特許第6158303号(P6158303)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6158303
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】神経検出機能を有する外科用器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20170626BHJP
   A61B 17/29 20060101ALI20170626BHJP
   A61B 17/32 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
   A61B18/12
   A61B17/29
   A61B17/32 510
【請求項の数】19
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-505791(P2015-505791)
(86)(22)【出願日】2013年4月3日
(65)【公表番号】特表2015-513988(P2015-513988A)
(43)【公表日】2015年5月18日
(86)【国際出願番号】US2013035060
(87)【国際公開番号】WO2013154876
(87)【国際公開日】20131017
【審査請求日】2016年2月19日
(31)【優先権主張番号】13/442,020
(32)【優先日】2012年4月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】マルコット・エイミー・エル
(72)【発明者】
【氏名】ディエツ・ティモシー・ジー
(72)【発明者】
【氏名】コルビック・ドナ・エル
(72)【発明者】
【氏名】マダン・アシュバニ・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ダナハー・ウィリアム・ディー
【審査官】 槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/136962(WO,A1)
【文献】 特表2011−517596(JP,A)
【文献】 特開2003−126112(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/147971(WO,A1)
【文献】 特表2008−503255(JP,A)
【文献】 特開2010−088898(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/008672(WO,A2)
【文献】 特開平07−194608(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/015586(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/074831(WO,A2)
【文献】 特開昭63−019134(JP,A)
【文献】 特開2008−000611(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0015660(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/04−18/16
A61B 17/29−17/295
A61B 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)器具本体と、
(b)前記器具本体から遠位方向に延在するシャフトアセンブリと、
前記シャフトアセンブリの遠位端に配置されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、手術部位にて外科手術を実行するように作動可能であり、前記エンドエフェクタは、神経興奮エネルギーを前記手術部位にて組織に送給するように更に作動可能である、エンドエフェクタと、
)前記エンドエフェクタと通信する制御モジュールであって、前記制御モジュールは、外科手術用エネルギーを前記手術部位に送給するために前記エンドエフェクタを駆動するように作動可能であり、前記制御モジュールは、神経興奮エネルギーを前記手術部位に送給するために前記エンドエフェクタを駆動するように更に作動可能である、制御モジュールと、
(e)前記シャフトアセンブリの遠位端に配置された視覚インジケータであって、前記神経興奮エネルギーに対する生体応答を示すため、ユーザに視覚的に警告するように作動し得る視覚インジケータと、を備えた、装置。
【請求項2】
前記制御モジュールと通信するセンサーを更に備え、前記センサーは、前記神経興奮エネルギーにより引き起こされた興奮に基づいて神経組織の興奮を検出するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記センサーは、前記エンドエフェクタの遠位端上に位置決めされる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記センサーは、インピーダンスセンサーを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記センサーは、複数の電流検知電極を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記エンドエフェクタは、ブレードと、クランプアームとを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記センサーは、前記クランプアーム上に位置決めされる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ブレードは、神経組織を興奮させるように作動可能なエネルギーを送給するように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記視覚インジケータは、前記センサーと通信する、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記視覚インジケータは、神経組織が前記センサーの近くにある場合にユーザに警告する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
更に、音声インジケータを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
電力を超音波振動エネルギーに変換するように構成された変換器を更に備え、前記外科手術用エネルギーは、前記超音波振動エネルギーを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記制御モジュールは、前記超音波振動エネルギーを創出するために電力のパルスで前記変換器を駆動するように作動可能である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記制御モジュールは、前記超音波振動エネルギーを創出するために使用される電力の前記パルス間で前記神経興奮エネルギーを送給するように更に作動可能である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記神経興奮エネルギーは、脈動電流を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
(a)器具本体と、
(b)前記器具本体から遠位方向に延在するシャフトアセンブリと、
前記シャフトアセンブリの遠位端に配置されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、超音波エネルギーを手術部位にて組織に送給するように作動可能な超音波ブレードを含む、エンドエフェクタと、
)前記エンドエフェクタと通信する制御モジュールであって、前記制御モジュールは、超音波エネルギーを手術部位にて組織に送給するために選択的に前記超音波ブレードを起動させるように作動可能であり、前記制御モジュールは、神経興奮エネルギーを前記エンドエフェクタを介して前記手術部位にて組織に送給するために前記エンドエフェクタを起動させるように更に作動可能である制御モジュールと、
(e)前記シャフトアセンブリの遠位端に配置された視覚インジケータであって、前記神経興奮エネルギーに対する生体応答を示すため、ユーザに視覚的に警告するように作動し得る視覚インジケータと、を備えた、装置。
【請求項17】
前記エンドエフェクタは、前記超音波ブレードの方に、かつ、前記超音波ブレードから離れて選択的に枢動するように動作可能なクランプアームを更に含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記制御モジュールは、前記クランプアームを介して前記手術部位にて組織に神経興奮エネルギーを送給するように動作可能である、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記神経興奮エネルギーは、AC電流を含む、請求項16に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一部の状況では、内視鏡外科用器具は、より小さい切開が、手術後の回復時間及び合併症を低減し得るために、従来の開腹外科装置よりも好ましい場合がある。したがって、いくつかの内視鏡外科用器具は、トロカールのカニューレを介して所望の手術部位に遠位エンドエフェクタを配置するのに適していることがある。これらの遠位エンドエフェクタは、多くの方法で組織に係合して診断又は治療効果を達成し得る(例えば、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラー、クリップ適用器具、アクセス装置、薬物/遺伝子治療送達装置、及び超音波、RF、レーザーなどを使用するエネルギー送達装置)。内視鏡外科用器具は、エンドエフェクタとハンドル部分との間に、臨床医によって操作されるシャフトを有することがある。そのようなシャフトは、所望の深さへの挿入とシャフトの縦軸のまわりの回転を可能にし、それにより患者内のエンドエフェクタの位置決めが容易になる。
【0002】
