特許第6158439号(P6158439)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6158439互いから空間的にずらして配置されたフィルタを有するプラントにおける洗浄処理の検出
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6158439
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】互いから空間的にずらして配置されたフィルタを有するプラントにおける洗浄処理の検出
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/42 20060101AFI20170626BHJP
【FI】
   B01D46/42 C
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-526531(P2016-526531)
(86)(22)【出願日】2014年7月9日
(65)【公表番号】特表2016-525010(P2016-525010A)
(43)【公表日】2016年8月22日
(86)【国際出願番号】EP2014064678
(87)【国際公開番号】WO2015007583
(87)【国際公開日】20150122
【審査請求日】2016年4月20日
(31)【優先権主張番号】13176818.6
(32)【優先日】2013年7月17日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515153152
【氏名又は名称】プライメタルズ・テクノロジーズ・オーストリア・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・レホーファー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・ローローファー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ヴァインツィンガー
(72)【発明者】
【氏名】フランツ・ハートル
(72)【発明者】
【氏名】パウル・フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ケウシュ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・キューハス
(72)【発明者】
【氏名】アクセル・リーゼ
【審査官】 宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−260019(JP,A)
【文献】 実開平01−173659(JP,U)
【文献】 特開昭56−003371(JP,A)
【文献】 特表平09−502391(JP,A)
【文献】 特開2002−257623(JP,A)
【文献】 特開平11−117875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/42
B01D 46/04
G01N 15/08
G21F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いから空間的にずらして配置されたフィルタ(1、31)を有するプラントにおける洗浄処理を検出するための方法であって、
固体粒子(20)を含有する第1のガス(21)が、第1の流れ方向(10)で前記フィルタ(1、31)を通じて供給でき、前記フィルタ(1、31)を用いて濾過でき、
前記フィルタ(1、31)を洗浄する目的のために、第2のガス(22)が、前記フィルタ(1、31)を通じて、前記第1の流れの方向(10)と反対の流れの方向(11)で供給できる方法において、
前記フィルタ(1、31)の洗浄の間に生じる、関連した騒音(12)が、互いから空間的にずらして配置された、空気音を拾うための音響センサ(2、32、2'、32'、42)を用いて捕捉され、
前記フィルタ(1、31)の洗浄が、前記音響センサ(2、32、2'、32'、42)のうちの少なくとも2つを用いた前記騒音(12)の捕捉によって検出され、
前記音響センサ(2、32、2'、32'、42)のうちの少なくとも2つに関して、前記騒音(12)の到達についての関連した時点を比較することで、少なくとも1つの差分間隔が決定され、
決定された前記差分間隔が、保存されている関連した差分間隔と比較されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記フィルタ(1、31)の洗浄が、前記関連した騒音(12)が前記音響センサ(2、32、2'、32'、42)のうちの少なくとも2つの各々に到達する時点の比較によって検出されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記騒音(12)を検出した音響センサ(2、32、2'、32'、42)における前記騒音(12)の到達に関する前記関連した時点を決定する目的のために、最大騒音振幅の時点が決定されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
捕捉された前記関連した騒音(12)が、フーリエ変換を用いて分析されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
所定周波数範囲内で、捕捉された前記騒音(12)のエネルギーが第1の所定値を上回るか下回る場合、第1のメッセージが作成されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第2の所定周波数範囲内で捕捉された前記騒音(12)のエネルギーの、前記第2の所定周波数範囲外で捕捉された前記騒音(12)のエネルギーに対する割合が第2の所定値を上回るか下回る場合、適用可能な場合は、第2のメッセージが作成されることを特徴とする請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
