(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6158546
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】電子装置および電子装置の監視方法
(51)【国際特許分類】
G06F 1/28 20060101AFI20170626BHJP
G01R 31/30 20060101ALI20170626BHJP
G06F 1/30 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
G06F1/28 Z
G01R31/30
G06F1/30 X
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-56393(P2013-56393)
(22)【出願日】2013年3月19日
(65)【公開番号】特開2014-182566(P2014-182566A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2016年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】小泉 和秀
【審査官】
山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−281291(JP,A)
【文献】
特開2006−113699(JP,A)
【文献】
特開2005−345417(JP,A)
【文献】
特開平09−264930(JP,A)
【文献】
特開2012−048554(JP,A)
【文献】
特開2007−218607(JP,A)
【文献】
特開平11−215808(JP,A)
【文献】
米国特許第6246221(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0095368(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0164707(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26−1/32
G01R 31/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
定電圧回路と、
前記定電圧回路の電圧をシフトさせる電圧シフト手段と、
前記定電圧回路から負荷回路に電圧を供給する電圧供給パスと、
前記負荷回路から前記定電圧回路に電圧を帰還する電圧帰還パスと、
前記電圧供給パスと前記電圧帰還パスの電圧差を計測する電圧差計測手段と、
前記電圧シフト手段を動作させ、前記負荷回路に供給する電圧を所定値だけシフトさせて前記電圧差を測定するステップを、前記負荷回路に供給する電圧の総シフト量が上限または下限に達するまで繰り返したときの前記電圧差の最大値または最小値または絶対値の最小値に基づいて前記負荷回路の劣化を検出する閾値を設定する閾値設定手段と、
前記閾値設定手段を制御する制御回路と
を有することを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記制御回路が、
前記電圧差を監視し、前記電圧差が前記閾値を越えた場合に、前記負荷回路に故障の予兆ありとするアラームを発報する負荷回路監視手段を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記負荷回路監視手段が、前記電圧差をポーリングするポーリング手段を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
定電圧回路と、前記定電圧回路の電圧をシフトさせる電圧シフト手段と、前記定電圧回路から負荷回路に電圧を供給する電圧供給パスと、
前記負荷回路から前記定電圧回路に電圧を帰還する電圧帰還パスと、
前記電圧供給パスと前記電圧帰還パスの電圧差を計測する電圧差計測手段と、
前記電圧シフト手段を動作させ、前記負荷回路に供給する電圧を所定値だけシフトさせて前記電圧差を測定するステップを、前記負荷回路に供給する電圧の総シフト量が上限または下限に達するまで繰り返したときの前記電圧差の最大値または最小値または絶対値の最小値に基づいて前記負荷回路の劣化を検出する閾値を設定する閾値設定手段と、
前記閾値設定手段を制御する制御回路と
を有する電子装置の監視方法であって、
前記電圧シフト手段によって前記負荷回路に供給する電圧を所定範囲内で所定値だけシフトさせて前記電圧差を測定するステップを、前記負荷回路に供給する電圧の総シフト量が上限または下限に達するまで繰り返す工程と、
前記所定範囲内における前記電圧差の最大値または最小値または絶対値の最小値に基づいて前記閾値を設定する工程と
を有することを特徴とする電子装置の監視方法。
【請求項5】
前記制御回路が、
前記電圧差を監視し、
前記電圧差が前記閾値を越えた場合に、前記負荷回路に故障の予兆ありとするアラームを発報する
ことを特徴とする請求項4に記載の電子装置の監視方法。
【請求項6】
前記制御回路が、前記電圧差をポーリングする
ことを特徴とする請求項5に記載の電子装置の監視方法。
【請求項7】
定電圧回路と、前記定電圧回路の電圧をシフトさせる電圧シフト手段と、前記定電圧回路から負荷回路に電圧を供給する電圧供給パスと、
前記負荷回路から前記定電圧回路に電圧を帰還する電圧帰還パスと、
