(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜10のいずれか1項に記載の付加ハンドルを備えた作業工具であって、当該作業工具は、所定の駆動軸を有する先端工具を駆動して所定の作業を行うように構成されており、
前記作業工具は、
前記付加ハンドルが装着される工具本体と、
前記工具本体と一体に形成されたメインハンドルと、を有し、
前記工具本体には、前記付加ハンドルが取り外し可能に装着される付加ハンドル装着部が形成されていることを特徴とする作業工具。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の代表的な実施形態について、
図1〜
図21を参照して説明する。
図1に示すように、補助ハンドル10は、作業工具の一例として、石膏ボードなどの被加工材に対してねじ締め作業を行うスクリュードライバ100に対して取り外し可能に装着される。この補助ハンドル10が、本発明における「付加ハンドル」に対応する実施構成例である。
【0025】
[補助ハンドルの構成]
図2および
図3に示すように、補助ハンドル10は、クランプ機構20、操作ロッド40、グリップ50を主体として構成されている。クランプ機構20は、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31を主体として構成されている。クランプ機構20がスクリュードライバ100のギアハウジング104を半周以上覆うように配置されることで、クランプ機構20がギアハウジング104を挟持する。これにより、補助ハンドル10がスクリュードライバ100に装着される。
【0026】
図4〜
図6に示すように、第1クランプ部材21は、第1係合部22、第1ネジ部23、係合凹部24、ピン摺動部25、およびストッパポール装着部26を有する。第1係合部22の第2クランプ部材31と対向する部分は、円弧状に形成されている。この円弧状部分には、スクリュードライバ100の本体部に形成された回転規制部143(
図2参照)と係合する係合凹部24が形成されている。また、第1係合部22には、当該第1係合部22を貫通するようにロッド係合孔22aが形成されている。ロッド係合孔22には、左ネジの雌ネジで構成された第1雌ネジ部23が形成されている。この第1クランプ部材21が、本発明における「第1クランプ部材」に対応する実施構成例である。また、第1係合部22および第1雌ネジ部23がそれぞれ、本発明における「第1アーム」および「第3ネジ部」に対応する実施構成例である。また、第1係合部22の円弧状部分が、本発明における「第1クランプ部」に対応する実施構成例である。
【0027】
ピン摺動部25は、ロッド係合孔22aと平行に延在する貫通孔で構成されている。このピン摺動部25の貫通孔に第2クランプ部材31のピン36が挿入される。このピン摺動部25は、第1係合部22の側面に形成されている。
【0028】
ストッパポール装着部26は、ボルト27、ナット28、およびストッパポール係合孔29を主体として構成されている。ストッパポール係合孔29は、ロッド係合孔22とは直交するように、第1係合部22を貫通するように形成されている。ストッパポール係合孔29にストッパポール(図示省略)が挿入された状態で、ボルト27をナット28に螺合させることで、ボルト27の先端部がストッパポールに当接して、ストッパポールを保持する。
【0029】
図4〜
図6に示すように、第2クランプ部材31は、第2係合部32、ロッド係合ボルト33、サークリップ34およびピン36を主体として構成されている。第2係合部32の第1クランプ部材21と対向する部分は、円弧状に形成されている。この第2係合部32には、当該第2係合部32を貫通するようにボルト係合孔32aが形成されている。ボルト係合孔32aの先端部は、六角形状の断面を有しており、ロッド係合ボルト33の頭部と係合する。ロッド係合ボルト33は、ボルト係合孔32aに挿通され、サークリップ34によって抜け止めされている。ロッド係合ボルト33には、右ネジの雄ネジで構成された第2雄ネジ部35が形成されている。この第2クランプ部材31が、本発明における「第2クランプ部材」に対応する実施構成例である。また、第2係合部32および第2雄ネジ部35がそれぞれ、本発明における「第2アーム」および「第4ネジ部」に対応する実施構成例である。また、第2係合部32の円弧状部分が、本発明における「第2クランプ部」に対応する実施構成例である。
【0030】
ピン36は、第2係合部32の外側に、当該第2係合部32と一体に固定されている。このピン36は、ロッド係合ボルト33と平行に配置されている。そして、ピン36がピン摺動部25の貫通孔に挿入されるように、第1クランプ部材21および第2クランプ部材31が配置されて組み付けられる。
【0031】
図4〜
