【実施例】
【0114】
クマリル置換チオジガラクトシドの合成
クマリル置換チオジガラクトシドを、スキーム1に示すように、公知のフェニル3−O−プロパルギル−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド1(Giguere et al.,2006)から合成した。
【0115】
【化5】
【0116】
ガレクチン−3に対するK
d値の評価
公知の蛍光分極ベースアッセイ(Sorme et al., 2003a, 2004)において、ガレクチン−1、ガレクチン−3阻害効率に関して化合物20〜34を評価した(以下の表1も参照のこと)。公知のガレクチン阻害剤であるメチルβ−D−ガラクトシド及びチオジガラクトシドを、参照化合物として含めた。実際、全ての化合物は、低いμM又はnM範囲の解離定数を有するガレクチン−1、ガレクチン−3の潜在的な阻害剤であった。これは、チオジガラクトシドのO3、O3’上の、合成に関して単純な、適切に構成されたクマリル置換基が、合成に関してより早い段階の公知の同等の3−N−置換化合物(3,3’−アミド−チオジガラクトシド;36に深く関係するもの等)と同様の阻害効率を示すこと、同一のアッセイで評価した場合に、最も優れた公知の同等の3−O−置換化合物(3,3’−ジエステルチオジガラクトシド35)よりも有意に優れていることの証拠となる。
【0117】
20、23〜24、28〜32の、最も優れた従来技術と同様の飛び抜けて高い阻害剤としての効能、及び容易にアクセス可能な3−O−プロパルギル−ガラクトース誘導体を介した大幅に簡略化された合成経路により、3−O−クマリル−置換チオジガラクトシドは、ガレクチン−3が病原となる状態を標的とした医薬組成物の活性材料として適したものとなる。
【0118】
【表1】
【0119】
方法論/実験
一般的な合成手順
本明細書で開示するような化合物は、後述する一般的な方法及び手順によって調製できる。本明細書で使用するガレクチン−1アッセイ、ガレクチン−3アッセイ、ガレクチン−7アッセイ、ガレクチン−8アッセイ、ガレクチン−9アッセイは、後述する一般的な方法及び手順で実行できる。典型的な又は好ましいプロセス条件(例えば反応温度、時間、反応物質のモル比、溶媒、圧力、pH等)が挙げられている場合、このプロセス条件以外を使用してはならないと明記されていない限り、他のプロセス条件もまた使用可能であることに留意されたい。最適な反応条件は、特定の反応物質、使用する溶媒、pH等によって変化し得るが、当業者はこのような条件を、平常の最適化手順によって決定できる。
【0120】
物質の識別は、HRMS(Micromass Q−tof micro)、NMR(Bruker Ultrashield 400 plus、400MHz)によって行った。参照として残余CHD
2Cl(7.26ppm)又はCHD
2OD(3.35ppm)を用いて、Me
4Siから低磁場において化学シフトが報告される。化学シフト及び結合定数は
1H−NMRから得られ、COSY実験から陽子共鳴が割り当てられた。シリカゲル(Davisil 35〜70μm、60A)を用いて、RF−HPLC(Beckman、system gold)又はフラッシュクロマトグラフィによって精製を行った。UV光、H
2SO
4(aq)又はイソ−バニリン/H
2SO
4/EtOH現像液によって可視化されたTLC(アルミニウムシート、シリカゲル60F254)で反応を追跡した。THF及びEt
2Oをナトリウム/ベンゾフェノン上で乾燥し、蒸留した。CH
2Cl
2を分子篩(4A、1.6mm)で乾燥した。他の溶媒及び試薬は市販されており、更なる精製を行うことなく使用した。蛍光分極実験をPolarStar機器(BMG、オッフェンブルク(ドイツ))で実施した。ガレクチンの阻害剤としての20〜34の評価を、文献(Sorme et al.,2003a,2004)に記載されているような蛍光分極を用いて実施した。ガレクチン濃度並びに蛍光プローブの選択及び濃度は、ガレクチン−3に関して、濃度200nMのガレクチン−3と共にSalomonsson et al.,2010に記載されたtdga−プローブを20nMで使用した以外は、Cunpstey et al.,2005aに記載されている通りとした。各阻害剤は、4〜0.25μMの複数の濃度において二重試験した。ガレクチン7に関して実験を0℃で行った以外は、全ての蛍光分極実験を20℃で行った。
【0121】
ジ−(3−O−プロパルギル−β−D−ガラクトピラノシル)−スルファン(化合物4)の合成
