特許第6159012号(P6159012)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6159012
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】近接サービス提供方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/04 20090101AFI20170626BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20170626BHJP
   H04W 92/14 20090101ALI20170626BHJP
【FI】
   H04W76/04
   H04W92/18
   H04W92/14
【請求項の数】14
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-504248(P2016-504248)
(86)(22)【出願日】2014年3月18日
(65)【公表番号】特表2016-519876(P2016-519876A)
(43)【公表日】2016年7月7日
(86)【国際出願番号】KR2014002273
(87)【国際公開番号】WO2014148795
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2015年9月18日
(31)【優先権主張番号】61/803,468
(32)【優先日】2013年3月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/814,354
(32)【優先日】2013年4月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/873,841
(32)【優先日】2013年9月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/877,242
(32)【優先日】2013年9月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】キム レヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム チェヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム テヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョンソク
【審査官】 米倉 明日香
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−541502(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/015662(WO,A2)
【文献】 3GPP TR 22.803 V12.1.0 (2013-03),2013年 3月15日
【文献】 Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell, NEC, Samsung,Core Network assisted eNB parameters tuning for small data transfer,3GPP TSG-SA WG2 #95 S2-130571,2013年 1月30日
【文献】 3GPP TS 23.401 V12.0.0 (2013-03),2013年 3月 7日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、2
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接サービス(Proximity Service:Prose)をサポートする無線通信システムにおける基地局(eNodeB)の端末管理方法において、
端末(User Equipment:UE)の連結状態を判断するステップと、
前記端末の連結状態が遊休状態である場合、RRC非活性タイマー(Radio Resource Control inactivity timer)を開始するステップを含み、
前記連結状態は、
前記端末のインフラストラクチャ通信の有無及び前記端末のProSe通信の有無によって決定される、端末管理方法。
【請求項2】
前記ProSe通信は、
ProSe E―UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)通信、ProSeグループ通信、ProSeブロードキャスト通信、及びProSe―サポートWLAN直接通信のうち少なくとも一つである、請求項1に記載の端末管理方法。
【請求項3】
前記判断するステップは、
前記端末がインフラストラクチャ通信を行わない状態で、前記端末から前記ProSe通信の終了を指示するメッセージを受信した場合、前記端末が遊休状態であると判断するステップである、請求項1に記載の端末管理方法。
【請求項4】
前記判断するステップは、
前記端末がインフラストラクチャ通信を行わない状態で、MME(Mobility Management Entity)から前記ProSe通信の終了を指示するメッセージを受信した場合、前記端末が遊休状態であると判断するステップである、請求項1に記載の端末管理方法。
【請求項5】
前記判断するステップは、
前記端末がインフラストラクチャ通信を行わない状態で、前記端末のProSe通信を終了させる動作、前記ProSe通信に割り当てられた無線資源の使用を中断させる動作、及び他のネットワークノードからProSe通信終了連関情報を受信する動作のうち少なくとも一つの動作を前記基地局が行い、前記端末を遊休状態であると判断するステップである、請求項1に記載の端末管理方法。
【請求項6】
前記端末がインフラストラクチャ通信を行わない状態で前記RRC非活性タイマーが満了する場合、S1解除手順を行うステップをさらに含む、請求項1に記載の端末管理方法。
【請求項7】
前記端末がインフラストラクチャ通信を行わない状態で前記RRC非活性タイマーが満了する場合、
前記端末のProSe通信関連無線資源を解除する動作、MMEに前記端末に対するProSe通信が終了したことを指示する動作、及び前記基地局のProSe関連コンテキストを解除する動作のうち一つをさらに行う、請求項1に記載の端末管理方法。
【請求項8】
前記端末は、
前記端末がインフラストラクチャ通信を行わない状態で前記ProSe通信が終了した場合、ProSe通信関連資源を解除するように構成された、請求項1に記載の端末管理方法。
【請求項9】
前記ProSe通信関連資源は、
ベアラ、IPコネクション、PDNコネクション、IPアドレス、及びTFT(Traffic Flow Template)のうち少なくとも一つである、請求項8に記載の端末管理方法。
【請求項10】
前記端末は、
新たなモードで通信を行うように構成され、
前記新たなモードは、インフラストラクチャ通信を行わないが、ProSe通信を行うモードと定義される、請求項1に記載の端末管理方法。
【請求項11】
前記端末は、
S1―Uインターフェースが生成されていない状態である、請求項10に記載の端末管理方法。
【請求項12】
前記端末からインフラストラクチャデータ経路を介して伝送されるユーザーデータを認知した場合、前記端末に対するS1―Uインターフェースを生成することをさらに含む、
請求項11に記載の端末管理方法。
【請求項13】
前記S1―Uインターフェースは、
MMEとの相互作用及び/又は前記基地局に予め格納された情報に基づいて生成される、請求項12に記載の端末管理方法。
【請求項14】
近接サービス(Proximy Service:Prose)をサポートする無線通信システムのネットワークエンティティにおいて、
無線周波数ユニットと、
プロセッサとを含み、
前記プロセッサは、端末(User Equipment:UE)の連結状態を判断し、前記端末の連結状態が遊休状態である場合、RRC非活性タイマー(Radio Resource Control inactivity timer)を開始するように構成され、
前記連結状態は、
前記端末のインフラストラクチャ通信の有無及び前記端末のProSe通信の有無によって決定される、ネットワークエンティティ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の説明は、無線通信システムに関し、より詳細には、近接サービスを提供する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近接サービス(Proximity Service;ProSe)は、物理的に近い場所に位置する各装置(device)間の通信をサポートする方案を意味する。具体的には、ProSeは、互いに近接した各装置で動作するアプリケーションを探索(discover)し、究極的には、アプリケーション―関連データを交換する動作をサポートすることを目的とする。例えば、ソーシャルネットワークサービス(SNS)、商業、ゲームなどのアプリケーションにProSeが適用されることを考慮することができる。
【0003】