捕捉された前記関連した騒音(12)が、高域フィルタを用いてフィルタリングされることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記音響センサ(2、32、2'、32'、42)のうちの一部の音響センサ(2'、32')が内部に配置され、且つ関連した弁(5)が内部に配置できる音包囲体(14)が設けられ、前記関連した弁(5)を用いて、前記第2のガス(22)が、前記フィルタ(1、31)を通じて前記第1の流れ方向と反対の流れの方向(11)において供給され得ることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記音響センサ(2、32、2'、32'、42)がセンサ信号を作り出し、
前記センサ信号がコンピュータ装置(3)へと通信され、
前記コンピュータ装置(3)が、基準センサ信号との前記センサ信号の比較を用いて、前記少なくとも1つのフィルタ(1、31)についての状況、および/または、前記少なくとも1つの弁(5)についての状況を、決定することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
互いから空間的にずらして配置されたフィルタ(1、31)を有するプラントにおける洗浄処理の検出のためのシステムであって、
固体粒子(20)を含有する第1のガス(21)が、第1の流れ方向(10)で前記フィルタ(1、31)を通じて供給でき、前記フィルタ(1、31)を用いて濾過でき、
前記フィルタ(1、31)を洗浄する目的のために、第2のガス(22)が、前記フィルタ(1、31)を通じて、前記第1の流れの方向と反対の流れの方向(11)で供給できるシステムにおいて、
前記システムが、
互いから空間的にずらして配置された空気音を拾うための音響センサ(2、32、2'、32'、42)であって、前記音響センサを用いて、前記フィルタ(1、31)の洗浄の間に生じる関連する騒音(12)を捕捉することが可能である音響センサ(2、32、2'、32'、42)と、
コンピュータ装置(3)であって、前記コンピュータ装置を用いて、前記音響センサ(2、32、2'、32'、42)のうちの少なくとも2つを用いた前記騒音(12)の捕捉によって前記フィルタ(1、31)の洗浄を検出することが可能であり、前記音響センサ(2、32、2'、32'、42)のうちの少なくとも2つに関して、前記騒音(12)の到達についての関連した時点を比較することで、少なくとも1つの差分間隔が決定される、コンピュータ装置(3)と、
を備え、
決定された前記差分間隔が、保存されている関連した差分間隔と比較されることを特徴とするシステム。
【請求項11】
前記システムが、前記音響センサ(2、32、2'、32'、42)のうちの一部の音響センサ(2'、32')が内部に配置され、関連する弁(5)が配置内部にできる音包囲体(14)を備え、前記関連する弁(5)を用いて、前記第2のガス(22)が、前記フィルタ(1、31)を通じて前記第1の流れ方向と反対の流れの方向(11)において供給され得ることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
固体物質(20)の粒子を含有する第1のガス(21)を濾過するためのプラントであって、
互いから空間的にずらして配置され、前記第1のガス(21)が供給され得るように通され、且つ前記第1のガス(21)が濾過され得るように用いられるフィルタ(1、31)であって、前記フィルタ(1、31)を洗浄する目的のために、前記第1のガス(21)が前記フィルタ(1、31)を通じて流れの方向(11)で供給できる、フィルタ(1、31)と、
請求項10または11に記載のシステムと、
を有することを特徴とするプラント。
【請求項13】
前記プラントが、前記音包囲体(14)に配置される関連した弁(5)を有し、前記関連した弁(5)を用いて、前記第2のガス(22)が、前記フィルタ(1、31)を通じて前記第1の流れ方向と反対の流れの方向(11)において供給され得ることを特徴とする請求項11に記載のシステムを備える請求項12に記載のプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いから空間的にずらして配置されたフィルタを有し、固体粒子を含有する第1のガスが、第1の流れ方向で当該フィルタを通じて供給でき、当該フィルタを用いて濾過でき、当該フィルタを洗浄する目的のために、第2のガスが、当該フィルタを通じて、第1の流れの方向と反対の流れの方向で供給できるプラントにおいて、洗浄処理を検出するための方法に関する。本発明はさらに、固体粒子を含有する第1のガスを濾過するための、互いから空間的にずらして配置されたフィルタを有するプラントについての洗浄処理の検出のためのシステムと、このような性質のプラントとに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば冶金プロセスにおける燃焼排ガス洗浄の分野において、この種類の処理、および、この種類の機器の使用が行われ得る。この例には、LD炉、電気アーク炉、焼結処理などがあり、そのために乾燥管フィルタが通常用いられる。これらのフィルタは、粉塵を分離する役目をする。
【0003】
これらの分離生成物を洗浄することは、「噴流脈動式の洗浄」の原理に基づいており、強力な圧縮空気の波動が、圧縮空気容器から周期的に放出される。これらの圧縮空気の波動は、フィルタ管を一時的に過剰な圧力に曝す。これはフィルタ管を膨張させ、流れの方向が反転され、フィルタケーキが引き離される。濾過の局面では、支持ケージが管に適切な剛性を提供する。フィルタ管の洗浄の後、粉塵粒子が粉塵回収室に堆積物を形成し、物質は、概してスクリューコンベアおよび回転式気密室を介して、そこから遠くへと移送される。
【0004】
このような管フィルタプラントは、典型的には、例えば数千本といった多くのフィルタ管から成り、それらの洗浄は連続して行われる。現在、燃焼排ガス洗浄は、周期に基づいて制御されている。特定のフィルタ管をうまく洗浄することができない場合、このフィルタ管を洗浄するために新たな試みが行われるのは、次の洗浄サイクルまで、すなわち、すべての他のフィルタ管の洗浄の後までないことになる。その間、このフィルタ管の機能性は非常に制限される。極端な状態では、粉塵除去プラントの不具合という結果になり得る。
【0005】
