(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
椎間関節内への挿入のための大きさ及び形状である本体を備えるインプラントであって、前記インプラントは、前記インプラントが所望の構成で椎間関節内に受け入れられたときに、第1の骨固定要素受け入れ開口部の中に挿入された骨固定要素が前記椎間関節を形成する椎骨の第1の椎骨内に延在するように配向された第1軸に沿って、前記インプラントの一部を貫通して延びる前記第1の骨固定要素受け入れ開口部を有し、
前記本体が、所望の構成において椎間関節内に受け入れられたときに、締まりばめを形成するような大きさ及び形状である第1の骨係合面及び第2の骨係合面によって画定されており、
前記本体が前記第1の骨係合面及び前記第2の骨係合面によって画定された楔形を有し、第1端と第2端の間で先細になっており、
前記第1端が、照準ガイドと係合するように構成された第1突出部及び第2突出部を有し、前記第1突出部及び前記第2突出部は、前記第1突出部及び前記第2突出部が前記照準ガイドと係合したときに、回転軸を画定するように構成されており、それによって前記インプラントが前記回転軸の周囲で前記照準ガイドに対して枢動することができるように構成されている、インプラント。
椎間関節内への挿入のための大きさ及び形状である本体を備えるインプラントであって、前記インプラントは、前記インプラントが所望の構成で椎間関節内に受け入れられたときに、第1の骨固定要素受け入れ開口部の中に挿入された骨固定要素が前記椎間関節を形成する椎骨の第1の椎骨内に延在するように配向された第1軸に沿って、前記インプラントの一部を貫通して延びる前記第1の骨固定要素受け入れ開口部を有し、
前記インプラントが前記椎間関節内に受け入れられたときに、第2の骨固定要素受け入れ開口部の中に挿入された骨固定要素が前記椎間関節を形成する前記椎骨の第2の椎骨内に延在するように配向された第2軸に沿って、前記インプラントを貫通して延びる前記第2の骨固定要素受け入れ開口部を更に備え、
前記本体が第1の骨係合面及び第2の骨係合面によって画定され、前記第1及び第2の骨固定要素受け入れ開口部が前記本体を貫通して延び、前記第1の骨固定要素受け入れ開口部を通して挿入された骨固定要素が前記第1の骨係合面から離れる方向に外に延び、前記第2の骨固定要素受け入れ開口部を通して挿入された骨固定要素が前記第2の骨係合面から離れる方向に外に延びる、インプラント。
椎間関節内への挿入のための大きさ及び形状である本体を備えるインプラントであって、前記インプラントは、前記インプラントが所望の構成で椎間関節内に受け入れられたときに、第1の骨固定要素受け入れ開口部の中に挿入された骨固定要素が前記椎間関節を形成する椎骨の第1の椎骨内に延在するように配向された第1軸に沿って、前記インプラントの一部を貫通して延びる前記第1の骨固定要素受け入れ開口部を有し、
前記本体が、所望の構成において椎間関節内に受け入れられたときに、締まりばめを形成するような大きさ及び形状である第1の骨係合面及び第2の骨係合面によって画定されており、
前記本体が前記第1の骨係合面及び前記第2の骨係合面によって画定された楔形を有し、第1端と第2端の間で先細になっており、
前記第1の骨係合面及び前記第2の骨係合面は、前記第1の骨係合面及び前記第2の骨係合面から突出し、かつ前記第1端と前記第2端の間に延びる複数のリブを有している、インプラント。
前記インプラントが前記椎間関節内に受け入れられたときに、第2の骨固定要素受け入れ開口部の中に挿入された骨固定要素が前記椎間関節を形成する前記椎骨の第2の椎骨内に延在するように配向された第2軸に沿って、前記インプラントを貫通して延びる前記第2の骨固定要素受け入れ開口部を更に備える、請求項1、2または4に記載のインプラント。
前記第1の骨係合面及び前記第2の骨係合面は、所望の構成において椎間関節内に受け入れられたときに、締まりばめを形成するような大きさ及び形状である、請求項1または3に記載のインプラント。
前記インプラントが楔形を有するように、前記第1の骨係合面及び前記第2の骨係合面は、前記近位端面と前記遠位端面の間で先細になっている、請求項1に記載のインプラント。
止め具が前記インプラントの近位端に隣接して前記インプラント上に配置されており、前記止め具が椎間関節内の前記インプラントの挿入深さを制御するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1つに記載のインプラント。
前記インプラントが椎間関節に受け入れられたときに、椎間関節との締まりばめを形成するように、前記第1の骨係合面及び前記第2の骨係合面から延びる複数の突出部を更に備える、請求項1〜4のいずれか1つに記載のインプラント。
前記本体を貫通して、前記本体の長手方向軸に沿って延びるガイドワイヤ受け入れチャネルを更に備え、前記ガイドワイヤ受け入れチャネルの一部分が前記第1の骨固定要素受け入れ開口部と重なり、それにより、ガイドワイヤが前記ガイドワイヤ受け入れチャネルに受け入れられたときに、骨固定要素が前記第1の骨固定要素受け入れ開口部を通過することが防止される、請求項2〜4のいずれか1つに記載のインプラント。
前記インプラントの近位端が少なくとも1つの隣接表面を有し、前記隣接表面は、前記インプラントが照準ガイドに連結されたときに、前記第1の骨固定要素受け入れ開口部の前記照準ガイドの第1ガイド開口部との整列を示すように、前記照準ガイドの遠位端の一部と隣接するように構成されている、請求項9に記載のインプラント。
前記本体が、互いに向かい合いかつ前記第1の骨係合面と前記第2の骨係合面との間に延びる第1の外側側面及び第2の外側側面、及び、前記第1の骨係合面と前記第2の骨係合面との間、かつ、前記第1の外側側面と前記第2の外側側面との間に延びる遠位端面を含んでおり、前記本体が、前記第1及び第2の骨固定要素受け入れ開口部が頭部を貫通して延びるように、前記遠位端面の反対側に配置された近位端面を含む前記頭部を更に備える、請求項3に記載のインプラント。
複数の孔の中で骨の内部成長を促進するために、前記第1の骨係合面及び前記第2の骨係合面を貫通して延びる前記複数の孔を更に備える、請求項1〜4のいずれか1つに記載のインプラント。
前記インプラントを貫通して延びる孔を更に備え、前記孔が、骨の成長を促進するために骨グラフト材で充填される大きさ及び形状である、請求項1〜4のいずれか1つに記載のインプラント。
第1の内側側面と、第2の内側側面であって、前記近位端面の方に向かって前記遠位端面内に延び、かつ、前記第1の骨係合面から前記第2の骨係合面に延びる前記第1の内側側面と前記第2の内側側面との間の切り抜かれた部分を画定するように、前記第1の内側側面に面している、第2の内側側面と、を備える、請求項1に記載のインプラント。
前記インプラントの第1の遠位部分区域が前記第1の外側側面と前記第1の内側側面との間に配置されるように、かつ、第2の遠位部分区域が前記第2の外側側面と前記第2の内側側面との間に配置されるように、前記第1の内側側面と前記第2の内側側面との間に接続された後壁を備えており、前記第1の遠位部分区域は前記切り抜かれた部分によって前記第2の遠位部分区域から離間されている、請求項21に記載のインプラント。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、以下の説明及び付属の図面を参照して更に理解され得、同様の要素は、同一の参照番号を指す。本発明は、骨治療デバイスに関し、具体的には、低侵襲的な後方固定デバイスに関する。本発明の例示的実施形態は、その適正な挿入及び固定を容易にするための挿入ツールとを並んで有する、隣接する椎骨の椎間関節への挿入のために形成されたインプラントを有する、脊椎後方固定術のためのシステム及び方法を記載する。当業者には理解されるように、本発明のシステム及び方法は、筋肉剥離が少なくてすみ、安定化のための椎弓根ねじの使用を必要としない、より迅速でより低侵襲的な手法を利用する。本明細書において使用する「近位,」及び「遠位」という用語は、外科医又はデバイスが他の使用者に近づく方向(近位)及び遠ざかる方向(遠位)のことを指すものとすることに注意されたい。
【0006】
図1〜9に示すように、後方固定術のためのシステム100は、第1と第2椎骨10、12の融合を促進するために椎間関節に挿入するための大きさ及び形状であるインプラント102を備える。
図1〜2に示すように、システム100は更に、椎間関節(すなわち第2椎骨12の上関節突起14と、その真上の第1椎骨10の下関節突起16との間の関節)へのインプラント102の嵌入を容易にするための押し込み体146を有する挿入ツール104と、第1及び第2の骨固定要素108、109をインプラント102のそれぞれ対応する第1及び第2孔110、112に通してインプラント102を椎骨10、12に固定するために案内する照準ガイド106と、を備える。それぞれの脊椎運動セグメント(例えば椎骨10、12)が2つの椎間関節(すなわち右側と左側)を含み、システム100が第2インプラント102’を有することができることが、当業者には理解されるであろう。以下に説明するように、インプラント102は2つの椎間関節の一方(例えば右椎間関節)に埋め込まれるように構成されることができ、一方、第2インプラント102’は2つの椎間関節のもう一方(例えば左椎間関節)に埋め込まれるように構成され得る。従って、第2インプラント102’について詳細は説明しないが、第2インプラント102’がインプラント102と実質的に同様であり得、具体的にはインプラント102の鏡像であり得ることが、当業者には理解されるであろう。システム100が2つのインプラント102、102’を有する場合、第1及び第2インプラント102、102’にカラーコードを与えること及び/又はラベル付けをすることにより、インプラント102、102’が右用か左用のどちらの椎間関節として構成されているかを示すことができる。
【0007】
図3〜6に示すように、インプラント102は実質的に楔形であり、長手方向軸Lに沿って延び、所望の構成において椎間関節に埋め込まれたときに脊椎の後側に面する第1端114から、椎間関節に埋め込まれたときに脊椎の腹側に面する第2端116にかけて先細にされている。先細にされた第2端116は、椎間関節へのインプラント102の挿入を容易にする。インプラント102は、長手方向軸Lに対して角度をつけて第1端114から第2端116まで延在して先細にされた楔形を形成している第1及び第2の実質的に平面状の表面118、120と、第1表面118と第2表面120を接続する第3及び第4の横方向の表面130、132により画定される。椎間関節に埋め込まれたとき、第1表面118は第1椎骨10の下関節突起16と係合し、一方、第2表面120は第2椎骨12の上関節突起14と係合する。第1及び第2表面118、120のそれぞれは、インプラント102を関節へと案内し第1及び第2椎骨10、12との係合を容易にするように、それから突出して第1端114から第2端116まで延在している複数のリブ122を有する。しかし、リブ122のいくつかの範囲又は全てを所望により変更することができることが当業者には理解されるであろう。更に、骨の内部成長を促進するために第1及び第2表面118、120を粗くすること及び/又はコーティング処理することができる。インプラント102は、それを通じた骨の成長を促進し、融合後の安定を増すために、第1表面118から第2表面120までそれを貫通して延びる複数の開口部180をも有する。更なる実施形態では、インプラント102は、第2端116から近位方向に(すなわち第1端114に向かって)、第1表面118から第2表面120までそれを貫通して延びる切り抜かれた部分182をも有することができる。切り抜かれた部分182は、それを通してKワイヤ又は同様のデバイスが配置され得る中央開口部124を提供するために存在し得る鋭い縁を少なくする。
