特許第6158968号(P6158968)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6158968
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】管理作業機
(51)【国際特許分類】
   A01B 51/04 20060101AFI20170626BHJP
   A01B 35/04 20060101ALI20170626BHJP
   A01G 13/02 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
   A01B51/04
   A01B35/04 E
   A01G13/02 G
   A01G13/02 L
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-27582(P2016-27582)
(22)【出願日】2016年2月17日
【審査請求日】2016年10月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】395008849
【氏名又は名称】株式会社富士トレーラー製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】皆川 功
(72)【発明者】
【氏名】皆川 俊男
(72)【発明者】
【氏名】飯岡 貴行
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅文
【審査官】 田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5839304(JP,B2)
【文献】 特許第5817069(JP,B1)
【文献】 特許第4997132(JP,B2)
【文献】 実公平07−046132(JP,Y2)
【文献】 特開平11−196686(JP,A)
【文献】 特開2007−215522(JP,A)
【文献】 特許第2934491(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 51/00−51/04
A01B 35/00−35/32
A01G 13/02−13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に連結機構により取付枠を上下動自在に連結し、該取付枠に運搬台を設け、該運搬台に作物栽培用のアーチ形状の複数本の支柱を積載可能な積載枠体を着脱自在に設け、該積載枠体の前部を該運搬台の前部に回動自在に取り付け、該積載枠体を回動軸線を中心として跳ね上げ可能に設け、該積載枠体の後部に運搬台の後端部より後方に突出して該支柱を掬上可能な掬部を形成してなり、上記積載枠体の後部に上記複数本の支柱を掬上可能な掬上枠体を引出収納自在に設けてなることを特徴とする管理作業機。
【請求項2】
上記取付枠に上記運搬台を後方傾動自在に設けてなることを特徴とする請求項1記載の管理作業機。
【請求項3】
上記取付枠に上記運搬台に圃場土を導入可能なすき体を配設してなることを特徴とする請求項1又は2記載の管理作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作物栽培用のアーチ形状の支柱を積載運搬可能な管理作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にエダマメ、カボチャ、キュウリ等の野菜や花等の植物の栽培において、アーチ状の複数本の支柱を畑地等の圃場に間隔を置いて立設してハウスの骨格を構成し、この骨格にビニールフィルムやネット等の被覆膜を被せることによりハウスを形成して野菜や花等の植物のハウスによる促成栽培が行われている。
【0003】
これら促成栽培に使用するアーチ状の支柱は鉄製であり、単体重量は約0.6kg〜1.6kgと重く、必要な支柱の本数も例えば数百本と多数本となり、支柱を人的に運搬することは困難であり、運搬台で運搬するにしても保管庫等に保管した支柱を一本ずつ運搬台に積載し、圃場まで運搬したのち一本ずつ立設し、使用後においても、圃場から一本ずつ引き抜き、運搬台に一本ずつ積載し、運搬台により保管庫まで運搬したのち保管庫等に保管する必要があり、ハウス構築の作業性の低下及び作業者に相当な労苦を強いることがある。
