(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技盤の遊技領域内に配設された始動入賞部品への入賞を契機として取得された遊技情報に基づいて、特別遊技の可否に係る抽選と、当該特別遊技の可否に係る抽選結果を示す図柄の所定の演出パターン、及び変動時間を決定する抽選とを実行するとともに、当該決定された所定の演出パターンによる演出を、前記変動時間中に前記遊技盤に配設された演出表示装置上で表示させる制御装置と、
前記制御装置と接続され、遊技者の任意に操作可能な演出ボタンと、
を備えた遊技機であって、
前記制御装置は、前記所定の演出パターンが、前記演出ボタンの操作を遊技者に促す特定の演出パターンである場合に、前記図柄の変動開始から変動停止までの間に前記演出ボタンの入力が有効となるボタン入力有効期間Tを設定し、
前記ボタン入力有効期間T中の所定の期間T1における前記演出ボタンの平均入力回数に応じて変動する結果表示可能期間T2を、前記所定の期間T1経過後に設定し、
前記結果表示可能期間T2内に前記演出ボタンの入力があったことに基づいて、前記演出ボタンの入力に関する結果表示を前記演出表示装置に表示させることを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1,
図2に示すように、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠2と、この機枠2の側部に軸着され、開閉自在に取り付けられた本体枠3と、当該本体枠3の内側に装着された遊技盤30と、本体枠3の前面に軸着されて開閉自在に取り付けられ、中央に大きく設けられたガラス窓4A及び当該ガラス窓4Aの下方に設けられた受皿6を有するパネル扉4と、本体枠3の下部に配設された図外の発射装置と、パネル扉4の下部に取り付けられたハンドル7と、パネル扉4の左右の上部にそれぞれ設けられたスピーカ8、及びパネル扉4の内部に配設された図外の複数の発光体を備える。受皿6の中央部には、操作部9が配設される。操作部9は、後述する演出表示装置500に表示されるカーソル等を移動するためのダイアル9Aと、ダイアル9Aによって移動されるカーソルと対応する項目を選択する際や、演出表示装置500において展開される後述のボタン連打演出の際に押下される演出ボタン90とから構成される。ダイアル9A及び演出ボタン90から出力される信号は、後述の演出制御装置200側に入力し、演出制御装置200側では特に演出ボタン90からの入力に従ってボタン連打演出の進行の有無やそのタイミングを決定する。
【0011】
遊技盤30の背面側には、パチンコ機1の制御装置として図外の収容体や支持部材等を介して
図3に示す主制御装置100と、副制御装置を構成する演出制御装置200と、払出制御装置300とが搭載されている。主制御装置100、演出制御装置200、払出制御装置300は、何れもCPU(Central Processing Unit)と、遊技処理に必要なプログラム、及び、遊技処理に必要なデータを格納したROM(Read Only Memory)と、CPUがROMに格納されたコンピュータプログラムに従って処理を行うための一時記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを備えるマイクロコンピュータである。なお、主制御装置100、演出制御装置200及び払出制御装置300の各制御装置は、図外の電源供給装置からの電力供給により駆動する。
【0012】
図2に示すように遊技盤30は、その前面に遊技球が流下する遊技領域30Aを有する。遊技領域30Aは、ガラス窓4Aから観察することができる。遊技領域30Aは、遊技球を滑走させる外ガイドレール27と内ガイドレール28によって略円形状となるように区画形成されている。
【0013】
受皿6に収容された遊技球は、図外の発射装置に1個ずつ供給されるようになっている。
図3に示すように、払出制御装置300は、ハンドル7の回動操作量に対応して増減する発射ボリューム7Aからの入力に基づいて所定の強度で遊技球が発射されるように発射モータ7Bを駆動制御するようになっている。発射装置により発射されて遊技領域30Aに到達した遊技球は、遊技領域30A内を流下することになる。また、払出制御装置300には、ハンドル7の円周上に設けられた発射停止スイッチ7Cやハンドル7の内部に配設されたタッチセンサ7Dが接続されている。
【0014】
遊技盤30には、演出図柄Sの変動、及び当該変動に付随して表現される多様な演出(例えば、リーチ演出,予告演出、ボタン連打演出)を表示可能な表示画面500Aを有する演出表示装置500、第1特別図柄表示装置35A、第2特別図柄表示装置35B、及び普通図柄表示装置36等の各種の表示装置や、第1始動入賞部品60、第2始動入賞部品62、大入賞装置64、及び複数の一般入賞部品66等の各種の入賞部品や、通過ゲート68、複数の遊技釘、或いは風車等その他の遊技部品が配設されている。
以下、各部の詳細について説明する。
【0015】
演出表示装置500は、遊技領域30Aの略中央部に配設される例えば液晶表示装置である。演出表示装置500は、その表示画面500A上に、例えば1〜8までの数字、及び特定のキャラクター等からなる演出図柄Sを変動表示可能である。また、演出表示装置500の表示画面500Aには、演出図柄Sの変動中に展開される多様な演出を表現する特定の画像やアニメーション等の動画が表示可能であり、これらの演出に係る制御は、後述の演出制御装置200によって実行される。また、演出図柄Sの変動時間は、後述の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間と略同期しており、遊技者は一般に、当該演出図柄Sの変動停止までに実行される多様な演出の行方を見守ることにより、大当り遊技への期待感を抱きながら遊技を進行する。
【0016】
演出表示装置500の上部及び両側部の周囲を取り囲むように配設された中央装飾部材50の両側部には、一対の可動体53A;53Bが左右方向にスライド可能に配設されており、当該可動体53A;53Bの動作は、演出制御装置200によって制御される。
中央装飾部材50の下部には、ステージ55が延設されている。ステージ55は、演出表示装置500の下方に形成された前後左右方向に渡って延在する領域であって、当該ステージ55上に到達した遊技球は、左右方向に転動しながら下方に落下する。また、ステージ55の中央部には、球導入口55Aが開設されており、当該球導入口55Aに進入した遊技球は、下方に開設された球導出口55Bより下方に落下し、直下に位置する第1始動入賞部品60内に高い確率で入賞する。
【0017】
第1特別図柄表示装置35A及び第2特別図柄表示装置35Bは、複数のLEDランプがそれぞれ半円環状、円形状に配置された構成であって、LEDランプの点灯態様によって、後述する特図抽選の結果を導出する。ここで、LEDが点滅している期間は特別図柄の変動時間であり、LEDの点滅が終了し、所定の態様で点灯表示される期間は特別図柄の確定報知時間である。また、第1特別図柄表示装置35A及び第2特別図柄表示装置35Bの変動表示は、後述の主制御装置100によって制御される。
【0018】
普通図柄表示装置36は、例えば赤色と青色による点灯が可能なLEDランプからなり、色によって後述する普図抽選の結果を導出する。ここで、LEDが赤色,青色に交互に点滅する期間は、普通図柄の変動時間であり、当該LEDの点滅が終了し、赤色又は青色で点灯表示されている期間は、普通図柄の確定報知時間である。また、普通図柄表示装置36の変動表示は、後述の主制御装置100によって制御される。
【0019】
次に遊技領域30A内に配設された各種の入賞部品について説明する。
