(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0014】
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1に係る画像読取装置の外観図である。
図2は、実施形態1に係る画像読取装置の使用状態を示す図である。
図3は、筐体の底面図である。
図4は、使用状態における画像読取装置の断面図である。
図5は、主照射領域を示す図である。
図6は、実施形態1に係る画像読取装置の概略構成例を示す図である。実施形態1にかかる画像読取装置1Aは、手で持ち運べるサイズであり、
図1、
図2に示すように、媒体Pを撮像部31で撮像することで、媒体Pに対応する画像データを生成するものである。本実施形態における画像読取装置1Aは、銀塩写真や印刷写真がまとめられた写真帳を媒体Pとし、写真帳内の写真単体を読取対象領域Ptとして読み取り、写真帳内の写真単体に対応する画像データを生成するものである。なお、本実施形態における画像読取装置1Aの使用用途は、上記に限定されるものではなく、光沢を有する紙(銀塩写真単体や印刷写真単体、雑誌など)に対応する画像データを生成する場合のみならず、普通紙状の画像などユーザーが画像データを生成したいいずれの媒体についても使用することができる。
【0015】
画像読取装置1Aは、
図1に示すように、筐体2と、外部装置3とを含んで構成され、さらに、
図6に示すように、複数の光源24と、ミラー25と、接地センサ26と、撮像部31と、表示部32とを含んで構成されている。本実施形態における画像読取装置1Aは、複数の光源24を筐体2が有し、撮像部31および表示部32を外部装置3が有する。
【0016】
筐体2は、外形および撮像部31の位置が規定されている外部装置3、あるいは外形および撮像部31の位置が一定の範囲内にある外部装置3、例えば同一シリーズの外部装置3を対象に形成されている。筐体2は、
図3、
図4に示すように、環境光を遮断し、かつ底面に開口部22を有するものであり、外部装置3が着脱可能である。筐体2は、本体部21と、開口部22と、収納部23と、複数の光源24と、ミラー25と、接地センサ26と、筐体制御部27と、電源部28とを含んで構成されている。
【0017】
本体部21は、環境光を透過しない樹脂材料(例えば、黒色の合成樹脂)で形成され、底面に開口部22を有する箱形状である。本体部21は、一対の対向する内部側面21a,21bと、一対の対向する露出面21cおよび対向面21dと、天井面21eと、開口部22とで内部空間、すなわち筐体内部21fを形成する。筐体内部21fは、内部側面21a,21b側から見た際に、本体部21の一対の対向する露出面21cと対向面21dとの間隔が開口部22に向かって拡大して形成されている。つまり、筐体内部21fは、露出面21cおよび対向面21dが傾斜面である台形状に形成されている。なお、本体部21は、外部形状も、筐体内部21fに沿って、露出面21cに対応する傾斜面21g、対向面21dに対応する傾斜面21hを有する台形状である。
【0018】
開口部22は、
図1に示すように、筐体2により媒体Pの読取対象領域Ptを覆った際に、媒体Pと重なり合い、媒体Pを筐体内部21fに露出させるものである。本実施形態における開口部22は、少なくともLサイズ(89mm×127mm)の写真が開口部22内に収まる面積で形成されている。後述する画像処理を考慮して、開口部22は、Lサイズの写真の中心と開口部22の中心とを一致させた状態で、開口部22の外縁と写真の外縁との間に隙間が形成される面積、例えば102mm×140mmであることが好ましい。なお、開口部22は、筐体内部21fと外部との連通を遮断するような部材を有していない。
【0019】
収納部23は、外部装置3を収納するものであり、筐体2の外側に形成されている。本実施形態における収納部23は、外部装置3を内部に収容できる枠部材であり、傾斜面21gに形成されている。収納部23は、収納された外部装置3との間に隙間ができるように形成されており、収納した外部装置3を取り外すことができる。従って、撮像部31および表示部32は、筐体2とは異なる外部装置3に搭載されるとともに、筐体2に対して着脱可能である。収納部23は、傾斜面21gに形成されているため、収納された外部装置3の底部を基準として、外部装置3の筐体2に対する位置決めを行うことができる。収納部23は、撮像用開口部23aが形成されている。撮像用開口部23aは、
図4に示すように、傾斜面21gから露出面21cまで貫通する貫通孔であり、収納部23に収納された外部装置3の撮像部31と対向する位置に形成されている。つまり、筐体2の露出面21cは、外部装置3の撮像部31を筐体内部21fに露出させることができる。なお、収納部23には、切欠部23bと、外部装置3を収納する空間と連通する指用穴部23cが形成されている。切欠部23bおよび指用穴部23cは、収納部23に外部装置3が収納された状態で、外部装置3の外周面を外部に露出させることができる。従って、ユーザーは、少なくとも切欠部23bあるいは指用穴部23cの一方から外部装置3に接触することができるので、収納部23から外部装置3を容易に取り外すことができる。
【0020】
複数の光源24は、
