(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記整流装置の電力変換過程で発生する高調波電流を除去する第1交流フィルタ及び前記インバータの電力変換過程で発生する高調波電流を除去する第2交流フィルタを更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の高電圧直流送電システム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に関する実施例について図面を参照してより詳細に説明する。以下に説明で使用される構成要素に対する接尾詞「パート」、「モジュール」及び「部」は明細書作成の容易性のみが考慮されて付与されるか混用されるものであって、それ自体として互いに区別される意味又は役割を有することはない。
【0022】
本発明の利点及びその特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付した図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるはずである。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限らず互いに異なる多様な形態に具現されてもよいが、但し、本実施例は本発明の開示が完全になるようにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであって、本発明は請求項の範疇によって定義されるのみである。明細書全体にわたって、同じ参照符号は同じ構成要素を指す。
【0023】
本発明の実施例を説明するに当たって、関連する公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明確にする恐れがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。そして、後述する用語は本発明の実施例における機能を考慮して定義された用語であって、これはユーザ、運用者の意図又は慣例などによって異なり得る。よって、その定義は本明細書全般にわたる内容に基づいて下されるべきである。
【0024】
添付した図面の各ブロックとフローチャートの各ステップの組み合わせはコンピュータプログラムインストラクションによって行われてもよい。これらのコンピュータプログラムインストラクションは汎用コンピュータ、特殊用コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータプロセッシング装備のプロセッサに搭載可能であるため、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータプロセッシング装備のプロセッサを介して行われるそのインストラクションが図面の各ブロック又はフローチャートの各ステップで説明された機能を行う手段を生成するようになる。これらのコンピュータプログラムインストラクションは特定方式に機能を具現するためにコンピュータ又はその他のプログラム可能なデータプロセッシング装備の指向するコンピュータで利用可能な又はコンピュータで判読可能なメモリに貯蔵されることもできるため、そのコンピュータで利用可能な又はコンピュータで判読可能なメモリに貯蔵されたインストラクションは図面の各ブロック又はフローチャートの各ステップで説明された機能を行うインストラクション手段を内包する製造品目を生産することもできる。コンピュータプログラムインストラクションはコンピュータ又はその他のプログラム可能なデータプロセッシング装備上に搭載することもできるため、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータプロセッシング装備上で一連の動作ステップが行われてコンピュータで実行されるプロセスを生成してコンピュータ又はその他のプログラム可能なデータプロセッシング装備を行うインストラクションは図面の各ブロック又はフローチャートの各ステップで説明された機能を行うためのステップを提供することもできる。
【0025】
また、各ブロック又は各ステップは特定の論理的機能を実行するための一つ以上の実行可能なインストラクションを含むモジュール、セグメント又はコードの一部を示す。また、いくつかの代替実施例ではブロック又はステップで言及した機能が順番を逸脱して発生することもできることに注目すべきである。例えば、引き続き図示されている2つのブロック又はステップは実は実質的に同時に行われてもよく、或いはそのブロック又はステップが時々当たる機能に応じて逆順に行われてもよい。
