特許第6158540号(P6158540)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6158540
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】脚立の物置台
(51)【国際特許分類】
   E06C 1/393 20060101AFI20170626BHJP
【FI】
   E06C1/393
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-40933(P2013-40933)
(22)【出願日】2013年3月1日
(65)【公開番号】特開2014-169546(P2014-169546A)
(43)【公開日】2014年9月18日
【審査請求日】2016年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】509269344
【氏名又は名称】シンウェイアルミニウムジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(74)【代理人】
【識別番号】100069578
【弁理士】
【氏名又は名称】藤川 忠司
(72)【発明者】
【氏名】増野 剛
【審査官】 星野 聡志
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭55−047556(JP,U)
【文献】 実開昭62−196899(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0142301(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06C1/00−9/14
B25H1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側一対の脚柱及び両脚柱の上端部をつなぐ横杆からなる主脚体と、主脚体の両脚柱間に上下複数段に配設された踏板と、主脚体の後側で上端部が主脚体の上部側で主脚体の上端部から下方に離れた位置に取り付けられた補助脚体とからなる脚立の物置台であって、物置台の幅を主脚体の両脚柱の間隔よりも狭く形成し、主脚体の両脚柱間に配置した物置台の両側面と主脚体の両脚柱との間に夫々移動枢支手段を介設し、使用時には、物置台の基端部を主脚体の両脚柱の上端部間で枢支状態とし且つ物置台の先端部を主脚体の後方へ突出させた水平姿勢で物置台をロック手段によってロックするようにし、この物置台を水平姿勢にロックした状態からそのロックを解除し、移動枢支手段を介して物置台を主脚体の両脚柱に対しスライドさせて両脚柱間に収納するようにした脚立の物置台において、
物置台を水平姿勢にロックするロック手段は、主脚体の脚柱の上端部で且つ水平姿勢にある物置台の枢支位置よりも前方位置に設けた脚柱側ピン差込部材と、水平姿勢にある物置台の側面側基端部で脚柱側ピン差込部材と同軸に対向する位置に設けた物置台側ピン差込部材と、前記両ピン差込部材のピン孔に亘って差し込まれるロックピンとからなる脚立の物置台
【請求項2】
移動枢支手段は、主脚体の各脚柱の内側面上端部に突設された枢支用凸部と、物置台の各側面にその略全長に亘って条設され、前記枢支用凸部を案内する枢支ガイド用凹条部とからなる請求項1に記載の脚立の物置台。
【請求項3】
両側一対の脚柱及び両脚柱の上端部をつなぐ横杆からなる主脚体と、主脚体の両脚柱間に上下複数段に配設された踏板と、主脚体の後側で上端部が主脚体の上部側で主脚体の上端部から下方に離れた位置に取り付けられた補助脚体とからなる脚立の物置台であって、物置台の幅を主脚体の両脚柱の間隔よりも狭く形成し、主脚体の両脚柱間に配置した物置台の両側面と主脚体の両脚柱との間に夫々移動枢支手段を介設し、使用時には、物置台の基端部を主脚体の両脚柱の上端部間で枢支状態とし且つ物置台の先端部を主脚体の後方へ突出させた水平姿勢で物置台をロック手段によってロックするようにし、この物置台を水平姿勢にロックした状態からそのロックを解除し、移動枢支手段を介して物置台を主脚体の両脚柱に対しスライドさせて両脚柱間に収納するようにした脚立の物置台において、