ProSeは、装置―対―装置(Device―to―Device;D2D)通信と称することもできる。すなわち、複数の装置(例えば、端末(User Equipment;UE))間に直接的なリンクを設定し、ネットワークを経ずにユーザーデータ(例えば、音声、マルチメディアデータなど)を各装置間で直接取り交わす通信方式をいう。ProSe通信は、端末―対―端末(UE―to―UE)通信、ピア―対―ピア(Peer―to―Peer)通信などの方式を含むことができる。また、ProSe通信方式は、M2M(Machine―to―Machine)通信、MTC(Machine Type Communication)などに応用することができる。したがって、ProSeは、急速に増加するデータトラフィックによる基地局の負担を解決できる一つの方案として考慮されている。また、ProSeを導入することによって、基地局の手順減少、ProSeに参加する各装置の消費電力減少、データ伝送速度増加、ネットワークの収容能力増加、負荷分散、セルカバレッジ拡大などの効果を期待することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようにProSeの導入の必要性が論議されているが、ProSeをサポート及び制御するためのメカニズムに対しては具体的な方案が設けられていない。
【0005】
本発明の目的は、ProSe基盤の通信メカニズムと関連して、端末がインフラストラクチャ(infrastructure)通信を行わない状態でProSe通信のみを行う場合、効率的な通信を行う方案を提供することを技術的課題とする。
【0006】
本発明で達成しようとする各技術的課題は、以上で言及した各技術的課題に制限されず、言及していない更に他の技術的課題は、下記の記載から本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した問題を解決するための本発明の一態様である、近接サービス(Proximity Service;Prose)をサポートする無線通信システムにおける基地局(eNodeB)の端末管理方法は、端末(User Equipment、UE)の連結状態を判断するステップと、前記端末の連結状態が遊休(idle)状態である場合、RRC非活性タイマー(Radio Resource Control inactivity timer)を開始するステップとを含み、前記連結状態は、前記端末のインフラストラクチャ通信の有無及び前記端末のProSe通信の有無によって決定されることを特徴とする。
【0008】
さらに、前記ProSe通信は、ProSe E―UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)通信、ProSeグループ通信、 ProSeブロードキャスト通信、及びProSe―サポートWLAN直接通信のうち少なくとも一つであることを特徴とすることができる。
【0009】
さらに、前記判断するステップは、前記端末がインフラストラクチャ通信を行わない状態で、前記端末から前記ProSe通信の終了を指示するメッセージを受信した場合、前記端末が遊休状態であると判断するステップであることを特徴とすることができる。
【0010】
さらに、前記判断するステップは、前記端末がインフラストラクチャ通信を行わない状態で、MME(Mobility Management Entity)から前記ProSe通信の終了を指示するメッセージを受信した場合、前記端末が遊休状態であると判断するステップであることを特徴とすることができる。
【0011】
さらに、前記判断するステップは、前記端末がインフラストラクチャ通信を行わない状態で、前記端末のProSe通信を終了させる動作、前記ProSe通信に割り当てられた無線資源の使用を中断させる動作、及び他のネットワークノードからProSe通信終了連関情報を受信する動作のうち少なくとも一つの動作を前記基地局が行い、前記端末を遊休状態であると判断するステップであることを特徴とすることができる。
【0012】
さらに、前記端末がインフラストラクチャ通信を行わない状態で前記RRC非活性タイマーが満了(expire)する場合、S1解除手順を行うことをさらに含むことを特徴とすることができる。
【0013】
さらに、前記端末がインフラストラクチャ通信を行わない状態で前記RRC非活性タイマーが満了する場合、前記端末のProSe通信関連無線資源を解除する動作、MMEに前記端末に対するProSe通信が終了したことを指示する動作、及び前記基地局のProSe関連コンテキストを解除する動作のうち一つをさらに行うことを特徴とすることができる。
【0014】
さらに、前記端末は、前記端末がインフラストラクチャ通信を行わない状態で前記ProSe通信が終了した場合、前記ProSe通信関連資源を解除するように構成されたことを特徴とすることができ、さらに、前記ProSe通信関連資源は、ベアラ、IPコネクション(connection)、PDNコネクション、IPアドレス、及びTFT(Traffic Flow Template)のうち少なくとも一つであることを特徴とすることができる。
【0015】
さらに、前記端末は、新たな(new)モードで通信を行うように構成され、前記新たなモードは、インフラストラクチャ通信を行わないが、ProSe通信を行うモードと定義されることを特徴とし、さらに、S1―Uインターフェースが生成されていない状態であることを特徴とすることができる。さらに、前記端末からインフラストラクチャデータ経路を介して伝送されるユーザーデータを認知した場合、前記端末に対するS1―Uインターフェースを生成するステップをさらに含むことを特徴とすることができ、好ましくは、前記S1―Uインターフェースは、MMEとの相互作用(interaction)及び/又は前記基地局に予め格納された情報に基づいて生成されることを特徴とすることができる。
【0016】
上述した問題を解決するための本発明の他の態様である、近接サービス(Proximity Service;Prose)をサポートする無線通信システムのネットワークエンティティ(network entity)において、無線周波数ユニット(Radio Frequency Unit)と、プロセッサ(Processor)を含み、前記プロセッサは、端末(User Equipment、UE)の連結状態を判断すること、及び前記端末の連結状態が遊休状態である場合、RRC非活性タイマーを開始するように構成され、前記連結状態は、前記端末のインフラストラクチャ通信の有無、及び前記端末のProSe通信の有無によって決定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、端末がインフラストラクチャ通信を行わない状態でProSe通信のみを行う場合、効率的な通信を行うことができる。
【0018】
本発明で得られる効果は、以上で言及した各効果に制限されず、言及していない更に他の効果は、下記の記載から本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】EPC(Evolved Packet Core)を含むEPS(Evolved Packet System)の概略的な構造を示す図である。
図2】EPSにおいて二つのUEが通信する基本的なデータ経路(default data path)を示す図である。
図3】ProSeに基盤した二つのUE間の直接モードデータ経路(direct mode data path)を示す図である。
図4】ProSeに基盤した二つのUE間のローカルルーティング方式データ経路(locally―routed data path)を示す図である。
図5】S1解除手順(S1 Release Procedure)を説明するための参考図である。
図6】本発明の実施例に係るS1解除手順を説明するための参考図である。
図7】本発明の実施例に係るS1解除手順を説明するための参考図である。
図8】本発明の一例に係る端末装置及びネットワークノード装置に対する好ましい実施例の構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に関する理解を促進するために詳細な説明の一部として含まれる添付の図面は、本発明に対する実施例を提供し、詳細な説明と共に本発明の技術的思想を説明する。
以下の各実施例は、本発明の各構成要素と各特徴を所定形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別途の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮することができる。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合されていない形態で実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は各特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の各実施例で説明する各動作の順序は変更可能である。いずれかの実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含ませることができ、又は、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替えることができる。
【0021】
以下の説明で使用される特定用語は、本発明の理解を促進するために提供されたものであって、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で他の形態に変更可能である。
【0022】
いくつかの場合、本発明の概念が曖昧になることを避けるために公知の構造及び装置は省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で図示することができる。また、本明細書全体にわたって同一の構成要素に対しては、同一の図面符号を使用して説明する。
【0023】
