(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記始動入賞口に遊技球が入賞した際に、当該入賞に基づいて開始可能にされる前記ゲームを所定の開始条件が成立するまで保留し、かつ、前記開始条件が成立した際に、最も早く保留された前記ゲームを開始するゲーム開始保留手段と、
前記ゲーム開始保留手段により保留されている前記ゲームの当たりまたははずれを前記乱数取得手段により取得された前記乱数に基づいて判定して判定結果を出力する保留ゲーム抽選結果判定手段とを備え、
前記有利状態判定手段は、前記当たり遊技状態において、前記保留されている前記ゲームの中に、前記保留ゲーム抽選結果判定手段により当たりと判定された前記ゲームがある状態を、前記有利状態と判定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、アタッカが開閉を繰り返す大当たり遊技状態では、可変表示装置で、変動表示ゲームが行われず、大当たり遊技状態用の演出表示が行われ、比較的短期間に多くの遊技球がアタッカに入賞することになる。大当たりが発生したことに遊技者が喜んでいる状態であるが、大当たり発生に基づく賞球としての遊技球の払い出が終わるのを待つ状態でもあり、次の変動表示ゲームが開始されるまで、比較的退屈な時間となってしまう虞がある。
【0010】
そのため、大当たり遊技状態中の表示演出として、大当たり後に確変状態になることを報知する昇格演出を行うパチンコ遊技機も多い。すなわち、大当たり遊技状態中に、遊技者の期待を高めるような演出が求められている。
また、変動表示ゲームが行われている通常の遊技状態では、遊技者の期待感を高めるために、各種予告演出等の演出が過剰と思えるほど行われている。それに対して始動入賞口への遊技球の入賞時の入賞音の変更は、目立たない演出となってしまう虞がある。特に他の予告演出と、入賞音の変更とが重なってしまうと、遊技者の印象に残らない演出となってしまう可能性がある。
【0011】
本発明は、前記事情に鑑みて為されたものであり、大当たり遊技状態中のアタッカへの入賞音を用いた予告演出により、大当たり遊技状態中の遊技者の期待感を高められ、入賞音による演出を有効に利用可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、本発明の遊技機は、発射された遊技球が流下する遊技領域を備える遊技盤と、
前記遊技球が入賞可能な始動入賞口と、
前記始動入賞口に遊技球が入賞した際に、この入賞に基づいて開始可能になるゲームの当たりまたははずれを決定する抽選に使用する乱数を取得して記憶する乱数取得手段と、
前記乱数に基づいて当たりまたははずれを決定する抽選結果決定手段と、
前記遊技球が入賞不可能な閉状態と、前記遊技球が入賞容易な開状態との間で開閉動作可能な変動入賞装置と、
前記抽選結果決定手段により当たりと判定されたゲームが終了した際に、通常時に閉状態となっている前記変動入賞装置に開閉動作を繰り返させることにより当該変動入賞装置に遊技球が入賞可能な当たり遊技状態を発生させる当たり遊技制御手段と、
を備える遊技機において、
前記当たり遊技状態になる場合に、前記当たり遊技状態中の前記変動入賞装置の所定回数目の前記開閉動作より後に、遊技者に有利な有利状態になるか否かを判定する有利状態判定手段と、
前記有利状態判定手段により前記有利状態になると判定された場合に、前記当たり遊技状態の前記所定回数目の前記開閉動作の際に、前記有利状態の発生を第1の報知装置により事前に報知することが可能な有利状態報知手段と、
前記変動入賞装置に遊技球が入賞した際に、
入賞音を発生可能で、前記第1の報知装置と異なる第2の報知装置と、
前記有利状態判定手段により前記有利状態になると判定された場合に、前記変動入賞装置の前記所定回数目の開閉動作より前の開閉動作中に前記変動入賞装置に遊技球が入賞した際に、前記第2の報知装置により発生可能な前記
入賞音の態様を通常時の通常態様と異なる特別態様に変更するか否かを抽選する
入賞音変更抽選手段と、
前記
入賞音変更抽選手段により、前記
入賞音の態様を前記通常態様から前記特別態様に変更すると決定された場合に、前記第2の報知装置を制御して、前記
入賞音の態様を前記特別態様と特別態様として、前記当たり遊技状態中で前記変動入賞装置の前記所定回数目の開閉動作より前に前記特別態様の前記
入賞音を発生させる
入賞音制御手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、大当たり遊技状態の変動入賞装置の所定回数目の開閉動作後に遊技者に有利な有利状態が発生する場合に、所定回数目の開閉動作中に有利状態が発生することを予告する報知が行われる。
その前の開閉動作では、変動入賞装置へ遊技球が入賞する際に発生する入賞音が通常態様から特別態様に変化する場合がある。
【0014】
したがって、遊技者は、アタッカへの遊技球の入賞の際の入賞音に注意を向けることになる。大当たり遊技状態中は、通常時のように各種予告演出が頻繁に行われることがないので、遊技者は、入賞音の変化に注意を向け易い状態であり、入賞音を変化させるような目立ち難い演出でも、十分に遊技者の期待感を高めることができる。これにより、大当たり遊技状態中に退屈してしまうような状況となるのを防止できる。
【0015】
なお、有利状態が発生する大当たり遊技状態の所定回数目の開閉動作より後とは、所定回数目の開閉動作の終了時(終了直後)であってもよいし、大当たり遊技状態の終了時(終了直後)であってもよいし、大当たり遊技状態が終了してから所定回数の変動表示ゲームが終了するまでの間であってもよい。
【0016】
また、大当たり遊技状態中の変動入賞装置の所定回数目の有利状態発生の事前報知は、有利状態となると判定された場合に、必ず行うものとしても、抽選に当選した場合にだけ行うものとしてもよい。
【0017】
また、有利状態ではない非有利状態と、遊技者に有利な有利状態とは、たとえば、通常状態(非確変状態)と確変状態、時短状態と確変状態、非時短状態(通常状態)と時短状態、所定回数目のラウンドまでの大当たりとそれより多いラウンドの大当たり、保留された変動表示ゲームに当たりが無い場合と有る場合(保留連チャン)などである。なお、保留連チャンとは、大当たり遊技状態中に保留されている変動表示ゲームが大当たりとなることである。
【0018】
また、入賞音の通常態様と特別態様との違いは、基本的には、音の違い(長さの違い、周波数の違い、振幅の違い、周波数の変化の仕方の違い、周波数および振幅の変化の仕方の違い、複数音の合成の仕方の違い等)であるが、例えば、通常態様と特別態様とにうちの一方の態様を無音(入賞音無し)としてもよい。
【0019】
本発明の上記構成において、前記始動入賞口に遊技球が入賞した際に、当該入賞に基づいて開始可能にされる前記ゲームを所定の開始条件が成立するまで保留し、かつ、前記開始条件が成立した際に、最も早く保留された前記ゲームを開始するゲーム開始保留手段と、