無水ジクロロメタン(20mL)中の化合物1(2.0g、4.58mmol、Giguere et al.2006)溶液に、分子臭素(0.26mL、5.04mmol)を添加し、溶液を、開始材料が僅かに速く移動する成分に完全に変換されたことがTLCによって示されるまで、0℃で15分間撹拌した。シクロペンテンを用いて余剰の臭素を中和し、溶液を真空下で蒸発させた。n−ヘキサン−EtOAc(2:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィによって残滓を精製して、無色の濃いシロップとして純粋な化合物2(1.52g、82%)を得た。化合物2の安定性が影響を受けやすいことを考慮したが、更なる反応においても、分析的特徴付けを行うことなくこれを考慮した。無水アセトニトリル(15ml)中の化合物2の半量(0.76g、1.87mmol)に、窒素の連続流下でチオウレア(0.14g、1.86mmol)を添加し、混合物を、移動相n−ヘキサン−EtOAc(2:1)を用いたTLCによって、より遅い移動速度への化合物2の完全な消費が確認されるまで、80℃で4時間灌流させた。反応混合物を室温まで冷却し、窒素雰囲気下において、無水アセトニトリル中の化合物2の第2の半量(0.76g、1.87mmol)の溶液及びそれに続いて触媒量のEt
3Nを反応物に添加し、反応物を一晩撹拌した。TLC(移動相n−ヘキサン−EtOAc(1:1))によって反応の完了を確認した。溶液を真空下で蒸発させた。n−ヘキサン−EtOAc(1:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィによって残滓を精製して、白色固体として純粋な化合物4(0.92g、72%)を得た。
【0122】
クマリン20−34の合成のための一般的な実験手順
25mL丸底フラスコ内の無水THF(5mL)中の4(1mmol)、トシルアジド(Waser et al.,2006)(2mmol)、CuI(0.1mmol)、サリチルアルデヒド(2.2mmol)溶液を、窒素下で1時間撹拌する。続いてEt
3N(2mmol)を、シリンジを介してゆっくりと添加する。得られた溶液を、TLC分析が4(n−ヘキサン−EtOAc)の完全な変換を示すまで、室温で12〜24時間撹拌してもよい。溶媒を真空下で蒸発させ、残滓をCH
2Cl
2(10mL)に溶解させ、水性NH
4Cl(2×10mL)及び生理食塩水(10mL)を順に用いて洗浄する。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で蒸発させる。n−ヘキサン−EtOAcを溶出剤として用いたフラッシュクロマトグラフィによって残滓を精製して、化合物5〜19を得る。化合物5〜7、10〜19について、残滓をメタノール(50mL)に溶解させ、メタノール性ナトリウムメトキシド(0.1mL、1M)を添加する。(場合によっては、ジクロロメタン(10mL)を添加して、透明な反応溶液を得る。)12〜24時間後に水(0.4mL)を添加し、更に12〜24時間後に反応物を濃縮する。カラムクロマトグラフィ(SiO
2、ジクロロメタン/メタノール、11:1)により、>95%の純粋な20〜22、25〜34を得た。化合物8、9について、残滓をメタノール/ジクロロメタン(1:1、50mL)に溶解させ、AcCl(5.5mL)をゆっくりと添加した。TLC分析によって反応の完了が示されたら(2〜6日後)、反応物を濃縮する。カラムクロマトグラフィ(SiO
2、ジクロロメタン/メタノール、5:1)により、>95%の純粋な23〜24を得た。
【0123】
メトキシ誘導体ビス−{3−O−[(7−メトキシ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン−3−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(22)の合成のための、選択された具体的な実験手順
化合物4(100mg、0.14mmol)を無水THF(5mL)に溶解させた。CuI(5.54mg、0.029mmol)、4−メトキシ−サリチルアルデヒド(52.9 mg、0.35mmol)、TsN
3(68.6mg0.35mmol)を上述の溶液に添加し、反応物を窒素下で室温で撹拌した。1時間後、Et
3N(80μL、0.58mmol)をゆっくりと注入し、得られた溶液を、TLCが4(n−ヘキサン−EtOAc、1:3)の完全な変換を示すまで、室温で12時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残滓をCH
2Cl
