特許第6158835号(P6158835)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6158835粒子アナライザを用いたサブビジブル粒子の特性評価
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6158835
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】粒子アナライザを用いたサブビジブル粒子の特性評価
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/14 20060101AFI20170626BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20170626BHJP
   G01N 15/00 20060101ALI20170626BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
   G01N15/14 D
   G01N21/64 F
   G01N15/00 C
   G01N33/68
【請求項の数】17
【全頁数】48
(21)【出願番号】特願2014-552349(P2014-552349)
(86)(22)【出願日】2013年1月11日
(65)【公表番号】特表2015-503766(P2015-503766A)
(43)【公表日】2015年2月2日
(86)【国際出願番号】US2013021313
(87)【国際公開番号】WO2013106772
(87)【国際公開日】20130718
【審査請求日】2015年12月18日
(31)【優先権主張番号】61/585,425
(32)【優先日】2012年1月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/747,720
(32)【優先日】2012年12月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515351758
【氏名又は名称】バクスアルタ ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】315010787
【氏名又は名称】バクスアルタ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100122389
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 栄一
(74)【代理人】
【識別番号】100111741
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 夏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100169971
【弁理士】
【氏名又は名称】菊田 尚子
(74)【代理人】
【識別番号】100171505
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 由美
(72)【発明者】
【氏名】マリザウスカス,マンタス
(72)【発明者】
【氏名】ルービッヒ,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】プレンニンガー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ライペルト,ビルギット
【審査官】 土岐 和雅
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−196916(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0311715(US,A1)
【文献】 特開2007−114026(JP,A)
【文献】 特開2007−047154(JP,A)
【文献】 特表2007−505288(JP,A)
【文献】 米国特許第05540494(US,A)
【文献】 特開2009−109197(JP,A)
【文献】 特表2007−533971(JP,A)
【文献】 特表2007−507688(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0002110(US,A1)
【文献】 Henryk Mach et al,,The use of Flow Cytometry for the detection of subvisible particles in therapeutic protein formulations ,Journal of Pharmaceutical science,米国,2011年,Vol.100,No.5,2011,pp1671-1678
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N15/00〜15/14、21/00〜21/74、33/48〜33/98、C12M1/00〜1/42、A61K9/00〜9/72、47/00〜47/69
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法であって、以下のステップ:a)サイズ標準を用いて粒子アナライザをキャリブレートするステップ;
b)サンプルが粒子アナライザの検知ゾーンを通過するときに該サンプルを検査するステップであって、該サンプルは蛍光カウント標準および少なくとも1つの蛍光色素を含み、
ステップb)は、サイズ標準を検査することができ、蛍光カウント標準を検査または励起することができ、かつ少なくとも1つの蛍光色素を検査または励起することができる、1つ以上の波長を含み、
少なくとも1つの蛍光色素は、非タンパク質性物質からタンパク質性物質を区別するようにタンパク質性物質を染色する第1の蛍光色素を含む、上記ステップ;
c)少なくとも1つの光散乱パラメータおよび少なくとも1つの蛍光パラメータからデータを収集するステップであって、
少なくとも1つの光散乱パラメータから収集されたデータは、サイズ標準キャリブレーションに基づいた粒子サイズを表し、
少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいてタンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータ、および蛍光カウント標準から放出された蛍光強度に基づいて粒子数を表す第2の蛍光パラメータを含む、上記ステップ;ならびに
d)タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズを決定するために、粒子サイズ、粒子数、およびタンパク質性物質の存在を規定すべく該データを解析するステップ
を含み、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法。
【請求項2】
テップd)が、すべてのサイズ分けされたサブビジブル粒子の絶対数を、サイズ分けされたタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数だけ減算することによって、サイズ分けされた非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
テップb)では、
少なくとも1つの蛍光色素が、物理的性質を有しないタンパク質性物質から物理的性質を有するタンパク質性物質を区別するようにタンパク質性物質の物理的性質を染色する第2の蛍光色素を含み、かつステップb)が第2の蛍光色素を励起することができる1つ以上の波長を含む;
テップc)では、
データを収集することが、第3の蛍光パラメータからデータを収集することをさらに含み、第3の蛍光パラメータが、第2の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて物理的性質を有するタンパク質性物質の存在を表す;そして
テップd)では、
カウントされ、サイズ分けされた、物理的性質を有するまたは有しないタンパク質性サブビジブル粒子の割合を決定するために、物理的性質の存在を規定すべく該データを解析し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の蛍光色素がスチリル色素、メロシアニン色素、3-(2-ベンゾチアゾリル-7-(ジエチルアミノ)-クマリン(BTDEC)、3-(2-ベンゾイミダゾリル)-7-(ジエチルアミノ)-クマリン(BIDEC)、3-(2-ベンゾイミダゾリル)-7-クマリン(BIC)、3-(2-ベンゾイミダゾリル)-7-(ジプロピルアミノ)-クマリン(BIDPC)、3-(2-ベンゾオキサゾリル)-7-(ジエチルアミノ)-クマリン(BODEC)、3-(6-メチル-2-ベンゾオキサゾリル)-7-(ジエチルアミノ)-クマリン(MBODEC)、3-(ジエチルアミノ)-7-イミノ-7H-(1)ベンゾピラノ(3',2':3,4)ピリド(1,2-a)ベンゾイミダゾール-6-カルボニトリル(DIBPBC)、3-(ジエチルアミノ)-7-オキソ-7H-(1)ベンゾピラノ(3',2':3,4)(DOBPBC)、ジピロメテンボロンジフルオリド、フォトルミネッセンス金属錯体、またはヒドロキシキノロンである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
テップd)が、すべてのサイズ分けされたサブビジブル粒子の絶対数を、サイズ分けされたタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数だけ減算することによって、サイズ分けされた非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数を決定することをさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
サンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法であって、以下のステップ:a)サイズ標準を用いて粒子アナライザをキャリブレートするステップ;
b)サンプルが粒子アナライザの検知ゾーンを通過するときに該サンプルを検査するステップであって、該サンプルは蛍光カウント標準および少なくとも1つの蛍光色素を含み、
ステップb)は、サイズ標準を検査することができ、蛍光カウント標準を検査または励起することができ、かつ少なくとも1つの蛍光色素を検査または励起することができる、1つ以上の波長を含み、
少なくとも1つの蛍光色素は、タンパク質性物質から非タンパク質性物質を区別するように非タンパク質性物質を染色する第1の蛍光色素を含む、上記ステップ;
c)少なくとも1つの光散乱パラメータおよび少なくとも1つの蛍光パラメータからデータを収集するステップであって、
少なくとも1つの光散乱パラメータから収集されたデータは、サイズ標準キャリブレーションに基づいた粒子サイズを表し、
少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて非タンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータ、および蛍光カウント標準から放出された蛍光強度に基づいて粒子数を表す第2の蛍光パラメータを含む、上記ステップ;ならびに
d)非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズを決定するために、粒子サイズ、粒子数、および非タンパク質性物質の存在を規定すべく該データを解析するステップ
を含み、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法。
【請求項7】
テップd)が、すべてのサイズ分けされたサブビジブル粒子の絶対数を、サイズ分けされた非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数だけ減算することによって、サイズ分けされたタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数を決定することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
テップb)では、
少なくとも1つの蛍光色素が、物理的性質を有しない非タンパク質性物質から物理的性質を有する非タンパク質性物質を区別するように非タンパク質性物質の物理的性質を染色する第2の蛍光色素を含み、かつステップb)が第2の蛍光色素を励起することができる1つ以上の波長を含む;
ステップc)では、
データを収集することが、第3の蛍光パラメータからデータを収集することをさらに含み、第3の蛍光パラメータが、第2の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて物理的性質を有する非タンパク質性物質の存在を表す;そして
テップd)では、
カウントされ、サイズ分けされた、物理的性質を有するまたは有しない非タンパク質性サブビジブル粒子の割合を決定するために、物理的性質の存在を規定すべく該データを解析し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する、
請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
第1の蛍光色素または蛍光カウント標準が、約300nm〜約635nmのピーク蛍光励起波長を有し、約350nm〜約800nmのピーク蛍光発光波長を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
第1の蛍光色素が、カルボシアニン親油性色素、親油性アミノスチリル色素、両親媒性スチリル色素、ジアルキルアミノスチリル色素、両親媒性プローブ、非極性プローブ、膜プローブ、または親油性カチオンプローブから選択される親油性の色素である、請求項6〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
物理的性質が、αヘリックス構造、βシート構造もしくはペプチドの切断を含む構造的特徴、またはアシル化、アデニリル化、アルキル化、アミド化、糖化、グリコシル化、グリピエーション(glypiation)、イソプレニル化、ミリストイル化、パルミトイル化、PEG化、リン酸化、プレニル化、硫酸化もしくはユビキチン化を含む化学的修飾である、請求項3または8に記載の方法。
【請求項12】
第2の蛍光色素が、約300nm〜約635nmのピーク蛍光励起波長を有し、約350nm〜約800nmのピーク蛍光発光波長を有する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
サンプルが、医薬活性成分、アジュバント、または賦形剤であるタンパク質性物質を含む医薬製剤である、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
医薬活性成分が、ADAMTS-13、α1-アンチプラスミン、α2-アンチプラスミン、アンチトロンビン、アンチトロンビンIII、癌凝固促進剤、エリスロポエチン、第II因子、第IIa因子、第V因子、第Va因子、第VI因子、第VIa因子、第VII因子、第VIIa因子、第VIII因子、第VIIIa因子、第IX因子、第IXa因子、第X因子、第Xa因子、第XI因子、第XIa因子、第XII因子、第XIIa因子、第XIII因子、第XIIIa因子、フィブロネクチン、フィブリノーゲン(第I因子)、ヘパリンコファクターII、高分子量キニノーゲン(HMWK)、筋注用の免疫グロブリン、静注用の免疫グロブリン、プラスミン、プラスミノーゲン、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(PAI1)、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター2(PAI2)、プレカリクレイン、プロスタサイクリン、プロテインC、活性プロテインC(APC)、プロテインS、プロテインZ、プロテインZ関連プロテアーゼ阻害剤、トロンボモジュリン、組織因子(第III因子)、組織因子経路インヒビター(TFPI)、組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)、ウロキナーゼ、フォン・ヴィレブランド因子、アブシキシマブ、アダリムマブ、アレムツズマブ、バシリキシマブ、ベリムマブ、ベバシズマブ、ブレンツキシマブベドチン、カナキヌマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、ダクリズマブ、デノスマブ、エファリズマブ、エクリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴリムマブ、イブリツモマブチウキセタン、インフリキシマブ、イピリムマブ、モタビズマブ、ムロノマブ、ナタリズマブ、オファツムマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、リツキシマブ、トシリズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、またはウステキヌマブである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
電気的検知パラメータではないデータ収集することをさらに含む、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
電気的検知パラメータがDCインピーダンス、RF伝導度、不透明度、またはこれらの組み合わせである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
第2の蛍光色素が4-(3,6-ジメチル-1,3-ベンゾチアゾール-3-イウム-2-イル)-N,N-ジメチルアニリンクロリド(チオフラビンT)、プリムリン(primuline)ナトリウム(チオフラビンS)、4-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-N-メチルアニリン(BTA-1)、チオフェン系オリゴマーおよびポリマー色素、クマリン、3,3'-メタンジイルビス(4-ヒドロキシ-2H-クロメン-2-オン)(ヒドロキシクマリン)、11-オキソ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H,11H-ピラノ[2,3-f]ピリド[3,2,1-ij]キノリン-10-カルボン酸(クマリン343)、9-メチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H,11H-ピラノ[2,3-f]ピリド[3,2,1-ij]キノリン-11-オン(クマリン102)、2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン、(2E)-2-(2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ピリド[3,2,1-ij]キノリン-9-イルメチリデン)ヒドラジンカルボチオアミド、9-[(E)-フェニルジアゼニル]-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ピリド[3,2,1-ij]キノリン、(2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ピリド[3,2,1-ij]キノリン-9-イルメチリデン)プロパンジニトリル、9-(2,2-ジシアノビニル)ジュロリジン(DCVJ)、(2E)-2-シアノ-3-(2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ピリド[3,2,1-ij]キノリン-9-イル)-プロパ-2-エン酸(CCVJ)、9-(ジエチルアミノ)-5H-ベンゾ[a]フェノキサジン-5-オン(ナイルレッド)、3,3'-([1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイル)ビス(4-アミノナフタレン-1-スルホン酸)(コンゴレッド)、[(trans,trans)-1-ブロモ-2,5-ビス-(3-ヒドロキシカルボニル-4-ヒドロキシ)スチリルベンゼン](BSB)、4-[(E)-2-[2-ブロモ-4-[(E)-2-(4-ヒドロキシフェニル)ビニル]フェニル]ビニル]フェノール(K114)、8-(フェニルアミノ)ナフタレン-1-スルホン酸(ANS)、4,4'-ビス(フェニルアミノ)-1,1'-ビナフタレン-5,5'-ジスルホン酸二カリウム(Bis-ANS)、ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、3-(4-アニリノフェニルアゾ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(Orange IV)、1,6-ジフェニル-1,3,5-ヘキサトリエン(DPH)、1-(4-トリメチルアンモニウムフェニル)-6-フェニル-1,3,5-ヘキサトリエンp-トルエンスルホネート(TMA-DPH)、または4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール二塩酸塩(DAPI)である、請求項3、8または12のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
序言
本出願は、35 U.S.C. § 119(e)に従って、2012年12月31日に出願された米国特許仮出願第61/747,720号および2012年1月11日に出願された米国特許仮出願第61/585,425号に対する優先権を主張するものであり、これらの仮出願のそれぞれの内容はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
治療用タンパク質製品は、多くのヒト疾患および医学的症状のためのユニークで効果的な治療を提供する。多くの場合、こうした治療は、疾患の進行を遅らせるため、罹患率を低下させるため、および/または個体において内因的に産生されない必須のタンパク質を補うために、長期的に使用される。タンパク質に基づく治療の有効性を低減または消失させる要因は、患者の苦痛に、いや死にさえも、つながることがある。治療用タンパク質の有効性を損なうことがある一つの方法は、免疫反応によるものであり、これは結果的に、抗体によって媒介されるタンパク質活性の中和またはバイオアベイラビリティの変化をもたらす。例えば、血友病Aの処置の場合には、第VIII因子に対する中和抗体が生命を脅かす出血症状を引き起こす可能性があり、その結果、重大な病的状態になり、かつ免疫を無効にする長期間の免疫寛容誘導療法による治療が必要になる。他の場合では、外因性タンパク質ベースの治療によって誘導された抗体は、患者の内因性タンパク質と交差反応して、それを中和する可能性がある。内因性タンパク質が非重複の生物学的機能を果たしている場合、このような免疫応答は壊滅的な結果を招くことがある。例えば、赤芽球癆(pure red cell aplasia)はエポエチンアルファに対する中和抗体に起因しうる。治療用タンパク質製品中に存在するタンパク質凝集体は、免疫応答を惹起することによって免疫原性を高めることができると推定されている。それゆえに、タンパク質凝集体は臨床成績にマイナスの影響を与える可能性がある。したがって、タンパク質凝集体は、製品の特性・品質保証プログラムの一環として特性評価される必要がある。
【0003】