第1始動入賞部品60及び第2始動入賞部品62は、ステージ55の下方において遊技領域30Aの略中央部に上下に隣接して配置されている。第1始動入賞部品60及び第2始動入賞部品62はともに、上方から流下してくる遊技球を取込可能な上方開放の入賞口を有しており、当該入賞口から取り込まれた遊技球は、第1始動入賞部品60及び第2始動入賞部品62の内部にそれぞれ配設された第1始動口検出センサSW1及び第2始動口検出センサSW2によって検出された後、遊技盤30の背面側より機外に排出される。また、第1始動口検出センサSW1及び第2始動口検出センサSW2の検出信号は、主制御装置100側に出力される。
【0020】
第2始動入賞部品62には、当該第2始動入賞部品62への遊技球の入賞を阻止又は許容する一対の開閉体63が配設されている。一対の開閉体63は、主制御装置100によって制御されるソレノイドSOL1の駆動によって閉鎖状態又は開放状態を取り得る羽根状部品であって、開閉体63が直立した閉鎖状態においては遊技球の入賞を阻止し、開閉体63の先端部が左右方向に拡大した開放状態においては遊技球の入賞を許容する。なお、開閉体63の開放動作は、遊技球が通過ゲート68を通過したことに基づいて実行される後述の普通図柄に係る抽選(普図抽選)の結果が当りとなった場合に実行される。
【0021】
大入賞装置64は、第2始動入賞部品62の下方における遊技領域30Aの左右方向略中央に配設された入賞装置であって、遊技盤30の前面において前方に向けて開口する矩形状の大入賞口と、当該大入賞口を閉鎖又は開放する板状の開閉体65とを有してなる。開閉体65は、大入賞口の下縁部と平行な軸を中心として前後方向にフラップ状に回動白在に設けられ、遊技盤30の前面と平行に直立した閉鎖状態において大入賞口への遊技球の進入を不可能とし、前方に傾動した開放状態において遊技球を大入賞口に取り込む。また、大入賞口内に取り込まれた遊技球は、大入賞装置64内に配設された大入賞口検出センサSW3によって検出された後、遊技盤30の背面側より機外に排出される。また、大入賞検出センサSW3の検出信号は、主制御装置100側に出力される。大入賞装置64は、後述する特図抽選の結果が「当り」となった場合に実行される特別遊技中において主制御装置100によって制御されるソレノイドSOL2の駆動によってその開放動作が行われる。よって、遊技者は特別遊技の実行中において遊技球を遊技領域30A内に打ち出すことにより、大入賞口内に容易に入賞させることができる。
【0022】
一般入賞部品66は、遊技領域30Aの左右側部に分かれて複数配設される。一般入賞部品66は、第1始動入賞部品60及び第2始動入賞部品62と同様に、上方から流下してくる遊技球を取込可能な入賞口を有しており、当該入賞口から取り込まれた遊技球は、内部に配設された一般入賞口検出センサSW4によって検出された後、遊技盤30の背面側より機外に排出される。また、一般入賞口検出センサSW4の検出信号は、主制御装置100側に出力される。
【0023】
通過ゲート68は、遊技領域30Aの左側部に配設され、遊技球が上方から下方に向けて通過可能な門型の構造をなしたものである。当該通過ゲート68を通過した遊技球は、内部に格納された通過ゲート検出センサSW5によって検出された後、下方に流下する。また、通過ゲート検出センサSW5の検出信号は、主制御装置100側に出力される。
【0024】
次に、主制御装置100及び演出制御装置200による主要な制御処理について説明する。なお、図示の例では、CPUの動作によって具現化される各制御装置の機能,処理を「手段」として表している。
【0025】
同図に示すように、主制御装置100は、遊技情報記憶手段110、特別図柄当否抽選手段120、特別図柄種類決定手段130、変動時間決定手段140と、特別図柄変動表示制御手段150、特別遊技制御手段160、普通図柄当否抽選手段180、普通図柄変動表示制御手段185、及び遊技状態制御手段190を備える。
【0026】
(遊技情報記憶処理について)
遊技情報記憶手段110は、第1始動入賞部品60及び第2始動入賞部品62にそれぞれ対応する第1始動口検出センサSW1及び第2始動口検出センサSW2から出力される検出信号の入力を契機として、複数の乱数からなる遊技情報を取得して記憶する。
図4(a)は、遊技情報記憶手段110の構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技情報記憶手段110は、特図当否抽選用乱数発生部111A、特図当否抽選用乱数取得部111B、特図種類決定用乱数発生部112A、特図種類決定用乱数取得部112B、変動時間決定用乱数発生部113A、変動時間決定用乱数取得部113B、及び遊技情報保留記憶部115とから構成される。
【0027】
特図当否抽選用乱数発生部111Aは、周期的に入力される割り込み信号に基づいて、ループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜65535の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数を発生させるハードウェアカウンタである。
特図当否抽選用乱数取得部111Bは、第1始動口検出センサSW1又は第2始動口検出センサSW2から検出信号の入力に基づき、特図当否抽選用乱数発生部111Aにより発生した(特図当否抽選用)乱数を取得(ラッチ)する。
【0028】
特図種類決定用乱数発生部112Aは、ループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を発生させるソフトウェアカウンタである。特図種類決定用乱数取得部112Bは、第1始動口検出センサSW1又は第2始動口検出センサSW2からの検出信号の入力に基づき、特図種類決定用乱数発生部112Aにより発生した(特図種類決定用)乱数を取得(ラッチ)する。
【0029】
変動時間決定用乱数発生部113Aは、ループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を発生させるソフトウェアカウンタである。変動時間決定用乱数取得部113Bは、第1始動口検出センサSW1又は第2始動口検出センサSW2からの検出信号の入力に基づき、変動時間決定用乱数発生部113Aにより発生した(変動時間決定用)乱数を取得(ラッチ)する。
【0030】
以上のとおり、上述の各乱数取得部111B;112B;113Bによって取得される複数の乱数は、第1始動口検出センサSW1又は、第2始動口検出センサSW2からの入力に基づいて同時に取得される乱数であり、これら同時に取得された乱数は、遊技情報保留記憶部115に一時的に記憶され、後述する所定の始動条件の成立時に読み出される。なお、以下の説明において、同時に取得された乱数を総称して「遊技情報」という場合がある。
【0031】
遊技情報保留記憶部115は、複数の遊技情報を個別に記憶可能な複数の記憶領域を有するRAMにより構成される。遊技情報保留記憶部115に記憶可能な遊技情報の上限は、第1始動入賞部品60への入賞、及び第2始動入賞部品62への入賞にそれぞれについて、例えば4個(最大8個)とされており、遊技情報保留記憶部115は、上記上限に達するまでは、第1始動入賞部品60及び第2始動入賞部品62への入賞を契機として取得された遊技情報を入賞口(検出信号)の種別に応じてそれぞれ独立して設けられた記憶領域(第1記憶領域,第2記憶領域)内に順に記憶する。また、各記憶領域に記憶された遊技情報は、始動条件の成立によって読み出され、当該読み出された遊技情報に基づく所定の遊技抽選処理(特図抽選処理,特図種類決定処理,変動時間決定処理)が実行されたのちに削除(シフト)される。以上のとおり、遊技情報記憶手段110は、第1始動入賞部品60又は第2始動入賞部品62への入賞を契機として、複数の乱数から構成される遊技情報を上限に達するまで順次取得,記憶する機能を有する。
【0032】
(特図抽選処理について)
次に、主制御装置100の特別図柄当否抽選手段120によって実行される特図抽選処理ついて説明する。なお、以下に詳説するが、特別図柄当否抽選手段120、特別図柄種類決定手段130、及び変動時間決定手段140は、所定の始動条件が成立したことに応じて、遊技情報記憶手段110に記憶された上述の各乱数をそれぞれ読み出し、読み出した乱数に対応する当否の結果(以下、「当否結果」という場合がある。)、特別図柄の種類、及び、変動時間を決定する。また、本明細書においては、上記遊技情報に基づいて実行される各処理を総称して「遊技抽選」又は「遊技抽選処理」という場合がある。
