンドフィルムを巻付け結束したPTPシート結束体であって、
前記PTPシートには、第1方向における所定位置において、当該第1方向と直交する第2方向に沿って、当該PTPシートをシート小片に切り離すための切離線が形成され、
前記バンドフィルムは、前記第2方向に沿って前記PTPシート集積体の周囲に巻付けられると共に、その両側縁部が前記第1方向に対し前記切離線から外れた位置に位置決めされており、
前記集積形態が、前記PTPシートを2枚一組の抱き合わせ状態とした上で積み重ねる形態である構成において、
前記バンドフィルムの幅をCとし、
前記PTPシートにおける前記切離線の形成間隔をBとした場合に、
C=nB(nは1以上の自然数)の場合においては、
前記第1方向に対し前記バンドフィルムの両側縁部とそれぞれその内側で最短距離にある前記切離線との距離XがB/4となる位置に、前記バンドフィルムが位置決めされ、
C>nBの場合においては、
前記第1方向に対し前記バンドフィルムの両側縁部とそれぞれその内側で最短距離にある前記切離線との距離Xが、下記式(β)を満たす値のうち、B/4に最も近い値となる位置に、前記バンドフィルムが位置決めされていることを特徴とするPTPシート結束体。
X=(C−nB/2)/2 ・・・(β)
【0013】
ここで、バンドフィルムの「側縁部」とは、バンドフィルムの長手方向(巻付け方向)に沿った縁部、つまりフィルム幅方向端縁部を指す。
【0014】
上記手段1によれば、バンド掛け工程において、PTPシート集積体の周囲に巻付けたバンドフィルムの引き締めを行った際に、切離線に沿って、PTPシートの縁部が裂けてしまうといった不具合の発生を抑制することができる。結果として、PTPシートの外観品質低下を抑制することができる。
【0015】
また、上記手段によれば、バンドフィルムの両側縁部がそれぞれ、隣り合う2本の切離線間の中間位置に最も近い位置に位置決めされた状態となる。つまり、所定幅Cを有するバンドフィルムの両側縁部を全ての切離線からより離れた位置に位置決めすることができる。結果として、バンドフィルムやPTPシートの製造誤差や、PTPシートの集積誤差等により、PTPシート集積体の周囲にバンドフィルムを巻付ける位置が少々ずれたとしても、バンドフィルムの両側縁部が切離線と重なってしまうおそれを低減することができる。
【0016】
し、集積形態が抱き合わせ形態の場合には、第1方向に対する切離線の位置がPTPシート1枚おきにB/2ずつ交互にずれた状態となるように集積されるため、交互にずれた2本の切離線間の中間位置に最も近い位置にバンドフィルムの両側縁部が位置決めされた状態となることが好ましい。
【0017】
手段.前記切離線は、前記PTPシートの厚み方向に貫通した切込みが断続的に並んだミシン目線であることを特徴とする手段1に記載のPTPシート結束体。
【0018】
切離線が上記ミシン目線である場合には、断面略V字状のスリット(ハーフカット線)のような非貫通の切離線に比べて、上記「発明が解決しようとする課題」で述べた不具合が発生しやすい。つまり、本手段の構成下において、上記手段1等の構成がより奏効することとなる。
【0019】
手段.前記PTPシートは、内容物が充填されるポケット部が形成された容器フィルムと、その容器フィルムに対しポケット部の開口側を密封するように取着されるカバーフィルムとから構成され、
前記容器フィルム及び前記カバーフィルムがアルミニウムを主材料として形成されたものであることを特徴とする手段1又は2に記載のPTPシート結束体。
【0020】
ここで、「アルミニウムを主材料として形成された」とは、アルミニウム単体で形成されている場合は勿論のこと、樹脂フィルム層が介在されたアルミラミネートフィルムをも含む趣旨である。
【0021】
容器フィルムがポリプロピレン(PP)やポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂素材からなる場合に比べ、アルミニウムを主成分とする素材からなる場合には、弾力性がなく塑性変形しやすいため、一旦応力により変形してしまうと元の形状に復元しにくいことから、上記「発明が解決しようとする課題」で述べた不具合が発生しやすい。つまり、本手段の構成下において、上記手段1等の構成がより奏効することとなる。
【0022】
