(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6158367
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】フル・スイング・メモリ・アレイを読み出すための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G11C 11/413 20060101AFI20170626BHJP
G11C 11/417 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
G11C11/34 A
G11C11/34 305
G11C11/34 301E
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-6301(P2016-6301)
(22)【出願日】2016年1月15日
(62)【分割の表示】特願2014-158060(P2014-158060)の分割
【原出願日】2006年6月5日
(65)【公開番号】特開2016-119138(P2016-119138A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2016年2月10日
(31)【優先権主張番号】11/152,982
(32)【優先日】2005年6月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】イェスワント・エヌ.・コッラ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・クリストファー・バーダ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・ハーバート・フィッシャー
【審査官】
後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−080553(JP,A)
【文献】
特開平10−188556(JP,A)
【文献】
特開平09−180435(JP,A)
【文献】
特開平04−313892(JP,A)
【文献】
特開平02−230596(JP,A)
【文献】
米国特許第06292401(US,B1)
【文献】
特開2000−48566(JP,A)
【文献】
特開平8−83491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/413
G11C 11/417
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フル・スイング・メモリ・アレイのグローバルビット線を駆動する方法であって、前記方法は、
トライ-ステイト・デバイスを介して、グローバルビット線に連結されたローカルビット線に複数のメモリ素子を連結することと、
複数の読み取りワード線信号のORに応じてグローバル選択信号を生成することと、ここにおいて、前記複数の読み取りワード線信号のうちの1つの読み取りワード線信号は、前記複数のメモリ素子のうちの1つのメモリ素子が前記ローカルビット線上の前記メモリ素子に格納された値を読み取ることができる、
ここにおいて、前記グローバル選択信号は、前記ローカルビット線のプリチャージ期間の前に前記トライ-ステイト・デバイスを無効にし、およびローレベルへの前記ローカルビット線の遷移の後に前記トライ-ステイト・デバイスを有効にして、第1の状態に前記グローバルビット線上の前記値を駆動し、0の値を保持するメモリ素子の連続した読み取りの間、前記グローバルビット線が前記第1の状態を異なる状態に変化させることを防ぐことによって前記第1の状態を維持し、それにより前記グローバルビット線の状態を変化させることに関連付けられた電力消費を低減する、
を備える方法。
【請求項2】
前記グローバルビット線は、前記トライ-ステイト・デバイスが無効である間、前記第1の状態を維持するためにキーパー素子につながれる、請求項1の方法。
【請求項3】
前記生成ステップは、
複数のトランジスタを配列することと、ここにおいて、前記複数のトランジスタの各出力は、前記グローバル選択信号を生成するためにデバイスに連結された共通ノードにおいて終端され、
前記共通ノードの遷移のために、前記複数のトランジスタの1つで読み取り信号を受信することと、
前記読み取り信号を受信することに応じて前記グローバル選択信号を遷移することと
をさらに備える、請求項1の方法。
【請求項4】
前記生成ステップは、
読み取りワード線信号を各々受信する複数のトランジスタを配列することと、ここにおいて、前記複数のトランジスタの各出力は、前記グローバル選択信号を生成するための、ORコンポーネントを作成するために共通ノードにおいて終端され、
前記共通ノードを遷移するために、前記複数のトランジスタのうちの1つにおいて読み取り信号を受信することと、
前記読み取り信号を受信することに応じて、前記グローバル選択信号を遷移することと、
をさらに備える、請求項1の方法。
【請求項5】
前記連結することは、
第2のトライ-ステイト・デバイスを介して、前記グローバルビット線に連結された第2のローカルビット線に第2の複数のメモリ素子を連結することと、
前記第2のローカルビット線のプリチャージ期間の前に前記第2のトライ-ステイト・デバイスを無効にし、およびローレベルへの前記第2のローカルビット線の遷移の後に前記第2のトライ-ステイト・デバイスを有効にするために、第2のグローバル選択信号に前記第2のトライ-ステイト・デバイスを連結すること
をさらに備える、請求項1の方法。
【請求項6】
前記フル・スイング・メモリ・アレイにおいて利用されたトライ-ステイト・デバイスの数は、乗算結果を生成するために、前記フル・スイング・メモリ・アレイの行の数に前記フル・スイング・メモリ・アレイの列の数を乗算し、および前記乗算結果を、前記複数のメモリ素子において前記ローカルビット線に連結されたメモリ素子の数で割ることによって決定される、請求項1の方法。
【請求項7】
フル・スイング・メモリ・アレイのグローバルビット線を駆動する方法であって、前記方法は、