【0004】
このような管理作業機として、走行機体に連結機構により取付枠を上下動自在に連結し、取付枠に運搬台を設け、運搬台に作物栽培用のアーチ形状の複数本の支柱を積載可能な積載枠体を着脱自在に設け、積載枠体の前部を運搬台の前部に回動自在に取り付け、積載枠体を回動軸線を中心として跳ね上げ可能に設け、積載枠体の後部に運搬台の後端部より後方に突出して支柱を掬上可能な掬部を形成してなる構造のものが知られている。
【0005】
しかして、野菜や花等の植物の促成栽培におけるハウス構築の作業において、積載枠体後部の掬部を支柱のアーチ状の内部空間に挿入配置し、連結機構により運搬台を上昇し、積載枠体により支柱を持ち上げ、支柱を圃場から引き抜き、複数本の支柱の積み込み運搬や積み戻し運搬をしたり、又は、走行機体の走行動作及びすき体の協動により圃場面の高い土を削出して運搬台に土を導入し、圃場面の低い位置まで運搬台により土を運搬すると共に運搬台を後方傾動して土を排出し、圃場土の削土、導入案内、運搬及び排土により圃場面の高低を是正する整地作業機として用いたり、あるいは、農作業具や収穫物等の運搬作業機として用いたりすることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4997132号公報
【特許文献2】特許第5839304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記従来構造の場合、一般的に支柱は略80cmピッチで直列状に圃場に複数本立設され、上記積載枠体の前後方向の長さは積載枠体は運搬台上に載置されることから運搬台の前後方向の長さと略同じ長さとなっており、一回の持ち上げにより引き抜き可能な本数は3本乃至5本程度に限られ、この一回の引き上げ本数が限られた状態において、走行機体の後退及び停止並びに運搬台の上下動を複数回繰り返すことになり、それだけ、支柱の引抜作業性が低下していることがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、走行機体に連結機構により取付枠を上下動自在に連結し、該取付枠に運搬台を設け、該運搬台に作物栽培用のアーチ形状の複数本の支柱を積載可能な積載枠体を着脱自在に設け、該積載枠体の前部を該運搬台の前部に回動自在に取り付け、該積載枠体を回動軸線を中心として跳ね上げ可能に設け、該積載枠体の後部に運搬台の後端部より後方に突出して該支柱を掬上可能な掬部を形成してなり、上記積載枠体の後部に上記複数本の支柱を掬上可能な掬上枠体を引出収納自在に設けてなることを特徴とする管理作業機にある。
【0009】
又、請求項2記載の発明は、上記取付枠に上記運搬台を後方傾動自在に設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記取付枠に上記運搬台に圃場土を導入可能なすき体を配設してなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、上記積載枠体の後部に上記複数本の支柱を掬上可能な掬上枠体を引出収納自在に設けているから、掬上枠体を積載枠体の後部から引出配置し、走行機体を後退走行して運搬台上の積載枠体の後部から突出する掬上枠体を複数本の支柱のアーチ状の内部空間に挿入配置し、連結機構により運搬台を上昇させることにより掬上枠体は複数本の支柱に当接し、複数本の支柱を掬上枠体で一挙に持ち上げることができ、一回の持ち上げにより引き抜き可能な本数を増やすことができ、走行機体の後退及び停止並びに運搬台の上下動の回数も減ずることができ、それだけ、支柱の引抜作業性を向上することができ、かつ、走行機体、運搬台の上下動及び積載枠体により作物栽培用のアーチ形状の複数本の支柱を容易に積み込み運搬や積み戻し運搬をすることができ、野菜や花等の植物の促成栽培におけるハウス構築の作業性を向上することができ、作業者の労苦を軽減することができる。