尚、容器フィルム及びカバーフィルムの両者がアルミニウムを主材料として形成されている場合、切離線がハーフカット線のような非貫通のものでは、PTPシートをシート小片に切離すことが難しくなるおそれがある。そのため、かかる場合には、切離線として、より切離ししやすいミシン目線が採用されることが多い。
【0023】
手段.複数のPTPシートを所定の集積形態で積み重ねたPTPシート集積体の周囲にバンドフィルムを巻付け結束するためのPTPシート結束装置であって、
前記PTPシート集積体の周囲にバンドフィルムを巻付け結束する位置を、当該バンドフィルムの長手方向(巻付け方向)と直交する方向に対し調整可能な調整手段を備えたことを特徴とするPTPシート結束装置。
【0024】
上記手段によれば、PTPシート集積体の周囲にバンドフィルムを巻付け結束する位置を調整することができる。これにより、例えばバンドフィルムの両側縁部を、PTPシートをシート小片に切り離すための切離線から外れた位置に位置決めすることが可能となる。つまり、上記手段1と同様の効果を奏するPTPシート結束体を製造することができる。結果として、PTPシートの外観品質の低下を抑制することができる。加えて、バンドフィルムの幅や切離線の形成ピッチの違いなど、多様な製品仕様に対応することが容易となる。
【0025】
手段.前記PTPシート結束装置は、
前記PTPシート集積体の周囲にバンドフィルムを巻付け結束するバンド機と、
前記PTPシート集積体を所定の集積装置から受取り、当該PTPシート集積体を前記バンド機まで搬送し受け渡す搬送装置とを備え、
前記調整手段として、前記搬送装置が前記バンド機に対し前記PTPシート集積体を受け渡す際に当該PTPシート集積体を停止する停止位置を調整可能な停止位置調整機構を備えたことを特徴とする手段に記載のPTPシート結束装置。
【0026】
上記手段によれば、PTPシート集積体の搬送工程を行う際に、併せて位置調整工程を行うことができる。このため、例えばバンド機にPTPシート集積体を受け渡した後段階に、バンドフィルムの巻付け位置を調整する構成等に比べ、工程数を増やす必要もなく、生産性の向上を図ることができる。
【0027】
また、バンド機側においてバンドフィルムの位置調整機構を備える場合には、例えばバンド機自体を動かすなど、バンドフィルムの繰出し機構や引締め機構、シール機構等といった一連の機構を併せて移動させる必要があり、機構が大型化するおそれがある。これに対し、本手段によれば、バンド機自体を動かすといった大掛かりな機構を備える必要もない。
【0028】
手段.前記搬送装置は、前記PTPシート集積体における前記バンドフィルムの巻付け方向と直交する方向(例えばシート長手方向)が当該PTPシート集積体の搬送方向となるように、当該PTPシート集積体を押し送り可能な複数の送り部材が前記搬送方向に沿って所定間隔で配列され、当該各送り部材が順次ポジションを移動させながら巡回するように設けられた巡回手段を備え、
前記送り部材の形成ピッチ(PTPシート集積体が収容される2つの送り部材間の距離)が、前記搬送方向に対する前記PTPシートの長さ(例えばシート長手方向の長さ)より長くなるように設定されていることを特徴とする手段に記載のPTPシート結束装置。
【0029】
仮に搬送装置として、複数のチャックが順次ポジションを移動させながら巡回するチェーンコンベアを備え、集積装置から供給されるPTPシート集積体をチャックにより把持し、これを順次ポジションを移動させながら搬送し、バンド機へ受け渡すといった構成のものを用いた場合には、集積装置からのPTPシート集積体の受取位置と、バンド機への受渡し位置との位置関係が固定的であるため、上記のようにバンド機へPTPシート集積体を受け渡す際の停止位置を調整した場合には、集積装置からPTPシート集積体を受け取るチャックの位置まで変更されてしまうおそれがある。そのため、場合によっては、搬送装置がPTPシート集積体を適切に受け取ることができないおそれも考えられる。
【0030】
これに対し、本手段によれば、送り部材の形成ピッチがPTPシート集積体の大きさよりも大きく設定され、余裕があるため、バンド機へPTPシート集積体を受け渡す際の停止位置を調整した場合であっても、集積装置からのPTPシート集積体の受渡しに支障をきたすおそれは低減される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】PTPシートを示す斜視図である。
図2】PTPシートの部分拡大断面図である。