前記ゲーム開始保留手段により保留されている前記ゲームの当たりまたははずれを前記乱数取得手段により取得された前記乱数に基づいて判定して判定結果を出力する保留ゲーム抽選結果判定手段とを備え、
前記有利状態判定手段は、前記当たり遊技状態において、前記保留されている前記ゲームの中に、前記保留ゲーム抽選結果判定手段により当たりと判定された前記ゲームがある状態を、前記有利状態と判定することが好ましい。
【0020】
このような構成によれば、大当たり遊技状態中に保留されている変動表示ゲームに当たりとなる変動表示ゲームがある場合、すなわち、所謂保留連チャンになる場合に、入賞音が通常態様から特別態様になる可能性がある。保留連チャンは、遊技者にとって、短期間で大量の賞球を得るチャンスであり、各種予告演出が行われない大当たり遊技状態中に保留連チャンが報知されることで、遊技者の期待感を高めることができる。
【0021】
特に、保留連チャンが報知される前に、入賞音を変化させることにより、遊技者の期待感を高めたところで、保留連チャンを報知することになるので、大当たり遊技状態中に遊技者の期待感を大きく高めることができる。
これにより、入賞音の変化という演出を有効に利用することが可能になる。
【0022】
また、大当たり遊技状態中には、多くの遊技球が変動入賞装置に入賞する可能性があり、遊技球の入賞毎に抽選した場合に、入賞音を特別態様とする抽選確率の設定によって、演出の仕方を大きく変えることができる。例えば、抽選確率を高くすれば、特別態様の入賞音が頻繁に発生することになり、入賞音の演出であっても目立つ演出となる。逆に、抽選確率を低くし、保留連チャンが確定している大当たり遊技状態中(所定回数目の開閉動作の前まで)に入賞音が変化しない場合もあるような設定では、入賞音の変化があった場合に、遊技者が気付かない場合もあり得る。この場合に、入賞音の変化に気づいたこと自体に優越感が生じ、期待感が高められる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、大当たり遊技状態中に、遊技者に有利な有利状態の発生を事前報知する場合に、この事前報知の前に入賞音を変化させて、遊技者の期待感を高めることができ、かつ、各種予告演出が行われることがない大当たり遊技状態中なので、入賞音の変化という目立たない可能性のある演出を有効に活用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、このパチンコ遊技機は、発射された遊技球が流下する遊技領域2を備える遊技盤1を有する。
遊技盤1の盤面上の遊技領域2内には、表示手段として、可変表示装置3が設けられている。可変表示装置3は遊技領域2内の略中央部に設けられている。また、可変表示装置3は液晶表示装置からなるもので、抽選結果決定手段として機能する後述の主制御装置14で行われる抽選の各種大当り(当たり)およびはずれの抽選結果を表示するものであり、抽選結果の表示に際し、識別情報としての装飾図柄の変動表示ゲームを表示し、この変動表示ゲームの大当りおよびはずれによって抽選結果を報知するようになっている。
【0026】
遊技盤1の下部には、第1および第2特図表示装置4a,4bが設けられている。第1および第2特図表示装置4a,4bは、例えば、7セグ等のセグメント型のLED表示装置からなる。第1および第2特図表示装置4a,4bは、変動表示ゲーム(特別ゲーム)における図柄の変動の変動パターンの一部として設定される変動表示時間だけ変動表示(一部のセグメントを点滅表示)した後に識別情報としての特別図柄(特図)を停止表示する。
【0027】
ここで、第1および第2特図表示装置4a,4bの前記点滅表示後に複数種類の特図から1種類の特図(停止図柄)を停止表示する特図の変動表示ゲームには、第1特図表示装置4aで行われる第1変動表示ゲームと、第2特図表示装置4bで行われる第2変動表示ゲームとがある。第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームとは、同時に行われることがなく、後述の変動表示ゲームの開始条件に基いて、第1変動表示ゲームより第2変動表示ゲームが優先的に開始される。言い換えれば、開始可能な第2変動表示ゲームが後述のように保留されている場合には、第1変動表示ゲームの開始条件が成立しない。また、可変表示装置3に表示される装飾図柄の変動表示ゲームは、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームのうちの実行されている第1または第2変動表示ゲームと略同時に表示されるとともに、実行されている第1または第2変動表示ゲームと同じ結果になる実質的に同一のゲームである。
【0028】
また、可変表示装置3には、画面の周縁部分に後述の保留数の表示が行われる保留数表示領域31a、31bが設定されている。主制御装置14では、第1始動球検知センサ53aから第1始動入賞信号が入力した場合に、上限になる数値(例えば4)の範囲内で第1保留数に1加算し、この始動入賞に基づいて第1変動表示ゲームおよび装飾図柄の変動表示ゲームが開始される場合に、保留数から1減算する。この第1保留数が保留表示マーク表示手段としてのサブ制御装置30を介して保留数表示領域31aに保留表示マークの数として表示される。
【0029】
同様に、主制御装置14では、第2始動球検知センサ53bから第2始動入賞信号が入力した場合に、上限になる数値(例えば4)の範囲内で第2保留数に1加算し、この始動入賞に基づいて第2変動表示ゲームおよび装飾図柄の変動表示ゲームが開始される場合に、保留数から1減算する。この第2保留数が保留表示マーク表示手段としてのサブ制御装置30を介して保留数表示領域31bに保留表示マークの数として表示される。なお、後述のようにこれら保留数は、状態表示装置9でも表示される。
【0030】
前記可変表示装置3の直ぐ下には、第1始動入賞口52が設けられている。
また、第1始動入賞口52の下に第2始動入賞口54を備えた所謂電動チューリップ(電チュー)と呼ばれる普通変動入賞装置5が設けられている。
この普通変動入賞装置5は、開閉動作自在な1対の可動片51,51を備え、第2始動入賞口54に遊技球が入賞できない可動片51,51が閉じた状態(閉状態)と、第2始動入賞口54に遊技球が入賞し易くなるように可動片51,51が開いた状態(開状態)との間で可変するようになっている。
【0031】
なお、閉じた状態の2つの可動片51,51の間には、遊技球が通過可能な遊技球の直径より少し広い間隔が開けられているが、この例では、閉じた可動片51,51の直上に第1始動入賞口52があり、可動片51,51が閉じた状態で遊技球が第2始動入賞口54に入賞できないようになっている。
【0032】
第1始動入賞口52には、遊技球の入賞を検知する第1始動球検知センサ53a(
図2に図示)が設けられており、第1始動球検知センサ53aは、主制御装置14に、遊技球が第1始動入賞口52に入賞した際に第1始動入賞信号を出力する。また、第2始動入賞口54には、遊技球の入賞を検知する第2始動球検知センサ53b(