濾過プラントの最も高い可能な効率を得るために、すべてのフィルタ管は正しく洗浄されなければならない。したがって、異常の検出は、非常に重要であると認められている。設置されている多くの洗浄弁のため、このような検出は巨額の技術的コストでしか実現され得ない。市場における利用可能な解決策は、高いコストまたは機能上の安全性の不足のため、受け入れられるのは非常に限られている。
【0006】
既知の解決策の中には、例えば、各々の区分に1つが設けられている圧縮空気容器の上流における直接的な圧力測定がある。この目的のために、圧力の履歴、つまり、圧力の上昇および下降が評価され、それを、具体的には良好な状況についての特徴的な圧力履歴と比較することで、当該フィルタ管の機能性について結論が得られる。この改良は、各々の圧縮空気容器について、その評価を含め、別々の圧力測定を必要とし、結果的に高いコストになってしまう。
【0007】
別の既知の方法は、洗浄弁において流れを監視することであり、この方法は、当該弁における流量を監視できるだけである。しかしながら、この方法は、例えば、機械的異常または圧縮空気がないことを認識することができないため、当該フィルタ管の正しい洗浄についての所見を提供しない。
【0008】
最後の既知の方法は、同じく、弁への供給配管における圧縮空気の流れの測定である。この方法は、感知システムが素早い応答特性、高い繰り返し精度、および広い測定範囲を有しているという条件で、電気的な機能と空気圧の機能との間の相互作用についての所見を提供する。この改良は、各々の圧縮空気容器について、評価を含め、別々の通過する流れの測定を必要とし、結果的に高いコストになってしまう。
【0009】
前述したような、洗浄のための噴流脈動式の洗浄方法は、2013年4月23日に呼び出した非特許文献1から知られている。
【0010】
特許文献1から、膜弁の閉機能および開機能の監視についての装置が知られており、その膜弁は、具体的には、粉塵抽出施設の洗浄噴流配管にある圧縮空気容器から下流に接続された、電磁弁を用いてそれぞれ制御できる膜弁であり、膜弁の筐体に、または、圧縮空気容器の筐体に、振動または騒音を受信する脈動発生器が取り付けられ、発せられる脈動が、電磁弁のためのプログラムされた個々の制御信号と、個別に比較され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0020949号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Wikipedia記事"Schlauchfilter" [Tube filters]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の根本的な目的は、コスト効率が高くて信頼できる方法で、導入部に記載した種類のプラントで洗浄処理を検出することができることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、互いから空間的にずらして配置された空気音を拾うための音響センサが、当該フィルタの洗浄の間に生じる関連する騒音を捕捉し、当該フィルタの洗浄が、少なくとも2つの音響センサを用いた当該騒音の捕捉によって検出される、導入部で言及した種類の方法によって、達成される。
【0015】
この目的は、固体物質の粒子を含有する第1のガスが、当該フィルタを通じて第1の流れ方向で供給でき、当該フィルタを用いて濾過でき、当該フィルタを洗浄する目的のために、第2のガスが、当該フィルタを通じて、第1の流れの方向と反対の流れの方向で供給でき、互いに対してずらして配置された空気音を拾うための音響センサであって、当該フィルタのための洗浄の間に生じる騒音を捕捉することが可能であるように用いられる音響センサを有し、当該フィルタの洗浄が、音響センサのうちの少なくとも2つを用いて関連する騒音を拾うことで検出され得るように用いられるコンピュータ装置を有する、先に言及した性質のシステムによって、さらに達成される。
【0016】
最後に、この目的は、この種類のシステムと、互いから空間的にずらして配置され、第1のガスが供給され得るように通され、第1のガスが濾過され得るように用いられるフィルタであって、当該フィルタを洗浄する目的のために、第2のガスが、当該フィルタを通じて、第1の流れの方向と反対である流れの方向で供給できる、フィルタとを有する、導入部で言及した性質のプラントによって、達成される。
【0017】
提案する方法は、とりわけ、いわゆる「洗浄衝撃音」である騒音の音響的な認識に基づいている。この騒音は、具体的には、例えば、第2のガスを、当該フィルタを通じて、第1の流れの方向と反対の流れの方向で押し込むために圧縮空気弁が開けられるとき、当該フィルタを洗浄する目的のために放出される圧縮空気の波動によって、引き起こされ得る。弁が開けられるとき、空気音として騒音が生じ、この騒音は、典型的には当該フィルタの洗浄のためであり、関連するセンサによって捕捉される。したがって、当該センサは、空気音として生じる騒音を捕捉することができるように設計される。具体的には、音響センサの各々に関して、例えばコンピュータ装置によって分析され得る音響データ流が作り出される。
【0018】
例えば管フィルタとして構成され得る当該フィルタは、圧縮空気衝撃によって膨張される。この膨張は、当該フィルタから、フィルタの作用の間に堆積した固体物質の粒子または固体物質粒子の層を取り除く。同じくこれによって、特徴的な騒音が生成される可能性があり、この騒音は当該センサによって捕捉され得る。
【0019】
センサとして、具体的には、例えば、フィルタプラント内に位置決めされ、そのためコスト効率良く調達できるマイクロフォンなど、多くの音響変換器のうちの1つが使用され得る。具体的には、音響センサのうちの一部およびフィルタは、プラントの筐体に収容されることになり、センサは、見込まれる騒音を捕捉できるような方法で固定される。
【0020】
プラントは、互いから位置的にずらして配置されたフィルタを有し、音響センサも互いから位置的にずらして配置される。これは、フィルタのうちの任意の2つ、または、適用可能な場合は、音響センサのうちの任意の2つが、互いから特定の距離に配置されることを意味している。ここでは、提案するシステムは、フィルタのうちの1つの洗浄の間に生じる騒音が音響センサのうちの少なくとも2つを用いて捕捉され得るように、設計される。騒音が生じる場所から当該センサまで騒音が伝播する当該時間の差が、検出される当該フィルタの洗浄を許可する。