【0008】
インプラント102は、長手方向軸Lに沿って第1端114から第2端116までそれを貫通して延びる中央開口部124をも有する。中央開口部124は、椎間関節に挿入されたガイドワイヤに沿ってインプラント102が摺動され得るように、それを通してガイドワイヤを受け入れる大きさ及び形状である。この実施形態の第1孔及び第2孔110、112はインプラント102を通して中央開口部124の対向する側面に延在する。第1孔110は、第1孔110の第1孔軸が長手方向軸Lに対して角度を有するように、第1端114から第1表面118まで貫通して延びる。当業者には理解されるように、第1孔110は、それを通して挿入された第1の骨固定要素108の頭部のねじ山と係合するためにその内表面の全て又は一部分に沿ってねじ山126を有することができる。第1の骨固定要素108は、そのシャフトが第1椎骨10の下関節突起に挿入されるように第1孔軸Aに沿って第1孔110に受け入れられ得る。第2孔112は、長手方向軸Lに対して第1孔軸Aと反対方向に傾斜している第2孔112の第2孔軸Bに沿って第1端114から第2表面120まで貫通して延びる。例えば、第1軸Aは、長手方向軸Lに対して約10度〜45度の間の角度、更に特定すると25度〜30度の間の角度で傾斜することができ、一方、第2軸Bは長手方向軸Lに対して約−10度〜−45度の間の角度、更に特定すると−25度〜−30度の間の角度で傾斜することができる。第1孔110と同様に、第2孔112は、それを通して挿入された第2の骨固定要素109の頭部のねじ山と係合するためにその内表面の全て又は一部分に沿ってねじ山128を有することができる。第2の骨固定要素109は、そのシャフトが第2椎骨12の下関節突起に挿入されるように、第2孔軸Bに沿って第2孔112内に受け入れられ得る。例示的な一実施形態では、第1端114にて第1及び第2孔110、112の一部分は図のように中央開口部124を受け入れそれと重なることができる。この実施形態では、中央開口部124を通して挿入されたガイドワイヤは、骨固定要素108、109が第1及び第2開口部110、112を通して挿入されるのを防ぐ。別の実施形態では、第1及び第2孔110、112の一方又は両方は中央開口部124と分離された別個の孔として形成され得る。
【0009】
第1端114は照準ガイド106への取り付けのために構成される。例えば、この実施形態の第3及び第4の表面130、132はそれぞれ対応する凹部134、136を第1端114に有し、照準ガイド106の一部分が凹部に受け入れられることを可能にする。凹部134、136は、そこに受け取られた照準ガイド106の一部分と係合するために、そこから延びそれぞれに対応する突出部138、140をも有することができる。突出部138、140は、例えば、照準ガイド106との係合を容易にする一方で照準ガイド106が回転軸Rの周囲でインプラント102に対して枢動することも可能にするように、ドーム形状であり得る。従って、突出部138、140は回転軸Rと同軸であり得る。軸Rは、第3及び第4の横方向の面130,132に対して実質的に垂直であり得る。突出部138、140はドーム形状として説明されているが、当業者には理解されるように、突出部138、140は、突出部138、140が照準ガイド106との係合及びそれに対するインプラント102の枢動を可能にする限りは、任意の多様な形状であってもよい。本発明の実施形態による第1端114は、回転軸Rとほぼ平行に、かつ照準ガイド106に対するインプラント102の枢動の最大角を画定するように長手方向軸Lに対して傾斜して延在する、第1及び第2の隣接表面142、144をもそれぞれ有する。第1及び第2隣接表面142、144の角度は、第1及び第2開口部110、112の第1及び第2軸A、Bの角度にそれぞれ対応する。
【0010】
図1に示すように、挿入ツール104の押し込み体146及び照準ガイド106は、例えば摩擦嵌め合いを介して互いに解放可能に連結される。押し込み体146は、頭部148と、照準ガイド106に取り付けられるように構成された遠位端152に向かってそれから遠位方向に延在するシャフト150とを有する。遠位端152は、例えば、その内部に照準ガイド106の一部分を受け入れることができる。押し込み体146は、それを通してガイドワイヤを受け入れるために長手方向軸に沿ってそれを貫通して延びるチャネル170をも有する。頭部148はシャフト150より大きい断面積を有することができ、椎間関節にインプラント102を押し込みするように力を及ぼすことが可能な表面を提供する。
【0011】
図7〜8に示すように、照準ガイド106は押し込み体146の遠位端152に取り付けられるように構成された近位端156から長手方向軸L‘に沿ってインプラント102に連結されるように構成された遠位端158まで延在する本体154を有する。本体154は近位端156から遠位端158までそれを貫通して長手方向に延びる中央チャネル168を更に有し、従って照準ガイド106及び/又は押し込み体146がインプラント102に連結された際に、インプラント102の中央開口部124が照準ガイド106の中央チャネル168及び押し込み体146のチャネル170と整列し、それを通してガイドワイヤを受け入れる。本体154は第1ガイドチャネル172及び第2ガイドチャネル174をも有し、それらはそれぞれ、インプラント102の第1及び第2開口部110、112にそれぞれに対応する位置にて、近位端156から遠位端158までそれを貫通して延び、従ってそれに連結された際に、ドリル及び/又は骨固定要素108、109がそれを通して第1及び第2開口部110、112の中に案内されることが可能である。第1及び第2ガイドチャネル172、174は、インプラント102の第1及び第2開口部110、112の形状に応じて中央チャネル168と重なることができる。
【0012】
近位端156は、例えば、摩擦嵌め合いによって押し込み体146の遠位端152内に受け入れられる大きさ及び形状である低減された断面積を有することができる。照準ガイド106と押し込み体146とは、それらの長手方向軸が互いにほぼ同軸になるように連結される。照準ガイド106の遠位端158は、それから遠位方向に長手方向軸L’の対向する側に延在する第1及び第2のつかみ部材160a、160bを備えるつかみ具160を有することができる。つかみ具160は、インプラント102の凹部134、136に収まる第1及び第2のつかみ部材160a、160bの間に第1端114の一部分を受け入れる。つかみ部材160a、160bは、インプラント102と係合するために突出部138、140を受け入れる大きさ及び形状であるつかみ部材の内表面に沿って凹部を有する。本体154は、少なくとも部分的に柔軟材料で形成され得、その一部分に沿って本体154の外表面から内表面まで延在するスロット166を有し、つかみ部材160a、160bが屈曲して互いから離れることを可能にし、それにより、インプラント102の第1端114がつかみ部材の間に受け入れられ、突出部138、140の上に延びるアーム160がその上に「パチンと嵌る」ようにすることができる。照準ガイド106をインプラント102と連結すると、アーム106はそれらの間に第1端114を保持する初期の変形されていない構成に戻ることができる。スロット166は、例えば、長手方向軸L’とほぼ平行に延在する第1部及び第2部166a、166bと、第1部及び第2部166a、166bを接続して連続スロット166を形成する第3部166cとを有するほぼZ形状であり得る。
【0013】
この実施形態による照準ガイド106は、本体154の外面に沿って延在するロッキングチャネル164内に挿入され得るロッキングロッド162を更に含み、変形されていない構成でアーム160を係止して、インプラント102が偶発的にそれから外れることを防ぐ。ロッキングチャネル164は本体154に沿って延び、それを貫通してロッキングロッド162が挿入されたときにつかみ具160が互いから離れるように動くのを防ぐようにスロット166と交差して、照準ガイド106とインプラント102をともに固定する。ロッキングチャネル164は、例えば、スロット166の第3部166cと交差するように本体154に沿って長手方向に延在することができる。当業者には理解されるように、システム100は、椎骨10、12の位置に対応する脊椎の一部に沿った小さい切り口を介した低侵襲的な処置に利用することができる。従って、インプラント102が偶発的に照準ガイド106から外れた場合、小さい切り口からインプラント102を見つけることは困難であろう。照準ガイド106とインプラント102をロック解除するには、つかみ具160がスロット166によって互いから屈曲して離れることができるようにロッキングロッド162をロッキングチャネル162から取り外せばよい。
【0014】
図9に示すように、照準ガイド106とインプラント102がいったん互いに連結されたら、インプラント102の長手方向軸Lを照準ガイド106の長手方向軸L’に対して傾斜することができるように、照準ガイド106は回転軸Rの周囲でインプラント102に対して枢動可能になる。照準ガイド106は、中央チャネル168がインプラント102の中央開口部124と整列する(すなわち長手方向軸L、L’が同軸である)中立位置と、第1ガイドチャネル172が第1開口部110とほぼ同軸で且つ整列している第1位置と、第2ガイドチャネル174が第2開口部112とほぼ同軸で且つ整列している第2位置との間で枢動することができる。第1及び第2の位置は、インプラント102の第1及び第2の隣接表面142、144によって画定される。具体的には、第1位置において、第1隣接表面142は照準ガイド106の本体154の遠位端158の一部分と隣接して、照準ガイド106が第1方向にインプラント102に対して所望の最大角を越えて動くことを防ぐ。第2位置において、第2隣接表面144は遠位端158の一部分と隣接して、照準ガイド106が第2方向にインプラント102に対して所望の最大角を越えて動くことを防ぐ。
【0015】
図10〜16は、システム100を使用する例示的な手術方法を示す。
図10に示すように、この方法は、第1ガイドワイヤ176を第1と第2椎骨10、12の間の椎間関節に挿入することを含む。例えば、第1ガイドワイヤ176を右椎間関節に挿入することができる。右及び左の椎間関節のそれぞれにインプラントを挿入することが望まれる場合、第2ガイドワイヤ178をもう一方の椎間関節(例えば左椎間関節)に挿入することができる。上述のように、挿入ツール104は、押し込み体146、照準ガイド106、及びインプラント102の長手方向軸が互いにほぼ同軸になるようにインプラント102に連結され得る。手術プロセス全体の間に照準ガイド106とインプラント102が連結されたまま維持されるように、ロッキングロッド162をロッキングチャネル164に挿入することができる。次いで、