図4に示すように、筐体内部21fに配置され、開口部22に向かって光を照射するものである。本実施形態における複数の光源24は、第1光源24aおよび第2光源24bの2つの光源である。第1光源24aおよび第2光源24bは、LED、LDなどの複数の発光素子を帯状に配列した発光モジュールであり、電源部28からの電力で点灯する。第1光源24aおよび第2光源24bは、内部側面21a,21bにそれぞれ設けられている。第1光源24aおよび第2光源24bは、開口部22から筐体内部21fに露出する媒体Pの全領域(読取対象領域Ptを含む領域)を撮像することができる光量を有している。第1光源24aおよび第2光源24bは、開口部22における水平面の異なる領域に光を照射する。第1光源24aは、開口部22のうち内部側面21a側に光軸を有する。第2光源24bは、開口部22のうち内部側面21b側に光軸を有する。つまり、第1光源24aおよび第2光源24bは、開口部22における水平面のうち、一対の対向する辺側、すなわち内部側面21aに対応する辺22a側および内部側面21bに対応する辺22b側にそれぞれの主照射領域La,Lbを有する。これにより、第1光源24aおよび第2光源24bは、開口部22における水平面で主照射領域La,Lbが重なり合わないように光を照射する。ここで、主照射領域La,Lbとは、第1光源24aおよび第2光源24bからの光のうち、媒体Pで反射して撮像部31に直接、本実施形態ではミラー25を介して入射される光を照射する領域をいう。この領域は、生成された画像データにおいて第1光源24aおよび第2光源24bが写り込み、写り込みが発生した領域に対応する媒体Pの領域における画像を識別できない領域をいう。
【0021】
ミラー25は、開口部22において筐体内部21fに露出する媒体Pを撮像部31により撮像させるものである。ミラー25は、
図4に示すように、撮像部31が露出する露出面21cと対向する対向面21dに設けられている。撮像部31とミラー25と開口部22との位置関係(開口部22の水平面に対する角度を含む)は、ミラー25を介した撮像部31の撮像領域S(同
図1点鎖線参照)が開口部22と同じ領域あるいはそれよりも広い領域となるように設定されている。つまり、撮像部31は、開口部22において筐体内部21fに露出する媒体Pの全領域を撮像することができる。また、ミラー25を介して媒体Pを撮像部31が撮像するので、撮像部31の撮像領域により一義的に開口部22に対する撮像部31の位置が決定されることがない。従って、筐体2における撮像部31の位置を任意に決定することができるので、筐体2の大きさを抑制することができる。また、筐体2に対する外部装置3の収納位置を任意に決定することができるので、筐体2に対する外部装置3の着脱のし易さを考慮した位置に外部装置3を収納する収納部23を形成することができる。
【0022】
接地センサ26は、閉塞検出部であり、開口部22が閉塞されたことを検出するものである。本実施形態における接地センサ26は、
図1、
図3に示すように、筐体2の底面に設けられ、筐体2の底面が媒体Pに密着、すなわち開口部22が媒体Pで閉塞されると、媒体Pによりアームが変形することでONとなる機械式のセンサである。
【0023】
筐体制御部27は、
図6に示すように、筐体2に含まれる各機器を制御するものであり、光源制御部27aと、通信部27bとを機能として含んでいる。光源制御部27aは、複数の光源24の点灯を制御するものであり、第1光源24aおよび第2光源24bの光量、点灯タイミングを制御することができる。本実施形態における光源制御部27aは、接地センサ26により開口部22が閉塞されたことが検出されると、第1光源24aおよび第2光源24bを同時に点灯させる。光源制御部27aは、第1光源24aおよび第2光源24bの同時点灯状態が、所定時間経過した場合に、同時に消灯させてもよい。光源制御部27aは、外部装置3からの光源切替信号に基づいて、第1光源24aのみを点灯させ、第1光源24aの消灯後、第2光源24bのみを点灯させ、第2光源24bを消灯させる。通信部27bは、外部装置3に対して筐体2を電気的に接続するものであり、通信部34との間で情報の授受を行うものである。ここで、通信部27bおよび通信部34は、電波による電波無線通信や、光の色・点滅パターンなどによる光無線通信などにより情報の授受を行う。
【0024】
電源部28は、
図6に示すように、筐体2に含まれる各機器、すなわち複数の光源24および筐体制御部27に電力を供給するものである。本実施形態における電源部28は、一次電池や二次電池である。
【0025】
外部装置3は、筐体2とは別個であり、画像読取装置1Aとしての機能に対応する読取アプリケーションが予めインストール、あるいは記録媒体から読み込む(ダウンロードも含む)ことでインストールされるものである。本実施形態における外部装置3は、一部の機能として、画像読取装置1Aとしての機能を有し、他の機能、例えば、電話機能、インターネット接続機能などを有しているスマートフォン、タブレットなどの携帯端末である。外部装置3は、
図1、
図6に示すように、撮像部31と、表示部32と、画像処理部33と、通信部34と、図示しない電源部と、図示しない記憶部とを含んで構成されている。
【0026】
撮像部31は、