トライ-ステイト・デバイスを介して、グローバルビット線に連結されたローカルビット線に複数のメモリ素子を連結することと、
エンコードされたメモリアドレスから最上位ビットを利用して、グローバル選択信号を生成することと、ここにおいて、前記複数の読み取りワード線信号のうちの1つの読み取りワード線信号は、前記複数のメモリ素子のうちの1つのメモリ素子が前記ローカルビット線上の前記メモリ素子に格納された値を読み取ることができる、
ここにおいて、前記グローバル選択信号は、前記ローカルビット線のプリチャージ期間の前に前記トライ-ステイト・デバイスを無効にし、およびローレベルへの前記ローカルビット線の遷移の後に前記トライ-ステイト・デバイスを有効にして、第1の状態に前記グローバルビット線上の前記値を駆動し、0の値を保持するメモリ素子の連続した読み取りの間、前記グローバルビット線が前記第1の状態を異なる状態に変化させることを防ぐことによって前記第1の状態を維持し、それにより前記グローバルビット線の状態を変化させることに関連付けられた電力消費を低減する、
を備える方法。
【請求項8】
メモリ内に同じ値を有する連続するビットの読み出し時に読み出し電力を削減する方法であって、前記方法は、
第1の読み取りワード線信号および第2の読み取りワード線信号を含む、複数の読み取りワード線信号のORに応じてグローバル選択信号を生成することと、ここにおいて、前記グローバル選択信号は、グローバルビット線に連結されたトライ-ステイト・デバイスを有効にする、
前記第1の読み取りワード線信号に応じてローカルビット線上のメモリから第1ビットの値を読み取ることと、ここにおいて、前記第1ビットの値は、前記グローバル選択信号に応じて前記グローバルビット線上の第1レベルに前記トライ-ステイト・デバイスによって駆動される、
前記第2の読み取りワード線信号に応じて前記ローカルビット線上の前記第1ビットの値と同じ値を有する第2ビットの値を、前記メモリから読み取ることと、ここにおいて、前記第2ビットの値は、前記グローバル選択信号に応じて前記グローバルビット線上の前記第1レベルに前記トライ-ステイト・デバイスによって駆動される、
前記グローバルビット線の状態を変化させることに関連付けられた電力消費を低減するために、前記ローカルビット線のプリチャージ期間の前に前記トライ-ステイト・デバイスを無効にするように前記グローバル選択信号を使用し、前記第1ビットの値を読み取った後と前記第2ビットの値を読み取った後に前記トライ-ステイト・デバイスを有効にするようにグローバル選択信号を使用することによって、前記グローバルビット線を同じ状態で維持するために第2レベルへ遷移することなしに、前記第2ビットの前記読み出しを介して前記第1ビットの値の前記読み出しから前記第1レベルで前記グローバルビット線を維持することと、を備える、方法。
【請求項9】
前記グローバルビット線は、前記トライ-ステイト・デバイスが無効である間、第1の状態を維持するためにキーパー素子につながれる、請求項8の方法。
【請求項10】
前記生成ステップは、
複数のトランジスタを配列することと、ここにおいて、前記複数のトランジスタの各出力は、前記グローバル選択信号を生成するためにデバイスに連結された共通ノードにおいて終端され、
前記複数のトランジスタの1つで前記共通ノードを遷移するために、前記第1の読み取りワード線信号を受信することと、
前記第1の読み取りワード線信号を受信することに応じて、前記グローバル選択信号を生成することと、
をさらに備える、請求項8の方法。
【請求項11】
前記生成ステップは、
読み取りワード線信号を各々受信する複数のトランジスタを配列することと、ここにおいて、前記複数のトランジスタの各出力は、前記グローバル選択信号を生成するための、ORコンポーネントを作成するために共通ノードにおいて終端され、
前記共通ノードの遷移のために、前記複数のトランジスタのうちの1つにおいて前記第1の読み取りワード線信号を受信することと、
前記第1の読み取りワード線信号を受信することに応じて、前記グローバル選択信号を生成することと、
をさらに備える、請求項8の方法。
【請求項12】
前記ローカルビット線に複数のメモリ素子を連結することと、ここにおいて、前記複数のメモリ素子のうちの第1のメモリ素子は、前記ローカルビット線上の前記第1のメモリ素子に格納された前記第1ビットの値を読み取るために、前記第1の読み取りワード線信号に連結されること
をさらに備える、請求項8の方法。
【請求項13】
第2のローカルビット線に第2の複数のメモリ素子を連結することと、
第2のトライ-ステイト・デバイスを介して前記グローバルビット線に前記第2のローカルビット線を連結することと、ここにおいて、第2のグローバル選択信号は、前記グローバルビット線の状態を変化させることに関連付けられた電力消費を低減するために、前記第2のローカルビット線のプリチャージ期間の前に前記第2のトライ-ステイト・デバイスを無効にし、およびローレベルへの前記第2のローカルビット線の遷移の後に前記第2のトライ-ステイト・デバイスを有効にする、
を備える、請求項8の方法。
【請求項14】
フル・スイング・メモリ・アレイにおいて利用されたトライ-ステイト・デバイスの数は、乗算結果を生成するために、前記フル・スイング・メモリ・アレイの行の数に前記フル・スイング・メモリ・アレイの列の数を乗算し、および前記乗算結果を、複数のメモリ素子において前記ローカルビット線に連結されたメモリ素子の数で割ることによって決定される、請求項8の方法。
【請求項15】
メモリ内に同じ値を有する連続するビットの読み出し時に読み出し電力を削減する方法であって、前記方法は、
エンコードされたメモリアドレスの最上位ビットを利用して、グローバル選択信号を生成することと、ここにおいて、前記グローバル選択信号は、グローバルビット線に連結されたトライ-ステイト・デバイスを有効にする、
第1の読み取りワード線信号に応じてローカルビット線上のメモリから第1ビットの値を読み取ることと、ここにおいて、前記第1ビットの値は、前記グローバル選択信号に応じて前記グローバルビット線上の第1レベルに前記トライ-ステイト・デバイスによって駆動される、