タンパク質は通常、天然状態の分子集合体の一部であり得る、部分的にアンフォールディングした分子から集合する。製品の製剤が、天然状態で存在するタンパク質分子の割合を最大にしかつ維持するように開発されているとしても、かなりの量の凝集体が、特に薬学的に関連する時間スケールにわたって、ストレス条件下で、形成する可能性がある。例えば、界面(例えば、気-液および固-液)、光、温度の変動または少量の不純物への曝露は、凝集を誘導する可能性がある。このような曝露は、処理ステップの間に発生するだけでなく、貯蔵、輸送および取扱い中に最終製品の容器内でも起こり得る。また、タンパク質凝集体は、タンパク質のみから、または、例えば充填ポンプもしくは製品容器/クロージャから脱落する、異物マイクロ-および/またはナノ粒子上での不均一な核形成から、生成されることがある。さらに、タンパク質凝集体のレベルおよびサイズは、治療用タンパク質の商業生産に関連する多くの要因によって変化しうる。こうした要因には、商業生産へのスケールアップの際の充填ポンプのタイプの変更、製剤または容器/クロージャの変更、さらには充填ポンプの機械的パラメータの変化やその他の予期せぬ要因といった製造工程での意図的でない変化が含まれる。
【0004】
大きなタンパク質凝集体は、各凝集体サイズの質量百分率に基づいて定量化することができ、通常は、可溶性または不溶性に分類される。凝集体中のタンパク質の量と単量体タンパク質の損失の間にはマスバランス(mass balance)が存在する。しかし、より小さなタンパク質凝集体は通常、凝集体の質量または単量体タンパク質の損失に基づいて定量化されるべきタンパク質母集団の十分な質量分率を構成しない。典型的には、これらのより小さな凝集体は、所定のサイズ範囲内の粒子の数をカウントすることによって定量化される。第一近似として、粒子は可視粒子(visible particles)とサブビジブル粒子(subvisible particles)に分割される。粒子が人間の目に見えるようになるときの厳密なサイズ制限を割り当てることはできないが、一般的に、サイズが100〜200μmを超える粒子は、適切な試験条件下では、比較的高い確率で検出されることが認識されている。サブビジブル粒子は通常、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)による分析には大きすぎるが、肉眼では見えないほどに小さい粒子として定義される。
【0005】
タンパク質凝集体は潜在的に免疫原性であるにもかかわらず、現在の米国薬局方(USP)の微粒子試験は、治療用タンパク質製品中のタンパク質凝集体の存在をモニタリングまたは評価するようには設計されていない。例えば、ナノ粒子トラッキング解析(NTA)、フロー顕微鏡法、電気泳動光散乱(ELS)、光オブスキュレーションおよびエレクトロスプレー微分型移動度分析(ES-DMA)(気相電気泳動移動度分子解析(GEMMA)としても知られる)などの方法は、検出されたサブビジブル粒子を、それらの性質(例えば、タンパク質性対非タンパク質性)、組成、構造特性、化学的性質、量、および/またはサイズに関して特性評価することができない。したがって、タンパク質凝集体の特性を評価することができる解析方法が必要とされている。このような方法は、適切な品質管理を確立するために、および/または潜在的にタンパク質凝集体に起因する製品品質へのリスクを評価しかつ軽減するために重要である。
【発明の概要】
【0006】
概要
本明細書は、サブビジブル粒子を同時に検出し、計数し、かつ特性評価するための方法を提供する。他の方法とは異なり、ここに開示される方法は、検出されたサブビジブル粒子の本質(例えば、タンパク質性対非タンパク質性)、組成、性質(例えば、構造的、機能的または化学的性質)、量、およびサイズに関する情報を提供する。これは、一部には、1μm以下のサブビジブル粒子を検出する蛍光色素の使用によって達成される。この検出は、バックグラウンドノイズからのこのようなサブビジブル粒子の識別を可能にするだけでなく、非タンパク質性サブビジブル粒子からのタンパク質性サブビジブル粒子の区別、およびタンパク質性サブビジブル粒子における特定の組成もしくは性質の存在(もしくは非存在)の識別を可能にする。さらに、開示された方法は、バルクサンプルを分析しながら、個々の粒子の特性評価を可能にする。
【0007】
かくして、本明細書の態様は、粒子アナライザを用いてサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法を開示する。いくつかの態様において、前記方法は、以下のステップ:a)サイズ標準を用いて粒子アナライザをキャリブレートするステップ;b)サンプルが粒子アナライザの検知ゾーンを通過するときに該サンプルをインテロゲートするステップであって、該サンプルは蛍光カウント標準および少なくとも1つの蛍光色素を含み、ここで、該インテロゲーションは、サイズ標準によって散乱され得る、蛍光カウント標準によって散乱され得るかまたはそれを励起することができる、および少なくとも1つの蛍光色素によって散乱され得るかまたはそれを励起することができる、1つ以上の波長の光を含み、ここで、少なくとも1つの蛍光色素は、非タンパク質性物質からタンパク質性物質を区別するようにタンパク質性物質を染色する第1の蛍光色素、および物理的性質を有しないタンパク質性物質から物理的性質を有するタンパク質性物質を区別するようにタンパク質性物質の物理的性質を染色する第2の蛍光色素を含む、上記ステップ;c)少なくとも1つの光散乱パラメータおよび少なくとも1つの蛍光パラメータからデータを収集するステップであって、ここで、少なくとも1つの光散乱パラメータから収集されたデータは、サイズ標準キャリブレーションに基づいた粒子サイズを表し、ここで、少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいてタンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータ、蛍光カウント標準から放出された蛍光強度に基づいて粒子数を表す第2の蛍光パラメータ、および第2の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて物理的性質を有するタンパク質性物質の存在を表す第3の蛍光パラメータを含む、上記ステップ;ならびにd)物理的性質を有するおよび有しないタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズを決定するために、粒子サイズ、粒子数、タンパク質性物質の存在、および物理的性質の存在を規定すべく該データを解析するステップを含み、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する。他の態様では、非タンパク質性物質の絶対数、サイズおよび存在、ならびに物理的性質を有するおよび有しない非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数、サイズおよび存在が、サンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価するために解析される。
【0008】
本明細書の他の態様は、粒子アナライザを用いてサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法を開示し、前記方法は、以下のステップ:a)サイズ標準を用いて粒子アナライザをキャリブレートするステップ;b)サンプルが粒子アナライザの検知ゾーンを通過するときに該サンプルをインテロゲートするステップであって、該サンプルは蛍光カウント標準および少なくとも1つの蛍光色素を含み、ここで、該インテロゲーションは、サイズ標準によって散乱され得る、蛍光カウント標準によって散乱され得るかまたはそれを励起することができる、および少なくとも1つの蛍光色素によって散乱され得るかまたはそれを励起することができる、1つ以上の波長の光を含み、ここで、少なくとも1つの蛍光色素は、非タンパク質性粒子からタンパク質性粒子を区別するようにタンパク質性物質を染色する第1の蛍光色素を含む、上記ステップ;c)少なくとも1つの光散乱パラメータおよび少なくとも1つの蛍光パラメータからデータを収集するステップであって、ここで、少なくとも1つの光散乱パラメータから収集されたデータは、サイズ標準キャリブレーションに基づいた粒子サイズを表し、ここで、少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいてタンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータ、および蛍光カウント標準から放出された蛍光強度に基づいて粒子数を表す第2の蛍光パラメータを含む、上記ステップ;ならびにd)タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズを決定するために、粒子サイズ、粒子数、およびタンパク質性物質の存在を規定すべく該データを解析するステップを含み、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する。データ解析ステップはさらに、すべてのサイズ分けされた(sized)サブビジブル粒子の絶対数を、サイズ分けされたタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数だけ減算することによって、サイズ分けされた非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数を決定することを含み得る。他の態様では、非タンパク質性物質の絶対数、サイズおよび存在が、サンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価するために解析される。
【0009】
さらに、前記方法は以下を含むことができる:1)サンプルをインテロゲートするステップにおいて、少なくとも1つの蛍光色素は、物理的性質を有しないタンパク質性粒子から物理的性質を有するタンパク質性粒子を区別するようにタンパク質性物質の物理的性質を染色する第2の蛍光色素を含み、かつ該インテロゲーションは第2の蛍光色素を励起することができる1つ以上の波長を含むこと;2)データを収集するステップにおいて、データを収集することはさらに、第3の蛍光パラメータからデータを収集することを含み、第3の蛍光パラメータは、第2の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて物理的性質を有するタンパク質性物質の存在を表すこと;および3)データ解析ステップにおいて、カウントされ、サイズ分けされた、物理的性質を有するまたは有しないタンパク質性サブビジブル粒子の割合を決定するために、物理的性質の存在を規定すべく該データを解析し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価すること。他の態様では、物理的性質を有するおよび有しない非タンパク質性不可視物質の絶対数、サイズおよび存在が、サンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価するために解析される。
【0010】
本明細書のさらに他の態様は、粒子アナライザを用いてサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法を開示し、前記方法は、以下のステップ:a)サイズ標準を用いて粒子アナライザをキャリブレートするステップ;b)サンプルが粒子アナライザの検知ゾーンを通過するときに該サンプルをインテロゲートするステップであって、該サンプルは少なくとも1つの蛍光色素を含み、ここで、該インテロゲーションは、サイズ標準によって散乱され、かつ少なくとも1つの蛍光色素を励起することができる、1つ以上の波長の光を含み、ここで、少なくとも1つの蛍光色素は、非タンパク質性粒子からタンパク質性粒子を区別するようにタンパク質性物質を染色する第1の蛍光色素を含む、上記ステップ;c)少なくとも1つの光散乱パラメータおよび少なくとも1つの蛍光パラメータからデータを収集するステップであって、ここで、少なくとも1つの光散乱パラメータから収集されたデータは、サイズ標準キャリブレーションに基づいた粒子サイズを表し、ここで、少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいてタンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータを含む、上記ステップ;ならびにd)タンパク質性サブビジブル粒子のサイズおよび存在を決定するために、粒子サイズおよびタンパク質性物質の存在を規定すべく該データを解析するステップを含み、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する。他の態様では、非タンパク質性物質のサイズおよび存在が、サンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価するために解析される。
【0011】
さらに、前記方法は以下を含むことができる:1)サンプルをインテロゲートするステップにおいて、該サンプルは蛍光カウント標準をさらに含み、かつ該インテロゲーションは蛍光カウント標準をインテロゲートまたは励起することができる1つ以上の波長を含むこと;2)データを収集するステップにおいて、少なくとも1つの蛍光パラメータは、蛍光カウント標準から放出された蛍光強度に基づいて粒子数を表す第2の蛍光パラメータを含むこと;および3)データ解析ステップにおいて、サイズ分けされたタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数を決定するために、粒子数を規定すべく該データを解析し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価すること。他の態様では、非タンパク質性物質の絶対数が、サンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価するために解析される。
【0012】
その上、前記方法は以下をさらに含むことができる:1)サンプルをインテロゲートするステップにおいて、少なくとも1つの蛍光色素は、物理的性質を有しないタンパク質性物質から物理的性質を有するタンパク質性物質を区別するようにタンパク質性物質の物理的性質を染色する第2の蛍光色素を含み、かつ該インテロゲーションは第2の蛍光色素を励起することができる1つ以上の波長を含むこと;2)データを収集するステップにおいて、データを収集することはさらに、第3の蛍光パラメータからデータを収集することを含み、第3の蛍光パラメータは、第2の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて物理的性質を有するタンパク質性物質の存在を表すこと;および3)データ解析ステップでは、カウントされ、サイズ分けされた、物理的性質を有するまたは有しないタンパク質性サブビジブル粒子の割合を決定するために、物理的性質の存在を規定すべく該データを解析し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価すること。他の態様では、物理的性質を有するおよび有しない非タンパク質性不可視物質の絶対数、サイズおよび存在が、サンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価するために解析される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、前方光散乱および側方光散乱パラメータから作成された、粒子サイズ(A)およびサイズ分布範囲(B)を表すデータを示す。図1Bにおいて、異なるタイプの網掛けで描かれた領域は、約0.75μm未満、約0.75μm〜約1.0μm、約1.0μm〜約2.0μm、約2.0μm〜約4.5μm、約4.5μm〜約6.0μm、約6.0μm〜約10μm、および約10μm超の粒子サイズを表す。
図2図2は、各サイズ標準ビーズのピーク最大値と軸の終端との間にゲートを設定して作成された、粒子サイズ(A)およびサイズ分布範囲(B)を表すデータを示す。図2Bにおいて、トレースは、約0.75μm〜約10μm未満、約1.0μm〜約10μm未満、約2.0μm〜約10μm未満、約4.5μm〜約10μm未満、約6.0μm〜約10μm未満、および約10μm超の粒子サイズを表す。
図3A図3は、前方光散乱および側方光散乱パラメータから作成された、タンパク質性サブビジブル粒子のサイズ分布範囲(A)および各分布範囲内の粒子カウント数(B)を表すデータを示す。
図3B図3は、前方光散乱および側方光散乱パラメータから作成された、タンパク質性サブビジブル粒子のサイズ分布範囲(A)および各分布範囲内の粒子カウント数(B)を表すデータを示す。
図3C図3はまた、対照サンプル(D-PBS)と試験サンプル(Abeta 1-42原線維)の両方からのサイズ分布範囲に対してのタンパク質性サブビジブル粒子の数の棒グラフ(C)を示す。
図4A図4は、前方光散乱および側方光散乱パラメータから作成された、非タンパク質性サブビジブル粒子のサイズ分布範囲(A)およびタンパク質性サブビジブル粒子のサイズ分布範囲(B)を表すデータを示す。
図4B図4は、前方光散乱および側方光散乱パラメータから作成された、非タンパク質性サブビジブル粒子のサイズ分布範囲(A)およびタンパク質性サブビジブル粒子のサイズ分布範囲(B)を表すデータを示す。
図4C図4はまた、SYPRO(商標)オレンジ(SO)染色による蛍光強度に基づいて、タンパク質性(SO+)および非タンパク質性サブビジブル粒子(SO-)が互いに区別され得る(C)、または互いに定性的に比較され得る(D)ことを示しているデータを示す。
図4D図4はまた、SYPRO(商標)オレンジ(SO)染色による蛍光強度に基づいて、タンパク質性(SO+)および非タンパク質性サブビジブル粒子(SO-)が互いに区別され得る(C)、または互いに定性的に比較され得る(D)ことを示しているデータを示す。
図4E図4はさらに、タンパク質性(SO+)および非タンパク質性サブビジブル粒子(SO-)が区別され、かつ互いに定量的に比較され得ることを示しているデータを示す(E)。
図5A図5は、SYPRO(商標)オレンジ(SO)染色による蛍光強度に基づいて、タンパク質性サブビジブル粒子(SO+)および非タンパク質性サブビジブル粒子(SO-)が互いに区別され得ることを示しているデータを示す(A)。
図5B図5はまた、チオフラビンT(ThT)染色による蛍光強度に基づいて、βシート構造を有するタンパク質性サブビジブル粒子(ThT+)およびこのような構造を欠くタンパク質性サブビジブル粒子(ThT-)が互いに区別され得ることを示しているデータを示す(B)。
図5C図5はまた、収集されたデータが、サンプル中の粒子の全集団からβシート構造を有するタンパク質性サブビジブル粒子を識別することができることを示す(C)。
図5D図5はさらに、各粒子のサイズ分布範囲に基づいて分類された、総サブビジブル粒子(総イベント)、タンパク質性サブビジブル粒子(SO+)、非タンパク質性サブビジブル粒子(SO-)、およびβシート構造を有するタンパク質性サブビジブル粒子(SO+ ThT+)の絶対数を示している棒グラフを示す(D)。
図6A図6は、タンパク質性サブビジブル粒子(タンパク質)と非タンパク質性サブビジブル粒子(非タンパク質)とを、ならびにタンパク質性サブビジブル粒子の性質の存在(性質+)または非存在(性質-)を、1つのサンプルにおいて同時に区別するために使用されるゲーティング戦略を示す(A)。
図6B図6はまた、前方散乱光に対する側方散乱光のプロットが、サンプル内のサブビジブル粒子を検出するデータを生成するために最初に使用されること(B)、およびBis-ANS検出(タンパク質特異的色素)がタンパク質性および非タンパク質性サブビジブル粒子を区別するために前方散乱光に対してプロットされること(C)を示す。
図6C図6はまた、前方散乱光に対する側方散乱光のプロットが、サンプル内のサブビジブル粒子を検出するデータを生成するために最初に使用されること(B)、およびBis-ANS検出(タンパク質特異的色素)がタンパク質性および非タンパク質性サブビジブル粒子を区別するために前方散乱光に対してプロットされること(C)を示す。
図6D図6はまた、タンパク質性サブビジブル粒子が前方散乱光に対してプロットされた9-(2,2-ジシアノビニル)ジュロリジン(DCVJ)を用いてさらに特性評価されたこと(D);DCVJはクロスβ構造と特異的に結合し、かつアミロイド様タンパク質性サブビジブル粒子の識別を可能にする。
図6E図6はまた、タンパク質性および非タンパク質性サブビジブル粒子のバックゲーティング解析を示す(E)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
本明細書の態様は、一部には、サンプルを開示する。サンプルは、例えば医薬製剤などの、試験サンプルを含みうる。医薬製剤はタンパク質性物質を含むことができる。タンパク質性物質は化学的に合成されてもよいし、組換えにより生産されてもよいし、天然源から精製されてもよい。タンパク質性物質は、医薬製剤の活性医薬成分、および/または医薬製剤中で使用されるアジュバント、担体、および/または賦形剤であり得る。
【0015】
活性医薬成分は、薬物製品の製造に使用することが意図される任意の物質または物質の混合物を指すことができ、薬物の生産に使用される場合、それは薬物製品中の活性成分となる。このような物質は、疾患の診断、治療、緩和、処置もしくは予防において薬理学的活性または他の直接的な効果を与えること、あるいは身体の構造および機能に影響を与えることを意図したものである。活性医薬成分としては、限定するものではないが、抗体、酵素、毒素、または個体に投与したときに有益な効果を奏するように設計された任意の他のポリペプチドもしくはペプチド模倣物を挙げることができる。賦形剤としては、限定するものではないが、アルブミンを挙げることができる。
【0016】
抗体は、特定の抗原に応答して免疫系によって生成された、その抗原に特異的に結合する分子を指し、天然の抗体と非天然の抗体の両方を含む。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、二量体、多量体、多重特異性抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、二価抗体、Ig受容体のような細胞結合型抗体、線状抗体、ダイアボディ、またはミニボディ(ただし、該フラグメントは所望の生物学的活性を示す)、およびその一本鎖誘導体とすることができる。抗体は、VHおよびVLドメイン、ならびに軽鎖定常ドメイン(CL)および重鎖定常ドメインCH1、CH2およびCH3を含む完全長免疫グロブリン分子、または完全長免疫グロブリン分子の免疫学的活性フラグメント、例えばFabフラグメント、F(ab')2フラグメント、Fcフラグメント、Fdフラグメント、Fvフラグメントであり得る。抗体は、任意の脊椎動物種(例えば、ヒト、ヤギ、ウマ、ロバ、マウス、ラット、ウサギ、またはニワトリ)に由来することができ、任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgDおよびIgA)、クラス(例えば、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM)またはサブクラス(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)のものであり得る。現在、食品医薬品局(FDA)によって承認された、30以上の抗体ベースの治療薬が存在している。これらには以下が含まれる:アブシキシマブ、アダリムマブ、アレムツズマブ、バシリキシマブ、ベリムマブ、ベバシズマブ、ブレンツキシマブベドチン、カナキヌマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、ダクリズマブ、デノスマブ、エファリズマブ、エクリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴリムマブ、イブリツモマブチウキセタン、インフリキシマブ、イピリムマブ、モタビズマブ、ムロノマブ(Muronomab)、ナタリズマブ、オファツムマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、リツキシマブ、トシリズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、およびウステキヌマブ。