【0033】
図4(b)は、特別図柄当否抽選手段120の構成を示すブロック図である。同図に示すように、特別図柄当否抽選手段120は、特図当否抽選用乱数読出し部121と、低確率用当否抽選テーブル122A、及び高確率用当否抽選テーブル122Bを備えている。
図4(c)に示すように、これらのテーブルには、0〜65535までの範囲の特図当否抽選用乱数それぞれに対応する当否結果(「当り」,「外れ」)が規定されている。特別図柄当否抽選手段120の特図当否抽選用乱数読出し部121は、所定の始動条件が成立したことに基づいて、前述の遊技情報記憶手段110によって遊技情報として記憶された特図当否抽選用乱数を読み出すとともに、現在の遊技状態に応じて低確率用当否抽選テーブル122A及び高確率用当否抽選テーブル122Bのいずれかのテーブルを参照し、読み出した特図当否抽選用乱数に対応する当否結果(「当り」又は「外れ」)を抽出する。
【0034】
本実施形態においては、低確率用当否抽選テーブル122Aが参照される場合よりも、高確率用当否抽選テーブル122Bが参照される場合の方が、当否結果が「当り」となる確率が約10倍高く設定されている。いずれのテーブルが参照されるかは、後述する遊技状態制御手段190によって設定される特図遊技状態によって異なり、遊技状態が後述する「特図低確率」である場合は、低確率用当否抽選テーブル122Aが参照され、「特図高確率」である場合は、高確率用当否抽選テーブル122Bが参照される。
【0035】
また、上記特図抽選が実行される契機となる始動条件とは、特別図柄が変動中でないこと、かつ、特別遊技中(特別遊技状態)でないことであり、当該始動条件が成立したことに基づいて遊技情報記憶手段110によって記憶された特図当否抽選用乱数が順次読み出され、対応する当否結果が抽出される。また、特図当否抽選用乱数の読出し順は、入賞順(遊技情報記憶手段110に記憶された順序通り)であってもよいし、第2記憶領域に記憶された特図当否抽選用乱数を第1記憶領域に記憶された特図当否抽選用乱数よりも優先して読み出すようにしてもよい。
【0036】
(特図種類決定処理について)
次に、主制御装置100の特別図柄種類決定手段130により実行される特図種類決定処理ついて説明する。
図5(a)は、特別図柄種類決定手段130の構成を示すブロック図である。同図に示すように、特別図柄種類決定手段130は、特図種類決定用乱数読出し部131と、前述の当否結果が「当り」である場合に参照される特図種類決定テーブル132とを備えている。
図5(b)に示すように、特図種類決定テーブル132は、それぞれ特1当り用特図種類決定テーブル132A及び特2当り用特図種類決定テーブル132Bに細分化されている。これらのテーブルには、0〜99までの範囲の特図種類決定用乱数それぞれに対応する特図種類(特別図柄種類)が規定されている。
【0037】
特別図柄種類決定手段130の特図種類決定用乱数読出し部131は、前述の当否結果が「当り」であることに基づいて、遊技情報記憶手段110によって遊技情報として記憶された特図種類決定用乱数を読み出し、特1当り用特図種類決定テーブル132A、及び、特2当り用特図種類決定テーブル132Bのいずれかのテーブルを参照して、読み出した特図種類決定用乱数に対応する特図種類を抽出する。
ここで、特1当り用特図種類決定テーブル132Aは、特図種類決定用乱数が第1始動入賞部品60への入賞を契機として取得されたものである場合に参照されるテーブルであり、特2当り用特図種類決定テーブル132Bは、特図種類決定用乱数が第2始動入賞部品62への入賞を契機として取得されたものである場合に参照されるテーブルである。換言すれば、特図種類決定用乱数が遊技情報保留記憶部115の第1領域から読み出されたものである場合は、特1当り用特図種類決定テーブル132Aが参照され、第2領域から読み出されたものである場合は、特2当り用特図種類決定テーブル132Bが参照される。
【0038】
図5(b)に示すように、特1当り用特図種類決定テーブル132A、及び、特2当り用特図種類決定テーブル132Bには、特図種類決定用乱数に対して、特別図柄A〜特別Dの合計4種類のうちいずれかの特別図柄種類が規定されている。なお、図中の「選択率」の項目は説明の便宜上付したものであり、実際のテーブルに規定されるものではなく、以下のテーブルにおいても同様である。
【0039】
特1当り用特図種類決定テーブル132Aには、特別図柄A〜Dまでの特別図柄種類の選択率がそれぞれ20%、60%、10%、10%となるように規定されている。また、特2当り用特図種類決定テーブル132Bには、特別図柄A〜Cまでの特別図柄種類の選択率がそれぞれ70%、25%、5%となるように規定されている。同図から明らかなとおり、特図種類決定用乱数が第1始動入賞部品60への入賞を契機に取得されたものである場合に参照される特1当り用特図種類決定テーブル132Aと、特図種類決定用乱数が第2始動入賞部品62への入賞を契機に取得されたものである場合に参照される特2当り用特図種類決定テーブル132Bとの間には、その特図種類の選択率に顕著な差が設けられており、具体的には、特1当り用特図種類決定テーブル132Aが参照されるよりも、特2当り用特図種類決定テーブル132Bが参照された場合の方が、特別図柄Aが選択される確率が飛躍的に高くなっており、さらに特2当り用特図種類決定テーブル132Bが参照された場合、特別図柄Dが選択される可能性はない。これら各テーブルによって抽出される特図種類は、後述する特別遊技中の態様(ラウンド数)や、当該特別遊技後の遊技状態を決定する要素として用いられる。
【0040】
また、これらの特図種類は、前述の第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bに導出される特別図柄の態様を決定する。本実施形態において、例えば特図種類が「特別図柄A」である場合、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bを構成する複数のLEDランプの全てが点灯し、「特別図柄B」の場合、複数のLEDランプのうちのいずれか3つが点灯し「特別図柄C」の場合、複数のLEDランプのうちのいずれか2つが点灯し、「特別図柄D」の場合、複数のLEDランプのうちのいずれか1つが点灯すると言ったように、特別図柄の種類において特別図柄の停止態様が異なるように設定される。なお、前述の当否結果が「外れ」である場合は、特図種類決定処理は実行されず、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bに導出される特別図柄の態様は、例えば複数のLEDランプのうちのいずれか5つが点灯する態様となる。
【0041】
(変動時間決定処理について)
次に、主制御装置100の変動時間決定手段140により実行される変動時間決定処理について説明する。変動時間決定手段140は、前述の特別図柄及び、当該特別図柄の変動時間と対応して変動する演出図柄Sの変動時間(演出時間)を決定する機能を有する。
【0042】
図6(a)は、変動時間決定手段140の構成を示すブロック図である。同図に示すように、変動時間決定手段140は、変動時間決定用乱数読出部141と、当り用変動時間決定テーブル142、及び、外れ用変動時間決定テーブル143とを備える。
図6(b)に示すように、当り用変動時間決定テーブル142は、前述の当否結果が「当り」である場合に参照されるテーブルであり、後述する遊技状態が「普図高確率」である場合に参照される高確率当り用変動時間決定テーブル142Aと、遊技状態が「普図低確率」である場合に参照される低確率当り用変動時間決定テーブル142Bに細分化されている。
【0043】