図11に示すように、第1ガイドワイヤ176がインプラント102の中央開口部124及び、押し込み体146並びに照準ガイド106の中央チャネル170、168内に受け入れられ、インプラント102が照準ガイド106に対して中立位置になるように、連結された挿入ツール104とインプラント102を第1ガイドワイヤ176の上で摺動することができる。押し込み体146の頭部148に力を付加することによって押し込みツールを使用してインプラント102を押し込みし、それによりインプラント102が椎間関節を覆っているカプセルを貫通して椎間関節に挿入され得るように、ガイドワイヤ176は押し込み体146とインプラント102とが整列することを確実にする。インプラント102の先細の第2端116はカプセルの貫通を容易にする。挿入ツール104とほぼ同様の第2挿入ツール104’を第2インプラント102’と連結し、同様に第2ガイドワイヤ178の上で摺動することができる。詳細には説明しないが、当業者には理解されるように、挿入ツール104及びインプラント102に関して説明した全ての工程は、第2挿入ツール104’及び第2インプラント102’に関しても繰り返すことができる。また、当業者には理解されるように、図はインプラント102’及び挿入ツール104’を示しているが、単一のインプラント102のみを右又は左の椎間関節のいずれかに埋め込むことが望まれる場合もある。
【0016】
図12に示すように、インプラント102がいったん椎間関節に押し込みしたら、押し込み体146を照準ガイド106から外して、照準ガイド106とインプラント102だけを第1ガイドワイヤ176の上に装着したまま残すことができる。次いで、第1ガイドワイヤ176を取り外して、照準ガイド106がインプラント102に対して枢動できるようにすることができる。
図13に示すように、照準ガイド106が第1位置になり(すなわち、インプラント102の第1隣接表面142が照準ガイド106の遠位端158の一部分と隣接する)、第1ガイドチャネル172が第1開口部110と整列するまでインプラント102の回転軸Rの周囲で照準ガイド106が枢動される。ドリル又は千枚通しを第1ガイドチャネル172を通して挿入して、第1開口部110の第1軸Aと整列している第1椎骨10の下突起16の中に穴を開けることができる。骨固定要素108の頭部が第1開口部110と係合する一方でシャフトが下突起16の中に延びてインプラント102を第1椎骨10に固定するように、骨固定要素108を第1ガイドチャネル172を通して第1開口部110内に挿入することができる。
【0017】
図14に示すように、次いで、第2チャネル174がインプラント102の第2開口部112と整列するように、照準ガイド106をインプラント102に対して第2位置(すなわち、インプラント102の第2隣接面144が照準ガイド106の遠位端158の一部分と隣接する)に枢動することができる。第2ガイドチャネル174を介して第2椎骨12の上関節突起14に孔を開け、骨固定要素109をそれを通して挿入して、第2開口部112と係合することができる。骨固定要素109の頭部が第2開口部と係合する一方で、骨固定要素109のシャフトが上関節突起14の中に延びて、インプラント102が第2椎骨12に固定される。しかし、当業者には理解されるように、代替実施形態では、第1の骨固定要素108が第1開口部110に挿入される前に第2の骨固定要素109が第2開口部112に挿入される場合がある。第1及び第2の骨固定要素108、109がいったん第1及び第2開口部110、112にそれぞれ挿入されたら、照準ガイド106を中立位置に動かし、そこからロッキングロッド162を取り外し、
図15に示すように、埋め込まれたインプラント102から照準ガイド106を離脱することができる。
図15に示すように、挿入ツール104’の照準ガイド106’を使用して、インプラント102’が第2椎間関節に固定されるまで、上述の工程をインプラント102’に対して同様に繰り返すことができる。当業者には理解されるように、インプラント102、102’の両方の埋め込みは必須ではない。単一のインプラント102を右又は左の椎間関節のいずれかに埋め込むことが望ましい場合もある。
【0018】
図17〜18に示すように、別の例示の実施形態によるインプラント202は、システム100に関して上述したインプラント102とほぼ同様であり得る。インプラント102と同様に、インプラント202は、長手方向軸2Lに沿って第1端214から第2端216まで先細のほぼ楔形の本体203を有することができる。インプラント202は、長手方向軸2Lに対して角度をつけて第1端214から第2端216まで延在して先細の楔形を形成している第1及び第2の実質的に平面状の表面218、220と、第1表面218と第2表面220を接続する第3及び第4の横方向の表面230、232により画定される。しかし、インプラント202は、本体203の第1端214に取り付けられた、本体203の第1端214の幅W(すなわち、第1端214での第1表面218と第2表面220との間の距離)より大きい幅(すなわち、長手方向軸2Lを横断する頭部290の距離)を有する頭部290を更に有する。例えば、その幅は約10mmであり得る。一実施形態では、頭部290は、幅が頭部290の直径に相当するほぼ円形であり得る。しかし、当業者には理解されるように、頭部290は、頭部290の幅が本体203の第1端214の幅より広い限りは、任意の様々な形及び大きさであり得る。頭部290の幅がより大きいことは、頭部290が椎間関節に挿入されるのを防ぐ止め具として作用する。従って、インプラント202は所望により容易に取り外すことができる。当業者には理解されるように、頭部290は、挿入及び/又は取り外し器具への取り付け用に構成された連結機構も有することができる。
【0019】
インプラント102と同様に、インプラント202は、長手方向軸2Lに沿って頭部290及び本体203を貫通して延びる中央開口部224を有し、骨固定要素208、209を受け入れるためにそれを貫通して延びる第1及び第2開口部210、212を並んで有し、それを通してガイドワイヤを受け入れる。しかし、第1及び第2開口部210、212は、頭部290のみを通して延在する。具体的には、第1開口部210は、第1方向に長手方向軸2Lに対して傾斜している第1軸2Aに沿って頭部290を貫通して延在し、骨固定要素208は第1軸2Aに沿って第1開口部210を貫通してその椎間関節の第1椎骨に挿入され得る。第2開口部212は、第1方向と反対側の第2方向に長手方向軸2Lに対して傾斜している第1軸2Bに沿って頭部290を貫通して延在し、骨固定要素209は第1軸2Bに沿って第2開口部212を貫通してその椎間関節の第2椎骨に挿入され得る。例えば、中央軸、第1軸2Aは、長手方向軸2Lに対して約5度〜45度の間、更に特定すると10度〜20度の間の角度で傾斜することができ、一方、第2軸2Bは長手方向軸2Lに対して約10度〜20度の間の角度で傾斜することができる。例示の実施形態では、約15度の角度であるこの角度は、システム100に関して上述したように照準ガイドを使用せずに外科医又は他の使用者が骨固定要素208、209をそれぞれ対応する第1孔及び第2孔210、212を通して挿入することを可能にする。しかし、当業者には理解されるように、第1及び第2軸2A、2Bは、それに沿って開口部210、212に受け入れられる骨固定要素208、209が椎間関節の第1及び第2椎骨に挿入される限りは、長手方向軸2Lに対して任意の多様な角度であり得る。
【0020】
頭部290の深さD(すなわち、長手方向軸2Lに沿った頭部290の距離)は、第1及び第2孔210、212がそこに第1及び第2の骨固定要素208、209をそれぞれ受け入れることができるように、約2.0〜3.0mmの間であり得る。孔210、212の内表面は、第1及び第2の骨固定要素208、209のシャフトが椎間関節の第1及び第2椎骨へと延びてインプラント202を固定するように、第1及び第2の骨固定要素の頭部に沿ったねじ山と係合するねじ山を有することができる。
【0021】
インプラント202はまた、長手方向軸2Lの周囲でほぼ対称であり得、インプラント202は左側又は右側のいずれの椎間関節にも使用することができ、「左」及び「右」の側面構成を必要としない。具体的には、本体203はほぼ楔形を有することができ、第1及び第2開口部210、212の第1及び第2軸2A、2Bもまた、長手方向軸2Lに沿って対称であり得る。インプラント202は、中央開口部224に受け入れられたガイドワイヤによって、頭部290がそのそれ以上の移動を防ぐようになるまでインプラント202を摺動することによって椎間関節に埋め込むことができる。次いで、ガイドワイヤを取り外して、第1及び第2開口部210、212を通して骨固定要素208、209を第1及び第2椎骨の中へとそれぞれ挿入してインプラント202をそこに固定することができる。
【0022】
インプラント102、202は楔形として記述してきた。しかし、当業者には理解されるように、他のインプラントの形状も可能である。例えば、
図19に示すように、インプラント302はインプラント102、202と同様であり、長手方向軸に沿った第1端314及び第2端316と、それぞれ第1及び第2表面318、320を有する。インプラント302は、インプラント202に関して説明したのとほぼ同じやり方で使用される。インプラント102、202と対比すると、表面318、320は長手方向軸に沿って第2端316から第1端314にかけてより顕著な遷移を画定している。例示のインプラント102、202の楔形による椎間関節の緩やかな開口部と比較して、インプラント302による椎間関節の開口部はより急激である。
【0023】
この比較的急激な遷移は、第1及び第2表面318、320と、第2端316で第1及び第2表面318、320を接続している挿入面とにより画定されるインプラント302の形により提供される。第1及び第2表面318、320のそれぞれは、それぞれの第1領域318a、320aと、それぞれの第2領域318b、320bとを有する。第1領域318a、320aの表面318、320はほぼ平面状であり、互いにほぼ平行である。第2領域318b、320bにおいては、第1及び第2表面318、320は挿入方向において滑らかな挿入遷移をもたらすように第2端316から第1端314にかけて形作られる。この滑らかな遷移は、第2端316から第1領域318a、320aに向かう方向に幅が広がる曲面又は平面を画定する、第2領域318b、320b内の表面318、320の部分によって提供され得る。
【0024】
第2端316にて画定される挿入面は、通常の使用では、挿入中に椎間関節と接触するインプラント302の最初の部分である。この挿入面が椎間関節の最初の開口部をもたらす。比較的急激な開口部をもたらすために、挿入面は鈍い断面形状を有するものとして記述され得る。鈍い断面形状は、平面状、弧状、銃弾形、及び当業者には理解されるであろう他の表面形状である挿入面によって画定され得る。他の例示的なインプラント102、202の第2端116、216の挿入面と比較して、第2端316の挿入面は比較的幅広く、より急激な開口部をもたらす。椎間関節の下面及び上面は互いに対してほぼ平行であるので、表面318、320の平行な平面状の部分318a、320bは解剖学的に良好に椎間関節と適合する。
【0025】
図20〜35に示すように、本発明の別の例示的な実施形態によるシステム400はインプラント402とインプラントホルダー406とを備える。インプラント402は上述のインプラント302とほぼ同様であり得、椎間関節への挿入のための大きさ及び形状であり第1端414から第2端416まで延在する本体403と、第1端414に取り付けられた頭部490とを備える。以下に詳述するように、システム400は、
図31〜32に示されるような、椎間関節を見つけるための椎間関節ファインダー530と、