【0017】
一実施形態では、活性医薬成分として細胞毒素または非細胞毒素のような毒素が挙げられる。細胞毒素は、例えば壊死またはアポトーシスなどの、細胞に対する毒性(または致死性)作用を有する物質であるのに対し、非細胞毒素は、例えばエンドサイトーシス、エキソサイトーシス、細胞質分裂、核分裂の阻害などの、細胞に対する非毒性(非致死性)作用を有する物質である。細胞毒素の非限定的な例としては、毒液(venom)、例えばヘビ毒および貝毒など、植物毒素、例えばリシンおよびアブリンなど、細菌毒素、例えばジフテリア毒素およびシュードモナス外毒素など、ならびにウイルス毒素、例えば志賀毒素など、が挙げられる。非細胞毒素の非限定的な例としては、クロストリジウム毒素、例えばボツリヌス菌(C. botulinum)毒素、C.バラチ(C. baratii)毒素、C.ブチリカム(C. butyricum)毒素、および破傷風菌(C. tetani)などが挙げられる。
【0018】
一実施形態では、活性医薬成分として、血液凝固タンパク質(その不活性型と活性型の両方を含む)などの血液タンパク質が挙げられる。血液タンパク質の非限定的な例としては、以下が挙げられる:ADAMTS-13、α1-アンチプラスミン、α2-アンチプラスミン、アンチトロンビン、アンチトロンビンIII、癌凝固促進剤(cancer procoagulant)、エリスロポエチン、第II因子、第IIa因子、第V因子、第Va因子、第VI因子、第VIa因子、第VII因子、第VIIa因子、第VIII因子、第VIIIa因子、第IX因子、第IXa因子、第X因子、第Xa因子、第XI因子、第XIa因子、第XII因子、第XIIa因子、第XIII因子、第XIIIa因子、フィブロネクチン、フィブリノーゲン(第I因子)、ヘパリンコファクターII、高分子量キニノーゲン(HMWK)、筋注用の免疫グロブリン、静注用の免疫グロブリン、プラスミン、プラスミノーゲン、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(PAI1)、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター2(PAI2)、プレカリクレイン、プロスタサイクリン、プロテインC、活性プロテインC(APC)、プロテインS、プロテインZ、プロテインZ関連プロテアーゼ阻害剤、トロンボモジュリン、組織因子(第III因子)、組織因子経路インヒビター(TFPI)、組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)、ウロキナーゼ、およびフォン・ヴィレブランド因子。
【0019】
一実施形態では、活性医薬成分としてインスリンが挙げられる。
【0020】
サンプルはまた、本明細書に開示されるカウント標準、本明細書に開示される少なくとも1つの蛍光色素、またはカウント標準と少なくとも1つの蛍光色素の両方を含むことができる。
【0021】
サンプルは対照サンプルを含むことができる。対照サンプルは、外来のサブビジブル粒子、例えばダスト粒子、ガラス粒子、浸出性粒子、および/またはオイル粒子など、の存在を評価するために使用することができる。この対照サンプルから収集されたデータは、その後、試験サンプルのデータから減算され得る。
【0022】
本明細書は、一部には、サブビジブル粒子の集団を開示する。サブビジブル粒子は、目視検査で観察することができない、気泡以外の不溶解粒状物質である。粒子が人間の目に見えるようになるときの厳密なサイズ制限を指定することはできないが、一般的に、サイズが100〜200μmを超える粒子は、適切な試験条件下では、比較的高い確率で検出されることが認識されている。こうして、サブビジブル粒子のサイズは200μm以下とすることができる。サブビジブル粒子はさまざまな起源を有する。それらは、純粋なタンパク質凝集体;ガラス粒子;タングステン、シリコンオイル、金属のような浸出性粒子;さらに、これらの浸出性粒子とタンパク質およびタンパク質凝集体との複合体であり得る。かくして、サブビジブル粒子はタンパク質性、非タンパク質性、またはその両方であってよい。
【0023】
この実施形態の態様では、本明細書に開示された方法は、サイズが、例えば200μm以下、150μm以下、100μm以下、75μm以下、50μm以下、25μm以下、10μm以下、7.5μm以下、5μm以下、2.5μm以下、1μm以下、0.75μm以下、0.5μm以下、または0.1μm以下であるサブビジブル粒子を特性評価することができる。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示された方法は、例えば約0.05μm〜約200μm、約0.05μm〜約150μm、約0.05μm〜約100μm、約0.05μm〜約75μm、約0.05μm〜約50μm、約0.05μm〜約20μm、約0.1μm〜約200μm、約0.1μm〜約150μm、約0.1μm〜約100μm、約0.1μm〜約75μm、約0.1μm〜約50μm、または約0.1μm〜約20μmのサイズを有するサブビジブル粒子を特性評価することができる。
【0024】
タンパク質性のサブビジブル粒子は、数千から数百万のタンパク質分子を含有する比較的大きな集合体であり得る。この実施形態の態様では、本明細書に開示された方法は、サイズが、例えば200μm以下、150μm以下、100μm以下、75μm以下、50μm以下、25μm以下、10μm以下、7.5μm以下、5μm以下、2.5μm以下、1μm以下、0.75μm以下、0.5μm以下、または0.1μm以下であるタンパク質性サブビジブル粒子を特性評価することができる。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示された方法は、例えば約0.05μm〜約200μm、約0.05μm〜約150μm、約0.05μm〜約100μm、約0.05μm〜約75μm、約0.05μm〜約50μm、約0.05μm〜約20μm、約0.1μm〜約200μm、約0.1μm〜約150μm、約0.1μm〜約100μm、約0.1μm〜約75μm、約0.1μm〜約50μm、または約0.1μm〜約20μmのサイズを有するタンパク質性サブビジブル粒子を特性評価することができる。
【0025】
非タンパク質性のサブビジブル粒子は、無機または有機物質であってよく、限定するものではないが、ガラス粒子、金属粒子、およびオイルが含まれる。この実施形態の態様では、本明細書に開示された方法は、サイズが、例えば200μm以下、150μm以下、100μm以下、75μm以下、50μm以下、25μm以下、10μm以下、7.5μm以下、5μm以下、2.5μm以下、1μm以下、0.75μm以下、0.5μm以下、または0.1μm以下である非タンパク質性サブビジブル粒子を特性評価することができる。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示された方法は、例えば約0.05μm〜約200μm、約0.05μm〜約150μm、約0.05μm〜約100μm、約0.05μm〜約75μm、約0.05μm〜約50μm、約0.05μm〜約20μm、約0.1μm〜約200μm、約0.1μm〜約150μm、約0.1μm〜約100μm、約0.1μm〜約75μm、約0.1μm〜約50μm、または約0.1μm〜約20μmのサイズを有する非タンパク質性サブビジブル粒子を特性評価することができる。
【0026】
本明細書は、一部には、粒子アナライザを開示する。粒子アナライザにはフローサイトメーターが含まれる。フローサイトメトリーは、約0.02μm〜約100μmの範囲の粒子についての特定のマルチパラメータのデータセットを作成するために、粒子からの光散乱と蛍光色素分子からの発光を組み合わせることができる。フローサイトメトリーの1つのユニークな特徴は、それが毎秒何千もの個々の粒子の光散乱および蛍光放射特性を測定できることである。サンプルはフローチャンバに注入され、そこで粒子は、流体流の中心に1列に粒子を導く流体のシースに流体力学的に絞り込まれる。次いで各粒子は検知ゾーンを通過し、該ゾーンでは最適に収束された光源が粒子をインテロゲートする。フローサイトメトリーの光源としては、レーザーが最も頻繁に使用される。光源が通過中の粒子をインテロゲートするとき、その粒子は光を散乱し、蛍光特性を有する場合には、その粒子はまた、より高いエネルギー状態に励起されて、特定のスペクトル特性を有する光子としてエネルギーを放出することができる。
【0027】
粒子のフローサイトメトリー解析は、光散乱、光吸収、および蛍光強度に対応するマルチパラメータのデータをもたらす。標準的なフローサイトメーターは一般的に、光散乱(LS)を前方光散乱(FLS)、側方光散乱(SLS)および逆光散乱(RLS)として区別して、4種類までの蛍光強度放射(FL1〜FL4)を検出することができる。各粒子からの散乱光および放射光パラメータは、光検出器により電気パルスに変換される。コリメート(平行光波形)光が粒子と光源の交点に焦点を合わせた共焦点レンズによって拾い上げられる。光は、光学フィルターを用いて異なる検出器に送られる。フローサイトメトリーに用いられる検出器の最も一般的なタイプは、光電子増倍管(PMT)である。PMTで検出された光から発する電気パルスはその後、一連の線形および対数増幅器によって処理される。ほとんどの場合には、蛍光強度を測定するために対数増幅が使用される。このタイプの増幅は、弱いシグナルのスケールを拡大し、かつ「強い」または特定の蛍光シグナルのスケールを圧縮する。異なるシグナルまたはパルスが増幅された後、それらは、その後にイベントをグラフィカルスケールでプロットすることを可能にするアナログ-デジタルコンバータ(ADC)によって処理される。典型的なスケールには、1パラメータヒストグラムおよび2パラメータヒストグラムが含まれる。
【0028】
フローサイトメトリーのデータ出力は、コンピュータファイルの形式で保存される。1つのサンプルに対応するデータは、リストモードファイルおよび/またはヒストグラムファイルとして保存することができる。リストモードファイルは、ユーザー定義の捕捉プロトコル(acquisition protocol)によって指定されるように、収集されたすべてのパラメータに対応するすべてのイベントの完全なリストを含む。捕捉プロトコルは、どの特定のパラメータ(例えば、光散乱および/または蛍光)を収集するのか、およびこれらの収集されたパラメータをどのように表示するのか、を定義するテンプレートとしての役割を果たす。さらに、捕捉プロトコルは、データのゲーティング方法を決定するのに役立ち、また、統計を引き出すことが可能なすべての領域を含む。加えて、プロトコルは、コンピュータワークステーションとサイトメーターの間の直接のインタフェースとして機能する他の特定の情報を含み、例えば、PMT検出器の高電圧設定、線形パラメータの増幅率、サンプル流量、蛍光補正、および識別設定に関する情報を含む。
【0029】
ヒストグラムファイルは、1パラメータまたは2パラメータファイルの形式であり得る。ヒストグラムファイルは、捕捉プロトコルで指定されたグラフィック表示に対応したイベントのリストで構成される。1パラメータヒストグラムは、y軸上の細胞数とx軸上の測定パラメータのグラフである。2パラメータヒストグラムは、x軸とy軸上に2つの測定パラメータ、および密度勾配上に細胞カウント数の高さを表すグラフである。これは地形図に似ている。粒子カウント数は、ドット密度によって、または等高線図によって示される。
【0030】
フローサイトメトリーのマルチパラメータデータを用いて細胞を分離するプロセスは、ソーティングと呼ばれている。細胞ソーティングが可能なフローサイトメーターは、以下を含むことができる:単一の粒子をカプセル化する個々の液滴への流体シースの破断を可能にする調整可能なトランスデューサ、個々の液滴を帯電するための帯電ディレイ、個別に帯電した液滴をコレクションチューブに偏向するための偏向板、およびソーティング基準(これらはソーティングすべき集団を特定する領域を含む)を定義するためのソフトウェア設定。
【0031】
本明細書は、一部には、サイズ標準を用いて粒子アナライザをキャリブレートすることを開示する。サイズ標準は、1以上の既知サイズ(各サイズは平均直径を有する)の粒子のキャリブレートされた浮遊液を含む。サイズ標準は、サンプル中に存在するサブビジブル粒子のサイズ分け(sizing)を可能にするサイズ分布範囲を定めるために使用される。特定のサイズを表す粒子は、どのような規則的(幾何学的)または不規則な形状であってもよく、どのような材料でできていてもよく、蛍光または非蛍光であってもよい。サイズ標準に存在する平均粒子径は、限定するものではないが、0.5μm、1.0μm、2.0μm、4.0μm、6μm、10μm、15μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、125μm、150μm、175μm、200μm、またはこれらの任意の組み合わせ、およびこれらの値のいずれかとの間に見られる任意の範囲にある粒子径を含む。サイズ標準の非限定的な例としては、以下が挙げられる:Fluoresbright Size Calibration Kit IおよびII (Polysciences社, Warrington, PA)、Flow Cytometry Size Calibration Kit (Invitrogen社, Carlsbad, CA)、ChromoSphere-T Certified Size Standards (Thermo Fisher Scientific社, Waltham, MA)、3000 Series Nanosphere (Thermo Fisher Scientific社, Waltham, MA)、8000 Series Silica Particle Size Standards (Thermo Fisher Scientific社, Waltham, MA)、およびSize Calibration Standards Kit (Bangs Laboratories社, Fishers, IN)。
【0032】
粒子アナライザは、本明細書に開示されたサイズ標準を含むサンプルを流し、光散乱パラメータを収集することによってキャリブレートすることができる。光電子増倍管(PMT)の電圧は、サイズ情報を収集するために調整可能である。例えば、PMT電圧を増加させると、より小さいサイズの検出が可能になる。サイズの上限は、一般的に、粒子アナライザで使用されるチューブの直径に依存し、したがって変化しうる。この実施形態の態様では、サイズの上限は、例えば、150μm、175μm、200μm、225μm、250μm、275μm、または300μmであり得る。光散乱データは粒子サイズに基づいて収集され、これらのデータは、規定されたサイズ分布範囲のゲートを設定するために、ゲーティング・データベースを作成すべく使用される。この実施形態の一態様では、サイズ分布範囲は、例えば、150μm以下、175μm以下、200μm以下、225μm以下、250μm以下、275μm以下、または300μm以下である、粒子のためのものである。
【0033】
別の態様では、サイズ分布範囲は、例えば、0.75μm未満、0.75〜1μm、1〜2μm、2〜4μm、4〜6μm、6〜8μm、8〜10μm、10〜20μm、20〜30μm、30〜40μm、40〜50μm、50〜60μm、60〜70μm、70〜80μm、80〜90μm、90〜100μm、100〜150μm、またはこれらの任意の組み合わせである。さらに別の態様では、サイズ分布範囲は、例えば、0.10〜0.25μm、0.25〜0.50μm、0.50〜0.75μm、0.75〜1μm、1〜2μm、2〜4μm、4〜6μm、6〜8μm、8〜10μm、10〜20μm、20〜30μm、30〜40μm、40〜50μm、50〜60μm、60〜70μm、70〜80μm、80〜90μm、90〜100μm、100〜150μm、またはこれらの任意の組み合わせである。別の態様では、サイズ分布範囲は、例えば、0.75μm未満、0.75〜1μm、1〜2μm、2〜4.5μm、4.5〜6μm、6〜10μm、10μm超、またはこれらの任意の組み合わせである。さらに別の態様では、サイズ分布範囲は、例えば、0.10未満〜0.25μm、0.25〜0.50μm、0.50〜0.75μm、0.75〜1μm、1〜2μm、2〜4.5μm、4.5〜6μm、6〜10μm、10μm超、またはこれらの任意の組み合わせである。このゲーティング・データベースは、試験サンプルのその後の解析のために粒子アナライザに保存することができる。
【0034】
本明細書は、一部には、サンプルが粒子アナライザの検知ゾーンを通過するときに該サンプルをインテロゲートすることを開示する。インテロゲーションは、粒子が最適に収束された光源(粒子に光を散乱させかつ/または特定のスペクトル特性を有する1以上の光子を放射させる)を通過するときに起こる。インテロゲーションは1つ以上の波長の光を含み、こうした光は粒子によって散乱され得るか、または蛍光特性を有する粒子を励起するために使用され得る。粒子をインテロゲートするためにどの特定の光の波長を用いるかは、ユーザー定義とすることができ、部分的には、検出したい特定のサイズ、粒子の特定の励起スペクトル、粒子のピーク励起波長、粒子の特定の発光スペクトル、粒子のピーク発光波長、2つ以上の特定の励起スペクトル間の重なりの程度、および2つ以上の特定の発光スペクトル間の重なりの程度に基づくことができる。
【0035】
この実施形態の一態様では、インテロゲーションは、サイズ標準によって散乱され得る1つ以上の波長を含むことができる。この実施形態の別の態様では、インテロゲーションは、サイズ標準によって散乱されかつ少なくとも1つの蛍光色素を励起することができる1つ以上の波長を含むことができる。この実施形態のさらに別の態様では、インテロゲーションは、蛍光カウント標準によって散乱されるかまたはそれを励起することができ、かつ少なくとも1つの蛍光色素によって散乱されるかまたはそれを励起することができる、1つ以上の波長を含むことができる。この実施形態のさらに別の態様では、インテロゲーションは、サイズ標準によって散乱され、蛍光カウント標準によって散乱されるかまたはそれを励起することができ、かつ少なくとも1つの蛍光色素によって散乱されるかまたはそれを励起することができる、1つ以上の波長を含むことができる。
【0036】
本明細書の態様は、一部には、少なくとも1つの蛍光色素を開示する。蛍光色素は、励起時に、特定の波長の光エネルギーを吸収しかつ異なる波長の光エネルギーを放出する化合物を指す。この実施形態の一態様では、本明細書に開示された方法は単一の蛍光色素を使用する。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示された方法は複数の蛍光色素を使用する。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示された方法は、第1の蛍光色素と第2の蛍光色素を使用する。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示された方法は、第1の蛍光色素、第2の蛍光色素、および第3の蛍光色素を使用する。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示された方法は、第1の蛍光色素、第2の蛍光色素、第3の蛍光色素、および第4の蛍光色素を使用する。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示された方法は、第1の蛍光色素と、任意で第2の蛍光色素、第3の蛍光色素、第4の蛍光色素、第5の蛍光色素、第6の蛍光色素、第7の蛍光色素、第8の蛍光色素、第9の蛍光色素、および/または第10の蛍光色素を使用する。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示された方法は、第1の蛍光色素および第2の蛍光色素と、任意で第3の蛍光色素、第4の蛍光色素、第5の蛍光色素、第6の蛍光色素、第7の蛍光色素、第8の蛍光色素、第9の蛍光色素、および/または第10の蛍光色素を使用する。
【0037】
本明細書に開示された蛍光色素は、紫外線、可視光線(紫、青、シアン、緑、黄、オレンジおよび赤など)、近赤外線、中赤外線、および遠赤外線を含めた、さまざまなスペクトルで発光することができる色素を包含する。蛍光色素としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:アクリジン色素とその誘導体、アリールメチン色素とその誘導体、クマリン色素とその誘導体、シアニン色素とその誘導体、ナフタレン色素とその誘導体、o-フタルアルデヒド色素とその誘導体、オキサジアゾール色素とその誘導体、オキサジン色素とその誘導体、フィコエリトリン色素とその誘導体、フィコシアニン色素とその誘導体、ピレン色素とその誘導体、ピリジルオキサゾール色素とその誘導体、スクアリリウム色素とその誘導体、テトラピロール色素とその誘導体、ならびにキサンテン色素とその誘導体。これらおよび他の色素は当業者に知られている。
【0038】
本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光色素は、紫外線、可視光線、近赤外線、中赤外線、または遠赤外線スペクトルに励起スペクトルを示すことができる。この実施形態の一態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光色素は、約300nm〜約800nmの範囲内の励起スペクトルを示すことができる。この実施形態の一態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光色素は、約300nm〜約635nmの範囲内の励起スペクトルを示すことができる。この実施形態の態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光色素は、約300nm〜約350nm、約350nm〜約380nm、約380nm〜約450nm、約420nm〜約460nm、約450nm〜約495nm、約460nm〜約500nm、約495nm〜約570nm、約500nm〜約520nm、約520nm〜約550nm、約550nm〜約740nm、約570nm〜約590nm、約590nm〜約620nm、約620nm〜約750nm、または約750nm〜約800nmの範囲の励起スペクトルを示すことができる。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光色素は、約300nm〜約350nm、約350nm〜約380nm、約380nm〜約450nm、約420nm〜約460nm、約450nm〜約495nm、約460nm〜約500nm、約495nm〜約570nm、約500nm〜約520nm、約520nm〜約550nm、約550nm〜約740nm、約570nm〜約590nm、約590nm〜約620nm、約620nm〜約750nm、または約750nm〜約800nmの範囲のピーク励起波長を示すことができる。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光色素は、約300nm、約310nm、約320nm、約330nm、約340nm、約350nm、約360nm、約370nm、約380nm、約390nm、約400nm、約410nm、約420nm、約430nm、約440nm、約450nm、約460nm、約470nm、約480nm、約490nm、約500nm、約510nm、約520nm、約530nm、約540nm、約550nm、約560nm、約570nm、約580nm、約590nm、約600nm、約610nm、約620nm、または約630nmのピーク励起波長を示すことができる。
