特許第6158488号(P6158488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6158488基地局装置、プログラム、異常リソース検出方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6158488
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】基地局装置、プログラム、異常リソース検出方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/08 20090101AFI20170626BHJP
【FI】
   H04W24/08
【請求項の数】10
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2012-199712(P2012-199712)
(22)【出願日】2012年9月11日
(65)【公開番号】特開2014-57159(P2014-57159A)
(43)【公開日】2014年3月27日
【審査請求日】2015年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】奈良 樹
(72)【発明者】
【氏名】畑中 芳隆
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 亘
(72)【発明者】
【氏名】戸成 拓也
【審査官】 篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−004125(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/099404(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向装置と通信を行うためのリソースを備え、前記リソースを介して、前記対向装置へ送信した所定の第1のメッセージに対する応答メッセージを前記対向装置から受信し、前記応答メッセージをメモリに格納する基地局装置であって、
第2のメッセージを作成し、前記第2のメッセージを前記メモリに格納するオーディット処理部と、
前記第1のメッセージを送信してから前記応答メッセージを受信するまでの間、すなわち処理禁止期間は前記メモリに格納された前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理せず、前記処理禁止期間以外の期間に前記メモリに格納された順番に前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理するメッセージ解析処理部と、を備え、
前記オーディット処理部は、前記メッセージ解析処理部が通常、前記第2のメッセージを処理するために必要な時間よりも長い所定の時間が経過した後、前記メモリに前記第2のメッセージが処理されずに残っていた場合には、前記リソースを検出する、
ことを特徴とする基地局装置。
【請求項2】
前記リソースが、前記第1のメッセージ送信後に前記応答メッセージを受信していない状態、すなわち応答メッセージ待ち状態か否かを把握し、前記リソースの状態を要求する信号や数値、すなわち状態取得要求が入力されると、前記応答メッセージ待ち状態でなければ、応答メッセージ待ち状態でないことを示す信号や数値を出力するリソース管理部を備え、
前記メッセージ解析処理部は、前記状態取得要求を前記リソース管理部に出力した結果、前記応答メッセージ待ち状態でないことを示す信号や数値が入力されると、前記処理禁止期間以外の期間と判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記オーディット処理部は、検出した前記リソースを解放する、
ことを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項4】
前記対向装置は、移動局、MME(Mobility Management Entity)、若しくは前記基地局装置と通信を行う他の前記基地局装置のいずれかである、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項5】
対向装置と通信を行うためのリソースを備え、前記リソースを介して、前記対向装置へ送信した所定の第1のメッセージに対する応答メッセージを前記対向装置から受信し、前記応答メッセージをメモリに格納する装置を制御するプログラムであって、
第2のメッセージを作成し、前記第2のメッセージを前記メモリに格納するオーディット処理工程と、
前記第1のメッセージを送信してから前記応答メッセージを受信するまでの間、すなわち処理禁止期間は前記メモリに格納された前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理せず、前記処理禁止期間以外の期間に前記メモリに格納された順番に前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理するメッセージ解析処理工程と、を備え、
前記オーディット処理工程は、前記メッセージ解析処理工程が通常、前記第2のメッセージを処理するために必要な時間よりも長い所定の時間が経過した後、前記メモリに前記第2のメッセージが処理されずに残っていた場合には、前記リソースを検出する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
前記リソースが、前記第1のメッセージ送信後に前記応答メッセージを受信していない状態、すなわち応答メッセージ待ち状態か否かを把握し、前記リソースの状態を要求する信号や数値、すなわち状態取得要求が入力されると、前記応答メッセージ待ち状態でなければ、応答メッセージ待ち状態でないことを示す信号や数値を出力するリソース管理工程を備え、
前記メッセージ解析処理工程は、前記状態取得要求を前記リソース管理工程に出力した結果、前記応答メッセージ待ち状態でないことを示す信号や数値が入力されると、前記処理禁止期間以外の期間と判定する、
ことを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記オーディット処理工程は、検出した前記リソースを解放する、
ことを特徴とする請求項5乃至6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
対向機能部と通信を行うためのリソースを備え、前記リソースを介して、前記対向機能部へ送信した所定の第1のメッセージに対する応答メッセージを前記対向機能部から受信し、前記応答メッセージをメモリに格納する機能部の前記リソースの異常を検出する異常リソース検出方法であって、
第2のメッセージを作成し、前記第2のメッセージを前記メモリに格納するオーディット処理ステップと、
前記第1のメッセージを送信してから前記応答メッセージを受信するまでの間、すなわち処理禁止期間は前記メモリに格納された前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理せず、前記処理禁止期間以外の期間に前記メモリに格納された順番に前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理するメッセージ解析処理ステップと、を備え、
前記オーディット処理ステップにおいては、前記メッセージ解析処理ステップにおいて通常、前記第2のメッセージが処理されるために必要な時間よりも長い所定の時間が経過した後、前記メモリに前記第2のメッセージが処理されずに残っていた場合には、前記リソースを検出する、
ことを特徴とする異常リソース検出方法。
【請求項9】