第2の読み取りワード線信号に応じて前記ローカルビット線上の前記第1ビットの値と同じ値を有する第2ビットの値を、前記メモリから読み取ることと、ここにおいて、前記第2ビットの値は、前記グローバル選択信号に応じて前記グローバルビット線上の前記第1レベルに前記トライ-ステイト・デバイスによって駆動される、
前記グローバルビット線の状態を変化させることに関連付けられた電力消費を低減するために、前記ローカルビット線のプリチャージ期間の前に前記トライ-ステイト・デバイスを無効にするように前記グローバル選択信号を使用し、前記第1ビットの値を読み取った後と前記第2ビットの値を読み取った後に前記トライ-ステイト・デバイスを有効にするようにグローバル選択信号を使用することによって、前記グローバルビット線を同じ状態で維持するために第2レベルへ遷移することなしに、前記第2ビットの前記読み出しを介して前記第1ビットの値の前記読み出しから前記第1レベルで前記グローバルビット線を維持することと、を備える、方法。
【請求項16】
フル・スイング・メモリ・アレイシステムの読み取り部分であって、前記システムは、
複数のトライ-ステイト・デバイスと、
前記複数のトライ-ステイト・デバイスを介してグローバルビット線に連結される複数のローカルビット線と、
前記複数のトライ-ステイト・デバイスのうちの第1のトライ-ステイト・デバイスを有効にするために複数の読み取りワード線信号のORに応じてグローバル選択信号を生成し、および前記第1のトライ-ステイト・デバイスの出力を駆動するために対応するローカルビット線を選択する手段と、
ロジックの0の値を保持するメモリ素子を連続して読み取る間、前記グローバルビット線のプリチャージおよび放電によって起こる電力消費を低減するために、ローカルビット線のプリチャージ期間の前に、前記グローバル選択信号を無効にすることによって前記第1のトライ-ステイト・デバイスを無効にすることにより、同じ状態で前記グローバルビット線を維持するために、前記グローバルビット線の状態を遷移させず、および前記ローカルビット線をローレベルに遷移させた後に前記グローバル選択信号を有効にすることによって前記第1のトライ-ステイト・デバイスを有効にする手段と
を備えるシステム。
【請求項17】
前記生成し、前記選択する手段は、前記第1のトライ-ステイト・デバイスを有効にするためにグローバル選択信号を生成するためのORコンポーネントを含む、請求項16のシステム。
【請求項18】
前記第1のトライ-ステイト・デバイスは、トライ-ステイトNANDゲートを含む、請求項16のシステム。
【請求項19】
前記第1のトライ-ステイト・デバイスは、トライ-ステイトインバータを備える請求項16のシステム。
【請求項20】
フル・スイング・メモリ・アレイシステムの読み取り部分であって、前記システムは、
複数のトライ-ステイト・デバイスと、
前記複数のトライ-ステイト・デバイスを介してグローバルビット線に連結される複数のローカルビット線と、
前記複数のトライ-ステイト・デバイスのうちの第1のトライ-ステイト・デバイスを有効にするために、前記フル・スイング・メモリ・アレイシステムに提供されたエンコードされたメモリアドレスからの最大値ビットを利用してグローバル選択信号を生成し、および前記第1のトライ-ステイト・デバイスの出力を駆動するために対応するローカルビット線を選択する手段と、
ロジックの0の値を保持するメモリ素子を連続して読み取る間、前記グローバルビット線のプリチャージおよび放電によって起こる電力消費を低減するために、ローカルビット線のプリチャージ期間の前に、前記グローバル選択信号を無効にすることによって前記第1のトライ-ステイト・デバイスを無効にすることにより、同じ状態で前記グローバルビット線を維持するために、前記グローバルビット線の状態を遷移させず、および前記ローカルビット線をローレベルに遷移させた後に前記グローバル選択信号を有効にすることによって前記第1のトライ-ステイト・デバイスを有効にする手段と
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的なフル・スイング・メモリ・アレイの読み出しの改良に係り、特に、フル・スイング・メモリ・アレイにおけるグローバルビット線を静的に動作させるための有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
読み出しビットがメモリ素子に格納される時、フル・スイング・メモリ・アレイは動的なプレチャージおよび解除テクニックを利用する。フル・スイング・メモリ・アレイ内のビット線上で実行された拡散キャパシタンスを最小限にするために、この従来の技術は、典型的に2レベルに分割される。フル・スイング・メモリ・アレイの第1のレベルは記憶素子、パス・トランジスターおよびローカルビット線を含んでいる。記憶素子は2値を格納する。メモリ素子の内容に基づいたローカルビット線を解除するために、パス・トランジスターは読み取りワード線によって起動される。ローカルビット線は、多数の読み取りワード線によって典型的に共有される。読まれたメモリ上の遷移を認識することができるように、ローカルビット線はあらかじめ高くプレチャージされる。ローカルビット線は第2のレベルに入力を供給する。
【0003】
フル・スイング・メモリ・アレイの第2のレベルは典型的には多くのインバータおよび折り畳み式のトランジスタペアを含んでいる。なお、ペアのそれぞれには、1本のローカルビット線により入力が供給される。折り畳み式のトランジスタは、ダイナミックにあらかじめ強烈なグローバルなビット線へ接続する。メモリ素子に格納された0の値を認識するためにアースするためにローカルビット線及びグローバルビット線を引く必要があるので、このメモリアレイはフル・スイングと名付けられる。メモリ素子から連続する0の値を読む場合、従来のフル・スイング・メモリ・アレイはローカルビット線及びグローバルビット線の前充放電を要求する。読み取りワード線信号が主張される前に、あらかじめローカルビット線及びグローバルビット線のプレチャージングは生じるに違いない。0の値が第2のレベルによって広められるとともに、放出が生じる。このように、連続する0の値がグローバルなビット線より広められる場合、電力は、読み出しの間、ローカルビット線及びグローバルビット線の前充放電によって消費される。