前記電圧供給パスと前記電圧帰還パスの電圧差を計測する電圧差計測手段と、
前記電圧シフト手段を動作させ、前記負荷回路に供給する電圧を所定値だけシフトさせて前記電圧差を測定するステップを、前記負荷回路に供給する電圧の総シフト量が上限または下限に達するまで繰り返したときの前記電圧差の最大値または最小値または絶対値の最小値に基づいて前記負荷回路の劣化を検出する閾値を設定する閾値設定手段と、
前記閾値設定手段を制御する制御回路と
を有する電子装置の監視方法であって、
前記電圧シフト手段によって前記負荷回路に供給する電圧を所定範囲内で所定値だけシフトさせて前記電圧差を測定するステップを、前記負荷回路が正常動作しなくなるまで繰り返す工程と、
前記負荷回路が正常動作しなくなった時の前記電位差を前記閾値に設定する工程と
を有することを特徴とする電子装置の監視方法。
【請求項8】
前記制御回路が、
前記電圧差を監視し、
前記電圧差が前記閾値を越えた場合に、前記負荷回路に故障の予兆ありとするアラームを発報する
ことを特徴とする請求項7に記載の電子装置の監視方法。
【請求項9】
前記制御回路が、前記電圧差をポーリングする
ことを特徴とする請求項8に記載の電子装置の監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置および電子装置の監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置では、障害が発生してから修理を行うことが一般的である。しかしながら、近年は装置が複雑化、高集積化し、障害発生することによるダメージは大きくなってきている。そこで障害が発生する前に故障を予知しようとする試みが種々成されている。代表的な障害の原因としては経年劣化に伴う回路導体の抵抗増加や、絶縁体の劣化による絶縁不良などがある。
【0003】
特許文献1には、IC検査装置において、検査装置内部の各回路について故障を予知する技術が開示されている。この技術では、検査対象となるICの動作電圧において検査装置内部の各回路の動作を検査するとともに、ICの動作保証範囲上限および下限の電圧においても各回路の検査を行うことに特徴がある。ICの動作電圧をV、動作保証範囲をV±ΔVとした時に、Vおよび上限のV+ΔV、下限のV−ΔVでも回路の性能検査を行う。
図10はそのときの結果を模式的に示したものである。横軸の供給電圧に対し、その時に出力される信号レベルを表しており、信号レベルが規格以上であることが合格の条件である。
図10(a)は正常な場合である。V、V+ΔV、V−ΔVの各点で信号レベルが規格を上回っているため正常と判定される。
図10(b)は故障の場合である。動作電圧Vにおいて信号レベルが規格を下回っているため、故障と判定される。
図10(c)は劣化ありと判定される場合である。動作電圧Vでは規格以上であるが、V+ΔVおよびV−ΔVでは規格を下回っているため劣化ありと判定される。を示している。
【0004】
以上のようにして、回路の劣化を検出される。劣化の段階でメンテナンスを行うことによって、装置の故障を未然に防ぐことができる。このため、装置の停止による損失、修理による損失を回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−264930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、動作電圧以外に特性の極大、極小があった場合、劣化の判定を誤る可能性があるという問題点があった。これは動作電圧から電圧がずれるに従って特性パラメータが単調増加あるいは単調減少する特性を仮定しており、中間に極大や極小があるとこれを検出することができないからである。
【0007】
また、同じ回路であっても性能にはバラツキがある。このため全部を同じ規格で判定できるように、一番品質の悪いものに合わせて規格を決めざるを得なかった。このように安全サイドで規格を決めると、十分に寿命が残っているにも関わらず劣化と判定さるため、結果としてメンテナンス回数を増大させていた。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みて成されたものであり、回路特性の電圧依存性、および個体差も考慮して、確実かつ効率の良い故障の予知方法および装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の電子装置は、定電圧回路と前記定電圧回路の電圧をシフトさせるマージン回路を有する電源回路と、前記電源回路が供給する電圧を負荷回路に供給する電圧供給パスと、前記負荷回路から前記電源回路に電圧を帰還する電圧帰還パスと、前記電圧供給パスの電圧を測定する第1の電圧センサと、前記電圧帰還パスの電圧を測定する第2の電圧センサと、前記電源回路を制御する制御回路と、前記負荷回路の動作を検査する検査手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果は、電子装置が故障する前に、故障の予兆を検知できることである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】第1の実施の形態の閾値設定方法を示すフローチャートである。
【
図3】第1の実施の形態の予兆監視動作を示すフローチャートである。
【
図4】第1の実施の形態における電圧差測定例を示すグラフである。
【
図5】第1の実施の形態における別の電圧差測定例を示すグラフである。
【