移動枢支手段は、物置台の各側面の基端部に突設された枢支用凸部と、主脚体の各脚柱の背面側上端部間に設けられ、物置台の基端部を受ける横桟と、各脚柱の内側面上端部から下方へ所要長さに亘って条設され、前記枢支用凸部を案内する枢支ガイド用凹条部とからなる脚立の物置台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚立に釘や金槌等の作業用具、その他の必要な物を一時的に載置するための物置台を折り畳み式に取り付けるようにした脚立の物置台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の物置台付き脚立には、物置台を脚立に固定したものと、折り畳み式としたものがある。物置台を脚立に対し固定的に取り付けたものとしては、例えば下記の特許文献1に記載され、また物置台を脚立に対し折り畳み式に取り付けるようにしたものには、例えば下記特許文献2に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−62640号公報
【特許文献2】実開昭55−42556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の固定式物置台の場合には、図5の(a) に概略的に示すように、主脚体33と補助脚体34とからなる折り畳み式の脚立31における主脚体33の上端部に取り付けることができるが、脚立31自体を折り畳んだ時に収納性が悪いため、図示のように奥行きの短い小型の物置台32Aが多く、従って必要な物を十分載せれない不都合がある。また、特許文献2に記載された折り畳み式物置台の場合は、図5の(b) に概略的に示すように、大型の物置台32Bを取り付けることが可能であるが、物置台32Bは、主脚体33の上端部よりも下方位置で主脚体33の後側(裏側)に取り付けられているため、主脚体33の上端部側が邪魔になって、物置台32Bから載置物を取り出しにくく、作業性が悪いと、言った問題がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑み、大型の物置台が設置可能で、作業性も良好となる脚立の物置台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、両側一対の脚柱5,5及び両脚柱5,5の上端部をつなぐ横杆5Aからなる主脚体3と、主脚体3の両脚柱5,5間に上下複数段に配設された踏板6と、主脚体3の後側で上端部が主脚体3の上部側で主脚体3の上端部から下方に離れた位置に取り付けられた補助脚体4とからなる脚立1の物置台2であって、物置台2の幅を主脚体3の両脚柱5,5の間隔よりも狭く形成し、主脚体3の両脚柱5,5間に配置した物置台2の両側面と主脚体3の両脚柱5,5との間に夫々移動枢支手段10を介設し、使用時には、物置台2の基端部2aを主脚体3の両脚柱5,5の上端部間で枢支状態とし且つ物置台2の先端部2bを主脚体3の後方へ突出させた水平姿勢で物置台2をロック手段14によってロックするようにし、この物置台2を水平姿勢にロックした状態からそのロックを解除し、移動枢支手段10を介して物置台2を主脚体3の両脚柱5,5に対しスライドさせて両脚柱5,5間に収納するようにした脚立の物置台において、
物置台2を水平姿勢にロックするロック手段14は、主脚体3の脚柱5の上端部で且つ水平姿勢にある物置台2の枢支位置よりも前方位置に設けた脚柱側ピン差込部材15と、水平姿勢にある物置台2の側面側基端部で脚柱側ピン差込部材15と同軸に対向する位置に設けた物置台側ピン差込部材16と、前記両ピン差込部材15,16のピン孔15a,16aに亘って差し込まれるロックピン17とからなることを特徴とする。
【0007】
