(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6158244
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】遠投スコップ
(51)【国際特許分類】
E01H 5/02 20060101AFI20170626BHJP
E02F 3/02 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
E01H5/02
E02F3/02 E
E02F3/02 C
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-66021(P2015-66021)
(22)【出願日】2015年3月27日
(65)【公開番号】特開2016-186155(P2016-186155A)
(43)【公開日】2016年10月27日
【審査請求日】2015年12月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】712002859
【氏名又は名称】進藤 博生
(74)【代理人】
【識別番号】100110537
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 繁
(72)【発明者】
【氏名】進藤 博生
【審査官】
亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3175838(JP,U)
【文献】
実開昭56−176250(JP,U)
【文献】
特開2002−233201(JP,A)
【文献】
特開2005−076397(JP,A)
【文献】
実開昭60−190585(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/02
A01B 1/02
E01H 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スコップ器具と握り柄から成る遠投スコップであり、前記スコップ器具は雪や砂利などを取り込むプラスチックやアルミニウム等で成型された伸縮接続部と差込口を持ち、スコップ先端部が90度から150度に湾曲し、前記握り柄はやや柔軟性のあるプラスチック又はアルミニウム等の軽量素材で成型された円筒棒状形で先端部に握り柄伸縮接続部を持ち、後端部に滑り止め加工を施して30度から45度の角度にスコップ器具側に曲げた握り柄後端部を設け、前記握り柄と前記スコップ器具の底面部との接続角度を75度から105度で接続したことを特徴とする遠投スコップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は雪及び砂利などの粒状対象物を、遠心力・慣性・反発力を利用し体力的負担が少なく手軽で安全に遠投作業のできる
遠投スコップに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅周りの雪かきや砂利・砂などの移動作業では、従来のスコップなどはあまり遠投あるいは高所への雪投げができなかった為運搬作業が必要であった、また添える方の腕や腰への体力的負担が大きく長時間の遠投作業ができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3175838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の除雪用スコップ・砂利用スコップでの作業では押して・持ち上げ・投げあるいは運び・捨てる作業の繰り返しであるが、添える腕や腰への体力的負担が大であり、長時間の遠投作業ができなかったため運搬車その他の手段が必要であった。その為楽に遠投作業ができ除雪時には次回の雪捨て場を広く確保でき、砂利などの遠投時の体力負担が少なく効率的、かつ誰でも手軽に安全に遠投作業ができることを可能にする器具が必要であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本
発明はやや柔軟性のある円筒棒状形プラスチック・アルミニウム等でできたパイプの握り柄部に滑り止め加工を施し、その先端部に雪や砂利などを取り込むスコップ状の器具
を握り柄との接続角度を75度から105度で接続した器具を発明した。
さらに本器具初動時により効率的に力が入るように、
握り柄後端部に角度30度から45度を付け、ユーザーの身長に合わせる為の簡単な長さ調節機構を持つ握り柄
伸縮接続部
を設け、
スコップ先端部
を角度90度から150度
に湾曲させたスコップ
器具を、前記握り柄との接続角度を75度から105度に接続した形状を特徴とする器具とした。
【発明の効果】
【0006】
本発明の構成により積雪時の雪または砂利など集積が容易に出来、連続作業により雪や砂利や砂の遠投作業が体力負担の少ない効率的かつ安全、簡単にできるものである。またスコップ先端部に角度を付けることにより左右どちらの作業時にも目的の材料をより小さな力で綺麗にすくい取ることができ、握り柄後端部に角度30度から45度を付けたことにより腕への負担が少なく遠投作業ができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の遠投スコップの一実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図1の斜視図及び図3の分解側面図に示すように、本発明の遠投スコップは、スコップ器具7と握り柄8から成る。
前記スコップ器具7は、雪や砂利などを取り込むプラスチックやアルミニウム等で成型されたスコップ先端部1が図1に示すように90度から150度に湾曲させられ、スコップ後端部(番号なし)には握り柄8が差し込まれる差込口9と図2の平面図に示す止めピン5が差し込まれる伸縮接続部6を形成する。
【0009】
前記握り柄8は、やや柔軟性のあるプラスチック又はアルミニウム等の軽量素材で成型された円筒棒状形で先端部に前記止めピン5が差し込まれる複数個の握り柄伸縮接続部2を持ち、一方後端部には滑り止め加工を施して30度から45度の角度にスコップ器具7側に曲げた握り柄後端部3を設け、前記スコップ器具7の底面部と前記握り柄8との接続角度を75度から105度で接続する。
【0010】
本発明
の遠投スコップは、遠投対象物に合わせたアルミニウムまたはプラスチック等で成型されたスコップ
先端部1に角度90度から150度を付けたスコップ
器具7と約1.5メートル前後、直径30ミリ前後のやや弾性のあるアルミニウム・プラスチック等
の軽量素材で成型された円筒状パイプ
の握り柄
後端部3に角度30度から45度を付け滑り止め処理を施し、先端
部に簡単な伸縮機構を持たせた握り柄8を
スコップ器具7の底面部との接続角度を75度から105度に装着し、
握り柄伸縮接続部2と伸縮接続部6とを固定用
止めピン
5で一体としたものである。
【0011】
次に、本発明の遠投スコップの操作動作を添付図面に基づいて、以下に説明する。
簡単な伸縮機構、
すなわち握り柄8の握り柄接続部2をスコップ器具7の差込口9に差し込むことによりユーザーの使いやすい長さに設定し、
握り柄伸縮接続部2と伸縮接続部6とを固定用止めピン5で一体とする。
次に、角度を付けた握り柄
後端部3を
右手で、握り柄中央部
4を
左手で、
掌側が内向きに箒を持つように両手で持ち、
身体を横切る左右方向に遠投する粒状物をスコップ先端部1から
垂直に突き刺し持ち上げるようにすくい取
り、そして、すくい取り動作を続けながら握り柄中央
部4を
斜め上方に持ち上げると同時に握り柄後端部3を持った腕が伸びきるまで
下方に加速すると
、握り柄中央部4を中心にして握り柄8が回転して接線方向に遠心力・慣性力・反発力により遠投できる。
なお、利き腕が逆の場合には、握り柄後端部3を左手で、握り柄中央部4を右手で握り同様の動作を行うことで利用できる。
スコップ
器具7で雪などをすくい取り、握り柄
8を
斜め上方に持ち上げながら
握り柄中央部4を中心に急速回転させることにより遠心力及び慣性力・反発力の利用により遠投する。
本器具は、手軽で安全かつ体力的負担が非常に少なく広範囲の作業に使用可能
と考えられる。
【符号の説明】
【0012】
1 スコップ先端部
2 握り柄伸縮接続部A
3 握り柄後端部
4 握り柄中央部
5 止めピン
6 伸縮接続部B
7 スコップ器具
8 握り柄
9 差込口