【0026】
図1は、本発明の一実施例による高電圧直流送電システムの構成を説明するための図である。
【0027】
本発明に実施例による高電圧直流送電システム1はサイリスタ型HVDCシステム及び電圧型HVDCシステムのうちいずれか一つのシステムである。サイリスタ型HVDCシステムは整流装置としてサイリスタバルブを使用する電流型HVDCシステムであり、電圧型HVDCシステムはIGBT素子を利用するシステムである。
【0028】
サイリスタ型HVDCシステムはサイリスタバルブを整流するために発電機や同期調相機などのような回転機器がインバータ側の系統に必要であり、無効電力を補償するためのキャパシタバンクが整流装置やインバータ側の系統に含まれる。
【0029】
電圧型HVDCシステムは高速スイッチングを介して高調波を大幅に減少するため高調波を除去するための高調波フィルタの大きさが小さく、無効電力供給が必要ではない。また、電圧型HVDCシステムは独立的に有効電力及び無効電力を制御する。
【0030】
図1を参照すると、本発明の実施例による高電圧直流伝送システム1は第1電力変換装置10及び第2電力変換装置20を含む。
【0031】
第1電力変換装置10は交流電力供給装置11、第1変圧器12、整流装置13、冷却装置14及び第1制御部15を含む。
【0032】
交流電力供給装置11は交流電力を生産し第1変圧器12に伝達する。一実施例において、交流電力供給装置11は風力発電所などのように電力を生産し供給する発電所である。
【0033】
第1変圧器12は交流電力供給装置11から伝達された交流電力の交流電圧の大きさを上げて高電圧を有する交流電力に変換する。
【0034】
整流装置13は第1トラスフォーマ12から変換された高圧の交流電力を直流電力に変換する。
【0035】
冷却装置14は整流装置13で発生する熱を冷却する。詳しくは、冷却装置14は整流装置13及びそれに関する部品によって発生した熱を冷却水を循環して冷却する。
【0036】
第1制御部15は第1電力変換装置10の全般的な動作を制御する。特に、第1制御部15は第1電力変換装置10のいずれか一つの端子に対する交流電力の大きさ、交流電力の位相、有効電力、無効電量などを制御する。
【0037】
整流装置13を介して変換された直流電力はDCラインを介して第2電力変換装置20に伝達される。
【0038】
第2電力変換装置20はインバータ21、第2変圧器22、交流電力需給装置23、冷却装置24及び第2制御部25を含む。
【0039】
インバータ21は第1電力変換装置10からDCラインを介して伝達された直流電力を交流電力に変換する。
【0040】
第2変圧器22はインバータ21から変換された交流電力を低圧の交流電力に変換する。
【0041】
交流電力需給装置23は第2変圧器23から低圧の交流電力を受信する。
【0042】
冷却装置24はインバータ21から発生した熱を冷却する。
【0043】
第2制御部25は第2変換装置20の全般的な構成を制御する。第2制御部25は第2電力変換装置20のいずれか一つの端子に対する交流電力の大きさ、交流電力の位相、有効電力、無効電量などを制御する。
【0044】
図2は、本発明の一実施例による高電圧直流送電システムの実際の構成を説明するための図である。
【0045】
図2を参照すると、本発明の一実施例による高電圧直流送電システム1は第1電力変換装置10及び第2電力変換装置20を含む。
【0046】
第1電力変換装置10は交流電力を直流電力に変換して第2電力変換装置20に提供し、第2電力変換装置20は第1電力変換装置10から伝達された直流電力を交流電力に変換する。
【0047】
第1電力変換装置10及び第2電力変換装置20は正極の直流送電線路W1,W2によって接続される。直流送電線路W1,W2は第1電力変換装置10が出力する直流電流又は直流電圧を第2電力変換装置20に伝達する。
【0048】
直流送電線路W1,W2は架空線路(overhead line)、ケーブルのうちいずれか一つであってもよく、それらの組み合わせで構成されてもよい。
【0049】
第1電力変換装置10は交流電力供給装置11、第1交流フィルタ16、第1インダクタ17、整流装置13、第1キャパシタC1、第1測定部M1、第2測定部M3、第3測定部M7、第1制御部15を含む。
【0050】
