(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6158453
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】工具不要の長さ調整装置を備えた膝支持具
(51)【国際特許分類】
A61F 5/01 20060101AFI20170626BHJP
【FI】
A61F5/01 N
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-39262(P2017-39262)
(22)【出願日】2017年3月2日
(62)【分割の表示】特願2014-530830(P2014-530830)の分割
【原出願日】2012年9月14日
【審査請求日】2017年3月30日
(31)【優先権主張番号】61/535,572
(32)【優先日】2011年9月16日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514063803
【氏名又は名称】タウンセンド デザイン
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン エス.クネヒト
【審査官】
城臺 仁美
(56)【参考文献】
【文献】
特表2004−512863(JP,A)
【文献】
特表2004−515312(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0032756(US,A1)
【文献】
米国特許第04817588(US,A)
【文献】
米国特許第05437619(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F5/00−5/5/58
F16B7/00−7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の大腿部アームのうち少なくとも一つが長さ調整機構を有する膝支持具であって、前記長さ調整機構は、
前記少なくとも一つの大腿部アームの第1の部分に連結されたスライドであって、その長さに沿って離間した戻り止め凹部の複数のペアを有するトラックを具備するスライドと、
前記少なくとも一つの大腿部アームの第2の部分に連結されたレシーバであって、当該レシーバ内を前記少なくとも一つの大腿部アームの長さを変更するために前記スライドが長手方向に移動可能となっているレシーバと、
前記スライドの前記トラックに受容される戻り止め要素であって、当該戻り止め要素は前記少なくとも一つの大腿部アームの前記第1及び第2の部分の位置を相互に対して係止するために前記戻り止め凹部の少なくとも一つのペアに係合可能な戻り止め部の少なくとも一つのペアを有する戻り止め要素と、
前記戻り止め要素に連結され、ロックレバーを有するトグル機構と、を備え、
前記ロックレバーは、前記戻り止め部の少なくとも一つのペアが前記戻り止め凹部の少なくとも一つのペアの内側で係合して係止される第1の位置と、前記少なくとも一つの大腿部アームの長さの調整を可能にするための前記戻り止め凹部の少なくとも一つのペアとの係合から外れる移動のために前記戻り止め部の少なくとも一つのペアを解放する第2の位置とを有し、
前記ロックレバーは、前記第1の位置から外れる不測の移動を起こさないように前記戻り止め部を保持するために前記第2の位置から前記第1の位置へと上死点を超える移動を行い、
前記ロックレバーは前記戻り止め要素に対して移動可能であり、前記ロックレバーが前記第2の位置から前記第1の位置へ移動されるときにのみ前記ロックレバーが前記戻り止め要素を前記スライドに向かって移動させる、
膝支持具。
【請求項2】
一対の大腿部アームのうち少なくとも一つが長さ調整機構を有する膝支持具であって、前記長さ調整機構は、
前記少なくとも一つの大腿部アームの第1の部分に連結されたスライドであって、その長さに沿って離間した戻り止め凹部の複数のペアを有するトラックを具備するスライドと、
前記少なくとも一つの大腿部アームの第2の部分に連結されたレシーバであって、当該レシーバ内を前記少なくとも一つの大腿部アームの長さを変更するために前記スライドが長手方向に移動可能となっているレシーバと、
前記スライドの前記トラックに受容される戻り止め要素であって、当該戻り止め要素は前記少なくとも一つの大腿部アームの前記第1及び第2の部分の位置を相互に対して係止するために前記戻り止め凹部の少なくとも一つのペアに係合可能な戻り止め部の少なくとも一つのペアを有する戻り止め要素と、
