(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6158510
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】磁化可能部分を含む包装材料
(51)【国際特許分類】
B65D 65/42 20060101AFI20170626BHJP
【FI】
B65D65/42 A
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-513010(P2012-513010)
(86)(22)【出願日】2010年5月10日
(65)【公表番号】特表2012-528052(P2012-528052A)
(43)【公表日】2012年11月12日
(86)【国際出願番号】SE2010000129
(87)【国際公開番号】WO2010138053
(87)【国際公開日】20101202
【審査請求日】2013年2月28日
【審判番号】不服2015-1906(P2015-1906/J1)
【審判請求日】2015年1月30日
(31)【優先権主張番号】0900727-9
(32)【優先日】2009年5月29日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン、トミー
(72)【発明者】
【氏名】ベルクホルツ、ラルス
(72)【発明者】
【氏名】クリント、アン − シャルロット
(72)【発明者】
【氏名】ウルフロス、イシュトヴァーン
【合議体】
【審判長】
千葉 成就
【審判官】
久保 克彦
【審判官】
小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】
特開平7−10108(JP,A)
【文献】
実開昭55−52581(JP,U)
【文献】
欧州特許出願公開第1054343(EP,A1)
【文献】
特開平5−58087(JP,A)
【文献】
特開平9−188357(JP,A)
【文献】
国際公開第2006/135313(WO,A1)
【文献】
特開昭63−164005(JP,A)
【文献】
古月敏之「磁気カード規格と基本的なシステム構成」電気設備学会誌、平成17年9月、711ないし713ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 65/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材料から形成される複数のパッケージの各々につき磁化可能部分である少なくとも1個のスポットとなるよう用意されている、前記包装材料であって、
前記少なくとも1個のスポットは、磁化可能粒子を含み、前記少なくとも1個のスポット内部のある領域内の当該磁化可能粒子が磁化され、前記領域が磁気マークを規定するものであり、前記少なくとも1個のスポットと前記磁気マーク形成時の位置偏差に対処するよう、前記領域の寸法が、対応する前記少なくとも1個のスポットの寸法に対してウェブの長手方向とウェブの幅方向に少なくとも3mm短い、包装材料(100、200、300)。
【請求項2】
前記少なくとも1個のスポットが、長方形、正方形、円形、楕円形および細長い形状を含むグループから選ばれた幾何学形状とされている請求項1に記載の材料。
【請求項3】
前記少なくとも1個のスポットが磁気式な位置マーク付けを意図された請求項1または請求項2に記載の材料。
【請求項4】
磁気式な位置マークを意図された前記スポットが1つ当たり250mm2 未満の面積を有する請求項3に記載の材料。
【請求項5】
磁気式な位置マークを意図された前記スポットが1つ当たり150mm2 未満の面積を有する請求項3に記載の材料。
【請求項6】
磁気式な位置マークを意図された前記スポットが1つ当たり25mm2 未満の面積を有する請求項3に記載の材料。
【請求項7】
前記少なくとも1個のスポットがプリント面積1m2 当たり0.5〜4gの量の前記磁化可能粒子を含む請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の材料。
【請求項8】
前記少なくとも1個のスポットがプリント面積1m2 当たり1.5〜4gの量の前記磁化可能粒子を含む請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の材料。
【請求項9】