内視鏡外科用器具の例としては、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年4月13日公開の、米国特許公開第2006/0079874号、表題「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年8月16日公開の、同第2007/0191713号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月6日公開の、同第2007/0282333号、表題「Ultrasonic Waveguide and Blade」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年8月21日公開の、同第2008/0200940号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年1月20日公開の、同第2011/0015660号、表題「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年12月31日発行の、米国特許第6,500,176号、表題「Electrosurgical Systems and Techniques for Sealing Tissue」、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年4月14日公開の、米国特許公開第2011/0087218号、表題「Surgical Instrument Comprising First and Second Drive Systems Actuatable by a Common Trigger Mechanism」で開示されるものが挙げられる。更には、そのような外科用ツールは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年6月4日公開の、米国特許公開第2009/0143797号、表題「Cordless Hand−held Ultrasonic Cautery Cutting Device」で開示されるものなどの、コードレストランスデューサを含み得る。更に、手術器具は、2004年8月31日発行の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題する米国特許第6,783,524号に開示されたようなロボット支援手術環境で使用されるか又は使用するように適応されてもよく、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
種々の外科器具が作製及び使用されているが、本発明者(ら)に先だって本明細書において説明されるような発明を作製又は使用した者はいないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書の末尾に発明を具体的に示し、明確にその権利を請求する特許請求の範囲が付属しているが、本発明は下記の特定の実施形態の説明を添付図面と併せ読むことでより深い理解が得られるものと考えられる。図中、同様の参照符合は同様の要素を示す。
図1】例示的な外科用器具のブロック図を示す。
図2】例示的な超音波外科用器具の斜視図を示す。
図3】センサーを有する例示的な外科用器具のブロック図を示す。
図4図3のブロック図による、センサーを有する例示的な外科用器具のエンドエフェクタの側面図を示す。
図5A】組織に接近する図4のエンドエフェクタの側面図を示す。
図5B】組織上でクランプされ、かつ、神経組織を興奮させる図4のエンドエフェクタの側面図を示す。
図6図4のエンドエフェクタを有する外科用器具を使用する例示的な方法のフローチャート図を示す。
【0005】
各図面は、いかなる意味においても限定的なものではなく、図に必ずしも示されていないものを含め、本発明の異なる実施形態を様々な他の方法で実施し得ることも考えられる。本明細書に組み込まれその一部をなす添付の図面は、本発明の幾つかの態様を示すものであり、説明文とともに本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明は図に示される正確な構成に限定されない点が理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために用いられるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点が以下の説明から当業者には明らかとなろう。以下の説明は、実例として、本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである。明らかになるように、本発明は、本発明から逸脱することなく、他の様々な明白な態様が可能である。例えば、様々な。したがって、図面及び説明文は、例示的な性質のものであって限定的なものと見なすべきではない。
【0007】
更に、本明細書で述べる教示、表現、実施形態、例などのいずれの1つ又は複数も、本明細書で述べる他の教示、表現、実施形態、例などのいずれの1つ又は複数とも組み合わせることができることを理解されたい。したがって、下記に述べる教示、表現、実施形態、例などは、互いに独立であると考えられるべきでない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法は、本明細書の教示を考慮すれば当業者に容易に明らかになるであろう。こうした修正及び変形は特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0008】
I.例示的な外科用器具の概要
図1は、概略的なブロック形態における、代表的な医療用装置及び/又は外科用器具(10)の構成要素を示す。図示されるように、医療用装置(10)は、制御モジュール(12)、電源(14)、エンドエフェクタ(16)を備える。単に例示的な電源(14)には、NiMH電池、Liイオン電池(例えば、プリズムセル式リチウムイオン電池、等)、Ni−カドミ電池、又は本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかであると思われる任意の他のタイプの電源を含んでもよい。制御モジュール(12)は、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、メモリ、プリント回路基板(PCB)、記憶装置(例えば、ソリッドステートドライブ若しくはハードディスク)、ファームウェア、ソフトウェア、又は本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかであると思われる他の好適な任意の他の好適な制御モジュール部品を含んでもよい。制御モジュール(12)及び電源(14)は、回路基板等において、ケーブル及び/又はトレース等の電気的接続(22)によって連結されて、電力を電源(14)から制御モジュール(12)へ運搬する。代替的に、電源(14)は、制御モジュール(12)に選択的に連結されてもよい。このことによって、電源(14)を医療用装置(10)から切り離し、かつ取り外すことが可能となり、そのことによって、再滅菌及び再使用を行うため電源(14)を容易に再充電又は再利用することが更に可能となる。加えて又は代替的に、制御モジュール(12)は、アフターサービス、試験、交換、又は本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる他のあらゆる目的のために取り外されることが可能である。制御モジュール(12)は、以下で更に論じるように、電源(14)を使用して振動エネルギーを提供するように作動可能とすることもできる。
【0009】
エンドエフェクタ(16)は、もう1つの電気的接続(22)によって、制御モジュール(12)に連結される。エンドエフェクタ(16)は、医療用装置(10)の望ましい機能を果たすように構成される。単純に例として、そのような機能には、組織を焼灼すること、組織を切除すること、組織を切断すること、超音波によって振動させること、組織をステープルで閉じること、又は医療用装置(10)のための望ましい他のあらゆる仕事が包含される。したがって、エンドエフェクタ(16)は、能動的機構、例えば、超音波ブレード、一対の掴み具、鋭いナイフ、ステープル駆動アセンブリ、単極無線周波電極、一対の双極性無線周波電極、加熱素子、及び/又は他の様々な構成要素を包含することができる。エンドエフェクタ(16)は更に、整備、試験、交換、又は本明細書における教示を考慮すれば当業者に明らかであると思われる他のあらゆる目的のために、医療用装置(10)から取り外すことができる。幾つかの変形物において、エンドエフェクタ(16)は、医療用装置(10)を、様々な種類のエンドエフェクタ(例えば、米国仮出願シリアル番号第61/410,603号等に教示されるようなもの)と一緒に用いることができるようなモジュール式である。エンドエフェクタ(16)の様々な他の構成は、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかであると思われるような医療用装置(10)の目的に応じて様々な異なる機能を得るために提供され得る。同様に、電源(14)から電力を受け取ることのできる、医療用装置(10)の他のタイプの構成要素は、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかであると思われる。
【0010】
本実施例の医療用装置(10)は、トリガー(18)及びセンサー(20)を含むが、そのような構成要素は任意的であるに過ぎないものと解釈されるべきである。トリガー(18)は、電気的接続(22)によって、制御モジュール(12)及び電源(14)に連結される。トリガー(18)は、処置が実施されるとき、医療用装置(10)を起動させるため、電源(14)からの電力をエンドエフェクタ(16)へ(かつ/又は、医療用装置(10)のある種の他の構成要素へ)選択的に提供するように構成することができる。センサー(20)は、また、電気的接続(22)によって、制御モジュール(12)に連結され、処置の間、様々な情報を制御モジュール(12)に提供するように構成することができる。単純に例として、このような構成は、エンドエフェクタ(16)において温度を感知すること、又はエンドエフェクタ(16)の振動速度を決定することを含み得る。センサー(20)からのデータは、制御モジュール(12)によって処理されて、電力をエンドエフェクタ(16)へ(例えば、フィードバックループで)搬送することができる。本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかであると思われる、医療用装置(10)の目的によって、センサー(20)の他の様々な構成を提供することができる。当然ながら、本明細書に記載の他の構成要素と同様、医療用装置(10)は、1つ以上のセンサー(20)を備えることができるか、又はセンサー(20)は、所望により単に除外することができる。センサー(20)及びその変更形態に関する詳細を以下で論じる。
【0011】
II.例示的な超音波外科用器具
図2は、先述した器具(10)の例示的な超音波変形物(50)を含む外科システム(11)を示す。器具(50)の超音波構成要素が非作動状態のときは、組織は、組織を切断することなく、所望通りに容易に把持及び操作できる。超音波構成要素が作動しているときは、器具(50)は、超音波エネルギーと連結するためのエンドエフェクタ(80)により組織を把持させ、上昇された圧力の印加が効率的に組織を切断及び凝固して、組織凝固を行うことを可能にする。所望により、超音波ブレード(82)の好適な操作によって、エンドエフェクタ(80)のクランプ機構を使用せずに超音波エネルギーを組織に印加することができる。
【0012】