また、外れ用変動時間決定テーブル143は、前述の特図抽選の結果が「外れ」である場合に参照されるテーブルであり、遊技状態が「普図高確率」である場合に参照される高確率外れ用変動時間決定テーブル143Aと、遊技状態が「普図低確率」である場合に参照される低確率当り用変動時間決定テーブル143Bに細分化されている。各変動時間決定テーブルには、0〜99までの範囲の変動時間決定用乱数それぞれに対応する変動時間(図示の例では2秒,5秒,13秒,30秒,45秒,90秒のいずれか)が規定されている。変動時間決定手段140の変動時間決定用乱数読出部141は、前述の当否結果が抽出されたことに基づいて、遊技情報記憶手段110によって遊技情報として記憶された変動時間決定用乱数を読み出すとともに、当否結果、及び遊技状態に応じて上記いずれかの変動時間決定テーブルを参照し、読み出した変動時間決定用乱数に対応する変動時間を抽出,決定する。各テーブルに規定された変動時間の選択率の比較からも分かるように、当否結果が「当り」である場合の方が、「外れ」である場合よりも長い変動時間が抽出される傾向にある。また、特図抽選の結果が「外れ」である場合、遊技状態が「普図低確率」である場合よりも「普図高確率」である場合の方が短い変動時間が抽出される傾向にある(図示の例では「2秒」又は「5秒」のみ)。
よって、遊技状態が「普図高確率」である場合には、単位時間あたりの特図抽選の実行回数が向上する。なお、上述の各テーブルは、例示に過ぎず、この他にも遊技情報の記憶(保留記憶数)に応じて異なる変動時間が規定されたテーブルを参照して変動時間を決定する構成としてもよい。
【0044】
以上のとおり、主制御装置100は、特別図柄当否抽選手段120、特別図柄種類決定手段130、及び変動時間決定手段140を備えており、遊技情報記憶手段110に記憶された遊技情報を読み出し、読み出した遊技情報に対応する当否抽選の結果、特別図柄の種類、及び、変動時間を抽出して決定する。そして、主制御装置100は、上記抽出,決定された当否抽選の結果、特別図柄の種類、及び変動時間の情報を含む演出図柄変動コマンドを演出制御装置200側に送信する。
【0045】
演出図柄変動コマンドを受信した演出制御装置200側では、当否抽選の結果、特別図柄の種類、及び変動時間に基づいて演出図柄Sの変動に際して表示される多様な演出パターン(変動パターン,メイン予告パターン,サブ予告パターン)を決定し、決定された演出パターンと対応する動画や画像を演出表示装置500の表示画面500A上で表示させる処理を実行する。なお、当該処理については後述する。
【0046】
(特図変動表示処理について)
特別図柄変動表示制御手段150は、前述の演出図柄変動コマンドの送信に対応して、主制御装置100の第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bに対して変動開始信号を出力し、特別図柄の変動表示を、抽出された所定の変動時間実行するとともに、所定の変動時間経過後に変動停止信号を出力し、当否抽選の結果を示す態様で停止表示させる。これにより、第1始動入賞部品60又は第2始動入賞部品62への入賞を契機として取得された遊技情報に対する一回の遊技処理が終了する。
なお、第1特別図柄表示装置35Aは、前述の遊技情報が第1始動入賞部品60への入賞を契機として取得されたものである場合に制御される表示装置であり、第2特別図柄表示装置35Bは、前述の遊技情報が第2始動入賞部品62への入賞を契機として取得されたものである場合に制御される表示装置である。
【0047】
図7は、上述した主制御装置100による一連の遊技抽選処理をまとめたフローである。同図に示すように、主制御装置100は、S200において、遊技情報記憶手段110に遊技情報が記憶されているかを判定し、YESの場合S201に移行し、NOの場合、当該判定を繰り返す。主制御装置100は、S201において、現在の遊技状態が特別遊技中であるかを判定し、YESの場合処理を終了し、NOの場合S202に移行する。なお、特別遊技中であるか否かの判定は、特別遊技中においてRAMに設定される特別遊技フラグの状態に基づいて行われる。主制御装置100は、S202において、特別図柄が変動中であるかを判定し、YESの場合処理を終了し、NOの場合S203に移行する。なお、変動中であるか否かの判定は、変動中においてRAMに設定される図柄変動フラグの状態に基づいて行われる。
【0048】
主制御装置100は、S203において、遊技情報を読み出し、S204に移行する。具体的には、主制御装置100の特別図柄当否抽選手段120、特別図柄種類決定手段130及び変動時間決定手段140の各乱数取得部が、それぞれ対応する特図当否抽選用乱数、特図種類決定用乱数、及び変動時間決定用乱数を読み出す。上記S201及びS202の判定処理から明らかなように、遊技情報に基づく遊技抽選処理は、始動条件として設定された現在の遊技状態が特別遊技中でないこと、かつ、特別図柄が変動中でないことを条件として実行される。
【0049】
主制御装置100は、S204において、読み出した遊技情報に基づいて当否抽選の結果、特図種類、及び、変動時間を抽出してS205に移行する。主制御装置100は、S205において、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bの変動表示を開始させ、S206に移行する。主制御装置100は、S206において当否抽選の結果、特図種類、及び変動時間に関する情報を含む演出図柄変動コマンドを演出制御装置200側に送信して処理を終了する。
【0050】
(特別遊技制御処理について)
次に、主制御装置100の特別遊技制御手段160について説明する。特別遊技制御手段160は、上述の当否結果が「当り」である場合、当該「当り」であることを示す態様で特別図柄、及び演出図柄Sが停止表示された後に、遊技者に対して遊技者にとって有利な特別遊技(所謂「大当り遊技」)を実行する。ここで、特別遊技の具体的態様は、前述の特図種類に応じて予め設定されている。
【0051】
例えば、特別図柄の種類が、「特別図柄A」である場合、特別遊技制御手段160は、大入賞装置64のソレノイドSOL2に制御信号を出力し、大入賞装置64の大入賞口を16R(ラウンド)開放状態とする。例えば1R当りの開放時間は30秒又は遊技球が10個入賞するまでのうち、いずれか早い条件が成立するまでとされている。また、各ラウンド間のインターバルは、例えば2.5秒とされる。よって、当該特別遊技が実行された場合に遊技者が獲得可能な理論上の賞球数(払出し数)は、約2400個(15×10×16)となる。また、特別図柄の種類が、「特別図柄B」〜「特別図柄D」である場合、特別遊技制御手段160は、ソレノイドSOL2に制御信号を出力し、大入賞装置64の大入賞口を4R(ラウンド)開放状態とする。なお、1R当りの開放時間及び各ラウンド間のインターバルは、前記と同様である。よって、当該特別遊技が実行された場合に遊技者が獲得可能な理論上の賞球数(払出し数)は、約600個(15×10×4)となる。
なお、特別遊技の態様は上記した態様に限られるものではなく、特別図柄の種類をさらに細分化することにより、ラウンド数をより細分化して設定してもよい。
【0052】
(普通図柄当否抽選処理について)
主制御装置100の普通図柄当否抽選手段180は、通過ゲート68を遊技球が通過したことを契機に、普通図柄に係る「当り」または「外れ」を抽選(普図抽選)により決定するものである。具体的には、普通図柄当否抽選手段180は、前述の特別図柄当否抽選手段120と略同様に構成され、ループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である普図抽選用乱数を発生させる普図抽選用乱数発生手段から、通過ゲート68を遊技球が通過したことを契機に、言い換えると、通過ゲート検出センサSW5からの遊技球検出信号が主制御装置100に入力したことに基づき、普図抽選用乱数を取得(ラッチ)し、取得した普図抽選用乱数が「当り」であるか「外れ」であるかを低確率用抽選テーブル、又は、高確率用抽選テーブルを参照して判定する。また、普図抽選用乱数と同時に、普図変動時間決定用乱数も取得される。
【0053】