【0011】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記取付枠に上記運搬台を後方傾動自在に設けてなるから、積載枠体で持ち上げた複数本の支柱の取出作業を容易に行うことができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記取付枠に上記運搬台に圃場土を導入可能なすき体を配設してなるから、圃場面の整地作業をも行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態例の全体側面図である。
図2】本発明の実施の形態例の部分拡大側面図である。
図3】本発明の実施の形態例の部分拡大平面図である。
図4】本発明の実施の形態例の後面図である。
図5】本発明の実施の形態例の部分斜視図である。
図6】本発明の実施の形態例の後断面図である。
図7】本発明の実施の形態例の部分拡大側面図である。
図8】本発明の実施の形態例の部分拡大側断面図である。
図9】本発明の実施の形態例の部分拡大正断面図である。
図10】本発明の実施の形態例の部分拡大断面図である。
図11】本発明の実施の形態例の部分拡大平面図である。
図12】本発明の実施の形態例の部分拡大側断面図である。
図13】本発明の実施の形態例の使用状態の側面図である。
図14】本発明の実施の形態例の使用状態の側面図である。
図15】本発明の実施の形態例の他の使用状態の側面図である。
図16】本発明の実施の形態例の使用状態の側面図である。
図17】本発明の実施の形態例の使用状態の側面図である。
図18】本発明の実施の形態例の他の使用状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1乃至図18は本発明の実施の形態例を示し、1は走行機体、この場合、トラクタであって、走行機体1の後部には連結機構2により取付枠3を上下動自在に連結している。
【0014】
この場合、図1図3の如く、上記連結機構2は走行機体1としてのトラクタの左右両側部下部に突設した下部リンク4と、トラクタの左右両側部上部に突設した揺動アーム5と、揺動アーム5と下部リンク4の中程部を連結する吊上リンク6と、トラクタの上部に突設した上部リンク7とからなる三点リンク式連結機構により構成され、上記下部リンク4の先端部と上部リンク7の先端部を連結ピン8・8・8により取付枠3に連結し、取付枠3を油圧により揺動する揺動アーム5によって上下動可能にしている。
【0015】
9は運搬台であって、この場合、図1図3図18の如く、長方形状の底板9aの四辺部に左右側板9b・9b、前板9c、後板9dを立設して形成され、一方、上記取付枠3は側面L状にして後面四角枠状に形成され、取付枠3の左右の縦杆3a・3a間の中央部にすき体10を前下がり位置及び待避位置に回動自在に取付け、前板9cのすき体10に対向する位置に土導入口部11を形成し、取付枠3の後端部に運搬台9の底板9aを支点軸12により枢着し、運搬台9を支点軸12を中心として後方傾動自在に取付けて構成している。
【0016】
13は係止機構であって、この場合、図2図3図7の如く、上記取付枠3の上部の横杆3bに鉤状の係止アーム14を軸14bにより枢着し、係止アーム14にハンドル14aを突設し、運搬台9の上部に係止部15を形成し、係止アーム14と係止部15とを係合し、バネ部材16によって係合状態を保持するようにしている。
【0017】
17は積載枠体であって、作物栽培用のアーチ形状の支柱W・W・・を複数本積載可能な形状に形成され、上記運搬台9に着脱自在及び跳ね上げ自在に取り付けられ、この場合、支柱Wとして、丸鋼管製にして、直径19mm、アーチの高さ1,100mm、アーチ底幅2,000mmの形状のものが用いられている。
【0018】