2(10mL)に溶解させ、水性NH
4Cl(2×10mL)及び生理食塩水(10mL)を順に用いて洗浄する。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で蒸発させる。残滓をMeOHに溶解させ、数滴のCH
2Cl
2と共にNaOMeを添加して、透明な溶液を作製した。反応混合物を12時間撹拌した後に0.4mLの水を添加し、反応混合物を再び室温に12時間放置した。反応の完了後、これをDOWEX H
+樹脂で中和した。反応混合物を濾過し、溶媒を真空下で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィ(SiO
2、ジクロロメタン/メタノール、10:1)によって残滓を精製して、純粋な化合物22(85mg、83%)を得た。
【0124】
メトキシ誘導体ビス−{3−O−[(5,6−ジフルオロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン−3−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(32)の合成のための、選択された具体的な実験手順
化合物4(300mg、0.437mmol)、CuI(16.6mg、0.087mmol)を、アルゴン下で無水THF(3mL)中で撹拌した。5,6−ジフルオロ−サリチルアルデヒド(166mg、1.05mmol)、Et
3N(146μL、1.05mmol)を添加し、続いてTsN
3(207mg、1.05mmol)を滴下した。20℃で1.5時間後、シリカゲル(1.5g)を添加し、溶媒を真空下で蒸発させて、自由流動固体を得た。シリカゲルカラム(25g)上に材料を積載し、トルエン中の0〜25%アセトンを用いて溶出させるフラッシュカラムクロマトグラフィによって、精製を実行した。産物を、灰白色粉末(500mg)として得た。残滓(500mg、0.383mmol)をCH
2Cl
2(20mL)及びメタノール(20mL)に溶解させた。メタノール中のナトリウムメトキシド25重量%溶液を滴下して、pHを11とした。混合物を20℃で18時間撹拌した。水(80μL)を充填して、混合物を更に24時間撹拌した。固体CO
2ペレットを添加することによって反応物を中和し、続いてシリカゲル(1.2g)を添加した。混合物を真空下で濃縮して、自由流動固体を得た。シリカゲルカラム(25g)上に材料を積載し、CH
2Cl
2中の0〜25%メタノールを用いて溶出させるフラッシュカラムクロマトグラフィによって、精製を実行した。産物32を白色固体(105mg、29%)として単離した。
【0125】
得られた化合物に関するデータ
ビス−{3−O−[(2H−1−ベンゾピラン−2−オン−3−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(20)
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ:8.21(s,2H,ArH),7.68(d,2H,J7.6Hz,ArH),7.59(m,2H,ArH),7.39(m,4H,ArH),4.61−4.54(m,6H,CH
2Ar,H−1),4.02(bs,2H,H−4),3.60(t,2H,J9.6Hz,H−2),3.52(m,4H,H−6
a,H−6
b),3.39(m,4H,H−3,H−5).
13CNMR(DMSO−d
6,100MHz)δ:159.7,152.5,138.6,131.3,128.1,126.2,124.7,119.1,116.1(ArC)83.2(C−1),82.6,78.9,69.2,65.2,65.0,60.3;C
32H
34NaO
14S(M+Na)
+について算出したHRMS:695.1567;実測値697.1582
【0126】
ビス−{3−O−[(7−クロロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン−3−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(21)
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ:8.20(s,2H,ArH),7.77(bs,2H,ArH),7.64(m,2H,ArH),7.48(d,2H,J9.2Hz,ArH),4.46−4.53(m,6H,CH
2Ar,H−1),4.03(bs,2H,H−4),3.64−3.35(m,8H,H−2,H−6
a,H−6
b,H−3,H−5).