図2に図示)が設けられており、第2始動球検知センサ53bは、主制御装置14に、遊技球が第2始動入賞口54に入賞した際に第2始動入賞信号を出力する。乱数取得手段としての主制御装置14は、第1始動入賞信号の入力に基づいて第1変動表示ゲームの大当りおよびはずれを決める乱数を取得し、第2始動入賞信号の入力に基づいて第2変動表示ゲームの大当りおよびはずれを決める乱数の取得を行う。これら第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームの大当たり判定に用いられる乱数は、後述のハード乱数発生回路14eで生成されたハード乱数が用いられる。
【0033】
普通変動入賞装置5の下側に、大入賞口61を有する特別変動入賞装置(アタッカ)6が設けられている。このアタッカ6には、大入賞口61を開閉する可動扉62が備えられている。通常遊技状態では可動扉62は、遊技球を大入賞口61に流入させないように立って閉じた閉状態になっている。また、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームの結果が大当りになり、大当たり遊技状態が発生した場合に遊技球が流入し易いように可動扉62が前に略水平に倒れて開いた開状態になる。この場合に、可動扉62は、設定されたラウンド数だけ開閉動作を繰り返す。また、大入賞口61には、大入賞口61に入賞した遊技球を検知する大入賞球検知センサ63(
図2に図示)が設けられている。
【0034】
大当たり遊技状態では、特別変動入賞装置6が閉状態から開状態になって再び閉状態になる開閉動作としての1ラウンドの動作を、設定されたラウンド数だけ繰り返し行う。
【0035】
可変表示装置3の左側方には、普通図柄(普図と略す)ゲート7が設けられている。また、普図ゲート7には、普図ゲート7内を通過した遊技球を検知する通過球検知センサ7a(
図2に図示)が設けられ、通過球検知センサ7aは遊技球を検知すると主制御装置14に通過球検知信号を出力する。当該通過球検知信号の入力に基づいて主制御装置14は、普通変動入賞装置5を開状態とする当たりと、普通変動入賞装置5を閉状態のままとするはずれとを抽選する普図抽選を行う。この普図抽選の結果は、普図の変動表示ゲーム(普図ゲーム:普通ゲーム)を可変表示装置3の端の部分と、後述の状態表示装置9内の普図表示装置8(
図2に図示)とに表示することにより報知される。
【0036】
普図ゲームが当たりになった場合に、普通変動入賞装置5が開放し、第2始動入賞口54への遊技球の入賞率が高まり、第2変動表示ゲームの開始機会が増加するようになっている。また、遊技領域2の左側部には、複数の一般入賞口10,10が設けられている。また、一般入賞口10,10に対応して、一般入賞口10,10に入賞した遊技球を検知する一般入賞球検知センサ11(
図2に図示)がそれぞれ設けられている。
【0037】
また、遊技盤1には、大当たり遊技状態の際の大当たりの種類に基づくラウンド数、第1変動表示ゲームの保留数、第2変動表示ゲームの保留数、また、これら保留数と同様に求められる普図の変動表示ゲームの普図保留数等を表示するとともに、普図表示装置8を備えた状態表示装置9が設けられている。
【0038】
なお、普図保留数は、主制御装置14により、普図ゲート7を遊技球が通過して、通過球検知センサ7aから主制御装置14に通過球検知信号が入力した際に、上限になる数(例えば、4)の範囲で、1加算され、普図の変動表示ゲームが開始されると1減算される。なお、普図の表示ゲームの開始条件は、普図の変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置5の開放が行われていない状態で普図保留数が1になるか、はずれになる普図の変動表示ゲームが終了した際、または、当たりになる普図の変動表示ゲームが終了して普通変動入賞装置5が開放し、その開放が終了した際に普図保留数が1以上の場合である。
【0039】
また、特別変動入賞装置6の下方の遊技領域2の最下端部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域2の外部になる遊技盤1裏面に排出させるアウト口12が設けられている。また、遊技盤1の前面には、遊技球の流下方向を規制するとともに流下方向を転換する遊技釘13(一部だけ図示)や風車(図示略)等の流下規制転換部材が設けられている。
【0040】
次に、パチンコ遊技機の制御系を
図2に示されるブロック図を参照して説明する。パチンコ遊技機の制御系は、大きく分けて主制御部(主基板の制御装置としての主制御手段)15と、副制御部(副基板側の制御装置としての副制御手段)16と、これら主制御部15および副制御部16の各装置に電力を供給する電源供給装置18とから構成されている。電源供給装置18は、遊技店に設けられた遊技機外のAC24V電源21に接続され、交流を直流に変換して電力を供給する。
【0041】
主制御部15には、例えば、遊技機用のワンチップマイコン等で構成される主制御装置14が備えられ、主制御装置14には、プログラムを実行するCPU14a、プログラムやプログラムで使用するデータを記憶したROM14bや、ROM14bから読み出したプログラムを実行可能に記億するとともに、プログラムの実行に基づいて発生したデータやROM14bから読み出した各種データ等を記憶するRAM14cや、同期用のクロック(周波数)信号を出力するクロック14dや、変動表示ゲームの大当たり判定に用いる乱数(擬似乱数)を発生するハード乱数発生回路14e等が備えられている。
【0042】
主制御装置14(CPU14a)には、パチンコ遊技機に設けられた各種センサからの信号が入力可能になっており、前述の第1および第2始動球検知センサ53a,53b、大入賞球検知センサ63、通過球検知センサ7a、一般入賞球検知センサ11が接続されるとともに、パチンコ遊技機におけるエラー(例えば、磁気検知、電波検知等)を検知するエラー検知センサ19等が接続されている。
【0043】
また、主制御装置14は、パチンコ遊技機の各種装置を動作させるため各種信号を出力するようになっている。例えば、主制御装置14には、外部情報端子基板40が接続されており、この外部情報端子基板40を介して各種データを遊技機外のホールコンピュータ20に出力可能になっている。ホールコンピュータ20は、各遊技機からのデータを集中管理し、各遊技機の稼動状況を出力可能になっている。
【0044】
また、主制御装置14には、副制御部16のサブ制御装置30、主制御部15の払出制御装置22等が接続され、これらに対してコマンド(制御指令)を出力可能とされている。
サブ制御装置30は、可変表示装置3における画像表示を制御する図柄制御部、演出用の後述のランプ(LED)の点灯及び消灯を制御するランプ制御装部、各種音声、効果音、音楽等の出力を制御する音声制御部としての機能を有する。
また、払出制御装置22は、賞球としての遊技球の払い出しの制御を行う払出制御部としての機能と、遊技領域2への遊技球の発射を制御する発射制御部としての機能を有する。
【0045】