あくまで一例として、外科システム(11)は、以下のいずれかからの任意の好適な教示又は教示の組み合わせに従って構築することができ、及び/又は、動作可能であり得る。第7,738,971号(その開示内容は参照によって本明細書に組み入れられる)、発明の名称「Post−Sterilization Programming of Surgical Instruments」、2010年6月15日発行の米国特許、第2006/0079874号(その開示内容は参照によって、本明細書に組み入れられる)、発明の名称「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」、2007年8月16日公開の米国特許出願公開第2007/0191713号(その開示内容は参照によって、本明細書に組み入れられる)、発明の名称「Ultrasonic Waveguide and Blade」、2007年12月6日公開の米国特許出願公開第2007/0282333号(その明細書の開示内容は、参照により本明細書に組み入れられる)、発明の名称「Ultrasonic Waveguide and Blade」、2007年12月6日公開の米国特許出願公開第2008/0200940号(その明細書の開示内容は、参照により本明細書に組み入れられる)、発明の名称「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」、2008年8月21日公開の米国特許出願公開第2009/0143797号(その明細書の開示内容は、参照により本明細書に組み入れられる)、発明の名称「Cordless Hand−held Ultrasonic Cautery Cutting Device」、2009年6月4日公開の米国特許出願公開その開示が、本明細書において、参照することにより組み込まれる、2009年8月20日公開の米国公開第2009/0209990号、発明の名称「Motorized Surgical Cutting and Fastening Instrument Having Handle Based Power Source」;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年3月18日公開の「Ultrasonic Device for Fingertip Control」と題する米国特許出願公開第2010/0069940号、及び2011年1月20日に公開され「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」と題する米国特許公報第2011/0015660号の図1に示され、この特許の開示は参照により本明細書に組み込まれる。同様に、医療装置が可搬電源を含むように適応されることがある様々な方法は、2010年11月5日に出願された「Energy−Based Surgical Instruments」と題する米国仮特許出願第61/410,603号で開示されており、この出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【0013】
例示的な超音波外科用システム(11)は、超音波外科用器具(50)、ジェネレータ(21)、及びジェネレータ(21)を外科用器具(50)に連結するように操作可能なケーブル(30)を含む。好適なジェネレータ(21)は、Cincinnati,OhioのEthicon Endo−Surgery,Inc.により販売されるGEN 300である。単に例として、ジェネレータ(21)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」と題された2011年4月14日公開の米国特許公開第2011/0087212号の教示に従って構成することができる。外科器具(50)は超音波外科器具を参照して記載されるが、以下に記載する技術は、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明かとなるであろうように、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラー、クリップ適用器具、アクセス装置、薬物/遺伝子治療送達装置、及び超音波、無線周波数、レーザー等を使用するエネルギー送達装置、及び/又はこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない多様な外科器具と共に使用できることに留意するべきである。更には、本実施例は、ケーブル接続式の外科用器具(50)を参照して説明されるが、外科用器具(50)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年6月4日公開の、米国特許公開第2009/0143797号で開示されるものなどの、コードレス操作に関して適合させることができる点を、理解するべきである。更に、手術装置(50)は、米国特許第6,783,524号に開示されたようなロボット支援手術環境で使用されるか、使用するように適応されてもよい。
【0014】
本実施例の外科用器具(50)は、組立形ハンドルアセンブリ(60)、細長形の伝達アセンブリ(70)、及びトランスデューサ(100)を含む。伝達アセンブリ(70)は、伝達アセンブリ(70)の近位端で組立形ハンドルアセンブリ(60)に結合され、組立形ハンドルアセンブリ(60)から遠位方向に延出する。本実施例では、伝達アセンブリ(70)は、内視鏡用途用の細い長尺状の管状アセンブリとして構成されているが、伝達アセンブリ(70)は、代替的に、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Ultrasonic Waveguide and Blade」と題された2007年12月6日公開の米国特許公開第2007/0282333号、及び、米国特許出願公開第2008/0200940号などに開示されたショートアセンブリであってもよいと理解されるべきであるこの例の伝達アセンブリ(70)は、外鞘(72)、内側管状作動部材(図示せず)、導波路(図示せず)、及び伝達アセンブリ(70)の遠位端にあるエンドエフェクタ(80)を有する。本実施例において、エンドエフェクタ(80)は、導波路に連結されたブレード(82)と、送信用アセンブリ(70)の近位端で旋回し得るクランプアーム(84)と、任意的に、クランプアーム(84)に連結し得る1つ又は2つ以上のクランプパッド(86)とを備える。クランプアーム(84)及び関連する機構は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年11月9日発行の、米国特許第5,980,510号、表題「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」の少なくとも一部の教示に従って構築し、動作可能とすることができる点もまた、理解するべきである。エンドエフェクタ(80)の一部の変形物がクランプアーム(84)を欠く場合があることも理解するべきである。例えば、エンドエフェクタ(80)はブレード(82)を単に含むことができる。導波路は、超音波エネルギーを変換器(100)からブレード(82)へ送信するように構成されているが、可撓性であるか、半可撓性であるか、又は剛性であってもよい。単に例示的な1つの超音波変換器(100)は、Cincinnati,OhioのEthicon Endo−Surgery,Inc.により販売されているModel No.HP054である。導波路は、また、当該技術分野において周知のように、導波路を経由してブレード(82)へ送信される機械的振動を増幅するように構成されてもよい。導波路は、導波路に沿った縦振動のゲインを制御する機能と、導波路を本装置の共振周波数に合わせる機能とを更に有することができる。
【0015】
本実施例では、音響アセンブリが組織によって取り込まれないとき、音響アセンブリを好ましい共振周波数fに合わせるため、ブレード(82)の遠位端は波腹の近辺に配置される。変換器(100)にエネルギーが与えられるとき、ブレード(82)の遠位端は、例えば、55.5kHzの既定の振動周波数fで、最大振幅が、例えば、約10〜500μmの範囲、好ましくは約20〜約200μmの範囲で、長手方向に移動するように構成されている。本実施例の変換器(100)が駆動するとき、これらの機械的振動は、導波路を通ってエンドエフェクタ(80)へ送信される。本実施例において、ブレード(82)は、導波路に連結されているが、超音波振動数で振動する。したがって、ブレード(82)とクランプアーム(84)との間に組織が締め付けられたとき、ブレード(82)の超音波振動が、組織の切断と、隣接した組織細胞内のタンパク質の変性とを同時に行い、それにより比較的小さい熱拡散で凝固効果が提供される。また、組織も焼灼するために、ブレード(82)とクランプアーム(84)を介して電流が提供されてもよい。送信用アセンブリ(70)及び変換器(100)の幾つかの構成を記述してきたが、送信用アセンブリ(70)及び変換器(100)の更に他の好適な構成は、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかであると思われる。
【0016】
本実施例の組立形ハンドルアセンブリ(60)は、接合ハウジング部分(62)及び下方部分(64)を含む。結合ハウジング部分(62)は、結合ハウジング部分(62)の近位端にトランスデューサ(100)を収容し、結合ハウジング部分(62)の遠位端に伝達アセンブリ(70)の近位端を収容するように構成される。開口は、様々な伝達アセンブリ(70)を挿入するため、結合ハウジング部分(62)の遠位端に提供される。本実施例において、回転ノブ(66)は、送信用アセンブリ(70)及び/又は変換器(100)を回転させるように示されるが、回転ノブ(66)は任意的であるに過ぎないものと解釈されるべきである。組立形ハンドルアセンブリ(60)の下位部(64)は、トリガー(68)を具備し、かつ、使用者によって片手で掴れるように構成されている。下位部(64)について、単に例示的な1つの代替的構成は、米国特許出願公開第2011/0015660号の図1に示される。トグルボタン(図示せず)は、下部(64)の遠位表面に位置してもよく、発電機(21)を用いて、様々な操作レベルで変換器(100)を作動するように操作可能である。例えば、第1のトグルボタンは、最大エネルギーレベルで、変換器(100)を作動させることができ、その一方で、第2のトグルボタンは、最小の、非ゼロのエネルギーレベルで、変換器(100)を作動させることができる。当然ながら、トグルボタンは、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかとなるような、最大及び/又は最小のエネルギーレベル以外のエネルギーレベルに関して、構成することができる。更に、トグルボタンは、組立形ハンドルアセンブリ(60)上、変換器(100)上、及び/又は外科用器具(50)から離れた場所のどこに配置されてもよく、また任意数のトグルボタンが、提供されてもよい。組立形ハンドルアセンブリ(60)は、2つの別個の部分(62、64)を参照して説明されているが、組立形ハンドルアセンブリ(60)は、双方の部分(62、64)が組み合わされた、一体型アセンブリとすることができる点を、理解するべきである。組立形ハンドルアセンブリ(60)は、あるいは、別個のトリガー部分(ユーザの手又は足によって動作可能)、及び別個の接合ハウジング部分(62)などの、複数の個別構成要素へと分割することもできる。トリガー部分は、変換器(100)を駆動することができ、また、連動するハウジング部分(62)から遠く離れていてもよい。本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかなように、組立形ハンドルアセンブリ(60)は、耐久性プラスチック(ポリカーボネートや液晶ポリマーなど)、セラミック及び/若しくは金属、又は任意の他の好適な材料から構成されてもよい。多部品取手アセンブリ(60)に関する更なる他の構成は、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかとなるであろう。例えば、器具(50)は、ロボットシステムの一部として操作されてもよい。組立形ハンドルアセンブリ(60)に関する他の構成もまた、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかとなるであろう。