【0039】
本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光色素は、紫外線、可視光線、近赤外線、中赤外線、または遠赤外線スペクトルに発光スペクトルを示すことができる。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光色素は、約300nm〜約800nmの範囲内の発光スペクトルを示すことができる。この実施形態のさらに別の態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光色素は、約385nm〜約800nmの範囲内の発光スペクトルを示すことができる。この実施形態のいくつかの態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光色素は、約300nm〜約350nm、約350nm〜約380nm、約380nm〜約450nm、約420nm〜約460nm、約450nm〜約495nm、約460nm〜約500nm、約495nm〜約570nm、約500nm〜約520nm、約520nm〜約550nm、約550nm〜約740nm、約570nm〜約590nm、約590nm〜約620nm、約620nm〜約750nm、または約750nm〜約800nmの範囲の発光スペクトルを示すことができる。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光色素は、約300nm〜約350nm、約350nm〜約380nm、約380nm〜約450nm、約420nm〜約460nm、約450nm〜約495nm、約460nm〜約500nm、約495nm〜約570nm、約500nm〜約520nm、約520nm〜約550nm、約550nm〜約740nm、約570nm〜約590nm、約590nm〜約620nm、約620nm〜約750nm、または約750nm〜約800nmの範囲のピーク発光波長を示すことができる。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光色素は、約350nm、約360nm、約370nm、約380nm、約390nm、約400nm、約410nm、約420nm、約430nm、約440nm、約450nm、約460nm、約470nm、約480nm、約490nm、約500nm、約510nm、約520nm、約530nm、約540nm、約550nm、約560nm、約570nm、約580nm、約590nm、約600nm、約610nm、約620nm、約630nm、約640nm、約650nm、約660nm、約670nm、約680nm、約690nm、約700nm、約710nm、約720nm、約730nm、約740nm、約750nm、約760nm、約770nm、約780nm、約790nm、または約800nmのピーク発光波長を示すことができる。
【0040】
本明細書に開示された蛍光色素は、サブビジブル粒子もしくはそのサブセット(タンパク質性サブビジブル粒子もしくは非タンパク質性サブビジブル粒子など)、またはサブビジブル粒子もしくはそのサブセット(タンパク質性サブビジブル粒子もしくは非タンパク質性サブビジブル粒子)に存在する組成もしくは性質を染色するその能力に基づいて選択される。本明細書で使用する場合、蛍光色素に関連して用いられる用語「染色する」とは、ユーザーが検出したい物質に結合したときだけ、特定の波長の光エネルギーを吸収するか、ユーザーが検出したい物質に結合したときだけ、特定の波長の光エネルギーを放出するか、またはユーザーが検出したい物質に結合したときだけ、特定の波長の光エネルギーを吸収しかつ異なる波長の光エネルギーを放出する、蛍光色素を指す。ユーザーが検出を望まない物質に蛍光色素が結合する場合には、該色素は、光エネルギーを吸収しない、および/または光エネルギーを放出しないか、あるいはユーザーが検出したい物質に結合した蛍光色素から発せられる蛍光と、ユーザーが検出を望まない物質に結合した蛍光色素から発せられる蛍光とを粒子アナライザが区別できるように光エネルギーを放出するか、のいずれかである。
【0041】
この実施形態の一態様では、少なくとも1つの蛍光色素は、タンパク質性粒子を非タンパク質性粒子から区別するように、タンパク質性物質を染色する第1の蛍光色素を含むことができる。本明細書で使用する場合、タンパク質性物質のための第1の蛍光色素に関連して用いられる用語「染色する」とは、タンパク質性物質に結合したときだけ、特定の波長の光エネルギーを吸収するか、タンパク質性物質に結合したときだけ、特定の波長の光エネルギーを放出するか、またはタンパク質性物質に結合したときだけ、特定の波長の光エネルギーを吸収しかつ異なる波長の光エネルギーを放出する、第1の蛍光色素を指す。第1の蛍光色素が非タンパク質性物質に結合する場合には、該色素は、光エネルギーを吸収しない、および/または光エネルギーを放出しないか、あるいはタンパク質性物質に結合した第1の蛍光色素から発せられる蛍光と、非タンパク質性物質に結合した第1の蛍光色素から発せられる蛍光とを粒子アナライザが区別できるように光エネルギーを放出するか、のいずれかである。
【0042】
この実施形態の別の態様では、少なくとも1つの蛍光色素は、非タンパク質性粒子をタンパク質性粒子から区別するように、非タンパク質性物質を染色する第1の蛍光色素を含むことができる。本明細書で使用する場合、非タンパク質性物質のための第1の蛍光色素に関連して用いられる用語「染色する」とは、非タンパク質性物質に結合したときだけ、特定の波長の光エネルギーを吸収するか、非タンパク質性物質に結合したときだけ、特定の波長の光エネルギーを放出するか、または非タンパク質性物質に結合したときだけ、特定の波長の光エネルギーを吸収しかつ異なる波長の光エネルギーを放出する、第1の蛍光色素を指す。第1の蛍光色素がタンパク質性物質に結合する場合には、該色素は、光エネルギーを吸収しない、および/または光エネルギーを放出しないか、あるいは非タンパク質性物質に結合した第1の蛍光色素から発せられる蛍光と、タンパク質性物質に結合した第1の蛍光色素から発せられる蛍光とを粒子アナライザが区別できるように光エネルギーを放出するか、のいずれかである。
【0043】
ユーザーが検出したい物質に結合した蛍光色素の検出および区別は、例えば、蛍光強度の変化、ピーク励起波長などの励起スペクトルの変化、またはピーク発光波長などの発光スペクトルの変化に基づくことができる。この実施形態の一態様では、第1の蛍光色素染色に基づいたタンパク質性物質の検出および区別は、例えば、蛍光強度の変化、ピーク励起波長などの励起スペクトルの変化、またはピーク発光波長などの発光スペクトルの変化に基づくことができる。この実施形態の別の態様では、第1の蛍光色素染色に基づいた非タンパク質性物質の検出および区別は、例えば、蛍光強度の変化、ピーク励起波長などの励起スペクトルの変化、またはピーク発光波長などの発光スペクトルの変化に基づくことができる。
【0044】
タンパク質性物質を染色し、かつタンパク質性物質を非タンパク質性物質から識別するために使用できる第1の蛍光色素の非限定的な例としては、以下が挙げられる:スチリル色素またはメロシアニン色素、例えばSYPRO(登録商標)Ruby、SYPRO(登録商標)Tangerine、SYPRO(登録商標)Orange(Invitrogen社, Carlsbad, CA)およびSYPRO(登録商標)Red (Invitrogen社, Carlsbad, CA);クマリン誘導体、例えば3-(2-ベンゾチアゾリル-7-(ジエチルアミノ)-クマリン(BTDEC)、3-(2-ベンゾイミダゾリル)-7-(ジエチルアミノ)-クマリン(BIDEC)、3-(2-ベンゾイミダゾリル)-7-クマリン(BIC)、3-(2-ベンゾイミダゾリル)-7-(ジプロピルアミノ)-クマリン(BIDPC)、3-(2-ベンゾオキサゾリル)-7-(ジエチルアミノ)-クマリン(BODEC)、3-(6-メチル-2-ベンゾオキサゾリル)-7-(ジエチルアミノ)-クマリン(MBODEC)、3-(ジエチルアミノ)-7-イミノ-7H-(1)ベンゾピラノ(3',2':3,4)ピリド(1,2-a)ベンゾイミダゾール-6-カルボニトリル(DIBPBC)、3-(ジエチルアミノ)-7-オキソ-7H-(1)ベンゾピラノ(3',2':3,4)(DOBPBC);ジピロメテンボロンジフルオリド(dipyrrometheneboron difluoride)とその誘導体(例えば、US 4,774,339に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み入れられる);フォトルミネッセンス金属錯体(例えば、US 2009/0131640に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み入れられる);ならびにヒドロキシキノロンとその誘導体(例えば、US 2007/0281360に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。本明細書に開示された第1の蛍光色素として有用な蛍光色素のピーク励起および発光波長を表1に示す。本明細書に開示された第1の蛍光色素として有用な他の蛍光色素は当業者に知られている。
【表1】
【0045】
非タンパク質性物質を染色し、かつ非タンパク質性物質をタンパク質性物質から識別するために使用できる第1の蛍光色素の非限定的な例には、親油性色素が含まれる。本明細書に開示された方法において有用な親油性色素としては、限定するものではないが、カルボシアニン親油性色素、親油性アミノスチリル色素、両親媒性スチリル色素、ジアルキルアミノスチリル色素、両親媒性プローブ、非極性プローブ、膜プローブ、および親油性カチオンプローブが挙げられる。カルボシアニン親油性色素には、限定するものではないが、DilおよびDiDなどのオクタデシル(C18)インドカルボシアニン、(DiS)などのチアカルボシアニン、ならびにDiOなどのオキサカルボシアニンが含まれる。親油性アミノスチリル色素には、限定するものではないが、4-Di-10-ASP (D291);DiA、D3883およびFAST DiA (Molecular Probes社, Eugene, OR)が含まれる。両親媒性プローブには、限定するものではないが、ローダミン誘導体、フルオレセイン誘導体、クマリン誘導体、1,6-ジフェニル-1,3,5-ヘキサトリエン(DPH)または親油性「テイル」を有するDPH誘導体を含むプローブが含まれる。このような両親媒性プローブの非限定的な例としては、以下が挙げられる:
オクタデシルローダミンB;フルオレセイン類、例えば、5-ドデカノイルアミノフルオレセイン、5-ヘキサデカノイル-アミノフルオレセイン、5-オクタデカノイル-アミノフルオレセインおよびフルオレセインのオクタデシルエステルなど;4-ヘプタデシル-7-ヒドロキシクマリン;1,6-ジフェニル-1,3,5-ヘキサトリエン(DPH)、1-(4-トリメチルアンモニウムフェニル)-6-フェニル-1,3,5-ヘキサトリエンp-トルエンスルホネート(TMA-DPH)、N-((4-(6-フェニル-1,3,5-ヘキサトリエニル)フェニル)プロピル)トリメチルアンモニウムp-トルエンスルホネート(TMAP-DPH)、ダポキシルスルホン酸および3-(4-(6-フェニル)-1,3,5-ヘキサトリエニル)フェニルプロピオン酸(DPHプロピオン酸)。非極性プローブには、限定するものではないが、親油性「テイル」を有するBODIPY分子を含むプローブが含まれる。このような非極性プローブの非限定的な例としては、BODIPY 493/503、BODIPY 505/515、BODIPY 665/676、BODIPY FL C5-セラミドおよびCellTrace BODIPY TRメチルエステル、フェノキサジン色素ナイルレッド、親油性「テイル」を有する1,3-ビス-(1-ピレン)プロパンまたはビマンアジド分子が挙げられる。膜プローブには、限定するものではないが、以下が含まれる:ダポキシル誘導体、例えばダポキシルスルホン酸など;6-プロピオニル-2-ジメチルアミノナフタレン(プロダン)、6-ドデカノイル-2-ジメチルアミノナフタレン(ラウルダン)、6-アクリロイル-2-ジメチルアミノナフタレン(アクリロダン)、6-ブロモアセチル-2-ジメチルアミノナフタレン(バダン);アニリノナフタレンスルホネート(ANS)およびその誘導体、例えば、1-アニリノナフタレン-8-スルホン酸(1,8-ANS)、2-アニリノナフタレン-6-スルホン酸(2,6-ANS)、2-(p-トルイジニル)ナフタレン-6-スルホン酸(2,6-TNS)、4,4'-ジアニリノ-1,1'-ビナフチル-5,5'-ジスルホン酸(bis-ANS);4-(ジシアノビニル)ジュロリジン(DCVJ);および4-アミノ-4'-ベンズアミドスチルベン-2,2'-ジスルホン酸(MBDSまたはBADS)。親油性カチオンには、限定するものではないが、以下が含まれる:オクタデシルローダミン、およびFM色素、例えば、N-(3-トリエチルアンモニウムプロピル)-4-(4-(ジブチルアミノ)スチリル)ピリジニウムジブロミド(FM(登録商標)1-43)、N-(3-トリエチルアンモニウムプロピル)-4-(4-(ジペンチルアミノ)スチリル)ピリジニウムジブロミド(FM(登録商標)1-84)、N-(3-トリエチルアンモニウムプロピル)-4-(4-(ジエチルアミノ)スチリル)ピリジニウムジブロミド(FM(登録商標)2-10)、N-(3-トリエチルアンモニウムプロピル)-4-(6-(4-(ジエチルアミノ)フェニル)ヘキサトリエニル)ピリジニウムジブロミド(FM(登録商標)4-64)、N-(3-トリメチルアンモニウムプロピル)-4-(6-(4-(ジエチルアミノ)フェニル)ヘキサトリエニル)ピリジニウムジブロミド(FM(登録商標)5-95)、N-(3-トリエチルアンモニウムプロピル)-4-(4-(4-(ジエチルアミノ)フェニル)ブタンジエニル)ピリジニウムジブロミド(RH 414)およびこれらの誘導体(Molecular Probes社, Eugene, OR);蛍光リン脂質コンジュゲート、例えば、NBD-PE (Molecular Probes社, Eugene, OR);脂質ラフトプローブ(界面活性剤不溶性であるもの)。本明細書に開示された第1の蛍光色素として有用な親油性色素のピーク励起および発光波長を表2に示す。本明細書に開示された第1の蛍光色素として有用な他の親油性色素は当業者に知られている。
【表2】
【0046】
タンパク質性粒子を非タンパク質性粒子から区別する蛍光色素の使用は、バックグラウンドノイズからの1μm以下のサブビジブル粒子の検出を可能にする。この実施形態の態様では、本明細書に開示されるタンパク質性粒子を染色する蛍光色素は、例えば、1μm以下、900nm以下、800nm以下、750nm以下、700nm以下、600nm以下、500nm以下、400nm以下、300nm以下、250nm以下、200nm以下、または100nm以下のサイズを有するサブビジブル粒子の検出を可能にする。他の態様では、本明細書に開示されるタンパク質性粒子を染色する蛍光色素は、例えば、約100nm〜約1μm、約250nm〜約1μm、約500nm〜約1μm、約750nm〜約1μm、約100nm〜約750nm、約250nm〜約750nm、または約500nm〜約750nmのサブビジブル粒子の検出を可能にする。
【0047】
この実施形態の他の態様では、本明細書に開示される非タンパク質性粒子を染色する蛍光色素は、例えば、1μm以下、900nm以下、800nm以下、750nm以下、700nm以下、600nm以下、500nm以下、400nm以下、300nm以下、250nm以下、200nm以下、または100nm以下のサイズを有するサブビジブル粒子の検出を可能にする。他の態様では、本明細書に開示される非タンパク質性粒子を染色する蛍光色素は、例えば、約100nm〜約1μm、約250nm〜約1μm、約500nm〜約1μm、約750nm〜約1μm、約100nm〜約750nm、約250nm〜約750nm、または約500nm〜約750nmのサブビジブル粒子の検出を可能にする。
【0048】
この実施形態の別の態様では、少なくとも1つの蛍光色素は、物理的性質を有しないタンパク質性物質から物理的性質を有するタンパク質性物質を区別するように、タンパク質性物質の物理的性質を染色する第2の蛍光色素を含むことができる。本明細書で使用する場合、タンパク質性物質の物理的性質のための第2の蛍光色素に関連して用いられる用語「染色する」とは、特定の物理的性質を有するタンパク質性物質に結合したときだけ、特定の波長の光エネルギーを吸収するか、特定の物理的性質を有するタンパク質性物質に結合したときだけ、特定の波長の光エネルギーを放出するか、または特定の物理的性質を有するタンパク質性物質に結合したときだけ、特定の波長の光エネルギーを吸収しかつ異なる波長の光エネルギーを放出する、第2の蛍光色素を指す。第2の蛍光色素が非タンパク質性物質または物理的性質を有しないタンパク質性物質に結合する場合には、該色素は、光エネルギーを吸収しない、および/または光エネルギーを放出しないか、あるいは特定の物理的性質を有するタンパク質性物質に結合した第2の蛍光色素から発せられる蛍光と、非タンパク質性物質または物理的性質を有しないタンパク質性物質に結合した第2の蛍光色素から発せられる蛍光とを粒子アナライザが区別できるように光エネルギーを放出するか、のいずれかである。あるいは、第2の蛍光色素と組み合わせた第1の蛍光色素の使用は、粒子アナライザがこれら2つの物質のカテゴリーを区別できない様式で第1または第2の蛍光色素が非タンパク質性物質に結合する状況において、非タンパク質性物質に対して、特定の物理的性質を有するタンパク質性物質の検出および区別を可能にする。
【0049】
タンパク質性物質の物理的性質は、サンプル中に存在するタンパク質性粒子のサブセットにのみ存在する特徴であり、限定するものではないが、構造的特徴または翻訳後修飾などの化学的修飾を含む。かくして、第2の蛍光色素は、サンプル中に存在するタンパク質性粒子のサブセットのみを染色し得るものである。タンパク質性物質の構造的特徴の非限定的な例としては、αヘリックス構造、βシート構造、疎水性、およびペプチドの切断が挙げられる。タンパク質性物質への化学的修飾の非限定的な例としては、アシル化、アデニリル化、アルキル化、アミド化、糖化、グリコシル化、グリピエーション(glypiation)、イソプレニル化、ミリストイル化、パルミトイル化、PEG化、リン酸化、ポリシアリル化、プレニル化、硫酸化、およびユビキチン化が挙げられる。
【0050】
第2の蛍光色素による染色に基づいた、特定の物理的性質を有するタンパク質性物質の検出および区別は、例えば、蛍光強度の変化、ピーク励起波長などの励起スペクトルの変化、またはピーク発光波長などの発光スペクトルの変化に基づくことができる。
【0051】
この実施形態の別の態様では、少なくとも1つの蛍光色素は、物理的性質を有しない非タンパク質性物質から物理的性質を有する非タンパク質性物質を区別するように、非タンパク質性物質の物理的性質を染色する第2の蛍光色素を含むことができる。本明細書で使用する場合、非タンパク質性物質の物理的性質のための第2の蛍光色素に関連して用いられる用語「染色する」とは、特定の物理的性質を有する非タンパク質性物質に結合したときだけ、特定の波長の光エネルギーを吸収するか、特定の物理的性質を有する非タンパク質性物質に結合したときだけ、特定の波長の光エネルギーを放出するか、または特定の物理的性質を有する非タンパク質性物質に結合したときだけ、特定の波長の光エネルギーを吸収しかつ異なる波長の光エネルギーを放出する、第2の蛍光色素を指す。第2の蛍光色素がタンパク質性物質または物理的性質を有しない非タンパク質性物質に結合する場合には、該色素は、光エネルギーを吸収しない、および/または光エネルギーを放出しないか、あるいは特定の物理的性質を有する非タンパク質性物質に結合した第2の蛍光色素から発せられる蛍光と、タンパク質性物質または物理的性質を有しない非タンパク質性物質に結合した第2の蛍光色素から発せられる蛍光とを粒子アナライザが区別できるように光エネルギーを放出するか、のいずれかである。あるいは、第2の蛍光色素と組み合わせた第1の蛍光色素の使用は、粒子アナライザがこれら2つの物質のカテゴリーを区別できない様式で第1または第2の蛍光色素がタンパク質性物質に結合する状況において、タンパク質性物質に対して、特定の物理的性質を有する非タンパク質性物質の検出および区別を可能にする。
【0052】
第2の蛍光色素による染色に基づいた、特定の物理的性質を有する非タンパク質性物質の検出および区別は、例えば、蛍光強度の変化、ピーク励起波長などの励起スペクトルの変化、またはピーク発光波長などの発光スペクトルの変化に基づくことができる。
【0053】
特定の物理的性質を有するタンパク質性物質を染色し、かつ特定の物理的性質を有しないタンパク質性物質から特定の物理的性質を有するタンパク質性物質を区別するために使用し得る、第2の蛍光色素の非限定的な例としては、以下が挙げられる:4-(3,6-ジメチル-1,3-ベンゾチアゾール-3-イウム-2-イル)-N,N-ジメチルアニリンクロリド(チオフラビンT)とその誘導体、例えば、プリムリン(primuline)ナトリウム(チオフラビンS)および4-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-N-メチルアニリン(BTA-1);蛍光オリゴマーおよびポリマー系のチオフェンとその誘導体、例えばPeter, et al, Am. J. Pathol. 176: 563 (2010)に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み入れられる;クマリンとその誘導体、例えば、3,3'-メタンジイルビス(4-ヒドロキシ-2H-クロメン-2-オン)(ヒドロキシクマリン)、11-オキソ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H,11H-ピラノ[2,3-f]ピリド[3,2,1-ij]キノリン-10-カルボン酸(クマリン343)、および9-メチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H,11H-ピラノ[2,3-f]ピリド[3,2,1-ij]キノリン-11-オン(クマリン102);2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジンとその誘導体、例えば、(2E)-2-(2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ピリド[3,2,1-ij]キノリン-9-イルメチリデン)ヒドラジンカルボチオアミド、9-[(E)-フェニルジアゼニル]-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ピリド[3,2,1-ij]キノリン、(2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ピリド[3,2,1-ij]キノリン-9-イルメチリデン)プロパンジニトリル、9-(2,2-ジシアノビニル)ジュロリジン(DCVJ)、および(2E)-2-シアノ-3-(2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ピリド[3,2,1-ij]キノリン-9-イル)-プロパ-2-エン酸(CCVJ)、9-(ジエチルアミノ)-5H-ベンゾ[a]フェノキサジン-5-オン(ナイルレッド)、3,3'-([1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイル)ビス(4-アミノナフタレン-1-スルホン酸)(コンゴレッド)とその誘導体、例えば、[(trans,trans)-1-ブロモ-2,5-ビス-(3-ヒドロキシカルボニル-4-ヒドロキシ)スチリルベンゼン](BSB)、4-[(E)-2-[2-ブロモ-4-[(E)-2-(4-ヒドロキシフェニル)ビニル]フェニル]ビニル]フェノール(K114)、8-(フェニルアミノ)ナフタレン-1-スルホン酸(ANS)とその誘導体、例えば、4,4'-ビス(フェニルアミノ)-1,1'-ビナフタレン-5,5'-ジスルホン酸二カリウム(Bis-ANS);ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩とその誘導体、例えば、3-(4-アニリノフェニルアゾ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(Orange IV)、1,6-ジフェニル-1,3,5-ヘキサトリエン(DPH)とその誘導体、例えば、1-(4-トリメチルアンモニウムフェニル)-6-フェニル-1,3,5-ヘキサトリエンp-トルエンスルホネート(TMA-DPH);ならびに4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール二塩酸塩(DAPI)。本明細書に開示された第2の蛍光色素として有用な蛍光色素のピーク励起および発光波長を表3に示す。本明細書に開示された第2の蛍光色素として有用な他の蛍光色素は当業者に知られている。