前記少なくとも1個のスポットがプリント面積1m2 当たり2gの量の前記磁化可能粒子を含む請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば食品パッケージの形成を意図されている磁化可能部分を含む包装材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装容器が包装材料から形成される包装技術においては、包装前または包装中に包装容器へと形成されるウェブとして包装材料を供給することは公知である。成形、シール加工、折畳み工程等のパッケージの仕上げ工程においてガイド作動を行うために、例えば光学式に読取られるガイドマークが備えられてきた。
このようなガイドマークはしばしば整合マークと称される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】EP705759A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光学式読取り用の整合マークは、例えば装飾や製品情報を包装材料にプリントするような包装積層材のプリント工程中に付与される。そのような整合マークによる問題点は、パッケージの外面となる表面の、無視できないほどの面積部分を整合マークが使用することである。他の問題点は、それらの整合マークは、そのプリントがウェブに対して実施される他の作業と良好に整合されていることに依存しなければならないことである。それ故に、包装積層材のウェブにマークを形成する改良された方法を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、包装積層材に磁気マークを形成できるという理解に基づいている。例えばヨーロッパ特許EP705759A1号には、包装材料内の磁気記録媒体に情報を記録することが教示されている。本明細書においては、ウェブから形成することを意図されるパッケージ1個当たり1以上のスポットがウェブに設けられ、磁気式なマーク付けが可能となるようにそれらのスポットは磁化可能粒子を含むということが教示される。
第1の概念によれば、複数の磁化可能部分を含む包装材料が提供されるのであり、その磁化可能部分
は、包装材料から形成されるパッケージ1個当たり
少なくとも1つのスポット
となるように用意されている。
このスポットは磁化可能粒子を含む。
【0006】
スポットは、基本的には長方形、正方形、円形、楕円形および細長い形状を含むグループから選ばれる幾何学形状とされる。スポットの少なくとも1つは磁気式の位置マークとすることを意図され、250mm
2 未満、好ましくは150mm
2 未満、好ましくは25mm
2 未満の面積を有することができる。
【0007】
スポットは、プリント面積1m
2 当たり0.5〜4g、好ましくは1m
2 当たり1.5〜4g、好ましくは1m
2 当たり約2gの量の磁化可能粒子を含むことができる。
【0008】
【0009】
【0010】
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例1による包装積層材ウェブを概略的に示す斜視図である。
【
図3】磁化可能部分の位置に関して実施例2による包装積層材ウェブを概略的に示す斜視図である。
【
図4】磁化可能部分の形状のさまざまな例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は包装材料ウェブ100を示し、ここでは複数の磁化可能部分102が備えられている。磁化可能部分は、包装材料から形成されるパッケージ104毎に少なくとも1つの
スポット102が配置されるようにプリントして、
分散配置される。点線は仮想であり、パッケージを形成することになる複数の部分を示すことを意図している。磁性材料の消費量、例えば磁化可能インクの消費量を減少するために、磁化可能部分はスポットまたはそのようなものとして、磁気マークを配置しようとする部分に備えられる。光学式マークによる問題点と比較してプリント処理と磁気マークの割当てとの間の位置精度には限界があるので、スポットは磁気マークに必要な実寸法よりも僅かに