この場合、図1図2図3図4図5の如く、上記積載枠体17は、前杆17a及び後杆17bの左右両端部に側面コ状の脚杆17c・17cの上方開口端部を連結形成し、前杆17a及び後杆17bに滑落防止杆17d・17dを形成し、図11図12の想像線及び実線に示す如く、後側の滑落防止杆17dは後杆17bの軸線を中心として起立倒伏回動自在に設けられ、前側の滑落防止杆17dと後杆17bとの間に走行機体1の前後方向に延びて支柱W・W・・の頂部内面を担持可能な頂部担持杆17eを架設すると共に左右の脚杆17c・17cの上部間に走行機体1の前後方向に延びて支柱W・W・・の両側部内面を担持可能な側部担持杆17f・17fを架設し、上記支柱W・W・・の頂部内面を担持可能な頂部担持杆17eを上記走行機体1の後方から前方に向かって次第に登り上がる水平Hに対して角度θの登り傾斜状に形成し、走行機体1の後退動作の継続に伴って頂部担持杆17eが圃場Mに立設する支柱W・W・・の頂部内面に登り傾斜状に接触して頂部担持杆17eにより支柱W・W・・を圃場Mから徐々に引き抜き可能に形成し、上記積載枠体17の後部に運搬台9の底板9aの後端部より突出して支柱Wを掬上可能な掬部17gを形成し、頂部担持杆17eの中程部に枢着ピン17hによりジャッキ杆17iを枢着し、ジャッキ杆17iの盤体17jを運搬台9の底板9a上面に当接し、ジャッキ杆17iにより積載枠体17を支持可能に設けて構成している。
【0019】
18は着脱機構であって、この場合、図5図6図7図8図9の如く、上記運搬台9の前板9cの上部杆9eの左右両側に軸受部材18a・18aをボルト18bにより着脱自在に取り付け、軸受部材18a・18a間に積載枠体17の前杆17aを回動自在に軸受し、これにより、図18の如く、積載枠体17を着脱自在及び前杆17aの軸線を中心として跳ね上げ可能に取り付け、しかして、積載枠体17の前部を運搬台9の前部に回動自在に取り付け、積載枠体17を前杆17aの軸線としての回動軸線を中心として跳ね上げ可能に設けて構成している。
【0020】
19は介在部材であって、例えば、桟木が用いられ、この場合、図18の如く、運搬台9の左右側板9b・9b上や後板9d上に載置され、介在部材19上に積載枠体17の脚杆17cを載置することにより運搬台9の底板9a上に農機具や収穫物等の運搬物を載置するスペースを得ることができ、また、すき体10を取付枠3に前下り状に保持して走行機体1を前進走行し、圃場面Mの高い所の土をすき体10により削り取り、削り取られた土をすき体10により運搬台9内に導入案内し、走行機体1を圃場面Mの低い所に移動し、その位置で作業者が人為的に係止機構13を解除し、運搬台9を支点軸12を中心として自重で後方傾動させ、運搬台9内の土を圃場面Mの低い所に排出し、この作業を繰り返すことにより圃場面Mの整地作業を行うことができるようにしている。
【0021】
20は掬上枠体であって、上記積載枠体17の後部に引出収納自在に設けられ、上記複数本の支柱W・W・・を掬上可能に形成され、この場合、図1図3図4図5図10図13の如く、上記掬上枠体20の左右の側部担持杆17f・17fの内側に支持パイプ20a・20aを取付け、各支持パイプ20a・20aに延長基部パイプ20b・20bを摺動自在に挿通し、延長基部パイプ20b・20bに延長先端パイプ20c・20cを摺動自在に挿通し、延長先端パイプ20c・20c間に滑落防止用の橋絡杆20dを形成し、支持パイプ20a・20aと延長基部パイプ20b・20bと延長先端パイプ20c・20c、又は、支持パイプ20aと延長基部パイプ20b及び延長基部パイプ20bと延長先端パイプ20c・20cとに嵌挿可能な二個の係止ピン20eを形成し、しかして、図3図4図5の如く、掬上枠体20を積載枠体17に収納して支持パイプ20a・20aと延長基部パイプ20b・20bと延長先端パイプ20c・20cとに係止ピン20eを嵌挿し、あるいは、図13の如く、掬上枠体20を積載枠体17から引出して支持パイプ20aと延長基部パイプ20b及び延長基部パイプ20bと延長先端パイプ20c・20cとに二個の係止ピン20eを嵌挿し、これにより掬上枠体20を収納位置及び引出位置に位置固定自在に設けて構成している。
【0022】