図3】集積装置、搬送装置及びバンド機の概略構成を示す平面図である。
図4】搬送装置の概略構成を示す側面図である。
図5】PTPシート結束体を示す斜視図である。
図6】抱き合わせ形態で集積されたPTPシート集積体とバンドフィルムとの関係を説明するための模式図である。
図7】積み上げ形態で集積されたPTPシート集積体とバンドフィルムとの関係を説明するための模式図である。
図8】従来のPTPシート結束体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず作業対象となるPTPシートについて詳しく説明する。
【0033】
図1,2に示すように、本実施形態におけるPTPシート1は、複数のポケット部2を備えた容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルム4とを有している。
【0034】
本実施形態における容器フィルム3及びカバーフィルム4は、アルミニウムを主材料として構成されている。より詳しくは、容器フィルム3はアルミラミネートフィルムにより形成されている。尚、アルミラミネートフィルムは、アルミフィルムに対し合成樹脂フィルムをラミネートしたものである。一方、カバーフィルム4はアルミフィルムにより形成されている。
【0035】
PTPシート1は、平面視略矩形状に形成されており、第1方向であるシート長手方向(長辺方向)に沿って配列された5個のポケット部2からなるポケット列が、第2方向であるシート短手方向(短辺方向)に2列形成されている。つまり、計10個のポケット部2が形成されている。各ポケット部2には、内容物として錠剤5が1つずつ収容されている。
【0036】
PTPシート1には、各ポケット部2単位のシート小片6に切離し可能とするための切離線として、シート長手方向に沿って縦ミシン目線7aが形成されると共に、シート短手方向に沿って複数の横ミシン目線7bが形成されている。
【0037】
さらに、PTPシート1の長手方向一端部には、ロットナンバー等の刻印が施されるタグ部8が形成されている。
【0038】
PTPシート1は、従来同様、ブリスター包装機(図示略)において、容器フィルム3にポケット部2を成形するポケット成形工程、ポケット部2に錠剤5を充填する充填工程、ポケット部2を塞ぐように容器フィルム3にカバーフィルム4を取着するカバーフィルム取着工程、ミシン目線7a,7bを形成するミシン目形成工程、シート状に打ち抜く打抜工程等を経て製造される。
【0039】
本実施形態では、このように製造されたPTPシート1を、2枚一組の抱き合わせ状態とした上で所定枚数ずつ積み重ねた後、バンド掛けが行われる。
【0040】
そのため、ブリスター包装機の下流側には、図3に示すように集積装置11、搬送装置12、バンド機13が順に設置されている。搬送装置12及びバンド機13により本実施形態におけるPTPシート結束装置が構成される。
【0041】
集積装置11は、上流側のブリスター包装機から順次搬送されてくるバラのPTPシート1を所定の集積態様で所定枚数ずつ集積し、下流側の搬送装置12へ受渡し可能に構成された公知のものである。
【0042】
本実施形態における集積装置11は、集積レーンを4列備えており、各レーンにおいてそれぞれPTPシート1が2枚一組の抱き合わせ状態とされた上で5組10枚数ずつ積み上げられる。
【0043】
尚、ここで抱き合わせ状態とされた2枚のPTPシート1は、ポケット部2を有する表面側(容器フィルム3側)が互いに向き合うように配置されると共に、互いのポケット部2がぶつかり合わない位置関係、すなわち互いのポケット部2の位置がシート長手方向及びシート短手方向に対し所定寸法ずつずれた状態で重ね合わされている。
【0044】
本実施形態では、各PTPシート1のタグ部8の位置がシート長手方向に対し反対側に位置するように、2枚のPTPシート1が重ね合わされているため、両PTPシート1の長手方向端縁部の位置はほぼ一致している。一方、両PTPシート1の短手方向端縁部の位置は、所定寸法だけずれた状態となる。
【0045】
勿論、2枚のPTPシート1の抱き合わせ形態は、これに限定されるものではなく、例えば両PTPシート1の短手方向端縁部の位置ずれに代えて又は加えて、両PTPシート1の長手方向端縁部の位置が所定寸法だけずれた状態となる構成としてもよい。
【0046】