図4に示すように、開口部22において筐体内部21fに露出する媒体Pを撮像するものである。撮像部31は、外部装置3の裏面(表示部32が設けられている面と反対側の面)に配置されており、電源部からの電力により駆動するCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの撮像素子が面状に配列されたものである。各撮像素子は、露光ごとに、入射される光に応じた出力値に基づいた画像信号を画像処理部33に出力する。つまり、撮像部31は、面状に配列された撮像素子により媒体Pを一度に撮像するものである。撮像部31は、各撮像素子の露光タイミング、露光時間などの撮像制御を行う。撮像部31は、複数の光源24を点灯させる際に、各撮像素子を露光させる。本実施形態における撮像部31は、第1光源24aおよび第2光源24bの同時点灯状態において媒体Pの撮像を継続する。また、撮像部31は、第1光源24aのみの点灯時および第2光源24bのみの点灯時のそれぞれの点灯時に、媒体Pを1回ずつ撮像する。つまり、撮像部31による各撮像時には、複数の光源24のうち、前回の撮像時に点灯した光源(第1光源24aのみ)とは異なる光源(第2光源24bのみ)が点灯する。
【0027】
表示部32は、
図1に示すように、撮像部31により撮像された媒体Pを表示する。表示部32は、外部装置3の表面に配置されており、電源部からの電力により駆動する液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのディスプレイである。表示部32は、画像処理部33から出力される画像データ信号に基づいて、撮像部31により撮像された画像(開口部22において筐体内部21fに媒体Pが露出している場合は媒体Pに対応する画像)を表示する。本実施形態における表示部32は、外部装置3の出力部としての機能以外に、入力部としての機能も有するタッチパネルディスプレイであり、ユーザーが任意の位置を押圧することで、位置に対する電気信号が外部装置3を構成する各機器に出力される。なお、表示部32は、読取アプリケーションが実行されている際に、シャッターがアイコンとして表示され、ユーザーがシャッターを押下すると、撮像部31による撮像を指示する撮像指示信号が撮像部31に出力され、撮像部31による撮像が行われる。
【0028】
画像処理部33は、撮像部31により撮像された媒体Pに対応する画像データを処理するものである。画像処理部33は、撮像部31から出力される画像信号に基づいて、開口部22を撮像し画像データを生成する。従って、開口部22が媒体Pにより閉塞されていると、媒体Pに対応する画像データを生成することになる。また、画像処理部33は、
図7に示すように、第1光源24aのみの点灯時に撮像部31により撮像して生成された画像データ(第1画像データD1)と、第2光源24bのみの点灯時に撮像部31により撮像して生成された画像データ(第2画像データD2)とを合成した画像データ(合成画像データDG)を生成する。第1画像データD1は、第1光源24aのみの点灯時に撮像したものであるため、主照明領域Laに対応する領域に第1光源24aの写り込みPaが発生し、対応する媒体Pの領域における画像を識別できない。一方、第2画像データD2は、第2光源24bのみの点灯時に撮像したものであるため、主照明領域Lbに対応する領域に第1光源24bの写り込みPbが発生し、対応する媒体Pの領域における画像を識別できない。ここで、写り込みPa,Pbは、画像データの異なる位置で発生する。これは、第1光源24aおよび第2光源24bは、開口部22における水平面の異なる領域に光を照射するためである。従って、第1画像データD1においては、写り込みPbの領域に対応する媒体Pの領域における画像を識別することができる。一方、第2画像データD2においては、写り込みPaの領域に対応する媒体Pの領域における画像を識別することができる。画像処理部33は、両画像データD1,D2のうち、媒体Pの領域における画像を識別することができる領域を抽出して合成画像データDGを生成する。本実施形態における画像処理部33は、両画像データD1,D2のうち、両写り込みPa,Pbの間に位置する両画像データD1,D2の中心線CLを境界として設定する。画像処理部33は、第1画像データD1のうち、中心線CLよりも写り込みPaが発生している側と反対側の領域を抽出し、第2画像データD2のうち、中心線CLよりも写り込みPbが発生している側と反対側の領域を抽出して、抽出した2つの領域に対応する画像データを合成することで、合成画像データDGを生成する。つまり、生成される合成画像データDGは、両画像データD1,D2のうち、画像品位の高い領域のみから構成されている。画像処理部33は、合成画像データDGに対して各種補正を行う。補正には、境界の平滑化、ミラー反転補正、台形補正、矩形クロッピング、ガンマ補正があるが後述する。
【0029】
通信部34は、筐体2に対して外部装置3を電気的に接続するものであり、通信部27bとの間で情報の授受を行うものである。本実施形態における通信部34は、光源切替信号を通信部27bに向けて出力する。
【0030】
次に、本実施形態に係る画像形成装置1Aによる媒体Pの読み取りについて説明する。
図7は、合成画像データを示す図である。
図8は、実施形態1に係る画像読取装置の読取動作のフローチャート図である。
図9は、実施形態1に係る画像読取装置の読取動作のフローチャート図である。
図10は、実施形態1に係る画像読取装置の読取動作のフローチャート図である。画像形成装置1Aによる媒体Pの読み取りは、外部装置3が筐体2に取り付けられている状態で行われる。まず、外部装置3は、