図7】第2の実施の形態の閾値設定方法を示すフローチャートである。
【
図9】第3の実施の形態を適用したサーバシステムを示すブロック図である。
【
図10】特許文献1の技術の概念を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明第1の実施の形態を示すブロック図である。電子装置100は、負荷回路10と、負荷回路10を駆動する電圧を供給する電源回路20と、電源回路20の制御を行う制御回路30を有している。電源回路20から負荷回路10への電圧供給は電圧供給パス40を介して行われる。また負荷回路から電源回路20へ帰還される電圧は電圧帰還パス41を介して行われる。電圧供給パス40の電圧は電圧センサA50によって計測され計測結果は制御回路30に読み込まれる。電圧帰還パス41の電圧は電圧センサB51によって計測され、計測結果は制御回路3に読み込まれる。制御回路30は電圧供給パス40と電圧帰還パス41の電圧差55を算出する。管理ソフトウェア60は制御回路30を制御する。
【0013】
電源回路20は定電圧回路21と、マージン回路22を有する。マージン回路22は制御回路30の指示により、定電圧回路21が生成する電圧をシフトさせる回路であり、電源回路20が供給する電圧をステップ的もしくは連続的にシフトすることができる。なお、マージン回路22は電源回路20の外部に設けられている構成とすることもできる。
【0014】
次に本実施の形態の電子装置100の故障の予知方法について説明する。本実施の形態では、電源電圧をマージン回路22によってシフトさせ、設定したシフト量の範囲(マージン)の中で電圧差55が最大となる電圧を閾値とする。
【0015】
まず判定に用いる閾値の設定方法について説明する。
図2はそのフローチャートである。まず定電圧回路21を駆動し、マージン回路22のシフト量をゼロにして、負荷回路に標準の動作電圧を供給する(S1)。次にマージン回路22を起動し所定の値だけ電圧をプラス側にシフトさせる(S2)。このときの電圧供給パス40と電圧帰還パス41の電圧差55を測定し、制御回路30もしくは管理ソフトウェア60に保存する(S3)。電圧シフト量が設定した上限に達していなければ(S4_No)、マージン回路22を用いて電圧をさらにプラス側にシフトさせる。電圧シフト量がマージンの上限に達したら(S4_Yes)、測定した電圧差55のうちで最大の値を閾値1として保存する(S5)。次にマージン回路22のシフト量をゼロにして、負荷回路10に動作電圧を供給する(S6)。次にマージン回路22を駆動して、電圧をマイナス側に所定値だけシフトさせる(S7)。次いで、電圧供給パス40と電圧帰還パス41の電圧差55を測定し値を制御回路30または間ソフトウェア60に保存する(S8)。電圧シフト量が設定した下限に達していなければ(S9_No)、マージン回路22を用いて電圧をさらにマイナス側にシフトさせる。電圧シフト量がマージン下限に達したら(S9_Yes)、測定した電圧差55のうちで最大の値を閾値2として保存する(S10)。次に閾値1と閾値2を比較し、大きい方を閾値として管理ソフトウェア60に保存する。
【0016】
こうして求めた閾値は負荷回路10に固有のものであり、同型の負荷回路10における個体差をも含めた動作限界を与えるものである。なお上記の説明では電圧差55が最大となるとして閾値を求めたが、最小となる電圧差55を閾値とする場合もあり得る。どちらを選択するか、あるいは両方の閾値を設定するかは負荷回路10の故障モード等を考慮して適宜決定される。また電圧をシフトさせる方向はマイナス側を先にしても良い。
【0017】
次に負荷回路10が通常稼動にあるときの故障予知方法について説明する。
図3はこの動作を示すフローチャートである。通常稼動時は、マージン回路22は駆動せず、電源回路20からは標準動作電圧が供給される(S201)。次に制御回路30が電圧差55をポーリングする(S202)。電圧差55が閾値より小さければ(S203_No)所定の間隔でポーリングを繰り返す。電圧差55が閾値を越えた場合には(S203_Yes)、故障の予兆ありとしてアラームを上げる(S204)。
【0018】
ここで劣化のメカニズムの一例として、負荷回路10の導体劣化による抵抗増加を考える。この場合、電圧差55は劣化の進行にともなって増大し、閾値を超えるとアラームが発報する。
【0019】
また別の例として負荷回路の絶縁劣化による抵抗成分の減少を考える。このような故障モードが予想されるときは閾値として電圧差55の最小値を設定しておく。このとき電圧差55は劣化の進行にともなって減少し、閾値を超えるとアラームが発報する。アラームのタイミングでメンテナンスを行うことにより障害の発生を回避することができる。
【0020】
また本実施の形態では、電圧差55をポーリングしているため、データを読み出すことによって劣化の進行度合いを随時把握することが可能である。
【0021】
次に閾値の具体例を示す。
図4は、動作電圧がV、マージン設定が±ΔVの負荷回路10における、供給電圧と帰還電圧および電圧差の関係を示している。この負荷回路10においては、電圧差55が供給電圧の増加に従って単調に増加するため、電圧差の最大値はV+ΔVの点で生じ、これが閾値となる。
【0022】
図5は帰還電圧の極小値が、VとV−ΔVの中間にある負荷回路10の例を示すグラフである。この例では最大電圧差はVとV−ΔVの間のV1で生じ、これが閾値となる。このように、本実施の形態を用いれば、マージンの上下限のみで測定するよりも、実際の限界に近い閾値を設定できる。このためメンテナンスを延ばすことができる。