本発明の各実施例は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802系列システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE―Aシステム、及び3GPP2システムのうち少なくとも一つと関連して開示された各標準文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の各実施例のうち本発明の技術的思想を明確に示すために説明していない各段階又は各部分は、前記各文書によって裏付けることができる。また、本文書で開示している全ての用語は、前記標準文書によって説明することができる。
【0024】
以下の技術は、多様な無線通信システムで使用することができる。明確性のために、以下では、3GPP LTE及び3GPP LTE―Aシステムを主に説明するが、本発明の技術的思想がこれに制限されることはない。
【0025】
本文書で使用される用語は、次のように定義される。
【0026】
― UMTS(Universal Mobile Telecommunications System):3GPPによって開発された、GSM(Global System for Mobile Communication)基盤の3世代(Generation)移動通信技術である。
【0027】
― EPS(Evolved Packet System):IP基盤のパケット交換(packet switched)コアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)とLTE、UTRANなどのアクセスネットワークで構成されたネットワークシステムであって、UMTSが進化された形態のネットワークである。
【0028】
― NodeB:GERAN/UTRANの基地局である。屋外に設置し、カバレッジはマクロセル(macro cell)規模である。
【0029】
― eNodeB:LTEの基地局である。屋外に設置し、カバレッジはマクロセル規模である。
【0030】
― UE(User Equipment):ユーザー機器である。UEは、端末(terminal)、ME(Mobile Equipment)、MS(Mobile Station)などの用語で言及することもできる。また、UEは、ノートブック型コンピューター、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン、マルチメディア機器などの携帯可能な機器であってもよく、又は、PC(Personal Computer)、車両搭載装置などの携帯不可能な機器であってもよい。UEは、LTEなどの3GPPスペクトル(spectrum)及び/又はWiFi、公共安全(Piiblic Safety)用スペクトルなどの非―3GPPスペクトルで通信が可能なUEである。
【0031】
― 近接サービス(Proximity Services又はProximity―based Services;ProSe):物理的に近接した各装置間の探索(discovery)、及び相互直接的な通信/基地局を介した通信/第3の装置を介した通信を可能にするサービスである。このとき、ユーザー平面データ(user plane data)は、3GPPコアネットワーク(例えば、EPC)を経ずに直接データ経路(direct data path)又は直接モードデータ経路(direct mode data path)を介して交換される。D2D(Device―to―Device)サービスとも称される。
【0032】
― 近接性(Proximity):いずれかのUEが他のUEに近接したか否かは、所定の近接性基準が満足されるか否かによって決定される。近接性基準は、ProSe探索及びProSe通信(communication)に対して異なる形に与えることもできる。また、近接性基準は、事業者の制御対象に設定することもできる。
【0033】
― 近接サービス探索(ProSe Discovery):E―UTRAを使用していずれかのUEが他のUEに近接したか否かを識別する過程である。
【0034】
― 近接サービス通信(ProSe Communication):各UE間に形成された(established)通信経路を介して行われる近接した各UE間の通信である。前記通信経路は、各UE間に直接形成されたり、ローカル基地局(eNodeB)を介してルーティングされることもある。
【0035】
― 近接サービス―可能UE(ProSe―enabled UE):ProSe探索及び/又はProSe通信をサポートするUEである。以下では、UEと称される。
【0036】
― 近接サービス―可能ネットワーク(ProSe―enabled Network):ProSe探索及び/又はProSe通信をサポートするネットワークである。以下では、ネットワークと称される。
【0037】
― 近接サービスE―UTRA通信(ProSe E―UTRA Communication):ProSe E―UTRA通信経路(Communication path)を用いるProSe通信を称する。
【0038】
― 近接サービスサポートWLAN直接通信(ProSe―assisted WLAN direct communication):近接サービスサポートWLAN直接通信経路を用いるProSe通信を称する。EPC―assisted WLAN direct communicationと称することもできる。
【0039】
― 近接サービスグループ通信(ProSe Group Communication):近接サービス―可能端末間の共通通信経路(common communication path)設定方法であって、近接した二つ以上の近接サービス―可能端末(ProSe―enabled UE)間の一対多近接サービス通信(one―to―many ProSe Communication)を称する。
【0040】
― 近接サービスブロードキャスト通信(ProSe Broadcast Communication):近接サービス―可能端末間の共通通信経路(common communication path)設定方法であって、近接した二つ以上の近接サービス―可能端末(ProSe―enabled UE)間の一対全部近接サービス通信(one―to―all ProSe Communication)を称する。
【0041】
― 近接サービス端末―対―ネットワークリレー(ProSe UE―to―Network Relay):近接サービス―可能公共安全用端末(public safety UE)であって、近接サービス―可能公共安全用端末とE―UTRAを用いる近接サービス―可能ネットワークとの間で通信リレーとして動作するリレーの形態である。
【0042】
― 近接サービス端末―対―端末リレー(ProSe UE―to―UE Relay):近接サービス―可能公共安全用端末であって、近接サービス―可能公共安全用端末間の近接サービス通信リレーとして動作するリレーの形態である。
【0043】
― RAN(Radio Access Network):3GPPネットワークでNodeB、eNodeB、及びこれらを制御するRNC(Radio Network Controller)を含む単位である。UEとコアネットワークとの間に存在し、コアネットワークへの連結を提供する。
【0044】
― HLR(Home Location Register)/HSS(Home Subscriber Server):3GPPネットワーク内の加入者情報を有しているデータベースである。HSSは、設定格納(configuration storage)、アイデンティティ管理(identity management)、ユーザー状態格納などの機能を行うことができる。
【0045】
― RANAP(RAN Application Part):RANとコアネットワークの制御を担当するノード(MME(Mobility Management Entity)/SGSN(Serving GPRS(General Packet Radio Service) Supporting Node)/MSC(Mobiles Switching Center))との間のインターフェースである。
【0046】
― PLMN(Public Land Mobile Network):個々人に移動通信サービスを提供する目的で構成されたネットワークである。オペレーター別に区分して構成することができる。
【0047】
― NAS(Non―Access Stratum):UMTSプロトコルスタックにおいてUEとコアネットワークとの間のシグナリング、トラフィックメッセージを取り交わすための機能的な層である。UEの移動性をサポートし、UEとPDN GW(Packet Data Network Gateway)との間のIP連結を形成(establish)及び維持(maintain)するセッション管理手順(procedure)をサポートすることを主な機能とする。
【0048】
― HNB(Home NodeB):UTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)カバレッジを提供するCPE(Customer Premises Equipment)である。より具体的な事項は、標準文書TS 25.467を参照することができる。
【0049】
― HeNodeB(Home eNodeB):E―UTRAN(Evolved―UTRAN)カバレッジを提供するCPE(Customer Premises Equipment)である。より具体的な事項は、標準文書TS 36.300を参照することができる。
【0050】
― CSG(Closed Subscriber Group):H(e)NBのCSGの構成員であって、PLMN(Public Land Mobile Network)内の一つ以上のCSGセルにアクセスすることが許容される加入者グループである。
【0051】