図31及び33に示されるような、軟組織を取り除きインプラント402用の座着面を作り出すためのリーマー550と、
図34〜35に示されるような、椎間関節から軟骨を取り除いてそこへのインプラント402の挿入を可能にするキュレット560と、を更に備えることができる。
【0026】
図21〜25に示すように、インプラント402は、長手方向軸4Lに沿って頭部490及び本体403を貫通して延びる中央開口部424を有し、それを通して骨固定要素408、409を受け入れるために頭部490を貫通して延びる第1及び第2開口部410、412を並んで有し、それを通してガイドワイヤを受け入れる。第1開口部410は、第1開口部410を通して挿入される第1の骨固定要素408が第1軸4Aに沿って延在するように長手方向軸4Lに対して傾斜している第1軸4Aに沿って延在し、インプラント402が所望の位置にあるときに第1の骨固定要素408を所望の経路に沿って椎間関節の第1椎骨の中に向ける。第2開口部412は第1軸4Aと反対側の第2方向に長手方向軸4Lに対して傾斜している第2軸4Bに沿って延在し、インプラント402が所望の位置にあるときに、第2開口部412を通して挿入された第2の骨固定要素409は、第2軸4Bに沿って、所望の経路に沿った第2椎骨の中へと延びる。第1軸4Aと長手方向軸4Lの間の角度及び、第1軸4Bと長手方向軸4Lとの間の角度は、この実施形態ではほぼ互いに同等であり、従ってインプラント402は長手方向軸4Lに対してほぼ対称である。インプラントホルダー406は、インプラント402を椎間関節に挿入し骨固定要素408、409をそれぞれ対応する第1及び第2開口部410、412に案内するために使用される。この実施形態によるインプラント402の頭部490はまた、インプラントホルダー406の一部分と係合するためにその外周の対向する部分に沿って凹部496を有する。
【0027】
インプラント402と同様に、本体403の形は第1端414から第2端416にかけて遷移し、その第1及び第2表面418、420によって画定される。具体的には、インプラント302に関して上述したように、第1及び第2表面418、420のそれぞれは、それぞれに第1領域418a、418bと、それぞれに第2領域420a、420bとを有する。第1領域418a、420aはほぼ平面状で互いに平行であり、一方、第2領域418b、420bは第2端416に向かって先細であり、滑らかな挿入遷移をもたらす。本体403はまた、インプラント402を椎間関節へと案内し、第1及び第2椎骨との係合を容易にするように、第1及び第2表面418、420のそれぞれから突出している複数のリブ422を有する。リブ422は表面418、420に沿って第1端414から第2端416まで延在する。しかし、リブ422は、それに沿って延在する歯492又はギザギザの縁を更に有し、インプラントと周囲の組織との間のグリップを強化して、インプラント402が挿入された椎間関節から偶発的に引き出されることを防ぐ。当業者には理解されるように、歯492は、歯の頂点494とともに第1端414の方向に向かって傾斜して、インプラント402の引き出し抵抗力を増す。
【0028】
加えて、インプラント102〜302に関して図示及び説明したような骨の内成長を促進するために、インプラント402は、本体403を貫通して延びる複数の小さい孔ではなく、本体403を貫通して延びる第1及び第2のより大きい孔480、481を有する。第1孔480は、中央開口部424の第1側面の第1表面418から第2表面420まで本体403の第1部分を貫通して延びる。第2孔481は、中央開口部424の第2側面の第1表面418から第2表面420まで本体403の第2部分を貫通して延びる。第1及び第2孔480、481は、埋め込みプロセス中の骨の成長を促進するために、孔480、481を骨グラフト材で充填することを可能にする大きさ及び形を有する。
【0029】
図26〜30に示すように、インプラントホルダー406は、近位端456から遠位端458まで延在する中央チャネル472と、中央チャネル472内に摺動可能に受け入れられるシャフト498とを備えるガイド本体454を有する。シャフト498は、長手方向軸に沿って、インプラント402の頭部490と係合するように構成された遠位端500まで延在する。具体的には、遠位端500は、シャフト498の対向する側面にそれから遠位方向に延在するつかみ部材460a、460bを有する。つかみ部材460a、460bは、それらの間に頭部490を受け入れることができるように互いから離れる方向に付勢される。ガイド本体454はシャフト498の上で、
図26及び27に示されるような、つかみ部材460a、460bがそれらの間に頭部490を受け入れるインプラント受け入れ構成と、
図28及び29に示されるような、つかみ部材460a、460bが互いに向かって移動してそれらの間にインプラント402を保持するように凹部496と係合する閉じた構成との間で摺動可能である。
【0030】
ガイド本体454は、シャフト498を摺動可能に収容する大きさ及び形状である中央チャネル472と、中央チャネル472に対して角度をなしてガイド本体454を通って延びるガイドチャネル474とを有する。中央チャネル472は、シャフト498がインプラント402と係合したときに中央チャネル472が中央開口部424の長手方向軸4Lと整列するように配向された通り道に沿ってガイド本体454を貫通して延びる。ガイドチャネル474は、シャフト498がインプラント402と係合したときにガイドチャネル474が第1及び第2開口部410、412の第1及び第2軸4A、4Bの一方とそれぞれ連携するようにガイド本体472を通して延在する。従って、ガイド本体454は、インプラント402と連結されたときに、ガイドチャネル474が第1開口部410と連携する第1孔構成と、ガイドチャネル474が第2開口部412と連携する第2孔構成との間でガイドチャネル474が移動することができるように、シャフト498の周囲で回転可能である。ガイド本体454はまた、シャフト498の部分を係合して、インプラント受け入れ構成又は閉鎖構成及び/又は第1孔構成及び第2孔構成の中の1つにおいてシャフト498に対してガイド本体454を固定するように、中央チャネル472の中心に向かって付勢されたロッキングタブ502を備えるロッキング機構508も有する。以下に詳述するように、ロッキング機構508はまた、ロッキングタブ502をシャフト498の部分との係合から引き外すために使用することができる解放レバー510も有する。
【0031】
図30に示すように、シャフト498は近位端512から遠位端500まで長手方向に延在し、それを貫通して延びるルーメン514を有する。ルーメン514は、インプラント402を椎間関節に挿入するためにインプラントホルダー406をガイドワイヤの上で摺動することを可能にする大きさ及び形状である。近位端512は、本体454がインプラント受け取り構成と閉鎖構成との間を移動する間にシャフト498を保持するために使用することができる末端キャップ516と連結されるように構成される。末端キャップ516はまた、ガイドワイヤが末端キャップ516及びシャフト498の両方を貫通して延びることができるように、対応するルーメン520も有する。上述のように、遠位端500はインプラントの頭部490と係合するためのつかみ部材460a、460bを有する。つかみ部材460a、460bは、例えば、シャフト498の遠位部の長さに沿って延在するスロット466を介して形成され得る。つかみ部材460a、460bは、その一部分から半径方向内向きに延びる突出部518を更に有し、突出部518はインプラント402の頭部490における凹部496に対応する大きさ及び形状を有する。
【0032】
シャフト498は、インプラントホルダー406をインプラント受け入れ構成において係止するようにロッキングタブ502と係合するための、シャフト498の近位部に沿って延在する第1及び第2のロッキング凹部504a、504bを有する。この実施形態における第1及び第2ロッキング凹部504a、504bは、互いに直径方向に対向している。ロッキングタブ502は、第1及び第2ロッキング凹部504a、504bのいずれかに受け入れられて、インプラントホルダーをインプラント受け入れ構成において係止することができる。シャフト498はまた、それを通して横方向に延在するロッキング孔506を第1及び第2ロッキング凹部504a、504bの遠位に有する。ロッキング孔506は、インプラントホルダー406を、閉じた構成及び、第1及び第2孔の受け入れ構成の一方において係止するようにロッキングタブ502と係合する大きさ及び形状である。ロッキング孔506は、第1開口部507aから第1開口部507aにほぼ対向する第2開口部507bまでシャフト498を完全に貫通して延びる。第1開口部507aは第1ロッキング凹部504aと長手方向に整列することができ、一方、第2開口部507bは第2ロッキング凹部504bと長手方向に整列する。ロッキング孔506は、ロッキングタブ502が第2ロッキング孔506と係合したときにインプラントホルダー406が閉じた構成において係止されるように、第1及び第2ロッキング凹部504a、504bの遠位に位置づけられる。従って、インプラント受け入れ構成においては、シャフト498の遠位端500はインプラント402の頭部490の上に位置づけられ得る。頭部490がいったんつかみ部材460a、460bの間に所望通りに位置づけられたら、使用者は解放レバー510を移動してロッキングタブ502を第1ロッキング孔504から外し、インプラントホルダー406が閉じた構成になりロッキングタブ502が第2ロッキング孔506と係合するまで、ガイド本体454を遠位方向につかみ部材460a、460bの上で摺動させる。その閉じた構成では、ガイド本体454がつかみ部材460a、460bの上で長手方向に移動されて、突出部518が頭部490の凹部496と係合する。
【0033】
シャフト498の遠位部はまた、それを貫通して延びる第1ガイドチャネル522及び第2ガイドチャネル524を有する。第1ガイドチャネル522は第1開口部410の第1軸4Aとインプラント402の長手方向軸4Lとの間の角度に対応するシャフト498の長手方向軸に対する角度でシャフト498の遠位部を貫通して延びる。第2ガイドチャネル524は第2開口部412の第2軸4Bとインプラント402の長手方向軸4Lとの間の角度に対応するシャフト498の長手方向軸に対する角度でシャフト498の遠位部を貫通して延びる。インプラントホルダー406が閉じた構成にあるとき、本体454のガイドチャネル474はシャフト498の第1及び第2ガイドチャネル522、524の一方と連携し、それを通してインプラント402の第1及び第2開口部410、412の一方に骨固定要素408、409の一方を案内することができる。具体的には、ロッキングタブ502がロッキング孔506の第1開口部507aと係合すると、インプラントホルダー406が第1孔構成において係止されて、ガイドチャネル474がシャフト498の第1ガイドチャネル522と連携する。ロッキングタブ502がロッキング孔506の第2開口部507bと係合すると、インプラントホルダー406が第2孔構成において係止されて、ガイドチャネル474がシャフト498の第2ガイドチャネル524と連携する。上述のように、ロッキングタブ502をロッキング孔506の第1及び第2開口部507a、507bの一方から外すために解放レバー510を引き、ロッキングタブ502がもう一方の第1及び第2開口部507a、507bと係合するまでシャフト498の周囲でガイド本体454を回転することによって、インプラントホルダー406を第1と第2の孔構成の間で移動することができる。