交流電力供給装置11は交流電力を生成し整流装置13に伝達する。交流電力供給装置11は風力発電所などのように電力を生産し供給する発電所である。
【0051】
交流電力供給装置11は3相交流電力を整流装置13に伝達する。
【0052】
第1交流フィルタ16は交流電力供給装置11及び整流装置13との間に配置される。第1交流フィルタ16は整流装置13が交流電力を直流電力に変換する過程で発生する電流高調波を除去する。即ち、第1交流フィルタ16は電流高調波を除去して交流電力供給装置11に電流高調波が入ることを遮断する。一実施例において、第1交流フィルタ16はキャパシタ、インダクタ及び抵抗を含む共振回路を含む。
【0053】
また、第1交流フィルタ16は整流装置13で消費される無効電力を供給する。
【0054】
第1インダクタ17は第1交流フィルタ16及び整流装置13の間に配置される。
【0055】
第1インダクタ17は第1交流フィルタ16を介して電流高周波が除去された交流電流を整流装置13に伝達する。
【0056】
第1インダクタ17は第1交流フィルタ16を介して電流高周波が除去された交流電流の位相を調節する位相インダクタである。
【0057】
整流装置13は交流電力供給装置11、詳しくは、第1インダクタ17から伝達された交流電力を直流電力に変換する。
【0058】
整流装置13は交流電力を直流電力に変換する半導体バルブである。一実施例において、半導体バルブはサイリスタバルブ(Thyristor valve)又はIGBTバルブのうちいずれか一つである。
【0059】
第1キャパシタC1は整流装置13に並列に連結され、整流装置13から出力された電圧を平滑する平滑用キャパシタである。
【0060】
第1測定部M1は交流電力供給装置11が供給する交流電圧UL1を測定して第1制御部15に伝達する。
【0061】
第1測定部M1は交流電力供給装置11と第1交流フィルタ16の間の一地点に対する交流電圧UL1を測定して第1制御部15に伝達する。以下、交流電力供給装置11と第1交流フィルタ16の間の一地点に対して測定された交流電圧UL1をバス電圧UL1と称する。
【0062】
第2測定部M3は第1インダクタ17の出力端又は整流装置13に入力される交流電流IV1又は交流電圧UV1を測定して第1制御部15に伝達する。以下、第1インダクタ17の出力端又は整流装置13に入力される交流電圧UV1をブリッジ電圧UV1と称する。
【0063】
第3測定部M7は第1キャパシタC1の両端にかかる直流電圧Ud1を測定して第1制御部15に伝達する。
【0064】
第1制御部15は第1電力変換装置10の動作を全般的に制御する。
【0065】
第1制御部15は第1測定部M1からバス電圧UL1、第2測定部M3から伝達された整流装置13に入力される交流電流IV1及び第3測定部M7から伝達された第1キャパシタC1の両端にかかる直流電圧Ud1に基づいて整流装置13の動作を制御する。
【0066】
もし整流装置13がIGBTバルブ型であれば、第1制御部15は第1測定部M1から伝達されたバス電圧UL1、第2測定部M3から伝達された整流装置13に入力される交流電流IV1及び第3測定部M7から伝達された第1キャパシタC1の両端にかかる直流電圧Ud1に基づいてターンオン信号又はターンオフ信号を整流装置13に伝達して整流装置13の動作を制御する。前記ターンオン信号又はターンオフ信号によって交流電力から直流電力への変換が制御される。
【0067】
また、第1制御部15は直流送電線路W1,W2から発生する異常電圧状態に基づいて位相変更命令信号を生成し、生成された位相変更命令信号に応じてブリッジ電圧UV1及びバス電圧UL1間の位相差を調節する。
【0068】
詳しくは、第1制御部15は直流送電線路W1の一地点で測定された直流電圧(例えば、第1キャパシタC1の両端にかかる直流電圧Ud1)が一定時間の間に基準値を超過する場合、直流送電線路に異常電圧が発生したと確認する。
【0069】
第1制御部15は直流送電線路に異常電圧が発生したと確認される場合、位相変更命令信号を生成してブリッジ電圧UV1及びバス電圧UL1間の位相差を調節する。
【0070】
第1制御部15はブリッジ電圧UV1及びバス電圧UL1間の位相差を調節して整流装置13で変換される直流電圧を調節し、それに応じて直流送電線路上で直流電圧が急増することが防止される。
【0071】
第2電力変換装置20はインバータ21、第2キャパシタC2、第2インダクタ27、第2交流フィルタ26、交流電力需給装置23、第4測定部M8、第5測定部M6、第6測定部M4、第2制御部25を含む。