請求項2は、請求項1に記載の脚立の物置台において、移動枢支手段10は、主脚体3の各脚柱5,5の内側面上端部に突設された枢支用凸部12と、物置台2の各側面にその略全長に亘って条設され、前記枢支用凸部12を案内する枢支ガイド用凹条部13とからなることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、両側一対の脚柱5,5及び両脚柱5,5の上端部をつなぐ横杆5Aからなる主脚体3と、主脚体3の両脚柱5,5間に上下複数段に配設された踏板6と、主脚体3の後側で上端部が主脚体3の上部側で主脚体3の上端部から下方に離れた位置に取り付けられた補助脚体4とからなる脚立1の物置台2であって、物置台2の幅を主脚体3の両脚柱5,5の間隔よりも狭く形成し、主脚体3の両脚柱5,5間に配置した物置台2の両側面と主脚体3の両脚柱5,5との間に夫々移動枢支手段10を介設し、使用時には、物置台2の基端部2aを主脚体3の両脚柱5,5の上端部間で枢支状態とし且つ物置台2の先端部2bを主脚体3の後方へ突出させた水平姿勢で物置台2をロック手段14によってロックするようにし、この物置台2を水平姿勢にロックした状態からそのロックを解除し、移動枢支手段10を介して物置台2を主脚体3の両脚柱5,5に対しスライドさせて両脚柱5,5間に収納するようにした脚立の物置台において、
移動枢支手段10は、物置台2の各側面の基端部に突設された枢支用凸部12と、主脚体3の各脚柱5の背面側上端部間に設けられ、物置台2の基端部2aを受ける横桟11と、各脚柱5の内側面上端部から下方へ所要長さに亘って条設され、前記枢支用凸部12を案内する枢支ガイド用凹条部13とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の物置台2は、主脚体3の両脚柱5,5の間隔よりは狭いが、踏板6の奥行きよりも十分に長く形成できるもので、物置台2の基端部2aを主脚体3の両脚柱5,5の上端部間で枢支状態として、その先端部2bを主脚体3の後方へ突出させた水平姿勢で物置台2をロック手段14によりロックして使用するようにし、水平姿勢にロックした状態からロックを解除して、移動枢支手段10を介して物置台2を主脚体3の両脚柱5,5に対しスライドさせて両脚柱5,5間に収納するようにしたから、この物置台2には、脚立1による作業中に、作業用具、その他の必要な物を十分に載せることができ、また物置台2を主脚体3の上端部の後方側へ長く突出させた状態で使用するから、物置台2上の載置物の取り出しが容易となり、作業性の向上を図ることができる。
又、本発明によれば、物置台2を水平姿勢にロックするロック手段14が、主脚体3の脚柱5の上端部で且つ水平姿勢にある物置台2の枢支位置よりも前方位置に設けた脚柱側ピン差込部材15と、水平姿勢にある物置台2の側面側基端部で脚柱側ピン差込部材15と同軸に対向する位置に設けた物置台側ピン差込部材16と、両ピン差込部材15,16のピン孔15a,16aに亘って差し込まれるロックピン17と、からなるため、物置台2を水平姿勢に確実にロックすることができ、またロック操作及びロック解除操作も簡単容易となる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、移動枢支手段10が、主脚体3の各脚柱5,5の内側面上端部に突設された枢支用凸部12と、物置台2の各側面にその略全長に亘って条設され、前記枢支用凸部12を案内する枢支ガイド用凹条部13とからなるものである場合は、主脚体3の脚柱5側に枢支用凸部12を設け、物置台2の側面に枢支ガイド用凹条部13を設けばよいから、構造が簡単で、製作が容易となる。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、移動枢支手段10が、物置台2の各側面の基端部に突設された枢支用凸部12と、主脚体3の各脚柱5の内側面上端部から下方へ所要長さに亘って条設され、前記枢支用凸部12を案内する枢支ガイド用凹条部13とからなるものである場合には、物置台2の側面側に枢支用凸部12を設け、主脚体3の脚柱5側に枢支ガイド用凹条部13を設ければよいから、部品点数が少なく、構造も簡単で、製作が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る脚立の物置台の使用状態を示す斜視図である。