図8に示すように、ユーザーによる外部装置3の読取アプリケーションの実行指示に基づいて、撮像部31を起動する(ステップST1)。ここで、読取アプリケーションの実行指示は、例えば、ユーザーが表示部32のタッチパネルを操作し、読取アプリケーションに対応する起動ボタンのアイコンを表示部32に表示させ、起動ボタンを押下することで行われる。これにより、撮像部31は起動され、開口部22の撮像を継続し、画像信号が順次画像処理部33に出力され、画像処理部33が順次画像データを生成し、生成された画像データに基づいた画像が表示部32により順次表示される。このとき、表示部32には、画像とともに、シャッターがアイコンとして表示されている。外部装置3は、シャッターが押下されたか否かの判定(ステップST2)を、シャッターが押下されるまで繰り返し、シャッターが押下されるまで待機する。
【0031】
次に、ユーザーは、読み取りを行いたい媒体Pを確認し、開口部22が媒体Pの読取対象領域Ptと対向するように、媒体Pに対して画像形成装置1Aを手により位置づける。このとき、複数の光源24は、消灯状態である。また、筐体制御部27は、
図9に示すように、接地センサ26がONされたか否かの判定(ステップST21)を、接地センサ26がONされるまで繰り返し、接地センサがONとなるまで待機する。
【0032】
次に、ユーザーは、
図2に示すように、画像形成装置1Aを媒体Pに向かって下げて、筐体2を媒体Pに密着させる(媒体Pが開口部22よりも小さい場合は、筐体2を媒体Pが置かれた面と密着させる)。このとき、複数の光源24が消灯状態であるので、筐体内部21fは真っ暗となり、開口部22を閉塞する媒体Pを撮像部31が順次撮像しているが、順次生成された画像には対応する媒体Pの読取対象領域Ptにおける画像を認識することはできない。従って、表示部32に順次表示される画像データに基づいた画像においても、読取対象領域Ptにおける画像を認識することはできない。一方、接地センサ26は、筐体2が媒体Pに密着され、開口部22が閉塞されたのでONとなる。従って、筐体制御部27は、
図9に示すように、接地センサがONであると判定(ステップST21Yes)し、全光源を点灯する(ステップST22)。ここでは、光源制御部27aは、接地センサ26により開口部22の閉塞が検出された場合に、複数の光源24をすべて点灯させる。これにより、筐体内部21fに複数の光源24からの光が照射され、開口部22を閉塞する媒体Pに複数の光源24からの光が直接、あるいはミラー25を介して照射される。つまり、表示部32は、複数の光源24の点灯状態において撮像部31により撮像している画像を表示する。開口部22を閉塞する媒体Pを撮像部31が順次撮像すると、順次生成された画像には対応する媒体Pの読取対象領域Ptにおける画像を認識することができる。従って、表示部32に順次表示される画像データに基づいた画像において、読取対象領域Ptにおける画像を認識することできる。これにより、ユーザーは、表示部32に表示される画像に基づいて、媒体Pと開口部22との位置関係を調整することができ、読取対象領域Ptを開口部22に収めることができる。なお、画像データには、写り込みPa,Pbが発生しているが、媒体Pと開口部22との位置関係は認識することができる。また、光源制御部27aは、
図9に示すように、光源切替信号を受信したか否かの判定(ステップST23)を、後述する第1光源点灯信号が受信されるまで繰り返し、第1光源点灯信号が受信されるまで待機する。
【0033】
次に、外部装置3は、ユーザーにより表示部32のシャッターが押下されると、
図8に示すように、シャッターが押下されたと判定(ステップST2Yes)し、焦点・露出・ホワイトバランス(WB)の調整を行う(ステップST3)。ここでは、撮像部31は、筐体内部21fの環境に合わせて撮像部31の撮像条件を設定することで、両画像データD1,D2のうち、特に、写り込みPa,Pbが発生している側と反対側の領域に対して、最適な画質が得られるように、これらの調整を行う。
【0034】
次に、外部装置3は、
図8に示すように、光源切替信号を発信する(ステップST4)。ここでは、外部装置3は、通信部34および通信部27bを介して、筐体2の光源制御部27aに第1光源24aのみを点灯させる光源切替信号である第1光源点灯信号を発信する。これにより、光源制御部27aは、
図9に示すように、第1光源点灯信号が受信され(ステップST23Yes)、第1光源点灯信号に基づいて第1光源24aのみを点灯する(ステップST24)。
【0035】
次に、外部装置3は、
図8に示すように、第1光源24aのみの点灯時に、撮像部31による撮像を行う(ステップST5)。次に、画像処理部33は、第1光源24aに対応する写り込みPaが発生した第1画像データD1を生成する。なお、生成時に、表示部32に第1画像データD1に基づいた画像を表示してもよい。また、光源制御部27aは、
図9に示すように、光源切替信号を受信したか否かの判定(ステップST25)を、後述する第2光源点灯信号が受信されるまで繰り返し、第2光源点灯信号が受信されるまで待機し、第1光源24aの点灯を維持する。
【0036】
次に、外部装置3は、
図8に示すように、光源切替信号を発信する(ステップST6)。ここでは、外部装置3は、光源制御部27aに第2光源24bのみを点灯させる光源切替信号である第2光源点灯信号を発信する。これにより、光源制御部27aは、