但し、上記ずれ寸法は、横ミシン目線7bの形成間隔(シート長手方向において隣り合う2本の横ミシン目線7b間の距離、すなわちシート長手方向におけるシート小片6の幅)をBとしたとき、抱き合わせ状態にある一方のPTPシート1の横ミシン目線7bの位置と、他方のPTPシート1の横ミシン目線7bの位置とが、シート長手方向に対しB/2ずつ交互にずれた状態となるように、予め製品仕様により定められている(図6参照)。
【0047】
搬送装置12は、集積装置11により集積されたPTPシート1の束(以下、「PTPシート集積体」という)15を集積装置11から受取り、下流側のバンド機13へ受け渡す機能を有する。
【0048】
より詳しくは、図3,4に示すように、搬送装置12は、PTPシート集積体15を搬送する所定の搬送方向S1に沿って真っ直ぐ延びる搬送路21を備え、その両側縁部の所定区間には、搬送中のPTPシート集積体15の横ズレを防止するためのガイド壁22が設けられている。
【0049】
搬送路21の下方には、複数の回転ローラ24に掛装された巡回手段としての無端ベルト25が設けられている。複数の回転ローラ24のうち、少なくとも1つの回転ローラ24には、図示しないモータが接続されている。そして、回転ローラ24が回転駆動することにより、無端ベルト25が所定経路に沿って巡回可能となる。
【0050】
無端ベルト25には所定間隔で複数の送り部材としての送り爪26が突出形成されている。送り爪26の形成ピッチ(PTPシート集積体15が収容される2つの送り爪26間の距離)K1は、PTPシート集積体15(PTPシート1)の長さK2より長くなるように設定されている。
【0051】
また、搬送路21の幅方向中央部は、搬送方向S1に沿って開口しており、かかる開口部分から前記送り爪26が搬送路21上へ突出している。これにより、無端ベルト25の巡回動作に伴い、搬送路21上に載置されたPTPシート集積体15が送り爪26に押されて、搬送方向S1に沿って搬送されることとなる。
【0052】
より詳しくは、搬送装置12は、集積装置11の各集積レーンに対応した4箇所の受渡し位置P1〜P4にてそれぞれ2つの送り爪26間にPTPシート集積体15を受け入れ、当該PTPシート集積体15をバンド機13に対応した1箇所の受渡し位置P5まで搬送していく。
【0053】
受渡し位置P5には、図示しない受渡し機構が設けられており、当該受渡し位置P5に停止したPTPシート集積体15を、搬送方向S1と直交する受渡し方向S2へ押出し、バンド機13へ受け渡す。
【0054】
バンド機13は、PTPシート集積体15に対しバンド掛けを行う公知のものであって、搬送装置12から受け渡されたPTPシート集積体15を把持するチャック等の把持機構や、PTPシート集積体15に対しバンドフィルム30を巻付けるための巻付け機構、当該バンドフィルム30をPTPシート集積体15の周囲に沿って引締める引締め機構、当該バンドフィルム30を熱溶着等してシールするシール機構などを備えている。尚、本実施形態におけるバンドフィルム30はOPP(二軸延伸ポリプロピレン)等の樹脂材料により構成されている。
【0055】
また、バンド機13によりバンド掛けが行われたPTPシート集積体15(以下、「PTPシート結束体35」という)は、その後、直接又はピロー包装等された上で箱詰め等されることとなる。
【0056】
次に、本実施形態におけるPTPシート結束体35について詳しく説明する。図5に示すように、PTPシート結束体35は、PTPシート1のシート短手方向に沿ってバンドフィルム30がPTPシート集積体15の周囲に巻付けられると共に、その両側縁部30aがシート長手方向に対し横ミシン目線7bから外れた位置に位置決めされている。
【0057】
より詳しくは、図6に示すように、バンドフィルム30の幅をCとし、横ミシン目線7bの形成間隔をBとした場合に、C=nB(nは1以上の自然数)の場合においては、シート長手方向に対しバンドフィルム30の両側縁部30aとそれぞれその内側で最短距離にある横ミシン目線7bとの距離XがB/4となる位置にバンドフィルム30が位置決めされる。
【0058】
一方、C>nB(nは1以上の自然数)の場合においては、シート長手方向に対しバンドフィルム30の両側縁部30aとそれぞれその内側で最短距離にある横ミシン目線7bとの距離Xが、下記式(β)を満たす値のうち、B/4に最も近い値となる位置にバンドフィルム30が位置決めされている。
【0059】
X=(C−nB/2)/2 ・・・(β)
