(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出信号組合せ手段が、互いに隣り合わない2つの上側磁気センサからの検出信号を組み合わせて複数の上側組合せ検出信号として出力するとともに、互いに隣り合わない2つの下側磁気センサからの検出信号を組み合わせて複数の下側組合せ検出信号として出力することを特徴とする請求項1に記載の金属検出装置。
前記検出ヘッドを外側から包囲するとともに前記搬送路が通過する開口部(49a、49b)を有し、前記検出ヘッドの内部に侵入する外乱ノイズを遮蔽する遮蔽手段(49)を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の金属検出装置。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の金属検出装置においては、上下に対向する磁気センサから単に差分をとるだけであり、磁化の方向と磁気センサの指向性の関係について検討されていなかったため、搬送ベルトを駆動するモータや生産設備等からの外乱ノイズによる検出信号と金属異物による検出信号とを区別することができなかった。
【0005】
また、磁気センサの検出信号がスカラーであるため、上下の磁気センサからの検出信号の値の位相(正負)が同相または逆相の何れであるかに基づいた差分算出を行っていなかった。
【0006】
したがって、外乱ノイズによる影響によって、被検査物中の微小な金属異物を高感度で検出することができなかった。
【0007】
一方、外乱ノイズによる影響を防止または低減するためには、磁気センサが設けられた磁気検出領域を磁気シールドで覆うことが考えられるが、この場合、金属検出機が設けられた工場には、数rpmでゆっくり動作する金属製の生産設備が多くあるため、このような生産設備における金属の動きにより発生する通過力の強い低周波の外乱ノイズが、磁気シールドを通過して上下に対向する磁気センサに同位相で進入することとなり、仮に上下に対向する磁気センサ間で差分を算出したとしても、外乱ノイズの検出信号も強調されてしまうため被検査物中の金属異物の検出信号のみを強調することができなかった。
【0008】
また、磁気シールドの遮蔽力を強めるためには磁気シールドの厚さを増加する必要があるが、その場合、磁気シールドの厚さを増加する分だけコストアップを招くという問題があった。このため、磁気シールドのみによって外乱ノイズの影響を防止することには限界があった。
【0009】
そこで、本発明は、前述のような従来の問題を解決するためになされたもので、外乱ノイズの周波数に関わらず、外乱ノイズによる影響を低減して被検査物中の微小な金属異物を安定して高感度で検出することができるとともに、金属異物の幅方向位置を特定することができる金属検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る金属検出装置は、被検査物を搬送路内で搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される被検査物中の金属異物を所定の磁化方向に磁化する
ように前記搬送路を挟んで上下に対向して設けられた着磁手段と、
前記着磁手段の下流側で前記搬送路を挟んで正対するよう前記搬送路の上側および下側において前記被検査物の搬送方向と直交する直交方向に複数列設され、前記着磁手段の磁化方向に鋭指向性を持つ上側磁気センサおよび下側磁気センサを有し、前記着磁手段により着磁された被検査物中の金属異物の残留磁気成分を前記上側磁気センサおよび前記下側磁気センサにより検出する検出ヘッドと、前記複数列設された上側磁気センサからの各検出信号を受けて、2つの検出信号毎に組み合わせて複数の上側組合せ検出信号として出力するとともに、前記複数列設された下側磁気センサからの各検出信号を受けて、2つの検出信号毎に組み合わせて複数の下側組合せ検出信号として出力する検出信号組合せ手段と、前記検出信号組合せ手段から出力された複数の上側組合せ検出信号毎および下側組合せ検出信号毎に2つの前記検出信号の差分を算出する差分算出手段と、前記差分算出手段からの出力信号に基づいて前記被検査物中の金属異物の有無および前記直交方向の位置を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
この構成により、差分算出手段で差分が算出される上側組合せ検出信号および下側組合せ検出信号を成す2つの検出信号において、この検出信号が含む外乱ノイズの振幅と位相が略等しいものとなるので、差分算出手段の出力信号は、外乱ノイズが打ち消されて低減されたものとなり、外乱ノイズの周波数に関わらず、外乱ノイズによる影響を低減して被検査物中の微小な金属異物を安定して高感度で検出することができる。
【0012】
また、判定手段は、何れの差分算出手段からの出力信号が判定用閾値を超えていたかに基づいて、搬送手段の幅方向における被検査物中の金属異物の位置も判定することができるので、金属異物の幅方向位置を特定することができる。
【0013】
したがって、外乱ノイズの周波数に関わらず、外乱ノイズによる影響を低減して被検査物中の微小な金属異物を安定して高感度で検出することができるとともに、金属異物の幅方向位置を特定することができる。
【0014】
また、本発明に係る金属検出装置は、前記検出信号組合せ手段が、互いに隣り合わない2つの上側磁気センサからの検出信号を組み合わせて複数の上側組合せ検出信号として出力するとともに、互いに隣り合わない2つの下側磁気センサからの検出信号を組み合わせて複数の下側組合せ検出信号として出力することを特徴とする。