前記リソースが、前記第1のメッセージ送信後に前記応答メッセージを受信していない状態、すなわち応答メッセージ待ち状態か否かを把握し、前記リソースの状態を要求する信号や数値、すなわち状態取得要求が入力されると、前記応答メッセージ待ち状態でなければ、応答メッセージ待ち状態でないことを示す信号や数値を出力するリソース管理ステップを備え、
前記メッセージ解析処理ステップにおいては、前記状態取得要求を出力した結果、前記リソース管理ステップにより前記応答メッセージ待ち状態でないことを示す信号や数値が入力されると、前記処理禁止期間以外の期間と判定する、
ことを特徴とする請求項8に記載の異常リソース検出方法。
【請求項10】
前記オーディット処理ステップにおいては、検出した前記リソースを解放する、
ことを特徴とする請求項8乃至9のいずれか1項に記載の異常リソース検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置、プログラム、異常リソース検出方法に関し、特に、キューイング処理を利用した基地局装置、プログラム、異常リソース検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な基地局装置は、通信を行うリソースを介して所定のメッセージやデータを出力し、その応答が所定時間内に返ってくるか否かでリソースの異常を検出する技術を利用することが知られている。このリソースの異常を検出する技術は、例えば、以下の特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1の無線基地局は、保守監視手段と、タイマ手段と、伝送路信号切替手段と、折り返し制御手段とを備える。保守監視手段は、試験用データを出力する。タイマ手段は、試験用データが出力されると一定時間を計測する。伝送路信号切替手段は、通信データの送受信制御を行う。折り返し制御手段は、試験用データを受信すると当該試験用データを折り返しデータに変換して伝送路信号切替手段へ出力する。この特許文献1の無線基地局は、以下のように動作する。
【0004】
まず、保守監視手段は、試験用データを伝送路信号切替手段に出力する。次に、タイマ手段は、保守監視手段が試験用データを出力すると、一定時間の計測を開始する。伝送路信号切替手段は、保守監視手段からの試験用データを、折り返し制御手段に送出する。折り返し制御手段は、試験用データを受信すると、当該試験用データを折り返しデータに変換して伝送路信号切替手段を介して、保守監視手段に出力する。保守監視手段は、タイマ手段が計測する一定時間内に折り返しデータ、すなわち出力した試験データに対する応答を受信できなかった場合に、伝送路信号切替手段に異常が発生していることを検出する。
【0005】
上述の構成や動作により、特許文献1の無線基地局は、伝送路信号切替手段、すなわち通信を行うリソースの異常を検出することができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1の無線基地局は、リソースを介して出力したデータを基地局内で折り返しており、実際に対向装置に出力し、対向装置からの応答を確認しているわけではない。すなわち、特許文献1の無線基地局は、リソースが対向装置と通信可能なのか否かを実際に確認しているわけではない。そのため、特許文献1の無線基地局は、対向装置と通信できないリソース(以下、「異常リソース」という)を必ずしも検出できるとは限らなかった。例えば、特許文献1の無線基地局は、リソース浮きとなっている異常リソースを検出するとは限らない。リソース浮きとなっている異常リソースとは、対向装置側ではリソースは解放されているのに、対向装置と通信を行おうとしているリソースのことである。リソース浮きとなっている異常リソースは、対向装置側のリソースが解放されているので通信できないが、そのリソース自体は正常であるので、特許文献1の無線基地局は、異常リソースとして検出できない。
【0007】
この課題を解決する手段として、一般的な基地局装置は、リソースを介して実際に対向装置に出力する所定の呼制御用のメッセージの応答が所定時間内に対向装置から返ってくるか否かで、異常リソースを検出する技術を利用することが知られている。所定の呼制御用のメッセージとは、例えば、3GPP(Third Generation Partnership Project)に規定されるUE Capability Enquiryである。その応答は、UE Capability Informationとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−289062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上述の異常リソースを検出する技術を用いた基地局装置は、異常リソースを検出する為の処理量が大きくなり、自身の処理能力が大きく損なわれるという課題があった。その理由を以下に説明する。なお、対向装置から応答が返される所定の呼制御用のメッセージを以下、「期待メッセージ」というものとする。
【0010】
まず、上述の異常リソースを検出する技術を用いた基地局装置(以下、「異常リソース検出基地局」という)は、期待メッセージを出力した後、その応答が所定時間内に返ってくるかを計測する為に、タイマを起動する。そして、異常リソース検出基地局は、タイマを起動するために、比較的処理量が大きいシステムコールを実行する。一方、異常リソース検出基地局は、一般的な基地局と同様に呼制御を行う。異常リソース検出基地局は、呼量が増大した場合には、呼制御を行う回数も増大し、呼制御用のメッセージである期待メッセージもその分、大量に出力されることとなる。その結果、異常リソース検出基地局は、タイマ起動を何度も、すなわち比較的処理量が大きいシステムコールを何度も実行することとなり、異常リソースを検出する為の処理量が大きくなってしまう。異常リソース検出基地局は、異常リソースを検出する為の処理量が大きくなると、自身への処理負荷も高まり、処理能力が大きく損なわれてしまう。
【0011】
本発明は、上記課題を解決する基地局装置、プログラム、異常リソース検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の基地局装置は、対向装置と通信を行うためのリソースを備え、前記リソースを介して、前記対向装置へ送信した所定の第1のメッセージに対する応答メッセージを前記対向装置から受信し、前記応答メッセージをメモリに格納する基地局装置であって、第2のメッセージを作成し、前記第2のメッセージを前記メモリに格納するオーディット処理部と、前記第1のメッセージを送信してから前記応答メッセージを受信するまでの間、すなわち処理禁止期間は前記メモリに格納された前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理せず、前記処理禁止期間以外の期間に前記メモリに格納された順番に前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理するメッセージ解析処理部と、を備え、前記オーディット処理部は、前記メッセージ解析処理部が通常、前記第2のメッセージを処理することが可能な時間を含む所定の時間が経過した後、前記メモリに前記第2のメッセージが処理されずに残っていた場合には、前記リソースを検出する。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明のプログラムは、対向装置と通信を行うためのリソースを備え、前記リソースを介して、前記対向装置へ送信した所定の第1のメッセージに対する応答メッセージを前記対向装置から受信し、前記応答メッセージをメモリに格納する装置を制御するプログラムであって、第2のメッセージを作成し、前記第2のメッセージを前記メモリに格納するオーディット処理工程と、前記第1のメッセージを送信してから前記応答メッセージを受信するまでの間、すなわち処理禁止期間は前記メモリに格納された前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理せず、前記処理禁止期間以外の期間に前記メモリに格納された順番に前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理するメッセージ解析処理工程と、を備え、前記オーディット処理工程は、前記メッセージ解析処理工程が通常、前記第2のメッセージを処理することが可能な時間を含む所定の時間が経過した後、前記メモリに前記第2のメッセージが処理されずに残っていた場合には、前記リソースを検出する。