【表3】
【0054】
サンプルはカウント標準を含むことができる。カウント標準は、既知の量または濃度の粒子のキャリブレートされた浮遊液を含む。カウント標準は、サンプル中の粒子の数を測定するために使用され、かつサンプル中に存在するサブビジブル粒子の数の測定を可能にする。粒子は、どのような規則的(幾何学的)または不規則な形状であってもよく、どのような材料でできていてもよく、蛍光または非蛍光であってもよい。絶対数の場合は、カウント標準の体積に対するサンプルの体積の比が既知となるように、一定の体積のカウント標準が一定の体積のサンプルに添加される。分析されるサンプルの体積は、カウント標準粒子イベントの数から算出することができ、また、濃度を測定するためにサンプル粒子イベントと共に使用することができる。一般的には、サンプル体積の統計的に有意な測定を確実にするために、少なくとも1,000のカウント標準粒子イベントを収集すべきである。この実施形態の態様では、本明細書に開示された方法は、例えば、少なくとも1,000、少なくとも2,000、少なくとも3,000、少なくとも4,000、少なくとも5,000、少なくとも6,000、少なくとも7,000、少なくとも8,000、少なくとも9,000、または少なくとも10,000のカウント標準粒子イベントを計数することができる。
【0055】
蛍光カウント標準は、広範囲の励起および発光波長にわたって蛍光を発することができる粒子を含む。例えば、本明細書に開示された蛍光カウント標準は、紫外線、可視光線(紫、青、シアン、緑、黄、オレンジおよび赤など)、近赤外線、中赤外線、および遠赤外線を含めた、さまざまなスペクトルで発光することができる粒子を包含する。
【0056】
本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光カウント標準からの粒子は、紫外線、可視光線、近赤外線、中赤外線、または遠赤外線スペクトルに励起スペクトルを示すことができる。この実施形態の一態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光カウント標準からの粒子は、約300nm〜約800nmの範囲内の励起スペクトルを示すことができる。この実施形態の一態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光カウント標準からの粒子は、約300nm〜約635nmの範囲内の励起スペクトルを示すことができる。この実施形態の態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光カウント標準からの粒子は、約300nm〜約350nm、約350nm〜約380nm、約380nm〜約450nm、約420nm〜約460nm、約450nm〜約495nm、約460nm〜約500nm、約495nm〜約570nm、約500nm〜約520nm、約520nm〜約550nm、約550nm〜約740nm、約570nm〜約590nm、約590nm〜約620nm、約620nm〜約750nm、または約750nm〜約800nmの範囲の励起スペクトルを示すことができる。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光カウント標準からの粒子は、約300nm〜約350nm、約350nm〜約380nm、約380nm〜約450nm、約420nm〜約460nm、約450nm〜約495nm、約460nm〜約500nm、約495nm〜約570nm、約500nm〜約520nm、約520nm〜約550nm、約550nm〜約740nm、約570nm〜約590nm、約590nm〜約620nm、約620nm〜約750nm、または約750nm〜約800nmの範囲のピーク励起波長を示すことができる。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光カウント標準からの粒子は、約300nm、約310nm、約320nm、約330nm、約340nm、約350nm、約360nm、約370nm、約380nm、約390nm、約400nm、約410nm、約420nm、約430nm、約440nm、約450nm、約460nm、約470nm、約480nm、約490nm、約500nm、約510nm、約520nm、約530nm、約540nm、約550nm、約560nm、約570nm、約580nm、約590nm、約600nm、約610nm、約620nm、または約630nmのピーク励起波長を示すことができる。
【0057】
本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光カウント標準からの粒子は、紫外線、可視光線、近赤外線、中赤外線、または遠赤外線スペクトルに発光スペクトルを示すことができる。この実施形態の一態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光カウント標準からの粒子は、約300nm〜約800nmの範囲内の発光スペクトルを示すことができる。この実施形態の一態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光カウント標準からの粒子は、約385nm〜約800nmの範囲内の発光スペクトルを示すことができる。この実施形態の態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光カウント標準からの粒子は、約300nm〜約350nm、約350nm〜約380nm、約380nm〜約450nm、約420nm〜約460nm、約450nm〜約495nm、約460nm〜約500nm、約495nm〜約570nm、約500nm〜約520nm、約520nm〜約550nm、約550nm〜約740nm、約570nm〜約590nm、約590nm〜約620nm、約620nm〜約750nm、または約750nm〜約800nmの範囲の発光スペクトルを示すことができる。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光カウント標準からの粒子は、約300nm〜約350nm、約350nm〜約380nm、約380nm〜約450nm、約420nm〜約460nm、約450nm〜約495nm、約460nm〜約500nm、約495nm〜約570nm、約500nm〜約520nm、約520nm〜約550nm、約550nm〜約740nm、約570nm〜約590nm、約590nm〜約620nm、約620nm〜約750nm、または約750nm〜約800nmの範囲のピーク発光波長を示すことができる。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示された方法を実施するのに有用な蛍光カウント標準からの粒子は、約350nm、約360nm、約370nm、約380nm、約390nm、約400nm、約410nm、約420nm、約430nm、約440nm、約450nm、約460nm、約470nm、約480nm、約490nm、約500nm、約510nm、約520nm、約530nm、約540nm、約550nm、約560nm、約570nm、約580nm、約590nm、約600nm、約610nm、約620nm、約630nm、約640nm、約650nm、約660nm、約670nm、約680nm、約690nm、約700nm、約710nm、約720nm、約730nm、約740nm、約750nm、約760nm、約770nm、約780nm、約790nm、または約800nmのピーク発光波長を示すことができる。
【0058】
カウント標準の非限定的な例としては、以下が挙げられる:COUNTBRIGHT(商標)Absolute Counting Beads (Invitrogen社, Carlsbad, CA)、CYTO-CAL(商標)Count Control (Thermo Fisher Scientific社, Waltham, MA)、FLOW CYTOMETRY ABSOLUTE COUNT STANDARD(商標)(Bangs Laboratories社, Fishers, IN)、PERFECT-COUNT(商標)Microsperes (Cytognos, S.L., サラマンカ)、およびSPHERO(商標)AccuCount Particles (Spherotech社, Lake Forest, IL)。
【0059】
本明細書は、一部には、少なくとも1つの光散乱パラメータからデータを収集することを開示する。「パラメータ」は「独立変数」と同義であり、粒子アナライザで解析される粒子または細胞から得られた同時の独立した測定結果のいずれかを指す。いくつかの数学的関数による、2つ以上のパラメータの組み合わせは、別のパラメータをもたらすと定義される。LSパラメータは、特定の角度または角度範囲を指定せずに測定された光散乱シグナルを指す。光散乱パラメータには、FLS、側方角度光散乱(Side Angle Light Scatter: SALS)、および逆角度光散乱(Reverse Angle Light Scatter: RALS)が含まれる。FLSは、順方向の入射光の軸から0°より大きく90°より小さい角度範囲で測定された光散乱シグナルを指す。SALSは、直交光散乱(OLS)または高角度光散乱(High Angle Light Scatter: HALS)としても知られており、順方向に、入射光軸から約90°またはその前後で測定された光散乱シグナルを指す。RALSは、入射光軸から約160°〜176°の角度範囲で、すなわち、入射光の順方向に対して逆方向で、測定された光散乱シグナルを指す。
【0060】
FLSは、低角度光散乱(Low Angle Light Scatter: LALS)、中角度光散乱(Median Angle Light Scatter: MALS)(低中角度光散乱(Low Median Angle Light Scatter: LMALS)を含む)および上方中角度光散乱(Upper Median Angle Light Scatter: UMALS)に分けることができる。低角度光散乱(LALS)は、入射光の軸から0°より大きく9°より小さい角度範囲で測定された光散乱シグナルを指す。この実施形態の態様では、LALSは、順方向に入射光の軸から約3°〜約7°の角度範囲で、または順方向に入射光の軸から約5.1°で測定される。
【0061】
中角度光散乱(MALS)は、入射光軸から約9°〜約70°の角度範囲で測定された光散乱シグナルを指す。低中角度光散乱(LMALS)は、MALSのサブセットを指し、ここでは光散乱シグナルが入射光軸から約9°〜約20°の角度範囲で測定される。上方中角度光散乱(UMALS)は、MALSのサブセットを指し、ここでは光散乱シグナルが順方向に入射光軸から約20°〜約70°の角度範囲で測定される。この実施形態の態様では、UMALSは、順方向に入射光軸から約20°〜約65°の角度範囲で、または順方向に入射光軸から約20°〜約42°の角度範囲で測定される。
【0062】
少なくとも1つの光散乱パラメータから収集されたデータは、粒子のサイズを規定する。この実施形態の一態様では、少なくとも1つの光散乱パラメータから収集されたデータは、本明細書に開示されるサイズ標準中に存在する粒子に基づいた粒子サイズを表すことができる。この実施形態の別の態様では、少なくとも1つの光散乱パラメータから収集されたデータは、試験サンプル中に存在する粒子に基づいた粒子サイズを表すことができる。この実施形態の他の態様では、収集されたデータは、例えば、0.1μm以下、0.5μm以下、0.75μm以下、1μm以下、2.5μm以下、5μm以下、7.5μm以下、10μm以下、25μm以下、50μm以下、75μm以下、100μm以下、150μm以下、175μm以下、200μm以下、225μm以下、250μm以下、275μm以下、または300μm以下のサイズを有する粒子を表すことができる。この実施形態の他の態様では、収集されたデータは、例えば、約0.05μm〜約200μm、約0.05μm〜約150μm、約0.05μm〜約100μm、約0.05μm〜約75μm、約0.05μm〜約50μm、約0.05μm〜約20μm、約0.1μm〜約200μm、約0.1μm〜約150μm、約0.1μm〜約100μm、約0.1μm〜約75μm、約0.1μm〜約50μm、または約0.1μm〜約20μmのサイズを有する粒子を表すことができる。
【0063】
本明細書は、一部には、少なくとも1つの光損失パラメータからデータを収集することを開示する。入射光のビームが粒子に当たると、光は散乱されるか、または吸収されるかのいずれかであり、そのどちらも入射光からエネルギーを抜き去り、入射ビームが減衰される。この減衰は消光と呼ばれている。光損失(Light Loss: LL)パラメータは、吸収された光エネルギーの量(損失)を指す。軸方向光損失(Axial Light Loss: ALL)は、前方消光またはAL2としても知られており、入射光のビームを通過して光検出器によって検出される粒子による光エネルギーの減少を指す。
【0064】
本明細書は、一部には、少なくとも1つの蛍光パラメータからデータを収集することを開示する。少なくとも1つの蛍光パラメータからのデータは、蛍光強度として、または励起後にフルオロフォア粒子から放出される光子の量として収集される。蛍光パラメータから収集されたデータは、本明細書に開示された第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいてタンパク質性物質の存在を表すことができ、本明細書に開示された第2の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて物理的性質を有するタンパク質性物質の存在を表すことができ、かつ/または本明細書に開示された蛍光カウント標準から放出された蛍光強度に基づいて粒子数を表すことができる。
【0065】
この実施形態の一態様では、少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいてタンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータを含むことができる。
【0066】
この実施形態の別の態様では、少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて非タンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータを含むことができる。
【0067】
この実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいてタンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータ、および蛍光カウント標準から放出された蛍光強度に基づいて粒子数を表す第2の蛍光パラメータを含むことができる。
【0068】
この実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて非タンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータ、および蛍光カウント標準から放出された蛍光強度に基づいて粒子数を表す第2の蛍光パラメータを含むことができる。
【0069】
この実施形態の別の態様では、少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいてタンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータ、蛍光カウント標準から放出された蛍光強度に基づいて粒子数を表す第2の蛍光パラメータ、および第2の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて特定の物理的性質を有するタンパク質性物質の存在を表す第3の蛍光パラメータを含むことができる。
【0070】
この実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて非タンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータ、蛍光カウント標準から放出された蛍光強度に基づいて粒子数を表す第2の蛍光パラメータ、および第2の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて特定の物理的性質を有する非タンパク質性物質の存在を表す第3の蛍光パラメータを含むことができる。
【0071】
本明細書の態様は、一部には、電気的検知パラメータではないデータを収集することを開示する。電気的パラメータの例は、直流(DC)インピーダンス、無線周波数(RF)伝導度、および不透明度(OP)であり得る。DCインピーダンスおよびRF伝導度は、細孔インピーダンスセル検知法のコールター原理(Coulter Principle)を指す電気的検知パラメータである。DCインピーダンスは、直流または低周波電流を印加することから得られるパルスピーク情報を指す。DCパルスのピーク振幅は、粒子体積の関数であり、電流が粒子の中を流れないときに発生する。RF伝導度は、高周波電流を印加することから得られた測定値に由来するパルスピーク情報を指す。RFはセル体積および内部伝導度の関数であり、電流が粒子の中を流れるときに発生する。OPは、RF伝導度シグナルをDCインピーダンスシグナルで割ることによって得られたシグナル値またはデータを指す。不透明度はサイズとは無関係である電気的検知パラメータであるが、内部伝導度の関数である。一実施形態では、粒子から収集されたデータは、電気的検知パラメータではない。この実施形態の一態様では、粒子から収集されたデータは、DCインピーダンスシグナルではない。この実施形態の別の態様では、粒子から収集されたデータは、RF伝導度シグナルではない。この実施形態のさらに別の態様では、粒子から収集されたデータは、OPシグナルではない。
【0072】
本明細書は、一部には、サンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価するためにデータを解析することを開示する。収集されたデータはコンピュータファイルとして保存される。例えば、サンプルに対応するデータは、リストモードファイルおよび/またはヒストグラムファイルとして保存することができる。リストモードファイルは、ユーザー定義の捕捉プロトコルによって指定されるように、収集されたすべてのパラメータに対応するすべてのイベントの完全なリストを含む。データが収集されて、リストモードファイルに書き込まれたら、そのデータは、同一のもしくは異なる捕捉プロトコルを用いて、またはフローサイトメトリーデータ解析のために設計された他のプログラムを用いて、リプレイ(再現)することができる。例えば、捕捉プロトコルは、どの領域、ゲート、またはパラメータが解析され表示されるべきかを規定するために、調整することができる。
【0073】
例えば、収集されたデータは、タンパク質性サブビジブル粒子のサイズおよび存在を決定するために、粒子サイズおよびタンパク質性物質の存在を規定すべく解析され得る。これは、典型的には、試験サンプル中の各粒子のサイズを推定しかつ試験サンプル中の全粒子のサイズ分布に関するデータを収集するために使用される、規定されたサイズ範囲のゲートを設定するために、サイズ標準によって確立されたゲーティング・データベースを利用することによって行われる。粒子のサイズ分布が決定されると、このデータはサイズに基づいてゲーティングすることができ、サイズ分けされた粒子の得られたサブセットがタンパク質性物質の存在について解析される。このようにして、サンプル中のタンパク質性サブビジブル粒子のサイズおよび存在に関するデータが決定され得る。このようなデータは、1パラメータヒストグラムとしてグラフ表示することができる。ひとたび決定されたら、このデータは、他の有用な特性(例えば、非タンパク質性サブビジブル粒子のサイズおよび存在ならびに/または可視粒子の存在など)を規定するために、粒子の総数と比較することができる。例えば、サイズ分けされた非タンパク質性サブビジブル粒子の存在を定性的に決定するために、すべてのサイズ分けされたサブビジブル粒子の存在値は、サイズ分けされたタンパク質性サブビジブル粒子の存在値だけ減算される。同様に、サンプル中の非タンパク質性サブビジブル粒子のサイズおよび存在に関するデータは、上記のように決定され得るが、ただし、サイズ分けされた粒子の得られたサブセットが非タンパク質性物質の存在について解析される。
【0074】
サンプル中のタンパク質性サブビジブル粒子のサイズおよび存在を表すデータは、サイズ分けされたタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数を決定するために、粒子数を規定すべくさらに解析され得る。これは粒子サイズを表すデータをゲーティングすることによって達成することができ、サイズ分けされた粒子の得られたサブセットが粒子数およびタンパク質性物質の存在について解析される。このようにして、サンプル中のタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズに関するデータが決定され得る。このようなデータは、2パラメータヒストグラムとしてグラフ表示することができる。ひとたび決定されたら、このデータは、他の有用な特性(例えば、非タンパク質性サブビジブル粒子の数、サイズおよび存在ならびに/または可視粒子の数および存在など)を規定するために、粒子の総数と比較することができる。例えば、サイズ分けされた非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数を決定するために、すべてのサイズ分けされたサブビジブル粒子の絶対数は、サイズ分けされたタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数だけ減算される。同様に、サンプル中のサイズ分けされた非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数に関するデータは、上記のように決定され得るが、ただし、サイズ分けされた粒子の得られたサブセットが粒子数および非タンパク質性物質の存在について解析される。
【0075】