前記戻り止め要素に連結され、ロックレバーを有するトグル機構と、を備え、
前記ロックレバーは、前記戻り止め部の少なくとも一つのペアが前記戻り止め凹部の少なくとも一つのペアの内側で係合して係止される第1の位置と、前記少なくとも一つの大腿部アームの長さの調整を可能にするための前記戻り止め凹部の少なくとも一つのペアとの係合から外れる移動のために前記戻り止め部の少なくとも一つのペアを解放する第2の位置とを有し、
前記ロックレバーは、前記第1の位置から外れる不測の移動を起こさないように前記戻り止め部を保持するために前記第2の位置から前記第1の位置へと上死点を超える移動を行い、
前記戻り止め要素は前記スライドと係合可能な付勢部材を有し、前記付勢部材は前記トグル機構の前記ロックレバーが前記第2の位置に移動されるときに前記戻り止め部を前記戻り止め凹部との係合から外す、
膝支持具。
【請求項3】
前記付勢部材は、前記戻り止め要素に連結されたスプリングフィンガー又はプレート状部材を有する請求項2に記載の膝支持具。
【請求項4】
前記戻り止め凹部の少なくとも一つのペアは、前記戻り止め部の少なくとも一つのペアと係合可能な前記戻り止め凹部の複数のペアを含む請求項1に記載の膝支持具。
【請求項5】
前記少なくとも一つの大腿部アームの前記第2の部分に取り付けられたカバープレートを更に備え、前記カバープレートは前記レシーバを覆ってチャンネルを形成し、前記チャンネル内を前記スライドが移動可能である、請求項1に記載の膝支持具。
【請求項6】
一対の大腿部アームのうち少なくとも一つが長さ調整機構を有する膝支持具であって、前記長さ調整機構は、
前記少なくとも一つの大腿部アームの第1の部分に連結されたスライドであって、その長さに沿って離間した戻り止め凹部の複数のペアを有するトラックを具備するスライドと、
前記少なくとも一つの大腿部アームの第2の部分に連結されたレシーバであって、当該レシーバ内を前記少なくとも一つの大腿部アームの長さを変更するために前記スライドが長手方向に移動可能となっているレシーバと、
前記スライドの前記トラックに受容される戻り止め要素であって、当該戻り止め要素は前記少なくとも一つの大腿部アームの前記第1及び第2の部分の位置を相互に対して係止するために前記戻り止め凹部の少なくとも一つのペアに係合可能な戻り止め部の少なくとも一つのペアを有する戻り止め要素と、
前記戻り止め要素に連結され、ロックレバーを有するトグル機構と、を備え、
前記ロックレバーは、前記戻り止め部の少なくとも一つのペアが前記戻り止め凹部の少なくとも一つのペアの内側で係合して係止される第1の位置と、前記少なくとも一つの大腿部アームの長さの調整を可能にするための前記戻り止め凹部の少なくとも一つのペアとの係合から外れる移動のために前記戻り止め部の少なくとも一つのペアを解放する第2の位置とを有し、
前記ロックレバーは、前記第1の位置から外れる不測の移動を起こさないように前記戻り止め部を保持するために前記第2の位置から前記第1の位置へと上死点を超える移動を行い、
前記トグル機構は前記戻り止め要素に移動可能に連結され、前記ロックレバーが前記第2の位置から前記第1の位置へ移動されるときに前記ロックレバーが前記戻り止め要素を前記スライドに向かって引っ張る、
膝支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許仮出願第61/565,572号の非仮出願への転換である。
【0002】
本発明は、大腿部アームの少なくとも1つが長さ調整機構を有するタイプの整形外科用膝支持具に関し、アームの少なくとも1つの長さの調整は、大腿部アームの少なくとも1つ又は他方の内側−外側角度移動をもたらす整形外科用膝支持具に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明が対象とするタイプの整形外科用膝支持具は、本発明者が共同発明者である特許文献1から知られている。この膝支持具の長さ調整機構は、大腿部アームの少なくとも1つに設けられるスロット付きガイドの形態のスライド機構と、それぞれの大腿部アームの両側間でスロット付きガイドのスロットを通り抜けて延在するねじによって、当該スロット付きガイドの長さに沿って選択された場所に固定可能であるスライダとを備える。したがって、スライダの実施形態及び1つの大腿部アームに長さ調整機構が設けられているか若しくは両方に設けられているかどうかに応じて1つから4つのねじから調整できるようにするためには、工具が必要とされる。