この実施例は上記構成であるから、図18の如く、介在部材19上に積載枠体17の脚杆17cを載置することにより運搬台9の底板9a上に農機具や収穫物等の運搬物を載置することができ、かつ、すき体10を取付枠3に前下り状に保持して走行機体1を前進走行し、圃場面Mの高い所の土をすき体10により削り取り、削り取られた土をすき体10により運搬台9内に導入案内し、走行機体1を圃場面Mの低い所に移動し、その位置で作業者が人為的に係止機構13を解除し、運搬台9を支点軸12を中心として自重で後方傾動させ、運搬台9内の土を圃場面Mの低い所に排出し、この作業を繰り返すことにより圃場面Mの整地作業を行うことができ、さらには、図13の如く、介在部材19を取り外し、運搬台9上に積載枠体17を載置し、図11及び図12の想像線位置の如く、後側の滑落防止杆17dを倒伏回動し、この状態で、促成栽培終了時において、使用済みのアーチ状の支柱W・W・・を圃場Mから引き抜く作業に際し、上記積載枠体17の後部に上記複数本の支柱W・W・・を掬上可能な掬上枠体20を引出収納自在に設けているから、図13の如く、掬上枠体20を積載枠体17の後部から引出配置し、走行機体1を後退走行して運搬台9上の積載枠体17の後部から突出する掬上枠体20を複数本の支柱W・W・・のアーチ状の内部空間に挿入配置し、図14の如く、連結機構2により運搬台9を上昇させることにより掬上枠体20は複数本の支柱W・W・・に当接し、複数本の支柱W・W・・を掬上枠体20で一挙に持ち上げることができ、図13の想像線の如く、複数の支柱W・W・・を積載枠体17上に移し、図16の如く、掬上枠体20を収納配置し、この持上状態で走行機体1を走行させることにより複数本の支柱W・W・・を保管庫等まで運搬することができ、保管庫等で積載枠体17からの支柱W・W・・の取出作業を行うことになり、或いは、図13の如く、上記支柱W・W・・の頂部内面を担持可能な頂部担持杆17eを上記走行機体1の後方から前方に向かって次第に登り上がる角度θの登り傾斜状に形成しているから、図15の如く、掬上枠体20を積載枠体17に収納配置し、運搬台9を水平Hに保持した状態、或いは、必要に応じて、連結機構2により運搬台9を後方下り傾斜位置させた状態において、走行機体1を後退動作して上記積載枠体17の掬部17gを支柱Wのアーチ状の内部空間に挿入配置すると共にこれに連続して更なる走行機体1の後退動作の継続に伴って頂部担持杆17eが圃場Mに立設する支柱W・W・・の頂部内面に登り傾斜状に接触して頂部担持杆17eの角度θの登り傾斜及び運搬台9の後方傾斜の存在により支柱Wは圃場Mから徐々に引き抜かれ、走行機体1の更なる連続的な後退動作により次列の支柱Wが圃場Mから引き抜かれることになり、しかして、走行機体1の後退動作の継続により複数本の支柱W・W・・を連続的に引き抜くことができ、このようにして、複数本の支柱W・W・・の引き抜きが完了したとき、図16の如く、連結機構2により運搬台9を上昇位置し、図11及び図12の実線位置の如く、後側の滑落防止杆17dを起立回動し、運搬台9の上昇状態で走行機体1を走行させることにより複数本の支柱W・W・・を所定の場所まで運搬することができ、又、促成栽培開始時において、図17の如く、保管庫等において、例えば家屋の柱や杭等の支持柱Kに複数本の支柱W・W・・を並列状に立設状態で立て掛け配置し、走行機体1を後退走行して運搬台9上の積載枠体17の後部としての掬部17gを複数本の支柱W・W・・のアーチ状の内部空間に挿入配置し、連結機構2により運搬台9を上昇させ、積載枠体17は複数本の支柱W・W・・に当接し、複数本の支柱W・W・・を積載枠体17で一挙に持ち上げ、この持上状態で走行機体1を走行させることにより複数本の支柱W・W・・を畑土等の圃場面Mまで運搬し、圃場面Mにおいて、支柱Wを立設して促成栽培用のハウスの骨格とすることができ、このため、作物栽培用のアーチ形状の複数本の支柱W・W・・を容易に積み込み運搬や積み戻し運搬をすることができ、野菜や花等の植物の促成栽培におけるハウス構築の作業性を向上することができ、作業者の労苦を軽減することができる。
【0023】