― LIPA(Local IP Access):IP機能を有する(IP capable)UEがH(e)NBを経由して同一の住居(residential)/企業(enterprise)IPネットワーク内の他のIP機能を有する個体に対するアクセスである。LIPAトラフィックは、移動事業者(operator)ネットワークを経ない。3GPPリリース―10システムでは、H(e)NBを経由してローカルネットワーク(すなわち、顧客(customer)の家又は会社の構内に位置したネットワーク)上の資源に対するアクセスを提供する。
【0052】
― SIPTO(Selected IP Traffic Offload):3GPPリリース―10システムでは、事業者がEPCネットワークでUEに物理的に近く存在するPGW(Packet data network GateWay)を選択することによって、ユーザーのトラフィックを超すことをサポートする。
【0053】
― PDN(Packet Data Network)連結:一つのIP住所(一つのIPv4住所及び/又は一つのIPv6プレフィックス)で表現されるUEとAPN(Access Point Name)で表現されるPDNとの間の論理的な連結である。
【0054】
EPC(Evolved Packet Core)
【0055】
図1は、EPC(Evolved Packet Core)を含むEPS(Evolved Packet System)の概略的な構造を示す図である。
【0056】
EPCは、各3GPP技術の性能を向上させるためのSAE(System Architecture Evolution)の核心的な要素である。SAEは、多様な種類のネットワーク間の移動性をサポートするネットワーク構造を決定する研究課題に該当する。SAEは、例えば、IP基盤で多様な無線接続技術をサポートし、より向上したデータ伝送能力を提供するなどの最適化されたパケット―基盤のシステムを提供することを目標とする。
【0057】
具体的に、EPCは、3GPP LTEシステムのためのIP移動通信システムのコアネットワーク(Core Network)であって、パケット―基盤の実時間及び非実時間サービスをサポートすることができる。既存の移動通信システム(すなわち、2世代又は3世代移動通信システム)では、音声のためのCS(Circuit―Switched)及びデータのためのPS(Packet―Switched)の2個の区別されるサブ―ドメインを通じてコアネットワークの機能が具現された。しかし、3世代移動通信システムの進化である3GPP LTEシステムでは、CS及びPSのサブ―ドメインが一つのIPドメインに単一化された。すなわち、3GPP LTEシステムでは、IP能力(capability)を有する各端末間の連結が、IP基盤の基地局(例えば、eNodeB(evolved NodeB))、EPC、アプリケーションドメイン(例えば、IMS(IP Multimedia Subsystem))を通じて構成され得る。すなわち、EPCは、端―対―端(end―to―end)IPサービスの具現に必須な構造である。
【0058】
EPCは、多様な構成要素を含むことができ、図1では、そのうち一部に該当するSGW(Serving Gateway)、PDN GW(Packet Data Network Gateway)、MME(Mobility Management Entity)、SGSN(Serving GPRS(General Packet Radio Service) Supporting Node)、ePDG(enhanced Packet Data Gateway)を図示する。
【0059】
SGWは、無線接続ネットワーク(RAN)とコアネットワークとの間の境界点として動作し、eNodeBとPDN GWとの間のデータ経路を維持する機能をする要素である。また、端末がeNodeBによってサービング(serving)される領域にわたって移動する場合、SGWは、ローカル移動性アンカーポイント(anchor point)としての役割をする。すなわち、E―UTRAN(3GPPリリース―8以降で定義される進化した(Evolved)―UMTS(Universal Mobile Telecommunications System) Terrestrial Radio Access Network)内での移動性のために、SGWを通じて各パケットがルーティングされ得る。また、SGWは、他の3GPPネットワーク(3GPPリリース―8以前に定義されるRAN、例えば、UTRAN又はGERAN(GSM(Global System for Mobile Communication)/EDGE(Enhanced Data rates for Global Evolution) Radio Access Network)との移動性のためのアンカーポイントとして機能することもできる。
【0060】
PDN GW(又はP―GW)は、パケットデータネットワークに向かうデータインターフェースの終了点(termination point)に該当する。PDN GWは、政策執行特徴(policy enforcement features)、パケットフィルタリング(packet filtering)、課金サポート(charging support)などをサポートすることができる。また、3GPPネットワークと非―3GPPネットワーク(例えば、I―WLAN(Interworking Wireless Local Area Network)などの信頼されないネットワーク、CDMA(Code Division Multiple Access)ネットワークやWiMaxなどの信頼されるネットワーク)との移動性管理のためのアンカーポイントとしての役割をすることができる。
【0061】
図1のネットワーク構造の例示では、SGWとPDN GWが別途のゲートウェイで構成されることを示すが、二つのゲートウェイが単一のゲートウェイ構成オプション(Single Gateway Configuration Option)によって具現されることもある。
【0062】
MMEは、UEのネットワーク連結に対するアクセス、ネットワーク資源の割り当て、トラッキング(tracking)、ページング(paging)、ローミング(roaming)及びハンドオーバーなどをサポートするためのシグナリング及び制御機能を行う要素である。MMEは、加入者及びセッション管理と関連した各制御平面(control plane)機能を制御する。MMEは、数多くのeNodeBを管理し、他の2G/3Gネットワークに対するハンドオーバーのための従来のゲートウェイの選択のためのシグナリングを行う。また、MMEは、保安過程(Security Procedures)、端末―対―ネットワークセッションハンドリング(Terminal―to―network Session Handling)、遊休端末位置決定管理(Idle Terminal Location Management)などの機能を行う。
【0063】
SGSNは、他の3GPPネットワーク(例えば、GPRSネットワーク)に対するユーザーの移動性管理及び認証(authentication)などの全てのパケットデータをハンドリングする。
【0064】
ePDGは、信頼されない非―3GPPネットワーク(例えば、I―WLAN、WiFiホットスポット(hotspot)など)に対する保安ノードとしての役割をする。
【0065】
図1を参照して説明したように、IP能力を有する端末は、3GPPアクセスはもちろん、非―3GPPアクセス基盤にもEPC内の多様な要素を経由して事業者(すなわち、オペレーター(operator))が提供するIPサービスネットワーク(例えば、IMS)にアクセスすることができる。
【0066】
また、図1では、多様なリファレンスポイント(例えば、Sl―U、S1―MMEなど)を図示する。3GPPシステムでは、E―UTRAN及びEPCの異なる機能個体(functional entity)に存在する2個の機能を連結する概念的なリンクをリファレンスポイント(reference point)と定義する。次の表1は、図1に示したリファレンスポイントをまとめたものである。表1の各例示の他にも、ネットワーク構造によって多様なリファレンスポイントが存在し得る。
【0067】
【表1】
【0068】
図1に示したリファレンスポイントのうちS2a及びS2bは、非―3GPPインターフェースに該当する。S2aは、信頼される非―3GPPアクセスとPDN GWとの間の関連制御及び移動性サポートをユーザー平面に提供するリファレンスポイントである。S2bは、ePDGとPDN GWとの間の関連制御及び移動性サポートをユーザー平面に提供するリファレンスポイントである。
【0069】
近接サービス(ProSe)を提供するための制御メカニズム
【0070】
本発明では、3GPP EPS(Evolved Packet System)などの移動通信システムで近接サービス(ProSe)又はD2Dサービスをサポートするための制御メカニズムを提案する。
【0071】
最近、SNS(Social Network Service)などに対するユーザー要求事項の増加により、物理的に近い距離の各ユーザー/各装置間の検出(detect)/探索及び特別なアプリケーション/サービス(すなわち、近接性―基盤のアプリケーション/サービス)に対する要求が台頭した。3GPP移動通信システムでも、このような種類のサービスを提供するための動きとして、ProSeに対する可能な使用事例(use case)及びシナリオと、可能なサービス要件(service requirement)に対する論議が進行中にある。
【0072】