図6に示すように、操作ロッド40は、クランプ機構20とグリップ50を連結する部材である。操作ロッド40は、ロッド部材41およびネジ部材42を主体として構成されている。ロッド部材41の一端には、ネジ部材42が連結され、ロッド部材41の他端には、グリップ50が連結されている。これにより、ロッド部材41、ネジ部材42およびグリップ50は、一体状に構成される。この操作ロッド40およびネジ部材42が、本発明における「操作部材」および「クランプ部材保持部」に対応する実施構成例である。
【0032】
図4〜
図6に示すように、ネジ部材42は、円柱状の連結部43と円筒状の操作ネジ部44を主体として構成されている。連結部43は、ロッド部材41に篏合し、ネジ部材42とロッド部材41が連結される。操作ネジ部44の外周部には、第1雌ネジ部23の雌ネジと螺合する雄ネジが形成された第1雄ネジ部45が形成されている。また、操作ネジ部44の内周部には、第2雄ネジ部35の雄ネジと螺合する雌ネジが形成された第2雌ネジ部46が形成されている。したがって、第1雄ネジ部45のネジ径は、第2雌ネジ部46のネジ径よりも大きい。さらに、ネジ部材42の長軸方向に関して、第1雄ネジ部45と第2雌ネジ部46は少なくとも一部が重なるように形成されている。この第1雄ネジ部45および第2雌ネジ部46がそれぞれ、本発明における「第1ネジ部」および「第2ネジ部」に対応する実施構成例である。
【0033】
図4〜
図6に示すように、グリップ50は、作業者が把持するグリップを構成する。このグリップ50は、操作ロッド40のクランプ機構20とは反対側の端部に連接されている。グリップ部50と操作ロッド40は、当該グリップ部50の長軸方向(補助ハンドル10の長軸方向)周りの周方向に一体に回転するように構成されている。グリップ50は、円筒状の樹脂部材であり、操作ロッド40側に鍔部50aを有している。このグリップ50が、本発明における「把持部」に対応する実施構成例である。
【0034】
[補助ハンドルの動き]
補助ハンドル10は、グリップ50が回動されることによって、操作ロッド41がクランプ機構20を操作する。具体的には、
図7〜
図9に示すように、補助ハンドル10の基端側(グリップ50側)に配置された第1クランプ部材21と補助ハンドル10の先端側に配置された第2クランプ部材31が離間した状態において、
図7の矢印Aで示される右回り(以下、A方向)にグリップ50を回動させることで、操作ロッド40によって、第1クランプ部材21および第2クランプ部材31が操作される。すなわち、グリップ50のA方向の回動により、左ネジが形成された操作ロッド40の第1雄ネジ部45と第1クランプ部材21の第1雌ネジ部23が螺合して、第1クランプ部材21がグリップ50から離れるように、操作ロッド40の先端側に向かって移動する。換言すると、第1クランプ部材21が操作ロッド40に対して相対移動される。
【0035】
一方、グリップ50のA方向の回動により、右ネジが形成された操作ロッド40の第2雌ネジ部46と第2クランプ部材31の第2雄ネジ部35が螺合して、第2クランプ部材31がグリップ50に近づくように、操作ロッド40の基端側に向かって移動する。換言すると、第2クランプ部材31が操作ロッド40に対して相対移動される。以上の通り、グリップ50のA方向の回動により、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31が互いに近接するように移動される。第1クランプ部材21と第2クランプ部材31のそれぞれの対向面が互いに当接して、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31の移動が規制され、これにより、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31が
図5に示される位置(ホールド位置)に配置される。その結果、
図2に示すように、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31がスクリュードライバ100のギアハウジング104を挟持する。これにより、補助ハンドル10がスクリュードライバ100に装着される。
【0036】
操作ロッド40の長軸方向に関して、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31が互いに相対移動する際に、ピン36は、ピン摺動部25内を摺動する。したがって、ピン36とピン摺動部25の貫通孔の係合により、操作ロッド40の長軸方向周りの周方向に関して、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31の相対回転が規制される。このピン36およびピン摺動部25がそれぞれ、本発明における「凸部」および「凹部」に対応する実施構成例である。したがって、ピン36とピン摺動部25によって、本発明における「相対回転規制機構」が構成される。
【0037】
図2に示すように、補助ハンドル10がギアハウジング104に装着された状態において、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31の先端部は、操作ロッド40が延在する方向に直交する方向(