13CNMR(DMSO−d
6,100MHz)δ:159.7,151.4,137.7,131.1,128.7,127.8,127.4,120.7,118.4(ArC)83.4(C−1),82.6,79.1,69.4,65.6,65.3,60.6;C
32H
32Cl
2O
14SNa(M+Na)
+について算出したHRMS:765.0788;実測値765.0791
【0127】
ビス−{3−O−[(7−メトキシ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン−3−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(22)
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ:8.15(s,2H,ArH),7.60(d,2H,J8.8Hz,ArH),7.03(d,2H,J8.6Hz,ArH),6.98(dd,4H,J2.5,8.6Hz,ArH),5.20(brs,2H,HO−2),4.61(d,2H,J10Hz,H−1),4.51(bABq,4H,J14.8Hz,CH
2Ar),4.03(bs,2H,H−4),3.84(s,6H,OCH
3),3.63−3.48(m,6H,H−2,H−6
a,H−6
b),3.36(m,4H,H−3,H−5).
13CNMR(DMSO−d
6,100MHz)δ:162.2,160.4,154.6,139.5,129.3,122.4,112.8,100.7(ArC)83.2(C−1),82.8,79.0,69.3,65.4,65.1,60.4,56.1(OCH
3);C
34H
38O
16SNa(M+Na)
+について算出したHRMS:757.1778;実測値757.1781
【0128】
ビス−{3−O−[(7−ヒドロキシ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン−3−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(23)
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ:10.49(s,2H,HO−Ar),8.11(s,2H,ArH),7.50(d,2H,J8.0Hz,ArH),6.82(dd,2H,J2.4Hz,8.4Hz,ArH),6.74(d,2H,J2.0Hz,ArH),5.20(d,2H,J6.0Hz,HO−2),4.62(m,6H,H−1,HO−4,HO−6),4.54(ABq,4H,J14.4Hz,CH
2Ar),4.02(brs,2H,H−4),3.60(m,6H,H−2,H−6),3.39(m,4H,H−3,H−5);LRMS(ESI)m/z:729.1[M+Na]
+
【0129】
ビス−{3−O−[(6−ヒドロキシ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン−3−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(24)
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ:9.73(s,2H,HO−Ar),8.14(s,2H,ArH),7.27(d,2H,J8.8Hz,ArH),7.02(m,4H,J2.8Hz,8.8Hz,ArH),5.26(d,2H,J5.6Hz,HO−2),4.64(m,6H,H−1,HO−4,HO−6),4.58(ABq,4H,J15.2Hz,CH
2Ar),4.02(brs,2H,H−4),3.65(m,2H,H−2),3.52(m,4H,H−6),3.39(m,4H,H−3,H−5);LRMS(ESI)m/z:729.2[M+Na]
+
【0130】
ビス−{3−O−[(3H−ナフト[2,1−b]ピラン−3−オン−2−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(25)
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ:9.09(s,2H,ArH),8.61(d,2H,J8Hz,ArH),8.18(d,2H,J8.8Hz,ArH),8.08(d,2H,J8.0Hz,ArH),7.79(m,2H,J8.0Hz,ArH),7.65(m,2H,J8.0Hz,ArH),7.62(d,2H,J8.8Hz,ArH),5.60(d,2H,J5.6Hz,HO−2),4.79(d,2H,J4.8Hz,HO−4),4.67(m,8H,H−1,CH
2Ar,HO−6),4.09(brs,2H,H−4),3.76(m,2H,H−2),3.58(m,4H,H−6),3.47(m,4H,H−3,H−5);LRMS(ESI)m/z:796.9[M+Na]
+
【0131】
ビス−{3−O−[(6−tert−ブチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オン−3−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(26)