【0034】
図31及び32に示すように、椎間関節ファインダー530は、近位端534から関節ファインダー先端部538に取り付けられた遠位端536まで長手方向に延在するシャフト532と、その中にガイドワイヤを受け入れるためにそれを貫通して延びるルーメンとを有する。関節ファインダー先端部538は、患者の椎間関節に挿入される大きさ及び形状であり、椎間関節への挿入を容易にするようにその遠位端546まで互いに向かって先細になる第1及び第2平面状表面542、544を有する。関節ファインダー先端部538の長さはインプラント402の長さに対応するように選択される。関節ファインダー先端部は、第1及び第2平面状表面542、544の間の距離より大きい幅のガイドワイヤを受け入れるためにそれに沿って延在する長手方向スロット540をも有することができる。椎間関節ファインダー530は、関節ファインダー先端部538のすぐ近位のシャフト532の部分から半径方向外側に延在する止め具548をも有することができる。止め具548は、椎間関節ファインダー530とともに使用することができるリーマー550が止め具548を遠位方向に超えて延びるのを防ぐ。
【0035】
図31及び33に示すように、リーマー550は、近位端552から遠位端554まで長手方向に延在し、椎間関節ファインダー530のシャフト532を受け入れる大きさ及び形状をした、それを貫通して延びる延在するルーメンを有する。リーマー550の遠位端554は、軟組織を取り除きインプラント402の頭部490を受け取るための着座面を作り出すために、例えば、それに沿って延在するブレード558を備えるほぼ円形の遠位面556を有する。
【0036】
図34及び35に示すように、キュレット560は、近位端564からインプラント形状の先端部568に取り付けられた遠位端566まで長手方向に延在するシャフト562と、それにガイドワイヤを受け入れるためにそれを貫通して延びるルーメンとを有する。図のように、キュレット560は上述のリーマー550とともに使用してもよい。従って、シャフト562はリーマー550のルーメン内に摺動可能に受け入れられる大きさ及び形状である。インプラント形状の先端部568は椎間関節に挿入されるインプラント402の本体403に対応する大きさ及び形状を有し、先端部568が椎間関節に挿入されたときにそこから軟骨を取り除き、そこにインプラント402を挿入することを可能にする。キュレット560はインプラント形状の先端部568の近位のシャフト562の一部分から半径方向外側に延在する止め具(図示せず)をも有することができ、キュレットがリーマー550と連結されたときにリーマー550が止め具を超えて遠位に移動することが防がれる。
【0037】
図36〜43は、システム400を使用する例示的な手術手技を示す。この手術手技は、ガイドワイヤ570を椎間関節に挿入することを含む。この例示の実施形態では、ガイドワイヤ570は、平らな先端部572と、骨内での保持を支援するように平らな先端部572の遠位にガイドワイヤ570の長さ範囲に沿って延在するねじ山574(
図32に図示したように)又は歯(
図35に図示したように)と、を有する遠位端まで長手方向に延在する。例示的な一実施形態では、椎間関節内でのインプラントの配置の可視化を可能にするX線マーカーを有する照準ガイド576を使用して、
図36に示すようにガイドワイヤ570を関節に挿入する。X線マーカーは、例えば、挿入されるインプラント402の幅を示すピン及び頭部490の大きさを示すリングを有することができる。X線マーカーが適正な位置を示したら、ガイドワイヤ570の遠位端572を、その照準シャフト578を通して椎間関節に挿入する。当業者には理解されるように、タンプ(tamp)580は、神経構造の損傷を防ぐために、ガイドワイヤ570が椎間関節内に所望の距離(例えば15mm)より深く挿入されるのを防ぐようにガイドワイヤ570の近位端に取り付けることができる。
図37に示すように、ガイドワイヤが椎間関節内に挿入されたら、照準シャフト578だけがガイドワイヤ570の周囲に残るように、照準ガイド576から照準ハンドルを取り外すことができる。
図38に示すように、次いで、軟組織開創器582をガイドワイヤ570及び/又は照準シャフト578の上で摺動して、インプラント402が挿入される区域の周囲の軟組織を取り除く。
【0038】
別の例示的な実施形態によると、
図39に示すように、椎間関節ファインダー530を介して椎間関節内にガイドワイヤ570が配置される。関節ファインダー先端部538は、インプラント402が挿入される椎間関節の中に挿入される。椎間関節に配置されたら、ガイドワイヤ570の遠位端572が椎間関節に挿入されるまで、椎間関節ファインダー530のシャフト532を通してガイドワイヤ570を挿入する。上述のように、神経構造の損傷を防ぐよう、遠位端572は所望の距離(例えば15mm)を超えて関節内に挿入されるべきではない。ガイドワイヤ570が配置されたら、
図40に示すように、リーマー550の遠位面が止め具548と接触するまで、リーマー550を椎間関節ファインダー530のシャフト532の上で摺動させる。リーマー550の遠位面556は、インプラント座面を作り出すために使用される。次いで、リーマー550と椎間関節ファインダー530を取り外し、椎間関節内に挿入されたガイドワイヤ570を残すことができる。次いで、インプラント区域を取り囲む軟組織を取り除くために、ガイドワイヤ570の上で軟組織開創器582を摺動させる。
【0039】
椎間関節にガイドワイヤ570を挿入し、上述の方法のいずれかを用いて軟組織を取り除いたら、インプラント形状の先端部568が椎間関節に挿入されて、骨融合のための最適な条件を作り出すように椎間関節内の軟骨を取り除くまで、キュレット560をガイドワイヤ570の上で摺動させる。ガイドワイヤ570の配置の間に周囲の骨がまだリーマーで取り除かれていない場合、遠位面556がインプラント座面を作り出すことができるように、キュレット560のシャフト562の上でリーマー550を摺動させることができる。軟骨を取り除いたら、キュレット560及び/又はリーマー550を取り出し、椎間関節内に挿入されたガイドワイヤ570を残すことができる。
【0040】
使用者は、次いで、インプラント402の第1及び第2孔480、481を骨グラフト材で詰めることができる。孔480、481が骨グラフト材で充填されたら、インプラント402をインプラントホルダー406と連結することができる。具体的には、インプラント受け入れ構成にあるインプラントホルダー406をインプラント402の上に位置づけ、インプラント402の頭部490をシャフト498のつかみ部材460a、460bの間に受け入れる。上述のように、ロッキング機構508を介してインプラントホルダー406をインプラント受け入れ構成において係止することができる。しかし、いったんインプラントホルダー406を所望のようにインプラント402の上に位置づけたら、使用者はロッキング機構508の解放レバー510を引いて、
図41のように、インプラントホルダーが閉じた構成において係止され、インプラント402の頭部490がつかみ部材460a、460bの間に把持されるまで、インプラントホルダー406の本体454をシャフト498の上で遠位に摺動させる。次いで、インプラントホルダー406を使用して、インプラントホルダー406をガイドワイヤ507の上で摺動することにより、インプラント402を椎間関節内に挿入する。インプラント402を椎間関節に挿入したら、ガイドワイヤを取り外すことができる。
【0041】
上述のように、本体454の中央チャネル472及びそこに受け入れられたシャフト498はインプラント402の中央開口部424の長手方向軸4Lと整列し、一方、インプラントホルダー406のガイドチャネル474は第1及び第2の開口部410、412の第1及び第2軸4A、4Bの1つと整列される。ガイドチャネル474が第1開口部410と整列する(すなわち、ロッキング機構508のロッキングタブ502がシャフト498のロッキング孔506の第1開口部507aと係合する)状態において、千枚通しをガイドチャネル474に通し、第1軸4Aに沿って第1開口部410に挿入して、椎間関節の第1椎骨に孔を作ることができる。次いで、骨固定要素408を、そのシャフトが第1椎骨に形成された孔の中に延び、その頭部が第1開口部410の内面に沿って延在するねじ山と係合するように、ガイドチャネル474を通して第1開口部410の中に挿入することができる。次いで、使用者は、
図42に示すように、ロッキングタブ502がロッキング孔506の第2開口部507bと係合してガイドチャネル474がインプラント402の第2開口部412と整列するまでインプラントホルダー406の本体454がシャフト498の周囲で回転することができるように、ロック機構508の解放レバー510を引いてロッキングタブ502をロッキング孔506の第1開口部507aから外す。
【0042】
第1開口部410と同様に、千枚通しを使用して、ガイドチャネル474を介して椎間関節の第2椎骨に孔を形成することができ、そのシャフトが第2椎骨の中に延び、その頭部が第2開口部412の内面に沿って延在するねじ山と係合するように、それを通して第2の骨固定要素409を挿入することができる。例示の実施形態はガイドチャネル474が最初にインプラント402の第1開口部410と整列する状況を具体的に記述しているが、当業者には理解されるように、ガイドチャネル474は最初に第2開口部412と整列されてもよく、その場合、骨固定要素408が第1開口部410及び第1椎骨を通して挿入される前に、骨固定要素409が第2開口部412を通して第2椎骨の中に挿入される。第1及び第2の骨固定要素408、409が第1及び第2開口部410、412を通してそれぞれ挿入されたら、インプラントホルダー406をインプラント402から外し、
図43に示すように、本体から取り外すことができる。解放レバー510を引いてインプラントホルダー406をインプラント受け入れ構成に移動し、インプラント402を外すことによって、インプラントホルダー406を取り外すことができる。あるいは、本体454をシャフト498から摺動可能に取り外すようにシャフト498の近位端512から末端キャップ516を取り外すことによってインプラントホルダー406を解体してもよい。本体454を取り外したら、シャフト498のつかみ部材460a、460bをそれらの付勢された、開いた構成に戻して、それらの間からインプラント402を解放する。インプラント402及び骨固定要素408、409の正しい位置づけは、インプラント402を目視検査すること及び/又は、椎間関節内のインプラント402の位置づけを示すX線画像を見ることによって確認することができる。
【0043】