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の異常リソース検出方法は、対向機能部と通信を行うためのリソースを備え、前記リソースを介して、前記対向機能部へ送信した所定の第1のメッセージに対する応答メッセージを前記対向機能部から受信し、前記応答メッセージをメモリに格納する機能部の前記リソースの異常を検出する異常リソース検出方法であって、第2のメッセージを作成し、前記第2のメッセージを前記メモリに格納するオーディット処理手段と、前記第1のメッセージを送信してから前記応答メッセージを受信するまでの間、すなわち処理禁止期間は前記メモリに格納された前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理せず、前記処理禁止期間以外の期間に前記メモリに格納された順番に前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理するメッセージ解析処理手段と、を備え、前記オーディット処理手段は、前記メッセージ解析処理部が通常、前記第2のメッセージを処理することが可能な時間を含む所定の時間が経過した後、前記メモリに前記第2のメッセージが処理されずに残っていた場合には、前記リソースを検出する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、基地局装置は、異常リソースを検出する為の処理量を削減でき、その結果、異常リソースを検出する為の処理によって自身の処理能力が大きく損なわれないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施の形態における基地局装置(オーディット処理部を除く)の構成例を示す図である。
図2】本発明の第1の実施の形態における基地局装置(オーディット処理部を含める)の構成例を示す図である。
図3A】本発明の第1の実施の形態における基地局装置10の動作を示すシーケンス図である。
図3B】本発明の第1の実施の形態における基地局装置10の動作を示すシーケンス図である。
図3C】本発明の第1の実施の形態における基地局装置10の動作を示すシーケンス図である。
図4】メッセージ種別が応答メッセージを示す信号若しくは数値であった場合に、状態遷移処理部140で決定される処理方法の一覧表である。
図5】メッセージ種別がオーディットメッセージを示す信号若しくは数値であった場合に、状態遷移処理部140で決定される処理方法の一覧表である。
図6A】本発明の第1の実施の形態における基地局装置10の動作(異常リソースが存在するときの動作)を説明するための図である。
図6B】本発明の第1の実施の形態における基地局装置10の動作(異常リソースが存在するときの動作)を説明するための図である。
図6C】本発明の第1の実施の形態における基地局装置10の動作(異常リソースが存在するときの動作)を説明するための図である。
図6D】本発明の第1の実施の形態における基地局装置10の動作(異常リソースが存在するときの動作)を説明するための図である。
図6E】本発明の第1の実施の形態における基地局装置10の動作(異常リソースが存在するときの動作)を説明するための図である。
図6F】本発明の第1の実施の形態における基地局装置10の動作(異常リソースが存在するときの動作)を説明するための図である。
図6G】本発明の第1の実施の形態における基地局装置10の動作(異常リソースが存在するときの動作)を説明するための図である。
図6H】本発明の第1の実施の形態における基地局装置10の動作(異常リソースが存在するときの動作)を説明するための図である。
図7】本発明の第2の実施の形態における装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
[構成の説明]
図1は、本発明の第1の実施の形態における基地局装置(オーディット処理部を除く)の構成例を示す図である。また、図2は、本発明の第1の実施の形態における基地局装置(オーディット処理部を含める)の構成例を示す図である。
【0019】
(1)第1の実施の形態における基地局装置の構成
まず、図1に示されるように、第1の実施の形態における基地局装置10は、メッセージ受信部100と、メッセージキュー110と、メッセージ解析処理部120と、リソース管理部130を含む。また、第1の実施の形態における基地局装置10は、さらに状態遷移処理部140と、キューイング処理部150と、タイマ管理部160を含む。さらに、図2に示されるように、第1の実施の形態における基地局装置10は、オーディット処理部170も含む。なお、基地局装置10は、図示していないが、他ノード20と通信を行うためのリソースを複数備える。他ノード20は、移動局(以下、「UE」という)やMME(Mobility Management Entity)であってもよいし、基地局装置50と通信を行う他の基地局装置であってもよい。
【0020】
リソース管理部130は、メッセージ解析処理部120と、状態遷移処理部140と接続され、メッセージ解析処理部120は、状態遷移処理部140と、キューイング処理部150と、メッセージキュー110と接続される。また、状態遷移処理部140は、キューイング処理部150と接続される。さらに、メッセージ受信部100は、メッセージキュー110と、他ノード20と接続される。また、オーディット処理部170は、メッセージキュー110と、リソース管理部130と、キューイング処理部150と、タイマ管理部160と接続される。なお、キューイング処理部150は、基地局装置10内部のRAM(Random Access Memory)等のメモリに接続される。このメモリは、図示していないが、メッセージ解析処理部120にも接続される。
【0021】
ここで、メッセージ解析処理部120と、リソース管理部130と、状態遷移処理部140と、キューイング処理部150と、オーディット処理部170は、基地局装置を制御する一般的なソフトウエアを用いて実現することができる。また、メッセージキュー110は、RAM(Random Access Memory)等のメモリを用いて実現することができる。さらに、メッセージ受信部100は、電子回路やFPGA(Field−Programmable Gate Array)、さらにDSP(Digital Signal Processor)を用いて実現することができる。タイマ管理部160は、基地局装置を制御する一般的なミドルウエアを用いて実現することができる。なお、メッセージキュー110以外の各部位は、電子回路で実現してもかまわない。
【0022】
(2)第1の実施の形態における基地局装置10の各機能部の機能
基地局装置10は、一般的な基地局装置と同様に、リソースを介して、他ノード20へ所定の呼制御用のメッセージを送信し、そのメッセージに対する応答メッセージを他ノード20から受信する機能を有する。
【0023】
上述の機能を基地局装置10が有していることを前提として、以下、基地局装置10の各機能部の機能について説明を行う。なお、所定の呼制御用のメッセージは、本実施形態の基地局装置50のユーザによって基地局装置50に設定される。所定の呼制御用のメッセージは、例えば、3GPP(Third Generation Partnership Project)に規定されるUE Capability EnquiryやPath Switch Requestであってもよい。UE Capability Enquiryの場合には、応答メッセージは、UE Capability Informationとなる。また、Path Switch Requestの場合には、応答メッセージは、Path Switch Request Acknowledgeとなる。