【0021】
この構成は、当該フィルタの洗浄の具体的に信頼できる検出を許可し、いわゆる「マトリックスエラー」を具体的に認識することが可能である。この種類のエラーは、フィルタが特定の流れで次々に洗浄され、そのために、適切な弁が、例えば次々に作動されるといったプラントで生じる。具体的には、PLC出力においてできるだけ節約するために、フィルタ構築におけるすべての弁が、リレーマトリックスを用いて作動される。つまり、一部のリレーが弁の正極を切り替え、さらにいくつかのリレーが弁の負極を切り替える。リレーが失敗した場合、リレーの接点が溶着する可能性があり、その結果、続く洗浄運転の間、いくつかのリレーが洗浄となるか、または、間違った弁が作動される。「マトリックスエラー」は、誤った配線の結果としても原理的に可能性があり、その結果、間違った弁が作動され、それによって間違ったフィルタが洗浄される。しかしながら、この種類のエラーは、試運転の間に認められ、排除することができる。具体的には、間違って作動された弁の異常があるとき、正しく洗浄されるフィルタが明らかに洗浄されておらず、洗浄されていないフィルタまたは間違って洗浄されているフィルタが明らかに洗浄にされているという誤った結末に至る可能性がある。
【0022】
当該フィルタの正しい洗浄が、確実かつ比較的容易に認識され得ることは、提案する方法、提案するシステム、および提案するプラントの特有の利点である。これは、正しい洗浄の認識が、少なくとも2つの音響センサの使用によって、当該フィルタの洗浄の間に生じる騒音の捕捉だけに基づかれるためである。具体的には、適切であるとして、当該フィルタの洗浄の正確な時点、または、必要に応じて、適切な弁の作動の正確な時点が、あらかじめ知らされることは、認識にとって必ずしも必要ではない。
【0023】
本発明の有利な実施形態では、当該フィルタの洗浄は、関連する騒音が音響センサのうちの少なくとも2つ、好ましくは3つ以上の各々に到達する時点の比較によって検出される。
【0024】
音響センサが、互いから空間的にずらされて、または、空間において互いから分離されて配置されるため、フィルタのうちの1つの洗浄の間に生じる騒音は、通常、当該センサの場所に到達するまでに異なる時間の長さを取る。少なくとも2つ、好ましくは3つ以上の音響センサが当該騒音を捕捉するために用いられるという事実の結果として、騒音がどこで生じるかを確実に結論付けることが可能であり、その手段によって、当該フィルタの成功した洗浄処理を検出することが可能である。具体的には、騒音の起点の場所には、各々の場合で、第2のガスが当該フィルタへと流れるのに通る弁、または、当該フィルタのいずれかがある。
【0025】
プラントの大きさに依存して、または、プラントにおけるフィルタの数に依存して、適用可能な場合は、より多くの数のまたはより少ない数の音響センサが、具体的に信頼できる結果を実現するために必要とされることになる。音響センサは、好ましくは、関連する騒音が生じる場所と当該センサとの間を辿る経路が、当該筐体を当該フィルタの成功した洗浄に一義的に与えることができるような方法で、好ましくは配置されることになる。例えば、フィルタの対称的な配置がある場合、センサの非対称的な配置は有利であると判明できる。
【0026】
本発明のさらなる有利な実施形態の場合では、音響センサのうちの少なくとも2つ、好ましくは3つ以上に関して、当該騒音の到達についての関連する時点を比較することで、少なくとも1つ、好ましくは2つ以上の差分間隔が決定され、決定された差分間隔が、関連した保存されている差分間隔と比較される。
【0027】
フィルタのうちの1つが第2のガスにより衝突される場合、これは、音響センサによって捕捉され得る騒音を当然ながらもたらす。例えば、3つのセンサがそれぞれ時点tiにおいて騒音を捕捉すると仮定する。ここで、i=1、2、3である。3つの時点tiから、3つの差分間隔δi,i'=ti-ti'まで、つまり、δ1,2、δ1,3、およびδ2,3を決定することがそのため可能である。当該時点tiは、ここでは、関連する指標時点として解釈でき、この関連する指標時点は、例えば、関連する前述の音響データ流から推定される。
【0028】
決定された差分間隔は、好ましくはあらかじめ決定されて保存されている、対応する差分間隔と比較され、それによって、当該騒音の起点の場所を決定することが最終的に可能である。したがって、具体的には、適用可能な場合は、各々の弁または各々のフィルタに関して、プラントにおける弁またはフィルタのそれぞれの配置の位置決めの結果として、音響センサの各々の組み合わせについて見込まれる差分間隔が保存される。ここで、音の速さ、および、マイクロフォンの適切な位置決めのため、各々の通路で異なった関連する指標時点であっても、同じ音の事象を特定することになる。
【0029】
具体的には、コンピュータ装置が、決定された各々の差分間隔を、あらかじめ決定された関連する差分間隔と比較し、絶対的な期間または相対的な期間において、適切な差分間隔同士の間の差が、適用可能な場合は、所定の範囲を上回るか下回る場合に、警告が出力されることが行われ得る。
【0030】
差分間隔を決定するとき、当該騒音が生じる正確な時点の知識、具体的には、事前の知識が、必ずしも必要ではない。具体的には、当該差分間隔は、当該騒音が生じる正確な時点と無関係であり、これは、提案する方法を、よりエラーにさせにくくし、非常に信頼できるものにする。
【0031】
本発明の1つのさらなる有利な実施形態の場合では、関連する音響センサにおける当該騒音の到達に関する関連する時点を決定する目的のために、騒音の最大振幅の時点が決定される。
【0032】
当該音響センサに関して、最大騒音振幅の適用可能な時点の決定、または、最も大きい音の強さの関連する時点の決定は、当該騒音の到達についての関連する時点の特に矛盾のない決定、または、適用可能な場合は、差分間隔の特に矛盾のない決定を、適用可能な場合は、可能にする。それによって、検出の正確性および信頼性がさらに高められる。