【0072】
インバータ21は整流装置13から伝達された直流電力を交流電力に変換する半導体バルブである。一実施例において、半導体バルブはサイリスタバルブ又はIGBTバルブのうちいずれか一つである。
【0073】
インバータ21は直流送電線路W1,W2を介してインバータ21から直流電流又は直流電圧を伝達され、伝達された直流電流又は直流電圧を交流電流又は交流電圧に変換する。
第2キャパシタC2はインバータ21に並列に連結され、インバータ21に入力される直流電圧を平滑する平滑用キャパシタである。
【0074】
第2インダクタ27はインバータ21と第2交流フィルタ26との間に配置される。第2インダクタ27はインバータ21から出力された交流電力を交流伝電力需給装置23に伝達する。第2インダクタ27は交流電流の位相を調節する位相インダクタである。
【0075】
第2交流フィルタ26は第2インダクタ27及び交流電力需給装置23との間に配置される。第2交流フィルタ26はインバータ21が直流電力を交流電力に変換する過程で発生する電流高調波を除去する。即ち、第2交流フィルタ26は電流高調波を除去して交流電力需給装置23に電流高調波が入ることを遮断する。一実施例において、第2交流フィルタ26はキャパシタ、インダクタ及び抵抗を含む共振回路を含む。
【0076】
また、第2交流フィルタ26はインバータ21で消費される無効電力を供給してもよい。
【0077】
交流電力需給装置23は第2交流フィルタ26を介して高調波が除去された交流電力を伝達される。
【0078】
第4測定部M8は第2キャパシタC2の両端にかかる直流電圧Ud2を測定して第2制御部25に伝達する。
【0079】
第5測定部M6は第2インダクタ27の入力端又はインバータ21から出力される交流電流IV2又は交流電圧UV2を測定して第2制御部25に伝達する。以下、第2インダクタ27の出力端又はインバータ21から出力される交流電圧UV2をブリッジ電圧UV2と称する。
【0080】
第6測定部M4は交流電力需給装置23が需給する交流電圧UL2を測定して第2制御部25に伝達する。第6測定部M4は交流電力需給装置23と第2交流フィルタ26の間の一地点に対する交流電圧UL2を測定して第2制御部25に伝達する。以下、交流電力需給装置23と第2交流フィルタ26の間の一地点に対して測定された交流電圧UL2をバス電圧UL2と称する。
【0081】
第2制御部25は第2電力変換装置20の動作を全般的に制御する。
【0082】
第2制御部25は第6測定部M4からバス電圧UL2、第5測定部M6から伝達されたインバータ21から出力される交流電流IV2及び第6測定部M4から伝達された第2キャパシタC2の両端にかかる電圧である直流電圧Ud2に基づいてインバータ21の動作を制御する。
【0083】
もしインバータ21がIGBTバルブ型であれば、第2制御部25は第6測定部M4から伝達されたバス電圧UL2、第5測定部M6から伝達されたインバータ21から出力される交流電流IV2及び第4測定部M8から伝達された第2キャパシタC2の両端にかかる電圧である直流電圧Ud2に基づいてターンオン信号又はターンオフ信号をインバータ21に伝達してインバータ21の動作を制御する。前記ターンオン信号又はターンオフ信号によって直流電力から交流電力への変換が制御される。
【0084】
また、第2制御部25は直流送電線路W1,W2から発生する異常電圧状態に基づいて位相変更命令信号を生成し、生成された位相変更命令信号に応じてブリッジ電圧UV2及びバス電圧UL2間の位相差を調節する。
【0085】
詳しくは、第2制御部25は直流送電線路W1の一地点で測定された直流電圧(例えば、第2キャパシタC2の両端にかかる直流電圧Ud2)が一定時間の間に基準値を超過する場合、直流送電線路に異常電圧が発生したと確認する。
【0086】
第2制御部25は直流送電線路に異常電圧が発生したと確認される場合、位相変更命令信号を生成してブリッジ電圧UV2及びバス電圧UL2間の位相差を調節する。
【0087】
上述した
図2の実施例による高電圧直流送電システム1は直流送電線路上の異常電圧状態を検出してブリッジ電圧UV1及びバス電圧UL1間の位相差を調節する。それによって直流送電線路上に過度な直流電圧がかかることが防止されて安全運転限界内で高電圧直流送電システム1が動作することができる。
【0088】
しかし、