図9に示すように、第2光源点灯信号が受信され(ステップST25Yes)、第2光源点灯信号に基づいて第1光源24aを消灯し、第2光源24bのみを点灯する(ステップST26)。
【0037】
次に、外部装置3は、
図8に示すように、第2光源24bのみの点灯時に、撮像部31による撮像を行う(ステップST7)。次に、画像処理部33は、第2光源24bに対応する写り込みPbが発生した第2画像データD2を生成する。なお、生成時に、表示部32に第2画像データD2に基づいた画像を表示してもよい。また、光源制御部27aは、
図9に示すように、光源切替信号を受信したか否かの判定(ステップST27)を、後述する全光源消灯信号が受信されるまで繰り返し、全光源消灯信号が受信されるまで待機し、第2光源24bの点灯を維持する。
【0038】
次に、外部装置3は、
図8に示すように、光源切替信号を発信する(ステップST8)。ここでは、外部装置3は、光源制御部27aに第2光源24bを消灯させる光源切替信号である全光源消灯信号を発信する。これにより、光源制御部27aは、
図9に示すように、全光源消灯信号が受信され(ステップST27Yes)、全光源消灯信号に基づいて第2光源24bを消灯し、複数の光源24のすべてを消灯する(ステップST28)。
【0039】
次に、外部装置3は、画像処理を行う(ステップST9)。ここでは、画像処理部33は、主に、合成画像データDGの生成、合成画像データDGの補正を行う。まず、画像処理部33は、
図10に示すように、画像データの露出を補正する(ステップST91)。ここでは、画像処理部33は、両画像データD1,D2の明暗差が小さくなるように、両画像データD1,D2のうち少なくとも一方の露出を補正する。これにより、両画像データD1,D2から生成された合成画像データDGにおいて中心線CLを挟んで発生する明暗差を抑制することができる。
【0040】
次に、外部装置3は、合成画像データDGを生成する(ステップST92)。ここでは、画像処理部33は、上述のように、
図7に示すように、両画像データD1,D2から合成画像データDGを生成する。
【0041】
次に、外部装置3は、
図10に示すように、境界の平滑化を行う(ステップST93)。ここでは、画像処理部33は、
図7に示すように、合成画像データDGの境界、すなわち中心線CL近傍の画素データに対して、矩形合成処理、フェザリング処理などの公知の平滑化処理の少なくともいずれかを実行し、中心線CL近傍の平滑化を行う。これにより、合成画像データDGの中心線CLを挟んで、合成画像データDGが2つ画像データD1,D2を合成して生成されたものであることが認識できることを抑制することができる。
【0042】
次に、外部装置3は、ミラー反転補正を行う(ステップST94)。ミラー25を介して開口部22から媒体Pを撮像部31により撮像するために、画像処理部33により生成される画像データは、上下が反転しているミラー画像に基づいたものとなる。そこで、画像処理部33は、合成画像データDGの上下を反転させるべく、公知のミラー反転の補正を行う。
【0043】
次に、外部装置3は、台形補正を行う(ステップST95)。ミラー25を介して開口部22から媒体Pを撮像部31により撮像するために、開口部22が矩形であっても、撮像部31においては開口部22が台形に見える。従って、画像処理部33により生成される画像データにおいて、媒体P上で矩形であった画像は台形となる。そこで、画像処理部33は、例えば、媒体Pにおける画像に対する画像データにおいて対応する画像の変形量について、撮像部31とミラー25と開口部22との位置関係に基づいて設定しておき、変形量に基づいて公知の台形補正を行う。
【0044】
次に、外部装置3は、矩形クロッピングを行う(ステップST96)。ここでは、画像処理部33は、合成画像データDGにおける読取対象領域Ptに対応する領域を、例えば、読取対象領域Ptに対応する領域とその他の領域との明暗差などに基づいて抽出することができる公知の矩形クロッピングを行う。これにより、画像処理部33は、読取対象領域Ptに対応する領域のみから構成される合成画像データDGを生成する。
【0045】
次に、外部装置3は、ガンマ補正を行う(ステップST97)。ここでは、画像処理部33は、合成画像データDGに対して、表示部32の特性、あるいは標準的な表示部の特性に合わせた公知のガンマ補正を行う。
【0046】
次に、外部装置3は、表示部32に、合成画像データDGに基づいた画像を表示する(ステップST10)。本実施形態における外部装置3は、各種処理が行われた合成画像データDGに基づいた画像を表示する。
【0047】
次に、外部装置3は、合成画像データDGを保存する(ステップST11)。本実施形態における外部装置3は、各種処理が行われた合成画像データDGを記憶部に記憶する。
【0048】
外部装置3は、図示しない記憶部に記憶される。なお、上記境界の平滑化、各補正、矩形クロッピングは、読取アプリケーションにより、表示部32に表示されるアイコンを操作することで実行の要否や、各種設定が行えることが好ましい。また、合成画像データDGの記憶部における記憶は、読取アプリケーションにより表示部32に表示されるアイコンを操作することでユーザーが指示することが好ましい。
【0049】