ProSeの可能な使用事例としては、商業的/ソーシャルサービス、ネットワークオフロード、公共安全、既存のインフラストラクチャサービスの統合(これは、到達性(reachability)及び移動性(mobility)側面を含むユーザー経験の一貫性を保障するためのものである。)などを挙げることができる。また、E―UTRANカバレッジが提供されない場合における公共安全(この場合、特定地域の規制及び事業者政策に符合することを条件とし、公共―安全のために指定された特定周波数帯域及び特定端末に制限されることを考慮しなければならない。)に対する各使用事例及び可能な要件が論議中にある。
【0073】
特に、3GPPで進行中にあるProSeに対する論議の範囲は、近接性―基盤のアプリケーション/サービスはLTE又はWLANを経由して提供され、事業者/ネットワークの制御を受けて各装置間の探索及び通信が行われることを仮定する。
【0074】
図2は、EPSで二つのUEが通信する基本的なデータ経路を示す図である、すなわち、図2は、UE―1とUE―2との間のProSeが適用されない一般的な場合のUE―1とUE―2との間のデータ経路を例示的に示す。このような基本的な経路は、基地局(すなわち、eNodeB又はホーム(Home)eNodeB)及び各ゲートウェイノード(すなわち、EPC又は事業者網)を経る。例えば、図2に示すように、UE―1とUE―2がデータを取り交わすとき、UE―1からのデータはeNodeB―1、S―GW/P―GW、eNodeB―2を経てUE―2に伝達され、同様に、UE―2からのデータはeNodeB―2、S―GW/P―GW、eNodeB―1を経てUE―1に伝達され得る。図2では、UE―1とUE―2とが互いに異なるeNodeBにキャンプ―オン(camp―on)したことを示しているが、同一のeNodeBにキャンプ―オンすることもできる。また、図2では、二つのUEが同一のS―GW及びP―GWからサービスを受けていることを示しているが、多様な組み合わせのサービスが可能である。すなわち、同一のS―GW、そして、互いに異なるP―GWからサービスを受けることもでき、互いに異なるS―GW、そして、同一のP―GWからサービスを受けることもでき、互いに異なるGW、そして、互いに異なるP―GWからサービスを受けることもできる。
【0075】
本発明では、このような基本的なデータ経路を、インフラストラクチャデータ経路(すなわち、infrastructure path、infrastructure data path又はinfrastructure communication path)と称することができる。また、このようなインフラストラクチャデータ経路を介した通信をインフラストラクチャ通信と称することができる。
【0076】
図3は、ProSeに基盤した二つのUE間の直接モードデータ経路を示す図である。このような直接モード通信経路は、基地局(すなわち、eNodeB又はホーム(Home)eNodeB)及び各ゲートウェイノード(すなわち、EPC)を経ない。
【0077】
図3(a)は、UE―1とUE―2とがそれぞれ異なるeNodeB(すなわち、eNodeB―1及びeNodeB―2)にキャンプ―オンしていると共に、直接モード通信経路を介してデータを取り交わす場合を例示的に示す。図3(b)は、同一のeNodeB(すなわち、eNodeB―1)にキャンプ―オンしているUE―1とUE―2とが直接モード通信経路を介してデータを取り交わす場合を例示的に示す。
【0078】
一方、ユーザー平面のデータ経路は、図3に示すように、基地局やゲートウェイノードを経ずにUE間に直接形成されるが、制御平面経路は、基地局及びコアネットワークを経て形成され得るという点に留意しなければならない。制御平面経路を介して交換される制御情報は、セッション管理、認証、権限検証(authorization)、保安、課金などと関連する情報であり得る。図3(a)の例示のように、異なるeNodeBによってサービングされる各UEのProSe通信の場合、UE―1に対する制御情報は、eNodeB―1を経てコアネットワークの制御ノード(例えば、MME)と交換することができ、UE―2に対する制御情報は、eNodeB―2を経てコアネットワークの制御ノード(例えば、MME)と交換することができる。図3(b)の例示のように、同一のeNodeBによってサービングされる各UEのProSe通信の場合、UE―1及びUE―2に対する制御情報は、eNodeB―1を経てコアネットワークの制御ノード(例えば、MME)と交換することができる。
【0079】
図4は、ProSeに基盤した二つのUE間のローカルルーティング方式データ経路を示す図である。図4の例示のように、UE―1とUE―2との間のProSe通信データ経路はeNodeB―1を経て形成されるが、事業者が運営するゲートウェイノード(すなわち、EPC)は経ない。一方、制御平面経路は、図4のように、同一のeNodeBによってサービングされる各UEのローカルルーティング方式データ経路が構成される場合、UE―1及びUE―2に対する制御情報はeNodeB―1を経てコアネットワークの制御ノード(例えば、MME)と交換することができる。
【0080】
本発明では、図3及び図4で説明した通信経路を直接データ経路、ProSeのためのデータ経路、ProSe基盤のデータ経路、又はProSe通信経路と称することができる。また、このような直接データ経路を介した通信を、直接通信、ProSe通信、又はProSe基盤の通信と称することができる。
【0081】
図5は、S1解除手順を説明するための参考図である。
【0082】
eNodeBは、RRC非活性タイマー(RRC inactivity timer)/RRC解除タイマー(RRC release timer)/RRCユーザー非活性タイマー(RRC user inactivity timer)を用いて、連結状態であるUEに対するユーザートラフィックが前記タイマーの間に検出(detect)されないと(すなわち、前記タイマーの間にデータ非活性化(data inactivity)が検出されると)、UEを遊休状態に転換する作業を行う。このために、図5に示すように、eNodeBはS1解除手順を行う。S1解除手順と関連する詳細な内容は、3GPP TS 23.401の5.3.5節のS1解除手順を参考にする。
【0083】
すなわち、図5の段階1において、eNodeBは、MMEにUEコンテキスト解除要求(UE Context Release Request)メッセージを伝送する。UEコンテキスト解除要求メッセージは、表2のような情報を含む。
【0084】
【表2】
【0085】
UEコンテキスト解除要求メッセージは、UE―連関S1―論理連結(UE―associated S1―logical connection)を解除するために、eNodeBからS1インターフェースを介して伝送される。UEコンテキスト解除要求メッセージ上の「原因(Cause)」値として「ユーザー非活性化(User Inactivity)」という情報が設定された場合は、MMEに前記UEコンテキスト解除要求が前記UE/ユーザーのデータ非活性化によるものであることを示すことができる。
【0086】
UEがProSe通信のみを行う場合(具体的な例を挙げると、ローカルルーティング方式データ経路ではなく、ProSe通信経路を使用したProSe通信)、eNodeBは、図2図4と関連して説明したように、データトラフィックがないと見なしてRRC非活性タイマーを開始し、前記タイマーが満了すると、UEを遊休状態に転換する作業、すなわち、S1解除手順を行う。これによって、UEが通信を行っているにもかかわらず遊休状態に転換されるという問題が発生する。ここで、UEがProSe通信のみを行う状況は、インフラストラクチャ通信とProSe通信が同時に(すなわち、並列(parallel)的に)行われてから、インフラストラクチャ通信が終了したり、又はインフラストラクチャ通信の開始なしでProSe通信のみが開始されて行われる状況であり得る。
【0087】
1.近接サービスのためのeNodeBの動作
【0088】
本発明では、3GPP EPS(Evolved Packet System)などの移動通信システムで近接性基盤のサービスを効率的に提供するメカニズムを提案する。本発明で提案する近接性基盤のサービス提供メカニズムは、以下で説明する1―1)eNodeBのRRC非活性タイマー管理、1―2)eNodeB上のRRC非活性化タイマーを従来技術と同一に開始、及び1―3)eNodeB上の従来のRRC非活性タイマーの他に新たに定義したProSe通信関連RRC非活性タイマー管理のうち一つ以上の動作の組み合わせで構成される。以下では、本発明で提案する前記1―1)〜1―3)動作に対して具体的に説明する。
【0089】
1―1.eNodeBのRRC非活性タイマー管理
【0090】
以下で、eNodeBの非活性タイマーは、RRC解除タイマー(RRC release timer)、RRCユーザー非活性タイマー(RRC user inactivity timer )又はRRC非活性解除タイマー(RRC inactivity release timer)と称することができる。
【0091】
eNodeBは、連結(connected)状態であるUEがインフラストラクチャ通信を行っていないとき、又は、UEがインフラストラクチャ通信をこれ以上行わないと検出したとき、次のうち一つ以上の条件を満足すると、UEに対するRRC非活性タイマーを開始しない。
【0092】
i)UEがProSe E―UTRA通信を行っている場合(これは、UE間の直接経路を介した通信とeNodeBを経るローカルルーティング方式経路を介した通信を全て含むこともでき、二つのうちUE間の直接経路を介した通信のみを含むこともできる。)
ii)UEがProSeグループ通信を行っている場合
iii)UEがProSeブロードキャスト通信を行っている場合
iv)UEがProSe―サポートWLAN直接通信を行っている場合
【0093】