また、主制御装置14には、第1および第2特図表示装置4a,4bと普図表示装置8と状態表示装置9が接続され、主制御装置14が第1および第2特図表示装置4a,4bにおける第1変動表示ゲーム、第2変動表示ゲームの表示制御と、普図表示装置8における普図の変動表示ゲームの表示制御と、状態表示装置9における上述の各種の状態を示すLEDの表示制御とを行う。
【0046】
また、主制御装置14には、普通変動入賞装置5の可動片51,51を駆動する普通可変入賞駆動装置55が接続されている。また、主制御装置14には、特別変動入賞装置6の可動扉62を駆動する特別可変入賞駆動装置64が接続されている。この主制御装置14が、普通変動入賞装置5、特別変動入賞装置6の開閉動作を制御する。
【0047】
主制御装置14は、パチンコ遊技機における遊技の進行を制御するもので、第1および第2始動球検知センサ53a,53b、大入賞球検知センサ63、一般入賞球検知センサ11から遊技球の検知信号が入力された場合、すなわち、各入賞口に遊技球が入賞した場合に、払出制御装置22にコマンドを出力して、賞球として遊技球の排出を行なう。
【0048】
また、主制御装置14は、通過球検知センサ7aから遊技球の検知信号が入力した場合に、普図保留数が上限未満ならば、上述の普図保留数に1加算する処理を行うとともに、普図ゲームの当たり外れを決定する抽選処理で用いられる各種乱数を取得し、乱数を記憶する。なお、この乱数は、主制御装置14で生成されるソフト乱数である。また、主制御装置14は、上述の所定の開始条件にしたがって普図ゲームを開始し、普図保留数を1減算する。この際に乱数による抽選処理によって、普図ゲームの当たり外れを決定し、この決定に基づいて当たりまたははずれになる普図ゲームを普図表示装置8に表示する。
【0049】
また、主制御装置14は、第1および第2始動球検知センサ53a,53bからの始動入賞信号の入力に基づいて、第1変動表示ゲームの第1保留数および第2の変動表示ゲームの第2保留数が上限未満の場合に、上述の第1および第2保留数の加算処理を行い、変動表示ゲームが開始される際に減算処理を行う。また、変動表示ゲームの大当り外れを決定する抽選処理で用いられる抽選決定情報としての各種乱数(当たり判定乱数、図柄乱数(当たり種類乱数)、演出乱数)を取得し、当該乱数をRAM14cに記憶する。
【0050】
なお、当たり判定乱数は、上述のハード乱数を用い、その他は上述のソフト乱数を用いる。また、前記抽選処理によって、当たり判定乱数に基づいて第1および第2変動表示ゲームの大当りおよびはずれを決定し、第1および第2特図表示装置4a,4bを制御して第1および第2変動表示ゲームを表示するとともに、可変表示装置3における装飾図柄の変動表示ゲームの表示や結果の報知や演出のためにサブ制御装置30にコマンドを出力する。
【0051】
ゲーム開始保留手段としての主制御装置14で設定されている第1変動表示ゲームの所定の開始条件は、前の第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームがはずれで終了した際と、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームが大当りになったことにより、特別変動入賞装置6を開放する大当たり遊技状態になり、この大当たり遊技状態が終了した際とのいずれかにおいて、第2保留数が0で、第1保留数が1以上になっている場合と、第1変動表示ゲーム、第2変動表示ゲーム、大当たり遊技状態のいずれでもない場合に、第1始動入賞信号が入力して第1保留数が1になった場合(第2保留数は0)である。
【0052】
主制御装置14で設定されている第2変動表示ゲームの開始条件は、前の第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームがはずれで終了した際と、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームが大当りになったことにより、特別変動入賞装置6を開放する大当たり遊技状態になり、この大当たり遊技状態が終了した際とのいずれかにおいて、第2保留数が1以上になっている場合と、第1変動表示ゲーム、第2変動表示ゲーム、大当たり遊技状態のいずれでもない場合に、第2始動入賞信号が入力して第2保留数が1になった場合である。
【0053】
また、主制御装置14は、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲーム開始から上述の演出乱数を用いた抽選により決定される変動パターンに設定された変動表示時間に、特図(停止図柄)を停止表示する所定の停止表示時間を加えたゲーム時間が終了した際に第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームを終了させる。
【0054】
また、主制御装置14は、普図ゲームが当たりになった場合に、普通変動入賞装置5の可動片51,51を駆動する普通可変入賞駆動装置55を制御して普通変動入賞装置5を閉状態から開状態とする制御を行う。また、当たり遊技制御手段としての主制御装置14は、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームが大当りになった場合、すなわち、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームが大当たりを報知して終了した場合に、特別変動入賞装置6の可動扉62の特別可変入賞駆動装置64を制御して所定の条件に基づいて特別変動入賞装置6を閉状態から開状態に可変させて大当たり遊技状態を発生させる制御を行う。
【0055】
また、抽選結果決定手段としての主制御装置14は、前述の始動入賞信号に基づいて第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームが大当りになるかはずれになるかを決める抽選処理を行う。
【0056】
また、遊技状態制御手段としての主制御装置14は、大当りとはずれとのいずれかを示す第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームを順次表示する際に、確変遊技状態等の発生に基づいて前記抽選処理により第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームが大当りになる確率を低確率状態より高い高確率状態へ移行し、通常遊技状態の発生に基づいて前記抽選処理により第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームが大当りになる確率を高確率状態より低い低確率状態に移行する移行制御を行う。
【0057】
また、主制御装置14は、高確率状態としての確変遊技状態となった際に、普図の変動表示ゲームの当たり確率を通常より高確率にし、普図の変動表示ゲームの変動表示時間を通常より短くした電チューサポート状態(電サポ状態)にする。また、電サポ状態では、普図の変動表示ゲームが当たりとなった場合の普通変動入賞装置5の開放時間を通常より長く(開放回数を通常より多く)している。大当たり遊技状態の開始が確変遊技状態等を含む電サポ状態の終了条件になっている。