【0004】
従来のフル・スイング・メモリ・アレイの中で、更に、保持回路、あるいは動的及び静的な変換装置は、アウトプットがグローバルビット線の評価された値を保持することを保証するためにグローバルなビット線のアウトプットに典型的に加えられる。この補足回路類は、メモリアレイが配置されるシリコン基盤を消費する。
【発明の概要】
【0005】
そのそれぞれの態様の中で、本発明は、0の値を保持するメモリ素子を連続して読み出す間に、従来のフル・スイング・メモリ・アレイ中のグローバルなビット線の前充放電によって外乱が引き起こされ電力消費の問題を認識する。この目的のために、本発明の実施形態は静的なグローバルビット線の切り替えを含んでいる。そのような技術は、0の値を連続して読み出す間における消費電力を低減し、またその方法で実行し、出力において必要とする保持回路または動的及び静止型変換回路を削除する。
【0006】
1つの実施形態では、グローバルなビット線を実現する方法が示される。方法は、複数のトライ-ステイト・デバイスを介してグローバルビット線に複数のローカルビット線を結合するステップを含んでいる。方法は、複数のトライ-ステイト・デバイスのうちの1つを有効にするためのグローバル選択信号を生成し、有効なトライ-ステイト・デバイスの出力を駆動すべく該当するローカルビット線を選択するステップをさらに含んでいる。このように、グローバルビット線の遷移状態時に、グローバルビット線から読み出される同じ値を有するビットの連続読み出しが帰着しないようにグローバルビット線は静的に駆動される。
【0007】
発明のさらなる特徴および利点と同様に本発明についてのより完全な理解も、次の詳述および添付の図面から明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、発明の実施形態が有利に使用されてもよい典型的な無線通信システムを示す。
【
図2】
図2は、この発明の一実施形態に従うフル・スイング・メモリ・アレイシステムの読み取り部分の回線図である。
【
図3】
図3は、この発明の実施形態に従う
図2のグローバルビット線の静止の性質を例証するタイミング・ブロック図である。
【
図4】
図4は、
図2で示される1つの適切なトライ-ステイト・デバイスのための詳細を例証する。
【
図5】
図5は、この発明の実施形態に従う
図2で示されるフル・スイング・メモリ・アレイシステムの読み取り部分の他の実施形態である。
【
図6】
図6は、
図5で使用するにふさわしいトライ-ステイト・デバイスの詳細を例証する。
【
図7】
図7は、この発明のさらなる実施形態に従うグローバル選択信号を生成するための代替の典型的な配置を例証する。
【
図8】
図8は、この発明の実施形態に従う静的にグローバルビット線を切り替える方法を例証するフローチャートである。
【
図9】
図9は、この発明の実施形態に従うメモリ内のグローバルビット線上で同じ値を持っているビットを連続的に読む場合に、電力を削減する方法を例証するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、添付の図面(発明のいくつかの実施形態はその中で示される)に関して今より完全に記述されるだろう。しかしながら、ここに述べられた実施形態に限られたように、この発明は様々なフォームで具体化され解釈されるべきでない。もっと正確に言えば、この開示が完全になり完成するように、これらの実施形態は提供され、技術に熟練している人々に完全に発明の範囲を伝えるだろう。
【0010】
図1は、発明の実施形態が有利に使用される典型的な無線通信システム100を示す。図の目的のために
図1は、3つの遠隔ユニット120、130、150および2つの基地局140を示す。典型的な無線通信システムがさらに多くの遠隔ユニットおよび基地局を持っていてもよいことが認識される。遠隔ユニット120、130および150は改善されたフル・スイング・メモリ・アレイ125A、125Bおよび125Cをそれぞれ含んでいる。それはさらに下に議論されるような発明の実施形態である。
図1は、基地局140から遠隔ユニット12,13,15へ転送されるリンク信号180、及び遠隔ユニット12,13,15から基地局140への逆リンク信号190を示している。
【0011】
図1において、遠隔ユニット120は移動電話機として示され、遠隔ユニット130はポータブルコンピュータとして示される。また、遠隔ユニット150はワイヤレスローカルループシステムで固定ロケーション遠隔ユニットとして示される。例えば、遠隔ユニットは、携帯電話、携帯型のパーソナルコミュニケーション・システム(PCS)ユニット、個人のデータ助手のようなポータブルデータ・ユニットあるいはメータ指示量機器のような固定ロケーションデータ・ユニットであってもよい。
図1は、発明の指示に従って遠隔ユニットを例に示すが、その発明はこれら図示のユニットに制限されていない。その発明は、フル・スイング・メモリ・アレイを含んでいるあらゆるデバイスの中で適切に使用されてもよい。
【0012】
図2は、発明の実施形態に従ってフル・スイング・メモリ・アレイシステム200の読み取り部分の回線図である。フル・スイング・メモリ・アレイシステム200の読み取り部分は、読み取りワード線ドライバ210A−210B、分配された動的なORコンポーネント220、および発明の教えによって修正済のフル・スイング・メモリ・アレイ230のオプションのセットを含んでいる。読み取りワード線ドライバ210A−210Bのセットは動的なlowを受信して、十分にデコードし、ワード線信号を読み出し、それぞれ分配された動的なORコンポーネント220及びフル・スイング・メモリ・アレイ230を結合する。分配された動的なORコンポーネント220は十分にフル・スイング・メモリ・アレイ230を連結する。読み取りワード線信号が動的なhighである場合、読み取りワード線ドライバ210A−210Bのセットは任意である。
【0013】