【0033】
本発明のさらなる有利な実施形態の場合では、捕捉された関連する騒音が、フーリエ変換を用いて分析される。
【0034】
フーリエ変換を用いると、捕捉された当該騒音のスペクトル分析を作ることが可能であり、そのスペクトル分析は、当該フィルタの洗浄の検出の信頼性をさらに高めるために使用できる。具体的には、先に説明した当該差分間隔は、フーリエ変換の支援で決定されてもよい。具体的には、制御装置は、この目的のために、音響センサからの個々の信号において、または、関連する音響データ流において、適用可能な場合は、当該区分同士の間の時間のずれが関連する差分間隔として特定される同様の区分を探すことになる。
【0035】
本発明の1つのさらなる有利な実施形態では、捕捉された当該騒音の、第1の所定周波数範囲内でのエネルギーが、適用可能な場合は、第1の所定値を上回るか下回る場合、第1のメッセージが作成される。
【0036】
当該エネルギーが、具体的には、適用可能な場合は、第1の周波数範囲内、つまり、あらかじめ定められ得る下限周波数と上限周波数との間の当該騒音についてのエネルギーの積分または合計によって、決定される。累積したエネルギーが、適用可能な場合は、あらかじめ定められ得る第1の値を下回るか上回る場合、例えば、適用可能な場合は、当該フィルタが正しく洗浄されないように、当該フィルタまたは当該弁の異常があり得る。ここで、第1の所定値は、例えば、事前に実施される試験によって決定でき、保存できる。この第1の所定値は、成功した洗浄作業の間に生じる騒音を特徴付ける。
【0037】
作成される第1のメッセージは、具体的には、適用可能な場合は、調べられた過大または過小についての注記を含み、例えば、コンピュータ装置に、または、プラントの運転に対して責任のある個人へと直接的に、通信される。
【0038】
本発明の1つのさらなる有利な実施形態の場合では、第2の所定周波数範囲内で捕捉された当該騒音のエネルギーの、第2の所定周波数範囲外で捕捉された当該騒音のエネルギーに対する割合が、適用可能な場合は、第2の所定値を上回るか下回る場合、第2のメッセージが作成される。
【0039】
第2の所定周波数範囲内または範囲外の当該エネルギーは、適用可能な場合は、具体的には、第2の所定周波数範囲内または範囲外のそれぞれの当該騒音のエネルギーが、適用可能な場合は、積分または合計されることで、決定され得る。そのようにするとき、第2の所定周波数範囲内のエネルギーの、第2の所定周波数範囲外のエネルギーに対する割合は、決定された割合が、適用可能な場合は、第2の所定値を上回るか下回る場合に第2のメッセージが生成される状態で、設定される。
【0040】
形成された割合が、適用可能な場合は、第1の所定値を上回るか下回る場合、例えば、当該フィルタの異常があると考えられ、そのため、当該フィルタは正しく洗浄されていない。ここで、第2の所定値は、例えば、事前に実施される試験によって決定でき、保存できる。この第2の所定値は、好ましくは、成功した洗浄処理の間に生じる騒音を特徴付けることになる。
【0041】
作成される第2のメッセージは、具体的には、適用可能な場合は、調べられた過大または過小についての注記を含み、例えば、コンピュータ装置に、または、プラントの運転に対して責任のある人へと直接的に、通信される。
【0042】
本発明の1つのさらなる有利な実施形態の場合では、捕捉された関連する騒音が、高域フィルタを用いてフィルタリングされる。
【0043】
高域フィルタは、具体的には、電子フィルタ回路であり、電子フィルタ回路を用いることで、低周波数を弱めることができ、洗浄処理の検出の信頼性を高めることができる。
【0044】
さらに、捕捉された関連する騒音は、1つまたは複数の増幅器を介してアナログ/デジタル(A/D)変換器へと送ることができ、高域フィルタは、具体的には、A/D変換器の前で回路に接続されている。最後に、A/D変換器は、騒音をデジタル化された形態でコンピュータ装置に提供することができる。
【0045】
デジタル化された騒音は、評価アルゴリズムを用いるコンピュータ装置によって評価できる。この評価アルゴリズムは、例えば、以下の原理に基づき得る。
- 基準値との音響レベルの比較。
- 基準曲線との音響レベルの時間履歴の比較。
- 例えば高速フーリエ変換(FFT)を用いた、特性周波数の評価。
- 機械学習を用いたレベルおよび周波数の時間履歴の評価。
【0046】
コンピュータ装置では、いくつかの評価アルゴリズムが、捕捉された騒音のセットを評価するために用いられてもよい。総合的な結果が、例えば、加重「投票」アルゴリズムによって、生成され得る。ここで、個々の評価アルゴリズムは、それらの予測能力に応じて、異なる重み付けで割り当てられる。
【0047】
したがって、本発明の方法がもたらす利点は、具体的には、正しい洗浄による当該フィルタの洗浄性能の増加を、例えばマイクロフォンの形態における当該音響センサなど、非常にコスト効率の高い測定機器によるコスト上の利点と共に達成することが可能である、当該洗浄処理の信頼できる検出である。
【0048】
任意の関連するセンサ信号を通信する目的のために、当該センサは、電気的リンクを用いてコンピュータ装置へとつながれ得る。また、具体的には光学的なものといった、センサ信号の無線通信も考えられる。
【0049】
本発明の1つのさらなる有利な実施形態の場合では、音包囲体が設けられ、音包囲体では、音響センサのうちの一部が配置され、関連する弁が配置でき、関連する弁を用いて、第2のガスが、当該フィルタを通じて第1の流れ方向と反対の流れの方向において供給され得る。
【0050】
音包囲体は、例えば、外部からの雑音障害を抑制または低減する一種の箱として構成できる。音包囲体によって、音包囲体の外部からの障害となる雑音が当該音響センサから効果的に遠ざけられ得るため、洗浄の検出の信頼性をさらに高めることができる。同時に、当該音響センサは、関連する弁によって引き起こされる騒音を特に良好に検出できることが保証される。それによって、具体的には、当該音響センサを用いて、当該フィルタを洗浄する目的のために関連する弁が開くのを確実に捕捉することが可能である。
【0051】