大きい。従って、何等かの合理的な偏差を扱うことになり得る。実際に使用するプリント技術に関係なくプリントによって包装材料ウェブ100上の磁化可能部分102の位置に通常生じる意図しない変化は、プリント中のウェブの横方向並びに機械方向に現れる。しかしながら、そのようなプリント部分の位置変化は、何れの方向にも1mmを超えることは非常に稀である。そのような変化に対処するために、本発明は、プリントした磁化可能部分の幾何学寸法と、前記部分に望まれる磁気情報の割当てに使用した永久磁石の対応する幾何学寸法との間の独特な関係を少なくとも部分的に基本とする。この関係は、メートル単位で表せば、プリントした磁化可能部分の何れの寸法(長さおよび幅)も前記磁化可能部分に望まれる磁気情報の割当てに使用した永久磁石の対応する幾何学寸法よりも少なくとも3mm大きくなるであろうと表現できる。換言すれば、使用した永久磁石がプリントするウェブの機械方向にLmmの長さ寸法を有するとすれば、磁化可能部分の対応する長さ寸法は少なくともL+3mmとなるであろう。同様に、プリント中の不可避の意図しない変化に対処して磁化可能部分の十分とされる寸法を得るためには、使用磁石がプリントするウェブの横方向にBmmの幅寸法を有するとすれば、磁化可能部分の対応する幅寸法は少なくともB+3mmとなるであろう。
【0013】
このようにしてスポットは磁化可能粒子を備えられ、これは磁気マークで与えられ、また、以下にさらに説明されるように、スポットの形状および寸法によれば、被変調磁化(modulated magnetisation)によってさらに複雑な情報を備えることができる。包装材料は積層材か、またはポリマー材料のような単層材料であることが好ましい。
【0014】
図2は、表面に磁化可能部分204のプリントを形成できる1つの紙層202と、1層以上のプラスチック皮膜層206とを含むことができる包装積層材200を示す。本明細書では、プラスチック皮膜という用語は食品容器に適当なポリマーを含む何れかの皮膜と解釈すべきである。包装積層材はまた、金属箔層も含むことができる。金属箔層を通して磁気マークを読書きできるようにするために、金属はアルミニュウムのような非強磁性であることが好ましい。磁化可能部分のプリントは、形成するパッケージの意図的に内部に面する積層材のプリントが行われる層の面に形成されることが好ましい。このようにして、パッケージに形成される例えば装飾や製品情報の外面プリントに対して干渉することはない。このプリントは上述で説明したような磁化可能インクを使用して形成されることが好ましい。
【0015】
図3は、複数の磁化可能部分302を含む包装積層材ウェブ300を示す。磁化可能部分は、包装積層材300から形成するパッケージ1個当たり少なくとも1以上の磁化可能部分が配置されるように分散される。磁化可能部分は、例えば以下に説明するように磁化可能インクで与えられる磁化可能粒子を含む。磁化可能部分すなわち「スポット」は、想定される磁気マークおよびその意図に応じて、
図4に示すようなさまざまな形状を有することができる。スポットは正方形、長方形、円形、楕円形とされることができ、またはウェブの長手方向または横方向に配向された細長い形状にすることができる。スポットの寸法は、想定されるマークの寸法に応じて選ばれる。スポットの寸法は、スポットのプリント加工と磁気マークの付与との間の位置偏差によるあらゆる問題を軽減するために、僅かに
大きくされる。大きくされたスポットは、勿論のことながら、より強い磁化が可能となり、弱い情報(low−information)を担持するマークの磁界を増強するのに使用でき、これによりそのマークは特に荒れた信号状態の下での読取りが容易となり、また、ウェブまたはその特定部分に関する情報を担持するように、より複雑な情報を備えることができる。弱い情報を担持するマークについては、スポットは250mm
2 以下の面積部分を有することができ、これは正方形スポットでは辺長が約15〜16mmに等しく、円形スポットでは直径が約17〜18mmとなる。多くの適用例で150mm
2 以下の面積部分、また、幾つかの適用例では25mm
2 以下の面積部分で十分とされる。複雑なデータを担持する磁化可能部分は、細長いスポットまたはバーが適当である。ウェブの長手方向に沿って引伸ばされたような細長い部分を備えることで、ウェブの製造時および(または)パッケージの仕上げ加工中のウェブの移動に際して、複雑なデータの連続的な読書きが巧妙にできるように成る。
【0016】
プリントしたスポットは、スポット面積1m
2 当たり0.5〜4gの量の磁性粒子を含むことが好ましい。これより少ない量は磁気情報を与える能力を低下させ、また、これより多い量は情報担持能力を向上させることなく磁化可能インクの消費量を増やすだけである。多い量をプリントすることは、特に高速プリントにおいて問題を生じる。何故なら、インクは凝固による問題を生じるからである。さまざまな条件の下で情報担持能力を保証するためには、好ましい量は1m
2 当たり1.5〜4gである。読書き、プリント、およびインク消費量の経済性を保証する釣合いの取れた量は、公正に見て、1m
2 当たり約2gである。
【0017】