1HNMR(CD
3OD,400MHz)δ:8.08(s,2H,ArH),7.55(dd,2H,J2.4,7.2,Hz,ArH),7.53(s,2H,ArH),7.17(m,2H,ArH),4.64(d,2H,J9.9Hz,H−1),4.54(dABq,4H,J1.3,14.3Hz,CH
2Ar),4.10(bd,2H,J2.6Hz,H−4),3.74(dd,4H,J4.2,11.5Hz,H−6
a),3.73(dd,2H,J9.4,11.4Hz,H−2),3.61(dd,2H,J4.7,11.5Hz,H−6
b),3.50(brdd,2H,J4.9,6.1Hz,H−5),3.41(dd,2H,J3.2,9.2Hz,H−3)1.26(s,18H,tBu);C
40H
50NaO
14S(M+Na)
+について算出したHRMS:809.2819;実測値809.2839
【0132】
ビス−{3−O−[(6−クロロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン−3−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(27)
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ:8.20(s,2H,ArH),7.78(d,2H,J2.5Hz,ArH),7.64(dd,2H,J2.5,8.8,Hz,ArH),7.48(d,2H,J8.8Hz,ArH),5.21(d,2H,J5.8Hz,HO−2),4.62(m,6H,H−1,HO−4,HO−6),4.54(dABq,4H,J1.3,14.6Hz,CH
2Ar),4.03(brs,2H,H−4),3.64−3.36(m,8H,H−2,H−3,H−5,H−6);C
32H
32Cl
2NaO
14S(M+Na)
+について算出したHRMS:765.0788;実測値765.0807
【0133】
ビス−{3−O−[(6−フルオロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン−3−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(28)
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ:8.20(brs,2H,ArH),7.50(m,6H,ArH),7.64(dd,2H,J2.5,8.8,Hz,ArH),7.48(d,2H,J8.8Hz,ArH),5.21(brs,2H,HO−2),4.60(m,10H,H−1,HO−4,HO−6,CH
2Ar),4.03(brs,2H,H−4),3.69−3.25(m,8H,H−2,H−3,H−5,H−6);C
32H
32F
2NaO
14S(M+Na)
+について算出したHRMS:733.1379;実測値733.1411
【0134】
ビス−{3−O−[(6,7−ジフルオロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン−3−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(29)
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ:8.17(s,2H,ArH),7.80(dd,2H,J8.8,10.3Hz,ArH),7.73(dd,2H,J6.8,11.1Hz,ArH),4.60(d,2H,J9.8Hz,H−1),4.53(ABq,4H,J1.3,14.9Hz,CH
2Ar),4.02(brd,J2.4Hz,2H,H−4),3.62(t,2H,J9.8Hz,H−2),3.54,3.38(2m,8H,H−2,H−3,H−5,H−6);C
32H
30F
4NaO
14S(M+Na)
+について算出したHRMS:769.1190;実測値769.1222
【0135】
ビス−{3−O−[(5−クロロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン−3−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(30)
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ:8.41(brs,2H,ArH),7.60(brt,2H,J8.2Hz,ArH),7.51(dd,2H,J1.1,8.0,Hz,ArH),7.44(brd,2H,J8.2Hz,ArH),4.62(d,2H,J9.7Hz,H−1),4.58(dABq,4H,J1.7,15.9Hz,CH
2Ar),4.05(brd,2H,J2.7Hz,H−4),3.64(t,2H,J9.4Hz,H−2),3.55(dd,2H,J6.5,11.5Hz,H−6
a),3.50(dd,2H,J6.1,11.5Hz,H−6