図示は省略するが、低確率用抽選テーブル及び高確率用抽選テーブルには、普図当否用乱数と当否結果(「当り」又は「外れ」)との対応関係が規定されており、例えば低確率用抽選テーブルを参照した場合の「当り」の確率は1/40に設定され、高確率用抽選を参照した場合の「当り」の確率は1/1.4に設定されている。つまり、高確率用抽選テーブルの方が、低確率用抽選テーブルに比べて格段に「当り」に当選する確率が高くなるように設定されているとともに、殆どの場合に「当り」に当選するようになっている。
また、本実施形態において、低確率用抽選テーブルが参照される遊技状態は「普図低確率」の状態であり、高確率用抽選テーブルが参照される遊技状態は「普図高確率」の状態である。
【0054】
図示は省略するが、主制御装置100は、普通図柄の変動時間を決定する普通図柄変動時間決定手段を備えており、当該普通図柄変動時間決定手段は、前述の特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段140と同様に、普図変動時間決定用乱数読出し部と、普図変動時間決定テーブルとを有している。普図変動時間決定テーブルは、遊技状態が「普図高確率」である場合に参照される高確率普図変動時間決定テーブルと、遊技状態が「普図低確率」である場合に参照される低確率普図変動時間決定テーブルとに細分化されている。高確率普図変動時間決定テーブルには、変動時間として例えば「2秒」,「3秒」が規定されており、低確率普図変動時間決定テーブルには、変動時間として例えば「30秒」,「45秒」が規定されている。普通図柄変動時間決定手段の普図変動時間決定用乱数読出し部は、前述の当否抽選の結果が抽出されたことに基づいて、前述の普図変動時間決定用乱数を読み出すとともに、遊技状態に応じて上記いずれかのテーブルを参照し、読み出した普図変動時間決定用乱数に対応する普通図柄の変動時間を抽出する。上記高確率普図変動時間決定テーブル、及び低確率普図変動時間決定テーブルに規定された変動時間からも分かるように、遊技状態が「普図高確率」である場合には、普通図柄が変動を開始してから変動停止するまでの時間が、「普図低確率」の場合と比較して大幅に短縮されることにより、普図抽選を効率的に受けることが可能となり、また当該普図抽選の結果が極めて高い確率で「当り」となる。
【0055】
(普通図柄変動表示処理について)
上記の処理を経て普通図柄の変動時間が抽出された後、主制御装置100の普通図柄変動表示制御手段185は、普通図柄表示装置36に対して変動開始信号を出力し、普通図柄の変動表示を、抽出された所定の変動時間実行するとともに、所定の変動時間経過後に変動停止信号を出力し、普通図柄に係る当否抽選の結果を示す態様で停止表示させる。
これにより、通過ゲート68への遊技球の通過を契機として取得される前述の普図抽選用乱数及び普図変動時間決定用乱数に対する一回の処理が終了する。
【0056】
また、主制御装置100は、普通図柄の変動表示が停止され、当該停止した普通図柄の態様が「当り」を示す態様である場合に、SOL1を制御して一対の開閉体63を所定の態様によって開放動作させる。具体的には、遊技状態が「普図低確率」である場合においては、SOL1の制御によって開閉体63を0.5秒間の間一回だけ開放動作させる。一方、遊技状態が「普図高確率」である場合においては、SOL1の制御によって開閉体63を1.2秒間開放動作させるサイクルを例えば3回繰り返す。このような開閉体63の開放処理が実行されることにより、「普図高確率」である場合には、遊技球が第2始動入賞部品62内に入賞し易くなり、当該入賞に基づく特図抽選を効率的に受けることが可能となる。
【0057】
(遊技状態制御処理について)
次に、主制御装置100の遊技状態制御手段190について説明する。遊技状態制御手段190は、RAM内に設定され、特別図柄が変動中であるか、或いは停止中であるかを判定するための図柄変動フラグ、遊技状態が特図低確率であるか、或いは特図高確率であるかを判定するための特図遊技状態フラグ、遊技状態が普図低確率であるか、或いは普図高確率であるかを判定するための普図遊技状態フラグ、及び前述した特別遊技が実行中であるかを判定するための特別遊技フラグ等の各種のフラグの状態を切り替える(「0」又は「1」)。
【0058】
図柄変動フラグは、特別図柄変動表示制御手段150によって特別図柄の変動が開始されたと同時に切り替えられる(「0」(OFF)→「1」(ON)」)フラグであって、当該フラグがONとなることにより、例えば前述のS201及びS251の判定がYESとなる。また、図柄変動フラグは、特別図柄変動表示制御手段150によって特別図柄の変動が停止されたと同時に切り替えられる(「1」→「0」)。
特別遊技状態フラグは、特別遊技制御手段160によって特別遊技が開始されたと同時に切り替えられる(「0」(OFF)→「1」(ON)」)フラグであって、当該フラグがONとなることにより、例えば前述のS201の判定がYESとなる。
【0059】
特図遊技状態フラグ及び普図遊技状態フラグは、特別遊技の実行を契機として切り替えられるフラグである(「0」(OFF)又は「1」(ON)」)。より詳細には、遊技状態制御手段190は、特別遊技実行の契機となった前述の特図種類に応じて特別遊技後の状態を決定する。例えば、特別遊技実行の契機となった特図種類が「特別図柄A」である場合、当該特別遊技の終了と同時に特図遊技状態フラグが「ON」に切り替えられ、かつ、普図遊技状態フラグが「ON」に切り替えられる。これによって当該特別遊技後の状態は、「特図高確率」かつ「普図高確率」となる。また、特別遊技実行の契機となった特図種類が「特別図柄B」である場合、当該特別遊技の終了と同時に特図遊技状態フラグが「OFF」に切り替えられ、かつ、普図遊技状態フラグが「OFF」に切り替えられる。これによって当該特別遊技後の状態は、「特図低確率」かつ「普図低確率」となる。また、特別遊技実行の契機となった特図種類が「特別図柄C」である場合、当該特別遊技の終了と同時に特図遊技状態フラグが「ON」に切り替えられ、かつ、普図遊技状態フラグが「OFF」に切り替えられる。これによって当該特別遊技後の状態は、「特図高確率」かつ「普図低確率」となる。特別遊技実行の契機となった特図種類が「特別図柄D」である場合、当該特別遊技の終了と同時に特図遊技状態フラグが「OFF」に切り替えられ、かつ、普図遊技状態フラグが「OFF」に切り替えられる。これによって当該特別遊技後の状態は、「特図低確率」かつ「普図低確率」となる。このように、遊技状態制御手段190によって特図遊技状態フラグ及び普図遊技状態フラグが切り替えられることにより、特別遊技後の状態を遊技者にとって不利な状態又は有利な状態に移行させることが可能となる。なお、本実施形態において「特図高確率」及び「普図高確率」の状態は、次回の特別遊技が開始されるまで継続するものとするが、例えば特別図柄の変動回数によってフラグを切り替える構成としてもよい。
【0060】
主制御装置100は、上記した各制御処理の他、第1始動入賞部品60、第2始動入賞部品62、大入賞装置64及び一般入賞部品66に遊技球が入賞したことを契機として、払出制御装置300に対して払出コマンドを送信し、これを受信した払出制御装置300が賞球払出装置301を駆動することにより、遊技者に対して予め設定された所定個数の賞球が払い出される。賞球払出装置301から払出された賞球は、賞球払出装置301の遊技球流路内に配設された払出計数スイッチにより検出され、払出制御装置300は払出計数スイッチからの入力に基づいて払出動作を停止させる。本実施形態において、第1始動入賞部品60又は第2始動入賞部品62への入賞に対して予め設定された賞球個数は3個であり、大入賞装置64の大入賞口に予め対応付けられた賞球個数は15個であり、一般入賞部品66に予め対応付けられた賞球個数は5個である。また、上記何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域30Aの最下部に位置するアウト口69から回収される。
【0061】
次に、演出制御装置200の構成、及び主要な処理について説明する。