以上のように、本実施形態にかかる画像読取装置1Aは、開口部21において筐体内部21fに露出する媒体Pを撮像するので、媒体Pを搬送することや、撮像部31が媒体Pに接触しながら移動することがなく、媒体Pの損傷を抑制することができる。また、媒体Pに対して画像読取装置1Aを手で載置させるだけで、画像データ(第1画像データD1、第2画像データD2、合成画像データDG)を生成することができる。従って、画像読取装置1A側を媒体Pまで移動させることで画像データを生成することができるので、手軽に媒体Pを画像データに変換することができる。また、筐体2を媒体Pに密着させることで、筐体内部21fに照射される環境光を遮断することができる。従って、撮像部31は、複数の光源24からの光のみで、媒体Pを撮像することができるので、外乱に影響されることで画像品位が低下することを抑制でき、画像品位の高い画像データを生成することができる。
【0050】
また、撮像部31による各撮像時には、開口部22における水平面の異なる領域に光が照射される(主照射領域La,Lb)こととなるので、生成される各画像データ(第1画像データD1、第2画像データD2)において同じ領域に写り込み(写り込みPa,Pb)が発生することがない。従って、各画像データのうち写り込みが発生していない領域を抽出して合成画像データDGを生成することで、画像データのうち写り込みが発生している領域を排除することができる。これにより、合成画像データは、各画像データのうち画像品位の高い領域のみから構成されるので、画像品位の高い画像データを生成することができる。
【0051】
また、外部装置3が筐体2に対して着脱可能であるため、撮像部31および表示部32も筐体2に対して取り外すことができる。従って、筐体2側に、撮像部31および表示部32を設けずに、ユーザーが有している既存の外部装置3を用いて、画像読取装置1Aを構成することができる。これにより、筐体2の構成を簡略化することができ、筐体2の製造コストを削減することができる。また、筐体2は、電子部品である撮像部31および表示部32を有さないので、故障などの発生率を低減することができ、耐久性が向上する。
【0052】
〔実施形態2〕
次に、実施形態2に係る画像読取装置について説明する。
図11は、実施形態2に係る画像読取装置の外観図である。
図12は、実施形態2に係る画像読取装置の概略構成例を示す図である。実施形態2に係る画像読取装置1Bが、実施形態1に係る画像読取装置1Aと異なる点は、
図11、
図12に示すように、外部装置3ではなく筐体2が撮像部29を有する点である。なお、画像読取装置1Bの基本的構成は、画像読取装置1Aの基本的構成とほぼ同一であるため、同一符号の説明は省略あるいは簡略化する。
【0053】
筐体2は、外部装置3を収納する収納部23が形成されておらず、筐体2に対して外部装置3を取り付けることはできない。従って、本実施形態における筐体2は、実施形態1における筐体2とは異なり、撮像部29が着脱可能ではなく、固定されている。
【0054】
撮像部29は、開口部22において筐体内部21fに露出する媒体Pを撮像するものである。撮像部29は、実施形態1における収納部23に収納された外部装置3の撮像部31の筐体2に対する位置とほぼ同じ位置に配置されており、ミラー25を介して開口部22を撮像するものである。
【0055】
通信部27bは、本実施形態では、撮像部29から出力される画像信号を発信するものである。一方、通信部34は、通信部27bから発信された画像信号を受信するものである。
【0056】
外部装置3は、少なくとも表示部32と、画像処理部33と、通信部34と、図示しない電源部と、図示しない記憶部とを含んで構成されている。ここで、外部装置3は、撮像部を有していてもよい。つまり、画像読取装置1Bを構成する撮像部は、筐体2の撮像部29が用いられる。
【0057】
次に、本実施形態に係る画像形成装置1Bによる媒体Pの読み取りについて説明する。
図13は、実施形態2に係る画像読取装置の読取動作のフローチャート図である。
図14は、実施形態2に係る画像読取装置の読取動作のフローチャート図である。画像形成装置1Bによる媒体Pの読み取りは、外部装置3が筐体2に取り付けられていない状態で行われる。なお、画像読取装置1Bの基本的動作は、画像読取装置1Aの基本的動作とほぼ同一であるため、同一符号の説明は省略あるいは簡略化する。
【0058】
まず、筐体2は、
図14に示すように、ユーザーによる外部装置3の読取アプリケーションの実行指示に基づいて、撮像部29を起動する(ステップST41)。ここでは、外部装置3は、ユーザーにより読取アプリケーションの実行指示が行われると、実行指示信号を通信部34および通信部27bを介して筐体2の撮像部29に発信する。これにより、実行指示信号を受信した撮像部29は起動され、開口部22の撮像を継続し、撮像部29により生成された画像データが通信部27bおよび通信部34を介して、順次表示部32に出力され、生成された画像データに基づいた画像が表示部32により順次表示される。このとき、複数の光源24は、消灯状態である。また、外部装置3は、シャッターが押下されたか否かの判定(ステップST31)を、シャッターが押下されるまで繰り返し、シャッターが押下されるまで待機する。筐体制御部27は、接地センサ26がONされたか否かの判定(ステップST42)を、接地センサ26がONされるまで繰り返し、接地センサ26がONとなるまで待機する。