b),3.40(dd,2H,J3.1,9.2Hz,H−3);C
32H
32Cl
2NaO
14S(M+Na)
+について算出したHRMS:765.0788;実測値765.0793
【0136】
ビス−{3−O−[(5−フルオロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン−3−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(31)
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ:8.32(brs,2H,ArH),7.62(m,2H,ArH),7.27(m,4H,ArH),5.31(brs,2H,HO−2),4.61(m,10H,H−1,HO−4,HO−6,CH
2Ar),4.03(brs,2H,H−4),3.68−3.35(m,10H,H−2,H−3,H−5,H−6);C
32H
32F
2NaO
14S(M+Na)
+について算出したHRMS:733.1379;実測値733.1407
【0137】
ビス−{3−O−[(5,6−ジフルオロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン−3−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(32)
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ:8.35(brs,2H,ArH),7.70(brq,2H,J5.4Hz,ArH),7.34(brd,4H,J4.4Hz,ArH),5.35(brd,2H,J5.6Hz,HO−2),4.61(m,10H,H−1,HO−4,HO−6,CH
2Ar),4.04(brs,2H,H−4),3.69−3.36(m,10H,H−2,H−3,H−5,H−6);C
32H
30F
4NaO
14S(M+Na)
+について算出したHRMS:769.1190;実測値769.1220
【0138】
ビス−{3−O−[(6−トリフルオロメトキシ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン−3−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(33)
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ:8.27(brs,2H,ArH),7.73(brs,2H,ArH),7.61(brdd,2H,J2.3,8.6Hz,ArH),7.57(d,2H,J9.0Hz,ArH),5.21(brs,2H,HO−2),4.62(m,4H,HO−4,HO−6),4.62(d,2H,J9.7Hz,H−1),4.56(bABq,4H,J11.8Hz,CH
2Ar),4.04(brs,2H,H−4),3.64−3.50及び3.43−3.35(2m,10H,H−2,H−3,H−5,H−6);C
34H
32F
6NaO
16S(M+Na)
+について算出したHRMS:865.1213;実測値865.1247
【0139】
ビス−{3−O−[(7−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オン−3−イル)−メチル]−β−D−ガラクトピラノシル}スルファン(34)
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ:8.20(s,2H,ArH),7.56(d,2H,J7.9Hz,ArH),7.26(s,2H,ArH),7.20(brd,2H,J6.9Hz,ArH),4.61(d,2H,J9.8Hz,H−1),4.53(dABq,4H,J15.2Hz,CH
2Ar),4.03(brs,2H,H−4),3.63(t,2H,J9.4Hz,H−2),3.55(m,4H,H−6),3.58−3.48(dd,2H,J6.1,11.5Hz,H−6
b),3.43−3.38(m,4H,H−3,H−5);C
34H
38NaO
14S(M+Na)
+について算出したHRMS:725.1880;実測値725.1904
【0140】
線維症、炎症、癌におけるガレクチン阻害の生体内効率の例
炎症
上述のように、多くの研究によって、炎症反応の亢進におけるガレクチン−3の役割が示唆されている。例えば、炎症部位からの好中性白血球にガレクチン−3を添加するか、又はLPSへの曝露によって刺激することによって、有毒な酸素ラジカルの生成が増大する。ラクトースはこの反応を阻害できる(Almquist et al.,2001)。より最近では、重要なものとして、ガレクチン−3がマクロファージ分化及び筋線維芽細胞の活性化の速度制限因子であり(Mackinnon et al.,2008;Mackinnon et al.,2011)、これが線維症のプロセスを開始させることが報告されている。これらのモデルにおいて、ガレクチン−3阻害は、マクロファージ分化及び筋線維芽細胞活性化、従って線維症を阻害することが実証され、これによりガレクチン−3は、炎症/線維症プロセスにおける治療介入の標的として実際に確認された。本発明において説明した物質は、ラクトースよりはるかに高い可能性を有するガレクチン−3阻害剤であるため、上述の反応の阻害剤としてラクトースよりはるかに効果的なものとなる。これらの物質は小分子であり、より疎水性であり、通常は崩壊に対してより安定であるため、ラクトースやガレクチン−3Cよりも生体内ではるかに良好に利用可能である。