【0024】
まず、メッセージ受信部100は、他ノード20から受信した応答メッセージをメッセージキュー110に格納する。
【0025】
メッセージキュー110は、メッセージを格納するメモリである。
【0026】
メッセージ解析処理部120は、所定のタイミングになると、メッセージキュー110からメッセージを取得し、取得したメッセージが、どのようなメッセージで、どのUEから送信されたメッセージかを公知の手段で解析する。この解析の結果、どのUEから送信されたメッセージかが分かるが、ここで分かったUEのことを以下、「当該UE」という。上述の所定のタイミングは、本実施形態の基地局装置10のユーザによってメッセージ解析処理部120に設定される。メッセージ解析処理部120がソフトウエアで実現される場合には、所定のタイミングは、本実施形態の基地局装置10のユーザによってメッセージ解析処理部120のソフトウエアに定義される。また、上述の解析の結果、メッセージ解析処理部120は、取得したメッセージが、どのようなメッセージか分かるので、取得したメッセージの種別を示す信号、若しくは数値を保持する。さらに、上述の解析の結果、取得したメッセージが、所定の応答メッセージ若しくは、オーディットメッセージであった場合には、メッセージ解析処理部120は、当該UEと通信を行っているリソースの状態取得を要求する信号、若しくは数値を出力する。上述の所定の応答メッセージは、本実施形態の基地局装置10のユーザによってメッセージ解析処理部120に設定される。メッセージ解析処理部120がソフトウエアで実現される場合には、上述の所定の応答メッセージは、本実施形態の基地局装置10のユーザによってメッセージ解析処理部120のソフトウエアに定義がされる。オーディットメッセージは、リソースが通信を行っているUE毎に、オーディット処理部170によって生成される検査用のメッセージである。オーディットメッセージは、応答メッセージのダミーメッセージであってもよい。ここで、上述のリソースの状態取得を要求する信号、若しくは数値のことを以下、「状態取得要求」という。メッセージ解析処理部120は、状態取得要求を出力した結果、リソースの状態、すなわち呼状態が入力されると、取得したメッセージの種別を示す信号若しくは数値(以下、「メッセージ種別」という)と、入力された呼状態とを出力する。さらに、メッセージ解析処理部120は、呼状態とメッセージ種別を出力した結果、取得したメッセージの処理方法が入力されると、その処理方法で取得したメッセージを処理する。具体的には、処理方法が所定の処理(以下、「メッセージ処理」という)であった場合、メッセージ解析処理部120は、メッセージを送信してから応答メッセージを受信するまでの間でないと判定し、取得したメッセージに対し、所定の処理を行う。所定の処理の内容は、本実施形態の基地局装置10のユーザによってメッセージ解析処理部120を動作させるソフトウエアに定義される。また、処理方法がキューイングであった場合、メッセージ解析処理部120は、取得したメッセージと、当該UEに対応する信号若しくは数値(以下、「当該UE識別子」という)とを出力する。さらに、メッセージ解析処理部120は、安定状態に遷移したことを示す信号、若しくは数値とUE名が入力されると、キューイング処理部150に接続されたメモリから、UE名に対応するメッセージを取得する。上述の安定状態に遷移したことを示す信号、若しくは数値やUE名については、以下のリソース管理部130の機能の説明にて説明する。
【0027】
リソース管理部130は、基地局装置10に備わる各リソースの状態を公知の機能で管理する。具体的には、リソース管理部130は、リソース毎にどのUEと通信を行っているかを公知の技術で把握する。また、リソース管理部130は、各リソースが応答メッセージ待ち状態か、安定状態か、すなわち呼状態を把握する。応答メッセージ待ち状態とは、リソースが、メッセージをUEに送信して、その応答メッセージを待っている状態のことである。安定状態とは、次の処理を実施可能な状態のことである。安定状態は、リソースが応答メッセージを受信し、その時の処理が完了し、次の処理を実施可能な状態であってもよい。リソース管理部130は、状態取得要求(メッセージ解析処理部120の説明に上述)が入力されると、当該UEと通信を行っているリソースの呼状態を出力する。さらに、リソース管理部130は、安定状態に遷移したリソースがあった場合、そのリソースで通信を行っているUEを示す信号若しくは数値(以下、「UE名」という)と、安定状態に遷移したことを示す信号、若しくは数値を出力する。また、リソース管理部130は、UEと通信を行っているリソースと、そのリソースがどのUEと通信を行っているのかを知らせるよう要求する信号若しくは、数値が入力されると、通信UE状況応答を出力する。通信UE状況応答は、UEと通信を行っているリソースと、そのリソースがどのUEと通信を行っているのかを知らせる信号、若しくは数値のことである。
【0028】
状態遷移処理部140は、呼状態とメッセージ種別が入力されると、メッセージの処理方法を決定する。決定方法については、後述する動作の説明欄にて、詳細を説明する。
【0029】
キューイング処理部150は、当該UE識別子とメッセージ(メッセージ解析処理部120の説明に上述)が入力されると、当該UE識別子毎に、メッセージを自身に接続されているメモリにキューイングする。
【0030】
タイマ管理部160は、タイマの起動する要求する信号若しくは、数値が入力されると、システムコールを実行し、タイマを起動する。また、タイマ管理部160は、タイマが満了すると、タイマが満了したことを示す信号若しくは、数値を出力する。
【0031】
オーディット処理部170は、所定のタイミングになると、リソースが通信を行っているUE毎にオーディットメッセージを生成し、メッセージキュー110に格納する。また、オーディット処理部170は、オーディットメッセージをメッセージキュー110に格納すると、UEと通信を行っているリソースと、そのリソースがどのUEと通信を行っているのかを知らせるよう要求する信号若しくは、数値(以下、「通信UE状況要求」という)を出力する。オーディット処理部170は、通信UE状況要求を出力した後、通信UE状況応答が入力されると、UEと通信を行っているリソースと、そのリソースがどのUEと通信を行っているのかを認識する。さらに、オーディット処理部170は、オーディットメッセージをメッセージキュー110に格納すると、タイマの起動を要求する信号若しくは、数値を出力する。オーディット処理部170は、タイマが満了したことを示す信号若しくは、数値が入力されると、オーディットメッセージが残っているメモリがあるかを確認する。ここでのメモリとは、キューイング処理部150に接続されているメモリのことである。オーディット処理部170は、オーディットメッセージが残っているメモリがあれば、それがどのUEのメッセージを格納しているメモリかを把握し、そのUEと通信を行っているリソースを正常に通信ができない異常リソースとして検出する。また、オーディット処理部170は、検出した異常リソースを解放する。
【0032】
[動作の説明]
図3A〜Cは、本発明の第1の実施の形態における基地局装置10の動作を示すシーケンス図である。図3A〜Cを用いて、基地局装置10の動作を説明していく。まず、メッセージ解析処理部120と、リソース管理部130と、状態遷移処理部140と、キューイング処理部150の動作、すなわち、各種メッセージを処理する動作から説明する。その上で、タイマ管理部160とオーディット処理部170の動作、すなわち、異常リソースを検出する動作について説明する。なお、基地局装置10は、リソースを介して、他ノード20へメッセージを送信し、その応答メッセージを他ノード20から受信する機能を有している。その為、メッセージキュー110には、メッセージ受信部100によって、受信した応答メッセージが格納されていることを前提として説明する。