図3に示すように、演出制御装置200は、主として主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンドに基づいて演出表示装置500を制御し、主制御装置100により設定された所定の変動時間に対応して演出図柄Sを変動表示させるともに、当該変動表示とともに多様な演出を表示画面500A上で表示させる演出表示制御手段210と、主としてスピーカ8から発せられる各種の楽曲や音声を制御する音声制御手段230と、主として遊技盤30に搭載された発光体や可動体53A;53Bを多様な動作態様により駆動制御する役物制御手段240とを備える。以下、各手段について説明する。
【0062】
図8(a)は、演出表示制御手段210の構成を示すブロック図である。演出表示制御手段210は、演出表示装置500との間に接続される図外の演出表示制御基板に対して演出実行コマンドを送信する。演出実行コマンドには、後述する変動演出パターン選択部210Aの変動演出決定処理によって決定された演出パターンに係る情報を含むコマンドや、ボタン演出管理部210Bによるボタン演出管理処理によって決定されたボタン連打結果表示に係る情報を含むコマンドが存在し、演出表示制御手段210は変動演出パターン選択部210A及びボタン演出管理部210Bによって生成されたコマンドを演出表示制御基板側に送信する。当該演出表示制御基板には、演算手段としてのCPU,演出表示に必要な画像,動画データが格納された記憶手段としてのROM,RAM及びVDP等の回路構成要素が組み込まれており、演出表示制御手段210側から送信される演出実行コマンドの内容に基づいて、演出表示装置500の表示画面500Aに表示される演出図柄Sの変動を開始させるとともに、当該演出図柄Sの変動に付随する多様な演出を画像や動画等により表現する。
【0063】
図8(a)に示すように、演出表示制御手段210は、変動演出パターン選択部210Aと、ボタン演出管理部210Bとを備える。変動演出パターン選択部210Aは、主として主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンドを解析し、当該演出図柄変動コマンドに含まれる当否抽選の結果に係る情報、及び変動時間に係る情報に基づいて、特別図柄の変動時間に対応した演出パターンを後述のランダムな抽選により抽出,決定する。
【0064】
(変動演出決定処理について)
同図に示すように、変動演出パターン選択部210Aは、変動演出パターン決定用乱数取得手段212と、変動演出パターン決定テーブル213とを備え、変動演出パターン決定用乱数取得手段212によって取得された変動演出パターン決定用乱数に対応する演出パターンを変動演出パターン決定テーブル213から抽出,決定する。
【0065】
ここで、変動演出パターン決定用乱数は、ループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜9の整数の範囲)で1ずつ更新させることにより生成されるソフトウェア乱数であって、主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンドの受信と同時に、変動演出パターン決定用乱数取得手段212によって取得される。
【0066】
図8(b)に示すように、変動演出パターン決定テーブル213は、前述した特別図柄の変動時間(2秒,5秒,13秒,30秒,45秒,90秒)に対応した演出時間を有する変動演出パターン決定テーブル213A〜213Fに細分化されており、変動演出パターン決定用乱数に対応する演出パターンが規定されている。ここで、各演出パターンのうち、「リーチ」とは、3つの演出図柄のうち、2つの演出図柄Sが同一の数字又はキャラクターで先行して仮停止した状態であって、残余の1つの演出図柄Sが、先行して仮停止した状態の演出図柄S(リーチ図柄)と同一の数字又はキャラクターで停止すれば特別遊技(大当り)となり得る状態をいう。逆に「非リーチ」とは上記状態以外の状態であり、3つの演出図柄のうち、2つの演出図柄Sが異なる数字又はキャラクターで先行して仮停止した状態である。また、「スーパーリーチ」とは、上記のリーチ成立後に残余の演出図柄Sが停止するまでの間、所定の画像や動画による演出表示が実行される演出パターンであり、付された番号の相違により、異なる画像や動画による演出が実行される。
【0067】
また、同図において「スーパーリーチ10」及び「スーパーリーチ15」は、遊技者に対して演出ボタン90の押下(連打)を促す「ボタン連打演出」に分類されており、当該「ボタン連打演出」中には、遊技者による演出ボタン90の押下(連打)に応じて、ボタン演出管理部210Bによる後述の所定の処理が実行される。以上のとおり、演出表示制御手段210の変動演出パターン選択部210Aは、変動演出パターン決定テーブル213の中から主制御装置100によって決定された変動時間と対応する演出時間を有する演出パターンをランダムに抽出,決定する。
なお、本実施形態においては、主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンドに含まれる当否抽選の結果に係る情報、及び変動時間に係る情報に基づいて演出制御装置200が備える演出表示制御手段210の変動演出パターン選択部210により、所定の演出パターンを抽出,決定するものとしたが、これに限られるものではなく、変動演出パターン選択部210Aが備える変動演出パターン決定用乱数取得手段212、及び変動演出パターン決定テーブル213を主制御装置100側に設け、所定の演出パターンを主制御装置100側で抽出,決定するようにしてもよい。
そして、この場合には前述の演出図柄変動コマンドに抽出,決定された所定の演出パターンに係る情報が含まれ、演出表示制御手段210は、当該演出図柄変動コマンドに含まれる所定の演出パターンに係る情報に基づいて演出表示装置500を制御し、表示画面500A上に、所定の演出パターンと対応する画像や動画による演出を表示させる。
【0068】
以下、上述の「ボタン連打演出」と、ボタン演出管理部210Bとの関係について説明する。
図9は、変動演出パターン選択部210Aによって「スーパーリーチ10」又は「スーパーリーチ15」が抽出され、表示画面500A上において「ボタン連打演出」が展開された場合の演出の流れを示す概要図である。なお、図示の例は、上述のとおり主制御装置100側で「スーパーリーチ10」又は「スーパーリーチ15」が抽出された場合についても同様である。同図(a)に示すように、「スーパーリーチ10」又は「スーパーリーチ15」が抽出、決定された場合、演出図柄Sの変動開始から所定の時間(例えば11秒)経過後に演出図柄Sのうちの2つが同一の数字又はキャラクター(同図では「7」)が仮停止した状態となり、「リーチ」が形成される。次に、同図(b)に示すように「リーチ」成立から所定時間経過後に変動中の演出図柄Sが表示画面500Aの隅に移動して小さく表示されるとともに、例えば表示画面500Aの中央部に演出ボタン90を模した表示がなされ、その下部に「ボタン連打でゲージを貯めろ!!制限時間は5秒!」なる遊技者に対して演出ボタン90の押下(連打)を促す演出ボタン押下表示がなされる。ここで、「ゲージ」とは、演出ボタン押下表示の下部に表示された10個の領域からなるメーターであって、遊技者の演出ボタン90の押下によって例えば「MIN」から「MAX」の方向に向かって次第に点灯表示される。
【0069】
次に、同図(c)に示すように、演出ボタン押下表示から所定時間経過後にボタン演出管理部210Bによって演出ボタン90からの入力が有効化され、遊技者による演出ボタン90の押下がなされると、複数の「押せ!」なる表示と共にメーターが上昇する様子(ゲージ上昇表示)が表示される。そして、同図(d)又は(e)に示すように、ゲージ上昇表示から所定時間経過後には、「成功!!」又は「失敗!!」なるボタン連打結果表示が表示され、遊技者に対してボタン連打に対する結果が報知される。また、ボタン連打結果表示が表示された後には、例えば「大当り」なる表示を表示画面500A上に表示する大当り告知表示や、さらなる演出が展開されること示唆するステップアップ表示等が表示される。