【0059】
次に、ユーザーが筐体2を媒体Pに密着させると、筐体制御部27は、接地センサ26がONであると判定(ステップST42Yes)し、全光源を点灯する(ステップST43)。これにより、表示部32は、複数の光源24の点灯状態において撮像部29により撮像している画像を表示する。
【0060】
次に、筐体2は、焦点・露出・ホワイトバランス(WB)の調整を行う(ステップST44)。ここでは、撮像部29は、筐体内部21fの環境に合わせて撮像部29の撮像条件を設定することで、これらの調整を行う。また、光源制御部27aは、撮像指示信号を受信したか否かの判定(ステップST45)を、後述する撮像指示信号が受信されるまで繰り返し、撮像指示信号が受信されるまで待機する。
【0061】
次に、外部装置3は、ユーザーにより表示部32のシャッターが押下されると、
図13に示すように、シャッターが押下されたと判定(ステップST31Yes)し、撮像指示信号を発信する(ステップST32)。また、画像処理部33は、画像データを受信したか否かの判定(ステップST33)を、後述する画像データが受信されるまで繰り返し、画像データが受信されるまで待機する。
【0062】
次に、筐体2は、撮像指示信号を受信する(ステップST45Yes)と、第1光源24aのみを点灯する(ステップST46)。ここでは、光源制御部27aは、一度、第1光源24aおよび第2光源24bを消灯したのち、第1光源24aのみを点灯する。次に、筐体2は、第1光源24aのみの点灯時に、撮像部29による撮像を行う(ステップST47)。ここで、本実施形態における撮像部29は、第1光源24aに対応する写り込みPaが発生した第1画像データD1を生成する。
【0063】
次に、筐体2は、第2光源24bのみを点灯する(ステップST48)。ここでは、光源制御部27aは、第1光源24aを消灯したのち、第2光源24bのみを点灯する。次に、筐体2は、第2光源24bのみの点灯時に、撮像部29による撮像を行う(ステップST49)。ここで、本実施形態における撮像部29は、第2光源24bに対応する写り込みPbが発生した第2画像データD2を生成する。
【0064】
次に、筐体2は、画像データを送信する(ステップST50)。ここでは、撮像部29は、生成された両画像データD1,D2を、通信部27bおよび通信部34を介して、画像処理部33に発信する。次に、筐体2は、複数の光源24のすべてを消灯する(ステップST51)。ここでは、光源制御部27aは、点灯している第2光源24bを消灯する。
【0065】
次に、外部装置3は、画像データを受信すると(ステップST33Yes)と、画像処理を行う(ステップST34)。ここでは、画像処理部33は、実施形態1と同様な画像処理を行い、主に、合成画像データDGの生成、合成画像データDGの補正を行う。次に、外部装置3は、表示部32に、合成画像データDGに基づいた画像を表示する(ステップST35)。次に、外部装置3は、合成画像データDGを保存する(ステップST36)。
【0066】
以上のように、本実施形態にかかる画像読取装置1Bは、媒体Pの損傷を抑制し、手軽に媒体Pを画像データに変換でき、画像品位の高い画像データを生成することができる。また、筐体2が撮像部29を有しているので、外部装置3の撮像部を使用しなくてもよい。つまり、外部装置3の撮像部を筐体内部21fに露出させなくてもよく、筐体2と外部装置3が離れた状態で媒体Pの読み取りを行うことができる。従って、画像読取装置1Bとして使用することができる外部装置3が、特に形状や撮像部の位置で限定されることがない。これにより、様々な種類の外部装置を画像読取装置1Bの外部装置3として使用することができる。
【0067】
なお、上記実施形態1、2における筐体2と外部装置3との間の情報の授受は、通信部27bおよび通信部34により行うと説明したが、これに限定されるものではない。筐体2と外部装置3との間で情報の授受が可能であればよく、筐体2と外部装置3とを信号線で電気的に接続する、いわゆる有線接続であってもよい。また、音、例えば、超音波帯域を使用した音響通信や、偏心モータなどの振動発生手段および加速度センサなどの振動受信手段の組み合わせによる振動検出などであってもよい。
【0068】
〔実施形態3〕
次に、実施形態3に係る画像読取装置について説明する。
図15は、実施形態3に係る画像読取装置の外観図である。
図16は、実施形態3に係る画像読取装置の概略構成例を示す図である。実施形態3に係る画像読取装置1Cが、実施形態1に係る画像読取装置1Aと異なる点は、
図15、
図16に示すように、外部装置3を有しておらず、筐体2が撮像部29、表示部30を有する点である。なお、画像読取装置1Cの基本的構成は、画像読取装置1Aの基本的構成とほぼ同一であるため、同一符号の説明は省略あるいは簡略化する。
【0069】
筐体2は、実施形態1における筐体2とは異なり、撮像部29および表示部30が着脱可能ではなく、固定されている。
【0070】
撮像部29は、開口部22において筐体内部21fに露出する媒体Pを撮像するものである。撮像部29は、実施形態1における収納部23に収納された外部装置3の撮像部31の筐体2に対する位置とほぼ同じ位置に配置されており、ミラー25を介して開口部22を撮像するものである。
【0071】