図2の実施例による高電圧直流送電システム1はブリッジ電圧UV1及びバス電圧UL1間の位相差を調節するために位相変更命令信号を生成する手段、位相変更命令信号に応じてブリッジ電圧UV1及びバス電圧UL1間の位相差を調節する手段などを必要とし、複雑な制御過程を経る。
【0089】
図3は、本発明の他の実施例による高電圧直流送電システムの構成を説明するための図である。
【0090】
図3を参照すると、本発明のまた他の実施例による高電圧直流送電システム2は第1電量変換装置10及び第2電力変換装置20を含む。
【0091】
第1電力変換装置10は交流電力を直流電力に変換して第2電力変換装置に提供し、第2電力変換装置20は第1電力変換装置10から伝達された直流電力を交流電力に変換する。
【0092】
第1電力変換装置10及び第2電力変換装置20は正極の直流送電線路W1,W2によって接続される。直流送電線素W1,W2は第1電力変換装置10が出力する直流電流又は直流電圧を第2電力変換装置20に伝達する。
【0093】
直流送電線路W1,W2は架空線路、ケーブルのうちいずれか一つであってもよく、それら2つの組み合わせで構成されてもよい。
【0094】
第1電力変換装置10は交流電力供給装置11、第1交流フィルタ16、第1インダクタ17、整流装置13、第1キャパシタC1、第1測定部M1、第1有効電力測定部18、第3測定部M7、第1制御部15を含む。
【0095】
交流電力供給装置11は交流電力を生成して整流装置13に伝達する。交流電力供給装置11は風力発電所のように電力を生産し供給する発電所である。
【0096】
交流電力供給装置11は3相交流電力を整流装置13に伝達する。
第1交流フィルタ16は交流電力供給装置11及び整流装置13の間に配置される。第1交流フィルタ16は整流装置13が交流電力を直流電力に変換する過程で発生する電流高調波を除去する。即ち、第1交流フィルタ16は電流高調波を除去して交流電力供給装置11に電流高調波が入ることを遮断する。一実施例において、第1交流フィルタ16はキャパシタ、インダクタ及び抵抗を含む共振回路を含む。
【0097】
また、第1交流フィルタ16は整流装置13で消費される無効電力を供給してもよい。
【0098】
第1インダクタ17は第1交流フィルタ16及び整流装置13の間に配置される。
【0099】
第1インダクタ17は第1交流フィルタ16を介して電流高周波が除去された交流電流を整流装置13に伝達する。第1インダクタ17は第1交流フィルタ16を介して電流高周波が除去された交流電流の位相を調節する位相インダクタである。
【0100】
整流装置13は交流電力供給装置11、詳しくは第1インダクタ17から伝達された交流電力を直流電力に変換する。
【0101】
整流装置13は交流電力を直流電力に変換する半導体バルブである。一実施例において、半導体バルブはサイリスタバルブ又はIGBTバルブのうちいずれか一つである。
【0102】
第1キャパシタC1は整流装置13に並列に連結されて整流装置13から出力された直流電圧を平滑する平滑用キャパシタである。
【0103】
第1測定部M1は交流電力供給装置11が供給する交流電圧UL1を測定して第1制御部15に伝達する。第1測定部M1は交流電力供給装置11と第1交流フィルタ16の間の一地点に対する交流電圧UL1を測定して第1制御部15に伝達する。以下、交流電力供給装置11と第1交流フィルタ16の間の一地点に対して測定された交流電圧UL1をバス電圧UL1と称する。
【0104】
第1有効電力測定部18は
図3に示した第1地点Aの有効電力を測定するがこれは例示に過ぎず、第1インダクタ17の出力端と整流装置13の入力端の間のいずれか一地点であってもよい。
【0105】
詳しくは、第1有効電力測定部18は第1インダクタ17の出力端又は整流装置13に入力される交流電流IV1及び交流電圧UV1を測定し、測定された交流電流IV1及び交流電圧UV1を利用して第1有効電力P1を測定した後、測定された第1有効電力P1を第1制御部15に伝達する。以下、第1インダクタ17の出力端又は整流装置13に入力される交流電圧UV1をブリッジ電圧UV1と称する。
【0106】
第3測定部M7は第1キャパシタC1の両端にかかる直流電圧Ud1を測定して第1制御部15に伝達する。
【0107】
第1制御部15は第1電力変換装置10の動作を全般的に制御する。
【0108】
第1制御部15は測定された第1有効電力P1及び第2有効電力P2に基づいて第1有効電力P1
に対