【0058】
また、確変遊技状態では、第1および第2変動表示ゲームの大当たり確率が10倍程度高くなる高確率状態にするとともに、第1および第2変動表示ゲームの変動表示時間(装飾図柄や特図を変動表示させている時間)を通常より短くし、さらに上述の電サポ状態にする。
【0059】
また、副制御部16のサブ制御装置30は、制御装置としてCPU30a、ROM30b、RAM30c等を備える。このサブ制御装置30は、図柄制御部として可変表示装置3を制御するものであり、可変表示装置3がグラフィックプロセッサ38を介して接続されている。
主制御装置14により決定された各大当りおよびはずれと、変動パターンとしての変動表示時間等に基づいて、サブ制御装置30により装飾図柄の変動表示ゲームの可変表示装置3における表示が制御される。
【0060】
また、サブ制御装置30は、ランプ制御部として遊技盤1の盤面に設けられた盤面ランプ32と、パチンコ遊技機のガラス扉に設けられたガラス扉ランプ33とが接続され、これら盤面ランプ32、ガラス扉ランプ33としてのLEDの点灯や消灯による演出を制御する。
【0061】
また、サブ制御装置30は、音声制御装部としてサウンドプロセッサ34およびアンプを介してスピーカ35が接続され、演出用の効果音、音声、音楽等の出力を制御する。また、この実施の形態において、サブ制御装置30は、アタッカ6の大入賞球検知センサ63からの検知信号(大入賞球検知信号)が入力した主制御装置14から出力される大入賞コマンドに基づいて、入賞音発生手段としてのサウンドプロセッサ34およびスピーカ35を用いて、大入賞口61用の入賞音を発生するようになっている。
【0062】
なお、大入賞口61用の入賞音には、後述するように通常態様の入賞音と、特別態様の入賞音との2種類があり、この2種類の入賞音のうちの後述のように選択された入賞音を発生する。なお、サブ制御装置30には、入賞音の音データが記憶されており、これら音データを用いて入賞音を発生する。なお、入賞音は大入賞口61に遊技球が入賞した場合だけではなく、第1および第2始動入賞口52,54や一般入賞口10に遊技球が入賞した場合にも入賞音を発生させるものとしてもよい。
【0063】
また、演出入力制御手段としてのサブ制御装置30には、パチンコ遊技機の上皿の近傍等に設けられた演出ボタン(演出操作手段)36が接続され、演出ボタン(演出操作手段)36が有効な状態で演出ボタン36が操作された場合に、演出ボタン36(スイッチ)からのオン信号がサブ制御装置30へ送られ、サブ制御装置30が演出ボタン36が操作された場合のために用意されている演出用の画像表示や音声出力を制御する。
また、遊技盤1に演出可動役物が設けられる場合に、サブ制御装置30は、この演出可動役物を作動させる演出可動役物駆動装置37を制御することにより、演出可動役物による遊技演出を制御する。
【0064】
払出制御装置22は、制御装置としてCPU22a、ROM22b、RAM22c等を備える。この払出制御装置22は、払出制御部として、払出装置29が接続され、上述のように遊技球の入賞に基いて、主制御装置14から出力されるコマンドに対応して払出装置29を制御して、賞球を払い出させる。
【0065】
また、払出制御装置22には、ガラス扉および遊技盤1を収納する内枠の開放を検知する扉開放スイッチ41、払い出された遊技球を保持する皿(例えば、上皿や下皿)に溜まった遊技球が満タンになったことを検知する皿満タンスイッチ42が接続され、これら扉開放スイッチ41、皿満タンスイッチ42からの信号に基づき、払出装置29からの払出や、発射装置からの遊技球の発射が制限される。
【0066】
また、払出制御装置22は、払出装置29から払い出される遊技球の数を計数する払出計数スイッチ43が接続され、実際に払い出された遊技球の数が計数され、この計数結果に基いて払い出すべき遊技球が払い出されるように払出装置29を制御する。
【0067】
また、払出制御装置22には、中継基板23が接続され、この中継基板23に、遊技機外に設けられて、挿入されたプリペイドカード(記録媒体)のデータを読み込んで遊技球の貸出制御を行うためのCRユニット28が接続されている。
また、この中継基板23には、遊技機の例えば、上皿の近傍に設けられる球貸スイッチ24、返却スイッチ25、度数表示装置26、球貸表示装置27が接続されている。
【0068】
度数表示装置26には、CRユニット28に読み込まれたプリペイドカードに記億されて遊技球に変換可能な度数が表示される。度数に残りがある状態で、球貸スイッチ24が操作されると払出制御装置22の制御により、度数の範囲内の設定された度数に対応する数の遊技球が払い出される。球貸表示装置27では、遊技球が払い出される際にLEDが点灯する。度数表示装置26に表示される度数に残りがある状態で、返却スイッチ25が操作されると、CRユニット28に挿入されたプリペイドカードが返却される。
【0069】
また、払出制御装置22は、発射制御部として遊技球発射装置を駆動する発射駆動装置39と、遊技球発射装置の遊技球の発射位置に遊技球を送る球送り装置を駆動する球送り駆動装置47が接続されている。これら球送り駆動装置47および発射駆動装置39を作動させることによって、上皿から供給される遊技球を遊技領域2に向けて発射する制御を行う。
【0070】
また、発射制御部としての払出制御装置22には、遊技球の発射を操作するためのハンドル操作に基いて、発射駆動装置39に供給される電力を変更するための発射ボリューム44が接続され、遊技者のハンドル操作により発射ボリューム44が調整されることにより遊技球発射装置から発射される遊技球の発射勢が調整される。
【0071】
また、払出制御装置22には、発射停止スイッチ45、タッチセンサ46が接続され、発射停止スイッチ45が操作された場合と、タッチセンサ46で操作者の手のタッチが検知されない場合に、球送り駆動装置47および発射駆動装置39を停止することにより、遊技球の発射を停止する。
また、払出制御装置22は、外部情報端子基板40を介してホールコンピュータ20にデータを出力可能に接続されている。
【0072】
このような遊技機の制御系において、乱数取得手段としての主制御装置14では、上述のように第1始動入賞信号が入力された場合、または、第2始動入賞信号が入力された場合に、乱数の取得処理が行われる。主制御装置14は、ハード乱数発生回路14eから第1または第2変動表示ゲームの大当たりの抽選用のハード乱数を取得するとともに、その他の抽選用のソフト乱数を生成して取得する。なお、始動入賞信号が入力された際に、上述の対応する保留数が上限未満の場合に乱数を取得するが、対応する保留数が上限の場合には、乱数を取得しない。
【0073】
また、主制御装置14は、上述のように取得した乱数をRAM14cに記憶し、この乱数に対応する変動表示ゲームの開始条件が成立し、記憶された乱数による抽選処理が行われた場合に乱数消去条件が成立したものとして乱数を消去し、第1または第2変動表示ゲームに用いた第1または第2保留数が一つ減算される。