【0004】
OSSUR HFに譲渡された「Adjustable Ergonomic Brace」の表題の特許文献2は、人間工学的膝支持具を開示し、この人間工学的膝支持具は、上脚に沿って延びる上側支柱と、下脚に沿って延びる下側支柱とを含み、これらの支柱の各々は、伸縮式スライド機構を具備する長さ調整機構を有し、この機構では、支柱の受け入れ穴と係合するねじ込み式ノブが、いったん設定された長さを固定するために使用される。したがって、長さ調整機構を固定又は解除するために工具は必要とされない。しかしながら、ねじノブが十分には締め付けられていない場合、又はこれが使用中に緩んだ場合、長さ調整機構のスライドは自由に移動できるようになる。
【0005】
DJ Orthopedics,LLCに譲渡された「Orthopedic brace having length−adjustable supports」の表題の特許文献3は、第1の長さ調整可能支持体と、第2の長さ調整可能支持体と、長さ調整のためのばね付勢式ボタンとを備える整形外科用支持具を開示する。長さ調整可能支持体の各々は、長手方向チャンネルと、チャンネル内における摺動式直立体とを有する。各摺動式直立体は複数の貫通穴を有し、各チャンネルの床部はばね付勢式ボタンを有する。ばね付勢式ボタンは、さらに、下端部における保持タブを有する。作業者がボタンを押し、そのときボタンの下端部の保持タブは穴を貫通して延在する。ボタンは各穴と係合可能であり、それにより、ボタンは、チャンネルに対して直立体の位置を積極的に係止する。直立体は、ボタンが押されたときにチャンネル内で摺動可能である。しかしながら、そのような機構は、テーブルの脚などの物体とボタンとの接触が不測の解除を引き起こしうるという不利益をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,981,957号
【特許文献2】米国特許第7,534,220号
【特許文献3】米国特許第7,128,723号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、工具を使用することなく、使用中に調整機構を解除しにくいシンプルな方法で1又は複数の大腿部アームの長さ調整を可能にするように、上述の膝支持具の長さ調整機構を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、スプリングアームを有する円形の戻り止めプレートと、戻り止めプレートの戻り止め部を支柱の切欠部(ノッチ)に係合させるためのレバーとを有するオーバートグリング係止機構を備える長さ調整機構を設けることによって達成される。特に、レバーの押圧作用が、円形の戻り止めプレートを押圧してスプリングアームを圧縮させ、それにより、戻り止め部は、支柱の軸方向移動を防止するために支柱の半円形の切欠部に入り(係止位置)、レバーの解除は、スプリングアームが戻り止め部を切欠部の中から持ち上げることを可能にして、軸方向調整を可能にする(解除位置)。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】すべての後部ストラップが取り外された、本発明の長さ調整機構による膝支持具の部分前面図である。
【
図2】すべての後部ストラップが取り外された、本発明の長さ調整機構による膝支持具の前面斜視図である。
【
図4】本発明の長さ調整機構の内側の部分的な分解斜視図である。
【
図5】解除位置における係止機構の拡大された詳細を示す、
図3のものと同様の図である。
【
図6】係止位置における係止機構の拡大された詳細を示す、
図3のものと同様の図である。
【
図7】解除位置における長さ調整装置機構の拡大された詳細を示す、
図4のものと同様の図である。
【
図8】係止位置おける長さ調整装置機構の拡大された詳細を示す、
図4のものと同様の図である。
【
図9A】解除位置における長さ調整装置機構の正面図である。
【
図10A】係止位置における長さ調整装置機構の正面図である。
【
図11(a)】係止機構の取り囲み部の平面図である。
【
図11(b)】係止機構の取り囲み部の側面図である。
【