サンプル中のタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数、サイズおよび存在を表すデータは、カウントされ、サイズ分けされた、物理的性質を有するおよび有しないタンパク質性サブビジブル粒子の割合を決定するために、タンパク質性サブビジブル粒子またはそのサブセットが特定の物理的性質を有するかどうかを判定すべくさらに解析され得る。これは粒子サイズを表すデータをゲーティングすることによって達成することができ、サイズ分けされた粒子の得られたサブセットが粒子数および物理的性質を有するまたは有しないタンパク質性物質の存在について解析される。このようにして、サンプル中の特定の物理的性質を有するおよび有しないタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズに関するデータが決定され得る。このようなデータは、2パラメータヒストグラムとしてグラフ表示することができる。同様に、カウントされ、サイズ分けされた、物理的性質を有するおよび有しない非タンパク質性サブビジブル粒子の割合を決定するために、非タンパク質性サブビジブル粒子またはそのサブセットが特定の物理的性質を有するかどうかに関するデータは、上記のように決定され得るが、ただし、サイズ分けされた粒子の得られたサブセットが粒子数および物理的性質を有するまたは有しない非タンパク質性物質の存在について解析される。
【0076】
別の例として、収集されたデータは、タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズを決定するために、粒子サイズ、粒子数、およびタンパク質性物質の存在を規定すべく解析され得る。これは、典型的には、試験サンプル中の各粒子のサイズを推定しかつ試験サンプル中の全粒子のサイズ分布に関するデータを収集するために使用される、規定されたサイズ範囲のゲートを設定するために、サイズ標準によって確立されたゲーティング・データベースを利用することによって行われる。粒子のサイズ分布が決定されると、このデータはサイズに基づいてゲーティングすることができ、サイズ分けされた粒子の得られたサブセットは粒子数およびタンパク質性物質の存在について解析される。このようにして、サンプル中のタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズに関するデータが決定され得る。このようなデータは、2パラメータヒストグラムとしてグラフ表示することができる。ひとたび決定されたら、このデータは、他の有用な特性(例えば、非タンパク質性サブビジブル粒子の数、サイズおよび存在ならびに/または可視粒子の数および存在など)を規定するために、粒子の総数と比較することができる。例えば、サイズ分けされた非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数を決定するために、すべてのサイズ分けされたサブビジブル粒子の絶対数は、サイズ分けされたタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数だけ減算される。上述したように、サンプル中のタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数、サイズおよび存在を表すデータは、カウントされ、サイズ分けされた、物理的性質を有するおよび有しないタンパク質性サブビジブル粒子の割合を決定するために、タンパク質性サブビジブル粒子またはそのサブセットが特定の物理的性質を有するかどうかを判定すべくさらに解析され得る。同様に、サンプル中の非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズに関するデータも上記のように決定され得るが、ただし、サイズ分けされた粒子の得られたサブセットが粒子数および非タンパク質性物質の存在について解析される。
【0077】
別の例として、収集されたデータは、物理的性質を有するおよび有しないタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズを決定するために、粒子サイズ、粒子数、タンパク質性物質の存在、および特定の物理的性質の存在を規定すべく解析され得る。これは、典型的には、試験サンプル中の各粒子のサイズを推定しかつ試験サンプル中の全粒子のサイズ分布に関するデータを収集するために使用される、規定されたサイズ範囲のゲートを設定するために、サイズ標準によって確立されたゲーティング・データベースを利用することによって行われる。粒子のサイズ分布が決定されると、このデータはサイズに基づいてゲーティングすることができ、サイズ分けされた粒子の得られたサブセットは粒子数および物理的性質を有するまたは有しないタンパク質性物質の存在について解析される。このようにして、サンプル中の特定の物理的性質を有するおよび有しないタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズに関するデータが決定され得る。このようなデータは、2パラメータヒストグラムとしてグラフ表示することができる。同様に、サンプル中の特定の物理的性質を有するおよび有しない非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズに関するデータも上記のように決定され得るが、ただし、サイズ分けされた粒子の得られたサブセットが粒子数および物理的性質を有するまたは有しない非タンパク質性物質の存在について解析される。
【0078】
かくして、この実施形態の一態様では、タンパク質性サブビジブル粒子のサイズおよび存在を決定し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価するために、粒子サイズおよびタンパク質性物質の存在を規定すべくデータが解析され得る。この実施形態の別の態様では、タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズを決定し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価するために、粒子サイズ、粒子数、およびタンパク質性物質の存在を規定すべくデータが解析され得る。この実施形態のさらに別の態様では、物理的性質を有するおよび有しないタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズを決定し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価するために、粒子サイズ、粒子数、タンパク質性物質の存在、および物理的性質の存在を規定すべくデータが解析され得る。この実施形態のさらに別の態様では、すべてのサイズ分けされたサブビジブル粒子の絶対数を、サイズ分けされたタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数だけ減算することによって、サイズ分けされた非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数を決定するためにデータが解析され得る。
【0079】
この実施形態の別の態様では、非タンパク質性サブビジブル粒子のサイズおよび存在を決定し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価するために、粒子サイズおよび非タンパク質性物質の存在を規定すべくデータが解析され得る。この実施形態の別の態様では、非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズを決定し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価するために、粒子サイズ、粒子数、および非タンパク質性物質の存在を規定すべくデータが解析され得る。この実施形態のさらに別の態様では、物理的性質を有するおよび有しない非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズを決定し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価するために、粒子サイズ、粒子数、非タンパク質性物質の存在、および物理的性質の存在を規定すべくデータが解析され得る。この実施形態のさらに別の態様では、すべてのサイズ分けされたサブビジブル粒子の絶対数を、サイズ分けされた非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数だけ減算することによって、サイズ分けされたタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数を決定するためにデータが解析され得る。
【0080】
本明細書の態様はまた、以下のように記載することができる:
1. サンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法であって、以下のステップ:a)サイズ標準を用いて粒子アナライザをキャリブレートするステップ;b)サンプルが粒子アナライザの検知ゾーンを通過するときに該サンプルをインテロゲートするステップであって、該サンプルは蛍光カウント標準および少なくとも1つの蛍光色素を含み、ここで、該インテロゲーションは、サイズ標準をインテロゲートすることができ、蛍光カウント標準をインテロゲートまたは励起することができ、かつ少なくとも1つの蛍光色素をインテロゲートまたは励起することができる、1つ以上の波長を含み、ここで、少なくとも1つの蛍光色素は、非タンパク質性物質からタンパク質性物質を区別するようにタンパク質性物質を染色する第1の蛍光色素、および物理的性質を有しないタンパク質性物質から物理的性質を有するタンパク質性物質を区別するようにタンパク質性物質の物理的性質を染色する第2の蛍光色素を含む、上記ステップ;c)少なくとも1つの光散乱パラメータおよび少なくとも1つの蛍光パラメータからデータを収集するステップであって、ここで、少なくとも1つの光散乱パラメータから収集されたデータは、サイズ標準キャリブレーションに基づいた粒子サイズを表し、ここで、少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいてタンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータ、蛍光カウント標準から放出された蛍光強度に基づいて粒子数を表す第2の蛍光パラメータ、および第2の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて物理的性質を有するタンパク質性物質の存在を表す第3の蛍光パラメータを含む、上記ステップ;ならびにd)物理的性質を有するおよび有しないタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズを決定するために、粒子サイズ、粒子数、タンパク質性物質の存在、および物理的性質の存在を規定すべく該データを解析するステップを含み、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法。
【0081】
2. サンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法であって、以下のステップ:a)サイズ標準を用いて粒子アナライザをキャリブレートするステップ;b)サンプルが粒子アナライザの検知ゾーンを通過するときに該サンプルをインテロゲートするステップであって、該サンプルは蛍光カウント標準および少なくとも1つの蛍光色素を含み、ここで、該インテロゲーションは、サイズ標準をインテロゲートすることができ、蛍光カウント標準をインテロゲートまたは励起することができ、かつ少なくとも1つの蛍光色素をインテロゲートまたは励起することができる、1つ以上の波長を含み、ここで、少なくとも1つの蛍光色素は、非タンパク質性物質からタンパク質性物質を区別するようにタンパク質性物質を染色する第1の蛍光色素を含む、上記ステップ;c)少なくとも1つの光散乱パラメータおよび少なくとも1つの蛍光パラメータからデータを収集するステップであって、ここで、少なくとも1つの光散乱パラメータから収集されたデータは、サイズ標準キャリブレーションに基づいた粒子サイズを表し、ここで、少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいてタンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータ、および蛍光カウント標準から放出された蛍光強度に基づいて粒子数を表す第2の蛍光パラメータを含む、上記ステップ;ならびにd)タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズを決定するために、粒子サイズ、粒子数、およびタンパク質性物質の存在を規定すべく該データを解析するステップを含み、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法。
【0082】
3. データ解析ステップが、すべてのサイズ分けされたサブビジブル粒子の絶対数を、サイズ分けされたタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数だけ減算することによって、サイズ分けされた非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数を決定することをさらに含む、実施形態2の方法。
【0083】
4. サンプルをインテロゲートするステップでは、少なくとも1つの蛍光色素が、物理的性質を有しないタンパク質性物質から物理的性質を有するタンパク質性物質を区別するようにタンパク質性物質の物理的性質を染色する第2の蛍光色素を含み、かつ該インテロゲーションが第2の蛍光色素を励起することができる1つ以上の波長を含む;データを収集するステップでは、データを収集することが、第3の蛍光パラメータからデータを収集することをさらに含み、第3の蛍光パラメータが、第2の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて物理的性質を有するタンパク質性物質の存在を表す;そしてデータ解析ステップでは、カウントされ、サイズ分けされた、物理的性質を有するまたは有しないタンパク質性サブビジブル粒子の割合を決定するために、物理的性質の存在を規定すべく該データを解析し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する、実施形態2または3の方法。
【0084】
5. サンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法であって、以下のステップ:a)サイズ標準を用いて粒子アナライザをキャリブレートするステップ;b)サンプルが粒子アナライザの検知ゾーンを通過するときに該サンプルをインテロゲートするステップであって、該サンプルは少なくとも1つの蛍光色素を含み、ここで、該インテロゲーションは、サイズ標準をインテロゲートすることができ、かつ少なくとも1つの蛍光色素を励起することができる、1つ以上の波長を含み、ここで、少なくとも1つの蛍光色素は、非タンパク質性物質からタンパク質性物質を区別するようにタンパク質性物質を染色する第1の蛍光色素を含む、上記ステップ;c)少なくとも1つの光散乱パラメータおよび少なくとも1つの蛍光パラメータからデータを収集するステップであって、ここで、少なくとも1つの光散乱パラメータから収集されたデータは、サイズ標準キャリブレーションに基づいた粒子サイズを表し、ここで、少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいてタンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータを含む、上記ステップ;ならびにd)タンパク質性サブビジブル粒子のサイズおよび存在を決定するために、粒子サイズおよびタンパク質性物質の存在を規定すべく該データを解析するステップを含み、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法。
【0085】
6. サイズ標準が0.5μm、1.0μm、2.0μm、4.5μm、6.0μm、10μm、またはこれらの組み合わせの平均直径を有する粒子を含む、実施形態1〜5の方法。
【0086】
7. 第1の蛍光色素が約300nm〜約635nmのピーク蛍光励起波長を有する、実施形態1〜6の方法。
【0087】
8. 第1の蛍光色素が約350nm〜約800nmのピーク蛍光発光波長を有する、実施形態1〜7の方法。
【0088】
9. 第1の蛍光色素が約300nm、約310nm、約320nm、約330nm、約340nm、約350nm、約360nm、約370nm、約380nm、約390nm、約400nm、約410nm、約420nm、約430nm、約440nm、約450nm、約460nm、約470nm、約480nm、約490nm、約500nm、約510nm、約520nm、約530nm、約540nm、約550nm、約560nm、約570nm、約580nm、約590nm、約600nm、約610nm、約620nm、または約630nmのピーク蛍光励起波長を有する、実施形態1〜8の方法。
【0089】
10. 第1の蛍光色素が約350nm、約360nm、約370nm、約380nm、約390nm、約400nm、約410nm、約420nm、約430nm、約440nm、約450nm、約460nm、約470nm、約480nm、約490nm、約500nm、約510nm、約520nm、約530nm、約540nm、約550nm、約560nm、約570nm、約580nm、約590nm、約600nm、約610nm、約620nm、約630nm、約640nm、約650nm、約660nm、約670nm、約680nm、約690nm、約700nm、約710nm、約720nm、約730nm、約740nm、約750nm、約760nm、約770nm、約780nm、約790nm、または約800nmのピーク蛍光発光波長を有する、実施形態1〜9の方法。
【0090】
11. 第1の蛍光色素がスチリル色素、メロシアニン色素、3-(2-ベンゾチアゾリル-7-(ジエチルアミノ)-クマリン(BTDEC)、3-(2-ベンゾイミダゾリル)-7-(ジエチルアミノ)-クマリン(BIDEC)、3-(2-ベンゾイミダゾリル)-7-クマリン(BIC)、3-(2-ベンゾイミダゾリル)-7-(ジプロピルアミノ)-クマリン(BIDPC)、3-(2-ベンゾオキサゾリル)-7-(ジエチルアミノ)-クマリン(BODEC)、3-(6-メチル-2-ベンゾオキサゾリル)-7-(ジエチルアミノ)-クマリン(MBODEC)、3-(ジエチルアミノ)-7-イミノ-7H-(1)ベンゾピラノ(3',2':3,4)ピリド(1,2-a)ベンゾイミダゾール-6-カルボニトリル(DIBPBC)、3-(ジエチルアミノ)-7-オキソ-7H-(1)ベンゾピラノ(3',2':3,4)(DOBPBC)、ジピロメテンボロンジフルオリド、フォトルミネッセンス金属錯体、またはヒドロキシキノロンである、実施形態1〜10の方法。
【0091】
12. サンプルをインテロゲートするステップでは、該サンプルが蛍光カウント標準をさらに含み、かつ該インテロゲーションが蛍光カウント標準をインテロゲートまたは励起することができる1つ以上の波長を含む;データを収集するステップでは、少なくとも1つの蛍光パラメータが、蛍光カウント標準から放出された蛍光強度に基づいて粒子数を表す第2の蛍光パラメータを含む;データ解析ステップでは、サイズ分けされたタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数を決定するために、粒子数を規定すべく該データを解析し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する、実施形態5〜11の方法。
【0092】
13. 蛍光カウント標準が約300nm〜約635nmのピーク蛍光励起波長を有する粒子を含む、実施形態1〜4または12の方法。
【0093】
14. 蛍光カウント標準が約385nm〜約800nmのピーク蛍光発光波長を有する粒子を含む、実施形態1〜4、12または13の方法。
【0094】
15. データ解析ステップが、すべてのサイズ分けされたサブビジブル粒子の絶対数を、サイズ分けされたタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数だけ減算することによって、サイズ分けされた非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数を決定することをさらに含む、実施形態12〜14の方法。
【0095】
16. サンプルをインテロゲートするステップでは、少なくとも1つの蛍光色素が、物理的性質を有しないタンパク質性物質から物理的性質を有するタンパク質性物質を区別するようにタンパク質性物質の物理的性質を染色する第2の蛍光色素を含み、かつ該インテロゲーションが第2の蛍光色素を励起することができる1つ以上の波長を含む;データを収集するステップでは、データを収集することが、第3の蛍光パラメータからデータを収集することをさらに含み、第3の蛍光パラメータが、第2の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて物理的性質を有するタンパク質性物質の存在を表す;データ解析ステップでは、カウントされ、サイズ分けされた、物理的性質を有するまたは有しないタンパク質性サブビジブル粒子の割合を決定するために、物理的性質の存在を規定すべく該データを解析し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する、実施形態12〜15の方法。
【0096】
17. 物理的性質が構造的特徴または化学的修飾である、実施形態1、4または16の方法。
【0097】
18. 構造的特徴がαヘリックス構造、βシート構造、またはペプチドの切断である、実施形態17の方法。
【0098】
19. 化学的修飾がアシル化、アデニリル化、アルキル化、アミド化、糖化、グリコシル化、グリピエーション(glypiation)、イソプレニル化、ミリストイル化、パルミトイル化、PEG化、リン酸化、プレニル化、硫酸化、またはユビキチン化である、実施形態17の方法。
【0099】
20. 第2の蛍光色素が約350nm〜約635nmのピーク蛍光励起波長を有する、実施形態1、4、または16〜19の方法。
【0100】
21. 第2の蛍光色素が約350nm〜約800nmのピーク蛍光発光波長を有する、実施形態1、4、または16〜20の方法。
【0101】
22. 第2の蛍光色素が約300nm、約310nm、約320nm、約330nm、約340nm、約350nm、約360nm、約370nm、約380nm、約390nm、約400nm、約410nm、約420nm、約430nm、約440nm、約450nm、約460nm、約470nm、約480nm、約490nm、約500nm、約510nm、約520nm、約530nm、約540nm、約550nm、約560nm、約570nm、約580nm、約590nm、約600nm、約610nm、約620nm、または約630nmのピーク蛍光励起波長を有する、実施形態1、4、または16〜21の方法。
【0102】
23. 第2の蛍光色素が約350nm、約360nm、約370nm、約380nm、約390nm、約400nm、約410nm、約420nm、約430nm、約440nm、約450nm、約460nm、約470nm、約480nm、約490nm、約500nm、約510nm、約520nm、約530nm、約540nm、約550nm、約560nm、約570nm、約580nm、約590nm、約600nm、約610nm、約620nm、約630nm、約640nm、約650nm、約660nm、約670nm、約680nm、約690nm、約700nm、約710nm、約720nm、約730nm、約740nm、約750nm、約760nm、約770nm、約780nm、約790nm、または約800nmのピーク蛍光発光波長を有する、実施形態1、4、または16〜22の方法。