具体的には、さらなる音響センサが音包囲体の外部に設けられてもよく、したがってそれら音響センサは、当該弁から音響的に遮蔽され、洗浄処理の間、当該フィルタからの騒音を捕捉できる。これらのさらなる音響センサは、例えば、当該フィルタが収容されるプラントにおいて筐体内に配置され得る。ここで、音包囲体は、筐体内部または筐体外部に配置され得る。
【0052】
本発明は、例えば、コンピュータ装置が、基準センサ信号とのセンサ信号の比較を用いて、当該フィルタおよび/または当該弁に関する状況を決定することなど、さらなる態様を網羅している。
【0053】
例えば、当該フィルタに関するこのような状況は、適用可能な場合は、当該フィルタが裂けた、または、当該フィルタが重度に損傷されたといった形のものであり得る。これは、圧縮空気波動が、ある長さの時間を取るが比較的素早く起こる当該フィルタの膨張をもたらさないことによって、確立され得る。決定された状況は、例えば、固体物質の粒子が当該フィルタに永久的に固定されてしまったため、当該フィルタが圧縮空気波動によってもはや洗浄できないということも、考えられる。決定され得るさらなる状況は、フィルタが固体物質の粒子で目詰まりされる度合いであり、それによって、このフィルタの次の洗浄がいつ必要であるかが結論付けられる。
【0054】
追加または代替で、当該フィルタにおける洗浄運転のために開けなければならない関連する弁の状況を捕捉することが可能である。このような状況は、例えば、関連する弁がもはや十分に開いていないか欠陥があることである可能性があり、これは、基準センサ信号として保存でき、それによって後で認識することができる。
【0055】
具体的には、関連するフィルタまたは関連する弁のそれぞれの状況は、コンピュータ装置によって決定されることが可能であり、これは、当該フィルタまたは当該弁のそれぞれの状況を、例えば、所定の尺度に置く。先に説明したように、尺度は、ここでは2つ以上の状況を含み得る。
【0056】
適用可能な場合は、当該フィルタまたは当該弁に関するこの種類の状況を決定できるようにするために、フィルタまたは弁は、それぞれ事前に適切に準備されて通常の高圧空気波動に曝すことができ、さらにそれによって生じる騒音が、関連する音響センサによって捕捉され、当該状況の騒音特性についての基準センサ信号として保存される。
【0057】
適用可能な場合は、監視されるプラントの状況を決定するために、当該フィルタまたは当該弁の様々な状況を特徴付けるこれらの基準センサ信号にアクセスすることが、後に可能である。
【0058】
本発明のさらなる態様によれば、センサ信号、および/または、必要であれば、当該フィルタの状況が、記憶装置に保存され、記憶装置では、センサ信号の傾向、および/または、必要であれば、当該フィルタの状況の傾向が、センサ信号の時間履歴、および/または、必要であれば、適用可能な場合は、当該フィルタもしくは当該弁の状況の時間履歴を用いて、決定される。
【0059】
センサ信号、および/または、必要であれば、当該フィルタまたは当該弁のそれぞれの状況は、関連する時間履歴を記憶装置に保存させることができ、そのため、後の時間においても、データのこれらの項目にアクセスできる。これは、具体的には、保存された時間履歴に基づいて決定される傾向の決定のために、必要である。この目的のために、現在の方法が用いられ得る。
【0060】
傾向の決定によって、例えば、適用可能な場合は、当該フィルタまたは当該弁が、適切であるとして、いつ保守または交換される必要があるかを予測することが可能である。この手段によって、具体的には、このような手作業の介入に、例えば、定期的なサイクルの一部として実行される保守作業が含まれ得るため、プラントの利用可能性を高めることができる。この手段によって、適用可能な場合は、追加の保守作業またはプラントの停止を回避することが可能である。
【0061】
具体的には、そのため、コンピュータ装置は、適用可能な場合は、時間履歴を形成できるようにするために、センサ信号の履歴、または、当該フィルタもしくは当該弁のそれぞれの状況も保管できる。これは、構成部品の摩耗を認識するために、延いては、完全な不具合の前にメッセージを発するために、用いることができる。したがって、決定される状況は、1つまたは複数の警告システムへと、測定の時点を選択的に含む、当該フィルタまたは当該弁のそれぞれの特有の識別子と共に通信できる。警告システムは、例えば、プロセス可視化システム、プロセス管理システム、または状態監視システムなど、自動システムの形態をとり得る。選択的に、例えば、音響センサによって受信されたセンサ信号または図式評価といった、さらなる項目のデータも警告システムへと通信される。そして、警告システムは、適切であるとして、プラントの運転者または保守技術者に、画面上に、または、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)を介して、または、スマートフォンもしくはタブレットコンピュータなどの携帯操作端末における電子メール、SMS、もしくは報告によって、メッセージを与えることができる。
【0062】
本発明の1つのさらなる態様によれば、メッセージは、センサ信号が前もって定められたセンサ信号と同じ場合、および/または、適切である場合、状況が前もって定められた状況と同じ場合、作成される。
【0063】
前もって定められたセンサ信号、および/または、適切である場合、前もって定められた状況は、例えば、裂けた当該フィルタ、または、適用可能な場合は、重度に損傷された当該フィルタもしくは当該弁の特徴であり得る。これは、圧縮空気波動が、ある長さの時間を取るが比較的素早く起こる、または、完全に起こらない当該フィルタの膨張をもたらさないことによって、確立され得る。具体的には、前もって定められた量が、例えば、固体物質の粒子が当該フィルタに永久的に固定されてしまったため、圧縮空気波動で当該フィルタを洗浄することがもはやできないという特徴でもあり得る。もはや機能していない弁が、この方法で同様に認識できる。
【0064】