図2の上下方向)に関して、ギアハウジング104の中心を超えるように配置される。すなわち、円形断面を有するギアハウジング104の中心に関して、第1係合部22および第2係合部32が形成する円弧の中心角が180度を超えるように設定されている。また、補助ハンドル10がギアハウジング104に装着された状態において、第1クランプ部材21の係合凹部24は、ギアハウジング104の回転規制部143と係合する。これにより、ギアハウジング104周りの周方向に関して、ギアハウジング104に装着された補助ハンドル10の回動が規制される。この係合凹部24が、本発明における「ハンドル側係合部」、「ハンドル側凹部」に対応する実施構成例である。また、回転規制部143が、本発明における「本体側係合部」、「本体側凸部」に対応する実施構成例である。
【0038】
また、
図3、
図5および
図6に示すように、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31が近接した状態において、
図3の矢印Bで示される左回り(以下、B方向)にグリップ50を回動させることで、操作ロッド40によって、第1クランプ部材21および第2クランプ部材31が操作される。すなわち、グリップ50のB方向の回動により、左ネジが形成された操作ロッド40の第1雄ネジ部45と第1クランプ部材21の第1雌ネジ部23が螺合して、第1クランプ部材21がグリップ50に近づくように、操作ロッド40の基端側に向かって移動する。一方、グリップ50のB方向の回動により、右ネジが形成された操作ロッド40の第2雌ネジ部46と第2クランプ部材31の第2雄ネジ部35が螺合して、第2クランプ部材31がグリップ50から離れるように、操作ロッド40の先端側に向かって移動する。
【0039】
したがって、グリップ50のB方向の回動により、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31が互いに離間するように移動される。これにより、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31が
図8に示される位置(リリース位置)に配置される。その結果、
図2に示すようにスクリュードライバ100に装着された補助ハンドル10が、スクリュードライバ100から取り外される。
【0040】
[スクリュードライバの構成]
図10に示すように、スクリュードライバ100は、本体部101を主体として構成されている。本体部101は、本体ハウジング103、ギアハウジング104、ツールホルダ130を主体として構成されている。
【0041】
図11〜
図16に示すように、本体ハウジング103は、樹脂部品である右側ハウジング103a、左側ハウジング103bおよびリアカバー103cで構成されている。
図10に示すように、右側ハウジング103aと左側ハウジング103bが連結されて、本体ハウジング103の内部空間が形成される。本体ハウジング103の内部空間には、ブラシレスモータ110、ファン111、および駆動機構120の後方部分が配置されている。右側ハウジング103aおよび左側ハウジング103bには、作業者が把持するための断面が略楕円形状のグリップ107が形成されている。また、
図12に示すように、右側ハウジング103aおよび左側ハウジング103bのそれぞれの側面には、空気流入口105a,105bが形成されている。
【0042】
図10に示すように、グリップ107は、ブラシレスモータ110に近接した基端部から、ブラシレスモータ110の回転軸に交差する方向に延在するように形成されている。グリップ107の基端部には、作業者が操作するトリガ107aが設けられている。また、グリップ107の先端部には、バッテリ装着部108が形成されている。バッテリ装着部108には、バッテリパック190が取り外し可能に装着される。
【0043】
トリガ107aよりも基端部側(
図10の上側)には、作業時に被加工材の加工領域を照射する2つのLED180が設けられている。
図12および
図14に示すように、右側ハウジング103aおよび左側ハウジング103bには、LED180を保持するためのライト保持部109a,109bがそれぞれ形成されている。このライト保持部109a,109bは、トリガ107aよりも前方(
図10の右側)に突出するように形成されている。
【0044】
図10に示すように、リアカバー103cは、ブラシレスモータ110の回転軸を支持するための後方のベアリングを保持する部材として設けられている。なお、ベアリングは、スクリュードライバ100の前後方向に関して、ファン111とオーバーラップするように設けられている。これにより、スクリュードライバ110の前後方向の全長が短縮される。
【0045】
また、
図11および