する第2有効電力P2の割合を測定する。一実施例において、第1制御部15は第2制御部25から第2有効電力P2に対する情報を受信する。第1制御部15及び第2制御部25それぞれは第1電力変換装置10と第2電力変換装置20間の情報交換のために遠隔通信インタフェースを具備し、遠隔通信インタフェース20を介して第1有効電力P1及び第2有効電力P2に対する情報を送受信する。
【0109】
第1制御部15は第2制御部25から受信した第2有効電力P2に対する情報を利用して第1有効電力P1
に対
する第2有効電力P2の割合(a=P
2/P
1*100)を測定する。一実施例において、第1制御部15は第2制御部25から第2有効電力P2に対する情報を受信する。第1制御部15及び第2制御部25それぞれは第1電力変換装置10と第2電力変換装置20間の情報交換のために遠隔通信インタフェースを具備し、遠隔通信インタフェースを介して第1有効電力P1及び第2有効電力P2に対する情報を送受信する。
【0110】
第1制御部15は第2制御部25から受信した第2有効電力P2に対する情報を利用して第1有効電力P1
に対
する第2有効電力P2の割合(a=P
2/P
1*100)を測定する。
【0111】
第1制御部15は測定された割合が基準割合範囲内にあるのかを確認する。一実施例において、基準割合範囲は直流送電線路に異常電圧状態が発生しないと確認される割合範囲であり、95〜98%の範囲を有する。しかし、これは例示に過ぎない数値である。
【0112】
例えば、第1有効電力P1が100MWで第2有効電力P2が96MWであれば第1有効電力P1
に対
する第2有効電力P2の割合は96%であるため基準割合範囲内にあると確認され、第1制御部15は直流送電線路に異常電圧状態が発生していないと確認する。
【0113】
もし、第1有効電力P1が100MWで第2有効電力P2が90MWであれば第1有効電力P1
に対
する第2有効電力P2の割合は90%であるため基準割合範囲内にないと確認され、第1制御部15は直流送電線路に異常電圧状態が発生したと確認する。
【0114】
第1制御部15は測定された割合が基準割合範囲内になければトリップ信号を発生する。
【0115】
即ち、第1有効電力P1
に対
する第2有効電力P2の割合が基準割合範囲内になければ、第1制御部15は直流送電線路上に異常電圧状態が発生したと判断し高電圧直流送電システム2の動作を中止するためのトリップ信号を発生する。
【0116】
もし、第1制御部15は第1有効電力
に対
する第2有効電力の割合が基準割合範囲内にあれば、第1制御部15は直流送電線路上に異常電圧状態が発生していないと判断し高電圧直流送電システム2の動作を中止するためのトリップ信号を発生しない。
【0117】
第2電力変換装置20はインバータ21、第2キャパシタC2、第2インダクタ27、第2交流フィルタ26、交流電力需給装置23、第4測底部M8、第2有効電力測定部28、第6測定部M4、第2制御部25を含む。
【0118】
インバータ21は整流装置13から伝達された直流電力を交流電力に変換する半導体バルブである。一実施例において、半導体バルブはサイリスタバルブ又は絶縁ゲートバイポーラトランジスタバルブのうちいずれか一つである。
【0119】
インバータ21は直流送電線路W1,W2を介して整流装置13から直流電流又は直流電圧を伝達され、伝達された直流電流又は直流電圧を交流電流又は交流電圧に変換する。
【0120】
第2キャパシタC2はインバータ21に並列に連結され、インバータ21に入力される直流電圧を平滑する平滑用キャパシタである。
【0121】
第2インダクタ27はインバータ21と第2交流フィルタ26との間に配置される。第2インダクタ27はインバータ21から出力された交流電流を交流電力需給装置23に伝達する。第2インダクタ27は交流電流の位相を調節する位相インダクタである。
【0122】
第2交流フィルタ26は第2インダクタ27及び交流電力需給装置23との間に配置される。第2交流フィルタ26はインバータ21が直流電力を交流電力に変換する過程で発生する電流高調波を除去する。即ち、第2交流フィルタ26は電流高調波を除去して交流電力需給装置23に電流高調波が入ることを遮断する。一実施例において、第2交流フィルタ26はキャパシタ、インダクタ及び抵抗を含む共振回路を含む。
【0123】
また、第2交流フィルタ26はインバータ21で消費される無効電力を供給してもよい。
【0124】
交流電力需給装置23は第2交流フィルタ26を介して高調波が除去された交流電力を伝達される。