図2】(a) は図1に示す脚立の物置台の側面図、(b) は脚立及び物置台を折り畳んだ状態の側面図である。
図3】(a) は図2の(a) のX−X線拡大断面図で、一実施形態による移動枢支手段を示し、(b) は図2の(a) のY−Y線拡大断面図である。
図4】(a) は他の実施形態による移動枢支手段を備えた物置台の取付状態を示す斜視図、(b) は(a) に示す物置台が主脚体の両脚柱間に収納された状態を示す一部断面正面図である。
図5】従来の物置台付き脚立を示す説明図で、(a) は固定式の物置台を示し、(b) は折り畳み式の物置台を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明すると、図1及び図2において、1は折り畳み式の脚立、2は物置台である。脚立1は、周知構造のもので、両側一対の脚柱5,5及び両脚柱5,5の上端部をつなぐ横杆5Aからなる主脚体3と、主脚体3の後側で上端部が主脚体3の上部側で主脚体3の上端部である横杆5Aより下方に離れた位置に取り付けられた補助脚体4と、主脚体3の両脚柱5,5間に上下複数段に配設された踏板6と、両側一対の踏板回動杆7,7と、から構成されている。
【0016】
補助脚体4は、両側一対の脚柱8,8と、両脚柱8,8の下端部をつなぐ横杆9とからなるもので、両脚柱8,8の上端部は夫々、主脚体3を形成する両脚柱5,5の後側面の上端部から下方へ離れた位置に設けたブラケット21にピン27により枢着されている。各踏板6は、両側面前端部が夫々主脚体3の両脚柱5,5にピン22で枢着され、各踏板6の両側面後端部は、各踏板回動杆7にピン23で枢着され、そして各踏板回動杆7の上部側所要部と、補助脚体4を形成する脚柱8の中間部所要位置とが連動杆24によってピン25,26で枢支連結されている。
【0017】
図2の(a) に概略示すように、最上段側踏板6の後端部にはフック部28が設けられ、このフック部28が、補助脚体4の両脚柱8,8上部間に横架された支持バー29に対して上方より係脱可能に係止することにより、各踏板6が図1及び図2の(a) に示すように水平姿勢を維持することができる。尚、最上段側踏板6のフック部28と補助脚体4側の支持バー29との間には、支持バー29に対するフック部28の係止状態を保持するためのチャック手段(図示省略)が介設されていて、図1及び図2の(a) に示す脚立1の使用位置で各踏板6を水平姿勢にロックできるようになっている。
【0018】
従って、図1及び図2の(a) に示すような脚立1の使用位置から、最上段側踏板6のフック部28を補助脚体4側の支持バー29から離脱させ、踏板回動杆7を上方へ持ち上げながら主脚体3と補助脚体4とを互いに引き寄せることにより、脚立1全体を図2の(b) に示すように折り畳むことができる。
【0019】
次に、物置台2の構造及び主脚体3に対する取付構造について、図1図3を参照して説明する。この物置台2は、幅が主脚体3の両脚柱5,5間の間隔よりも僅かに狭く、長さが図示のように踏板6の奥行きより十分長く形成されて、主脚体3の両脚柱5,5間に配置された状態で、物置台2の両側面と主脚体3の両脚柱5,5との間に夫々移動枢支手段10が介設されており、物置台2の使用時には、図1及び図2(a) の実線図示のように物置台2の基端部2aを主脚体3の両脚柱5,5の上端部間で枢支状態とし且つ物置台2の先端部2bを主脚体3の後方へ突出させた水平姿勢で物置台2をロック手段14によってロックし、そしてこの物置台2が水平姿勢にロックされた状態からロック手段14によるロックを解除して、移動枢支手段10を介して物置台2を主脚体3の両脚柱5,5に対しスライドさせることによって、物置台2を両脚柱5,5間に平行に収納できるようにしている。
【0020】
この場合の移動枢支手段10は、図1図2の(a) 及び図3の(a) に示すように、主脚体3の各脚柱5の内側面上端部に突設された枢支用凸部12と、物置台2の各左右側面にその略全長に亘って条設され、前記枢支用凸部12を案内する枢支ガイド用凹条部13とからなるもので、図3の(a) から分かるように、枢支用凸部12は、脚柱5の上端部所定位置に挿通して取り付けられた取付軸部12oと、この取付軸部12oの先端部に設けられ、枢支ガイド用凹条部13に沿って摺動又は転動する駒片12aとによって形成され、そして枢支ガイド用凹条部13は、物置台2の各側面に取り付けられたガイドレール18によって形成される。