【0141】
炎症性大腸疾患への効果
本研究の目標は、本発明のガレクチン−3阻害剤の、腸管炎症のモデルにおいて炎症及び/又は線維症を減少させる又は除去する能力を実証することである。
【0142】
メスの8〜12週齢CBA/Jマウス(Jackson Laboratories,Bar Harbor,ME)に、0.1Mの生理的等張緩衝塩溶液(HBSS)中の20mgのストレプトマイシンを投与して共生微生物相を根絶し、その24時間後に、100k0.1MのHEPESバッファ(pH8.0)中の3つの106コロニー形成単位(cfu)ネズミのチフス菌株SL1344を、経口強制送達によって感染させる。対照マウスには、100k0.1MのHEPESを経口強制送達によって投与する。
【0143】
炎症及び線維症が成長する時間を与えながらネズミチフス菌に対する炎症反応を根絶するために、感染後8日目に全ての群を0.5mg/mlのレボフロキサシンで処理する。
【0144】
選択した群のマウスを、1、8、9又は12日目から研究の終了まで連続して、異なる用量のガレクチン−3阻害剤で処理する。使用する投与経路は、経口、皮下、腹腔内、静脈内を含む。
【0145】
ネズミチフス菌感染後21日目に動物を安楽死させる。盲腸及び遠位結腸を解剖、測定、計量及び撮影する。盲腸及び遠位結腸を液体窒素で急激に凍結し、分子分析のために−80℃で保存され、また組織学的分析のために、これらの組織切片の両方を採集してホルマリン中で保存する。
【0146】
TNF−α、IL−1、TGF−β、IL−12、IL−6、ガレクチン−3、IGF−1、CTGFを含む線維症及び炎症マーカの発現に関して、RT−PCR、免疫組織化学及びELISA技術の両方を用いて切片を評価する。切片は別個の病理学者によって観察され、標準スケールを用いて炎症及び線維症の度合いを採点する。
【0147】
癌
上述のように、ヒト癌モデルに関するマウスにおける複数の研究により、ガレクチン−3の発現の亢進によって腫瘍の成長が早まり、転移が増加することが示されている(Leffler,2001;Takenaka et al in Leffler(editor),2004b)。ガレクチン−3を阻害するものの、場合によっては他のタンパク質も阻害すると仮定される修飾多糖類(シトラスペクチン)の注射については、ラットにおいて前立腺癌を減少させることが報告された(Pienta et al.,1995)。ラクトシラート化ステロイドは、リンパ腫モデル、神経膠芽腫モデルにおいて治療的に有益な効果を有することが実証された(Ingrassia et al.,2006)。ガレクチン−3を阻害するために提案されたラクツソリル−ロイシン誘導体は、生体内におけるタキソール誘導アポトーシスへの腫瘍細胞の感受性を増大させることが証明されている(Glinsky et al.,2009)。従って、ガレクチン−3の有効な小分子阻害剤は、ガレクチン−3Cと同等の抗癌効果を有すると考えられる(John et al.,2003)。
【0148】
癌のモデル
CD−1ヌードマウスの群に、ヒト腫瘍細胞株からの細胞を用いて皮下異種移植を行う。腫瘍の成長が約130mm
3に到達したら、治療を開始する。マウスを複数の群に分け、この時点から様々な頻度、用量で治療を施し、この治療には本発明のガレクチン−3阻害剤と共に、担体、活性対照物質が含まれる。腫瘍の成長及び体重変化を28日間追跡する。
【0149】
肺炎症及び線維症のモデル
ハロタンを用いてメスのC57/B16マウス(10〜14週齢)に麻酔をかけ、ブレオマイシン(生理食塩水50μl中に33μg)又は生理食塩水を気管内投与し、26日目に肺を採取する。ブレオマイシンが肺の損傷を誘発した後18、20、22、24日目に、異なる用量の本発明による複数のガレクチン−3阻害剤のうちの1つ又は複数を、マウスの肺に点滴する。コラーゲン着色肺切片の組織学的採点、MacKinnon et al.,2012に記載されているようなSircolアッセイによる総コラーゲン含量により、線維症を評価する。
【0150】
肺胞上皮細胞への効果
WTマウスからの一次肺胞上皮細胞をプレートに取り、ガレクチン−3阻害剤の存在又は不在下でTGF−β1を用いて処理する。細胞は溶解し、活性β−カテニン、総β−カテニン、βアクチンに関してウェスタンブロットで分析される。
【0151】
免疫組織化学
マッソン3色染色法、ヘマトキシリンとエオシン(H&E)を製造者の指示通りに使用して、マウス組織のパラフィン包埋切片を染色する。切片を免疫組織化学に関して処理し、以下の一次抗体:マウス抗活性−β−カテニン(抗ABC)抗体(Millipore)を使用し、切片を視覚化して定量化する。