【0103】
24. 第2の蛍光色素が4-(3,6-ジメチル-1,3-ベンゾチアゾール-3-イウム-2-イル)-N,N-ジメチルアニリンクロリド(チオフラビンT)、プリムリン(primuline)ナトリウム(チオフラビンS)、4-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-N-メチルアニリン(BTA-1)、チオフェン系オリゴマーおよびポリマー色素、クマリン、3,3'-メタンジイルビス(4-ヒドロキシ-2H-クロメン-2-オン)(ヒドロキシクマリン)、11-オキソ-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H,11H-ピラノ[2,3-f]ピリド[3,2,1-ij]キノリン-10-カルボン酸(クマリン343)、9-メチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H,11H-ピラノ[2,3-f]ピリド[3,2,1-ij]キノリン-11-オン(クマリン102)、2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン、(2E)-2-(2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ピリド[3,2,1-ij]キノリン-9-イルメチリデン)ヒドラジンカルボチオアミド、9-[(E)-フェニルジアゼニル]-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ピリド[3,2,1-ij]キノリン、(2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ピリド[3,2,1-ij]キノリン-9-イルメチリデン)プロパンジニトリル、9-(2,2-ジシアノビニル)ジュロリジン(DCVJ)、(2E)-2-シアノ-3-(2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ピリド[3,2,1-ij]キノリン-9-イル)-プロパ-2-エン酸(CCVJ)、9-(ジエチルアミノ)-5H-ベンゾ[a]フェノキサジン-5-オン(ナイルレッド)、3,3'-([1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイル)ビス(4-アミノナフタレン-1-スルホン酸)(コンゴレッド)、[(trans,trans)-1-ブロモ-2,5-ビス-(3-ヒドロキシカルボニル-4-ヒドロキシ)スチリルベンゼン](BSB)、4-[(E)-2-[2-ブロモ-4-[(E)-2-(4-ヒドロキシフェニル)ビニル]フェニル]ビニル]フェノール(K114)、8-(フェニルアミノ)ナフタレン-1-スルホン酸(ANS)、4,4'-ビス(フェニルアミノ)-1,1'-ビナフタレン-5,5'-ジスルホン酸二カリウム(Bis-ANS)、ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、3-(4-アニリノフェニルアゾ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(Orange IV)、1,6-ジフェニル-1,3,5-ヘキサトリエン(DPH)、1-(4-トリメチルアンモニウムフェニル)-6-フェニル-1,3,5-ヘキサトリエンp-トルエンスルホネート(TMA-DPH)、または4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール二塩酸塩(DAPI)である、実施形態1、4、または16〜23の方法。
【0104】
25. サンプルが医薬製剤である、実施形態1〜25の方法。
【0105】
26. 医薬製剤が、医薬活性成分、アジュバント、または賦形剤であるタンパク質性物質を含む、実施形態25の方法。
【0106】
27. 医薬活性成分が血液タンパク質である、実施形態26の方法。
【0107】
28. 医薬活性成分が血液凝固タンパク質である、実施形態26の方法。
【0108】
29. 医薬活性成分がADAMTS-13、α1-アンチプラスミン、α2-アンチプラスミン、アンチトロンビン、アンチトロンビンIII、癌凝固促進剤(cancer procoagulant)、エリスロポエチン、第II因子、第IIa因子、第V因子、第Va因子、第VI因子、第VIa因子、第VII因子、第VIIa因子、第VIII因子、第VIIIa因子、第IX因子、第IXa因子、第X因子、第Xa因子、第XI因子、第XIa因子、第XII因子、第XIIa因子、第XIII因子、第XIIIa因子、フィブロネクチン、フィブリノーゲン(第I因子)、ヘパリンコファクターII、高分子量キニノーゲン(HMWK)、筋注用の免疫グロブリン、静注用の免疫グロブリン、プラスミン、プラスミノーゲン、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(PAI1)、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター2(PAI2)、プレカリクレイン、プロスタサイクリン、プロテインC、活性プロテインC(APC)、プロテインS、プロテインZ、プロテインZ関連プロテアーゼ阻害剤、トロンボモジュリン、組織因子(第III因子)、組織因子経路インヒビター(TFPI)、組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)、ウロキナーゼ、またはフォン・ヴィレブランド因子である、実施形態26の方法。
【0109】
30. 医薬活性成分が生物製剤またはバイオ後続品(biosimilar)である、実施形態26の方法。
【0110】
31. 医薬活性成分が抗体、酵素、または毒素である、実施形態26の方法。
【0111】
32. 抗体がアブシキシマブ、アダリムマブ、アレムツズマブ、バシリキシマブ、ベリムマブ、ベバシズマブ、ブレンツキシマブベドチン、カナキヌマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、ダクリズマブ、デノスマブ、エファリズマブ、エクリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴリムマブ、イブリツモマブチウキセタン、インフリキシマブ、イピリムマブ、モタビズマブ、ムロノマブ(Muronomab)、ナタリズマブ、オファツムマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、リツキシマブ、トシリズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、またはウステキヌマブである、実施形態31の方法。
【0112】
33. 医薬活性成分が、個体に投与したときに有益な効果を奏するように設計されたポリペプチドまたはペプチド模倣物である、実施形態26の方法。
【0113】
34. 賦形剤がアルブミンである、実施形態26の方法。
【0114】
35. 電気的検知パラメータからのデータが粒子アナライザによって収集されない、実施形態1〜34の方法。
【0115】
36. 電気的検知パラメータがDCインピーダンス、RF伝導度、不透明度、またはこれらの組み合わせである、実施形態1〜35の方法。
【0116】
37. 粒子アナライザがフローサイトメーターである、実施形態1〜36の方法。
【0117】
38. サイズ標準キャリブレーションに基づいた粒子サイズが、10μm以下、20μm以下、50μm以下、75μm以下、100μm以下、200μm以下、または300μm以下のサイズを含む、実施形態1〜37の方法。
【0118】
39. サンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法であって、以下のステップ:a)サイズ標準を用いて粒子アナライザをキャリブレートするステップ;b)サンプルが粒子アナライザの検知ゾーンを通過するときに該サンプルをインテロゲートするステップであって、該サンプルは蛍光カウント標準および少なくとも1つの蛍光色素を含み、ここで、該インテロゲーションは、サイズ標準をインテロゲートすることができ、蛍光カウント標準をインテロゲートまたは励起することができ、かつ少なくとも1つの蛍光色素をインテロゲートまたは励起することができる、1つ以上の波長を含み、ここで、少なくとも1つの蛍光色素は、タンパク質性物質から非タンパク質性物質を区別するように非タンパク質性物質を染色する第1の蛍光色素、および物理的性質を有しない非タンパク質性物質から物理的性質を有する非タンパク質性物質を区別するように非タンパク質性物質の物理的性質を染色する第2の蛍光色素を含む、上記ステップ;c)少なくとも1つの光散乱パラメータおよび少なくとも1つの蛍光パラメータからデータを収集するステップであって、ここで、少なくとも1つの光散乱パラメータから収集されたデータは、サイズ標準キャリブレーションに基づいた粒子サイズを表し、ここで、少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて非タンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータ、蛍光カウント標準から放出された蛍光強度に基づいて粒子数を表す第2の蛍光パラメータ、および第2の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて物理的性質を有する非タンパク質性物質の存在を表す第3の蛍光パラメータを含む、上記ステップ;ならびにd)物理的性質を有するおよび有しない非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズを決定するために、粒子サイズ、粒子数、非タンパク質性物質の存在、および物理的性質の存在を規定すべく該データを解析するステップを含み、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法。
【0119】
40. サンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法であって、以下のステップ:a)サイズ標準を用いて粒子アナライザをキャリブレートするステップ;b)サンプルが粒子アナライザの検知ゾーンを通過するときに該サンプルをインテロゲートするステップであって、該サンプルは蛍光カウント標準および少なくとも1つの蛍光色素を含み、ここで、該インテロゲーションは、サイズ標準をインテロゲートすることができ、蛍光カウント標準をインテロゲートまたは励起することができ、かつ少なくとも1つの蛍光色素をインテロゲートまたは励起することができる、1つ以上の波長を含み、ここで、少なくとも1つの蛍光色素は、タンパク質性物質から非タンパク質性物質を区別するように非タンパク質性物質を染色する第1の蛍光色素を含む、上記ステップ;c)少なくとも1つの光散乱パラメータおよび少なくとも1つの蛍光パラメータからデータを収集するステップであって、ここで、少なくとも1つの光散乱パラメータから収集されたデータは、サイズ標準キャリブレーションに基づいた粒子サイズを表し、ここで、少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて非タンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータ、および蛍光カウント標準から放出された蛍光強度に基づいて粒子数を表す第2の蛍光パラメータを含む、上記ステップ;ならびにd)非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数およびサイズを決定するために、粒子サイズ、粒子数、および非タンパク質性物質の存在を規定すべく該データを解析するステップを含み、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法。
【0120】
41. データ解析ステップが、すべてのサイズ分けされたサブビジブル粒子の絶対数を、サイズ分けされた非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数だけ減算することによって、サイズ分けされたタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数を決定することをさらに含む、実施形態40の方法。
【0121】
42. サンプルをインテロゲートするステップでは、少なくとも1つの蛍光色素が、物理的性質を有しない非タンパク質性物質から物理的性質を有する非タンパク質性物質を区別するように非タンパク質性物質の物理的性質を染色する第2の蛍光色素を含み、かつ該インテロゲーションが第2の蛍光色素を励起することができる1つ以上の波長を含む;データを収集するステップでは、データを収集することが、第3の蛍光パラメータからデータを収集することをさらに含み、第3の蛍光パラメータが、第2の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて物理的性質を有する非タンパク質性物質の存在を表す;そしてデータ解析ステップでは、カウントされ、サイズ分けされた、物理的性質を有するまたは有しない非タンパク質性サブビジブル粒子の割合を決定するために、物理的性質の存在を規定すべく該データを解析し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する、実施形態40または41の方法。
【0122】
43. サンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法であって、以下のステップ:a)サイズ標準を用いて粒子アナライザをキャリブレートするステップ;b)サンプルが粒子アナライザの検知ゾーンを通過するときに該サンプルをインテロゲートするステップであって、該サンプルは少なくとも1つの蛍光色素を含み、ここで、該インテロゲーションは、サイズ標準をインテロゲートすることができ、かつ少なくとも1つの蛍光色素を励起することができる、1つ以上の波長を含み、ここで、少なくとも1つの蛍光色素は、タンパク質性物質から非タンパク質性物質を区別するように非タンパク質性物質を染色する第1の蛍光色素を含む、上記ステップ;c)少なくとも1つの光散乱パラメータおよび少なくとも1つの蛍光パラメータからデータを収集するステップであって、ここで、少なくとも1つの光散乱パラメータから収集されたデータは、サイズ標準キャリブレーションに基づいた粒子サイズを表し、ここで、少なくとも1つの蛍光パラメータから収集されたデータは、第1の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて非タンパク質性物質の存在を表す第1の蛍光パラメータを含む、上記ステップ;ならびにd)非タンパク質性サブビジブル粒子のサイズおよび存在を決定するために、粒子サイズおよび非タンパク質性物質の存在を規定すべく該データを解析するステップを含み、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法。
【0123】
44. サイズ標準が0.5μm、1.0μm、2.0μm、4.5μm、6.0μm、10μm、またはこれらの組み合わせの平均直径を有する粒子を含む、実施形態39〜43の方法。
【0124】
45. 第1の蛍光色素が約300nm〜約635nmのピーク蛍光励起波長を有する、実施形態39〜44の方法。
【0125】
46. 第1の蛍光色素が約350nm〜約800nmのピーク蛍光発光波長を有する、実施形態39〜45の方法。
【0126】
47. 第1の蛍光色素が約300nm、約310nm、約320nm、約330nm、約340nm、約350nm、約360nm、約370nm、約380nm、約390nm、約400nm、約410nm、約420nm、約430nm、約440nm、約450nm、約460nm、約470nm、約480nm、約490nm、約500nm、約510nm、約520nm、約530nm、約540nm、約550nm、約560nm、約570nm、約580nm、約590nm、約600nm、約610nm、約620nm、または約630nmのピーク蛍光励起波長を有する、実施形態39〜46の方法。
【0127】
48. 第1の蛍光色素が約350nm、約360nm、約370nm、約380nm、約390nm、約400nm、約410nm、約420nm、約430nm、約440nm、約450nm、約460nm、約470nm、約480nm、約490nm、約500nm、約510nm、約520nm、約530nm、約540nm、約550nm、約560nm、約570nm、約580nm、約590nm、約600nm、約610nm、約620nm、約630nm、約640nm、約650nm、約660nm、約670nm、約680nm、約690nm、約700nm、約710nm、約720nm、約730nm、約740nm、約750nm、約760nm、約770nm、約780nm、約790nm、または約800nmのピーク蛍光発光波長を有する、実施形態39〜47の方法。
【0128】
49. 第1の蛍光色素が親油性の色素である、実施形態39〜48の方法。
【0129】
50. 親油性色素がカルボシアニン親油性色素、親油性アミノスチリル色素、両親媒性スチリル色素、ジアルキルアミノスチリル色素、両親媒性プローブ、非極性プローブ、膜プローブ、または親油性カチオンプローブである、実施形態49の方法。
【0130】
51. サンプルをインテロゲートするステップでは、該サンプルが蛍光カウント標準をさらに含み、かつ該インテロゲーションが蛍光カウント標準をインテロゲートまたは励起することができる1つ以上の波長を含む;データを収集するステップでは、少なくとも1つの蛍光パラメータが、蛍光カウント標準から放出された蛍光強度に基づいて粒子数を表す第2の蛍光パラメータを含む;データ解析ステップでは、サイズ分けされた非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数を決定するために、粒子数を規定すべく該データを解析し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する、実施形態43〜50の方法。
【0131】
52. 蛍光カウント標準が約300nm〜約635nmのピーク蛍光励起波長を有する粒子を含む、実施形態39〜42または49〜51の方法。
【0132】
53. 蛍光カウント標準が約385nm〜約800nmのピーク蛍光発光波長を有する粒子を含む、実施形態39〜42または49〜52の方法。
【0133】
54. データ解析ステップが、すべてのサイズ分けされたサブビジブル粒子の絶対数を、サイズ分けされた非タンパク質性サブビジブル粒子の絶対数だけ減算することによって、サイズ分けされたタンパク質性サブビジブル粒子の絶対数を決定することをさらに含む、実施形態49〜53の方法。
【0134】
55. サンプルをインテロゲートするステップでは、少なくとも1つの蛍光色素が、物理的性質を有しない非タンパク質性物質から物理的性質を有する非タンパク質性物質を区別するように非タンパク質性物質の物理的性質を染色する第2の蛍光色素を含み、かつ該インテロゲーションが第2の蛍光色素を励起することができる1つ以上の波長を含む;データを収集するステップでは、データを収集することが、第3の蛍光パラメータからデータを収集することをさらに含み、第3の蛍光パラメータが、第2の蛍光色素から放出された蛍光強度に基づいて物理的性質を有する非タンパク質性物質の存在を表す;データ解析ステップでは、カウントされ、サイズ分けされた、物理的性質を有するまたは有しない非タンパク質性サブビジブル粒子の割合を決定するために、物理的性質の存在を規定すべく該データを解析し、それによってサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する、実施形態49〜54の方法。
【0135】
56. 物理的性質が構造的特徴または化学的修飾である、実施形態39、42または55の方法。
【0136】
57. 第2の蛍光色素が約350nm〜約635nmのピーク蛍光励起波長を有する、実施形態39、42、55または56の方法。
【0137】
58. 第2の蛍光色素が約350nm〜約800nmのピーク蛍光発光波長を有する、実施形態39、42、または53〜55の方法。
【0138】
59. 第2の蛍光色素が約300nm、約310nm、約320nm、約330nm、約340nm、約350nm、約360nm、約370nm、約380nm、約390nm、約400nm、約410nm、約420nm、約430nm、約440nm、約450nm、約460nm、約470nm、約480nm、約490nm、約500nm、約510nm、約520nm、約530nm、約540nm、約550nm、約560nm、約570nm、約580nm、約590nm、約600nm、約610nm、約620nm、または約630nmのピーク蛍光励起波長を有する、実施形態39、42、または55〜58の方法。
【0139】
60. 第2の蛍光色素が約350nm、約360nm、約370nm、約380nm、約390nm、約400nm、約410nm、約420nm、約430nm、約440nm、約450nm、約460nm、約470nm、約480nm、約490nm、約500nm、約510nm、約520nm、約530nm、約540nm、約550nm、約560nm、約570nm、約580nm、約590nm、約600nm、約610nm、約620nm、約630nm、約640nm、約650nm、約660nm、約670nm、約680nm、約690nm、約700nm、約710nm、約720nm、約730nm、約740nm、約750nm、約760nm、約770nm、約780nm、約790nm、または約800nmのピーク蛍光発光波長を有する、実施形態39、42、または55〜59の方法。
【0140】
61. サンプルが医薬製剤である、実施形態39〜60の方法。
【0141】
62. 医薬製剤が、医薬活性成分、アジュバント、または賦形剤であるタンパク質性物質を含む、実施形態61の方法。
【0142】
63. 医薬活性成分が血液タンパク質である、実施形態62の方法。
【0143】
64. 医薬活性成分が血液凝固タンパク質である、実施形態62の方法。
【0144】
65. 医薬活性成分がADAMTS-13、α1-アンチプラスミン、α2-アンチプラスミン、アンチトロンビン、アンチトロンビンIII、癌凝固促進剤、エリスロポエチン、第II因子、第IIa因子、第V因子、第Va因子、第VI因子、第VIa因子、第VII因子、第VIIa因子、第VIII因子、第VIIIa因子、第IX因子、第IXa因子、第X因子、第Xa因子、第XI因子、第XIa因子、第XII因子、第XIIa因子、第XIII因子、第XIIIa因子、フィブロネクチン、フィブリノーゲン(第I因子)、ヘパリンコファクターII、高分子量キニノーゲン(HMWK)、筋注用の免疫グロブリン、静注用の免疫グロブリン、プラスミン、プラスミノーゲン、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(PAI1)、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター2(PAI2)、プレカリクレイン、プロスタサイクリン、プロテインC、活性プロテインC(APC)、プロテインS、プロテインZ、プロテインZ関連プロテアーゼ阻害剤、トロンボモジュリン、組織因子(第III因子)、組織因子経路インヒビター(TFPI)、組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)、ウロキナーゼ、またはフォン・ヴィレブランド因子である、実施形態62の方法。