【0017】
本明細書の教示を考慮すればシステム(11)及び構成要素が取ることができる更に他の好適な形態が、当業者に明らかになるであろう。
【0018】
III.神経検出機能を有する外科用器具
一部の実例において、上述の器具(10、50)など、外科用器具が神経組織近傍にあるときを回避するか、又は、このときの知識を単にそれを有することが望ましい場合があることが認識されるであろう。他の実例において、ユーザが神経組織と相互作用することが望ましい場合がある。例えば、外科的処置中に、ユーザは、神経組織の一部を切除することを望む場合があるか、又は、神経組織に過剰な熱などを発生しているかどうか判断するために神経組織から測定された情報を使用する場合がある。患者の心外膜上の処置において不整脈の発生を低減するために、処置設定において慢性的疼痛を管理するために、神経ブロックを低減するために、美観上の処置においてしわを創出する神経を可能にするために、意図的な神経切除が実行される場合がある。本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかになるように、神経組織に関係するか、又は、神経組織から生じる他の情報を使用する場合があるか、又は、その他の点では望ましい場合がある。
【0019】
図3は、ハンドルアセンブリ(410)に取り付けられたエンドエフェクタ(412)を有する外科用器具(400)の1つの例示的な変形物を示す。ハンドルアセンブリ(410)は、電源及び/又はジェネレータ(418)と通信する。ハンドルアセンブリ(410)は、例示的な変形物において、エンドエフェクタ(412)が神経組織近傍であるかどうかの検出に関係する機能の多くを制御するように作動可能である制御盤(416)とも通信する。この実施例の外科用器具(400)は、上述の器具(10、50)の変更形態と見ることができる。例示的な変形物では1つのレイアウト/構成を示すが、他の潜在的なレイアウト及び構成も企図されていることが認識されるであろう。例えば、制御盤(416)はハンドルアセンブリ(410)の外側に位置すると図示されているが、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかであると思われるように、制御盤(416)の他の好適な場所も使用され得る。代替実施例として、制御盤(416)は、ハンドルアセンブリ(410)、エンドエフェクタ(412)、電源(418)、及び/又は他の場所に一体化することができる。同様に、電源(418)は、図3に示す例示的な変形物より異なる構成を有することが認識されるであろう。例えば、電源(418)は、ハンドルアセンブリ(410)の外に位置することができるか、又は、ハンドルアセンブリ(410)内に収容するか、又は、ハンドルアセンブリ(410)と一体化することができる。更に他の例示的な変形物において、電源(418)、エンドエフェクタ(412)及び制御盤(416)は、共に一体化することができる。他の好適な構成が本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかとなる。
【0020】
A.例示的な神経刺激
特に神経を刺激して応答を検出することによって、神経組織の存在又は付近を検出する多数の方法がある。例えば、神経組織は、神経に直接的な又は近接の圧力を印加することにより刺激することができ、これは、神経に、筋肉の痙攣により目視にて観察することができるか、又は、呼び起こされた応答潜在性を検出することにより電気的にモニターすることができる電気信号を生成させることができる。神経組織は、神経の応答を増減するために変調することができる直接的又は近接の電流を印加することにより刺激することもできる。高い電流は、結果的に、応答を増大させる場合があるが、刺激された神経の場所をより正確に突き止める能力を低下させる傾向がある場合がある。バイポーラ電気刺激は、局所化された界磁電流を創出して印加された磁場の領域内の場所識別表示を設置することにより、これを克服することができる。電気刺激は、手術中に、及び/又は多数の他の方法で外科手術用現場で使用される単一の表面電極、複数の表面電極、挿入電極、相互運用プローブ又は針を介して提供することができる。神経組織が加熱する検出可能な応答を提供することができることから、熱を使用して神経組織を刺激することもできる。例えば、熱は、プローブ、電子レンジ、レーザー又は集中超音波などの集束された電子エネルギーを使用して印加することができる。更に別の単に例示的な実施例だけとして、集束された高強度磁場勾配を神経を刺激するために使用することができ、これは、このような神経の検出を可能にすることができる。上記の神経刺激/検出技法を外科用器具(上述の器具(10、50)など)に組み込むことができる方法の様々な実施例を以下で更に詳細に説明するが、その他も、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかとなろう。
【0021】
現在の実施例において、電源(418)は、電源(418)がエンドエフェクタ(412)を介してAC及び/又はDC電流を組織に提供しそれによって組織を刺激することができるようにエンドエフェクタ(412)と通信するが、これは、場合によっては神経組織の刺激を含む場合がある。一部の変形物(例えば、直流がエンドエフェクタ(412)などにて超音波ブレードを介して提供される変形物)において、従来の外科手術用グランドパッドは、帰還路を提供することによりDC電流の流れを促進するために患者の下に設置することができる。あくまで一例として、これは、例えば、米国特許公開で教示されているように、容易にエンドエフェクタ(412)が超音波ブレードを含むが締付け部材を含まない器具(400)の変形物においてすぐに実行することができる(例えば、米国特許公開第2008/0200940号などで教示)、エンドエフェクタ(412)が締付け部材を含んで切開処置において使用に向けて構成される器具(400)の変形物(例えば米国特許公開第2007/0191713号及び/又は米国特許公開第2007/0282333号などで教示)、及び、エンドエフェクタ(412)が締付け部材を含んで腹腔鏡処置における使用に向けて構成される器具(400)の変形物(例えば、米国特許公開第2006/0079874号などで教示)。上記の教示を組み込むことができる好適な種類の器具が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0022】
別の単に例示的な実施例だけとして、グランドパッドは、省略することができ、エンドエフェクタ(412)での締付け部材(例えば、クランプパッド(86)など)は、神経刺激電流の帰還路を提供することができる。あくまでも一例として、このような機能性は、エンドエフェクタ(412)が締付け部材を含み、かつ、切開処置での使用に向けて構成される器具(400)の変形物に容易に組み込むことができる(例えば、米国特許公開第2007/0191713号及び/又は米国特許公開第2007/0282333号などで教示)及び、エンドエフェクタ(412)が締付け部材を含み、かつ、腹腔鏡処置における使用に向けて構成される器具(400)の変形物(例えば、米国特許公開第2006/0079874号などで教示)。上記の教示を組み込むことができる好適な種類の器具が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。グランドパッドは、エンドエフェクタ(412)での締付け部材が電気帰還路を提供する実例においてさえそれでも患者の下で使用することができることも理解されたい。
【0023】
更に別の単に例示的な実施例だけとして、エンドエフェクタ(412)にて超音波ブレードを介して神経刺激電流を送給する代わりに、エンドエフェクタ(412)での締付け部材(例えば、クランプパッド(86)、など)を、神経刺激電流を組織に送給するために使用することができる。一部の当該の変形物において、従来の外科手術用グランドパッドは、帰還路を提供することによりDC電流の流れを促進するために患者の下に設置することができる。これの変更形態として、患者の下でグランドパッドを使用して神経刺激電流の帰還路を提供することに加えて又はその代わりに、エンドエフェクタ(412)での超音波ブレードを使用して神経刺激電流の帰還路を提供することができる。尚も別の単に例示的な変更形態のみとして、エンドエフェクタ(412)での締付け部材(例えば、クランプパッド(86)など)は、神経刺激電流を組織に提供するために使用される1対の神経刺激電極を含むことができる。このような電極は、電極間に位置決めされた誘導体被覆及び/又は他の絶縁体で、横方向に及び/又は長手方向に互いから離間させることができる。神経刺激電流をエンドエフェクタ(412)を介して提供する他の構成が、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかになろう。
【0024】
正規のAC又はDC電流の代案として、脈動電流を、エンドエフェクタ(412)を介して提供してもよい。あくまで一例として、好適な脈動電流は、ほぼ0.05〜5ミリ秒のパルス幅と、ほぼ0.2〜100Hzのパルス繰返し率と、ほぼ500オーム〜10キロオームを下回る対応するインピーダンス範囲を有するほぼ0.1〜10mAの振幅とを有することができる。これらのパラメータは、神経組織からの誘発応答の振幅、神経組織からの誘発応答を引き起こすために印加される電流の閾値量、刺激と誘発応答間の待ち時間、刺激することができる神経繊維の厚さなど、を含むがこれらに限定されない様々な要素及び/又はその組み合わせに基づいて独立して調整することができることが理解されるであろう。誘発応答の振幅は、刺激される神経繊維の数などの要素に左右され得る(例えば、神経束が大きいほど、及び/又は、刺激電流の浸透が深いほど、誘発応答の測定される振幅が大きい、など)。印加電流が神経組織から誘発応答を引き起こすために必要とされる閾値量を超えると、電流の更なる増加が、組織の増加する領域を脱分極し、したがってその後の刺激に対する組織の応答時間を抑止する場合があることを理解するべきである。刺激電流が神経を飽和させた場合、刺激と誘発応答との間の待ち時間が増大する場合があり、この待ち時間が、神経の周りの局所的環境(例えば、骨格化)が発射地点から測定地点まで移動する神経繊維の待ち時間及び/又は長さを増大し得ることを示す場合があることも理解するべきである。
【0025】
言うまでもなく、電源(418)は、外科的処置において様々な異なる形式の神経刺激、及び、複数の形式の神経刺激の組み合わせを提供するように作動可能とすることができる。
【0026】
B.例示的な神経刺激検出