単純化のために、読み取りワード線ドライバ210Aのセットおよび分配された動的なOR成分220のみは、詳細にここで記述される。読み取りワード線ドライバ210Aのセットは、インバータ215のようなインバータを8個備えている。インバータ215は、例えば読み取りワード線信号205を受信する。読み取りワード線信号205は反転され、分配された動的なORコンポーネント220およびフル・スイング・メモリ・アレイ230へ伝達される。分配されたORコンポーネント220は、プルダウントランジスタ222のようなプルダウントランジスタを16個備えている。これらプルダウントランジスタ222のうちの8個は共通ノード227Aへの出力を終端し、他の8個のプルダウントランジスタ222は共通ノード227B及び4個のプルアップトランジスタ226A、226B、224Aおよび224Bに連結され、これら出力を有する。プルアップトランジスタ226A,224Aの出力は、共通ノード227Aへ終端される。プルアップトランジスタ226B,224Bの出力は、共通ノード227Bへ終端される。分配された動的なORコンポーネント220はさらにNANDゲート228を備えている。NANDゲート228はキーパートランジスタ224A,224Bに並列に接続される。共通ノード227A,227BはNANDゲート228に連結される。NANDゲート228は、グローバル選択線250上に出力するグローバル選択信号を生成する。
【0014】
分配された動的なORコンポーネント220は、プルアップトランジスタ226Aを介して共通ノード227Aをプリチャージするべく動的lowプリチャージパルス223を入力として受信する。一旦共通ノード227Aはプリチャージされ、信号223はhighに遷移し、キーパートランジスタ224Aは共通ノード227Aをロジック1に維持し、これにより動的なロジック0への遷移は認識される。
【0015】
一方、共通ノード227A,227Bは、
図5の接続に記載される他の実施形態に示すとして、NANDゲート228をインバータに置き換えることにより分離される。しかしながら、
図5の実施形態を議論するときに認識されることとして、NANDゲート228を介して共通ノード227A,227Bを結合することにより、グローバル選択線の数は、半分に減らされる。グローバル選択線の数をさらに減らすために2以上の分配された動的ORコンポーネントを結合することは、本発明の技術により熟慮され、他のロジック構成はこれら技術で得られる同じ結果に近付けるように組み合わせることができることは認識される。
【0016】
図2中で例証されるように互いにインラインの共通ノード227A,227Bを配置するために、シリコンの中で複合の動的なORコンポーネント220のような多数の動的なORコンポーネントが製造されてもよいことが注目されるべきである。一つのルーティングチャネルは、ルーティングチャネルの全体の数を効果的に減らす一致したパスに沿ってエッチングされる。
【0017】
フル・スイング・メモリ・アレイ230は、RAM素子235のような多くのランダムアクセスメモリ(RAM)素子を含んでいる。RAM素子の列はそれぞれ同じ読み取りワード線につながれる。RAM素子列のRAM素子は異なる読み取りワード線に接続される。
図2で図示されたとして、8個のRAM素子のサブ列は、ローカルビット線240Aを終端する。同様に、8個のRAM素子の第2サブ列は読み取りワード線の異なるセットにつながれ、ローカルビット線240Bを終端する。
【0018】
フル・スイング・メモリ・アレイ230は、さらにプルアップトランジスタ245のような多くのプルアップトランジスタ、トライ-ステイトNANDゲート255のような多くのトライ-ステイト・デバイスおよび付加的なキーパー素子260を備えている。プルアップトランジスタ245は、ローカルビット線をプレチャージするべく動的なlowローカルビット線プレチャージ・パルス243を受信する。プレチャージ時に、ロジック0がRAM素子から読み出されるまで、プルアップトランジスタ245はローカルビット線240Aをロジック1に維持する。トライ-ステイト・デバイスは、グローバルビット線253へ出力を伝達する。トライ-ステイト・デバイスは、ローカルビット線240A,240Bのような2本のローカルビット線からの入力を受信する。適切な読み取りワード線が活性化される場合、ローカルビット線は、読まれたRAM素子のコンテンツを伝達する。トライ-ステイト・デバイスはそれぞれのグローバル選択信号によって有効となる。例えば、トライ-ステイトNANDゲート255は、適切にグローバル選択信号250によって有効となる。
【0019】
発明の教えによるフル・スイング・メモリ・アレイ中で利用されたトライ-ステイト・デバイスの数は、フル・スイング記憶容量、およびトライ-ステイト・デバイスを終端するRAM素子の数に応じて変わる。一般に、トライ-ステイト・デバイスの総数n
tは以下のように表現されてもよい。
【数1】
【0020】
Rがフル・スイング・メモリ・アレイの行の数である場合、Cはフル・スイング・メモリ・アレイの列の数である。また、b
rは、トライ-ステイト・デバイスを終端したRAM素子の数である。例えば、32x32フル・スイング・メモリ・アレイシステムのトライ-ステイト・NANDゲートの実施形態では、n
tは、合計64個のトライ-ステイトNANDデバイスに対しトライ-ステイトNANDゲートごとに32行と32列とを乗算して16個のRAM素子で割られた値と等しい。64x32フル・スイング・メモリ・アレイ構造については、128個のトライ-ステイトNANDデバイスが利用されるだろう。特殊な列で実現されるトライ-ステイトNANDデバイスの数n
cは、以下のように表現される:
【数2】
【0021】
付随的に、n
cは、さらにシステムで実現されるグローバル選択線の数と等しい。
【0022】
図2に示された64x32構造を仮定して、フル・スイング・メモリ・アレイ230は、64本の読み取り線を含むであろう。64本の読み取り線において、読み取りワード線ドライバのセットはそれぞれ8本の読み取りワード線につなぐべく8個のインバータを持っており、8本のワード線の合計8セットが動作する。2セットのワード線ドライバは、対応する動的なORコンポーネントを接続し、32個のRAM素子を16行分つなぐ。このORコンポーネントは、合計16個のプルダウントランジスタを有する。ローカルビット線は8個のRAM素子を連結するだろう。フル・スイング・メモリ・アレイ230の各列はそれぞれ8本のローカルビット線を備え、合計256本のローカルビット線を備える。フル・スイング・メモリ・アレイ230の各列はさらに合計32本のグローバルビット線に対し1本のグローバルビット線を含む。32本のグローバルビット線において、各グローバルビット線は4個のトライ-ステイトNANDゲートを介して8本のローカルビット線を連結する。フル・スイング・メモリシステムの異なるサイズ構造は、発明の実施形態を制限せずに支援されることに注目されるべきである。