【0125】
第4測定部M8は第2キャパシタC2の両端にかかる直流電圧Ud2を測定して第2制御部25に伝達する。
【0126】
第2有効電力測定部28は
図3に示した第2地点Bの有効電力を測定するがこれは例示に過ぎず、インバータ21の出力端と第2インダクタ27の入力端の間のいずれか一地点であってもよい。
【0127】
第2有効電力測定部28は第2インダクタ27の出力端又はインバータ21から出力された交流電流IV2及び交流電圧UV2を測定し、測定された交流電流IV2及び交流電圧UV2を利用して第2有効電力P2を測定した後、測定された第2有効電力P2を第2制御部25に伝達する。以下、第2インダクタ27の出力端又はインバータ21から出力される交流電圧UV2をブリッジ電圧UV2と称する。
【0128】
第6測定部M4は交流電力需給装置23が需給する交流電圧UL2を測定して第2制御部25に伝達する。第6測定部M1は交流電力需給装置23と第2交流フィルタ26の間の一地点に対する交流電圧UL2を測定して第2制御部25に伝達する。以下、交流電力需給装置23と第2交流フィルタ26の間の一地点に対して測定された交流電圧UL2をバス電圧UL2と称する。
【0129】
第2制御部25は第2電力変換装置20の動作を全般的に制御する。
【0130】
第2制御部25は測定された第1有効電力P1及び第2有効電力P2に基づいて第1有効電力P1
に対
する第2有効電力P2の割合を測定する。一実施例において、第2制御部25は第1制御部15から第1有効電力P1に対する情報を受信する。第1制御部15及び第2制御部25それぞれは第1電力変換装置10と第2電力変換装置20間の情報交換のために遠隔通信インタフェースを具備し、遠隔通信インタフェース20を介して第1有効電力P1及び第2有効電力P2に対する情報を送受信する。
【0131】
第2制御部25は第1制御部15から受信した第1有効電力P1に対する情報を利用して第1有効電力P1
に対
する第2有効電力P2の割合(a=P
2/P
1*100)を測定する。
【0132】
第2制御部25は測定された割合が基準割合範囲内にあるのかを確認する。一実施例において、基準割合範囲は直流送電線路に異常電圧状態が発生しないと確認される割合範囲であり、95〜98%の範囲を有する。しかし、これは例示に過ぎない数値である。
【0133】
第2制御部25は測定された割合が基準割合範囲内になければトリップ信号を発生する。
即ち、第1有効電力
に対
する第2有効電力の割合が基準割合範囲内になければ、第2制御部25は直流送電線路上に異常電圧状態が発生したと判断し高電圧直流送電システム2の動作を中止するためのトリップ信号を発生する。
【0134】
もし、第2制御部25は第1有効電力
に対
する第2有効電力の割合が基準割合範囲内にあれば、第2制御部25は直流送電線路上に異常電圧状態が発生していないと判断し高電圧直流送電システム2の動作を中止するためのトリップ信号を発生しない。
【0135】
図4は、本発明の一実施例による高電圧直流送電システムの制御方法を説明するための図である。
【0136】
以下、本発明の一実施例による高電圧直流送電システムの制御方法を
図1〜
図3の内容に結び付けて説明する。
【0137】
まず、第1電力変換装置10の第1有効電力測定部は整流装置13に入力される交流電力に対する第1有効電力を測定するS101。
【0138】
一実施例において、第1有効電力測定部18は
図3に示した第1地点Aでの有効電力を測定するがこれは例示に過ぎず、第1インダクタ17の出力端と整流装置13の入力端の間の一地点であってもよい。
【0139】
第1有効電力測定部18は第1地点Aで測定される交流電力IV1及び交流電圧UV1に基づいて第1地点Aでの第1有効電力を測定する。
【0140】
第1有効電力測定部18は整流装置13に入力される交流電流IV1及び交流電圧IV1を利用して整流装置13に入力される第1有効電力P1を測定する。
【0141】
第2電力変換装置20の第2有効電力測定部28はインバータ21から出力される交流電力に対する第2有効電力を測定するS103。
【0142】
一実施例において、第2有効電力測定部28は
図3に示した第2地点Bでの有効電力を測定するがこれは例示に過ぎず、第2インダクタ27の入力端とインバータ21の入力端の間の一地点であってもよい。
【0143】
第2有効電力測定部28は第2地点Bで測定される交流電流IV2及び交流電圧UV2に基づいて第2地点Bでの第2有効電力を測定する。