図16に示すように、リアカバー103cはスクリュードライバ100を保護するためのエラストマ115を有している。さらに、リアカバー103cには、エラストマ115およびリアカバー103cの樹脂部分を貫通する4つの空気排出口116が形成されている。ファン111の駆動によって、右側ハウジング103aおよび左側ハウジング103bに形成された空気流入口105a,105bから本体ハウジング103内に空気が流入する。本体ハウジング103内に流入した空気は、ブラシレスモータ110の外側と通過して、ブラシレスモータ110の前方に流れ、その後、ブラシレスモータ110の内側およびファン111を通過して、空気流出口116から排出される。これにより、ブラシレスモータ110が冷却される。
【0046】
図13に示すように、右側ハウジング103aには、ボス穴106aが形成されている。さらに、
図15に示すように、左側ハウジング103bには、ボス穴106bが形成されている。これらのボス穴106a,106bは、右側ハウジング103aと左側ハウジング103bが互いに対向する面上に形成されている。すなわち、ボス穴106a,106bは、工具ビット135およびスクリュードライバ100の重心を通るスクリュードライバ100の中心面上に設けられている。
【0047】
一方、
図16に示すように、リアカバー103cには、上部と下部に2つのネジ穴117が形成されている。上部のネジ穴117は、右側ハウジング103aのボス穴106aに対応し、下部のネジ穴117は、左側ハウジング103bのボス穴106bに対応する。このリアカバー103cは、
図11に示すように、2本のネジ118によって、右側ハウジング103aおよび左側ハウジング103bにそれぞれ固定される。ボス穴106a,106bがスクリュードライバ100の中心面上に配置されているため、リアカバー103cは、右側ハウジング103aおよび左側ハウジング103bに安定的に保持される。
【0048】
図10に示すように、本体ハウジング103の前側(
図10の右側)には、ギアハウジング104が設けられている。ギアハウジング104には、遊星歯車機構によって構成される駆動機構120の前方部分が収容されている。駆動機構120は、3つの遊星歯車機構によって構成されている。具体的には、3つの遊星歯車機構のうち、2つの遊星歯車機構を利用して、ブラシレスモータ110のトルクが工具ビット135に伝達されるように構成されている。そのため、切替レバー125によって、トルク伝達に使用される2つの遊星歯車機構を選択的に切り替えることで、駆動機構120から出力されるトルク(回転数)が切り替えられる。この駆動機構120は、ブラシレスモータ110によって駆動される。なお、トリガ107aが操作されることで、ブラシレスモータ110が駆動される。
【0049】
図1に示すように、ギアハウジング104は、補助ハンドル10が装着される補助ハンドル装着部を構成している。
図17〜
図20に示すように、ギアハウジング104は、補助ハンドル装着部140、ツールホルダ保持部145、ハウジング係合爪147、切替レバー保持部149を有する。このギアハウジング104はアルミニウムによって形成されている。
【0050】
補助ハンドル装着部140は、補助ハンドル係合溝141、フランジ部142、回転規制部143を主体として構成されている。補助ハンドル係合溝141には、補助ハンドル10の第1クランプ部材21および第2クランプ部材31がそれぞれ係合する。フランジ部142は、補助ハンドル係合溝141の側壁を構成し、補助ハンドル係合溝141に係合した第1クランプ部材21および第2クランプ部材31と当接する。これにより、補助ハンドル装着部140に装着された補助ハンドル10のスクリュードライバ100の前方(工具ビット135側)への移動が規制される。すなわち、フランジ部142が、工具ビット135の長軸方向(
図10の左右方向)に関する補助ハンドル10の移動を規制するストッパとして機能する。
【0051】
また、回転規制部143は、補助ハンドル係合溝141内に形成された凸部である。この回転規制部143は、ギアハウジング104の周方向に関して、対向する2箇所に設けられている。すなわち、
図20に示すように、2つの回転規制部143は、ギアハウジング104の中心を挟んで、互いに対向するように設けられている。それぞれの回転規制部143は、補助ハンドル10の第1クランプ部材21の係合凹部24と係合可能である。したがって、
図2に示すように、補助ハンドル装着部140に装着された補助ハンドル10の係合凹部24が、いずれか一方の回転規制部143と係合する。すなわち、
図1に示すように、グリップ50が左側ハウジング103b側に位置するように補助ハンドル10が補助ハンドル装着部140に装着される態様と、
図1とは逆に、グリップ50が右側ハウジング103a側に位置するように補助ハンドル10が補助ハンドル装着部140に装着される態様が、作業態様に応じて選択される。そして、係合凹部24と回転規制部143の係合によって、補助ハンドル装着部140に装着された補助ハンドル10のスクリュードライバ100の周方向(ギアハウジング104の周方向)に関する移動が規制される。すなわち、回転規制部143が補助ハンドル10の回転を規制する。この補助ハンドル装着部140が、本発明における「付加ハンドル装着部」に対応する実施構成例である。
【0052】
図17〜
図20に示すように、ツールホルダ保持部145は、円筒状に形成されている。そして、