細長いスポットまたはバーの位置付けは、ウェブの長手方向の境界から所定の距離を隔てて位置できる。ここで、バーに備えられるデータは、幾つかの適用例においてウェブの整合に使用することもできる。
【0018】
細長いスポットまたはバーは、ウェブに沿うストリップを区分に分けた部分とすることができ、形成するパッケージ1個当たり1つの部分が存在するように配置される。区分けは、形成するパッケージのシール加工が磁化可能プリントの存在しない区分け位置にて行えるように位置付けすることが好ましい。ストリップは、シール位置から所定の距離を隔てて配置することでシール位置を指示する磁気マークを有することができる。
【0019】
磁化可能インクは、磁化可能部分が包装材料に備えられるように、与えられる。このインクは、磁化可能部分の磁気特性を与えるために磁化可能粒子を含む。
【0020】
インクはさらに溶剤を含む。溶剤の目的は、プリント時にインクを分散させるシステムを流動且つ開口状態に保持することである。溶剤は水ベースまたはモノマーベースとすることができる。溶剤の例はエタノール、エチレンアセテート、水、イソプロパノール、グリコール、または遅延剤の溶剤である。
【0021】
インクはさらに、アクリレイト、スチレンアクリルコーポリマーのようなアクリル製品、ポリウレタン、ニトロセルロース、ポリアミド、またはラテックスのような結合剤を含む。結合剤は、インクに必要な特性を与えるために、例えば上述したような成分の幾つかの混合物を含むことができる。考慮すべき特性は、インク中に磁性粒子を分散させ且つ安定化させること、処理時に磁性粒子を移動させること、プリントが形成される物質、すなわち積層材の層に対する接着性を与えることを助成することである。考慮すべき他の特性は、プリント後の磁性粒子の保護、および適当なプリント特性の付与である。例えば、結合剤の1つの成分は磁性粒子をインク中に均等に分散させる分散剤として作用できる一方、他の成分は積層材等に接着する接着剤として作用できる。高速プリントに適当なインクを与えるために、結合剤の量はインク重量、すなわち正味重量の20〜60%とすることができる。適当な量は40〜60%であると見出されている。50〜55%の量を使用すれば、良好に作用する。
【0022】
インクはさらにワックスおよび(または)消泡剤のような添加剤を含むことができる。ワックスは、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、ポリアミド、エチレンビニルアセテート、エチレンブチルアセテート、エチレンアクリル酸等とすることができる。ワックスの量はさまざまであるが、インクが凝固または汚れるのを防止するために十分な量とするべきである。適当な消泡剤はシリコーンまたは鉱物油である。消泡剤の量は、特に高速プリント時においても、移動ウェブに対するプリント中に泡が発生することを防止するために十分な量とするべきである。
【0023】
インクは、例えば連続して剪断または攪拌することで磁化可能粒子を結合剤と混合して準備される。部分において行うことができる粒子の添加は混合剤が約40〜50℃に達すると中断され、例えば消泡剤および(または)ワックスのような何れかの添加剤および流体が直ちに加えられて、直ぐに使用可能なインクが備えられる。
【0024】
磁化可能粒子は赤鉄鉱または磁赤鉄鉱、またはそれらの組合せとすることができる。これらの鉱物は食品パッケージに適している。何故なら、食物に接触することの制限が全くないからである。磁化可能粒子の量は、インク重量の15〜40%、好ましくは30〜35重量%である。
【0025】
磁化可能粒子の寸法、すなわち粒子の想定される形状に応じて粒子の横断長さ、直径等は、磁化可能インクでプリントされたスポットに磁気マークを付与するとき、残留磁界(残留磁気)の多少とも有益な特性を与えることが見出された。小径、すなわち0.1μm程度の粒子は良好に分散するが、当然ながら各粒子は少しの残留磁界(残留磁気)しか保持できない。また、結合剤、溶剤等の選択に応じて、そのように小径な粒子の分散は実際のところ争点となり得るものであり、インクの準備および取り扱い時に小径粒子が塊体形成することが争点となり得るのである。一方、大径、すなわち1μm〜数μm程度の粒子は、当然ながら小径粒子ほど分散しないが、各粒子はより大きい残留磁界(残留磁気)を保持することができ、また、粒子の塊体形成はそれほどはっきりとは見られない。粒子寸法のこれ以上の大径化は、一定に保持されたスポットのインク量で保持できる集合残留磁界(残留磁気)を高めることはないと見出されている。