上述したように、eNodeBが、ProSe通信が遂行中であるためUEに対するRRC非活性タイマーを開始しない場合、eNodeBは、ProSe通信が全て終了すると(すなわち、ProSe通信が存在しないと検出/判断する場合)RRC非活性タイマーを開始する。
【0094】
ここで、eNodeBは、次のうち一つ以上の方法でProSe通信が終了したと検出/判断することができる。以下の方法a)〜c)は、本発明の全般にわたってeNodeBがProSe通信が終了したと検出/判断する状況に適用することができる。
【0095】
a)UEがネットワークにProSe通信が終了したことを知らせるメッセージ(例えば、NASメッセージ及び/又はASメッセージ及び/又はIMS SIPメッセージなど)を伝送することによって、ProSe通信が終了したと検出/判断することができる。
【0096】
すなわち、UEは、個別ProSe通信が終了する度にこれを知らせるメッセージをネットワークに伝送することもでき、全てのProSe通信が終了するとこれを知らせるメッセージを伝送することもでき、特性が同一であるかグルーピングできるProSe通信が全て終了すると(すなわち、同一の特性のProSe通信のうち最も最後のProSe通信が終了すると)これを知らせるメッセージをネットワークに伝送することもできる。
【0097】
ここで、(UEが伝送する)前記メッセージは、終了したProSe通信と関連する多様な情報(例えば、通信相手に対する情報、ベアラ関連情報、PDN関連情報など)を明示的又は暗黙に含むことができる。また、特性が同一であるかグルーピングできるProSe通信の例としては、通信相手が同一である各ProSe通信、QoSが同一である各ProSe通信などがあり得る。さらに、ネットワークは、例えば、RANノード(例えば、eNodeBなど)、コアネットワークノード(例えば、MME、S―GW、P―GW、PCRF、HSS、ANDSF、近接性サービスのためのノード/サーバー/機能/エンティティなど)、及びIMSノード(P―CSCF、S―CSCF、アプリケーションサーバーなど)のうち一つ以上になり得る。また、これは、本発明の全般にわたって適用することができる。
【0098】
b)MMEがeNodeBにProSe通信が終了したことを知らせるメッセージを伝送することによって、ProSe通信が終了したと検出/判断することができる。
【0099】
すなわち、MMEは、個別ProSe通信が終了する度にこれを知らせるメッセージをeNodeBに伝送することもでき、一つのUE/ユーザーに対する全てのProSe通信が終了するとこれを知らせるメッセージをeNodeBに伝送することもでき、一つのUE/ユーザーに対して特性が同一であるかグルーピングできるProSe通信が全て終了すると(すなわち、同一の特性の各ProSe通信のうち最も最後のProSe通信が終了すると)これを知らせるメッセージをeNodeBに伝送することもできる。
【0100】
ここで、(MMEが伝送する)前記メッセージは、終了したProSe通信と関連する多様な情報(例えば、UEに対する情報、ベアラ関連情報、PDN関連情報など)を明示的又は暗黙に含むことができる。
【0101】
c)eNodeBが(直接)ProSe通信が終了したことを検出/判断することができる。
【0102】
すなわち、上述した方法a)、b)ではなく、その他の方法でeNodeBがProSe通信が終了したことを検出/判断することを意味する。例えば、eNodeBは、UEにProSe通信を終了させることによって検出/判断することもでき、ProSe通信に使用されていた無線資源がこれ以上使用されないことによって検出/判断することもでき、他のネットワークノードからProSe通信終了と関連する情報を獲得することによって検出/判断することもできる。
【0103】
以上で言及した(すなわち、ProSe通信が終了したと検出/判断する状況で伝送される)メッセージは、従来技術によるメッセージであってもよく、(本発明のために)新たに定義されたメッセージであってもよい。また、従来のメッセージが使用される場合、新たな情報要素(Information Element、IE)を定義したり、既存のIEを使用しながら新たな値を定義して使用することもできる。
【0104】
すなわち、eNodeBは、連結状態であるUEがインフラストラクチャ通信及びProSe通信(すなわち、RRC非活性化タイマーを開始しない場合i)〜iv)のうち一つ以上)のうち一つ以上を行っていると、RRC非活性タイマーを開始しない。また、eNodeBは、連結状態であるUEがインフラストラクチャ通信及びProSe通信(すなわち、RRC非活性化タイマーを開始しない場合i)〜iv)のうち一つ以上)のうちいずれか一つも行わないか、行わないと検出/判断されると、RRC非活性タイマーを開始することもできる。前記タイマーが満了すると、eNodeBはS1解除手順を行う。
【0105】
1―2.eNodeB上のRRC非活性タイマー(すなわち、インフラストラクチャ通信関連RRC非活性タイマー)を従来技術と同様に開始
【0106】
eNodeBは、従来技術のように、UEがインフラストラクチャ通信をこれ以上行わないと検出/判断すると前記タイマーを開始し、前記タイマーが満了するとS1解除手順を行う。
【0107】
S1解除手順の遂行時、UEがProSe通信を遂行中であると、eNodeBは、ProSe通信と関連する無線資源に影響を与えない形態で、図5の段階1又は段階5の動作であるRRC連結解除(RRC connection release)を行うこともあり、又は、UEへのRRC連結解除を行わないこともある。
【0108】
また、S1解除手順の遂行時、UEがProSe通信を遂行中であると、eNodeBは、図5の段階1の動作であるMMEにUEコンテキスト解除要求メッセージを伝送するとき、UEが未だにProSe通信を遂行中であることを知らせる情報又はインフラストラクチャ通信のみが終了したことを知らせる情報を含ませたり、前記情報が含まれた新たな形態のメッセージ(すなわち、本発明のために定義されたメッセージ)をMMEに伝送することができる。
【0109】
また、前記RRC非活性タイマーが満了したが、UEがProSe通信を遂行中であると、eNodeBは、UEを遊休状態に転換する代わりに、連結状態に継続して残しておくことができるが、新たな形態の状態に転換させることもできる。
【0110】
1―3.eNodeB上の従来のRRC非活性タイマー(すなわち、インフラストラクチャ通信関連RRC非活性タイマー)の他に、本発明のために新たに定義されたProSe通信関連RRC非活性タイマー(以下、ProSe RRC非活性タイマー)を管理
【0111】
eNodeBは、UEがProSe通信をこれ以上行わないと検出/判断するとProSe RRC非活性タイマーを開始し、前記ProSe RRC非活性タイマーが満了すると、次のうち一つ以上の動作を行う。
【0112】
― UEにProSe通信と関連した無線資源を解除する動作
― MMEに前記UEに対するProSe通信が終了したこと及び/又はProSe通信が非活性化(inactive)されたこと及び/又はProSe通信がこれ以上活性化(active)されないことを知らせる動作
― eNodeB上のUEに対するProSe通信関連コンテキストを解除/削除する動作
【0113】
図6は、本発明の一実施例に係るRRC非活性タイマー管理を示す。
【0114】
図6の段階0において、本発明が適用されるUE(以下、UE―1)と他のUEとの間の直接通信が終了する。
【0115】
図6の段階1において、UE―1は、MMEに、直接通信(direct communication)が終了したことを知らせるメッセージ、直接連結(direct connection)を非活性化したことを知らせるメッセージ、又は直接通信の終了/非活性化を要求するメッセージを伝送する。前記メッセージは、直接通信を行った相手UE/ユーザー/アプリケーションに対する識別情報などを含むことができ、これに対する詳細な説明は、動作1―1.(すなわち、eNodeBのRRC非活性タイマー管理動作)で説明した内容を参照することにする。また、図6には示していないが、MMEもUE―1に応答メッセージを送ることができる。参考までに、UE―1は、ネットワークカバレッジ(network coverage)内にあるとき又はE―UTRANによってサービスされているとき、MMEに前記メッセージを伝送することができる。
【0116】
図6の段階2において、MMEは、eNodeBに、直接通信が終了したことを知らせるメッセージ、直接連結を非活性化したことを知らせるメッセージ、又は直接通信の終了/非活性化を要求するメッセージを伝送する。前記メッセージは、前記終了した直接通信と関連するベアラ情報(例えば、the association between the EPS bearer(s) and corresponding Direct bearer(s))などを含むことができ、これに対する詳細な説明は、動作1―1.(すなわち、eNodeBのRRC非活性タイマー管理動作)で説明した内容を参照することにする。また、図6に示していないが、eNodeBもMMEに応答メッセージを送ることができる。
【0117】
図6の段階3において、eNodeBは、UE―1がインフラストラクチャ通信及びProSe通信(すなわち、動作1―1で説明したRRC非活性化タイマーを開始しない場合i)〜iv)のうち一つ以上)のうちいずれも行わないか、行わないと検出/判断されるとRRC非活性タイマーを開始する。
【0118】
図6の段階4において、前記RRC非活性タイマーが満了すると、eNodeBは、S1解除手順を行う。これによって、UE―1は、ECM―CONNECTED状態(又は連結状態/モード又はRRC_CONNECTED状態)からECM―IDLE状態(又は遊休状態/モード又はRRC_IDLE状態)に変更/転換することができる。さらに、3GPP TR 23.703 v0.5.0の6.2.3.5「Direct Connection Management States」及び6.2.4.5「Direct Connection Management States」で提案した状態によると、UE(すなわち、UE―1)は、DCM―CONNECTED状態からDCM―IDLE状態に変更/転換することもできる。