【0033】
(1)基地局装置10の動作(各種メッセージを処理する動作)
まず、基地局装置10のメッセージ解析処理部120は、図3Aに示されるように、メッセージキュー110に格納されているメッセージを所定のタイミングで取得する(S100)。
【0034】
次に、メッセージ解析処理部120は、取得したメッセージが、どのようなメッセージで、どのUEから送信されたメッセージかを公知の手段で解析する(S101)。
【0035】
ここで、S101の解析の結果、どのUEから送信されたメッセージかが分かるが、ここで分かったUEのことを以下、「当該UE」というものとする。また、S101の解析の結果、メッセージ解析処理部120は、取得したメッセージが、どのようなメッセージか分かるので、取得したメッセージの種別を示す信号、若しくは数値、すなわちメッセージ種別を保持する。現在、メッセージ解析処理部120は、メッセージキュー110に格納されていた応答メッセージを取得しているので、保持しているメッセージ種別は、応答メッセージを示す信号若しくは数値である。さらに、メッセージ解析処理部120は、当該UEに対応する信号若しくは数値、すなわち当該UE識別子も保持する。メッセージ解析処理部120は、メッセージ種別と当該UE識別子を、以下のS102〜S107を実施する間、保持する。
【0036】
次に、メッセージ解析処理部120は、取得したメッセージが、所定の応答メッセージ若しくは、オーディットメッセージであった場合、当該UEと通信を行っているリソースの状態を取得する為、状態取得要求をリソース管理部130に出力する(S102)。
【0037】
次に、リソース管理部130は、メッセージ解析処理部120からの状態取得要求が入力されると、当該UEと通信を行っているリソースの呼状態をメッセージ解析処理部120に通知する(S103)。
【0038】
次に、メッセージ解析処理部120は、呼状態が入力されると、入力された呼状態とメッセージ種別とを状態遷移処理部140に出力する(S104)。
【0039】
次に、状態遷移処理部140は、呼状態とメッセージ種別が入力されると、メッセージの処理方法を決定し、決定した処理方法をメッセージ解析処理部120に出力する(S105)。
【0040】
ここで、図4は、メッセージ種別が応答メッセージを示す信号若しくは数値であった場合に、状態遷移処理部140で決定される処理方法の一覧表である。状態遷移処理部140は、図4に示される通り、メッセージ種別が応答メッセージを示す信号若しくは数値であり、呼状態が所定の状態1であった場合に、処理方法として、メッセージに対して所定の処理、すなわちメッセージ処理を行うことを決定する。所定の状態1は、ここでは安定状態とする。また、状態遷移処理部140は、図4に示される通り、呼状態が所定の状態2であった場合に、処理方法として、メッセージをメモリにキューイングすることを決定する。所定の状態2は、ここでは応答メッセージ待ち状態とする。所定の状態1、2は、本実施形態の基地局装置10のユーザによって状態遷移処理部140に設定される。状態遷移処理部140がソフトウエアで実現される場合には、所定の状態1、2は、本実施形態の基地局装置10のユーザによって状態遷移処理部140のソフトウエアに定義がされる。
【0041】
また、図5は、メッセージ種別がオーディットメッセージを示す信号若しくは数値であった場合に、状態遷移処理部140で決定される処理方法の一覧表である。状態遷移処理部140は、図5に示される通り、メッセージ種別がオーディットメッセージを示す信号若しくは数値であり、呼状態が安定状態であった場合に、処理方法として、メッセージ処理を行うことを決定する。また、状態遷移処理部140は、図5に示される通り、呼状態が安定状態以外の状態であった場合に、処理方法として、メッセージをメモリにキューイングすることを決定する。安定状態以外の状態は、応答メッセージ待ち状態であってもよい。なお、状態遷移処理部140が応答メッセージを処理する段階で、リソースは既に応答メッセージを受信している。その為、図4、5では、メッセージ処理を行うときには、リソースが安定状態に遷移していることも併せて記載している。リソースがメッセージ待ち状態であれば、状態遷移処理部140が何をしようと応答メッセージがない限り、メッセージ待ち状態のまま(状態維持)であることも記載している。
【0042】
次に、メッセージ解析処理部120は、取得したメッセージの処理方法が状態遷移処理部140から入力されると、取得したメッセージについて、その処理方法を実行する(S106)。
【0043】
具体的には、メッセージ解析処理部120は、入力された処理方法がメッセージ処理であった場合、メッセージを送信してから応答メッセージを受信するまでの間でないと判定し、取得していたメッセージに対し、所定の処理を行う。また、メッセージ解析処理部120は、入力された処理方法がキューイングであった場合、取得したメッセージと、当該UE識別子とをキューイング処理部150に出力する。
【0044】
次に、キューイング処理部150は、メッセージ解析処理部120からメッセージと当該UE識別子が入力されると、自身に備わるメモリに、入力されたメッセージを当該UE識別子毎にキューイングする(S107)。
【0045】
なお、上述のS101にて取得したメッセージが複数であった場合には、メッセージ毎にS101〜S107の処理を行う。また、キューイング処理部150にキューイングされたメッセージは、取得したメッセージ全てについて、上述のS101〜S107が行われた後、以下の通りに処理される。
【0046】
まず、リソース管理部130は、図3Bに示されるように、呼状態が安定状態となったリソースがあると、そのリソースで通信を行っているUE名と、安定状態に遷移したことを示す信号、若しくは数値をメッセージ解析処理部120に出力する(S108)。
【0047】
次に、メッセージ解析処理部120は、リソース管理部130からUE名と、安定状態に遷移したことを示す信号、若しくは数値を受信すると、UE名に係るメッセージをキューイング処理部150のメモリから取得する(S109)。
【0048】
次に、メッセージ解析処理部120は、S109で取得したメッセージ毎に上述のS101〜S106の処理を、リソース管理部130と状態遷移処理部140と共に実施し、取得したメッセージに対して、メッセージ処理を実施する(S110)。
【0049】
この後、メッセージ解析処理部120は、上述のS100の処理を、所定のタイミングで繰り返し実行する。その結果、上述のS100〜S110の処理が繰り返し実施される。
【0050】
(2)基地局装置10の動作(異常リソースを検出する動作)
次に、オーディットメッセージを作成し、異常リソースを検出する動作を、図3B、Cを用いて説明する。
【0051】
まず、オーディット処理部170は、図3Bに示されるように、所定のタイミングになると、リソースが通信を行っているUE毎にオーディットメッセージを生成し、メッセージキュー110に格納する(S200)。
【0052】
なお、オーディット処理部170は、S200の処理において、リソースが通信を行っているUEを認識する為に以下の処理を行う。
【0053】
まず、オーディット処理部170は、通信UE状況要求をリソース管理部130に出力する。次に、リソース管理部130は、通信UE状況要求が入力されると、通信UE状況応答をオーディット処理部170に出力する。オーディット処理部170は、通信UE状況応答をリソース管理部130から入力されると、UEと通信を行っているリソースを認識すると共に、そのリソースが通信を行っているUE(以下、「通信中のUE」という)を認識する。