図10に示すように、ツールホルダ保持部145がツールホルダ130を保持する。トリガ107aが操作されることで、ブラシレスモータ110が駆動機構120を介してツールホルダ130を駆動する。これにより、工具ビット135が、当該工具ビット135の長軸方向(
図10の左右方向)周りに回転され、ネジ締め作業が行われる。この工具ビット135が、本発明における「先端工具」に対応する実施構成例である。なお、
図10に示される軸Dが工具ビット135の駆動軸を表す。
【0053】
また、
図19に示すように、ギアハウジング104の下端部には、ハウジング係合爪147が形成されている。ハウジング係合爪147は、右側ハウジング103aおよび左側ハウジング103bに対応して、2箇所に形成されている。それぞれのハウジング係合爪147は、スクリュードライバ100の中心から外側に向かって延在するように形成されている。2つのハウジング係合爪147は、
図12および
図14に示される、右側ハウジング103aおよび左側ハウジング103bのライト保持部109a,109bにそれぞれ係合する。これにより、片持ち梁状に形成されたライト保持部109a,109bが、ギアハウジング104によって安定的に保持される。
【0054】
さらに、
図10,
図17〜
図19に示すように、ギアハウジング104の上端部には、切替レバー保持部149が形成されている。具体的には、
図21に示すように、本体ハウジング103およびギアハウジング104の上部には、スクリュードライバ100の前後方向に摺動可能な切替レバー125が設けられている。この切替レバー125によって、駆動機構120において、トルク伝達に使用される遊星歯車機構が切り替えられる。切替レバー保持部149は、ガイド部149aとカバー部149bで構成されている。平板状のガイド部149aの上面に切替レバー125が配置され、これにより、ガイド部149aが切替レバー125の摺動をガイドする。一方、カバー部149bは、切替レバー125の上方に設けられている。ギアハウジング104は、アルミニウム製であるため、カバー部149によって切替レバー125が外力から保護される。
【0055】
以上の本実施形態によれば、補助ハンドル10をスクリュードライバ100に装着する際に、操作ロッド40の回動によって、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31が互いに近接するように移動する。また、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31は、操作ロッド40に対してそれぞれ相対移動する。したがって、操作ロッド40の一回転に対して、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31が近接する相対移動量が多い。そのため、補助ハンドル10がスクリュードライバ100に素早く装着される。なお、補助ハンドル10をスクリュードライバ100から取り外す際も同様である。
【0056】
また、本実施形態によれば、第1係合部22と第2係合部32によって形成される円弧の中心角が180度を超える。したがって、ギアハウジング104を挟持する第1クランプ部材21と第2クランプ部材31のクランプ力が小さい場合であっても、第1クランプ部材21および第2クランプ部材31がギアハウジング104から外れることが防止される。すなわち、第1クランプ部材21および第2クランプ部材31によって確実にギアハウジング104が保持される。
【0057】
また、本実施形態によれば、ピン36とピン摺動部25によって、操作ロッド40の長軸方向周りに関して、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31の相対回転が規制される。したがって、第1クランプ部材21および第2クランプ部材31を移動させる補助ハンドル10の着脱動作が効率的に行われる。
【0058】
また、本実施形態によれば、相対回動規制機構としてのピン摺動部25およびピン36は、第1クランプ部材21および第2クランプ部材31の側部に形成されている。第1クランプ部材21および第2クランプ部材31の上部に相対回動規制機構が形成されている場合には、補助ハンドル10が装着されたスクリュードライバ100の高さが高くなる。すなわち、相対回動規制機構が邪魔となり、作業に支障をきたす可能性がある。しかしながら、本実施形態においては、相対回転規制機構が作業の邪魔にならない第1クランプ部材21および第2クランプ部材31の側部に形成されているため、相対回動規制機構によって作業が阻害されない。
【0059】
また、本実施形態によれば、第1雄ネジ部45と第2雌ネジ部46のネジ径が互いに異なる。したがって、第1雄ネジ部45と第2雌ネジ部46を単一の部材に形成することができる。また、ネジ部材42の外周と内周に第1雄ネジ部45と第2雌ネジ部46が合理的に形成される。また、第1雄ネジ部45と第2雌ネジ部46が操作ロッド40の長軸方向に関してオーバーラップするように形成されている。したがって、操作ロッド40の長軸方向の長さを短くすることができる。