したがって、上記積載枠体17の後部に上記複数本の支柱W・W・・を掬上可能な掬上枠体20を引出収納自在に設けているから、図13の如く、掬上枠体20を積載枠体17の後部から引出配置し、走行機体1を後退走行して運搬台9上の積載枠体17の後部から突出する掬上枠体20を複数本の支柱W・W・・のアーチ状の内部空間に挿入配置し、図14の如く、連結機構2により運搬台9を上昇させることにより掬上枠体20は複数本の支柱W・W・・に当接し、複数本の支柱W・W・・を掬上枠体20で一挙に持ち上げることができ、一回の持ち上げにより引き抜き可能な本数を増やすことができ、走行機体1の後退及び停止並びに運搬台9の上下動の回数も減ずることができ、それだけ、支柱Wの引抜作業性を向上することができる。
【0024】
又、この場合、上記支柱W・W・・の頂部内面を担持可能な頂部担持杆17eを上記走行機体1の後方から前方に向かって次第に登り上がる角度θの登り傾斜状に形成しているから、掬上枠体20を積載枠体17に収納配置し、走行機体1を後退動作して上記積載枠体17の掬部17gを支柱Wのアーチ状の内部空間に挿入配置すると共にこれに連続して更なる走行機体1の後退動作の継続に伴って頂部担持杆17eが圃場Mに立設する支柱W・W・・の頂部内面に登り傾斜状に接触して頂部担持杆17eの角度θの登り傾斜及び運搬台9の後方傾斜の存在により支柱Wは圃場Mから徐々に引き抜かれ、走行機体1の更なる連続的な後退動作により次列の支柱Wが圃場Mから引き抜かれることになり、しかして、走行機体1の後退動作の継続により複数本の支柱W・W・・を連続的に引き抜くことができ、支柱W・W・・の引抜作業を走行機体1の連続的な後退動作の継続により行うことができ、引抜作業性を向上することができ、かつ、走行機体1、運搬台9の上下動及び積載枠体17により作物栽培用のアーチ形状の複数本の支柱W・W・・を容易に積み込み運搬や積み戻し運搬をすることができ、野菜や花等の植物の促成栽培におけるハウス構築の作業性を向上することができ、作業者の労苦を軽減することができる。
【0025】
この際、上記積載枠体17は上記支柱Wの頂部内面を担持可能にして上記走行機体1の前後方向に延びる頂部担持杆17e及び支柱Wの両側部内面を担持可能にして上記走行機体1の前後方向に延びる側部担持杆17f・17fを備えてなるから、積載枠体17による支柱W・W・・の持上状態の安定性を図ることができ、運搬作業の安全性を高めることができ、又、この場合、積載枠体17の前部を運搬台9の前部に回動自在に取り付け、積載枠体17を回動軸線を中心として跳ね上げ可能に設けているから、積載枠体17を跳ね上げることにより運搬台9上に農機具や収穫物等の運搬物を積載することができ、各種の運搬物をも運搬することができ、又、この場合、上記取付枠3に上記運搬台9を後方傾動自在に設けてなるから、積載枠体17で持ち上げた複数本の支柱W・W・・の取出作業を容易に行うことができ、又、この場合、上記取付枠3に上記運搬台9に圃場土を導入可能なすき体10を配設してなるから、圃場面Mの整地作業を行うことができる。
【0026】
尚、本発明は上記実施例のものに限られるものではなく、例えば積載枠体17の構造や形態等は適宜変更して設計される。
【0027】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0028】
W 支柱
M 圃場
1 走行機体
2 連結機構
3 取付枠
9 運搬台
10 すき体
17 積載枠体
17g 掬部
20 掬上枠体
【要約】
【課題】複数本の支柱を掬上枠体で一挙に持ち上げることができ、一回の持ち上げにより引き抜き可能な本数を増やすことができ、走行機体の後退及び停止並びに運搬台の上下動の回数も減ずることができ、それだけ、支柱の引抜作業性を向上することができる。
【解決手段】走行機体1に連結機構2により取付枠3を上下動自在に連結し、取付枠に運搬台9を設け、運搬台に作物栽培用のアーチ形状の複数本の支柱W・W・・を積載可能な積載枠体17を着脱自在に設け、積載枠体の前部を運搬台の前部に回動自在に取り付け、積載枠体を回動軸線を中心として跳ね上げ可能に設け、積載枠体の後部に運搬台の後端部より後方に突出して支柱を掬上可能な掬部17gを形成してなり、上記積載枠体の後部に上記複数本の支柱を掬上可能な掬上枠体20を引出収納自在に設けてなる。
【選択図】図14
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