【0152】
肺線維症及び炎症の決定
マッソン3色染色法で染色した切片において、組織学的な肺炎症及び線維症の採点を行う。炎症(細気管支周囲、血管周囲、肺胞壁厚)を、>5のランダムな領域において、以下の系(細気管支周囲、血管周囲:1=細胞なし、2=<20細胞、3=20〜100細胞、4=>100細胞;肺胞壁厚:1=細胞なし、2=2〜3細胞厚、3=4〜5細胞厚、4=>5細胞厚)を用いて倍率×630で採点する。総合的な炎症スコアは、これらのスコアの合計である。線維症スコアは、切片の、コラーゲンに関して陽性染色された領域として評価される(1=なし、2=<10%、3=<50%、4=>50%)。領域の大部分が肺胞からなる領域のみを採点する。
【0153】
Sircolアッセイによる肺コラーゲンの決定
製造者の指示通りにSircolアッセイを行うことにより、左肺葉のコラーゲン含量を決定する。左肺葉は、0.5M酢酸中の5mlの3mg/mlペプシン中で細かく切断され、4℃で24時間振盪することによってインキュベートする。洗浄した肺抽出物(0.2ml)を、0.8mlのSircol試薬を用いて室温で1時間インキュベートし、4℃で5分間にわたる10000gの遠心分離によって、コラーゲンを沈殿させる。沈殿物を1ml1MNaoH中で可溶化し、コラーゲン標準に沿って570nmで吸光度を測定する。
【0154】
一次2型肺胞上皮細胞の単離
標準的な方法に従って、処理したマウス及び対照マウスの2型肺胞上皮細胞(AEC)を抽出する。即ち、50U/mlのディスパーゼ(BD Biosciences)を1ml、灌流肺へと気管内投与し、これに続いて1%低融点アガロースを0.5ml点滴投与する。上気道内のアガロースを氷上に2分間静置し、肺を50U/mlディスパーゼ4ml中に、室温で45分間配置する。上気道を除く肺葉を、50μg/mlのDNAseI(Sigma−Aldrich、UK)を含むDMEM内に分散させる。細胞懸濁液を100−μm細胞ストレーナに通し、細胞をDMEMで洗浄し、10%FCSを含むDMEM中に再懸濁させる。細胞懸濁液を1時間、細胞培養用プラスチック上に取り、いずれの汚染された線維芽細胞及びマクロファージが付着できるようにする。付着しない上皮細胞を係数し、組織培養用プラスチック上、又は5μg/mlコラーゲン(AMS Biotechnology)、10μg/mlフィブロネクチン(Sigma−Aldrich)で事前にコーティングされたカバーガラス上で2日間培養する。細胞をPBSで3回洗浄した後、処理を行う。上皮細胞を、10%FCS、50U/mlペニシリン、50μg/mlストレプトマイシン、5μg/mlのL−グルタミンを含むDMEM中でインキュベートするか、マウス完全培地(0.25%BSA、10nMヒドロコルチゾン、5μg/mlインスリン−トランスフェリン−ナトリウム−亜セレン酸(ITS)を含み、かつ0.1mg/mlコハク酸ナトリウム、75μg/mlコハク酸、1.8μg/ml重酒石酸コリンで補完されたDMEM/F−12)に移す。
【0155】
ウェスタンブロッティング
25mMのHEPES(pH7.4)、0.3MのNaCl、1.5mMのMgCl
2、0.2mMのEDTA、0.5%のトリトンX−100、0.5mMのジチオトレイトール、1mMのオルトバナジウム酸ナトリウム、プロテアーゼ阻害剤(Boehringer Mannheim,Sussex,UK;製造者の指示通りに調製)に、細胞を溶解させる。Pierce BCAタンパク質アッセイ試薬(Pierce)を用いて、溶解物をタンパク質に対して平衡化し、12%SDS−PAGEゲル上で分離する。ウェスタンブロット分析は、以下の一次抗体:ウサギ抗β−カテニン抗体(BD Biosciences)、ウサギポリクローナル抗−β−アクチン抗体(Sigma、UK)、マウス抗活性−β−カテニン(抗ABC)抗体(Millipore)を用いて行われる。
【0156】
血管新生の阻害
VEGF受容体−2(VEGFR2)を通した血管内皮成長因子(VEGF)の信号伝達は、主要な血管新生経路であり、ここではガレクチン−1及びガレクチン−3タンパク質が重要なモジュレータである。
【0157】
マウスの角膜において、硝酸銀を用いた焼灼によって眼の血管新生を誘発する。被験体のある群には、0.5%のDMSOを含むPBS中の、本発明による複数のガレクチン−3阻害剤のうちの1つ又は複数を、1日置きに結膜下注射する。対照被験体には、担体のみ(即ち0.5%のDMSOを含むPBSのみ)を結膜下注射する。被験体の別の群には、10μlの担体のみの、又は担体中の50μMのガレクチン−3阻害剤の点眼薬を、1日に1回投与する。
【0158】
結膜下注射処理又は点眼薬処理の5日後、被験体を殺し、角膜のフラットマウントを実施し、これを撮影し、抗−CD31を用いて染色して、血管を視覚化する。
【0159】
角膜全体を覆う欠陥の密度をImageJにより定量化し、スチューデント試験によって分析する。
【0160】
引用文献
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