図44に示すように、インプラント602は上述のインプラント202、302及び402と実質的に同様であり得、頭部690から遠位に延在する本体603を備えている。本体603はインプラント202と同様の楔形であり得る。あるいは、本体603は、互いにほぼ平行な第1部分618a、620aと、椎間関節への挿入を容易にするように互いにその遠位端616に向かって先細である第2部分618b、620bとを有する第1及び第2平面状表面618、620を有し、本体303、403とほぼ同様であってもよい。インプラント602は長手方向軸6Lに沿って頭部690及び本体603を通して長手方向に延在する中央開口部624を有する。しかし、インプラント602は、長手方向軸6Lに対して傾斜してそれを貫通して延びる第1及び第2開口部を有していない。代わりに、中央開口部624の近位部は骨固定要素608をそこに受け入れる大きさ及び形状である。中央開口部624の近位部は骨固定要素608のシャフト609に沿ってねじ山627と係合するようにそれに沿って延在するねじ山626を有することができる。シャフトの直径は、中央開口部624の近位部がその外面に横方向に開かれるように、インプラント602の第1及び第2平面状表面618、620の間の距離より大きい。従って、骨固定要素608を長手方向軸6Lに沿って中央開口部624に挿入して、インプラント602を椎間関節内に固定することができる。具体的には、シャフト609に沿ってねじ山627が周囲の骨と係合して、そこにインプラント602を固定することになる。頭部290と同様に、頭部690の幅はより大きく、頭部690が椎間関節に挿入されるのを防ぐ止め具として作用することができる。例えば孔180、480など骨の融合を促進するための他の実施形態の孔と同様に、本体603もまた、第1表面618から第2表面620まで貫通して延びる複数の開口部680を有する。
【0044】
図45〜64は、挿入器具802とともに使用するように構成されたインプラント702を有する本発明の別の実施形態によるシステムを図示する。以下に詳述するように、以下に説明するこの例示のシステムは、頚椎固定処置に使用するように構成される。
【0045】
例示のインプラント702は上述のインプラント102、202とほぼ同様であり得る。インプラント102と同様に、インプラント702は頭部790から遠位に延在する本体703を有する。本体703は第1端714から第2端716まで長手方向軸7Lに沿って先細になっているほぼ楔形であり得る。本体703の長手方向軸7Lは頭部790の入っている平面から非垂直の角度で延在する。代表的な実施形態では、頭部790と長手方向軸7Lの間の角度α
1は約45度であるが、本発明の範囲から逸脱せずに他の任意の角度を採用することができる。例えば、角度α
1は30度〜90度の間の任意の角度であり得る。本体703は、第1及び第2の隣接する椎骨との係合を容易にするために、本体703の第1及び第2表面718、720のそれぞれから突出する複数のリブ722を更に備えることができる。リブ722は表面718、720に沿って第1端714から第2端716まで延在する。リブ422は、それに沿って延在する歯792又はギザギザの縁を更に有し、インプラント702と周囲の組織との間のグリップを強化して、インプラント702が、それが挿入された頚椎関節から偶発的に引き出されることを防ぐ。当業者には理解されるように、歯792は、歯の頂点794とともに第1端714の方向に向かって傾斜して、インプラント702の引き出し抵抗力を増す。例示の実施形態は5列のリブ422とともに図示されているが、本発明の範囲から逸脱せずに任意の数及び配向のリブ422が使用され得ることに留意されたい。例示の実施形態では、頭部790の幅は約8mmであり得、高さは約17.5mmであり得、厚さは約2.2mmであり得るが、本発明の範囲から逸脱せずにその他任意の測定値を使用することができる。更に、本体703の第2端716は厚さが約0.7mmであり得るが、特定の処置の要件に合うようにその他任意の測定値を使用することができる。
【0046】
インプラント702は、それを通して骨固定要素(例えば骨ねじ)708、709を受け入れるように頭部790を貫通して延びる第1及び第2開口部710、712を更に有する。第1開口部710は第1軸7Aに沿って延在し、この軸は長手方向軸4Lとほぼ平行であるので、第1軸7Aに沿って延在する第1開口部710を通して挿入された第1の骨ねじ708は、インプラント702が所望の位置にあるとき、第1の骨ねじ708を所望の通り道に沿って椎間関節の第1椎骨に向ける。第2開口部712は、本体703が入る平面に対して、α
1より大きい角度α
2の傾斜で第2軸7Bに沿って延在する。例示の実施形態では角度α
2は約55度であり得るが、本発明の範囲から逸脱せずにその他任意の角度を使用することができる。当業者には理解されるように、長手方向軸7A及び7Bの角度配向は、インプラント702が所望の位置にあるときに第1及び第2の骨ねじ708、709が所望の通り道に沿って第1及び第2の隣接する椎骨内に延びるように選択される。前述の実施形態に関してより詳細に説明したように、インプラント702の頭部790はまた、インプラントホルダー802の一部分と係合するために、その外周の対向部に沿ってスロット796a、796bをそれぞれ有する凹部796をも有することができる。
【0047】
図52〜64は、インプラント702を椎間関節に挿入し、第1及び第2開口部710、712の中に骨ねじ708、709をそれぞれ案内するために使用される例示的なインプラントホルダー802を図示する。インプラントホルダー802はインプラントホルダー406とほぼ同様に形成されているが、その取り扱い及び操作を助けるためにその近位部にハンドル804を備える。インプラントホルダー802は、近位端808から遠位端810まで長手方向軸8Lに沿って延在するガイド本体806を有する。ガイド本体は、近位端814から、ガイド本体806の遠位端810に近接した遠位端816まで長手方向軸8Lとほぼ整列してそれを通して長手方向に延在するロッキングチャネル812を備える。本体806は、それぞれの近位端820、826からそれぞれの遠位端822、828までそれを貫通して延びる第1ねじチャネル818及び第2ねじチャネル824を更に備える。例示の実施形態では、第1ねじチャネル818は長手方向軸8Lに対して傾斜して延在し、従って第1ねじチャネル818の長手方向軸8Aは第2ねじチャネル824の長手方向軸8Bと交差する。
【0048】
図52〜53により明瞭に示すように、本体806の上面は、幅の大きい部分832を有する近位端から本体806の遠位端810に対して開いている遠位端834まで延在する長手方向スロット830を備える。スロット830は、スロット830の両側に配置された柔軟アーム836を画定する。第1及び第2柔軟アーム836a、836bは、幅の大きい部分832によって画定される軸8Pの周囲で互いに対して枢動可能である。第1及び第2柔軟アーム836a、836bは遠位端834において組み合わさってつかみ具837を形成する。つかみ具837は第1つかみ部材837aと第2つかみ部材837bとを有する。作動上の配置では、スロット830を圧縮してアーム836a、836bを互いに向かって移動することによってつかみ部材837a、837bを、インプラント702の挿入のための第1の大きさ及び寸法から、インプラント702をつかみ具837の中に把持し保持するための第2の大きさ及び寸法に移動する。
【0049】
ロッキングチャネル812は第2ねじチャネル824に対して平行かつ長手方向軸8Lに対して平行に延在する。
図54に示すように、近位端814はロッキングチャネル812の中に延在するねじ山開口部814aを有する。ロッキングチャネル812は、近位端814と幅の大きい部分832との間で長手方向軸8Lに沿って延在し、ほぼ円筒形である。幅の大きい部分832から遠位端816まで、ロッキングチャネル812の円筒形はスロット830によって第1及び第2チャネル部分812a、812bに分割されている。第1及び第2チャネル部分812a、812bは、それぞれ第1及び第2柔軟アーム836a、836bに形成された半円筒である。
【0050】
図54〜56及び
図59に示すように、ロッキングチャネル812の遠位端816は、ロッキングボルト840を受け入れるためのロッキングボルト受け入れ部817を有する。ロッキングボルト受け入れ部817は、遠位端816にあるその最も幅広い点から近位に位置づけられた最も幅狭い点へ向かう方向において側壁819から先細である円錐形を有する。すなわち、ロッキングボルト受け入れ部817は、ロッキングチャネル812の遠位端816から近位端814へ向かう方向においてロッキングチャネル812を画定する側壁819から延びている。ロッキングボルト受け入れ部817は、スロット830によって第1及び第2部分817a、817bに分割される。ロッキングボルト受け入れ部817の第1部分817aは第1柔軟アーム836aで形成される。ロッキングボルト受け入れ部817の第2部分817bは第2柔軟アーム836bで形成される。第1及び第2部分817a、817bの平面状表面817c、817dはそれぞれ、スロット830を挟んで向き合っている。
【0051】
図56〜60はロッキングボルト840を示す。ロッキングボルト840は近位領域にハンドル842を有し、ハンドルからシャフト844がロッキングボルト840の遠位端846に延びる。ハンドル842には、使用者がつかみやすいように刻みや溝などが付けられる。ハンドル842のすぐ遠位の領域ではシャフトは細く、次いで再び広くなり、その長さ範囲の残りの区域では一定の直径である。その細い部分にねじ山848が形成される。ねじ山848は、ねじ山つき開口部814a内に形成されたねじ山とねじ方式で係合するように形成されていて、ロッキングボルト840をロッキングチャネル812に解放可能に連結する。
図57は、遠位端846に形成された円錐形凹部850を示す。円錐形凹部850は、円錐形のロッキングボルト受け入れ部817の外表面を補完する形状の内表面によって画定される。
【0052】
ここで、目標位置への挿入のためにインプラント702を器具802に係止するプロセスについて、
図52〜60を参照して説明する。
図52は、器具802と連携したインプラント702を示す。
図52において、器具802は開いた構成にある。インプラント702を器具802に固定するには、最初につかみ具837を凹部796と係合する。アーム836a、836bの柔軟特性及びつかみ部材837a、837bの間の距離によって、つかみ部材837a、837bはスロット796a、796bと部分的に係合して、インプラント702を器具内に一時的に保持する。
図56〜60は、器具802を開いた構成からインプラント702がつかみ具837によって、器具802でしっかりと保持される係止された構成すなわち把持構成に移行するために、ロッキングボルト840がどのようにロッキングボルト受け入れ部817と係合するかを示す。ロッキングボルト840は、シャフト844をねじ山つき開口部814aに挿入し、ねじ山848がねじ山つき開口部814aと隣接するまでハンドル842を押すことによって、ロッキングチャネル812を通過して配置される。次に、ハンドル842を回転して、ねじ山848をねじ山つき開口部814aのねじ山と係合させる。ハンドル842を2〜3回回転した後、シャフト844の遠位端846は、ロッキングチャネル812の遠位端816及びロッキングボルト受け入れ部817に向かって前進する。
図56、57及び59は、ロッキングボルト受け入れ部817と係合する直前の遠位端846を示す。
図60に示すように、使用者はハンドル842がそれ以上回転できない点に達してインプラント702がしっかりと保持されていることが示されるまでハンドルを回転し続ける。この点で、内側円錐850がロッキングボルト受け入れ部817の外側円錐の上に係合し摺動して、部分817a、817bの平面状表面817c、817dの間の距離を短縮させる。部分817a及び817bは柔軟アーム836a及び836bの一部であるので、これは、スロット830を狭くする効果を有し、それによってつかみ部材837a、837bの間の距離を短縮する。その結果、つかみ部材837a、837bは、それらの対応するスロット796a、796b内にしっかりと係合され、インプラント702をしっかりと把持してインプラント702を目標位置に案内するための保持構成に移動される。前述の実施形態に関してより詳細に説明したように、インプラント702はそれが体内に挿入される前に挿入器具802に固定される。