このことから、磁化可能粒子の適当な寸法は、0.1μm〜2.5μmとされる。好ましい寸法は、1実施例では1μm〜8μm、また、他の実施例では0.4μm〜1.5μmとなる。小径粒子の取り組みでは、例えば分散と塊体形成問題との間の適当な釣合いを与えるために約0.3μmの寸法の粒子を有するものとすることができる。他の取り組みでは、各個の粒子が十分な強さの磁界を備え、また塊体形成問題を最小限に抑えることができるように約1μmの寸法の粒子を有するものとすることができる。他の実施例では、上記2実施例の利益の両方を多少備えるために約0.4、0.5、0.6または0.7μmの粒子寸法を有するものとすることができる。本明細書において、「約」を付して与えられる寸法は、測定するには粒子形状が確かな幾何学寸法を与えられないこと、および粒子の準備処理によって粒子寸法に自然の広がり幅があることの両方に照らして解釈されねばならない。例えば、0.5μmの粒子寸法が選ばれても、粒子は研磨して準備され、僅かながら不規則な形状を有するのである。従って、平均的な粒子は最大測定可能方向に横断して0.5μmであり、最小方向に横断すればたったの0.35μmである。さらに、最大方向に関して、粒子の80%は0.45μm〜0.55μmに広がり、残りの20%はその範囲から外れ、特に研磨処理によって生じた一層小さい粒子の側へ外れる。この例は、勿論のことながら、何れの選ばれた寸法にも適用される。この広がりはまた、研磨処理後に粒子をスクリーニングすることで狭めることができる。
【0026】
本明細書、図面、特許請求の範囲で使用する用語について説明する。
包装材料は例えば図1の100で示される包装材料ウェブなどで、(図1の破線で示される箇所で)裁断後図1の104で示される個々のパッケージとなる。包装材料は、複数の磁化可能部分図2の204あるいは、図3の302などを含む。これらは、裁断後、パッケージあたり少なくとも1つのスポット例えば図1の102となるように配置されている。すなわち、磁化可能部分は包装材料上に複数配置されている場合に使用される言葉で、パッケージとしてみた場合は、スポットと言う言葉で表わされる。
スポットは、本願では、図4に例として示される各種の形状を取りうる。
【0027】
参考例として、以下を開示する。
材料は、そのウェブが巻上げられるとき、ロールの仮想軸線に平行な方向である横方向と、この横方向に対して直角な長手方向とを定めることができ、少なくとも1つの磁化可能部分はウェブの長手方向に本質的に沿うストリップを含むことができる。このストリップは、区分に分けた部分を含むことができ、1つの部分が包装積層材から形成されるパッケージの各々に存在する。部分間の区分けは、包装積層材から形成されるパッケージのシール加工がその区分け位置で可能となるように位置付けられる。ストリップは、意図したシール加工位置までの所定距離を示す磁気マークを含むことができる。
【0028】
参考例として、以下を開示する。
スポットは、磁化可能粒子、溶剤および結合剤を含む磁化可能インクによって形成されたプリントとして備えることができる。磁化可能粒子は、磁赤鉄鉱および赤鉄鉱を含むグループから選ぶことができる。結合剤はアクリレイト、スチレンアクリルコーポリマーのようなアクリル製品、ポリウレタン、ニトロセルロース、ポリアミドおよびラテックスを含むグループから選ぶことができる。結合剤は、そのグループのうちの2つを含むことができ、そのうちの一方は磁化可能粒子をインク中に均等に分散させるための分散剤として作用し、他方は包装材料に対する接着剤として作用する。結合剤の量はインク重量の20〜60%、好ましくは40〜60%、好ましくは50〜55%とされる。インクは、ワックスおよび(または)消泡剤のような添加剤をさらに含むことができる。ワックスは、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、ポリアミド、エチレンビニルアセテート、エチレンブチルアセテート、エチレンアクリル酸およびポリテトラフルオロエチレンを含むグループのうちの何れかを含むことができる。消泡剤はシリコーンまたは鉱物油を含むことができる。溶剤は、エタノール、エチレンアセテート、水、イソプロパノール、グリコール、または遅延剤の溶剤を含んで成るグループのうちの何れかを含むことができる。磁化可能粒子の量は、インク重量の15〜40%、好ましくは30〜35重量%である。
【0029】
参考例として、以下を開示する。
磁化可能粒子の寸法は、0.1〜2.5μm、好ましくは0.1〜0.8μmまたは好ましくは0.4〜1.5μm、好ましくは約0.3μmまたは好ましくは約1μmである。