【0119】
さらに、前記UE―1は、前記図6の段階1以前又は段階1以後にProSe通信に使用されていた資源及び/又はコンテキストを解除/非活性化/削除/更新する動作を行うこともできる。前記ProSe通信に使用されていた資源は、ベアラ/IP連結/PDN連結/IP住所/TFT(Traffic Flow Template)のうち一つ以上を含むことができる。
【0120】
図7は、本発明の他の実施例に係るRRC非活性タイマー管理を示す。
【0121】
図7の段階0において、本発明が適用されるUE(以下、UE―1)と他のUEとの間の直接通信が終了する。
【0122】
図7の段階1において、UE―1は、MMEに、直接通信が終了したことを知らせるメッセージ、直接連結を非活性化したことを知らせるメッセージ、又は直接通信の終了/非活性化を要求するメッセージを伝送する。前記メッセージは、直接通信を行った相手UE/ユーザー/アプリケーションに対する識別情報などを含むことができ、これに対する詳細な説明は、動作1―1.(すなわち、eNodeBのRRC非活性タイマー管理動作)で説明した内容を参照することにする。参考までに、UE―1は、ネットワークカバレッジ内にあるとき又はE―UTRANによってサービスされているとき、MMEに前記メッセージを伝送することができる。
【0123】
図7の段階2において、MMEは、UE―1に直接連結の非活性化(deactivation)に対する応答メッセージ、すなわち、非活性化直接連結確認(Deactivate Direct Connection Confirm)メッセージを伝送する。前記メッセージは、eNodeBにUE―1の直接通信が終了したことを知らせるメッセージ、直接連結を非活性化したことを知らせるメッセージ、又は直接通信/直接連結の非活性化を要求するメッセージであるS1―APメッセージ(すなわち、非活性化直接連結(Deactivate Direct Connection)メッセージ)にカプセル化(encapsulate)されて伝送される。前記S1―APメッセージは、前記終了した直接通信と関連したベアラ情報(例えば、the association between the EPS bearer(s) and corresponding Direct bearer(s))などを含むことができ、これに対する詳細な説明は、動作1―1.(すなわち、eNodeBのRRC非活性タイマー管理動作)で説明した内容を参照することにする。また、eNodeBも、MMEがUE―1に送る非活性化直接連結確認メッセージをUE―1に伝達する。
【0124】
図7の段階3において、eNodeBは、UE―1がインフラストラクチャ通信及びProSe通信(すなわち、動作1―1で説明したRRC非活性化タイマーを開始しない場合i)〜iv)のうち一つ以上)のうちいずれも行わないか、行わないと検出/判断されるとRRC非活性タイマーを開始する。
【0125】
図7の段階4において、前記RRC非活性タイマーが満了すると、eNodeBはS1解除手順を行う。
【0126】
これによって、UE―1は、ECM―CONNECTED状態(又は連結状態/モード又はRRC_CONNECTED状態)からECM―IDLE状態(又は遊休状態/モード又はRRC_IDLE状態)に変更/転換することができる。追加的に、3GPP TR 23.703 v0.5.0の6.2.3.5「Direct Connection Management States」及び6.2.4.5「Direct Connection Management States」で提案した状態によると、UE(すなわち、UE―1)は、DCM―CONNECTED状態からDCM―IDLE状態に変更/転換することもできる。
【0127】
さらに、前記UE―1は、図7の段階1以前又は段階1以後にProSe通信に使用されていた資源及び/又はコンテキストを解除/非活性化/削除/更新する動作を行うこともできる。前記ProSe通信に使用されていた資源は、ベアラ/IP連結/PDN連結/IP住所/TFT(Traffic Flow Template)のうち一つ以上を含むことができる。
【0128】
以下では、ProSe通信のためにS1―Uインターフェースが生成されない場合の近接サービスを説明する。
【0129】
2.ProSe通信のみを行うUEのための近接サービス(Proximity Service)モード
【0130】
さらに、図2図4を参照して説明したように、ProSe通信のためにS1―Uインターフェースが必要でないので、これを生成しないこともある。この場合、UEが遊休モード(idle mode)でProSe通信を開始することによって連結モード(connected mode)になり、前記UEが前記ProSe通信以外にインフラストラクチャデータ経路(infrastructure data path)を介してデータを伝送しなければならない場合(すなわち、CSFB(Circuit Switched Fall Back)を行うのではなく、データを伝送しなければならない場合)、UEは、現在連結モードであるので、ネットワークにサービス要求手順(service request procedure)を行わなくなる。(参考までに、サービス要求手順の詳細は、3GPP TS 23.401の5.3.4.1節の「UE triggered Service Request」及びTS 24.301の5.6.1節の「Service request procedure」を参考にすることができる。)
【0131】
したがって、UEが前記ProSe通信以外にインフラストラクチャデータ経路を介してデータを伝送しなければならない場合、UEは、サービス要求手順を行わず、インフラストラクチャデータ経路を介して、すなわち、eNodeBに前記データを伝送するが、eNodeBは、S―GWとの(すなわち、EPCとの)ユーザー平面(user plane)用インターフェースであるS1―Uがないので、データ伝送を行えないという問題がある。
【0132】
したがって、本発明では、UEが前記ProSe通信以外にインフラストラクチャデータ経路を介してデータを伝送しなければならない場合、eNodeBがS1―Uインターフェースを有していないためデータ伝送を行えないという問題を解決するための方案を提案する。すなわち、本発明では、3GPP EPS(Evolved Packet System)などの移動通信システムで近接性基盤のサービスを効率的に提供するメカニズムを提案する。本発明で提案するメカニズムは、以下で説明する2―1)新たなモード(new mode)に変換する動作、2―2)端末(UE)のサービス要求手順関連動作、2―3)eNodeBの動作のうち一つ以上の動作の組み合わせで構成することができる。以下では、本発明で提案する前記2―1)〜2―3)動作に対して具体的に説明する。
【0133】
2―1.新たなモードに変換する動作
【0134】
本発明において、遊休モードであるUEがProSe通信を開始し、ProSe通信のみを行っている場合(インフラストラクチャ通信は行わず)、従来の連結モードに変換する代わりに新たな値/形態のモードに変換させる。
【0135】
ここで、前記新たなモードは、本発明のために定義されたものであってもよく(例えば、semi―連結モード又はProSe―連結モードなど)、従来の遊休モード及び連結モード以外のモードであってもよい。前記新たなモードへの変換は、UEのみに適用されてもよく、UEとネットワーク(eNodeB及び/又はMME及び/又はProSe用サーバーなど)に全て適用されてもよい。前記新たなモードは、UE及び/又はネットワークに、現在UEが通信中であるが、ProSe通信のみを行っており、インフラストラクチャ通信のための経路が存在しないか、存在しても活性化されていないことを知らせることを目的とするものであると言える。例えば、新たなモードは、端末がネットワークカバレッジ内に存在しながらProSe通信のみを行い、インフラストラクチャ通信を行わない場合に適用することができる。さらに、端末がネットワークカバレッジ以外の領域上でProSe通信を行う場合にも本発明が適用され得ることは当然である。
【0136】
2―2.UEのサービス要求手順関連動作
【0137】
1)UEがインフラストラクチャデータ経路を介して伝送するユーザーデータ(又は伝送待機中である(pending)ユーザーデータ)があり、UEが前記2―1.(すなわち、新たなモードに変換する動作)で言及した新たな値/形態のモード状態である場合、サービス要求手順を行う。
【0138】
2)UEがインフラストラクチャデータ経路を介して伝送するユーザーデータ(又は伝送待機中であるユーザーデータ)があり、UEが連結モード状態で、UEがi)近接サービス通信のみを行っている場合、ii)又は近接サービス通信経路のみを有している場合、サービス要求手順を行う。
【0139】
3)UEがインフラストラクチャデータ経路を介して伝送するユーザーデータ(又は伝送待機中であるユーザーデータ)があり、UEが遊休モード状態で、UEがi)近接サービス通信のみを行っている場合、ii)又は近接サービス通信経路のみを有している場合、サービス要求手順を行う。
【0140】
2―3.eNodeBのユーザーデータ伝送動作
【0141】