表示部30は、撮像部29により撮像された媒体Pを表示する。表示部30は、傾斜面21gに配置されており、筐体2の外部から視認可能である。
【0072】
画像処理部27cは、機能として筐体制御部27に含まれており、撮像部29により撮像された媒体Pに対応する画像データを処理するものである。
【0073】
次に、本実施形態に係る画像形成装置1Cによる媒体Pの読み取りについて説明する。
図17は、実施形態3に係る画像読取装置の読取動作のフローチャート図である。画像形成装置1Bによる媒体Pの読み取りは、筐体2において行われる。なお、画像読取装置1Bの基本的動作は、画像読取装置1A,1Bの基本的動作とほぼ同一であるため、同一符号の説明は省略あるいは簡略化する。
【0074】
まず、筐体2は、
図17に示すように、ユーザーによる読取アプリケーションの実行指示に基づいて、撮像部29を起動する(ステップST61)。これにより、撮像部29は起動され、開口部22の撮像を継続し、画像信号が順次画像処理部27cに出力され、画像処理部27cが順次画像データを生成し、生成された画像データに基づいた画像が表示部30により順次表示される。このとき、複数の光源24は、消灯状態である。また、筐体制御部27は、接地センサ26がONされたか否かの判定(ステップST62)を、接地センサ26がONされるまで繰り返し、接地センサ26がONとなるまで待機する。
【0075】
次に、ユーザーが筐体2を媒体Pに密着させると、筐体制御部27は、接地センサがONであると判定(ステップST62Yes)し、全光源を点灯する(ステップST63)。これにより、表示部30は、複数の光源24の点灯状態において撮像部29により撮像している画像を表示する。
【0076】
次に、筐体2は、焦点・露出・ホワイトバランス(WB)の調整を行う(ステップST64)。ここでは、画像処理部27cは、筐体内部21fの環境に合わせて撮像部29の撮像条件を設定することで、これらの調整を行う。次に、筐体2は、ユーザーにより表示部30のシャッターが押下されると、シャッターが押下されたと判定(ステップST65Yes)し、第1光源24aのみを点灯する(ステップST66)。次に、筐体2は、第1光源24aのみの点灯時に、撮像部29による撮像を行う(ステップST67)。次に、筐体2は、第2光源24bのみを点灯する(ステップST68)。次に、筐体2は、第2光源24bのみの点灯時に、撮像部29による撮像を行う(ステップST69)。ここで、画像処理部27cは、両画像データD1,D2を生成する。
【0077】
次に、筐体2は、画像処理を行う(ステップST70)。ここでは、画像処理部27cは、実施形態1と同様な画像処理を行い、主に、合成画像データDGの生成、合成画像データDGの補正を行う。次に、筐体2は、表示部30に、合成画像データDGに基づいた画像を表示する(ステップST71)。次に、筐体2は、合成画像データDGを保存する(ステップST72)。次に、筐体2は、複数の光源24のすべてを消灯する(ステップST73)。
【0078】
以上のように、本実施形態にかかる画像読取装置1Cは、媒体Pの損傷を抑制し、手軽に媒体Pを画像データに変換でき、画像品位の高い画像データを生成することができる。また、筐体2が撮像部29および表示部30を有しているので、外部装置3を必要としない。筐体2単体で、媒体Pの読み取りを行うことができる。
【0079】
なお、上記実施形態3においては、保存した合成画像データDGを外部に発信するために、上記実施形態1,2と同様に通信部27bを有していてもよい。また、記録媒体と電気的に接続できるスロットを有していてもよい。
【0080】
なお、上記実施形態1〜3における筐体2は、電源部28を有するが、筐体2の外部の電力源から筐体2の各機器に電力が供給されてもよい。外部の電力源としては、商用電源、太陽光発電、外部装置3に搭載されている電源部などがある。
【0081】
また、上記実施形態1〜3における第1光源24aおよび第2光源24bは、一対の対向する内部側面21a,21bにそれぞれ設けたが、対向する主照射領域La,Lbが重なり合わなければよいので、これに限定されるものではない。第1光源24aおよび第2光源24bは、それぞれの光軸を調整することで、例えば、同じ面(内部側面21a,21b、露出面21c)において、取り付ける高さを変更、あるいは同じ高さで並列に取り付けることができる。また、光源24を構成する複数の発光素子の光軸を変更することで、1つの光源24で重なり合わない主照射領域La,Lbを実現してもよい。
【0082】
また、上記実施形態1〜3では、複数の光源24として2つの光源の場合について説明したが、開口部22における水平面の異なる領域に光を照射することができれば、光源は3以上であってもよい。この場合は、撮像部29,31が各光源の点灯ごとに開口部22において筐体内部21fに露出する媒体Pを撮像するので、生成される画像データは光源の数となるが、画像処理部27c,33は、各画像データのうち写り込みが発生していない領域を抽出して、合成画像データDGを生成する。また、上記実施形態1〜3では、撮像部29,31による各撮像時に、複数の光源24のうち、1つのみが点灯する場合について説明したが、開口部22における水平面の異なる領域に光を照射することができれば、複数同時に点灯してもよい。また、接地センサ26がONである場合は、複数の光源24をすべて点灯する場合について説明したが、少なくとも1以上が点灯すればよい。