【0021】
また、主脚体3を主脚体3の上端部において水平姿勢にロックするロック手段14は、図1図2の(a) 及び図3の(b) に示すように、主脚体3の脚柱5の上端部で且つ水平姿勢にある物置台2の枢支位置(枢支用凸部12の設けられた位置)よりも前方位置に設けた脚柱側ピン差込部材15と、水平姿勢にある物置台2の側面側基端部で脚柱側ピン差込部材15と同軸に対向する位置に設けた物置台側ピン差込部材16と、前記両ピン差込部材15,16のピン孔15a,16aに亘って差し込まれるロックピン17と、から構成されている。尚、図3の(b) には、ロック手段14のみを図示し、移動枢支手段10の図示を省略している。
【0022】
この脚立1では、物置台2が主脚体3の上端部で水平姿勢の使用位置にある時、この物置台2にかかる荷重は、移動枢支手段10の枢支用凸部12及びロック手段14のロックピン17で受けられるが、図1及び図2に示すように、主脚体3の背面側上端部には例えばパイプ材からなる横桟11が脚柱5,5間に横架されていて、この横桟11でも物置台2にかかる荷重を受けることができるようになっているから、構造的にも頑強となる。
【0023】
上記のように構成される物置台2の作用について説明すれば、図1及び図2の(a) は、脚立1の主脚体3と補助脚体4とが所定角度の使用位置に開脚され、そして物置台2が、主脚体3の上端部で水平姿勢の使用位置にロック手段14によりロックされた状態を示している。このように物置台2が水平姿勢の使用位置にある時の移動枢支手段10は、図2の(a) 及び図3の(a) に示す通り、固定位置にある枢支用凸部12が物置台2側の枢支ガイド用凹条部13の基端部側に係合している。
【0024】
上記のような水平姿勢の使用位置にロックされた物置台2を主脚体3内に収納する時には、各ロック手段14のロックピン17を脚柱側ピン差込部材15及び物置台側ピン差込部材16から抜き取れば、物置台2は、枢支用凸部12とこれが係合している枢支ガイド用凹条部13とからなる移動枢支手段10が移動自在となるから、この物置台2を、図2の(a) に実線で示す水平姿勢の使用位置から同図の仮想線図示のように主脚体3の手前側下方へ引っ張ることによって、図1の仮想線図示のように物置台2を主脚体3の両脚柱5,5間の上部側に収納することができる。図2の(b) には、脚立1全体を折り畳んだ時、物置台2を、主脚体3の両脚柱5,5間に平行に収納した状態を示す。
【0025】
上述した図1図3によって説明した物置台2の移動枢支手段10は、主脚体3の脚柱5の上端部に枢支用凸部12を設け、物置台2の側面に枢支ガイド用凹条部13を設けたものであるが、図4の(a) ,(b) に示すように、物置台2の各側面の基端部に枢支用凸部12を突設し、主脚体3の各脚柱5の内側面に枢支ガイド用凹条部13を設けるようにしてもよい。
【0026】
即ち、図4の(a) ,(b) に示す移動枢支手段10は、物置台2の各側面の基端部に突設された枢支用凸部12と、主脚体3の各脚柱5の内側面側に設けられ、枢支用凸部12を案内する枢支ガイド用凹条部13とからなるもので、枢支ガイド用凹条部13は、脚柱5の内側面上端部からその下方へ所要長さに亘って形成されたガイド溝19からなり、また枢支用凸部12は、物置台2の側面に取り付けられ、枢支ガイド用凹条部13のガイド溝19に沿ってスライドする取付軸部12oと、この取付軸部12oの先端部に設けられ、脚柱5内をスライドする駒片12aとによって形成される。
【0027】