【0070】
ここで、ボタン連打結果表示が表示されるタイミングは、ボタン演出管理部210Bにより決定された結果表示可能期間T2によって変動するように設定されており、例えばボタン連打に慣れた遊技者においては、ボタン連打結果表示のタイミングがボタン入力有効期間Tの終期直前に設定され、ボタン連打が不慣れな遊技者においては、ボタン連打結果表示のタイミングがボタン入力有効期間Tの終期より余裕を持って設定される。以下、ボタン演出管理部210Bの構成及び主要な処理について説明する。
【0071】
(ボタン演出管理処理について)
図8(a)に示すように、ボタン演出管理部210Bは、ボタン入力有効期間設定部215と、ボタン入力有効期間計測タイマ216と、入力回数カウンタ217、結果表示可能期間設定部218及び結果表示可能期間計測タイマ219を備える。ボタン入力有効期間設定部215は、前述の変動演出パターン選択部210Aにより抽出,決定された演出パターンが「ボタン連打演出」(「スーパーリーチ10」又は「スーパーリーチ15)であることに基づいて、演出図柄Sの変動開始から所定の時間経過と同時にボタン入力有効期間計測タイマ216をセットする。
【0072】
ここで、変動開始から所定の時間とは、表示画面500A上において前述の「ゲージ上昇表示」が表示される時間と連動しており、例えば演出時間が「45秒」である場合は演出図柄Sの変動開始から30秒後にボタン入力有効期間計測タイマ216をセットし、演出時間が「90秒」である場合は演出図柄Sの変動開始から60秒後にボタン入力有効期間計測タイマ216をセットする。
即ち、演出図柄Sの変動開始からボタン入力が有効化されるまでの時間は、演出時間の相違、或いは「ゲージ上昇表示」のタイミングによって適宜設定することができる。また、ボタン入力有効期間計測タイマ216にセットされるボタン入力有効期間Tは、演出図柄Sの変動が停止するまでの期間であれば如何なる期間であってもよいが、以下の説明においては、ボタン入力有効期間Tが「5秒」であるものとして説明する。また、ボタン入力有効期間Tは、後述の入力回数カウンタ217によって演出ボタン90の入力(押下)回数がカウントされる期間である入力カウント期間T1と、当該入力カウント期間T1の経過と同時に結果表示可能期間設定部217により設定される結果表示可能期間T2とを含む。
【0073】
次に、入力回数カウンタ217、及び結果表示可能期間設定部218の処理について説明する。入力回数カウンタ217は、ボタン入力有効期間Tがセットされたことを条件として作動し、入力カウント期間T1中における遊技者の押下による演出ボタンからの入力信号の入力回数を積算してカウントする。ここで、入力カウント期間T1は、ボタン入力有効期間T未満であれば如何なる期間であってもよいが、本例では「3秒」として説明する。
【0074】
結果表示期間設定部218は、入力カウント期間T1の終期に達したと同時に入力回数カウンタ217によってカウントされた演出ボタン90の入力信号の入力回数を参照し、以下の式1又式2に基づいて結果表示可能期間T2を設定する。
式1
結果表示可能期間T2=
入力カウント期間T1(秒)/入力回数N(回)+固定マージンM(秒)
式2
結果表示可能期間T2=
入力カウント期間T1(秒)/入力回数N(回)×割合マージンM
【0075】
例えば、
図10(a)に示すように、入力カウント期間T1が3秒であり、演出ボタン90の入力回数が10回であり、固定マージンMが0.5秒である場合に式1により結果表示可能期間T2を算出すると、(3/10)+0.5=0.8秒となる。
そして、結果表示可能期間T2の始期は、ボタン入力有効期間Tの終期(本例では5秒)を基準に遡って設定され、ボタン入力有効期間Tの開始から4.2秒後の結果表示可能期間T2(0.8秒)中に遊技者による演出ボタン90の押下が行われた場合、前述のボタン連打結果表示を表示画面500A上に表示する。
また、例えば
図10(b)に示すように、入力カウント期間T1が3秒であり、演出ボタン90の入力回数が上記例よりも少ない5回であり、固定マージンMが0.5秒である場合に式1により結果表示可能期間T2を算出すると、(3/5)+0.5=1.1秒となる。
そして、結果表示可能期間T2の始期は、前記同様にボタン入力有効期間Tの終期を基準に遡って設定され、ボタン入力有効期間Tの開始から3.9秒後の結果表示可能期間T2(1.1秒)中に遊技者による演出ボタン90の押下が行われた場合、前述のボタン連打結果表示を表示画面500A上に表示する。
【0076】
また、例えば
図10(c)に示すように、入力カウント期間T1が3秒であり、演出ボタン90の入力回数が10回であり、割合マージンMが1.5である場合に式2により結果表示可能期間T2を算出すると、(3/10)×1.5=0.45秒となる。そして、
結果表示可能期間T2の始期は、ボタン入力有効期間Tの終期を基準として遡って設定され、ボタン入力有効期間Tの開始から4.55秒後の結果表示可能期間T2(0.45秒)中に遊技者による演出ボタン90の押下が行われた場合、前述のボタン連打結果表示を表示画面500A上に表示する。
また、例えば
図10(d)に示すように、入力カウント期間T1が3秒であり、演出ボタン90の入力回数が5回であり、割合マージンMが1.5である場合に式2により結果表示可能期間T2を算出すると、(3/5)×1.5=0.9秒となる。そして、結果表示可能期間T2の始期は、ボタン入力有効期間Tの終期を基準として遡って設定され、ボタン入力有効期間Tの開始から4.1秒後の結果表示可能期間T2(0.9秒)中に遊技者による演出ボタン90の押下が行われた場合、前述のボタン連打結果表示を表示画面500A上に表示する。
【0077】
以上の算出例から明らかなとおり、結果表示可能期間設定部218は、ボタン入力有効期間Tの前部に設定された入力カウント期間T1中における演出ボタン90の平均押下回数(平均入力回数)に基づいて、当該入力カウント期間T1後であってボタン入力有効期間Tの後部に設定される結果表示可能期間T2の幅を決定し、当該決定された結果表示可能期間T2の始期をボタン入力有効期間Tを基準として遡って(ボタン入力有効期間Tの終期よりも前に)設定する。なお、
図10(a)乃至(d)の例では、結果表示可能期間T2の終期をボタン入力有効期間Tの終期とが一致するように設定しているが、例えば
図10(e)に示すように、結果表示可能期間T2の終期をボタン入力有効期間Tの終期を超えて設定するようにしてもよい。具体的には同図の例においては、結果表示可能期間T2(0.8秒)をボタン入力有効期間Tの終期を基点として、前半(0.4秒)と後半(0.4秒)とにあたかも区分し、ボタン入力有効期間Tの終期を跨ぐように設定し、ボタン入力有効期間Tの期間を実質的に0.4秒間延長する態様である。また、例えば
図10(f)に示すように、結果表示可能期間T2の始期をボタン入力有効期間Tの終期と一致するように設定するようにしてもよい。具体的には同図の例においては、結果表示可能期間T2(0.8秒)の始期をボタン入力有効期間Tの終期と一致させ、ボタン入力有効期間Tの期間を実質的に0.8秒間延長する態様である。なお、
図10(e),(f)の例のように結果表示可能期間T2の終期をボタン入力有効期間Tの終期を超えて設定する場合、算出された結果表示可能期間T2に応じてボタン入力有効期間計測タイマ216の値が再設定され、ボタン入力有効期間Tが延長される。また、決定された結果表示可能期間T2は、結果表示可能期間計測タイマ219により計測される。
【0078】
以上のとおり、結果表示可能期間T2を上記各式に基づいて算出すれば、ボタン連打に不慣れな遊技者においては、結果表示可能期間T2が相対的に長く設定され、ボタン連打に慣れた遊技者においては、結果表示可能期間T2が相対的に短く設定される。そして、結果表示可能期間T2が遊技者の技量によって変動可能に設定されることにより、ボタン連打に不慣れな遊技者にあっては、ボタン入力有効期間T中において相対的に長く設定された結果表示可能期間T2中に演出ボタン90を押下することが可能となり、結果として「成功!」なるボタン連打結果表示を比較的容易に視認することができる。