神経組織刺激に対する応答をモニターする多数の方法がある。例えば、センサーを使用して、感覚神経及び体性神経による自然発生的な神経活動を含む、刺激された神経により生成された誘発電位を検出することができる。神経刺激を、筋電図記録法(EMG)を介してモニターすることができることを理解するべきである。これの実施例は、2009年2月5日公開の、「System and Method for Facial Nerve Monitoring」と題される米国特許公開第2009/0033486号で説明されており、この特許の開示は、参考により本明細書に組み入れられる。言うまでもなく、別の技法は、神経刺激により引き起こされた筋攣縮の目視による観察を含んでもよい。別の単に例示的な実施例のみとして、神経伝導をモニターすることができる。神経は、周期的な刺激に対する特徴的な応答を有することができる。介在神経が損傷した場合、この損傷は、この特徴的な応答の変化により立証され得る。観察される変化としては、振幅、立上り時間、立下り時間、持続、待ち時間などを挙げることができる。更に別の単に例示的な実施例として、運動によって引き起こされた電位がモニターされ得る。この実施例は、経頭蓋電動機誘発電位(TCeMEP)であり、運動皮質が経頭蓋的に刺激され、記録は、四肢の筋肉から、又は脊髄尾部(spinal cord caudal)から手術法に即して行われる。更に別の単に例示的な実施例のみとしては、刺激された神経組織の攣縮又は他の動きを検出する組織近傍での1つ以上の機械式センサーの使用を挙げることができる。上記のようなモニタリング技法を外科用器具(上述の器具(10、50)など)に組み込むことができる方法の様々な実施例を以下で更に詳細に説明するが、その他も、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかとなろう。
【0027】
神経組織を通る適当なレベルのAC電流を提供すると組織を目視でわかるほど攣縮させ得ることを理解するべきである。このような攣縮は、攣縮を単に見るだけで外科医により目視にて観察可能であり得る。それにもかかわらず、一部の実例(例えば、刺激された組織の認知度が遮断されるか、又は、他の点では制限される、など)において、電流又は他の形の刺激に応じた神経組織における反応を更なる検知を提供することが望ましい場合がある。その目的のために、外科用器具(400)のエンドエフェクタ(412)は、センサー(420)と、インジケータ(422)と、スイッチ(414)とを含む。センサー(420)、インジケータ(422)、スイッチ(414)及びエンドエフェクタ(412)は、互いと通信する。センサー(420)は、任意の好適な形式のセンサーを含むことができる。例えば、センサー(420)としては、電気インピーダンスセンサー/モニター、振動センサー、音響的変化を感知するように動作可能なドップラーファイバー、圧力又はトルクセンサー、熱センサー、エンドエフェクタ(412)の表面上/内に組み込まれた1つ以上の電極、又は、神経組織の存在を検出するように動作可能とすることができる、測定することができる電流を伝達するように動作可能な電線さえ挙げることができる。あくまで一例として、センサー(420)は、刺激に応じて神経組織において生成される誘発応答電位を感知するように構成することができる。このような変形物は、検知された誘発応答電位に関連した信号対雑音比を増すために増幅される1つ以上の電極を含むことができる。センサー(420)は、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかであると思われるように、エンドエフェクタ(412)と一体式に形成(例えば、超音波ブレード及び/又は締付け部材などに一体化)することができるか、又は、エンドエフェクタ(412)の外側上に位置決めすることができる。
【0028】
図3でもわかるように、インジケータ(422)は、エンドエフェクタ(412)と通信する。一部の変形物において、インジケータ(422)は、ハンドルアセンブリ(410)、又は、任意の他の好適な場所内又は上に位置決めすることができる。例示的な変形物において、インジケータ(422)はエンドエフェクタ(412)が神経組織近傍であるか、又は、神経組織に触れていることをユーザに知らせるように動作可能である。特に、センサー(420)が、神経組織を検出し、その後、制御盤(416)が、神経組織が到達されたとユーザに教えるためにインジケータ(422)をトリガーする。一部の変形物において、インジケータ(422)は、選択的点灯式灯火、色変化式灯火、ブザー又は他の音声音、又は、ハンドルアセンブリ(410)を介してユーザ向けに触覚/触覚型物理フィードバック振動発生器を含むことができる。本明細書の教示を考慮すれば、当業者に明らかであるように、インジケータ(422)は他の形態を取ってもよいことが理解されよう。あくまで一例として(MLA)、インジケータ(422)は、エンドエフェクタ(412)に組み込まれことに加えて又はその代わりに電源(418)の一部として提供することができる。一部の当該の変形物において、電源(418)は、エンドエフェクタ(412)がアクティブ状態(例えば、超音波ブレードが起動しているとき)にあるとき、表示を外科医に提供するように構成することもできる。したがって、電源(418)はエンドエフェクタ(412)がアクティブ状態にあるとき、及び、エンドエフェクタ(412)が神経組織近傍か、又は、神経組織に触れているときの両方の表示を提供するように構成することができる。例えば、電源(418)は、エンドエフェクタ(412)の起動を示す1オクターブでの連続的可聴トーン、及び、神経組織近傍であることを示すより高い又は低いオクターブでの別の可聴トーンを提供することができる。別の単に例示的な実施例のみとして、このような可聴トーンは、周期的に反復する対で提供することができる。電源(418)が2つ(以上)の異なる状態を同時に示す可聴フィードバックを提供することができる更に他の好適な方法が、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかになろう。
【0029】
一部の変形物において、スイッチ(414)をエンドエフェクタ(412)に組み込むことができる。スイッチ(414)は、エンドエフェクタ(412)に神経刺激AC電流を送給する制御盤(416)により実行されるアルゴリズム、ルーチン、プログラム、実行可能な機能などを選択的に起動又は起動解除するように動作可能である。代替的に、スイッチ(414)は、外科用器具(400)の任意の好適な部分を選択的に起動、起動解除、係合、又は、離脱させるために使用することができる。例えば、スイッチ(414)は、センサー(420)の起動を制御することができる。換言すれば、状況に応じて、ユーザは、神経組織の存在を検出する必要がある場合もあれば、必要がない場合もあり、これは、相応にスイッチ(414)を介して制御することができることを理解するであろう。スイッチ(414)は本発明の実施例においてエンドエフェクタ(412)と通信するが、スイッチ(414)は、ハンドルアセンブリ(410)、電源(418)又は、電源(418)とハンドルアセンブリ(410)との間で位置するモジュール上に位置することができることが認識されるであろう。スイッチ(414)の他の好適な場所が、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかとなるであろう。スイッチ(414)は、トグルスイッチ、スライダスイッチ、1つ以上のボタン、又は、当業者に明らかになると思われるような任意の他の好適な形式のスイッチ(414)などの様々な形態を取ることもできる。一部の実例において、スイッチ(414)は、センサー(420)及び関連の構成部品が絶えず神経組織を検出するように完全に省略することができることが更に理解されるであろう。
【0030】
更に他の変更形態において、センサー(420)、スイッチ(414)及びインジケータ(422)は異なる外科用装置や器具に関連して移動させるか、又は、使用することができるようにエンドエフェクタ(412)にモジュール式に装着することができることが認識されるであろう。それでも、一部の変形物において、センサー(420)、スイッチ(414)及びインジケータ(422)は、エンドエフェクタ(412)及び/又はハンドルアセンブリ(410)又は、ハンドルアセンブリ(410)から延在するシャフトと一体式に形成するように作製することができる。
【0031】
C.デュアル機能のブレード及び検知クランプアームを有する例示的な外科用器具
図4は、エンドエフェクタ(512)に至るシャフト(502)を有する外科用器具(500)の1つの例示的な変形物を示す。エンドエフェクタ(512)は、ブレード(579)と、RFエネルギー、超音波振動エネルギー、又は、任意の他の好適な形式の外科手術用/治療エネルギーを送給するために組織を締め付けるように動作可能なクランプアーム(584)とを含む。電源(518)が、このような外科手術用/治療エネルギーを組織に送給するためにブレード(579)を駆動するように動作可能である。切断、焼灼などに使用される外科手術用/治療エネルギーに加えて、ブレード(579)は、神経細胞、繊維及び/又は組織を刺激することができる電気エネルギー(例えば、DC/AC/脈動電流)を送給するように動作可能であることが認識されるであろう。このようなエネルギーを送給することにより、エンドエフェクタ(512)近傍の神経組織が興奮するようになり得て、その結果、前述したような様々な挙動が発生する。例えば、神経組織は、攣縮し得、インピーダンスの変化が発生し、電気的活性の変化が発生し得、誘発電位又は他の応答を示すなどし得る。本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかであると思われるように、神経組織に対する他の察知可能な変化が発生し得る。クランプアーム(584)は、単に例示的な例のみとして示されていることを理解するべきである。本明細書の教示は、クランプアーム(584)がないエンドエフェクタ(512)の変更形態に適用することができる。例えば、本明細書の教示は、ブレード(579)のみを有するエンドエフェクタ(512)の変形物に容易に適用することができる。
【0032】
切断又は他の外科手術用/治療目的に向けてブレード(579)を介して送給されるエネルギーは、様々な方法で神経組織を刺激/興奮させるエネルギーと区別することができることを理解するであろう。例えば、切断のためのエネルギーは、興奮のためのエネルギーに比較すると異なる位相を有することができる。他の変形物において、切断のためのエネルギーは、特定の一連のパルスで送給することができ、一方、神経刺激のためのエネルギーは、切断エネルギーのパルス間で送給することができる。更に他の変形物において、切断及び興奮のためのエネルギーは、送給中に多重化することができる。外科用器具(500)が超音波外科用器具であり、ブレード(579)が超音波ブレードである変形物において、切断のためのエネルギーは、機械的発振運動であり一方、興奮のためのエネルギーは電流である。切断のためのエネルギー及び興奮のためのエネルギーを区別する他の方法が、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかになることが認識されるであろう。
【0033】
上述のセンサー(42)の場合と同様に、センサー(520)は、興奮した神経組織に関連した変化を検出するように動作可能であり、かつ、クランプアーム(584)に一体化される。外科用器具(500)は、またブレード(579)からクランプアーム(584)へのエネルギーの直接的な伝達を防止するように動作可能なクランプアーム(584)と通信するパッド(580)を含む。その結果として、センサー(520)により検出されたエネルギーは、ブレード(579)からクランプアーム(584)へのエネルギーの直接的な移送ではなく結果的に神経組織の興奮であることが認識されるであろう。更に、一部の変形物において、センサー(520)は、ブレード(579)の外科手術用および/または治療用起動との応答において誤検出を回避するように調整又は構成することができる。加えて又は代替的に、センサー(520)と通信する制御論理/アルゴリズムは、ブレード(579)の外科手術用/治療起動により引き起こされた興奮と神経刺激電流により引き起こされた興奮とを区別するように構成することができる。クランプアーム(584)が省略される変形物において、センサー(520)は、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかになる数多くの方法で、外科用器具(500)のブレード(579)及び/又は何らかの他の部品に組み込むことができる。