eNodeBが特定UEに対するS1―Uインターフェースがないが、前記特定UEからインフラストラクチャ通信を行わなければならないユーザーデータを受信した場合、前記eNodeBは、S1―Uインターフェースを生成した後、前記ユーザーデータをS―GWに伝送する。eNodeBは、S1―Uインターフェースを生成するためにMMEとのi)相互作用を行い、ii)及び/又は格納しておいた情報を用いることができる。ここで、eNodeBに格納された情報は、S1―Uインターフェースの生成前に他のネットワークノード及び/又はUEから獲得した情報である。
【0142】
上述した本発明の各実施例は、遊休モードであるUEがProSe通信を開始する場合、S1―Uインターフェース/S1―U資源が生成されない場合を中心に記述したが、本発明は、UEとeNodeBとの間のデータ伝送のためにRRC連結又は無線資源を生成しないシナリオにも適用することができ、また、S1―UインターフェースとRRC連結/無線資源が全て生成されないシナリオにも適用することができる。
【0143】
さらに、上述した本発明の各実施例でUEがサービス要求手順を行うことは、UEがネットワーク(例えば、MME、eNodeBなど)にi)サービス要求メッセージを伝送したり、ii)拡張されたサービス要求(Extended Service Request)メッセージを伝送したり、iii)S1―Uインターフェース及び/又はRRC連結/無線資源生成を要求するためのメッセージを伝送する動作を含む。ここで、S1―Uインターフェース及び/又はRRC連結/無線資源生成を要求するためのメッセージは、従来のNASメッセージ、従来のRRCメッセージ、及び新たに定義されたメッセージのうち一つの形態であり得る。
【0144】
さらに、本発明において、遊休モードは、次のうち一つ以上のモードを意味することができる。
― EMM(EPS Mobility Management)―IDLEモード
― ECM(EPS Connection Management)―IDLEモード
― RRC(Radio Resource Control)_IDLEモード
【0145】
また、本発明において、連結モードは、次のうち一つ以上のモードを意味することができる。
― EMM(EPS Mobility Management)―CONNECTEDモード
― ECM(EPS Connection Management)―CONNECTEDモード
― RRC(Radio Resource Control)_CONNECTEDモード
【0146】
以上で説明した本発明は、LTE/EPC網に限定されず、3GPP接続網(例えば、UTRAN/GERAN/E―UTRAN)及びnon―3GPP接続網(例えば、WLANなど)を全て含むUMTS/EPS移動通信システム全般に適用することができる。また、その他のネットワークの制御が適用される環境でその他の全ての無線移動通信システム環境で適用することができる。
【0147】
図8は、本発明の一例に係る端末装置及びネットワークノード装置に対する好ましい実施例の構成を示した図である。
【0148】
図8を参照すると、本発明に係る端末装置100は、送受信モジュール110、プロセッサ120及びメモリ130を含むことができる。送受信モジュール110は、外部装置に各種信号、データ及び情報を送信し、外部装置から各種信号、データ及び情報を受信するように構成することができる。端末装置100は、外部装置と有線及び/又は無線で連結することができる。プロセッサ120は、端末装置100全般の動作を制御することができ、端末装置100が外部装置と送受信する情報などを演算処理する機能を行うように構成することができる。メモリ130は、演算処理された情報などを所定時間の間格納することができ、バッファ(図示せず)などの構成要素に取り替えることができる。
【0149】
本発明の一実施例に係る端末装置100は、ネットワークによって開始されるProSe提供の可能性又はProSe端末探索の結果に基づいてProSeに参加できるように構成することができる。端末装置100のプロセッサ120は、送受信モジュール110を用いてネットワークノード200にProSe基礎情報を伝送するように構成することができる。プロセッサ120は、送受信モジュール110を用いてネットワークノード200からProSe許容有無の指示情報を受信するように構成することができる。プロセッサ120は、他の端末装置との直接データ経路セットアップを行うためのシグナリングを処理するように構成することができる。プロセッサ120は、送受信モジュール110を用いて前記他の端末装置との直接通信を行うように構成することができる。プロセッサ120は、送受信モジュール110を用いてネットワークノード200装置にProSe遂行関連結果情報を伝送するように構成することができる。
【0150】
図8を参照すると、本発明に係るネットワークノード装置200は、送受信モジュール210、プロセッサ220及びメモリ230を含むことができる。送受信モジュール210は、外部装置に各種信号、データ及び情報を送信し、外部装置から各種信号、データ及び情報を受信するように構成することができる。ネットワークノード装置200は、外部装置と有線及び/又は無線で連結することができる。プロセッサ220は、ネットワークノード装置200全般の動作を制御することができ、ネットワークノード装置200が外部装置と送受信する情報などを演算処理する機能を行うように構成することができる。メモリ230は、演算処理された情報などを所定時間の間格納することができ、バッファ(図示せず)などの構成要素に取り替えることができる。
【0151】
本発明の一実施例に係るネットワークノード装置200は、複数の端末間のProSeをサポートするように構成することができる。ネットワークノード装置200のプロセッサ220は、送受信モジュール210を用いて端末装置100又は他のネットワークノード装置からProSe基礎情報を受信するように構成することができる。プロセッサ120は、送受信モジュール210を用いて端末装置100にProSe許容可能か否かの指示情報を伝送するように構成することができる。プロセッサ220は、端末装置100が他の端末装置と直接データ経路セットアップを行うことをサポートするシグナリングを処理するように構成することができる。プロセッサ220は、送受信モジュール210を用いて端末装置100からProSe遂行関連結果情報を受信するように構成することができる。
【0152】
また、前記のような端末装置100及びネットワーク装置200の具体的な構成は、上述した本発明の多様な実施例で説明した各事項が独立的に適用されたり、又は2以上の実施例が同時に適用されるように具現することができ、重複する内容に対しては、明確性のために説明を省略する。
【0153】
上述した本発明の各実施例は、多様な手段を通じて具現することができる。例えば、本発明の各実施例は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。
【0154】
ハードウェアによる具現の場合、本発明の各実施例に係る方法は、一つ又はそれ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラー、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0155】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の各実施例に係る方法は、以上で説明した機能又は動作を行うモジュール、手順又は関数などの形態で具現することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに格納されてプロセッサによって駆動され得る。前記メモリユニットは、前記プロセッサの内部又は外部に位置し、既に公知となった多様な手段によって前記プロセッサとデータを取り交わすことができる。
【0156】
上述したように開示された本発明の好ましい各実施例に対する詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では、本発明の好ましい各実施例を参照して説明したが、該当の技術分野で熟練した当業者であれば、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させ得ることを理解可能であろう。例えば、当業者は、上述した各実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いることができる。したがって、本発明は、ここで示した各実施形態に制限されるものではなく、ここで開示された各原理及び新規な各特徴と一致する最広の範囲を付与しようとするものである。
【0157】
本発明は、本発明の精神及び必須特徴から逸脱しない範囲で、他の特定の形態に具体化することができる。したがって、前記の詳細な説明は、全ての面で制限的に解釈してはならなく、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的解釈によって決定しなければならなく、本発明の等価的範囲内での全ての変更は本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここで示した各実施形態に制限されるものではなく、ここで開示された各原理及び新規な各特徴と一致する最広の範囲を付与しようとするものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係のない各請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新たな請求項として含むことができる。
【産業上の利用可能性】
【0158】
上述したような本発明の各実施形態は、多様な移動通信システムに適用することができる。
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5
図6
図7
図8