尚、バンドフィルム30の幅Cや横ミシン目線7bの形成間隔Bは製品仕様により異なるため、本実施形態では、多様な製品仕様に対応することができるよう、PTPシート集積体15の周囲にバンドフィルム30を巻付け結束する位置(本実施形態ではバンド機13の中央位置)Mを、当該バンドフィルム30の長手方向(巻付け方向)と直交する方向であるPTPシート1のシート長手方向に対し調整可能な構成となっている。
【0060】
かかる調整を行う調整手段として、本実施形態では、搬送装置12がバンド機13に対しPTPシート集積体15を受け渡す際に当該PTPシート集積体15を停止する停止位置を調整可能な停止位置調整機構を備えている。
【0061】
より具体的には、回転ローラ24に設けられた図示しないエンコーダ等の回転位置検出手段の値を参照しつつ、回転ローラ24の回転角度位置を調節することにより、無端ベルト25の送り爪26の停止位置を調整する機構を備えている。
【0062】
勿論、これらの調整作業は、作業者が調整ハンドル等を用いて手作業で行う構成としてもよいし、又は、製品仕様により予め定められたバンドフィルム30の幅Cや横ミシン目線7bの形成間隔Bの値を制御装置に予め入力しておくことにより、制御装置が自動的に行う構成としてもよい。
【0063】
以上詳述したように、本実施形態によれば、バンド掛け工程において、PTPシート集積体15の周囲に巻付けたバンドフィルム30の引き締めを行った際に、横ミシン目線7bに沿って、PTPシート1の縁部が裂けてしまうといった不具合の発生を抑制することができる。結果として、PTPシート1の外観品質低下を抑制することができる。
【0064】
また、本実施形態に係るPTPシート結束体35では、横ミシン目線7bの形成間隔をBとした場合に、抱き合わせ状態にある一方のPTPシート1の横ミシン目線7bの位置と、他方のPTPシート1の横ミシン目線7bの位置とが、シート長手方向に対しB/2ずつ交互にずれた状態となっており、この交互にずれた2本の横ミシン目線7bの中間位置に最も近い位置にバンドフィルム30の両側縁部30aが位置決めされた状態となるように設定されている。
【0065】
これにより、シート長手方向に対しバンドフィルム30の両側縁部30aをそれぞれ横ミシン目線7bからより離れた位置に位置決めすることができる。結果として、バンドフィルム30やPTPシート1の製造誤差や、PTPシート1の集積誤差等により、PTPシート集積体15の周囲にバンドフィルム30を巻付ける位置が少々ずれたとしても、バンドフィルム30の両側縁部30aが横ミシン目線7bと重なってしまうおそれを低減することができる。
【0066】
また、本実施形態では、PTPシート集積体15の周囲にバンドフィルム30を巻付け結束する位置を調整可能な構成となっている。結果として、バンドフィルム30の幅Cや横ミシン目線7bの形成間隔Bの違いなど、多様な製品仕様に対応することが容易となる。
【0067】
特に本実施形態では、かかる調整を行う調整手段として、搬送装置12がバンド機13に対しPTPシート集積体15を受け渡す際に当該PTPシート集積体15を停止する停止位置を調整可能な停止位置調整機構を備えている。これにより、PTPシート集積体15の搬送工程を行う際に、併せて位置調整工程を行うことができる。このため、例えばバンド機13にPTPシート集積体15を受け渡した後段階に、バンドフィルム30の巻付け位置を調整する構成等に比べ、工程数を増やす必要もなく、生産性の向上を図ることができる。
【0068】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0069】
(a)上記実施形態では、内容物が錠剤5である場合について具体化しているが、内容物の種別、形状等については特に限定されるものではなく、例えば食品や電子部品等が内容物として充填される構成であってもよい。勿論、これらの内容物に対応して形成されるポケット部2の形状や大きさ等に関しても上記実施形態に限定されるものではない。
【0070】
(b)容器フィルム3及びカバーフィルム4の材料は、アルミニウムを主材料とした上記実施形態に限定されるものではなく、他の金属材料や合成樹脂材料等、他の材質のものを採用することができる。例えば容器フィルム3がPPやPVC等の合成樹脂材料によって形成された構成としてもよい。
【0071】