【0054】
さらに、オーディット処理部170は、上述のS200にてオーディットメッセージを作成する際、どのUEのオーディットメッセージかが分かるよう、オーディットメッセージの所定の位置に各通信中のUEに対応する識別子を含める。さらに、オーディット処理部170は、メッセージがオーディットメッセージと分かるよう、所定の位置にオーディットメッセージを示す識別子を含める。
【0055】
次に、オーディット処理部170は、オーディットメッセージをメッセージキュー110に出力すると、所定の時間の経過を測定する為、タイマの起動を要求する信号若しくは、数値(以下、「タイマ起動要求」という)をタイマ管理部160に出力する(S201)。
【0056】
タイマ管理部160は、タイマ起動要求が入力されると、システムコールを実行し、タイマを起動する(S202)。
【0057】
なお、タイマ管理部160は、タイマを起動する際、タイマが満了する時間を、上述のS100〜S110の処理が実行される時間を含む所定の時間に設定する。オーディットメッセージが、上述のS100〜S110の処理によって、処理されるようにするためである。上述の所定の時間は、本実施形態の基地局装置10のユーザによって、予めタイマ管理部160に設定される。本実施形態の基地局装置10のユーザは、通常、基地局装置10がS100〜S110の処理を実行する最大時間を事前に実測し、その最大時間を十分に含む時間を所定の時間としてもよい。
【0058】
次に、タイマ管理部160は、タイマが満了すると、タイマが満了したことを示す信号若しくは、数値をオーディット処理部170に出力する(S203)。
【0059】
ここで、リソースが正常であれば、オーディットメッセージは、上述のS100〜S110で問題なく処理される。その結果、キューイング処理部150のメモリにはオーディットメッセージは残らない。しかし、リソースが異常であり、応答メッセージを受信できていない場合には、上述のS100〜S110の処理の結果、メッセージがキューイング処理部150のメモリにキューイングされ続ける。オーディット処理部170は、オーディットメッセージがメモリにキューイングされ続けているかどうかで、異常リソースがあるかを以下のS204〜S206の通りに検出する。
【0060】
まず、オーディット処理部170は、図3Cに示されるように、タイマが満了したことを示す信号若しくは、数値が入力されると、キューイング処理部150のメモリのうち、オーディットメッセージが残っているメモリがあるかを確認する(S204)。
【0061】
具体的には、オーディット処理部170は、キューイング処理部150のメモリにメッセージが残っており、そのメッセージの所定の位置にオーディットメッセージを示す識別子があれば、そのメモリにオーディットメッセージが残っているものと認識する。
【0062】
次に、オーディット処理部170は、上述のS204で、オーディットメッセージが残っているメモリがあることを確認できたのであれば(S205でYESの場合)、異常リソースを以下の通りに検出し、そのリソースの解放処理を行う(S206)。
【0063】
まず、オーディット処理部170は、オーディットメッセージが残っているメモリが、どのUEのメッセージを格納するメモリかを把握する。その為に、オーディット処理部170は、残っているオーディットメッセージの所定の位置にある、UEに対応する識別子(S200に上述)を認識し、どのUEのメッセージを格納するメモリかを把握してもよい。ここで把握したUEを「解放UE」というものとする。次に、オーディット処理部170は、解放UEと通信を行っているリソースを認識する。オーディット処理部170は、上述のS200にて、UEと通信を行っているリソースと、各リソースがどのUEと通信を行っているかを認識しているので、解放UEと通信を行っているリソースについても認識することができる。次に、オーディット処理部170は、解放UEと通信を行っているリソースを解放する。
【0064】
次に、オーディット処理部170は、上述のS204の確認の結果、オーディットメッセージが残っているメモリがなければ(S205でNoの場合)、異常リソースはないものと認識し、特に何もしない。
【0065】
(3)リソースに異常があるときの基地局装置10の動作
図6A〜Hは、本発明の第1の実施の形態における基地局装置10の動作(異常リソースが存在するときの動作)を説明するための図である。図6A〜Hを用いて、通信ができない異常リソースが存在するときに、基地局装置10が異常リソースを検出する動作を説明する。
【0066】
ここでは、以下の状況を例に説明を行う。
【0067】
まず、UE#1、#2と通信を行うリソースが、それぞれ所定のメッセージを送信し、そのメッセージに対する応答メッセージを待っている状態、すなわち応答メッセージ待ち状態であるものとする。図6Aでは、リソース管理部130が、応答メッセージ待ち状態と認識している様子を図示している。この時、UE#2と通信を行う為のリソースは、UE#2と通信ができず、その結果、応答メッセージが受け取れない異常リソースとなっていたものとする。図6Bでは、UE#2と通信を行うリソースが応答メッセージを受け取れない状態なので、メッセージ解析処理部120もUE#2からの応答メッセージを取得できない様子を示している。また、図6Bでは、UE#2と通信を行うリソースが応答メッセージを受け取れない状態なので、リソース管理部130も、リソースが応答メッセージ待ちの状態のまま、すなわち状態遷移ができない様子を示している。
【0068】
上述の状況において、まず、基地局装置10のオーディット処理部170は、所定のタイミングになると、上述のS200を実行し、オーディットメッセージを通信中のUE毎に生成し、メッセージキュー110に格納する。図6Cでは、オーディット処理部170が、通信中のUE#1、#2毎にオーディットメッセージを作成し、メッセージキュー110に格納する様子を示している。
【0069】
次に、基地局装置10は、所定のタイミングになると、メッセージキュー110に格納されたメッセージについて、上述のS100〜S110を実施する。すなわち、メッセージ解析処理部120は、格納されたオーディットメッセージを取得し、状態遷移処理部140から受け取った処理方法通りにメッセージを処理する。現在、UE#1、#2と通信を行うリソースはいずれも、応答メッセージ待ちの状態である。その為、状態遷移処理部140は、処理方法としてキューイングすることを決定する。その結果、オーディットメッセージは、メッセージ解析処理部120によって、図6Dに示されるように、キューイング処理部150のメモリ(図中ではキューと記載)に、UE毎にキューイングされる。
【0070】
次に、UE#1が応答メッセージを送信すると、UE#1と通信を行うリソースは正常にUE#1と通信できるので、図6Eに示されるように、応答メッセージは受信され、メッセージ受信部100によって、メッセージキュー110に格納される。
【0071】
次に、基地局装置10は、次の所定のタイミングになると、メッセージキュー110に格納されたメッセージについて、上述のS100〜S110を実施する。すなわち、基地局装置10のメッセージ解析処理部120は、図6Fに示されるように、UE#1からの応答メッセージを取得し、状態遷移処理部140から指定された処理方法通りにそのメッセージを処理する。このとき、UE#1と通信を行うリソースは応答メッセージを受け取っているので安定状態になっている。その為、メッセージ解析処理部120は、状態遷移処理部140からメッセージ処理を指定され、応答メッセージを処理することができる。さらに、UE#1と通信を行うリソースが安定状態に遷移したので、基地局装置10は、上述のS108〜S110の動作を行うこととなり、図6Gに示されるように、キューイング処理部150のUE#1用のメモリに格納されたオーディットメッセージを処理する。