図12(a)】係止機構の戻り止め部材のスプリングフィンガーの方向の側面図である。
【
図12(d)】スプリングフィンガーの方向に対して90°の方向の側面図である。
【
図13(a)】係止機構のリンク部材の斜視図である。
【
図13(c)】リンク部材の連結部に向かって見た端面図である。
【
図14(a)】係止機構のロックレバーのヒンジ端部を示す図である。
【
図14(b)】係止機構のロックレバーの上部平面図である。
【
図14(c)】係止機構のロックレバーの斜視図である。
【
図14(d)】係止機構のロックレバーの側面図である。
【
図15】長さ調整装置機構のスライド要素に連結される接合要素の内側の図である。
【
図16】係止位置における係止機構の拡大された詳細を伴う、術後支持具の改変された長さ調整装置機構の外側の斜視図である。
【
図17】係止位置における係止機構の拡大された詳細を伴う、
図16の改変された長さ調整装置機構の内側の斜視図である
【
図18】
図14(a)〜
図14(d)に示す係止機構のロックレバーの改変されたバージョンを伴う、
図11(a)及び
図11(b)に示す係止機構の取り囲み部の改変されたバージョンの分解図である。
【
図19】別の改変された長さ調節装置の内側の斜視図である。
【
図20】別の改変された長さ調節装置の外側の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
最初に、図に示される矯正用膝支持具は説明的な例に過ぎず、本発明の以下の説明は、上述の特許文献1、特許文献3、及び特許文献2のものなどの、数多くの他のタイプの膝支持具にも適用可能であるとみなされるべきであることに留意される。図から分かるように、典型的には、膝支持具1は、内側及び外側の大腿部アーム5を連結する上部クロス片3と、内側及び外側の頸骨部アーム9連結する下部クロス片7と、外側の大腿部アーム及び頸骨部アームを連結し、内側の大腿部アーム及び頸骨部アームを連結する多心性(polycentric)ヒンジ機構11とを備える。さらに、特許文献1のように、単心性(unicentric)ヒンジ13が、多心性ヒンジ機構と大腿部アーム5との間に配設される。支持具を装着者の脚に保持するために、クロス片の内側サイド及び外側サイド、並びに/又は、内側及び外側の大腿部アーム及び頸骨部アームに連結する上側及び下側の後部ストラップは図示されていない。
【0011】
次に、上記事項との関連で、本発明の長さ調整装置機構16が説明される。
【0012】
図3及び
図4から、長さ調整装置機構16の主な要素が分かる。そこには、大腿部アーム5のレシーバ20内に摺動可能であるスライド18と、スライド18のトラック24に受容される戻り止め要素22であって、ねじ26によってリンク28に固定される戻り止め要素22とが示されており、リンク28は、取り囲み部30の貫通開口部30aに移動可能に受け入れられ、スプリングピン34によってロックレバー32に連結される。さらに示されているのは二重ハンドル構成体36であり、この二重ハンドル構成体36は任意的であって
図16及び
図17に示される術後支持具の長さ調整装置機構からは省かれている。
【0013】
図12において分かるように、戻り止め要素22は、プレート22aと、リンクがねじ26によってその中に保持される貫通穴22bと、一対の戻り止め部22cと、一対のスプリングフィンガー(a pair of spring fingers)22dとを有する。
図13は、ねじ26がその中にねじ込まれるねじ切りされた開口部28aと、それをロックレバー32に連結するスプリングピン34用の穴28bとを示す。
図14は、スプリングピン34用のレシーバ32aを示す。これらのレシーバは、その上に形成された偏心輪32bを有する。
図15から明らかなように、トラック24には、一連の凹部38が側部に配置されている。これらの凹部は、戻り止め要素22の戻り止め部22cに適合される一方で、戻り止め部22cは貫通穴22bから外方向に延在し、トラック24は、その貫通穴22bを形成する壁の表面を誘導するようにサイズが設定されて形作られている。
【0014】
ロックレバー32が
図5の位置に持ち上げられると、偏心輪32bは、リンク28から外れ、スプリングフィンガー22dが戻り止め要素22を持ち上げることを許容し、それによって戻り止め部22cを凹部38(
図7)から係合解除させ、スライド18をレシーバ20内で移動させることを可能にする。しかしながら、レバー32が、