【0060】
なお、以上の実施形態においては、円筒状のネジ部材42の外周と内周にネジ部が形成されていたが、これには限られない。例えば、ネジ部材として、小径部と大径部を有する段付き部材として形成され、小径部と大径部にそれぞれ雄ネジが形成されていてもよい。この場合、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31には、大径部と小径部の雄ネジにそれぞれ対応した雌ネジが形成される。
【0061】
まあ、以上の実施形態においては、補助ハンドル10は、2つのクランプ部材21,31を有していたが、これには限られない。例えば、補助ハンドル10は、3つ以上のクランプ部材を有していてもよい。この場合、3つ以上のクランプ部材は、同一円周上に配置され、単一の操作部材が操作されることで、円の中心に向かって同時に移動することで、互いに近接するように構成される。その結果、3つ以上のクランプ部材によって、ギアハウジング104が挟持される。なお、複数のクランプ部材をそれぞれ個別に操作する複数の操作部材が設けられていてもよい。
【0062】
また、以上の実施形態においては、スクリュードライバ100を作業工具の一例として説明したが、これには限られない。補助ハンドル10が装着される作業工具であれば、例えば、ハンマ、ハンマドリル、マルチツール等に対して本発明が適用される。
【0063】
上記発明の趣旨に鑑み、本発明に係る付加ハンドルおよび作業工具に関しては、下記の態様が構成可能である。
(態様1)
前記付加ハンドルを前記工具本体に取り外す際の作業者の取り外し動作によって、前記操作部材が操作されて、前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材が同時に互いに離間するように移動して、前記第1クランプ部と前記第2クランプ部による前記工具本体の挟持が解除されるように構成されていることを特徴とする付加ハンドル。
(態様2)
所定の駆動軸を有する先端工具を駆動して所定の作業を行う作業工具であって、
付加ハンドルが取り外し可能に装着される付加ハンドル装着部と、
前記駆動軸の軸方向に関して、前記付加ハンドル装着部に隣接して形成されたストッパを有し、
前記ストッパが前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材の少なくともいずれか一方と当接して、前記軸方向に関する前記付加ハンドルの前記付加ハンドル装着部に対する相対移動が規制されるように構成されていることを特徴とする作業工具。
【0064】
(本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係)
本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下の通り示す。なお、本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものであり、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
補助ハンドル10が、本発明の「付加ハンドル」に対応する構成の一例である。
第1クランプ部材21が、本発明の「第1クランプ部材」に対応する構成の一例である。
第1係合部22が、本発明の「第1アーム」に対応する構成の一例である。
第2クランプ部材31が、本発明の「第2クランプ部材」に対応する構成の一例である。
第2係合部32が、本発明の「第2アーム」に対応する構成の一例である。
第1雄ネジ部45が、本発明の「第1ネジ部」に対応する構成の一例である。
第2雌ネジ部46が、本発明の「第2ネジ部」に対応する構成の一例である。
第1雌ネジ部23が、本発明の「第3ネジ部」に対応する構成の一例である。
第2雄ネジ部35が、本発明の「第4ネジ部」に対応する構成の一例である。
操作ロッド40が、本発明の「操作部材」に対応する構成の一例である。
ネジ部材42が、本発明の「クランプ部材保持部」に対応する構成の一例である。
グリップ50が、本発明の「把持部」に対応する構成の一例である。
ピン摺動部25が、本発明の「相対回転規制機構」に対応する構成の一例である。
ピン摺動部25が、本発明の「凹部」に対応する構成の一例である。
ピン36が、本発明の「相対回転規制機構」に対応する構成の一例である。
ピン36が、本発明の「凸部」に対応する構成の一例である。
係合凹部24が、本発明の「ハンドル側係合部」に対応する構成の一例である。
係合凹部24が、本発明の「ハンドル側凹部」に対応する構成の一例である。
回転規制部143が、本発明の「本体側係合部」に対応する構成の一例である。
回転規制部143が、本発明の「本体側凸部」に対応する構成の一例である。
スクリュードライバ100が、本発明の「作業工具」に対応する構成の一例である。
補助ハンドル装着部140が、本発明の「付加ハンドル装着部」に対応する構成の一例である。
工具ビット135が、本発明の「先端工具」に対応する構成の一例である。