【0144】
第2有効電力測定部28はインバータ21から出力される交流電流IV2及び交流電圧UV2を利用してインバータ21から出力される第2有効電力P2を測定する。
【0145】
第1電力変換装置10の第1制御部15は測定された第1有効電力P1及び第2有効電力P2に基づいて第1有効電力P1
に対
する第2有効電力P2の割合を測定するS205。
【0146】
一実施例において、第1制御部15は第2制御部25から第2有効電力P2に対する情報を受信する。第1制御部15及び第2制御部25それぞれは第1電力変換装置10と第2電力変換装置20間の情報交換のために遠隔通信インタフェースを具備し、遠隔通信インタフェースを介して第1有効電力P1及び第2有効電力P2に対する情報を送受信する。
【0147】
一実施例において、第1制御部15と第2制御部25間の情報、制御信号の送受信のためにケーブル通信が利用される。
【0148】
第1制御部15は第2制御部25から受信した第2有効電力P2に対する情報を利用して第1有効電力P1
に対
する第2有効電力P2の割合(a=P
2/P
1*100)を測定する。
【0149】
第1電力変換装置10の第1制御部15は測定された割合が基準割合範囲内にあるのかを確認するS207。一実施例において、基準割合範囲は直流送電線路に異常電圧状態が発生していないと確認される割合範囲であり、95〜98%の範囲を有する。しかし、これは例示に過ぎない数値である。
【0150】
例えば、第1有効電力P1が100MWで第2有効電力P2が96MWであれば第1第1有効電力P1
に対
する第2有効電力P2の割合は96%であるため基準割合範囲内にあると確認され、第1制御部15は直流送電線路に異常電圧状態が発生していないと確認する。
【0151】
もし、第1有効電力P1が100MWで第2有効電力P2が90MWであれば第1有効電力P1
に対
する第2有効電力P2の割合は90%であるため基準割合範囲内にないと確認され、第1制御部15は直流送電線路に異常電圧状態が発生したと確認する。
【0152】
もし測定された割合が基準割合範囲内にあればS201に戻り、測定された割合が基準割合範囲内になければ第1電量変換装置10の第1制御部15はトリップ信号を発生するS209。
【0153】
即ち、第1有効電力
に対
する第2有効電力の割合が基準割合範囲内になければ、第1制御部15は直流送電線路上に異常電圧状態が発生したと判断して高電圧直流送電システム2の動作を中止するためのトリップ信号を発生する。
【0154】
もし、第1制御部15は第1有効電力
に対
する第2有効電力の割合が基準割合範囲内にあれば、第1制御部15は直流送電線路上に異常電圧状態が発生していないと判断して高電圧直流送電システム2の動作を中止するためのトリップ信号を発生しない。
【0155】
第1電力変換装置10の第1制御部15は発生したトリップ信号に応じて高電圧直流送電システム2の動作を中断するS211。
【0156】
図4の実施例ではS205〜S211を第1制御部15が行うと説明したが、S205〜S211は第2制御部25で行われてもよい。
【0157】
本発明の多様な実施例による高電圧直流送電システム2の制御方法によると、ブリッジ電圧UV1及びバス電圧UL1間の位相差を調節するために位相変更命令信号を生成する手段、位相変更命令信号に応じてブリッジ電圧UV1及びバス電圧UL1間の位相差を調節する手段がなくても直流送電線路上の異常電圧状態を検出してシステムの不安定な動作が起こることを防止し、高電圧直流送電システムの単価を下げることもできる。
【0158】
また、本発明の他の実施例による高電圧直流送電システム2の制御方法によると、第1電力変換装置10の一地点で測定された有効電力と第2電力変換装置20の一地点で測定された有効電力のみを利用して容易に直流送電線路上の異常電圧状態を把握することができる。
【0159】
また、前記では本発明の好ましい実施例について図示し説明したが、本発明が上述した特定の実施例に限ることはなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく該当発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であることはもちろんである。また、このような変形実施は本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはならない。