特許第6158338号(P6158338)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6158338自動車用の電動ステアリングコラムロック装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6158338
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】自動車用の電動ステアリングコラムロック装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 25/0215 20130101AFI20170626BHJP
   E05B 83/00 20140101ALI20170626BHJP
   E05B 81/28 20140101ALI20170626BHJP
   E05B 81/42 20140101ALI20170626BHJP
【FI】
   B60R25/0215
   E05B83/00 A
   E05B81/28
   E05B81/42
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-535021(P2015-535021)
(86)(22)【出願日】2013年10月3日
(65)【公表番号】特表2015-532235(P2015-532235A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(86)【国際出願番号】EP2013070633
(87)【国際公開番号】WO2014053599
(87)【国際公開日】20140410
【審査請求日】2016年3月14日
(31)【優先権主張番号】12187260.0
(32)【優先日】2012年10月4日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】12187284.0
(32)【優先日】2012年10月4日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】13159063.0
(32)【優先日】2013年3月13日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515091865
【氏名又は名称】ユーシン ドイチュラント ツーガングスジュステーメ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(72)【発明者】
【氏名】ノルベルト レーマイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス カリーフェ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムート ノイバウアー
【審査官】 鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0133452(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0206020(US,A1)
【文献】 特開2010−208365(JP,A)
【文献】 特開2008−105647(JP,A)
【文献】 特開2012−091651(JP,A)
【文献】 特開2011−088455(JP,A)
【文献】 特開2010−174435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 25/0215
E05B 81/28
E05B 81/42
E05B 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 自動車のステアリングコラムのロックおよびアンロックのために移動するようになされている舌片(3)と、
− 第1の回転軸のまわりに回転して、前記舌片(3)の移動の制御のために、前記舌片(3)と協動するようになされているカム歯車(5)
とを備えている、ステアリングコラムのロックおよびアンロックを行うことができる、自動車用の電動ステアリングコラムロック装置であって、
前記カム歯車(5)の回転中に、前記カム歯車(5)の回転位置を特定するためのアセンブリを、さらに備え
前記カム歯車(5)の回転位置を特定するためのアセンブリは、ホール効果位置センサ(6)および磁石(8)を備え、
前記磁石(8)は、磁石(8)が、前記カム歯車(5)の回転に正確に従って回転することを可能にするための1つまたはいくつかのブレード(10)を有する円盤であることを特徴とする電動ステアリングコラムロック装置。
【請求項2】
前記電動ステアリングコラムロック装置は、第2の回転軸(13)のまわりに回転するようになっており、かつ前記カム歯車(5)を回転駆動するために、前記カム歯車(5)と実質的に共通の平面上に配置されている歯車(7)を備えており、前記第1の回転軸(11)と前記第2の回転軸(13)とは、互いに平行であり、かつ前記舌片の移動方向(31)にも平行であることを特徴とする、請求項1に記載の電動ステアリングコラムロック装置。
【請求項3】
実質的に、前記カム歯車(5)および歯車(7)によって定められる前記共通の平面上に位置している長手方向軸を有するモータ(9)を、さらに備えていることを特徴とする、請求項に記載の電動ステアリングコラムロック装置。
【請求項4】
前記共通の平面と平行であり、かつ前記カム歯車(5)および歯車(7)の上方に配置されている、平坦なプリント回路板(21)を、さらに備えていることを特徴とする、請求項またはに記載の電動ステアリングコラムロック装置。
【請求項5】
前記ホール効果位置センサ(6)は、前記プリント回路板(21)上に配置されており、かつ前記磁石(8)は、前記カム歯車(5)上に配置されていることを特徴とする、請求項に記載の電動ステアリングコラムロック装置。
【請求項6】
前記カム歯車(5)は、前記舌片(3)を駆動するための螺旋状の傾斜面(12)、および前記舌片(3)の移動を、並進移動(31)に制限するための案内手段(33)を有していることを特徴とする、請求項のいずれか1つに記載の電動ステアリングコラムロック装置。
【請求項7】
前記歯車(7)は、前記カム歯車(5)の回転速度およびトルクを適合させるために、前記カム歯車(5)の歯数より少ない歯数を有していることを特徴とする、請求項のいずれか1つに記載の電動ステアリングコラムロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ステアリングコラムをロックおよびアンロックすることができる、自動車用の電動ステアリングコラムロック装置(ESCLとも呼ばれる)に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に用いられる電動ステアリングコラムロック装置は、通常、ステアリングコラムを不動にするロック位置から、ステアリングコラムを回転可動にするアンロック位置への舌片の移動を制御するためのモータを備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ステアリングコラムのロックの失敗や、舌片を過度に作動させると、ロック操作によって、ステアリングコラムは、不動化されず、また電動ステアリングコラムロック装置自体が損傷を受ける可能性がある。そのため、このような事態を避けるために、舌片の位置を知る必要があるという課題が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上述の課題を解決するために、次のものを備えている電動ステアリングコラムロック装置を提供するものである。
− ステアリングコラムのロックおよびアンロックを行うようになされている舌片と、
− 舌片の移動を制御するためのカム歯車と、
− モータによって制御されて、カム歯車の回転を制御するようになされている歯車と、
− カム歯車の回転位置を特定するためのアセンブリ。
【0005】
カム歯車の回転位置の特定によって、舌片の位置が分かる。
【0006】
位置を正確に知ることの主たる利点は、位置の時間経過に基づいて、速度を計算することができることである。この速度情報を、制動の開始時間の調整に用いることができる。
【0007】
これによって、いくつかの環境の影響、例えば電源電圧、温度、および経時変化の影響を、それらに関する測定を要することなく、補償したり、最小限に抑えたりすることができる。
【発明の効果】
【0008】
カム歯車と歯車とは、互いに平行なそれぞれの回転軸を有し、かつ同一の平面上に配置されており、モータも、カム歯車および歯車が配置されている平面上に配置されているため、本発明の電動ステアリングコラムロック装置は、きわめてコンパクトであり、またステアリングコラムのロックおよびアンロックを、信頼性高く、かつ効率的に行いうるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明による電動ステアリングコラムロック装置の一実施形態の斜視図である。
図2図1の電動ステアリングコラムロック装置の、一部の部品を取り除いた状態における斜視図である。
図3図1の電動ステアリングコラムロック装置の部分断面図である。
図4a図1および図2の、カム歯車の回転位置を特定するためのアセンブリの周辺の斜視図である。
図4b図1および図2の、カム歯車の回転位置を特定するためのアセンブリの斜視図である。
図4c図1および図2の、カム歯車の回転位置を特定するためのアセンブリの周辺の別の斜視図である。
図4d図4cの、アセンブリの周辺を、別の角度から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面に関する以下の説明を読むことによって、本発明の特徴および利点が明瞭になる。
【0011】
全ての図において、同一の要素には、同一の符号を付してある。
【0012】
本発明によれば、電動ステアリングコラムロック装置1は、次のものを備えている。
− ステアリングコラム(図示せず)のロック/アンロックを行うようになされている舌片3と、
− 舌片3の移動を制御するためのカム歯車5と、
− モータ9によって制御されて、カム歯車5の回転を制御するようになされている歯車7。
【0013】
カム歯車5、歯車7は、互いに平行なそれぞれの回転軸13、11を有し、同一平面上に配置されている。さらに、これらの回転軸11および13は、舌片3の移動方向31と平行である。
【0014】
モータ9も、カム歯車5と歯車7とによって共通に占められている共通平面上に配置されており、またモータ9の長手方向軸は、この共通平面内に存在している。すなわち、この長手方向軸は、回転軸11および13と実質的に直交している。
【0015】
本発明による電動ステアリングコラムロック装置1は、このような構造を呈しているため、高いコンパクト性を有し、したがって占有空間を節約することができる。
【0016】
モータ9は、その出力軸上に配置されており、歯車7の歯と噛み合っているウォーム歯車15を介して、歯車7を作動させる。歯車7の歯に、カム歯車5が保有している歯を噛み合わされているため、歯車7はカム歯車5を回転運動させる。
【0017】
歯車7の径は、カム歯車5の直径より小さく、またカム歯車5の歯数より少ない歯数しか有していない。したがって、歯車7は、カム歯車5の回転速度およびトルクを調整するための減速ギアとして働く。
【0018】
別の実施形態(図示せず)として、ウォーム歯車15が、歯車7の介在なしに、直接にカム歯車5を駆動し、したがって、カム歯車5は、モータ9によって直接に制御されるという形態があり得る。
【0019】
カム歯車5は、回転軸13に直交する2つの主面のうちの一方に、螺旋状の傾斜面12(図2を参照)を有している。舌片3は、弾性手段27(この例においては、コイルばね)によって、その一部を傾斜面12に押し当てられて、螺旋状の傾斜面12に支えられるように配置されており、案内手段33(この例においては、内部を舌片3が移動する通路を形成している壁)によって、その移動は並進移動に制限されている。螺旋状の傾斜面12によって駆動されて、舌片3が移動する移動方向31は、主たる構成要素であるカム歯車5、歯車7、およびモータ9を含む平面と直交している。
【0020】
カム歯車5が回転すると、舌片3は、螺旋状の傾斜面12に沿って滑り、その結果、モータ9、歯車7、およびカム歯車5を含む平面に直交する方向に並進移動する。この並進移動によって、ステアリングコラムに係合している舌片3は、ステアリングコラムの回転を阻止しているロック位置から、ステアリングコラムが自由に回転することができるアンロック位置に変位する。
【0021】
さらに、螺旋状の傾斜面12は、それぞれに異なる傾斜値を有する複数の傾斜部分(図示せず)を備えている場合がある。各傾斜部分における傾斜値が互いに異なるから、カム歯車5の一定の回転速度における、舌片3の並進移動速度は、傾斜部分ごとに異なる。
【0022】
このような螺旋状の傾斜面12の一例においては、傾斜面12は、舌片3を徐々に移動させる第1低傾斜部分を備えている。第1低傾斜部分に続いて、舌片3をロック位置に急速に移動させるための高傾斜部分、およびステアリングコラムの対応する受け溝の内部に/から舌片3を徐々に滑らせるための第2低傾斜部分が存在する。舌片3は、この受け溝内で、ステアリングコラムをロックするようになっている。
【0023】
モータ9は、例えば基板上にプリントされている電子回路、いわゆるプリント回路板21によって制御される。
【0024】
本発明の電動ステアリングコラムロック装置は、このような構造を呈しているために、プリント回路板21を、カム歯車5および歯車7の上方に配置することができる。図1に示すように、プリント回路板21は、カム歯車5および歯車7のそれぞれの回転軸13および11に直交し、かつカム歯車5および歯車7の中心を通る面を実質的に平行な平面上に配置されている。プリント回路板21は、電動ステアリングコラムロック装置1の側面の1つに配置されている場合もある。
【0025】
プリント回路板21は、この例においては、モータ9、歯車7、およびカム歯車5が存在する側と反対の側に、銅またはその他の金属から成る電流路がプリントされており、さらに電子素子を実装されている平坦な樹脂本体を有している。
【0026】
プリント回路板21は、図示の例においては、上述の主要な構成要素(モータ9、歯車7、およびカム歯車5)が存在する側と反対の側に、特定の命令に基づいてモータ9を駆動するように構成されている電気回路を有している。
【0027】
プリント回路板21と、その下方の主要な構成要素(モータ9、歯車7、およびカム歯車5)との間の空間が、利用可能である場合には、プリント回路板21の他方の側(主要な構成要素が存在する側)に、電気回路の少なくとも一部分が配される場合がある。
【0028】
本発明による電動ステアリングコラムロック装置1は、ロック動作が電子的になされる電動装置である。
【0029】
図1図3に示すように、ハウジングは、2つのハウジング分割体から成る場合がある。モータ9、歯車7、カム歯車5、舌片3、および弾性手段13は、2つのハウジング分割体23aと23bとの間に挟まれて、ハウジング内に収容されている。
【0030】
ステアリングコラムに接するようになっている側のハウジング分割体は、Zamac(登録商標)で作られている場合があり、他方のハウジング分割体は、例えばプラスチック材で作られている場合がある。Zamac(登録商標)は、亜鉛に、合金化元素のアルミニウム、マグネシウムおよび銅を添加した合金である。
【0031】
ハウジングは、1つまたは複数の、ネジなどの固定手段25を受容している。
【0032】
固定手段25は、ハウジング内にプリント回路板21を固定するために用いられる場合がある。
【0033】
固定手段25は、ハウジング分割体23aと23bとを組み付け合わせるときに、それと並行して、またはそれに加えて、ハウジングにプリント回路板21を取り付けるために用いられる場合がある。
【0034】
舌片3は、弾性手段27(例えばばね)と組み合わされている。このばねが圧縮ばねである場合には、弾性手段27は、舌片3の移動方向31に実質的に平行な軸に沿って配置されている。
【0035】
ばねがねじりばねである場合には、このねじの軸は、舌片3の移動方向31に対して直角に配置されている。
【0036】
ハウジングは、1対の案内手段33を有していることが好ましい。
【0037】
これらの案内手段33の内壁は、舌片3に付随している突起(図示せず)を受容するためのリセスを形成している場合がある。このようにすると、舌片3は、ステアリングコラムのロックまたはアンロックのために、移動方向31に沿って移動するときに、案内手段に沿って摺動することができる。
【0038】