【0023】
メモリの行を読むとき、1つの読み取りワード線信号は読み取りワード線信号205のように主張される。例の方法によると、インバータ215は読み取りワード線信号205を反転し、反転信号225を伝達する。反転信号225は、プルダウントランジスタ222をhighで動作させ、RAM素子235を含む該当する行のRAM素子を読み出すための信号である。共通ノード227Aはプルアップトランジスタ226Aを介して初期時にプレチャージされたと仮定すると、プルダウントランジスタ222は例えば共通ノード227Aをグランドまたはロジック0に落とすように動作される。たった1本の読み取りワード線が瞬間に動作すると仮定すると、共通ノード227Bはロジック1に保持され、NANDゲート228はトライ-ステイトNANDゲート255を有効にするべく共通ノード227Aからのロジック0をロジック1にする。
【0024】
同時に、RAM素子235の内容はローカルビット線240A上に伝達される。RAM素子235の内容がロジック0である場合、プルアップトランジスタ245がプレチャージ信号243によってローカルビット線240Aをプレチャージしたと仮定して、ローカルビット線はロジック0に放出される。その後、有効なトライ-ステイトNANDゲート255は、ローカルビット線240Aからのロジック0をグローバルビット線253上のロジック1へ伝達する。キーパー素子260のインバータは、ロジック1をロジック0に反転し、アウトプット265へロジック0を伝達する。グローバルビット線253を実現するべく受信された次の読み取り信号がロジック0を含むRAM素子を読み出すことにより得られる場合、グローバルビット線253は遷移することなく、また電力消費を抑えることなしに、ロジック1を維持する。フル・スイング・メモリ・アレイシステム200の読み取り部分の動作は、
図3の議論で一層に詳細に記述されるだろう。
【0025】
図3は、この発明の実施形態に従い
図2のグローバルビット線253のようなグローバルなビット線の静止の性質を例証するタイミング・ブロック
図300である。タイミング・ブロック
図300は、読み取りワード線信号225、ローカルビット線(LBL)プレチャージ信号243、LBL 240A、グローバル選択線250上のグローバル選択信号およびグローバルビット線(GBL)253上の信号を含む5つの信号を例証する。
【0026】
例によると、
図3は
図2と合わせて記述されるだろう。2つのロジック0はフル・スイング・メモリ230から連続的に読まれる。最初に、プルアップトランジスタ245は、完全に、時間305でローカルビット線240をロジック1へプレチャージする。同様に、プルアップトランジスタ226A,226Bは、完全に、共通ノード227A,227Bをロジック1へプレチャージする。読み取りワード線225は、今、2つの同時に起こり得る時間310を定義される。最初に、共通ノード227Aはプルダウントランジスタ222を介して放出することによりロジック0を得る。次に、ロジック0と仮定されるRAM素子235の内容はLBL 240Aを放出することによりロジック0として読み出される。
【0027】
最初の発生に返って、NANDゲート228は入力として共通ノード227Aからロジック0を受信し、また、共通ノード227Bが放出されていないので、それはロジック1にとどまる。したがって、時間315で、LBL 240Aが時間312で評価された後、グローバル選択信号250はトライ-ステイトNANDゲート255が有効となるように動作する。
【0028】
今、トライ-ステイトNANDゲート255は有効となり、入力としてローカルビット線240Aに関するロジック0を受信する。また、ワード線ドライバ・セット210Bに対応する読み取りワード線が動作していないので、ローカルビット線240Bはロジック1を維持する。従って、時間320で、グローバルビット線253はロジック1へ遷移し、RAMデータ出力265は該当するRAM素子235の内容をロジック0へ遷移する。
【0029】
時間321で、ローカルビット線プレチャージ信号243が時間322で有効となる前に、グローバルビット線選択信号250は無効になる。時間323で、ローカルビット線240Aは、プルアップトランジスタ245を介してプレチャージし、次の動作中の読み取りワード線信号のためにあらかじめロジック1に設定して完了する。時間325で、2つの同時発生に再び帰着する後の読み取りワード線信号は動作される。最初に、共通ノード227Aはロジック0となる。次に、ロジック0を維持したRAM素子235の内容は、プルアップトランジスタ245を放出し、時間330でLBL 240Aをロジック0へ移行させて読まれる。
【0030】
最初の発生に戻って、プルアップトランジスタ226Bが共通ノード227Bからのロジック1を放出していないので、NANDゲート228は入力として共通ノード227Aからロジック0を受信する。したがって、時間333で、グローバル選択信号250はトライ-ステイトNANDゲート255を有効にするように動作させる。NANDゲート255の出力はロジック1で維持される。したがって、グローバルビット線253は、値読み取りが0である同じグローバルビット線以上の連続する読み取りの間の保存する電力にどれが帰着するかが、時間320で行ったように移行せずに、ロジック1で残る。グローバルビット線253のこの行為は静止の行為と呼ばれる。対照的に、従来のグローバルビット線のようなローカルビット線240Aは、遷移し、前充電および前の読み取りデータにかかわらずローカルビット線キャパシタンスを放出することより動的に読まれた。
【0031】