(第2の実施の形態)
図
6は本発明第2の実施の形態を示すブロック図である。本実施の形態では第1の実施の形態の構成に加えて、負荷回路10に検査ポート11が設けられ、制御回路30が負荷回路監視手段31を有している。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。制御回路30は負荷回路10の監視ポート11に接続され、負荷回路の動作を監視することが出来る。
【0023】
次に本実施の形態の電子装置200の故障の予知方法について説明する。本実施の形態では、電源電圧をマージン回路22によってシフトさせ、負荷回路が正常に動作しなくなるポイントで閾値を設定する。図
7は閾値の設定方法を示すフローチャートである。まず定電圧回路21を駆動し、マージン回路22のシフト量をゼロにして、負荷回路の標準動作電圧を供給する(S301)。次にマージン回路22を起動し所定の値だけ電圧をプラス方向にシフトさせる(S302)。このときの電圧供給パス40と電圧帰還パス41の電圧差55を測定する(S303)。次に制御回路30により負荷回路10が正常に動作しているかが判定される(S304)。負荷回路10が正常に動作した場合は(S304_Yes)、マージン回路によって電源電圧を所定値分プラス側にシフトさせる(S302)。そしてS302−S304の動作を負荷回路10が正常動作しなくなるまで繰り返す。電源電圧がプラス方向にシフトされることによって、負荷回路10が正常に動作しなくなったら(S304_No)、その時点における電圧差55を閾値1として制御回路30もしくは管理ソフトウェア60に保存する(S305)。次にマージン回路22をオフにして、負荷回路10に標準動作電圧を供給する(S306)。次にマージン回路22を駆動して、電圧をマイナス側に所定値だけシフトさせる(S307)。次いで、電圧供給パス40と電圧帰還パス41の電圧差55を測定する(S308)。次に制御回路30が、負荷回路10が正常に動作したか判定する(S309)。正常動作した場合(S309_Yes)、マージン回路を用いて電源電圧を所定値分マイナス側にシフトさせる。そしてS307−S309の動作を負荷回路10が正常動作しなくなるまで繰り返す。電源電圧がマイナス方向にシフトされることによって、負荷回路10が正常に動作しなくなったら(S309_No)、その時点における電圧差55を閾値2として制御回路30もしくは管理ソフトウェア60に保存する(S310)。こうして求めた閾値1および閾値2は負荷回路10に固有のものであり、同型の負荷回路10における個体差をも含めた動作限界を与えるものである。実稼動時の監視に閾値1と閾値2のどちらか一方を使うか、両方を使うかは目的に応じて適宜決めればよい。なお閾値として最小値を用いることも可能なことは第1の実施の形態と同様である。
(第3の実施の形態)
図
8は第3の実施の形態を示すブロック図である。複数の電子装置100(100a、100b、100c、・・・)を有するシステム300に、第1の実施の形態または第2の実施の形態を適用した例である。各電子装置100の閾値設定、および実稼動時の電圧差55ポーリングは第1の実施の形態または第2の実施の形態と同様であり、これらは管理ソフトウェア60により制御される。なお図
8では制御回路30を各電子装置100にそれぞれ設けているが、一つの制御回路30が複数の電子装置100を制御するようにしても良い。
【0024】
このようなシステム300の一例としてサーバシステムが挙げられる。ムでは、各電子装置における電圧センサAおよびBについて定期的なポーリングを行う。そして2つの電圧差55(絶対値)を絶えず計算する。このようにして、経年劣化で抵抗成分が増加する場合などの変動を検出できる。なお経年劣化の例としては経路上にインサートやネジを介している場合に表面の付着物により抵抗成分が増加することが考えられる。
【0025】
また各サーバは個体差があることから抵抗成分については差分があり、これに対してマージン回路を用いて一番電圧差分が大きい値を保存することで、各々の固体できめ細かな基準を設定することができる。
図9は、具体的なサーバシステム310の一例を示すブロック図である。定電圧回路21に電力を供給するためにAC電源70と、A/D変換機能を備えた電源ユニット71が設けられている。また負荷10としては、2つのCPU12と、1つのメモリ13が設けられている。本実施の形態を用いてCPU11およびメモリ12の抵抗成分変化による劣化を検出することが出来る。
(第5の実施の形態)
第1の実施の形態で説明したように、本発明では電圧供給パス40と電圧帰還パス41の電圧差55をポーリングしている。このため電圧差55の時間変化を元に劣化を検出することも可能である。他の実施の形態では電圧差55の絶対値に着目して閾値を設定していたが、電圧差55の時間あたりの変化量、すなわち微分に対して閾値を設定して、アラームを上げることも出来る。
【符号の説明】
【0026】
100、200 電子装置
10 負荷回路
11 監視ポート
12 CPU
13 メモリ
20 電源回路
21 定電圧回路
22 マージン回路
30 制御回路
31 負荷回路監視手段
40 電圧供給パス
41 電圧帰還パス
50 電圧センサA
51 電圧センサB
60 管理ソフトウェア
70 AC電源
71 電源ユニット
300 システム
310 サーバシステム