図5の位置から
図6の位置に向きを変えたとき、偏心輪32bは、リンク28が外方向に引っ張られることをもたらし、それによってそれに戻り止め要素22をスプリングフィンガー22dの力に逆らって引っ張らせ、スプリングフィンガー22dを圧縮し、それによって戻り止め部22cが凹部38のペアに係合される(
図8)。レバーの上死点を超えたトグリングにより、それは適所に保持され、戻り止め部の係合が固定される。係止位置では、取り囲み部30内のその位置決めにより、係止の不測の解除が起きないようにされる。
【0015】
先に述べたように、
図16及び
図17は、すでに説明したものと作動的に同一である改変された長さ調整機構16を示す。この実施形態の主な相違は、すでに述べたように任意選択のハンドルが無いことであり、大腿部アーム5’は、術後支持具で使用するように異なって構成されるという事実である。
図17はまた、より細かい調整が必要とされない場合、より少ない凹部38を設けることができることも示す。
【0016】
図18は、係止機構用の改変されたロックレバー131を具備する改変された取り囲み部130を示す。取り囲み部130及びロックレバー131は、基本的には、
図11(a)及び
図11(b)並びに
図14(a)〜
図14(d)に示したものとは異なり、長さが医師によって設定された後に調整装置機構116のこの長さを固定するために、ロックレバー131における開口部131c及び取り囲み部130における共働開口部130cがそれぞれ設けられる。特に、調整装置を設定された位置に係止する下方位置にロックレバー131があるとき(例えば
図6及び
図16に示す)、ねじを締め付けて取り囲み部130の開口部130cを通ってロックレバー131における開口部131c内に延在させることができ、それによって、ロックレバー131が上昇することを防止し、医師によって設定された調整装置の位置が偶発的に又はユーザによってリセットされることを防止する。
【0017】
図19及び
図20は、すでに説明したものと作動的に同一である別の改変された長さ調整装置の内側及び外側の斜視図である。この実施形態の主な相違は、スライド118の機能、戻り止め要素122、及びレシーバ120用のカバープレートを設けることにある。
【0018】
最初に、スライド118をより十分に安定化させるために、例えば
図4、7及び8に示すようなブラケットの代わりに、この好ましい実施形態では、カバープレート140が大腿部アーム5に取り付けられ、大腿部アーム5はスライド118が中で移動可能であるチャンネルを作り出すレシーバ120を超えて延在し、ロックレバー131が戻り止め要素122を引き寄せたときにかけられる張力による撓みを最小化する。
【0019】
加えて、戻り止め要素122の構成は、
図12に示すものとは異なり、プレート122aは、円形の代わりに矩形であり、穴22bを境界付ける壁のサイドから突出するスプリングフィンガー22dの代わりに、湾曲したプレート形状の部材が、プレート122aの延長部として形成される。そのような構造は、戻り止め部122cを持ち上げてスライド118の凹部138との係合から外す効果的な手段を生み出すことがより容易である。この点に関し、
図20に最も容易に見ることができるように、
図12に示すような大きい半円形の戻り止め部22c上ではなく、戻り止め要素122には、スライド118の相補的なより小さい凹部138と係合可能であるいくつかのより小さい戻り止め部122cが設けられ、それによってより細かい度合いの調整をもたらす。
【要約】 (修正有)
【課題】大腿部アームの少なくとも1つが長さ調整機構を有するタイプの整形外科用膝支持具を提供する。
【解決手段】大腿部アーム5の少なくとも1つが、大腿部アームの少なくとも1つ又は他方の内側−外側角度移動を生み出すようにアームの少なくとも1つの長さを調整するための長さ調整機構を有するタイプの膝支持具1であって、調整機構16は、少なくとも1つのペアの戻り止め部を有する戻り止め要素に連結されたトグル機構を有し、トグル機構は、少なくとも1つのペアの戻り止め部がスライドの少なくとも1つの戻り止め凹部のペア内で係合して係止される第1の位置と、大腿部アームの少なくとも1つの長さの調整を可能とするように少なくとも1つのペアの戻り止め凹部との係合から外れるような移動のために少なくとも1つのペアの戻り止め部を解除する第2の位置とを有する膝支持具。
【選択図】
図2