上記の例は、同じRAM素子からの連続2つの読み取りのコンテキストに記述されたが、グローバルビット線253は、同じデータを持つRAM素子の連続する読み出しのためにhighを維持する。グローバルビット線253は、同じグローバルビット線で接続されたトライ-ステイトNANDゲートを終端する。
【0032】
図4は、
図2に示されるトライ-ステイトNANDゲート255の1つの適切な実施形態の詳細を例証する。トライ-ステイトNANDゲート255はインバータ405、ORゲート410、NANDゲート420、ANDゲート430、プルアップトランジスタ440を含む出力トランジスタスタック、プルダウントランジスタ450を備えている。上述されるように、NANDゲート255は入力としてグローバル選択信号250およびローカルビット線240A,240Bを受信し、グローバルビット線253上のその出力を生成する。グローバルビット線253は、プルアップトランジスタ440及びプルダウントランジスタ450を接続する。
【0033】
プルアップトランジスタ440はNANDゲート420の出力をつなぐ。NANDゲート420は、ORゲート410の出力及びグローバル選択信号をつなぐ。ORゲート410はインバータ405につながれる。インバータ405は、ローカルビット線240A,240Bへつながれる。
【0034】
プルダウントランジスタ450は、ANDゲート430の出力をつなぐ。ANDゲート430は、グローバル選択線250及びローカルビット線240A,240Bをつなぐ。ローカルビット線240Aあるいは240Bのいずれかがロジック0であり、グローバルセレクト信号250がロジック1である場合、グローバルビット線253はロジック1である。ローカルビット線240A,240Bおよびグローバル選択信号250がロジック1である場合、グローバルビット線253はロジック0である。NANDゲート255へ入力された値の他のコンビネーションでは、グローバルビット線253の値は、グローバルビット線253につながれる有効なNANDゲートによって決定されるだろう。グローバルビット線253につながれたNANDゲートのどれも有効にならなければ、グローバルビット線253はキーパー素子260により読まれた最終値を維持するだろう。
【0035】
2つのトランジスタを含むアウトプット・スタックの利用によって、トランジスタの物理的なディメンションは、2つの出力トランジスタを持って、従来のアウトプットが積み重ねるより与えられたグローバルビット線より負荷が小さい。そのような利点は、トライ-ステイト・デバイスの出力トランジスタによりグローバルビット線上の足跡サイズおよび自己容量を縮小する。
【0036】
図5は、この発明の別の実施形態に従うフル・スイング・メモリ・アレイシステム200の読み取り部分の他の実施形態である。フル・スイング・メモリ・アレイシステム500の読み取り部分は、読み取りワード線ドライバ510、動的なORコンポーネント520、および発明の教えによって修正済のフル・スイング・メモリ・アレイ530を含んでいる。読み取りワード線ドライバ510は、動的なORコンポーネント520およびフル・スイング・メモリ・アレイ530の両方につながれる。動的なORコンポーネント520はグローバル選択線550を介してフル・スイング・メモリ・アレイ530を連結する。
【0037】
フル・スイング・メモリ・アレイシステム500は、ワード線ドライバ510の1つのセットが動的なORコンポーネント520に入力を供給する点で、フル・スイング・メモリ・アレイシステム200と異なる。1本のローカルビット線540は、トライ-ステイトインバータ555を介してグローバルビット線553へ連結される。また、グローバル選択線550のような個別のグローバル選択線は、個々のローカルビット線のために使用される。フル・スイング・メモリ・アレイシステム500の動作はフル・スイング・メモリ・アレイシステム200に似ている。参照符号が
図5中の機能に対応して変更される場合、
図3のタイミング図の議論が
図5に当てはまる。
【0038】
図6は、
図5に示されるトライ-ステイトインバータ555として用いるためにふさわしいトライ-ステイト・デバイスの詳細を例証する。トライ-ステイトインバータ555はインバータ605、NANDゲート620、ANDゲート630、プルアップトランジスタ640、プルダウントランジスタ650を備えている。トライ-ステイト・インバータゲート555は入力としてグローバル選択信号550およびローカルビット線540を受信し、グローバルビット線553上への出力を生成する。グローバルビット線553はプルアップトランジスタ640およびプルダウントランジスタ650を連結する。
【0039】
プルアップトランジスタ640はNANDゲート620を連結する。NANDゲート620は、インバータ605の出力及びグローバル選択信号550を連結する。インバータ605はローカルビット線540を連結する。プルダウントランジスタ650は、ANDゲート630の出力を連結する。ANDゲート630は、グローバル選択信号550及びローカルビット線540を連結する。
【0040】
ローカルビット線540がロジック0であり、グローバル選択信号550がロジック1である場合、グローバルビット線553はロジック1である。ローカルビット線540およびグローバル選択信号550がロジック1である場合、グローバルビット線553はロジック0である。値の他の組み合わせがトライ-ステイトインバータ555に入力されるとき、グローバルビット線553の値は、トライ-ステイトインバータ555のような有効なトライ-ステイトインバータによって決定されるだろう。それはさらにグローバルビット線553につながれる。グローバルなビット線553につながれたトライ-ステイトインバータのどれも有効にならなければ、グローバルビット線553はキーパー素子560により読まれた最終値を維持するだろう。
【0041】
図7は、発明の実施形態に従うグローバル選択信号を生成するために代替の典型的な配置を例証する。他の実施形態は、デコードされたアドレス及び
図2及び
図5の動的なORコンポーネントではなくエンコードされたメモリアドレスの使用により、グローバル選択信号を生成するために使用されてもよい。