上記した図4に示すような移動枢支手段10を備えた物置台2を水平姿勢で使用する時は、各ロック手段14のロックピン17を脚柱側及び物置台側のピン差込部材15,16に差し込めば、物置台2は水平姿勢に保持され、そして物置台2にかかる荷重は、脚柱5の背面側上端部に設けられた横桟11で受けられると共に、移動枢支手段10の枢支用凸部12及びロック手段14のロックピン17によって支持される。そして、この物置台2を図4の(a) に実線で示す水平姿勢の使用位置から主脚体3内に収納する時には、各ロック手段14のロックピン17をピン差込部材15,16から抜き取ってロック解除すれば、物置台2は、物置台側枢支用凸部12と脚柱側枢支ガイド用凹条部13からなる移動枢支手段10が移動自在となるから、この物置台2を、図4の(a) に実線で示す水平姿勢の使用位置から手前側へ引きながら下降させることによって、同図の仮想線図示のように物置台2を主脚体3の両脚柱5,5間の上部側に収納することができる。図4の(b) には、物置台2を主脚体3の両脚柱5,5間に収納した時に物置台側枢支用凸部12が脚柱側枢支ガイド用凹条部13(ガイド溝19)の下端に係止された状態を仮想線で示す。尚、この収納状態において、物置台2の上端側は、前記横桟11で支持される。
【0028】
以上説明した脚立1の物置台2は、主脚体3の両脚柱5,5の間隔よりは狭いが、踏板6の奥行きよりも十分に長く形成されたもので、図1及び図2の(a) に示すように、物置台2の基端部2aを主脚体3の両脚柱5,5の上端部間で枢支状態として、その先端部2bを主脚体3の後方へ突出させた水平姿勢で物置台2をロック手段14によりロックして使用するようにし、また水平姿勢にロックした状態からロックを解除して、移動枢支手段10を介して物置台2を主脚体3の両脚柱5,5に対しスライドさせて両脚柱5,5間に収納するようにしたから、この物置台2には、脚立1による作業中に釘や金槌等の作業用具、その他の必要な物を十分に載せることができ、また物置台2を主脚体3の上端部の後方側へ長く突出させた状態で使用するから、物置台2上の載置物の取り出しが容易となって、作業性の向上を図ることができる。
【0029】
また、この物置台2の移動枢支手段10としては、図1図3に示すように、主脚体3の各脚柱5,5の内側面上端部に突設された枢支用凸部12と、物置台2の各側面にその略全長に亘って条設され、前記枢支用凸部12を案内する枢支ガイド用凹条部13とからなるものを使用できるし、また図4の(a) ,(b) に示すように、物置台2の各側面の基端部に突設された枢支用凸部12と、主脚体3の各脚柱5の内側面上端部から下方へ所要長さに亘って条設され、前記枢支用凸部12を案内する枢支ガイド用凹条部13とからなるものを使用することができる。前者の場合は、主脚体3の脚柱5側に枢支用凸部12を設け、物置台2の側面に枢支ガイド用凹条部13を形成すればよく、また後者の移動枢支手段10の場合は、物置台2の側面側に枢支用凸部12を設け、主脚体3の脚柱5側に枢支ガイド用凹条部13(ガイド溝19)を形成すればよく、何れの場合も、構造が簡単であるため、製作的にも容易となる。
【0030】
また、主脚体3を水平姿勢にロックするロック手段14としては、例えば図3の(b) に示すように、主脚体3の脚柱5の上端部で且つ水平姿勢にある物置台2の枢支位置よりも前方位置に設けた脚柱側ピン差込部材15と、水平姿勢にある物置台2の側面側基端部で脚柱側ピン差込部材15と同軸に対向する位置に設けた物置台側ピン差込部材16と、前記両ピン差込部材15,16のピン孔15a,16aに亘って差し込まれるロックピン17とからなるものを使用することにより、物置台2を水平姿勢に確実にロックすることができると共に、ロック操作及びロック解除操作も簡単容易となる。
【0032】
以上の実施形態では、脚立は、使用状態において、主脚体が後傾姿勢、補助脚体が前傾姿勢で、補助脚体の上端部が主脚体の後側から主脚体の上部側に取り付けられているものについて説明したが、主脚体の上端部側が補助脚体の上端部のところから水平に対し垂直に立ち上がっている構造のものにも、本発明の物置台の適用が可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 脚立
2 物置台
3 主脚体
4 補助脚体
5 脚柱
6 横杆
11 横桟
10 移動枢支手段
12 枢支用凸部
13 枢支ガイド用凹条部
14 ロック手段
図1
図2
図3
図4
図5