舌片3は、単一体から成る場合もあるし、いくつかの舌片分割体、例えば図3に示されているように、連結し合って、同じ運動を行う2つの舌片分割体3aおよび3bから成っている場合もある。一方の舌片分割体3aは、Zamac(登録商標)またはプラスチック材料で作られる場合があり、ステアリングコラムと係合する他方の舌片分割体3bは、堅牢性の確保のために、鋼などの、弾性を有する材料で作られる場合がある。
【0039】
図示の実施形態においては、舌片分割体3aのみが、弾性手段27を受け止めている。
【0040】
舌片3の移動を制御するカム歯車5は、下部に歯が形成されている歯車である場合もあれば、下部に平歯車を嵌め込まれている歯車である場合もある。舌片分割体の1つ、例えば舌片分割体3aは、カム歯車5と組み合って、舌片3の移動の制御を可能にしている。
【0041】
カム歯車5は、回転軸13のまわりに回転可能である。
【0042】
歯車7は、回転軸11のまわりに回転するように構成されている。回転軸13と11とは、実質的に互いに平行である。カム歯車5と歯車7とは、実質的に同一平面上に配置されている。これは、回転軸13および11に実質的に直交する、歯車7の中央平面が、カム歯車5の中央平面と一致しているということを意味する。
【0043】
歯車7は、モータ9の回転を、特定のギア比で、カム歯車5に伝える。
【0044】
カム歯車5は、自身の回転位置を特定するためのアセンブリを備えている。このアセンブリには、通常、複数のN極およびS極を有する磁石8と組み合わされた、ホール効果位置センサなどのセンサ6が備えられている。センサ6の出力を、カム歯車5を駆動するモータの制御のために、有利に用いることができる。
【0045】
センサ6は、磁石の位置、詳細には磁極の位置を検出するのに適している限り、いかなる形状を有していてもよい。センサ6は、モータの運動を制御することができる、プリント回路板21にプリントされている電気回路上に配置されている場合がある。
【0046】
図示の実施形態においては、磁石8は、1組のN極とS極とから成る単一の磁気双極子を形成している。図において、2つの磁極N、Sは、それぞれN極(北極)、S極(南極)を表している。
【0047】
ホール効果位置センサであるセンサ6(プリント回路板21上に配置されていることが好ましい)は、センサ6と磁石8との間の相対回転位置の既知関数である電圧の値を出力する。センサ6は固定されているから、センサ6は、カム歯車5の回転位置を特定することになる。カム歯車5の回転位置の時間経過を特定することによって、カム歯車5の回転速度を導くことができる。回転速度が分かると、カム歯車5の特定の位置に、正確に到達するように、その時点の回転速度に対する制動装置による制動作用を調節することができる。
【0048】
したがって、N極、S極が、回転軸13に直交する方向に分極した磁気双極子が、位置測定器として用いられている。
【0049】
通常、磁石8は、より良いコンパクト性を得ることができるように、カム歯車5の2つの主面のうちの一方上に配置される。したがって、磁石8は、カム歯車5のその主面の形状と相補性を呈し得る、いかなる形状も有することができる。図示のように(図1および図4a〜図4dを参照)、磁石8は、カム歯車5の回転に正確に従って回転することができ、かつ半径方向に突き出た1つまたはいくつかのブレード10を有する、実質的に円盤である。磁石8は、本明細書においては、カム歯車5の回転軸の方向と直交する2つの主面のうちの一方上にある、相補的なハウジング内に挿入されている。カム歯車5は、2つの分割体を有する場合がある。第1の分割体は、磁石8を受容するように構成されており、第2の分割体は、歯車やモータによって制御されるように構成されている。
【0050】
この場合には、カム歯車5の回転速度に応じて、カム歯車5の運動の制動や停止を行うための、例えば電子回路によって制御される制動装置(図示せず)を加えることが可能である。例えばカム歯車5の回転速度が高速になるほど、より速い制動が行われ、カム歯車5の回転速度が低速になるほど、より遅い制動が行われる。
【0051】
本発明の電動ステアリングコラムロック装置によると、次のことが可能であり、正確な角運動検出と、正確な角度位置検出との両方ができるという利点を有している。
− ロック用の舌片の位置を制御して、モータ9による過度の駆動を防ぎ、それによって、起こり得る損傷を防ぐための回転速度検出、
− 電動ステアリングコラムロック装置の臨界安全条件の診断機能を改善するための、より優れた妥当性を有する誤差検出、
− 損傷が生じる前にモータ9を停止させるための、ステアリングコラムの不動化状態の迅速な検出(したがって、モータの過負荷が避けられるために熱負荷が低下し、モータのドライバ回路部品を削減することができる可能性も生じる)、
− モータ9による過度の駆動をもたらす可能性がある、カム歯車5の角度位置の誤想定を避けるための、電圧遮断後においても行われる正確な角度位置検出、および
− センサの故障の高い診断可能性。
【0052】
絶対位置を検出するセンサを用いることの利点は、それによって速度制御が可能になること、リアルタイムで位置を知ることができること、および部品が、大きな応力を受ける可能性のある極端な位置に達する前に、モータを停止させることができることである。
【符号の説明】
【0053】
1 電動ステアリングコラムロック装置
3 舌片
3a、3b 舌片分割体
5 カム歯車
6 センサ
7 歯車
8 磁石
9 モータ
10 ブレード
11、13 回転軸
12 傾斜面
15 ウォーム歯車
21 プリント回路板
23a、23b ハウジング分割体
25 固定手段
27 弾性手段
31 移動方向
33 案内手段
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d