【0074】
主制御装置14は、変動表示ゲーム開始の際に、上述のように取得された乱数(当たり判定乱数、図柄乱数、演出乱数)を用いて第1および第2変動表示ゲームを表示するための抽選処理を行う。抽選処理においては、まず、当否抽選処理として、当たり判定乱数と、設定されている当たり判定テーブル(低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブル)に記憶された当たり判定値(抽選要素)とを比較する。主制御装置14のROM14bには、当たり判定テーブルが記憶されている。
【0075】
当たり判定値は、当たり判定乱数になる所定範囲の数値(整数)のうちから予め決められた数値であり、大当り確率は、(当たり判定値の数)/(当たり判定乱数になる所定範囲の数値の個数)になる。また、当たり判定値には、当たり確率が低確率になる通常時の低確率判定テーブルに記憶された当たり判定値と、確変決定後の高確率時の高確率判定テーブルに記憶された当たり判定値とがあり、通常時(低確率時)の当たり判定値の数に対して、高確率時の当たり判定値の数が例えば約10倍多く設けられている。これにより、低確率時に対して高確率時の大当り確率が例えば約10倍に設定されている。
【0076】
取得された当たり判定乱数の数値と、当たり判定値とが一致した場合に、大当りになり、一致しない場合にはずれになる。
また、低確率判定テーブルを用いるか、高確率判定テーブルを用いるかは、上述のように制御される確率状態が高確率状態か低確率状態かにより、主制御装置14で決定される。
大当りと判定された場合には、主制御装置14により、大当たりになる変動表示ゲーム終了後に大当たり遊技状態が発生する。
【0077】
当否判定処理の次に、停止図柄抽選処理が行われる。図柄乱数は、第1および第2特図表示装置4a,4bに停止表示される停止図柄(特図)の種類を決定するものであるが、変動表示ゲームがはずれの場合には、はずれに対応した例えば一種類の特図が決定される。大当りの場合には、各大当りの種類にそれぞれ対応して複数種類ずつの特図が設定され、これら特図から1つの特図が抽選で選択される。
【0078】
なお、この実施形態では、大当たりの種類としては、大当たり遊技状態中のラウンド数が2〜16のいずれかのラウンドで、大当たり遊技状態後の大当たりの抽選確率が高確率で電サポ状態になる確変大当たりと、大当たり遊技状態後の大当たりの抽選確率が低確率で非電サポ状態になる通常大当たりがある。
なお、第1変動表示ゲームと、第2変動表示ゲームとで大当たりの種類を異なるものとしてもよい。
【0079】
図柄抽選処理の次に、変動パターン抽選手段としての主制御装置14では、変動パターン(演出)抽選処理が行われる。
上述の演出乱数は、変動表示ゲームの変動表示時間を含む変動パターンを決定するものであり、はずれの場合にリーチになるか否か、また、リーチの場合に変動表示時間が短いノーマルリーチか、変動表示時間の長いスーパーリーチやプレミアムリーチになるか(リーチ演出の種類)を決定するものである。この場合に、各リーチの種類毎に異なる変動パターンになる。
【0080】
また、大当りの場合は、必ずリーチになるので、ノーマルリーチかスーパーリーチやプレミアムリーチなどのリーチの演出の種類を決定するものになる。なお、主制御装置14は、変動パターンの選択に際して、複数の変動パターンと、複数の変動パターンそれぞれに抽選確率の数に対応して関連付けられている判定値との組み合わせからなる変動パターンテーブルに従って抽選を行い、変動パターンを選択する。
【0081】
変動パターンテーブルは、例えば、大当り用と、はずれ用とがあり、変動パターン記憶手段としての主制御装置14のROM14bに記憶されている。各変動パターンテーブルでは、各変動パターン毎に判定値が割り当てられており、各変動パターンに割り当てられた判定値の個数で、抽選確率が決定される。各判定値は、演出乱数になる数値の範囲に含まれる整数であり、抽選確率は、演出乱数になる数値の範囲に含まれる全ての整数の個数を分母とし、各変動パターンに割り当てられた判定値の個数を分子とした数値である。
【0082】
変動パターンテーブルは、さらに、通常遊技状態用と、確変遊技状態などの電サポ状態用とに分けられる。基本的には、はずれの通常遊技状態用の変動パターンテーブルに比較して、はずれの電サポ状態用の変動パターンテーブルには変動表示時間が短い変動パターンが記憶されている。また、リーチになる変動パターンの場合に、短い変動表示時間のリーチが多くなるとともに、長いリーチ演出の場合には、スーパーリーチやプレミアムリーチになる演出が増加するようになっている。
【0083】
抽選結果決定手段としての主制御装置14において、上述の始動入賞口52,54に遊技球が入賞した際に取得された乱数に基づく、大当たりか否かと、大当たりの場合の大当たり種類と、大当たりまたははずれの変動パターンとの抽選の判定は、取得された乱数に対応して保留されていた変動表示ゲームの開始条件が成立した際に行われる。それに対して、保留ゲーム抽選結果判定手段としての主制御装置14では、始動入賞口52,54に遊技球が入賞して乱数が取得された際に、取得された乱数を用いて上述の判定と同様の先読み判定を行い、大当たりか否かと、大当たりの場合の大当たりの種類と、大当たりの場合またはずれの場合の変動パターンとの情報からなる入賞保留情報をサブ制御装置30に送信するようになっている。
【0084】
したがって、サブ制御装置30では、入賞保留情報を受信することにより、始動入賞口52,54に遊技球が入賞した際に、保留された変動表示ゲームの大当たりまたははずれと、大当たりの場合の大当たりの種類と、大当たりの場合の変動パターンまたはずれの場合の変動パターンとの情報を持っていることになる。
【0085】
なお、保留された変動表示ゲーム中に大当たりがあると、その大当たりに基づく大当たり遊技状態後の遊技状態が確変状態から非確変状態になったり、非確変状態から確変状態になったりする。
【0086】
したがって、それ以前に保留されて未だ開始されていない変動表示ゲームの先読み判定では、例えば、確変遊技状態中に先読み判定されたのに、実際の判定の際は、非確変遊技状態(通常遊技状態)で行われたり、その逆で通常遊技状態中に先読み判定されたのに、実際の判定の際は、確変遊技状態で行われたりする場合がある。
【0087】
この場合に、大当たりか否かの結果が先読み判定時と、実際の決定時時とで異なる場合が発生する。この実施形態では、後述のように大当たり遊技状態中に保留されている変動表示ゲームに大当たりになる変動表示ゲームがある場合に、それを予告する報知を行うようになっている。この場合に大当たり遊技状態が確変大当たりで発生する場合と、非確変大当たりで発生する場合があることから、保留された変動表示ゲームに大当たりが無い場合に、予告が外れるような報知を行わない場合に、上述のように確変状態と非確変状態とが入れ替わるような状況でも、正確に大当たり、はずれを判定する必要がある。
【0088】