【0072】
次に、基地局装置10のオーディット処理部170は、タイマが満了し、一定時間経過すると、上述のS204〜206を実施し、図6Hに示されるように、オーディットメッセージが残っているメモリがあるかを確認し、異常リソースを検出する。
【0073】
今回、オーディット処理部170は、キューイング処理部150のUE#2用のメモリにオーディットメッセージが残っているので、UE#2と通信を行うリソースを異常リソースと検出する。その後、基地局装置10のオーディット処理部170は、異常リソースである、UE#2と通信を行うリソースを解放する。
【0074】
以上、異常リソースが存在するときの基地局装置10の動作を説明した。
【0075】
なお、メッセージ解析処理部120と、リソース管理部130と、状態遷移処理部140と、キューイング処理部150と、オーディット処理部170は、上述の通り、ソフトウエアにて実現される。これらのソフトウエアの動作は、基地局装置のソフトウエアでなく、無線交換機等のソフトウエアに適用してもよい。すなわち、上述のソフトウエアの動作は、対向装置からの応答メッセージをメモリに格納して処理する装置ならば、いずれにも適用することが可能である。さらに、上述のソフトウエアの動作は、他のソフトウエアやハードウエアからの応答メッセージを処理するソフトウエアにも適用してもよい。この場合、ソフトウエア間のリソース、若しくはソフトウエアとハードウエア間のリソースに異常があるかを検出することができる。
【0076】
[効果の説明]
本発明によれば、基地局装置は、異常リソースを検出する為の処理量を削減でき、その結果、異常リソースを検出する為の処理によって自身の処理能力が大きく損なわれないようにすることができる。
【0077】
その理由は、本実施形態の基地局装置は、呼量に応じて発行される呼制御用のメッセージ毎にタイマを起動する方法ではなく、一定回数である検査用のメッセージ作成毎にタイマを起動する方法を用いて、異常リソースを検出するようにしたからである。その為、本実施形態の基地局装置は、呼制御用のメッセージ毎にタイマを起動する方法を用いた従来の基地局装置よりもシステムコールを実行する回数を少なくすることができる。その結果、本実施形態の基地局装置は、異常リソースを検出する為の処理量を削減でき、処理負荷を減らせるので、自身の処理能力が大きく損なわれないようにすることができる。
【0078】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0079】
[構成の説明]
図7は、本発明の第2の実施の形態における装置の構成例を示す図である。
【0080】
第2の実施の形態における基地局装置50は、図7に示されるように、メモリ500と、オーディット処理部510と、メッセージ解析処理部520を備える。また、基地局装置50は、図示していないが、対向装置と通信を行うためのリソースを備える。対向装置は、基地局装置50と通信を行う装置、例えば、移動局やMME、さらに他の無線基地局である。
【0081】
基地局装置50は、リソースを介して、対向装置へ送信した所定の第1のメッセージに対する応答メッセージを対向装置から受信し、その応答メッセージをメモリ500に格納する装置である。所定の第1のメッセージは、例えば、3GPPに規定されるHandover Requestであってもよい。この場合、応答メッセージは、Handover Request Acknowledgeとなる。所定の第1のメッセージは、本実施形態の基地局装置50のユーザによって、基地局装置50に設定される。
【0082】
オーディット処理部510は、第2のメッセージを作成し、第2のメッセージをメモリ500に格納する。第2のメッセージは、第1の実施の形態で説明したオーディットメッセージであってもよい。また、オーディット処理部510は、所定の時間が経過した後、メモリ500に第2のメッセージが処理されずに残っていた場合には、リソースを検出する。所定の時間は、本実施形態の基地局装置50のユーザによってオーディット処理部510に設定される。但し、所定の時間は、メッセージ解析処理部520が通常、第2のメッセージを処理することが可能な時間を含む。例えば、所定の時間は、オーディット処理部510が第2のメッセージを格納してからメッセージ解析処理部520が第2のメッセージを処理するまでの最大時間であってもよい。本実施形態の基地局装置50のユーザは、上述の最大時間を、リソースが正常に対向装置と通信できているときに、事前に実測して求めてもよい。
【0083】
メッセージ解析処理部520は、第1のメッセージを送信してから応答メッセージを受信するまでの間(以下、「処理禁止期間」という)はメモリ500に格納された応答メッセージや第2のメッセージを処理しない。メッセージ解析処理部520は、処理禁止期間以外の期間に、メモリ500に格納された順番に応答メッセージや第2のメッセージを処理する。
【0084】
[動作の説明]
まず、基地局装置50は、リソースを介して、対向装置へ所定の第1のメッセージを送信し、次に、対向装置から受信した、所定の第1のメッセージに対する応答メッセージをメモリ500に格納する動作を行っている。
【0085】
次に、オーディット処理部510は、第2のメッセージを作成し、第2のメッセージをメモリ500に格納する。
【0086】
次に、メッセージ解析処理部520は、第1のメッセージを送信してから応答メッセージを受信するまでの間、すなわち処理禁止期間はメモリ500に格納された応答メッセージや第2のメッセージを処理しない。メッセージ解析処理部520は、処理禁止期間以外の期間にメモリ500に格納された順番に応答メッセージや第2のメッセージを処理する。
【0087】
ここで、基地局装置50は、リソースが正常に対向装置と通信でき、対向装置から応答メッセージを受信するのであれば、メモリ500に格納されたオーディットメッセージは、いずれメッセージ解析処理部520によって正常に処理されるはずである。応答メッセージを受信するのであれば、処理禁止期間でないときがあるからである。一方、通信できない異常リソースがある場合には、応答メッセージを受信できず、処理禁止期間が継続してしまう。その場合には、基地局装置50のメッセージ解析処理部520は、メモリ500に格納されたオーディットメッセージを処理できない。オーディットメッセージは、メモリ500に格納され続けることとなる。
【0088】
次に、オーディット処理部510は、所定の時間が経過した後、メモリ500に第2のメッセージが処理されずに残っていた場合には、リソースを検出する。オーディット処理部510は、検出したリソースを正常に通信ができない異常リソースとして解放してもよい。なお、所定の時間の経過を測定する為に、オーディット処理部510は、システムコールしてタイマを起動する動作を行う。
【0089】
[効果の説明]
本発明によれば、基地局装置は、異常リソースを検出する為の処理量を削減でき、その結果、異常リソースを検出する為の処理によって自身の処理能力が大きく損なわれないようにすることができる。
【0090】
その理由は、本実施形態の基地局装置は、呼量に応じて発行される呼制御用のメッセージ毎にタイマを起動する方法ではなく、一定回数である第2のメッセージ作成毎にタイマを起動する方法を用いて、異常リソースを検出するようにしたからである。その為、本実施形態の基地局装置は、呼制御用のメッセージ毎にタイマを起動する方法を用いた従来の基地局装置よりもシステムコールを実行する回数を少なくすることができる。その結果、本実施形態の基地局装置は、異常リソースを検出する為の処理量を削減でき、処理負荷を減らせるので、自身の処理能力が大きく損なわれないようにすることができる。
【0091】
なお、上述した実施の形態は、その形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0092】