【0034】
例示的な変形物において、センサー(520)は、先端が尖っていない三日月形である。センサー(520)は、センサー(520)がクランプアーム(584)から突出するように、クランプアーム(584)の遠位先端にて又はクランプアーム(584)の遠位先端の周りに位置決めされる。したがって、ブレード(579)及びクランプアーム(584)が組織の周りに締め付けられたとき、センサー(520)は、周囲の組織内に又はその周りに突出する。センサー(520)が任意の好適な形状を有することができることが理解されよう。例えば、一部の変形物において、センサー(520)はクランプアーム(584)を完全に覆うことができる。更に他の例示的な変形物において、センサー(520)はクランプアーム(584)に従って離間された複数のセンサー(520)を含むことができる。他の好適な変化形態が、本明細書における教示を考慮すれば当業者に明らかになるであろう。
【0035】
一部の変形物において、センサー(520)は、適切に機能するために電気エネルギーを必要とする場合があることが認識されるであろう。このようなエネルギーは、一部の実例において、ブレード(579)に関連してクランプアーム(584)の開閉に基づいて送給することができる。クランプアーム(584)及びブレード(579)を接合する接合部(513)は、クランプアーム(584)が開いて、ブレード(579)に関連して特定の角度に到達すると、接合部スイッチ(515)が、センサー(520)が興奮した神経組織をその後検出することができるようにセンサー(520)への電力の送給をトリガーするように接合部スイッチ(515)と一体化することができる。一部の変形物において、戻り止めなど、接合部(513)は、ユーザが、クランプアーム(584)はセンサー(520)の動作をトリガーするのに十分広く開いたという触覚フィードバックを受けるように、フィードバック機構部を含むことができる。触覚フィードバックとしては、クリック又は振動パルス、又は、任意の他の好適なフィードバックを挙げることができる。いくつかの実例において、触覚フィードバックではなく、外科用器具(500)は、LEDなどの光を照射することができるか、又は、可聴キューを出力することができる。更に他の変更形態において、フィードバックを全く提供せず、センサー(520)は、ユーザに知らせることなく単に起動する場合がある。一部の実例において、センサーの実際の起動は、ほぼ2秒の持続時間にわたって若干遅延される場合がある。センサー(520)が起動するという十分な通知をユーザに提供するために、接合部スイッチ(515)のトリガーとセンサー(520)の動作との間に任意の好適な遅延を組み込むことができることが認識されるであろう。更に、一部の変形物において、センサー(520)の電源オフは、特定の角度を過ぎるとクランプアーム(584)及びブレード(579)を閉じることにより、又は、再度接合部スイッチ(515)をトリガーするように、再度ブレード(579)に対してクランプアーム(584)を単に開くことにより達成することができる。センサー(520)が電源オフになると、外科用器具(500)は、センサー(520)が電源オフになったことをユーザに知らせるためにフィードバック(機械式、視覚及び/又は音声など)をユーザに提供することができる。
【0036】
先に論じたように、センサー(520)は、興奮した神経組織を検出するように動作可能とすることができる。その結果、ブレード(579)が神経組織の興奮を提供したとき、センサー(520)は、それらの興奮を検出し、ユーザは、このような神経組織の存在/近接を回避するべきであるか、又は、そうではない場合には該存在/近接に応答するべきかどうか判断することができる。センサー(520)は、センサー(520)が神経組織を検出したときにインジケータ(522)が起動するようにインジケータ(522)とも通信する。したがって、ユーザは、神経組織が近くであるか、又は、クランプアーム(584)と接触したかどうかどうか判断するために、ユーザが外科用器具(500)を使用するときにインジケータ(522)をモニターすることができることになる。他の構成部品の場合と同様に、インジケータ(522)は、単に任意選択的にすぎない。例えば、外科医は、単に、神経組織の興奮を検出するために、組織攣縮の目視による観察結果を拠り所とする場合がある。他の変形物において、ユーザは、神経組織の任意の攣縮を見るために内視鏡を使用する場合がある。本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかであるように、他の好適な撮像又は視覚補助を使用してもよい。
【0037】
図5A〜5Bは、組織(590)に適用されるような外科用器具(500)の例示的な使用を示す。例示する変形物において、外科用器具(500)は、エンドエフェクタ(512)を介して超音波エネルギーを組織(590)に送給するように構成される。しかしながら、外科用器具(500)は、神経組織の近接を判断することが望ましい場合がある任意の好適な外科的処置を実行するために選択してもよいことが認識されるであろう。図5Aは、切断するべき組織(590)に接近するときの外科用器具(500)を示す。クランプアーム(584)が、超音波ブレード(579)に対して開いている。図5Bは、組織(590)がクランプアーム(584)とブレード(579)の間に締め付けられた状態でブレード(579)の方に閉じられたクランプアーム(584)を示す。パッド(580)が、クランプアーム(584)と組織との間に位置決めされる。更に、図5Bでは、超音波切断エネルギーが、ブレード(579)を介して組織(590)に伝達され、その結果、組織(590)が切断される。同時に又はほぼ同時に、電流が、神経組織を刺激する/興奮させるためにブレード(579)を介して伝達される。例示的な変形物でわかるように、外科用器具(500)により切断されていた組織(590)近傍の神経の興奮により、結果的に、神経組織の攣縮又はそうではない場合には測定可能な興奮が発生し得る。センサー(520)は、このような神経組織興奮を検出することができる。センサー(520)が興奮する神経組織(592)を検出すると、センサー(520)は、インジケータ(522)をトリガーし、該インジケータは、神経組織が近くにあることがわかるようにユーザに警告する視覚又は聴覚信号を含むことができる。その後、ユーザは、相応に反応することができる。
【0038】
一部の実例において、センサー(520)は、センサー(520)が神経組織(592)の興奮を検出したときにブレード(579)への超音波エネルギーの送給に影響を与えることができる。例えば、センサー(520)は、変換器起動回路と通信する論理と連結することができ、かつ、センサー(520)が神経組織(592)の興奮を検出したときに一時的に変換器への電力を少なくとも切断ことができ、その結果、ブレード(579)が神経組織(592)を切る前にブレード(579)が非作動状態になる。一部のそのような変形物において、システムは、外科医が、超音波トランスデューサを再起動)するためにエンドエフェクタを再位置決めして、その後、トリガーボタン又はレバーを解除して再作動させることを必要する場合がある。同様に、ブレード(579)が(例えば、外科的処置の始めに)超音波エネルギーで起動する前に、制御論理は、センサー(520)が神経組織の存在/近接を示すのに失敗しない限り、神経刺激機能を駆動し、センサー(520)からのフィードバックを阻止して、ブレード(579)が起動するのを防止する。加えて又は代替的に、システムは、外科医が、神経組織へのブレード(579)の近接にもかかわらず超音波トランスデューサの起動を選択的に続けることを可能にするオーバーライド機能を外科医に提供することができる。超音波トランスデューサの起動に影響を与えることに対して加えて又は代替的に、センサー(520)は、センサー(520)が神経組織(592)の興奮を検出するときに、外科用器具(500)のエンドエフェクタを介して、治療剤又は他の形式の物質の送給をトリガーすることができる。本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかになる他の機能性の中で、これらの機能性の一方又は両方を、インジケータ(522)をトリガーすることに加えて又はその代わりに提供することができる。
【0039】
センサー(520)によりトリガーされる応答は、センサー(520)により検出された神経組織興奮のレベルに基づいて変わる場合があることを理解するべきである。例えば、センサー(520)により検出されたわずかな興奮により、単に、結果的に、神経組織に近づき始めていると外科医に警告するためにインジケータ(522)のトリガーの発生する場合があり、一方、センサー(520)により検出された大きな興奮により、超音波トランスデューサへの少なくとも電力の一時的な遮断が発生する場合がある。
【0040】
同様に、インジケータ(522)自体が、センサー(520)により検出された神経組織興奮のレベルに基づいて、反応の仕方が異なる場合がある(例えば、わずかな興奮に応答して、黄色光を点滅され、及び/又は、相対的にまれな可聴トーンパルスを提供し、大きな興奮に応答して、赤色光を点滅させ、及び/又は相対的に迅速な可聴トーンパルスを提供する)。インジケータ(522)は、外科用器具(500)が「オン」状態であることを示す可聴信号、及び、神経組織の近接を示す更なる可聴信号を生成することもできる。例えば、インジケータ(522)は、「オン」状態を示す低いピッチトーン、及び、神経組織との接触を示す高いピッチトーンなどの異なるトーンを生成することができる。別の単に例示的な実施例のみとして、インジケータ(522)は、神経組織への近接を示す周波数を有するパルストーンを生成することができる。例えば、インジケータ(522)は、神経組織がエンドエフェクタ(512)への有意な近接ではないときは、トーン間に相対的に長い遅延を提供する低周波数で、エンドエフェクタ(512)が神経組織に接近するときはトーン間に漸進的に短い遅延を提供する増加する周波数で、周期的なトーンを生成することができる。
【0041】
一部の実例において、外科用器具(500)は、ユーザによる神経組織マップを確立するために使用することができる。例えば、センサー(520)は、外科用器具(500)により興奮する神経組織を検出するように動作可能とすることができ、センサー(520)からのフィードバックに基づいて及び/又は他の器具(500)構成部品(例えば、加速度計など)からのフィードバックに基づいてマップを生成することができる。神経組織検出に加えて、外科用器具(500)は、センサー(520)による神経組織の検出を空間場所に関連づけることができるように、外科用器具(500)の空間場所を判断するように動作可能とすることができる。ユーザが空間内のいくつかの地点に沿ってセンサー(520)により神経組織を検出するとき、ユーザが神経組織マップにより示される当該の神経組織に対して外科用器具(500)をより正確に操作することができるように神経組織のマップを形成することができる。
【0042】
一部の実例において、外科用器具(500)は、外科用器具の通常の使用中に、神経組織を含む、組織に伝達する熱を生成することができる。神経組織又は近傍の組織がこのような熱を伝えるかどうか判断することが望ましい場合がある。したがって、センサー(520)は、伝達された熱を直接に熱の検出を介して検出するように動作可能とすることができるか、又は、熱による影響を受けた神経組織の電気特性の変化を検出するように動作可能とすることができる(例えば、神経組織は熱に応答して誘発電位の雑音修正により高い信号を示すことがあり得る)。一部の実例において、熱の特定の閾値が検出されると、外科用器具(500)は、ユーザに通知することができる。
【0043】
図6は、外科用器具(500)を使用する例示的な方法(600)を示す。初期ステップ(610)として、ユーザは、外科用器具(500)を起動させることができる。何らかの場合において、外科用装置は、電力が外科用器具(500)の電源に供給されるとすぐに自動的に起動させることができ、他の変形物において、ユーザは、いつ外科用器具(500)を電源オンにするべきか選択することができる。外科用器具(500)がユーザにより電源オンにされる時間にて又はその時間辺りに、ユーザは、外科的処置において使用されるように外科用器具(500)を手術部位に挿入することができる。
【0044】
ステップ(620)は、外科用器具(500)を操作するステップを伴う。超音波外科用器具(500)の場合、外科用器具(500)は、手術部位にブレード(579)を介して超音波振動を送給することができる。このような振動は、外科用器具(500)の変換器への電力にパルスを与えることにより生成することができる。一部の変形物において、起動パルスは、10ミリ秒毎に1つのパルス〜100ミリ秒毎に1つのパルスの範囲である周波数で変換器に送給される。勿論、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかになるように、任意の他の好適なパルス周波数を使用してもよい。これらの起動パルスは、トランスデューサ内の圧電素子に電力を機械的な振動/振動力に変換させ、その結果、超音波ブレード(579)に音響導波管に沿って伝達される超音波振動が発生する。超音波振動を生成するためにトランスデューサに送給される電気起動パルス間で、外科用器具(500)も、神経組織の検出に向けて電流を送給する。このような刺激電流は、これらの構成部品の音響パフォーマンスを損なうことなく、トランスデューサ、導波管、及びブレード(579)を介して送給することもできる。例えば、神経刺激電流のパラメータは、トランスデューサ内の圧電素子を励起しないように選択することができる。外科用器具(500)の一部の変形物は、トランスデューサ起動パルスと同時に神経刺激電流を送給するように動作可能とすることができる。例えば、神経刺激電流の電路は、完全に別個とすることができ、かつ、トランスデューサの起動に向けて電路に対して隔離することができる。神経組織検出及び超音波トランスデューサ起動に向けて電流を提供する他の変更形態が、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかになろう。
【0045】
一部の実例において、外科用器具(500)を動作するステップ(620)中に、外科用器具(500)により供給された超音波振動を使用して神経組織に圧力を提供することができ、その結果、神経組織が興奮するときに神経組織に検出可能な変化が発生し、これにより、ユーザは、神経組織の場所を突き止めることができる。例えば、振幅変調共鳴興奮信号を、神経組織を興奮させるために外科用器具(500)の超音波トランスデューサにより生成することができる。別の単に例示的な実施例のみとして、共鳴周波数と時間領域において交番する周波数変調共鳴信号又はパルス幅変調共振周波数を生成することができる。更に他の実例において、外科用器具(500)のエンドエフェクタ(512)は、ステップ(620)の外科用器具の使用中に、神経組織の測定可能な変化を励起させるか、又は、その他の方法で生成する空洞圧力を神経組織の周りに生成することができるように成形することができる。更に他の変形物において、別個の音響駆動素子を外科用器具(500)の使用中にステップ(620)において使用することができ、該音響駆動素子は、神経組織において音波を創出するように動作可能とすることができ、その結果、該音波が測定可能に励起される。
【0046】
ステップ(630)におけるユーザは、単に、神経組織の興奮が発生したかどうか判断するために部位を観察する。少なくとも、一部の実例において、神経組織は、神経組織に送給されるエネルギーの密接度及び強度に比例して攣縮および/または目視でわかるほど興奮することになることが認識されるであろう。神経組織を検出するエネルギーは、ステップ(620)に戻ることにより絶えず送給することができ、これにより、結果的に、ユーザは、神経組織が近いか、又は、そうでない場合は傷つけられる危険があるかどうか絶えずモニターすることができる。一部の実例において、ユーザは、外科手術及び/又は治療のためにブレード(579)を起動させる前に外科用器具(500)を使用することにより外科手術用領域を調べることができる。そうすることにより、ユーザは、神経組織の応答を観察し、かつ、手術部位のどの領域が組織を切断する前に神経組織を含むか判断することができる。それにもかかわらず、外科医は、依然として、たとえ外科医が手術及び/又は診断のためにブレード(579)を起動させる前に手術部位の刺激検査を実行したとしても、外科的処置を通して刺激及びモニタリングを続けたいと思う場合がある。
【0047】
ステップ(630)中、神経組織を興奮させてその後神経組織を検出するエネルギーは、別々に、ブレード(579)を介して、又は、クランプアーム(584)を介して伝達することができることが理解されるであろう。他の変形物において、神経組織を興奮させて検出するエネルギーは、同時にブレード(579)及びクランプアーム(584)を介して伝達することができる。更に他の変形物において、神経組織を検出するエネルギーは、クランプアーム(584)が完全に割愛されると同時に、ブレード(579)を介して伝達することができる。他の好適な変化形態が、本明細書における教示を考慮すれば当業者に明らかになるであろう。
【0048】
例示的な変形物では、ユーザが目視にて神経組織の痙攣をモニターすること企図されているが、一部の変形物において、インジケータは、神経組織の付近を知らせるために使用することができることが認識されるであろう。そのようなインジケータは、図5A〜5Bに示すインジケータ(522)に関して論じたように作製することができる。そのようなインジケータは、例えば、外科用器具(500)が神経組織に接近するにつれて、明るい視覚インジケータ又は大きい音声インジケータを生成することにより神経組織の密接度を示すように動作可能とすることができることが更に企図されることになる。
【0049】
一部の変形物において、外科用器具(500)は、手術部位にて又は手術部位近傍にてインプラント、締結具又は他の器具を含む他の医療用装置を有する患者において使用され得ることが認識されるであろう。それらの状況において、そのような品目に対する外科用器具(500)の近接を測定することが望ましいであろう。一部の実例において、そのような品目は、金属製、プラスチック製、又は、周囲の組織の電気特性の変化を提供する任意の他の材料であり得ることが認識されるであろう。したがって、外科用器具(500)の電気刺激及び感知メカニズムは、それらの品目の近接を検出することができる。外科用器具(500)の他の好適な使用が、当業者に明らかになるであろう。
【0050】
上記の実施例は超音波外科用器具の形態の外科用器具(10)に関するものであったが、本明細書の教示が、開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年12月31日に発行された「Electrosurgical Systems and Techniques for Sealing Tissue」と題する米国特許第6,500,176号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年9月26日に発行された「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題する米国特許第7,112,201号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年10月24日に発行された「Electrosurgical Working End for Controlled Energy Delivery」と題する米国特許第7,125,409号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年1月30日に発行された「Electrosurgical Probe and Method of Use」と題する米国特許第7,169,146号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年3月6日に発行された「Electrosurgical Jaw Structure for Controlled Energy Delivery」と題する米国特許第7,186,253号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年3月13日に発行された「Electrosurgical Instrument」と題する米国特許第7,189,233号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年5月21日に発行された「Surgical Sealing Surfaces and Methods of Use」と題する米国特許第7,220,951号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月18日に発行された「Polymer Compositions Exhibiting a PTC Property and Methods of Fabrication」と題する米国特許第7,309,849号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月25日に発行された「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題する米国特許第7,311,709号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年4月8日に発行された「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題する米国特許第7,354,440号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年6月3日に発行された「Electrosurgical Instrument」と題する米国特許第7,381,209号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年4月14日に発行された「Surgical Instrument Comprising First and Second Drive Systems Actuatable by a Common Trigger Mechanism」と題する第2011/0087218号、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年6月2日出願の「Motor Driven Electrosurgical Device with Mechanical and Electrical Feedback」と題する米国特許出願第13/151,181号に開示されているものを含むが、これらに限定されない様々なタイプの電動外科用器具に容易に適用される、ということが理解されるべきである。