図7に示される典型的な実施形態は、32x32フル・スイング・メモリ・アレイシステム700の読み取り部分を例証する。システム700は5x32デコーダ705、ワード線ドライバ710のような読み取りワード線ドライバのセット、および発明の教えによって修正済の32x32フル・スイング・メモリ・アレイ730を含んでいる。
【0042】
5x32デコーダは、読み取りワード線ドライバのセットを連結する。図の単純化のために、ワード線ドライバ710の1つのセットだけが
図7に示される。読み取りワード線ドライバのセットはフル・スイング・メモリ・アレイ730730を連結する。5x32デコーダは、エンコードされたメモリアドレス、S5−S1ビットを受信する。最上位ビットS5は、例えばグローバル選択線750A上にグローバル選択信号を生成するべくインバータ720を介してトライ-ステイトNANDゲート755につながれる。示されなかったが、グローバル選択線750Aも、単一の読み取りワード線が駆動される場合に、32ビットのワード全体を伝達するために32ビット列のうち、他の31ビットに対応するトライ-ステイトNANDゲートにつながれる。トライ-ステイトNANDゲート755は2本のローカルビット線を連結する。2本のローカルビット線はそれぞれ8個のRAM素子を支援する。そのため、グローバル選択線750Aは、より低いオーダーS5=0、メモリの16列を支援するトライ-ステイトNANDゲートを有効にする。
【0043】
最上位ビットS5は、トライ-ステイトNANDゲート758に直接つながれる。トライ-ステイトNANDゲート758もグローバル選択線750Bにつながれる。グローバル選択線750Bもトライ-ステイトNANDゲートにつながれることも注目すべきである。示されないが、トライ-ステイトNANDゲートは、32ビット列のうちの他の31ビットに一致する。そのため、グローバル選択線750Bは、より高いオーダーS5=1、メモリの16列を支援するトライ-ステイトNANDゲートを有効にする。
【0044】
グローバル選択信号を生成するためにエンコードされたアドレス・ビットの他のロジックの組み合わせが、本発明によって熟考され、異なるフル・スイング・メモリ・アレイ構造によって異なってもよいことが注目されるべきである。例えば、64x32フル・スイング・メモリ・アレイは6x64デコーダを利用するだろう。
図2のようなトライ-ステイトNANDゲートの実施形態を利用する場合、6x64デコーダの6つのエンコードされたアドレス・ビットの2つの最上位ビットは、全てのトライ-ステイトNANDゲートを駆動するために使用されるだろう。一般に、トライ-ステイトNANDゲートを制御するために必要とされる最上位アドレス・ビットの数、nは下記の表現によって決定される。
【数3】
【0045】
Rはフル・スイング・メモリ・アレイの行の数、brはトライ-ステイト・デバイスによってサービスされたRAM素子の数である。例えば、64x32フル・スイング・メモリ・アレイシステムのトライ-ステイトNANDゲートの実施形態では、nはlog2(トライ-ステイトNANDゲートごとに64行/16個のRAM素子)と等しいだろう。それは2ビットである。64x32フル・スイング・メモリ・アレイシステムのトライ-ステイトインバータの実施形態によると、nはlog2(トライ-ステイト・インバータゲート当たり64行/8個のRAM素子)と等しいだろう。それは3ビットである。
【0046】
図8は、この発明の実施形態に従う静的にグローバルビット線を切り替える方法800を例証するフローチャートである。ステップ810で、複数のローカルビット線は複数のトライ-ステイト・デバイスを介してグローバルビット線につながれる。
図2において、例えば、2本のローカルビット線がグローバルビット線へトライ-ステイトNANDゲートによって連結される。
図5において、例えば、1本のローカルビット線がグローバルビット線へトライ-ステイトインバータを介して連結される。ステップ820で、グローバル選択信号は複数のトライ-ステイト・デバイスのうちの1つを有効にするために生成される。
図2において、例えば2セットのワード線ドライバからの1本の読み取りワード線が動作される場合、トライ-ステイトNANDゲートのためのグローバルセレクト信号が生成される。
図5において、例えば読み取りワード線の対応するセットのうちの1つが動作される場合、トライ-ステイトインバータのためのグローバル選択信号が生成される。
【0047】
ステップ830で、該当するローカルビット線は有効なトライ-ステイト・デバイスの出力を駆動させるために選択されている。
図2の実施形態において、トライ-ステイトNANDは記述されるような動的なローカルビット線を伝達する。
図5の実施形態において、トライ-ステイトインバータは記述されるような対応するローカルビット線を伝達する。
【0048】
図9は、この発明の実施形態に従うメモリ内のグローバルビット線上に同じ値を持つビットを連続的に読む場合に、電力を削減する方法を例証するフローチャートである。ステップ910で、グローバル選択信号はグローバルビット線を第1レベルへ遷移するべく生成される。
図3の時間315を参照すると、例えば、ローカルビット線240Aが時間312で評価した後、グローバル選択信号250はトライ-ステイトNANDゲート255を有効にするべく動的なhighレベルへ遷移する。ステップ920で、第1ビットはメモリから読まれる。
図3の時間320を参照すると、例えば、NANDゲート255が評価した後、グローバルビット線253は高い値へ遷移する。ステップ930で、メモリから第2ビットは読まれる。第2ビットの値は、読まれた第1ビットと同じ値である。
図3の時間333を参照すると、例えば、グローバル選択信号250は再びトライ-ステイトNANDゲート255を有効にするために動的なhighレベルへ遷移する。ステップ940で、グローバルビット線は遷移せずに、第2ビットの読み出しの間、第1レベルに維持される。
図3の時間333を参照すると、例えば、グローバルビット線253は時間320と同じレベルにとどまる。
【0049】
発明が多くの実施形態の背景に示されている間に、上記の議論、および下に続く請求項と一致する技術における通常の熟練の人によって種々様々のインプリメンテーションが使用されてもよいことが認識されるだろう。