【0031】
ここで、無酸素雰囲気中にて、撹拌しながら炭化される炭化装置の一例として、
図3に本発明に使用するもみ殻、あるいは稲わらを炭化するための、炭化装置の1例の構成図を示した。
図3に示すように、本発明で使用される炭化装置(還元炭化処理装置)は、内部に螺旋羽と攪拌羽1を配置した回転する一つのキルン2と、この一つのキルン2の内部に投入された廃棄物を含む有機物等を無酸素雰囲気の還元状態で間接加熱しつつ有機物等に蓄熱して一つのキルン2の内部全体に熱を供給する燃焼室3と、燃焼室3内に臨むバーナー等の加熱源4と、キルン2の内部に投入された有機物等に含まれる水分を燃焼室3の間接加熱によって蒸発させるようにキルン2の内部にエリア設定された乾燥部2aと、乾燥部2aで乾燥処理された有機物等を間接加熱分解させることで炭化させるようにキルン2の内部にエリア設定された炭化部2bと、を備えている。
【実施例】
【0032】
本発明の非晶質シリカを豊富に含むもみ殻炭あるいは稲わら炭、及び非晶質シリカ豊富に含むもみ殻炭あるいは稲わら炭の製造方法、並びに非晶質シリカを豊富に含む食品、農業用肥料および飼料の実施例について、以下記載する。
【0033】
(実施例1)
図1は、
図3の炭化装置によって、もみ殻を、それぞれ上のカーブから、炭化温度250℃、300℃、350℃、450℃、500℃、700℃で炭化したもみ殻炭中のシリカのX線回折データである。ここで、もみ殻炭中のシリカのX線回折データ6個のカーブ共に、ブロードなカーブを描いており、もみ殻炭中のシリカ炭化温度250℃〜700℃の間にて非晶質であることが分かる。しかし、炭化温度500℃未満では、発がん性のベンツビレンが発生するので、実際の使用できるのは、500℃〜700℃の範囲で炭化したもみ殻炭である。
なお、稲わら炭についても、
図3の炭化装置によって炭化した稲わら炭については、もみ殻炭と同様の結果が得られている。
【0034】
(実施例2)
図2は、炭化温度500℃のもみ殻炭からの、シリカ溶出試験結果である。
試験方法は、イオン交換水500mLをビーカーに入れ、乳鉢で軽く粉砕したもみ殻炭(炭化温度500℃)1.0gを投入し、30℃、40℃、50℃、60℃の各温度条件に制御し、スターラーで撹拌(1000rpm)しながら1時間おきに溶液を採取〜ろ過(5A)し、吸光光度計を用いて溶液中のSi濃度を測定した。
ここで、30℃、40℃、50℃、60℃の各温度条件の順番に、Si濃度が上昇していることがわかる。
【0035】
(実施例3)
図4は、もみ殻炭を含有するペレット型食品501の図である。501は、ペレット型の形状であって、
無酸素雰囲気中にて、撹拌しながら炭化される炭化装置によって、温度範囲が500℃〜700℃にて、もみ殻を炭化して製造されたもみ殻炭101が、バインダー600により固められて形成されている。
ペレット型食品501は、もみ殻炭101に含まれる非晶質シリカの作用にて、人体の骨の強化、美肌効果、血管の栄養成分の補強、抗酸化力の強化等の効果がある。
なお、501の形態としては、固体でなく、ゼリー状の形態であっても構わない。この場合、水がなくても、人体が、飲み込むことができるという長所がある。
なお、もみ殻炭に変えて、稲わら炭を使用しても、同様の効果が期待できる。
【0036】
(実施例4)
図5は、
無酸素雰囲気中にて、撹拌しながら炭化される炭化装置によって、温度範囲が500℃〜700℃にて、もみ殻を炭化して製造されたもみ殻炭(炭化温度500℃)を詰めたカプセル型食品500の図である。カプセル400の内部には、もみ殻炭100と、乳酸菌、アップルペクチン、オリゴ糖を詰め、前記カプセルの原料は、非遺伝子組み換えのとうもろこしを用いた。
カプセル型食品500は、もみ殻炭100に含まれる非晶質シリカの作用にて、人体の骨の強化、美肌効果、血管の栄養成分の補強、抗酸化力の強化等の効果がある。
【0037】
ここで、ケイ素は人体にも含まれ、毛髪、爪、血管、骨、関節や細胞壁などに存在しており、生体内のケイ素はコラーゲンを束ねる作用を持ち、骨、毛髪、爪、コラーゲンの再生や補強、維持に役立つ他、肌の保湿などにも影響を及ぼす。
更に、ケイ素は腸壁から吸収され、血管を通る際、血管内部の付着物を可溶化する作用があり、動脈硬化の予防にも効果がある。
なお、もみ殻炭に変えて、稲わら炭を使用しても、同様の効果が期待できる。
【0038】
(実施例5)
本実施例は、
無酸素雰囲気中にて、撹拌しながら炭化される炭化装置によって、温度範囲が500℃〜700℃にて、もみ殻を炭化して製造されたもみ殻炭、あるいは
酸素雰囲気中にて、撹拌しながら炭化される炭化装置によって、温度範囲が500℃〜700℃にて、稲わらを炭化して稲わら炭を作成することにより製造された稲わら炭を農業用肥料として用いる例である。粉砕した前記もみ殻炭、あるいは稲わら炭を直接、田畑に散布する方法である。これにより、植物の成長の促進、あるいは茎の強化が行われる。なお、イチゴ栽培においては、うどんこ病の発生を10分の1程度に抑えられる効果がある。
【0039】
(実施例6)
本実施例は、
無酸素雰囲気中にて、撹拌しながら炭化される炭化装置によって、温度範囲が500℃〜700℃にて、もみ殻を炭化して製造されたもみ殻炭、あるいは
酸素雰囲気中にて、撹拌しながら炭化される炭化装置によって、温度範囲が500℃〜700℃にて、稲わらを炭化して稲わら炭を作成することにより製造された稲わら炭を飼料として用いる例である。粉砕した前記もみ殻炭、あるいは稲わら炭を直接、家畜の飼料に混ぜる方法である。
これによって、家畜及び愛がん動物の健康を増進し、また肉質の改善も行われる。
【0040】
(実施例7)
本実施例は、
無酸素雰囲気中にて、撹拌しながら炭化される炭化装置によって、温度範囲が500℃〜700℃にて、炭化して製造されたもみ殻炭、あるいは
酸素雰囲気中にて、撹拌しながら炭化される炭化装置によって、温度範囲が500℃〜700℃にて、稲わらを炭化して稲わら炭を作成することにより製造された稲わら炭から、非晶質シリカを抽出し、前記非晶質シリカを利用する使用方法である。
⇒人間向け食品、飼料の添加剤
DHA強化食品やカルシウム強化食品のイメージである。
⇒酢やお酒のように使う液体状態の健康補助剤、健康補助剤
例えば、ご飯を炊くときに10ml添加とか、コーヒーに2滴とかいった使い方である。
⇒ゼリー状で利用する栄養補助食品への応用。
⇒原液で利用する栄養補助飲料
シリカ水のような応用である。
⇒濃縮されたものを希釈して利用する栄養補助飲料
⇒乾燥させたものの粉末利用
⇒肥料、液肥、植物活性剤