【0053】
挿入器具802及びインプラント702は目標とする頚椎に隣接した目標位置に案内される。
図61〜62に示すように、当該技術分野において周知の千枚通し850は第1及び第2チャネル818、824のそれぞれを通過して、並びに第1及び第2開口部710、712のそれぞれを通過して、挿入され、骨皮質を破り、骨ねじ708、709のための骨孔を作製する。具体的には、当業者には理解されるように、千枚通し850はハンドル852を備える近位端からシャフト854に沿って、遠位端の鋭利部分856まで延在し、シャフト854の直径は、第1及び第2チャネル818、824の直径とほぼ一致し、鋭利部分856の直径は第1及び第2の骨ねじ708、709の寸法とほぼ一致する。
【0054】
図63〜64に示すように、ガイドスリーブ860が第1チャネル818に挿入されて、第1チャネル818と第2チャネル824が交差する区域の橋渡しをする。ガイドスリーブ860は、第1チャネル818を通過して挿入された骨ねじがねじ回しから第2チャネル824に落ちて、その逆も同じで、回収不能になるリスクを排除する。本発明の例示的な方法によると、ガイドスリーブ860は、第2の骨ねじ709をインプラント702の第2開口部712を通して挿入するのを案内するために第1チャネル818に挿入される。第2の骨ねじ709が挿入されたら、ガイドスリーブ860を取り外して第2チャネル824に挿入し、インプラント702の第1開口部710への第1の骨ねじ708の挿入を案内する。次に、当業者に周知の駆動機構(図示せず)を使用して、第1及び第2の骨ねじ708、709をインプラント702に挿入する。第1及び第2の骨ねじ708、709がそれらの対応する目標位置に挿入されたら、ロッキングボルト840のねじをロッキングチャネル812から回して外し近位に後退させる。ロッキングチャネル812はアーム836a、836bの柔軟特性によってその元の形状に戻り、それにより、スロット830が拡大し、インプラント702が緩く保持された開いた構成につかみ具が移行する。次いで、インプラント702を解放し、
図65及び66が示すように頚椎の所定の位置にインプラント702を残して、挿入器具802を本体から取り外す。
【0055】
図67及び68は、インプラント702’を有する本発明の更なる実施形態を示す。インプラント702’は、それに形成された孔780を除いてはインプラント702と実質的に同じである。
図69は、複数の孔780’が形成されていることを特徴とするインプラント702’’を有する本発明のもっと更なる実施形態を示す。
図69はインプラント702の摩擦強化要素792を含まないインプラント702’’を示すが、当業者には理解されるように、それらを提供することはもちろん可能である。前述の実施形態に関してより詳細に説明したように、孔780及び複数の孔780’は孔480、481と同じ目的及び機能を有する。
【0056】
図70及び71は、インプラント702’’’を有する本発明のまた別の実施形態を示す。インプラント702’’’は、インプラント702に関して説明した頭部セクション790と比較してその頭部790’’’が小さいことを除けばインプラント702、702’、702’’と実質的に同じである。より小さい頭部790’’’の結果として、インプラント702’’’のねじ孔が傾斜し、ねじ孔を貫通して挿入されたねじ708’’’、709’’’が椎間関節の対応する部分に入る。頭部790’’’に関しては、第1ねじ708’’’はα
4で傾斜し、頭部790’’’に対して第2ねじ709’’’はα
5で傾斜する。角度α
4は20度〜90度の範囲を有し、角度α
5は40度〜120度の範囲を有する。
【0057】
本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、本発明の構造及び手法に様々な修正及び変更を実施できることが当業者に明白であろう。従って、本発明は、本発明の修正物及び変更物が添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に含まれるならば、それらを包含するものとする。
【0058】
〔実施の態様〕
(1) 椎間関節内への挿入のための大きさ及び形状である本体を備えるインプラントであって、前記インプラントは、前記インプラントが所望の構成で椎間関節内に受け入れられたときに、第1の骨固定要素受け入れ開口部の中に挿入された骨固定要素が前記椎間関節を形成する前記椎骨の第1椎骨内に延在するように配向された第1軸に沿って、前記インプラントの一部を貫通して延びる前記第1の骨固定要素受け入れ開口部を有する、インプラント。
(2) 前記インプラントが前記椎間関節内に受け入れられたときに、第2の骨固定要素受け入れ開口部の中に挿入された骨固定要素が前記椎間関節を形成する前記椎骨の第2椎骨内に延在するように配向された第2軸に沿って、前記インプラントを貫通して延びる前記第2の骨固定要素受け入れ開口部を更に備える、実施態様1に記載のインプラント。
(3) 前記第1軸と前記第2軸とが互いに対して傾斜している、実施態様2に記載のインプラント。
(4) 前記第1軸と前記第2軸とが前記インプラントの長手方向軸に対して鋭角に延びる、実施態様3に記載のインプラント。
(5) 前記本体が第1平面状表面及び第2平面状表面によって画定され、所望の構成において椎間関節内に受け入れられたときに、締まりばめを形成するように成形された、実施態様1に記載のインプラント。
【0059】
(6) 前記本体が前記第1表面及び前記第2表面によって画定された楔形を有し、第1端から第2端まで先細になっている、実施態様5に記載のインプラント。
(7) 前記本体が、平面状でかつ互いに平行である前記第1表面及び前記第2表面の一部によって画定された形状を有する、実施態様5に記載のインプラント。
(8) 前記第2端が前記第1表面及び前記第2表面を接続する挿入面を有し、前記挿入面が鈍角の断面形状を有する、実施態様7に記載のインプラント。
(9) 椎間関節内の前記インプラントの挿入深さを制御するために前記本体上に配置された止め具を更に備える、実施態様1に記載のインプラント。
(10) 止め具が、椎間関節内の前記インプラントの挿入深さを制御するために前記第1端に隣接して前記本体上に配置される、実施態様7に記載のインプラント。
【0060】
(11) 前記インプラントが椎間関節に受け入れられたときに、椎間関節との締まりばめを形成するように前記本体上で前記本体に沿って延在する複数の突出部を更に備える、実施態様1に記載のインプラント。
(12) 前記突出部が、ギザギザの縁部及び鋸歯状縁部の1つを有する、実施態様11に記載のインプラント。
(13) 前記本体を貫通して、前記本体の長手方向軸に沿って延びるガイドワイヤ受け入れチャネルを更に備え、前記ガイドワイヤ受け入れチャネルの一部分が前記第1の骨固定要素受け入れ開口部と重なり、それにより、ガイドワイヤが前記ガイドワイヤ受け入れチャネルに受け入れられたときに、骨固定要素が前記第1の骨固定要素受け入れ開口部を通過することが防止される、実施態様1に記載のインプラント。
(14) 前記第1端が少なくとも1つの隣接表面を有し、前記隣接表面は、前記インプラントが挿入ツールに連結されたときに前記挿入ツールの表面と隣接して、前記第1の骨固定要素受け入れ開口部の前記挿入ツールの第1ガイド開口部との整列を示す、実施態様7に記載のインプラント。
(15) 前記本体の第1端が、挿入ツールと係合するように構成された第1突出部及び第2突出部を有し、前記第1突出部及び第2突出部が回転軸を画定し、前記回転軸の周囲で前記インプラントが前記挿入ツールに対して枢動することができる、実施態様1に記載のインプラント。
【0061】
(16) 前記第1及び第2の骨固定要素受け入れ開口部が前記本体を貫通して延び、前記第1の骨固定要素受け入れ開口部を通して挿入された骨固定要素が前記本体の第1表面から外に延び、前記第2の骨固定要素受け入れ開口部を通して挿入された骨固定要素が前記本体の第2表面から外に延びる、実施態様2に記載のインプラント。
(17) 前記第1及び第2の骨固定要素受け入れ開口部が頭部を貫通して延びるように、前記本体の第1端に取り付けられた前記頭部を更に備える、実施態様2に記載のインプラント。
(18) 複数の孔の中で骨の内部成長を促進するために、前記本体を貫通して延びる前記複数の孔を更に備える、実施態様1に記載のインプラント。
(19) 前記本体を貫通して延びる孔を更に備え、前記孔が、骨の成長を促進するために骨グラフト材で充填される大きさ及び形状である、実施態様1に記載のインプラント。
(20) システムであって、
椎間関節内への挿入のための大きさ及び形状である本体を有するインプラントであって、前記インプラントが、所望の構成で椎間関節内に受け入れられたときに、第1の骨固定要素受け入れ開口部内に挿入された骨固定要素が前記椎間関節を形成する前記椎骨の第1椎骨内に延在するように配向された第1軸に沿って前記インプラントの一部を貫通して延びる、前記第1の骨固定要素受け入れ開口部を有する、インプラントと、
近位端から前記インプラントの第1端に移動可能に連結されるように構成された遠位端まで、長手方向軸に沿って延在するガイド部材であって、前記ガイド部材が、前記近位端から前記遠位端まで前記ガイド部材を通して長手方向に延在する第1ガイドチャネルを更に有し、前記ガイド部材が前記インプラントに対して第1位置に移動されたときに、前記第1ガイドチャネルが前記第1の骨固定要素受け入れ開口部の前記第1軸とほぼ同軸である、ガイド部材と、を備える、システム。
【0062】
(21) 前記インプラントは、前記インプラントが前記椎間関節内に受け入れられたときに、第2の骨固定要素受け入れ開口部内に挿入された骨固定要素が前記椎間関節を形成する前記椎骨の第2椎骨内に延在するように配向された第2軸に沿って前記インプラントを貫通して延びる前記第2の骨固定要素受け入れ開口部を有する、実施態様20に記載のシステム。
(22) 前記ガイド部材が前記近位端から前記遠位端まで前記ガイド部材を貫通して長手方向に延びる第2ガイドチャネルを有し、前記ガイド部材が前記インプラントに対して第2位置に移動されたときに、前記第2ガイドチャネルが前記第2の骨固定要素受け入れ開口部の前記第2軸とほぼ同軸である、実施態様21に記載のシステム。
(23) 前記ガイド部材がその遠位端から遠位方向に延在する第1及び第2つかみ部材を有し、それらの間に前記インプラントの前記第1端の一部分を枢動可能に受け入れる、実施態様20に記載のシステム。
(24) 前記ガイド部材がその一部分に沿って延在するスロットを有し、前記第1及び第2つかみ部材が、変形されていない最初の構成と、前記第1及び第2つかみ部材が互いから離れる方向に移動して前記インプラントの前記第1端をそれらの間に受け入れるための受け入れ構成との間で移動可能であり、前記第1及び第2つかみ部材がそれらの間に前記第1端を保持する前記変形されていない構成に戻る、実施態様23に記載のシステム。
(25) 前記ガイド部材が、前記変形されていない構成にある前記第1及び第2つかみ部材を係止するために前記スロットと係合するロッキング要素を有する、実施態様24に記載のシステム。
【0063】