この場合には、例えば、非確変(低確率)用の大当たりの判定テーブルと、確変(高確率)用の大当たり判定テーブルとにおいて、非確変用の判定テーブルに登録されている大当たり判定値が、必ず確変用の判定テーブルに含まれるようにする。そして、始動入賞口52,54に遊技球が入賞した際に大当たりの先読み判定を行う場合に、確変状態または非確変状態にかかわらず、非確変用の判定テーブルを用いて判定を行い、判定結果を入賞保留情報として出力するものとしてもよい。
【0089】
この場合に、大当たり遊技状態中に、確変状態または非確変状態のいずれであっても、先読み判定で保留されている変動表示ゲームに大当たりが無いのに、大当たりが有ると判定されることがなく、保留された変動表示ゲームに大当たりがあると予告した場合に、必ず保留された変動表示ゲームのいずれかが大当たりとなる。
【0090】
但し、確変大当たりとなる変動表示ゲームが終了して発生した大当たり遊技状態では、保留されている変動表示ゲームに大当たりがあっても、予告されない場合が多く発生する。
そこで、主制御装置14における先読み判定時に、非確変用テーブルを用いた先読み判定と、確変用テーブルを用いた先読み判定との両方を行い、先読み判定結果として、非確変用入賞保留情報と、確変用入賞保留情報との両方を出力するものとしてもよい。
【0091】
非確変用入賞保留情報と、確変用入賞保留情報との両方が入力されたサブ制御装置30においては、大当たり遊技状態を開始させる大当たりとなった変動表示ゲームの大当たりの種類が確変か非確変かを判定し、確変の場合に確変用入賞保留情報を用いて保留されている変動表示ゲームに大当たりになる変動表示ゲームが有るか否かを判定し、非確変の場合に非確変用入賞保留情報を用いて保留されている変動表示ゲームに大当たりになる変動表示ゲームがあるか否かを判定する。これにより、確変、非確変に係わらず、大当たり遊技状態中に保留されている変動表示ゲームに大当たりがあるか否かを正確に判定できる。
【0092】
また、大当たり遊技状態が開始される際に、主制御装置14において、上述のようにこの大当たり遊技状態を発生させた大当たりの変動表示ゲームの大当たりの種類が確変大当たりか非確変大当たりか否かを判定し、確変大当たりなら確変用判定テーブルを用い、非確変大当たりなら非確変用判定テーブルを用いて、保留されている変動表示ゲームの判定を行いこの判定結果を例えば大当たり時入賞保留情報としてサブ制御装置30に送信する。サブ制御装置30は、この大当たり時入賞保留情報を参照して、大当たり遊技状態開始時に保留されている変動表示ゲームに大当たりの変動表示ゲームがあるか否かを判定する。この場合も大当たり遊技状態中に保留されている変動表示ゲームに大当たりがあるか否かを正確に判定できる。
【0093】
また、この実施の形態では、有利状態報知手段としてのサブ制御装置30により、大当たり遊技状態中の所定のラウンド数(所定回数目の開閉動作)の際に、保留されている変動表示ゲームに大当たりになる変動表示ゲームがある場合に、これを可変表示装置3の演出表示や、スピーカ35による音声出力で報知するようになっている。この実施の形態では、上述のラウンド数は、例えば、第5ラウンド(5R)である。
【0094】
例えば、有利状態判定手段としてのサブ制御装置30では、上述のように確変または非確変において、上述のように大当たり遊技状態開始時に、保留されている変動表示ゲームに大当たりになる変動表示ゲームがあるか否かを主制御装置14から入力される入賞保留情報に基づいて判定する。大当たりになる変動表示ゲームが保留されている場合には、上述の5ラウンド目において、例えば、可変表示装置3において、保留されている変動表示ゲームのいずれかが大当たりになることを事前予告するための報知演出を行うようになっている。有利状態判定手段
【0095】
なお、この報知は、大当たり遊技状態開始時に保留された変動表示ゲームに大当たりがある場合にのみ行われるものであり、報知された場合に必ず保留(球)連チャンが発生する。なお、報知されても保留連チャンが発生しない偽の報知を行うものとしてもよい。
また、保留連チャンが発生する場合に、必ず、報知を行うものとしてもよいし、保留連チャンが発生する場合に抽選を行い、抽選に当選した場合にだけ報知を行うものとしてもよい。
【0096】
また、大当たり遊技状態の開始時に、必ずしも第1変動表示ゲームの保留数および第2変動表示ゲームの保留数がそれぞれ上限の4になっているとは限らないので、上述の所定の5ラウンド目となるまでに第1始動入賞口52または第2始動入賞口54に遊技球が入賞して保留数が増加し、上述の入賞保留情報が入力される場合には、第5ラウンドが開始されるまで、入賞保留情報が入力される度に、大当たりになる変動表示ゲームが有るか否かの判定を行うものとしてもよい。これにより、少なくとも所定ラウンド数になる前に保留連チャンが確定すれば、それを報知することができる。
【0097】
上述のように大当たり遊技状態開始時に入賞保留情報に基づいて、保留されている変動表示ゲームに大当たりになるものが有り、保留連チャンが確定した場合には、上述のアタッカ6への遊技球の入賞の際の入賞音を通常態様から特別態様に変更するか否かの抽選を行う。この抽選は、アタッカ6への遊技球の入賞の度に行われる。但し、上述の保留連チャンの事前予告報知が行われる所定ラウンド数としての第5ラウンドになるまでのラウンドで入賞音の変更を可能にしている。すなわち、第1ラウンドから第4ラウンドの間だけ、入賞音制御手段としてのサブ制御装置30により入賞音の変更が可能になるように設定されている。
【0098】
また、大当たり遊技状態開始時に、第1変動表示ゲームや第2変動表示ゲームの保留数が上限に達していない場合には、上述のように大当たり遊技状態となってから、保留連チャンの発生が決まる場合がある。したがって、上述のように大当たり遊技状態中も始動入賞信号が入力する度に、主制御装置14において、上述の大当たりが発生するか否かの結果を入賞保留情報として出力し、この入賞保留情報に基づいてサブ制御装置30が保留される変動表示ゲームに大当たりとなるものがあるか否かを判定し、大当たりとなるものがあった場合には、抽選で入賞音を特別態様に変更するか否かを決定することが可能である。
【0099】
したがって、所定ラウンド数になる前であれば、大当たり遊技状態中に保留される変動表示ゲームに大当たりになるものがあった場合に、入賞音が通常態様から特別態様に変更されるものがある。
ここで、入賞音の通常態様と、特別態様との違いは、例えば、長さ、音量(音波の振幅)、音の高さ(音波の周波数)、音程、音色や、これらのうち時系列で変化できるものの変化の仕方や、複数音の合成の仕方等の違いである。また、通常態様と特別態様のどちらか一方の入賞音を無音とし、他方を有音としてもよい。
【0100】
また、通常態様か特別態様に変更する抽選確率は、任意に設定することができ、高い抽選確率として、特別態様の入賞音がラウンド中に頻繁に発生するような状況としてもよいし、大当たり遊技状態中に1回特別態様の入賞音が発生するか否か程度の抽選確率としてもよい。
【0101】