【0145】
66. 医薬活性成分が生物製剤またはバイオ後続品(biosimilar)である、実施形態62の方法。
【0146】
67. 医薬活性成分が抗体、酵素、または毒素である、実施形態62の方法。
【0147】
68. 抗体がアブシキシマブ、アダリムマブ、アレムツズマブ、バシリキシマブ、ベリムマブ、ベバシズマブ、ブレンツキシマブベドチン、カナキヌマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、ダクリズマブ、デノスマブ、エファリズマブ、エクリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴリムマブ、イブリツモマブチウキセタン、インフリキシマブ、イピリムマブ、モタビズマブ、ムロノマブ、ナタリズマブ、オファツムマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、リツキシマブ、トシリズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、またはウステキヌマブである、実施形態67の方法。
【0148】
69. 医薬活性成分が、個体に投与したときに有益な効果を奏するように設計されたポリペプチドまたはペプチド模倣物である、実施形態62の方法。
【0149】
70. 賦形剤がアルブミンである、実施形態62の方法。
【0150】
71. 電気的検知パラメータからのデータが粒子アナライザによって収集されない、実施形態39〜70の方法。
【0151】
72. 電気的検知パラメータがDCインピーダンス、RF伝導度、不透明度、またはこれらの組み合わせである、実施形態39〜71の方法。
【0152】
73. 粒子アナライザがフローサイトメーターである、実施形態39〜72の方法。
【0153】
74. サイズ標準キャリブレーションに基づいた粒子サイズが、10μm以下、20μm以下、50μm以下、75μm以下、100μm以下、200μm以下、または300μm以下のサイズを含む、実施形態39〜73の方法。
【0154】
75. 実質的に本明細書に記載された実施形態1〜74の方法。
【0155】
76. 実質的に本明細書に記載されたサンプル中のサブビジブル粒子の集団を特性評価する方法。
【0156】
実施例
以下の非限定的な実施例は、単に現在企図される代表的な実施形態をより完全に理解しやすくするために、例示を目的として提供される。これらの実施例は、サブビジブル粒子を特性評価する方法に係るものを含めて、本明細書に記載された実施形態のいずれかを限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例1】
【0157】
サイズ検出限界およびサイズ分布範囲の設定
サイズ分布範囲を設定できるようにするために、Fluoresbright Size Calibration Kit IおよびII(Polysciences社, Warrington, PA)からサイズ標準原液を調製した。この原液は0.75μm、1.0μm、2.0μm、4.5μm、6.0μmおよび10μmの平均粒径を有するマイクロスフェアを含んでおり、メーカーの指示に従って調製した。
【0158】
調製した試験サンプルは、405nmバイオレットレーザー、488nmブルーレーザー、561nmイエロー/グリーンレーザーおよび635nmレッドレーザーを備えており、かつ2つの488nm光散乱検出器(低角度前方散乱[FSC]および90°側方散乱[SSC])と16の蛍光検出器を有する、BD LSRFORTESSA(商標)粒子アナライザを用いて解析した。前方および側方散乱は対数的に示された。閾値は、前方散乱対側方散乱のプロット上に粒子が含まれるが、それでもなお電子ノイズを除外するように、前方および側方散乱に対して設定した。すべてのイベントを「高」サンプル流の機器オプションまたは約60μL/分で120秒間分析し記録した。フローサイトメトリーデータのすべての解析は、FACS Divaソフトウェア6.0(Becton Dickinson社, San Jose, CA)またはFlowJo 8.8.6(Tree Star社, Ashland, OR)を用いて実施した。異なるサイズ範囲を規定するために、FSCヒストグラムにおいて各サイズキャリブレーションビーズ集団のピーク最大値の間にゲートを設定した。設定およびゲートはテンプレートとして保存して、キャリブレーションビーズで再検査した後で別の解析日に再使用した。
【0159】
データの解析は、約0.75μm、約1.0μm、約2.0μm、約4.5μm、約6.0μm、および約10μmの粒子が検出されたことを示した(図1A)。結果は、カウント標準からの200μm未満の粒子が検出され、かつサイズ分けされ得ることを示している。データの解析はまた、約0.75μm未満、約0.75μm〜約1.0μm、約1.0μm〜約2.0μm、約2.0μm〜約4.5μm、約4.5μm〜約6.0μm、約6.0μm〜約10μm、および約10μm〜約200μmの粒子サイズ分布範囲の作成(図1B)、ならびにこれらのサイズ分布範囲の1つへの各検出粒子の配置を可能にした。これらの結果は、粒子が200μm以下のカテゴリーを含むサイズ分布範囲に分類され得ることを示した。
【実施例2】
【0160】
サイズ検出限界およびサイズ分布範囲の設定
サイズ分布範囲を設定できるようにするために、Fluoresbright Size Calibration Kit IおよびII(Polysciences社, Warrington, PA)からサイズ標準原液を調製した。この原液は0.75μm、1.0μm、2.0μm、4.5μm、6.0μmおよび10μmの平均粒径を有するマイクロスフェアを含んでおり、メーカーの指示に従って調製した。
【0161】
調製した試験サンプルは、405nmバイオレットレーザー、488nmブルーレーザーおよび633nmレッドレーザーを備えており、かつ2つの488nm光散乱検出器(低角度前方散乱[FSC]および90°側方散乱[SSC])と11の蛍光検出器を有する、BD FACSARIAIII(商標)粒子アナライザを用いて解析した。前方および側方散乱は対数的に示された。閾値は、前方散乱対側方散乱のプロット上に粒子が含まれるが、それでもなお電子ノイズを除外するように、前方および側方散乱に対して設定した。すべてのイベントを、常に同じ低サンプル流速(2のDivaソフトウェア流速を使用)で流して300秒間分析し記録した。フローサイトメトリーデータのすべての解析は、FACS Divaソフトウェア6.0(Becton Dickinson社, San Jose, CA)またはFlowJo 8.8.6(Tree Star社, Ashland, OR)を用いて実施した。異なるサイズ範囲を規定するために、各サイズキャリブレーションビーズ集団のピーク最大値とFSCヒストグラムの軸の終端との間にゲートを設定した。設定およびゲートはテンプレートとして保存して、キャリブレーションビーズで再検査した後で別の解析日に再使用した。
【0162】
データの解析は、約0.75μm、約1.0μm、約2.0μm、約4.5μm、約6.0μm、および約10μmの粒子が検出されたことを示した(図2A)。結果は、フローサイトメーターで使用されるサンプルチューブの直径より小さい粒子(すなわち、200μm未満)が検出され、かつサイズ分けされ得る、ことを示している。結果は、カウント標準からの200μm未満の粒子が検出され、かつサイズ分けされ得る、ことを示している。データの解析はまた、約0.75μm未満、約0.75μm〜約1.0μm、約1.0μm〜約2.0μm、約2.0μm〜約4.5μm、約4.5μm〜約6.0μm、約6.0μm〜約10μm、および10μmからサンプルチューブの直径で決まる検出の上限値(約200μm)までの粒子サイズ分布範囲の作成(図2B)、ならびにこれらのサイズ分布範囲の1つへの各検出粒子の配置を可能にした。これらの結果は、粒子が200μm以下のカテゴリーを含むサイズ分布範囲に分類され得ることを示した。
【実施例3】
【0163】
粒子の検出、計数(カウント)およびサイズ分布の決定
試験サンプルを調製するために、50μL(約49,500個のマイクロスフェア)のCOUNTBRIGHT(商標)Absolute Counting Beads (Invitrogen, Life Technologies社, Paisley, 英国)を、50μg/mLのアミロイドβペプチド1-42凝集体を含む450μLの粒子サンプルに添加した。
【0164】
調製した試験サンプルは、BD LSRFORTESSA(商標)粒子アナライザ(Becton Dickinson社, San Jose, CA)を用いて実施例1に記載したとおりに解析した。実施例1でサイズ標準により決定され、保存された設定、閾値およびゲートをサイズ分布範囲のためのテンプレートとして用いた。すべてのイベントを実施例1に記載したとおりに解析し、記録し、評価した。各サンプルを3回評価して、3つの結果の平均値と標準偏差を算出した。製剤緩衝液を含む対照サンプルを並行して分析し、対応する試験サンプルのバックグラウンドシグナルを記録した。最終解析において、サンプルシグナルからバックグラウンドシグナルを減算した。
【0165】
データの解析は、サンプル中の粒子の数および指定されたサイズ分布範囲への各粒子の配置を決定した(図3A、3B、および3C)。これらの結果は、タンパク質性粒子を検出し、計数して、200μm以下のカテゴリーを含むサイズ分布範囲に分類することができることを示している。
【実施例4】
【0166】
タンパク質性粒子と非タンパク質性粒子の区別および計数
この実験では、450μLの3つの試験サンプルを調製した。第1の試験サンプルには25μg/mLのアミロイドβペプチド1-42凝集体(タンパク質性粒子)が含まれ、第2の試験サンプルには多分散ラテックスマイクロスフェア(非タンパク質性粒子)が含まれ、第3の試験サンプルにはアミロイドβペプチド1-42凝集体と多分散ラテックスマイクロスフェア(透明な1〜10μmの微粒子であるPolybead PMMA;Polysciences社, Warrington, PA)の両方の混合物が含まれていた。3つすべてのサンプルに、50μL(約49,500個のマイクロスフェア)のCOUNTBRIGHT(商標)Absolute Counting Beads (Invitrogen, Life Technologies社, Paisley, 英国)をメーカーの指示に従って添加した。この混合物に、1×SYPRO(商標)オレンジ(SO)(Invitrogen, Life Technologies社, Paisley, 英国)を加えた。
【0167】
調製した試験サンプルは、BD LSRFORTESSA(商標)粒子アナライザ(Becton Dickinson社, San Jose, CA)を用いて実施例1に記載したとおりに解析した。実施例1でサイズ標準により決定され、保存された設定、閾値およびゲートをサイズ分布範囲のためのテンプレートとして用いた。1×SYPRO(商標)オレンジ(SO)で染色された粒子の蛍光強度は、530/30バンドパスフィルターを用いてブルーレーザーにより検出した。すべてのイベントを実施例3に記載したとおりに解析し、記録し、評価した。製剤緩衝液を含む対照サンプルを並行して分析し、対応する試験サンプルのバックグラウンドシグナルを記録した。最終解析において、サンプルシグナルからバックグラウンドシグナルを減算した。
【0168】
データの解析は、サンプル中の非タンパク質性粒子の数および指定されたサイズ分布範囲への各粒子の配置(図4A)、ならびにサンプル中のタンパク質性粒子の数および指定されたサイズ分布範囲への各粒子の配置(図4B)を決定した。これらの結果は、非タンパク質性粒子とタンパク質性粒子の両方が検出され、計数され、200μm以下のカテゴリーを含むサイズ分布範囲に分類され得ることを示している。データの解析はまた、SYPRO(商標)オレンジ染色に基づいて非タンパク質性粒子に対してタンパク質性粒子を検出および区別し(図4C)、かつ非タンパク質性粒子に対するタンパク質性粒子の比較を可能にした(図4D)。これらの結果はさらに、サンプル中のタンパク質性粒子と非タンパク質性粒子の絶対数の決定を可能にした(図4E)。これらの結果は、サンプル中のタンパク質性粒子と非タンパク質性粒子の定性的および定量的評価が決定され得ることを示している。
【実施例5】
【0169】
タンパク質性サブビジブル粒子の特性評価
タンパク質性および非タンパク質性粒子の試験サンプルを実施例3に記載したとおりに調製したが、ただし、これらのサンプルに4μMの濃度になるまでチオフラビンT(ThT)を添加した。
【0170】
調製した試験サンプルは、BD LSRFORTESSA(商標)粒子アナライザ(Becton Dickinson社, San Jose, CA)を用いて実施例1に記載したとおりに解析した。実施例1でサイズ標準により決定され、保存された設定、閾値およびゲートをサイズ分布範囲のためのテンプレートとして用いた。蛍光強度は、525/50バンドパスフィルターを用いたバイオレットレーザーおよび530/30バンドパスフィルターを用いたブルーレーザーにより検出した。すべてのイベントを実施例2に記載したとおりに解析し、記録し、評価した。製剤緩衝液を含む対照サンプルを並行して分析し、対応する試験サンプルのバックグラウンドシグナルを記録した。最終解析において、サンプルシグナルからバックグラウンドシグナルを減算した。
【0171】
データの解析はまた、SYPRO(商標)オレンジ染色に基づいて非タンパク質性粒子からタンパク質性粒子を検出して区別し(図5A)、かつβシート構造を欠くタンパク質性粒子からこの構造を有するタンパク質性粒子を検出して区別した(図5B)。これらの結果はまた、サンプル中のβシート構造を有するタンパク質性粒子の識別を可能にした(図5C)。これらの結果はさらに、非タンパク質性粒子、βシート構造を欠くタンパク質性粒子、およびβシート構造を有するタンパク質性粒子の絶対数の決定を可能にした(図5D)。これらの結果は、サンプル中の非タンパク質性粒子ならびに特定の物理的性質を有するおよび有しないタンパク質性粒子の定性的および定量的評価が決定され得ることを示している。
【実施例6】
【0172】
多色フローパネルを用いることによるサブビジブル粒子の検出および特性評価
この実験では、200μLの2つの試験サンプルを調製した。第1の試験サンプルには195μLの非タンパク質粒子の混合物が含まれていた;第2の試験サンプルには、非タンパク質粒子としての0.1mg/mLの3〜10μmのガラスビーズ(Glass Beads 3-10ミクロン, Polysciences社, Warrington, PA)30μL、およびAβペプチド1-42サブビジブル粒子と少量のクロスβ構造を含むタンパク質サブビジブル粒子の混合物165μLが含まれていた。すべてのサンプルに、Bis-ANS(Sigma-Aldrich社, St. Louis, MO)を20μMの最終濃度になるまで、およびDCVJ(Sigma-Aldrich社, St. Louis, MO)を5μMの最終濃度になるまで添加した。
【0173】
調製した試験サンプルは、BD FACSARIAIII(商標)粒子アナライザ(Becton Dickinson社, San Jose, CA)を用いて実施例2に記載したとおりに解析した。実施例2でサイズ標準により決定され、保存された設定、閾値およびゲートをサイズ分布範囲のためのテンプレートとして用いた。すべてのイベントを実施例2に記載したとおりに解析し、記録し、評価した。各サンプルを3回評価して、3つの結果の平均値と標準偏差を算出した。製剤緩衝液を含む対照サンプルを並行して分析し、対応する試験サンプルのバックグラウンドシグナルを記録した。最終解析において、サンプルシグナルからバックグラウンドシグナルを減算した。
【0174】
非タンパク質粒子のみを含有するサンプル1の解析は、非タンパク質含有粒子を測定するためのゲートの設定を可能にした。このゲートを保存して、非タンパク質粒子、タンパク質含有粒子およびアミロイド様粒子の混合物を含有するサンプル2の解析のために使用した。サンプル2からのデータの解析は、Bis-ANS染色に基づいて非タンパク質性粒子からタンパク質性粒子を検出して区別し、かつDCVJを用いてβシート構造を欠くタンパク質性粒子からこの構造を有するタンパク質性粒子を検出して区別した。このゲーティング戦略は添付の図6Aに示されている。サンプル2から得られた結果は、タンパク質性サブビジブル粒子が、Bis-ANSを用いてタンパク質性および非タンパク質粒子から検出されて識別され得ること、さらにDCVJを用いてクロスβ構造を含むとして特性評価され得ることを示している(図6B〜6E)。サンプルデータは最初に、サンプル中のサブビジブル粒子を検出するために側方散乱光(Side Scatter)に対する前方散乱光(Forward Scatter)でプロットした(添付の図6B)。その後、Bis-ANSをタンパク質特異的色素として用いて、タンパク質含有粒子と非タンパク質含有粒子とを区別した(添付の図6C)。タンパク質含有粒子はさらに、クロスβ構造に特異的に結合しかつアミロイド様タンパク質粒子の識別を可能にするDCVJを用いて特性評価した(添付の図6D)。タンパク質含有粒子および非タンパク質含有粒子のバックゲーティング解析もまた、図6Eに示すように実施した。
【0175】
締めくくりに、本明細書の態様は特定の実施形態を参照することにより強調しているが、当業者は、これらの開示された実施形態が本明細書に開示される発明の原理の例示のみであることを容易に認識するであろうことが理解される。従って、開示される発明は、本明細書に記載される特定の方法、プロトコル、及び/又は試薬などに決して限定されないことが理解されるべきである。このように、開示される発明に対する種々の修飾又は変更若しくは開示される発明の代替の構成が、本明細書の精神から逸脱せずに本明細書における教示に従ってなされてもよい。最後に、本明細書に使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためであり、特許請求の範囲にのみ定義される、本発明の範囲を限定することを目的とするものではない。従って、本発明は示し、記載したものに正確に限定されるわけではない。
【0176】
本発明を実施するために本発明者に知られている最適な様式を含む、本発明の特定の実施形態が本明細書に記載されている。勿論、これらの記載された実施形態に対する変更は、前述の説明を読むことで当業者により明らかになるであろう。本発明者は必要に応じて当業者がこのような変更を利用することを想定しており、本発明者は、本発明が本明細書に具体的に記載されているもの以外の方法で実施されることを意図している。従って、本発明は、適用可能な法則により可能となる場合、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙されている発明の全ての修飾及び等価物を含む。更に、他に本明細書に示されない限り、又は他に文脈に明確に矛盾しない限り、その全ての可能な変更における上記の実施形態の任意の組合せは本発明に包含される。
【0177】
本発明の代替の実施形態、要素、又は工程の分類は限定と解釈されるべきではない。各群の構成要素は、個々に又は本明細書に開示される他の群の構成要素との任意の組合せで参照及び特許請求されてもよい。群の1種以上の構成要素が、簡便さ及び/又は特許性の理由のために群に含まれてもよいか、又は群から削除されてもよいことは理解される。任意のこのような包含又は削除が発生する場合、明細書は修飾されるような群を含むと見なされるので、添付の特許請求の範囲に使用される全てのマーカッシュ群の記述を満たす。
【0178】
他に示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲に使用される特徴、項目、量、パラメータ、特性、期間などを表す全ての数字は、全ての場合、「約」という用語により修飾されると理解される。本明細書に使用される場合、「約」という用語は、そのように特定した特徴、項目、量、パラメータ、特性、又は期間が、記載した特徴、項目、量、パラメータ、特性、又は期間の値のプラスマイナス10パーセントの上下の範囲を包含することを意味する。従って、反対に示さない限り、明細書及び添付の特許請求の範囲に記載した数値パラメータは変化し得る近似値である。最低限でも、及び特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しないように、各々の数値的指標は少なくとも、報告される有効数字の数を考慮して、及び通常の四捨五入を適用することにより解釈されるべきである。本発明の広範な範囲を説明している数値範囲及び値が近似値であるにも関わらず、特定の実施例に記載されている数値範囲及び値は可能な限り正確に報告されている。しかしながら、任意の数値範囲又は値は本質的に、それらのそれぞれの試験測定において見出される標準偏差から生じる必要な特定の誤差を含む。本明細書における値の数値範囲の列挙は単に、その範囲内に含まれる各々の離れた数値に対して個々に参照する方法の省略としての役割を果たすことを目的とする。本明細書に他に示されない限り、数値範囲の各々の個々の値は、それが本明細書に個々に列挙されているかのように本明細書内に組み込まれる。
【0179】
(特に添付の特許請求の範囲の文脈において)本発明を説明する文脈に使用される「一つの(a)」、「一つの(an)」、「その」及び同様の指示対象の用語は、本明細書に他に示さない限り、又は他に文脈により明確に矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を含むと解釈される。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に他に示さない限り、又は文脈により明確に矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書に提供される任意及び全ての例、又は例示的な言語(例えば、「など」)の使用は単に本発明の理解をより容易にするためだけの目的であり、本発明の範囲、そうでなければ特許請求の範囲に対する限定を課しているわけではない。本明細書における言語は、本発明の実施に必須である任意の特許請求されていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
【0180】
本明細書に開示される特定の実施形態は、用語「からなる」又は「から本質的になる」を使用して特許請求の範囲において更に限定され得る。特許請求の範囲に使用される場合、出願時のまま又は補正により加えられるかに関わらず、「からなる」という移行句の用語は、特許請求の範囲に指定されていない任意の要素、工程、又は成分を排除する。「から本質的になる」という移行句の用語は、指定された物質又は工程並びに基本的及び新規特徴(複数も含む)に物質的に影響を与えないものに特許請求の範囲を限定する。そのように特許請求の範囲に記載された本発明の実施形態は本質的又は明確に本明細書に記載され、可能とされる。
【0181】
本明細書に参照され、特定されている全ての特許、特許公報、及び他の刊行物は、例えば、本発明と関連して使用され得る、そのような刊行物に記載されている組成及び方法を記載し、開示する目的のために、その全体が参照により本明細書に個々に及び明確に組み込まれている。これらの刊行物は単に本出願の出願日前にそれらの開示を提供されているだけである。これに関して、本発明者が、先行発明の理由で、又は任意の他の理由のために、そのような先行する開示に対して権利を与えられないことの承認と解釈されるべきではない。これらの文書の日付についての全ての記載又は内容についての表現は出願人に利用可能な情報に基づき、これらの文書の日付又は内容の正確さについてのあらゆる承認を構成するものではない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E