一方で、ボタン連打に慣れた遊技者にあっては、ボタン入力有効期間T中において相対的に短く設定された結果表示可能期間T2内に演出ボタン90を押下することが必要となるため、より一層演出ボタン90を連打に集中して遊技を行うとともに、
図10(a)乃至(d)に示す例のように、結果表示可能期間T2の始期がボタン入力有効期間Tを基準として遡って設定されれば「成功!」なるボタン連打結果表示が表示されるタイミングがボタン入力有効期間Tの終期直前となることから「成功」か否かについて常に緊張感を持った遊技を行うことが可能となる。
また、
図10(e),(f)に示す例のように、結果表示可能期間T2の終期をボタン入力有効期間Tの終期を超えて設定すれば、例えば
図9(b)に示す演出ボタン押下表示を見過ごし、演出ボタン90の押下の初期のタイミングを逸したような場合であっても、ボタン入力有効期間Tの期間が実質的に延長されることから、「成功!」なるボタン連打結果表示を視認できる可能性が向上する。
【0079】
以下、
図11のフローチャートを参照し、演出ボタン90の1回の押下によってボタン演出管理部210Bによって実行されるボタン演出管理処理の流れを説明する。S300においてボタン演出管理部210Bは、変動演出パターン選択部210Aによって抽出,決定された演出パターンが「ボタン連打演出」に係る特定の演出パターン(本例では「スーパーリーチ10」又は「スーパーリーチ15」)であるかを判定し、YESの場合S301に移行し、NOの場合当該判定を繰り返す。S301においてボタン演出管理部210Bは、前記抽出,選択された「ボタン連打演出」に係る演出パターンの演出時間(≒演出図柄Sの変動時間)に基づいて、演出図柄Sの変動開始から所定の時間経過と同時にボタン入力有効期間計測タイマ216をセットする。
【0080】
具体的には、ボタン演出管理部210Bのボタン入力有効期間設定部215が、演出図柄Sの変動開始と同時に起動し、変動停止と同時にクリア処理される図外の変動時間計測タイマの値に基づいて演出図柄Sの変動時間を計測し、例えば当該演出図柄Sの変動が「スーパーリーチ10」に基づく変動である場合には変動開始から30秒後にボタン入力有効期間計測タイマ216をセットし(5秒)、「スーパーリーチ15」に基づく変動である場合には変動開始から60秒後にボタン入力有効期間計測タイマ216をセット(5秒)する。当該処理により、演出図柄Sの変動開始後から所定の時間経過後に演出ボタン90の押下による検出信号の入力が有効化される。
【0081】
S302においてボタン演出管理部210Bは、演出ボタン90の押下による検出信号の入力を検出したかを判定し、YESの場合S303に移行し、NOの場合S308に移行する。S303においてボタン演出管理部210Bは、ボタン入力有効期間計測タイマ216に基づいて入力カウント期間T1内であるかを判定し、YESの場合S304に移行し、NOの場合S305に移行する。
【0082】
S304においてボタン演出管理部210Bは、入力カウント期間T1内に演出ボタン90からの入力があったことに基づいて入力回数カウンタ217の値を1加算し、再びS302に移行する。以上のS302〜S304までの処理の流れは、入力カウント期間T1中に遊技者が演出ボタン90を押下(連打)する度に実行される処理である。
【0083】
S305においてボタン演出管理部210Bは、結果表示可能期間T2が設定されているかを判定し、YESの場合S306に移行し、NOの場合S308に移行する。なお、結果表示可能期間T2の設定は、後述するS309の処理においてなされる。S306においてボタン演出管理部210Bは、結果表示可能期間設定部218によって設定された結果表示可能期間計測タイマ219に基づいて、結果表示可能期間T2内であるかを判定し、YESの場合S307に移行し、NOの場合S310に移行する。
【0084】
S307においてボタン演出管理部210Bは、結果表示可能期間T2内に演出ボタン90の入力があったことに基づいて「成功!」なるボタン連打結果表示を内容とする演出実行コマンドを生成し、演出表示装置500側に送信する。当該処理により、演出表示装置500の表示画面500A側には、
図9(d)に示すようなボタン連打結果表示が表示され、遊技者は自身が行ったボタン連打が成功したことを認識できる。
【0085】
S308においてボタン演出管理部210Bは、ボタン入力有効期間計測タイマ216に基づいて入力カウント期間T1が経過したかを判定し、YESの場合S309に移行し、NOの場合S310に移行する。S309においてボタン演出管理部210Bは、入力回数カウンタ217の値に基づいて結果表示可能期間T2を設定し、S310に移行する。具体的には、ボタン演出管理部210Bの結果表示可能期間設定部218が入力回数カウンタ217の値を参照して、上述の式1又は式2に基づいて結果表示可能期間T2を算出し、当該結果表示可能期間T2を設定する。なお、入力回数カウンタ217の値が「0」、又は算出結果(T2)がボタン入力有効期間Tから入力カウント期間T1を減算した期間である「2秒」を超える場合には結果表示可能期間T2を設定することなくS310に移行する。
【0086】
S310においてボタン演出管理部210Bは、ボタン入力有効期間計測タイマ216に基づいてボタン入力有効期間Tが経過したかを判定し、YESの場合S311に移行し、NOの場合再びS302に移行する。S311においてボタン演出管理部210Bは、「失敗!」なるボタン連打結果表示を内容とする演出実行コマンドを生成し、演出表示装置500側に送信する。当該処理により、演出表示装置500の表示画面500A側には、
図9(e)に示すようなボタン連打結果表示が表示され、遊技者はボタン連打に失敗したことを認識する。
【0087】
上述の処理の流れから明らかなように、「失敗!」なるボタン連打結果表示が表示されるケースとしては、例えば入力カウント期間T1中における遊技者による演出ボタン90の押下回数が「0」又は少ないため、結果表示可能期間設定部218により結果表示可能期間T2が設定されないままボタン入力有効期間Tが経過した場合、或いは結果表示可能期間T2が設定されたものの、当該結果表示可能期間T2内に演出ボタン90の入力がないままボタン入力有効期間Tが経過した場合等が考えられ、このような場合には「失敗!」なるボタン連打結果表示が表示される。
【0088】
以下、
図3に戻り、演出制御装置200の他の構成について説明する。
音声制御手段230は、演出制御装置200の各制御手段によって生成される各種のコマンドの内容を含む内部コマンドを受信し、当該内部コマンドに基づいて、図外のROMから遊技を盛り上げる楽曲データや音声データ、或いは効果音データをスピーカ8を駆動させる図外のドライバ回路側に出力し、スピーカ8から遊技の進行状況に対応した音を生じさせる。
【0089】
役物制御手段240は、上記同様の内部コマンドに基づいて、例えば可動体53A;53Bの駆動態様、駆動時期及び可動期間を決定し、当該決定した態様により駆動源として設けられた図外のステップモータを駆動し、遊技者に対して可動体53A;53Bの動作を視認させることにより遊技を盛り上げる演出を実行する。また、役物制御手段240は、当該内部コマンドに基づいて、遊技盤30やパネル扉4の内部に配設された図外の発光体の点灯態様、点灯時期及び点灯期間を決定し、当該決定した態様により発光体が搭載された回路基板に対して信号を出力し、各演出に対応した発光体の点灯動作を視認させることにより遊技を盛り上げる演出を実行する。
【0090】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に何ら限定されることはなく、実施形態を組み合わせて多様な変更、改良を行い得ることが当業者において明らかである。また、そのような多様な変更、改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。