(26) 前記インプラントが、前記本体を貫通してその長手方向軸に沿って延びるガイドワイヤ受け入れチャネルを有する、実施態様20に記載のシステム。
(27) 前記ガイド部材が、前記近位端から前記遠位端まで前記ガイド部材を貫通して長手方向に延びる中央チャネルを有し、前記ガイド部材が前記インプラントに対して第3位置に移動されたときに、前記中央チャネルが前記インプラントの前記ガイドワイヤ受け入れチャネルとほぼ同軸である、実施態様26に記載のシステム。
(28) 前記ガイド部材の前記近位端に解放可能に取り付け可能な押し込み部材を更に備え、前記押し込み部材が前記インプラントを前記椎間関節に打ち込むための押し込み表面を有する、実施態様20に記載のシステム。
(29) 方法であって、
ガイドワイヤを患者の椎間関節に挿入することと、
挿入ツールとインプラントとを連結することであって、前記ツールが近位端から遠位端まで長手方向軸に沿って延びるガイド部材を有し、前記遠位端が前記インプラントの第1端に移動可能に連結される、連結することと、
前記インプラントが前記椎間関節内に受け入れられるまで、前記インプラントのガイド受け入れ開口部が前記挿入ツールのガイド受け入れチャネルとほぼ同軸である挿入構成において、前記連結された挿入ツールと前記インプラントとを前記ガイドワイヤに沿って摺動することと、
前記ツールの第1ガイドチャネルが前記インプラントの第1の骨固定要素受け入れ開口部と整列するように回転軸の周囲で前記インプラントに対して前記ツールを第1位置に動かすことと、
第1の骨固定要素のシャフトが前記椎間関節を形成する前記椎骨の第1椎骨の中に延びるように前記第1の骨固定要素を前記第1ガイドチャネルを介して前記第1の骨固定要素受け入れ開口部の中に挿入することと、を含む、方法。
(30) 前記ツールの第2ガイドチャネルが前記インプラントの第2の骨固定要素受け入れ開口部と整列するように前記回転軸の周囲で前記インプラントに対して前記ツールを第2位置に動かすことと、
第2の骨固定要素のシャフトが前記椎間関節を形成する前記椎骨の第2椎骨の中に延びるように前記第2ガイドチャネルを介して前記第2の骨固定要素を前記第2の骨固定要素受け入れ開口部の中に挿入することと、を更に含む、実施態様29に記載の方法。
【0064】
(31) 前記ガイド部材の前記近位端に取り付けられた押し込み部材を介して前記インプラントを前記椎間関節内に押し込むことを更に備える、実施態様29に記載の方法。
(32) システムであって、
椎間関節内への挿入のための大きさ及び形状である本体を有するインプラントであって、前記インプラントが所望の構成で椎間関節内に受け入れられたときに、第1の骨固定要素受け入れ開口部内に挿入された骨固定要素が前記椎間関節を形成する前記椎骨の第1椎骨内に延在するように配向された第1軸に沿って前記インプラントの一部を貫通して延びる前記第1の骨固定要素受け入れ開口部を有する、インプラントと、
インプラント受け入れ構成と閉じた構成との間で互いに対して移動可能なハウジング及びシャフトを有するインプラントホルダーであって、前記ハウジングは、前記ハウジングを通して長手方向軸に延在する中央チャネル、及び前記ハウジングを通して前記長手方向軸に対して傾斜して延在するガイドチャネルを有し、前記インプラントホルダーが前記インプラントに連結されたとき、前記ガイドチャネルが前記第1の骨固定要素受け入れ開口部の前記第1軸と整列し、前記シャフトは、前記中央チャネル内に受け入れられる大きさ及び形状であり、前記インプラント受け入れ構成において付勢された前記シャフトの遠位端におけるつかみ部材を有し、前記ハウジングが前記つかみ部材の上で遠位方向に移動されたときに、前記インプラントホルダーが前記閉じた構成に移動され、前記つかみ部材の間に前記インプラントを把持する、インプラントホルダーと、を備える、システム。
(33) 前記インプラントは、前記インプラントが前記椎間関節内に受け入れられたときに、第2の骨固定要素受け入れ開口部に挿入された骨固定要素が、前記椎間関節を形成する前記椎骨の第2椎骨内に延在するように配向された第2軸に沿って、前記インプラントを貫通して延びる前記第2の骨固定要素受け入れ開口部を有する、実施態様32に記載のシステム。
(34) 前記インプラントホルダーの前記ハウジングは、前記ガイドチャネルが前記第1の骨固定要素受け入れ開口部の前記第1軸と整列する第1孔構成と、前記ガイドチャネルが前記第2の骨固定要素受け入れ開口部の前記第2軸と整列する第2孔構成との間で前記インプラントホルダーを移動するように、前記シャフトに対して回転可能である、実施態様33に記載のシステム。
(35) 前記インプラントが前記本体の近位端に取り付けられた頭部を更に有し、前記頭部が前記つかみ部材の遠位端から半径方向内向きに延びる一対の対応する形状の突出部によって係合される大きさ及び形状である一対の凹部を、前記頭部の外周に沿って有する、実施態様32に記載のシステム。
【0065】
(36) 前記インプラントホルダーが前記インプラント受け入れ構成及び閉じた構成の一方において前記インプラントホルダーを解放可能に係止するロッキング機構を有し、前記ロッキング機構が、前記インプラントホルダーの前記シャフトを通して延在する複数のロッキング孔の1つと係合するロッキングタブを有し、前記シャフトに対して前記ハウジングを係止する、実施態様32に記載のシステム。
(37) 近位端から、関節ファインダー先端部に取り付けられた遠位端まで長手方向に延在するシャフトを有する、椎間関節ファインダーツールを更に備え、前記関節ファインダー先端部が、その遠位端まで互いにに向かって先細である第1及び第2平面状表面を有し、前記関節ファインダー先端部が椎間関節に挿入される大きさ及び形状である、実施態様32に記載のシステム。
(38) 近位端から、軟骨除去先端部に取り付けられた遠位端まで長手方向に延在するシャフトを有するキュレットを更に備え、前記軟骨除去先端部が、前記椎間関節に挿入されるインプラントに対応する大きさ及び形状である、実施態様32に記載のシステム。
(39) 方法であって、
患者の椎間関節にガイドワイヤを挿入することであって、前記インプラントが第1軸に沿ってその一部分を貫通して延びる第1の骨固定要素受け入れ開口部を有する本体を有する、挿入することと、
前記インプラントのハウジングのガイドチャネルが前記第1の骨固定要素受け入れ開口部の第1軸と整列するようにインプラントホルダーとインプラントとを連結することと、
前記連結されたインプラントホルダーと前記インプラントを、前記インプラントが前記椎間関節内に受け入れられるまで前記ガイドワイヤに沿って摺動させることと、
第1の骨固定要素のシャフトが前記椎間関節を形成する前記椎骨の第1椎骨の中に延在するように前記第1の骨固定要素を前記ガイドチャネルを介して前記第1の骨固定要素受け入れ開口部内に挿入することと、を含む、方法。
(40) 前記ガイドワイヤが関節ファインダーツールを介して前記椎間関節内に挿入され、前記関節ファインダーツールが、近位端から、前記椎間関節内に挿入される大きさ及び形状である関節ファインダー先端部に取り付けられた遠位端まで長手方向に延在するシャフトと、内部に前記ガイドワイヤを摺動可能に受容するために前記関節ファインダーツールを貫通して延びるルーメンと、を有する、実施態様39に記載の方法。
【0066】
(41) 前記ガイドワイヤが、前記インプラントの大きさ及び位置づけを示すX線マーカーを有する照準ガイドを介して前記椎間関節内に挿入される、実施態様39に記載の方法。
(42) 前記ガイドチャネルが前記インプラントを通して延在する第2の骨固定要素受け入れ開口部の第2軸と整列するように、前記インプラントホルダーの前記シャフトに対して前記ハウジングを回転することと、
第2の骨固定要素のシャフトが前記椎間関節を形成する前記椎骨の第2椎骨の中に延びるように前記第2の骨固定要素を前記ガイドチャネルを介して前記第2の骨固定要素受け入れ開口部内に挿入することと、を更に含む、実施態様39に記載の方法。
(43) システムであって、
椎間関節への挿入のための大きさ及び形状である本体を有するインプラントであって、前記インプラントが所望の構成において椎間関節に受け入れられたときに、第1の骨固定要素受け入れ開口部に挿入された骨固定要素が前記椎間関節を形成する前記椎骨の第1椎骨の中に延在するように配向された第1軸に沿って、前記インプラントの一部分を貫通して延びる前記第1の骨固定要素受け入れ開口部と、前記インプラントが前記椎間関節内に受け入れられたときに、第2の骨固定要素受け入れ開口部内に挿入された骨固定要素が前記椎間関節を形成する前記椎骨の第2椎骨の中に延在するように配向された第2軸に沿って、前記インプラントを貫通して延びる前記第2の骨固定要素受け入れ開口部と、を有する、前記インプラントと、
近位端から、前記インプラントの第1端に解放可能に連結されるように構成された遠位端まで長手方向軸に沿って延在するガイド部材であって、
前記ガイド部材が前記インプラントに対して第1位置に移動されたときに、第1ガイドチャネルが前記第1の骨固定要素受け入れ開口部の前記第1軸とほぼ同軸になるように、前記ガイド部材を貫通して前記近位端から前記遠位端まで長手方向に延びる、前記第1ガイドチャネルと、
前記ガイド部材が前記インプラントに対して第1位置に移動されたときに、第2ガイドチャネルが前記第2の骨固定要素受け入れ開口部の前記第2軸とほぼ同軸になるように、前記ガイド部材を貫通して前記近位端から前記遠位端まで長手方向に延びる、前記第2ガイドチャネルと、を更に有し、前記第1ガイドチャネルが前記第2ガイドチャネルと交差する、前記ガイド部材と、を含む、システム。
(44) 前記ガイド部材の前記遠位端が、前記インプラントを解放可能に把持するように構成された機構を備える、実施態様43に記載のシステム。
(45) 前記機構が第1及び第2把持アームを有する、実施態様44に記載のシステム。
【0067】
(46) 前記ガイド部材が、その外壁を通して形成された長手方向スロットを備え、前記スロットが拡張構成に付勢されて、前記第1及び第2把持アームが前記インプラントの幅より大きい距離だけ互いから分離される、実施態様44に記載のシステム。
(47) 前記第1チャネルが、前記第1及び第2チャネルのそれぞれの遠位端に近接する交差場所で前記第2チャネルと交差する、実施態様46に記載のシステム。
(48) 前記ガイド部材が、近位端から、前記交差点において前記第1及び第2チャネルの外壁に向かって開かれている遠位端まで延在するロッキングチャネルを更に備える、実施態様47に記載のシステム。
(49) 前記ロッキングチャネルの中にねじ方式で挿入されるように構成されたロッキングボルトを更に備え、前記ロッキングボルトが、前記スロットを、前記付勢された拡張構成から、前記第1及び第2把持アームが半径方向内向きに移動されて前記インプラントを係止して把持する圧縮構成に移動するように構成される、実施態様48に記載のシステム。
(50) 前記インプラントが、前記本体の近位端に取り付けられた頭部を更に有し、前記頭部が前記第1及び第2把持アームによって係合される大きさ及び形状である一対の凹部を、前記頭部の外周に沿って有する、実施態様49に記載のシステム。
【0068】
(51) 前記本体が前記頭部に対して第1の所定の角度で傾斜している、実施態様49に記載のシステム。
(52) 前記第1及び第2軸が互いに対して傾斜している、実施態様51に記載のシステム。
(53) 前記第1軸が前記本体と平行である、実施態様51に記載のシステム。
(54) 前記インプラントが頚椎内への挿入のために構成される、実施態様51に記載のシステム。