例えば、当該音響センサによって発生されるセンサ信号は、騒音の音量を特徴付けることができ、そのため、具体的には、センサ信号または音量が、適用可能な場合は、前もって定められたセンサ信号または音量にそれぞれ対応する場合にメッセージが生成される。具体的には、前もって定められたセンサ信号または前もって定められた状況は、適切であるとして、メッセージを発生するために到達されなければならない基準帯域または「警告閾値」の形態であってもよい。同様に、前もって定められたセンサ信号または前もって定められた状況は、適用可能な場合は、逆の方法で定められてもよい。つまり、洗浄衝撃音がない場合、または、洗浄衝撃音が異なって聞こえる場合、前もって定められたセンサ信号または前もって定められた状況がそれぞれに存在する。結果として、この状態に関して、この洗浄衝撃音がない場合、または、洗浄衝撃音が異なって聞こえる場合、メッセージが生成される。
【0065】
具体的には、コンピュータ装置に保存された基準センサ信号は、前もって定められたセンサ信号の形態であり得る。
【0066】
本発明のさらなる態様によれば、生成されるメッセージは、プラントのITシステムおよび/または運転スタッフへと次に通信される。ITシステムは、ここでは具体的に、適切であるとして、必要な場合、決定された状況が当該フィルタまたは当該弁の特有の識別子と共に通信でき、また、適用可能な場合は、選択として1つまたは複数の警告システムにおける測定の時点と共に通信できる、先に説明した状態監視システムまたは警告システムの形態であり得る。代替または追加で、メッセージは、保守スタッフまたはシステムに対して責任のあるスタッフにも通信され得る。例えば、当該フィルタの保守または交換など、さらなる行動が、メッセージの通信によって引き起こされ得る。
【0067】
代替または追加で、メッセージは、規定され得る期間内で、先に説明したセンサ信号の傾向が、前もって定められたセンサ信号に到達する場合、および/または、必要な場合、当該フィルタまたは当該弁の状況が、適用可能な場合は、前もって定められた状況に到達する場合、同じく発生され得る。これは、例えば、決定された傾向に基づく保管方法を用いて、あらかじめ計算できる。
【0068】
概して、第2のガスは、ここでは、第1のガスと同一であってもよく、そのため、当該フィルタの洗浄の目的のために、第1のガスは、当該フィルタを、濾過処理のための流れの方向に対して反対である流れの方向で押し通される。フィルタは、ここでは、例えば管状のフィルタとして構成され得る。
【0069】
以下では、本発明は、図で示された例示の実施形態を参照することで、より詳細に記載および説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1】濾過処理の間の、本発明によるシステムの例示の実施形態の部分の図である。
図2】洗浄処理の間の、本発明によるシステムの例示の実施形態の部分の図である。
図3】本発明のプラントの第1の例示の実施形態の図である。
図4】本発明のプラントの第2の例示の実施形態の図である。
図5】2つの音響センサからの信号の時間履歴の例の図である。
図6】本発明のプラントの第3の例示の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1は、濾過処理の間の、本発明のシステムの例示の実施形態の部分の図を示している。濾過処理のために、固体物質の粒子20を一緒になって運ぶ第1のガス21が、フィルタ1を通じて第1の流れの方向10に移動される。この処理の間、固体物質の粒子20はフィルタ1によって保持され、そのため、フィルタ1を離れるとき、第1のガスは固体物質の粒子20が取り除かれる。
【0072】
システムは、空気音を捕捉する目的のための音響センサ2と、音響センサ2によって捕捉されたセンサ信号が通信され得るコンピュータ装置3とを有している。この通信の目的のために、音響センサ2とコンピュータ装置3とは、例えば電気、無線、または光のリンクを介して、互いと通信される。
【0073】
図2は、洗浄処理の間の、本発明のシステムの例示の実施形態の部分の図を示している。フィルタ1を洗浄する目的のために、第2のガス22が、フィルタ1へと向かわされて通過させられるように第1の流れの方向と反対の流れの方向11に押し込まれ、フィルタ1に付着している固体物質の粒子20がフィルタ1から除去される。これは、例えば、フィルタ1が膨張し、フィルタ1の表面に形成した固体物質の粒子20の層がはがれ落ちることで達成される。
【0074】
この洗浄処理の間、特徴的な騒音12が生じ、その騒音12は音響センサ2によって捕捉される。
【0075】
図3は、本発明のプラントの第1の例示の実施形態を示している。プラントは、フィルタ1、31と、各々の状況における弁5と、容器13と、を有している。ここで、フィルタ1または31は、図1においてすでに示して記載したように、ガス21に存在する固体物質の粒子20を濾過するためにそれぞれ用いられる。容器13には、高圧とされている第2のガス22がある。送信の目的のために信号が制御装置4へとつながれる当該弁5が、適切な信号を制御装置4から受信する場合、第2のガス22は、容器13から当該弁5を通じてフィルタ1または31へとそれぞれ向かわされて通過させられるように押し込まれる。これは、フィルタ1または31にそれぞれ付着している固体物質の粒子20を、フィルタ1または31からそれぞれはがれ落とさせ、それによってフィルタ1または31をそれぞれ洗浄する。
【0076】
洗浄処理の間、当該弁5においてであろうと、および/または、フィルタ1もしくは31のそれぞれにおいてであろうと、特徴的な騒音12が生じ、特徴的な騒音12は、互いからずらした位置に配置されている2つの音響センサ2、32によって捕捉される。そして、センサ信号は、例えば、帯域通過フィルタまたは高域フィルタといった、電子信号フィルタ装置6によってフィルタを通されてもよく、最終的にコンピュータ装置3へと通信される。フィルタ1、31の洗浄間に生じる当該騒音12は、適用可能な場合は、空気音の捕捉のために使用される2つの音響センサ2、32を用いて捕捉される。当該フィルタ1、31の洗浄は、最終的に、2つの音響センサ2、32を用いた関連する騒音12の捕捉によって検出できる。
【0077】
当該騒音12の検出または当該フィルタ1、31の洗浄の検出は、具体的には、騒音12に関する各々の場合で、騒音12の起点の場所から当該音響センサ2、32への伝播時間に基づいている。このために、音響センサ2、32は、好ましくは適切に配置されることになる。
【0078】