【0051】
更に、本明細書の教示が、様々な形式の電動切断及びステープル留め器具に容易に適用することができ、開示が本明細書で参照により組み込まれる、2008年8月26日発行の、「Motor−Driven Surgical Cutting and Fastening Instrument with Loading Force Feedback」と題する、米国特許第7,416,101号、2009年8月20日公開の、「Motorized Cutting and Fastening Instrument Having Control Circuit for Optimizing Battery Usage」と題する米国特許公開第2009/0209979号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年6月2日出願の「Motor Driven Electrosurgical Device with Mechanical and Electrical Feedback」と題する米国特許出願第13/151,181号に開示されているものが含まれるが、これらに限定されない。更に本願の教示が適用される様々な他の種類の好適な装置が当業者には明らかとなるであろう。
【0052】
本明細書に参照により援用するものとするすべての特許、刊行物、又は他の開示物は、その全体又は一部において、援用文献が既存の定義、見解、又は本開示に記載される他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲で本参照により明細書に援用するものであることが認識されるべきである。このように、また必要な範囲で、本明細書に明確に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する内容に優先するものとする。本明細書に参照により援用するものとされているが、既存の定義、見解、又は本明細書に記載された他の開示内容と矛盾するすべての内容、又はそれらの部分は、援用された内容と既存の開示内容との間にあくまで矛盾が生じない範囲でのみ援用するものとする。
【0053】
本発明の変形物は、従来の内視鏡的手術及び開腹手術の機器、並びにロボット支援手術に用途を有する。例示的なロボット支援手術システムは、2004年8月31日に公開された「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題する米国特許第6,783,524号に開示されており、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0054】
本明細書で開示した装置の変形物は、1回の使用後に処分するように設計されることができ、又はそれらの変形物は、複数回使用するように設計することができる。諸変形物は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。このような再調整には、装置の分解、それに続く特定の部品の洗浄及び交換、並びにその後の再組み立ての各工程の任意の組み合わせが含まれる。特に、装置の変形物は分解されてもよく、また、装置の任意の個数の特定の部分又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、あるいは取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置の変形物は、再調整用の施設で、又は外科的処置の直前に外科チームによってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てされてよい。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を使用できる点は理解されるであろう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0055】
あくまで一例として、本明細書で述べた各変形物は手術に先立って処理することができる。最初に、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄することができる。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌法では、プラスチック又はTYVEKバッグなどの閉鎖かつ密封された容器に器具を入れる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、又は高エネルギー電子のような容器を貫通する放射線場に置くことができる。放射線は、器具の表面上及び容器内部の細菌を死滅させることができる。次いで、滅菌した器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開けられるまで器具を滅菌状態に保つことができる。装置はまた、これらに限定されるものではないが、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含む、当該技術分野で周知の任意の他の技術を使用して滅菌することもできる。
【0056】
本発明において様々な変形形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改作が、当業者による好適な修正により、本発明の範囲から逸脱することなく達成され得る。そのような可能な改変の幾つかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記に論じた実施例、変形物、幾何学的図形、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲において考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示、説明した構造及び動作の細部に限定されないものとして理解されるべきである。
【0057】
〔実施の態様〕
(1) (a)器具本体と、
(b)前記器具本体と通信するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、手術部位にて外科手術を実行するように作動可能であり、前記エンドエフェクタは、神経興奮エネルギーを前記手術部位にて組織に送給するように更に作動可能である、エンドエフェクタと、
(c)前記エンドエフェクタと通信する制御モジュールと、を備え、前記制御モジュールは、外科手術用エネルギーを前記手術部位に送給するために前記エンドエフェクタを駆動するように作動可能であり、前記制御モジュールは、神経興奮エネルギーを前記手術部位に送給するために前記エンドエフェクタを駆動するように更に作動可能である、装置。
(2) 前記制御モジュールと通信するセンサーを更に備え、前記センサーは、前記神経興奮エネルギーにより引き起こされた興奮に基づいて神経組織の興奮を検出するように構成される、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記センサーは、前記エンドエフェクタの遠位端上に位置決めされる、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記センサーは、インピーダンスセンサーを含む、実施態様2に記載の装置。
(5) 前記センサーは、複数の電流検知電極を含む、実施態様2に記載の装置。
【0058】
(6) 前記エンドエフェクタは、ブレードと、クランプアームとを含む、実施態様2に記載の装置。
(7) 前記センサーは、前記クランプアーム上に位置決めされる、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記ブレードは、神経組織を興奮させるように作動可能なエネルギーを送給するように構成される、実施態様6に記載の装置。
(9) 前記センサーと通信するインジケータを更に備え、前記インジケータは、前記センサーが前記神経興奮エネルギーに対する生体応答を検出するかどうかを伝達するように構成される、実施態様2に記載の装置。
(10) 前記インジケータは、視覚インジケータを含む、実施態様9に記載の装置。
【0059】
(11) 前記インジケータは、音声インジケータを含む、実施態様9に記載の装置。
(12) 電力を超音波振動エネルギーに変換するように構成された変換器を更に備え、前記外科手術用エネルギーは、前記超音波振動エネルギーを含む、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記制御モジュールは、前記超音波振動エネルギーを創出するために電力のパルスで前記変換器を駆動するように作動可能である、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記制御モジュールは、前記超音波振動エネルギーを創出するために使用される電力の前記パルス間で前記神経興奮エネルギーを送給するように更に作動可能である、実施態様13に記載の装置。
(15) 前記神経興奮エネルギーは、脈動電流を含む、実施態様1に記載の装置。
【0060】
(16) (a)器具本体と、
(b)前記器具本体と通信するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、超音波エネルギーを手術部位にて組織に送給するように作動可能な超音波ブレードを含む、エンドエフェクタと、
(c)前記エンドエフェクタと通信する制御モジュールと、を備え、前記制御モジュールは、超音波エネルギーを手術部位にて組織に送給するために選択的に前記超音波ブレードを起動させるように作動可能であり、前記制御モジュールは、神経興奮エネルギーを前記エンドエフェクタを介して前記手術部位にて組織に送給するために前記エンドエフェクタを起動させるように更に作動可能である、装置。
(17) 前記エンドエフェクタは、前記超音波ブレードの方に、かつ、前記超音波ブレードから離れて選択的に枢動するように動作可能なクランプアームを更に含む、実施態様16に記載の装置。
(18) 前記制御モジュールは、前記クランプアームを介して前記手術部位にて組織に神経興奮エネルギーを送給するように動作可能である、実施態様17に記載の装置。
(19) 前記神経興奮エネルギーは、AC電流を含む、実施態様16に記載の装置。
(20) エンドエフェクタを有する外科用器具での外科的処置中に神経組織を検出する方法であって、
(a)前記エンドエフェクタを患者の体内の手術部位にて位置決めすることと、
(b)前記手術部位にて組織に対し外科手術用機能を実行するために前記エンドエフェクタを起動させることと、
(c)神経組織を前記手術部位にて又は該手術部位近傍で興奮させるために前記エンドエフェクタを起動させることと、
(d)神経組織の興奮を検出することと、含む、方法。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6