さらに、上記の各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
対向装置と通信を行うためのリソースを備え、前記リソースを介して、前記対向装置へ送信した所定の第1のメッセージに対する応答メッセージを前記対向装置から受信し、前記応答メッセージをメモリに格納する基地局装置であって、
第2のメッセージを作成し、前記第2のメッセージを前記メモリに格納するオーディット処理部と、
前記第1のメッセージを送信してから前記応答メッセージを受信するまでの間、すなわち処理禁止期間は前記メモリに格納された前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理せず、前記処理禁止期間以外の期間に前記メモリに格納された順番に前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理するメッセージ解析処理部と、を備え、
前記オーディット処理部は、前記メッセージ解析処理部が通常、前記第2のメッセージを処理することが可能な時間を含む所定の時間が経過した後、前記メモリに前記第2のメッセージが処理されずに残っていた場合には、前記リソースを検出する、
ことを特徴とする基地局装置。
(付記2)
前記リソースが、前記第1のメッセージ送信後に前記応答メッセージを受信していない状態、すなわち応答メッセージ待ち状態か否かを把握し、前記リソースの状態を要求する信号や数値、すなわち状態取得要求が入力されると、前記応答メッセージ待ち状態でなければ、応答メッセージ待ち状態でないことを示す信号や数値を出力するリソース管理部を備え、
前記メッセージ解析処理部は、前記状態取得要求を前記リソース管理部に出力した結果、前記応答メッセージ待ち状態でないことを示す信号や数値が入力されると、前記処理禁止期間以外の期間と判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の基地局装置。
(付記3)
前記オーディット処理部は、検出した前記リソースを解放する、
ことを特徴とする付記1乃至2のいずれか1項に記載の基地局装置。
(付記4)
前記対向装置は、移動局、MME(Mobility Management Entity)、若しくは前記無線基地局と通信を行う他の前記無線基地局のいずれかである、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の基地局装置。
(付記5)
対向装置と通信を行うためのリソースを備え、前記リソースを介して、前記対向装置へ送信した所定の第1のメッセージに対する応答メッセージを前記対向装置から受信し、前記応答メッセージをメモリに格納する装置を制御するプログラムであって、
第2のメッセージを作成し、前記第2のメッセージを前記メモリに格納するオーディット処理工程と、
前記第1のメッセージを送信してから前記応答メッセージを受信するまでの間、すなわち処理禁止期間は前記メモリに格納された前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理せず、前記処理禁止期間以外の期間に前記メモリに格納された順番に前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理するメッセージ解析処理工程と、を備え、
前記オーディット処理工程は、前記メッセージ解析処理工程が通常、前記第2のメッセージを処理することが可能な時間を含む所定の時間が経過した後、前記メモリに前記第2のメッセージが処理されずに残っていた場合には、前記リソースを検出する、
ことを特徴とするプログラム。
(付記6)
前記リソースが、前記第1のメッセージ送信後に前記応答メッセージを受信していない状態、すなわち応答メッセージ待ち状態か否かを把握し、前記リソースの状態を要求する信号や数値、すなわち状態取得要求が入力されると、前記応答メッセージ待ち状態でなければ、応答メッセージ待ち状態でないことを示す信号や数値を出力するリソース管理工程を備え、
前記メッセージ解析処理工程は、前記状態取得要求を前記リソース管理工程に出力した結果、前記応答メッセージ待ち状態でないことを示す信号や数値が入力されると、前記処理禁止期間以外の期間と判定する、
ことを特徴とする付記5に記載のプログラム。
(付記7)
前記オーディット処理工程は、検出した前記リソースを解放する、
ことを特徴とする付記5乃至6のいずれか1項に記載のプログラム。
(付記8)
対向機能部と通信を行うためのリソースを備え、前記リソースを介して、前記対向機能部へ送信した所定の第1のメッセージに対する応答メッセージを前記対向機能部から受信し、前記応答メッセージをメモリに格納する機能部の前記リソースの異常を検出する異常リソース検出方法であって、
第2のメッセージを作成し、前記第2のメッセージを前記メモリに格納するオーディット処理手段と、
前記第1のメッセージを送信してから前記応答メッセージを受信するまでの間、すなわち処理禁止期間は前記メモリに格納された前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理せず、前記処理禁止期間以外の期間に前記メモリに格納された順番に前記応答メッセージや前記第2のメッセージを処理するメッセージ解析処理手段と、を備え、
前記オーディット処理手段は、前記メッセージ解析処理部が通常、前記第2のメッセージを処理することが可能な時間を含む所定の時間が経過した後、前記メモリに前記第2のメッセージが処理されずに残っていた場合には、前記リソースを検出する、
ことを特徴とする異常リソース検出方法。
(付記9)
前記リソースが、前記第1のメッセージ送信後に前記応答メッセージを受信していない状態、すなわち応答メッセージ待ち状態か否かを把握し、前記リソースの状態を要求する信号や数値、すなわち状態取得要求が入力されると、前記応答メッセージ待ち状態でなければ、応答メッセージ待ち状態でないことを示す信号や数値を出力するリソース管理手段を備え、
前記メッセージ解析処理手段は、前記状態取得要求を前記リソース管理手段に出力した結果、前記応答メッセージ待ち状態でないことを示す信号や数値が入力されると、前記処理禁止期間以外の期間と判定する、
ことを特徴とする付記8に記載の異常リソース検出方法。
(付記10)
前記オーディット処理手段は、検出した前記リソースを解放する、
ことを特徴とする付記8乃至9のいずれか1項に記載の異常リソース検出方法。
(付記11)
前記装置は、基地局装置、MME、若しくは交換機のいずれかである、
ことを特徴とする付記5乃至7のいずれか1項に記載のプログラム。
(付記12)
前記対向装置は、移動局、前記MME、前記基地局装置と通信を行う他の前記基地局装置、若しくは前記交換機のいずれかである、
ことを特徴とする付記11に記載のプログラム。
(付記13)
前記機能部は、基地局装置、MME、交換機のいずれか、若しくは前記基地局装置、前記MME、前記交換機のいずれかを制御するソフトウエアやハードウエアである、
ことを特徴とする付記8乃至10のいずれか1項に記載の異常リソース検出方法。
(付記14)
前対向機能部は、前記機能部と通信を行う前記基地局装置、前記MME、前記交換機、若しくは前記機能部と通信を行う前記基地局装置や前記MME、前記交換機を制御するソフトウエアやハードウエアのいずれかである、
ことを特徴とする付記13のいずれか1項に記載の異常リソース検出方法。
【符号の説明】
【0093】
10 基地局装置
20 他ノード
50 基地局装置
100 メッセージ受信部
110 メッセージキュー
120 メッセージ解析処理部
130 リソース管理部
140 状態遷移処理部
150 キューイング処理部
160 タイマ管理部
170 オーディット処理部
500 メモリ
510 オーディット処理部
520 メッセージ解析処理部
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図7