したがって、当該洗浄運転が検出でき、具体的には、当該洗浄運転の異常が突き止められ得る。さらに、コンピュータ装置3は、フィルタ1または31の状況、および/または、適用可能な場合は、当該弁5の状況を決定する目的のために設計され得る。
【0079】
さらに、センサ信号、フィルタ1および/または弁5の状況は、記憶装置7に保存でき、そのため、決定を当該量の傾向から作ることができる。
【0080】
信号またはデータを通信する目的のために、制御装置4は、当該弁5と音響センサ2または32との両方に接続されており、関連する音響センサ2または32は、電子信号フィルタ装置6とコンピュータ装置3とにそれぞれ接続されており、コンピュータ装置3は最終的に記憶装置7に接続されている。これに関連して、当該接続は、有線結合または無線の形態とすることができ、または、適用可能な場合は、光学的とすることができる。
【0081】
図4は、本発明のプラントの第2の例示の実施形態を示している。第1の例示の実施形態から離れて、本発明のプラントの第2の例示の実施形態は、音包囲体14と筐体15とを有している。筐体15は、2つのフィルタ1、31を、音響センサ2、32と共に収容している。音包囲体14には、空気音を捕捉するための2つのさらなる音響センサ2'、32'と一緒に当該容器13、当該弁5がある。音包囲体14は、この場合では、筐体15の外部に配置されている。
【0082】
音包囲体14は、音響センサ2'、32'を音包囲体14の外部からの雑音から音響的に遮蔽し、そのため、当該弁5のため、洗浄処理の間に生じる騒音が、音響センサ2'、32'によって特に確実に捕捉され得る。音響センサ2、32は、具体的には、当該弁5から音響的に絶縁されている。また、音響センサ2、32は、筐体15によって、筐体15の外部からの雑音をさらに妨げることによって音響的に絶縁されており、そのため、関連するフィルタ1、31の洗浄の間、フィルタ1、31からの騒音を確実に捕捉できる。
【0083】
図5は、空気音の捕捉のための、2つの音響センサからの信号の時間履歴の例を示している。横軸に描画されているのは時間であり、縦軸に描画されているのは、第1の信号16および第2の信号17の時間に応じた振幅8がある。ここで、当該信号16、17は、具体的には、本発明のプラントの例示の実施形態のものである2つの音響センサを起点としている。
【0084】
時点t1またはt2において、第1の信号16または第2の信号17は、適用可能な場合は、騒音振幅を示すピーク値、または、関連する割り当てられた音響センサが騒音を検出したピーク値を、それぞれ有している。差δt2,1=t2-t1から、騒音が起点とする場所を判断することが可能であり、本発明のプラントの例示の実施形態において、フィルタのうちの1つの洗浄処理を具体的に検出することが可能である。
【0085】
図6は、本発明のプラントの第3の例示の実施形態の概略図を示している。このプラントに収容されているのは、空気音の捕捉のためのいくつかの音響センサ2、32、42であり、プラントは、2つの部屋19から各々作られたいくつかの区画18を有している。部屋19の各々には、各々の状況において、例えば図1に示したような形態で構成され得るフィルタが、配置されている。
【0086】
プラントにおけるフィルタのうちの1つの成功した洗浄は、音響センサ2、32、42によって確実に検出できる。好ましくは、音響センサ2、32、42は、この目的のために適切に配置されることになる。
【0087】
要約すれば、本発明は、互いから空間的にずらして配置されたフィルタを有し、固体物質の粒子を含有する第1のガスが、当該フィルタを通じて第1の流れ方向で供給でき、当該フィルタを用いて濾過でき、当該フィルタを洗浄する目的のために、第2のガスが、当該フィルタを通じて、第1の流れの方向の反対である流れの方向で供給できるプラントにおける、洗浄処理の検出のための方法に関する。さらに、本発明は、固体物質の粒子を含有する第1のガスを濾過する目的のための、互いから空間的にずらして配置されたフィルタを有するプラントにおける洗浄処理の検出のためのシステムと、この種類のプラントと、に関する。導入部で言及した種類のプラントにおいて、洗浄処理をコスト効率良く確実に検出できるようにするために、互いから空間的にずらした場所に配置された、空気音を捕捉する目的のための音響センサが、当該フィルタの洗浄の間に生じる騒音を捕捉するために用いられ、当該フィルタの洗浄が、音響センサのうちの少なくとも2つを参照することによる当該騒音の捕捉によって検出されることが、提案されている。さらに、固体物質の粒子を含有する第1のガスが、第1の流れの方向で当該フィルタを通じて供給でき、当該フィルタを用いて濾過でき、当該フィルタを洗浄する目的のために、第2のガスが、当該フィルタを通じて、第1の流れの方向と反対である流れの方向で供給でき、互いからずらした場所に配置された空気音を拾うための音響センサであって、当該フィルタの洗浄の間に生じる騒音を捕捉することが可能であるように用いられる音響センサを有し、当該フィルタの洗浄が、音響センサのうちの少なくとも2つを用いた当該騒音の捕捉によって検出され得るように用いられるコンピュータ装置を有するシステムが、提案されている。最後に、この種類のシステムと、互いからずらした位置に配置され、第1のガスが供給され得るように通され、第1のガスが濾過され得るように用いられるフィルタであって、当該フィルタを洗浄する目的のために、第2のガスが、当該フィルタを通じて、第1の流れの方向と反対である流れの方向で供給できる、フィルタと、を有するプラントが、提案されている。
【符号の説明】
【0088】
1 フィルタ
2 音響センサ
2' 音響センサ
3 コンピュータ装置
4 制御装置
5 弁
6 電子信号フィルタ装置
7 記憶装置
8 振幅
10 第1の流れの方向
11 第1の流れの方向と反対の流れ方向
12 騒音
13 容器
14 音包囲体
15 筐体
16 第1の信号
17 第2の信号
18 区画
19 部屋
20 固体物質の粒子
21 第1のガス
22 第2のガス
31 フィルタ
32 音響センサ
32' 音響センサ
42 音響センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6