(c)PTPシート1単位のポケット部2の配列や、個数も上記実施形態の態様(2列、10個)に何ら限定されるものではなく、例えば3列12個のポケット部2を有するタイプをはじめ、様々な配列、個数からなるPTPシートを採用することができる。勿論、1つのシート小片に包含されるポケット部の数も上記実施形態に何ら限定されるものではない。
【0072】
(d)上記実施形態では、切離線として、PTPシート1の厚み方向に貫通した切込みが断続的に並んだミシン目線7b等が採用されているが、これに限らず、容器フィルム3側に断面略V字状に形成されるスリット(ハーフカット線)のような非貫通のものを採用してもよい。
【0073】
(d)PTPシート集積体15の集積枚数及び集積態様は、上記実施形態に例示されたものに限定されるものではない。例えばPTPシート1を2枚一組の抱き合せ状態とせず、全てのPTPシート1を同じ向きに所定枚数ずつ積み上げる集積形態としてもよい。
【0074】
かかる集積形態の場合には、図7に示すように、バンドフィルム30の幅をCとし、横ミシン目線7bの形成間隔をBとした場合に、C=nB(nは1以上の自然数)の場合においては、シート長手方向に対しバンドフィルム30の両側縁部30aとそれぞれその内側で最短距離にある横ミシン目線7bとの距離XがB/2となる位置にバンドフィルム30が位置決めされることが好ましい。
【0075】
一方、C>nB(nは1以上の自然数)の場合においては、シート長手方向に対しバンドフィルム30の両側縁部30aとそれぞれその内側で最短距離にある横ミシン目線7bとの距離Xが、下記式(α)を満たす値のうち、B/2に最も近い値となる位置にバンドフィルム30が位置決めされていることが好ましい。
【0076】
X=(C−nB)/2 ・・・(α)
これにより、バンドフィルム30の両側縁部30aがそれぞれ、隣り合う2本の横ミシン目線7b間の中間位置に最も近い位置に位置決めされた状態となり、バンドフィルム30の両側縁部30aを全ての横ミシン目線7bからより離れた位置に位置決めすることができる。
【0077】
(e)上記実施形態では、PTPシート集積体15の周囲にバンドフィルム30を巻付け結束する位置Mを調整するための調整手段として、搬送装置12がバンド機13に対しPTPシート集積体15を受け渡す際に当該PTPシート集積体15を停止する停止位置を調整可能な停止位置調整機構を備えた構成となっている。
【0078】
これに限らず、バンド機13にPTPシート集積体15を受け渡した後段階に、バンドフィルム30の巻付け位置を調整する構成としてもよい。例えばバンド機13において、PTPシート集積体15を把持するチャック等の把持機構と、PTPシート集積体15に対しバンドフィルム30を巻付けるための巻付け機構との相対位置関係を変更可能な構成を採用してもよい。
【0079】
(f)また、搬送装置12の構成、並びに、PTPシート集積体15の停止位置調整機構に係る構成に関しても、上記実施形態に限定されるものではない。例えば搬送装置として、PTPシート集積体15を把持可能な複数のチャックが順次ポジションを移動させながら巡回するチェーンコンベアを備えた構成としてもよい。かかる構成においては、駆動手段であるチェーンコンベアと、把持手段であるチャックの相対位置関係が変更可能となっていればよい。
【0080】
(g)上記実施形態に係るPTPシート結束体35では、シート長手方向に対しバンドフィルム30の両側縁部30aがそれぞれ横ミシン目線7bからより離れた位置に位置決めされるように設定されているが、これに限らず、バンドフィルム30の両側縁部30aが横ミシン目線7bから少しでも外れた位置に位置決めされていれば、同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0081】
1…PTPシート、2…ポケット部、3…容器フィルム、4…カバーフィルム、6…シート小片、7a,7b…ミシン目線、11…集積装置、12…搬送装置、13…バンド機、15…PTPシート集積体、21…搬送路、24……回転ローラ、25…無端ベルト、26…送り爪、30…バンドフィルム、30a…バンドフィルムの側縁部、35…PTPシート結束体、B…横ミシン目線の形成間隔、C…バンドフィルムの幅、K1…送り爪の形成ピッチ、K2…PTPシート集積体の長さ、X…バンドフィルムの両側縁部とそれぞれ最短距離にある横ミシン目線7bとの距離。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8