抽選は、例えば、入賞音変更抽選手段としてのサブ制御装置30において、上述の大入賞コマンドが主制御装置14から入力した際に、抽選用の乱数を取得するようになっており、この乱数を用いて、上述の各抽選と同様の方法で抽選を行う。たとえば、入賞音変更用の判定テーブルには、特別態様に対応して複数の判定値が設定されているとともに、判定値は、上述の乱数が取り得る数値範囲の値の一部であり、抽選用の乱数が取得された際に、当該乱数に対応する判定値がある場合に、特別態様が当選となる。当選の場合に、入賞音が通常態様から特別態様に変更される。
【0102】
なお、通常態様や特別態様のいずれか一方、または両方の入賞音を複数種類あるものとしてもよい。すなわち、通常態様の入賞音が二種類以上あったり、特別態様の入賞音が二種類以上あったりしてもよい。この場合には、例えば、全ての入賞音にそれぞれ判定値が割り振られた判定テーブルを用いて、乱数と一致する判定値が割り振られた入賞音を用いることになる。
【0103】
次に、サブ制御装置30で短期間毎に繰り返し行われる入賞音変更制御処理を
図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、入賞音変更制御処理は、大当たり遊技状態中の処理であり、アタッカ6が開閉動作してアタッカ6に遊技球が入賞可能な状態の処理である。まず、主制御装置14において、大入賞球検知センサ63から検知信号が入力され、主制御装置14から大入賞コマンドを出力する。
【0104】
上述のように入賞音変更制御処理は、アタッカ6への遊技球の入賞毎に行われる処理であり、主制御装置14からサブ制御装置30に、アタッカに遊技球が入賞したことを知らせる大入賞コマンドが入力した場合か否かを判定する(ステップS1)。アタッカ6に遊技球が入賞していない場合には、この処理を終了する。
【0105】
アタッカ6に遊技球が入賞したタイミングの場合には、現状の大当たり遊技状態のラウンド数が第5ラウンド(所定のラウンド数)より小さいか否か(ステップS2)、すなわち、第1ラウンドから第4ラウンドのいずれか否かを判定する。第1ラウンドから第4ラウンドでない場合、すなわち、第5ラウンド以降の場合には、この処理を終了する。
【0106】
第5ラウンド以前のラウンドの場合には、上述のように判定される保留連チャンの有無に基づいて、大当たり遊技状態中に保留されている変動表示ゲームに大当たりになるものがあるか否かが判定される(ステップS3)。大当たりになる変動表示ゲームが保留されていない場合には、この処理を終了する。
【0107】
大当たりとなる変動表示ゲームが保留されている場合には、入賞音を変更するか否かの抽選を行う(ステップS4)。上述のように抽選によって、入賞音を通常態様とするか特別態様とするかを決定する(ステップS5)。
【0108】
すなわち、上述の入賞音変更の抽選に当選した場合、すなわち、特別態様が抽選で選択された場合に、特別態様で入賞音の再生を開始し(ステップS6)、入賞音変更の抽選に当選しなかった場合、すなわち、抽選で通常態様が選ばれた場合に、通常態様で入賞音の再生を開始する(ステップS7)。入賞音の再生が開始された際にこの処理を終了する。
【0109】
この処理により、この遊技機にあっては、保留連チャンする場合に、大当たり遊技状態中の所定ラウンド数より前のラウンドにおいて、入賞音が通常態様から特別態様に変化する場合があり、遊技者は、この入賞音の変化により、保留連チャンがあるかも知れないと期待感が高まり、その後、保留連チャンすることが所定回数目のアタッカ6の開閉動作時に報知され、やっぱり保留連チャンの予兆だったと思い、その予兆に気づいたことに満足感を覚える。
【0110】
また、大当たり遊技状態中は、変動表示ゲームが行われず、大当たり遊技状態の演出表示が行われるので、変動表示ゲーム中の各種予告演出も行われない状態となる。したがって、遊技者の気を引く予告演出が行われないので、入賞音という目立ちにくい演出による報知演出を際立たせることができる。すなわち、他の予告演出に気が行ってしまい、入賞音の変化に気づかないような場合が少なく、入賞音を変更する演出を有効に利用することが可能なる。
【0111】
この実施の形態では、有利状態が保留連チャンの発生であり、非有利状態が保留連チャンしない状態であったが、有利状態を以下のような状態としてもよい。例えば、大当たりの種類として、ラウンド数の少ない大当たりと、ラウンド数の多い大当たりがあるものとし、例えば、ラウンド数の少ない大当たりは、最終ラウンドとなるラウンド数が、有利状態を報知する所定ラウンド数と同じ、例えば、5ラウンド大当たりとし、ラウンド数の多い大当たりは、例えば、15ラウンド大当たりとする。
【0112】
すなわち、有利状態が15ラウンド大当たりで、非有利状態が5ラウンド大当たりとなる。したがって、5ラウンドで有利状態が報知されなければ、その5ラウンド目で大当たり遊技状態が終了し、有利状態が報知されると15ラウンドになるまで大当たり遊技状態が継続することになる。なお、大当たり遊技状態のラウンド数は、変動表示ゲームの上述の大当たりの種類により決定する、よって、変動表示ゲーム開始時に抽選結果判定手段としての主制御装置14により決定されており、大当たり遊技状態開始時には、5ラウンド大当たりか、15ラウンド大当たりかを判定できる状態となっている。
【0113】
例えば、大当たり遊技状態開始時や、大当たりになる変動表示ゲーム開始時などに5ラウンド大当たりか15ラウンド大当たりかを判定し、15ラウンド大当たりの場合に上述のように入賞音を通常態様から特別態様に変更するか否かの抽選を行うことになり、上述のように抽選に当選した場合に特別態様の入賞音を再生し、抽選に落選した場合に通常態様の入賞音を発生させる。
【0114】
また、有利状態を大当たり遊技状態終了後の確変状態とし、非有利状態を非確変状態としてもよい。この確変状態または非確変状態も上述のラウンド数の場合と同様に大当たりとなる変動表示ゲーム開始時に大当たりの種類として決定しているので、大当たり遊技状態開始時には有利状態の場合にそれを報知可能な状態になっている。
【0115】
また、有利状態を上述の確変状態(高確率状態かつ電サポ状態)とし、非有利状態を時短状態(低確率状態かつ電サポ状態)としてもいい。この場合も大当たりとなる変動表示ゲーム開始時に大当たりの種類として確変状態か時短状態かが決定しているので、大当たり遊技状態開始時には有利状態の場合にそれを報知可能になっている。
【0116】
また、有利状態を上述の時短状態(低確率状態かつ電サポ状態)とし、非有利状態を通常状態(低確率状態かつ非電サポ状態)としてもいい。この場合も大当たりとなる変動表示ゲーム開始時に大当たりの種類として時短状態か通常状態かが決定しているので、大当たり遊技状態開始時には有利状態の場合にそれを報知可能になっている。
【0117】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述および図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。