【0015】
この構成により、検出信号組合せ手段では、互いに隣り合わない2つの上側磁気センサ、下側磁気センサからの検出信号を組み合わせるので、組合せを行う2つの検出信号が同一となってしまって所謂不感体が発生することを防止することができる。
【0016】
また、本発明に係る金属検出装置は、前記検出信号組合せ手段が、前記上側磁気センサのうちの端に列設された列設端上側磁気センサからの検出信号と、前記列設端上側磁気センサからn番目(nは自然数)の前記上側磁気センサからの検出信号とを組み合わせて複数の上側組合せ検出信号として出力し、または、前記列設端上側磁気センサに対して前記搬送路を挟んで正対するよう前記搬送路の下側で端に列設された列設端下側磁気センサからの検出信号と、前記列設端下側磁気センサからn番目の前記下側磁気センサからの検出信号とを組み合わせて複数の下側組合せ検出信号として出力することを特徴とする。
【0017】
この構成により、検出信号組合せ手段により、列設端上側磁気センサからの検出信号とn番目の上側磁気センサからの検出信号とが組み合わされて複数の上側組合せ検出信号が出力される。また、列設端下側磁気センサからの検出信号とn番目の下側磁気センサからの検出信号とが組み合わされて複数の下側組合せ検出信号が出力される。その結果、各検出信号が含む外乱ノイズの振幅と位相が略等しいものとなるので、差分算出手段により差分が算出される際に、外乱ノイズが互いに打ち消されて低減され、出力信号は、外乱ノイズの少ない信号となる。また、この構成により、外乱ノイズの周波数に関わらず、外乱ノイズによる影響が低減され、被検査物中の微小な金属異物が、より確実に、より高感度で検出される。
【0018】
また、本発明に係る金属検出装置は、前記検出ヘッドを外側から包囲するとともに前記搬送路が通過する開口部を有し、前記検出ヘッドの内部に侵入する外乱ノイズを遮蔽する遮蔽手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
この構成により、検出ヘッドの内部に侵入する外乱ノイズを遮蔽手段により遮蔽または減衰することができるので、上側磁気センサ、下側磁気センサの検出信号が外乱ノイズによって飽和してしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、外乱ノイズの周波数に関わらず、外乱ノイズによる影響を低減して被検査物中の微小な金属異物を安定して高感度で検出することができるとともに、金属異物の幅方向位置を特定することができる金属検出装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0024】
図1〜
図4に示すように、金属検出装置10は、被検査物Wを搬送路20a内で搬送するコンベア20と、コンベア20により搬送される被検査物W中の金属異物mを所定の磁化方向に磁化する着磁部30と、を備えている。
【0025】
また、金属検出装置10は、搬送路20aを挟んで正対するよう搬送路20aの上側および下側において被検査物Wの搬送方向と直交する直交方向に複数列設され、着磁部30の磁化方向に鋭指向性を持つ上側磁気センサ41a〜41hおよび下側磁気センサ42a〜42hを有し、着磁部30により着磁された被検査物W中の金属異物mの残留磁気成分をこれら上側磁気センサ41a〜41hおよび下側磁気センサ42a〜42hにより検出する検出ヘッド40を備えている。
【0026】
また、金属検出装置10は、複数列設された上側磁気センサ41a〜41hからの各検出信号を受けて、2つの検出信号毎に組み合わせて複数の上側組合せ検出信号として出力するとともに、複数列設された下側磁気センサ42a〜42hからの各検出信号を受けて、2つの検出信号毎に組み合わせて複数の下側組合せ検出信号として出力する検出信号組合せ手段70と、検出信号組合せ手段70から出力された複数の上側組合せ検出信号毎および下側組合せ検出信号毎に2つの検出信号の差分を算出する差分算出手段80と、この差分算出手段80からの出力信号に基づいて被検査物W中の金属異物mの有無および直交方向の位置を判定する判定手段53と、を備えている。
【0027】
また、金属検出装置10は、検出ヘッド40を外側から包囲するとともに搬送路20aが通過する開口部49a、49bを有し、検出ヘッド40の内部に侵入する外乱ノイズを遮蔽する磁気シールド49を備えている。
【0028】
被検査物Wは、例えば、包装材で包装された任意の製品、例えば包装容器内に食品を収容し、直方体形状の包装箱の表面に磁化可能な個体識別用のラベル若しくはタグ、おまけのカード等を貼付または添付したもの、あるいは、包装箱内に薬品と磁性インクで印刷された磁気印刷物を収納したものであり、金属異物mが混入し得るものである。
【0029】
コンベア20は、無端状のベルト21を複数対の搬送ローラ22a、22b、23aおよび23bに巻回し、そのベルト21の上走部の上面によって検出ヘッド40の入口側から出口側へと被検査物Wを搬送するようになっている。
【0030】
コンベア20は、搬送面としてのベルト21を回転させるためのモータ100を、搬送ローラ22bの軸線方向一端部に備えている。このモータ100は、検出ヘッド40の内部の磁気検出領域45に侵入する外乱ノイズのノイズ源となり得るものである。
【0031】
搬送路20aの検出ヘッド40より上流側の所定位置には、搬送路20aを挟んで上下に対向する上側磁極30aおよび下側磁極30bからなる公知の着磁部30が設置されている。着磁部30は、上側磁極30aおよび下側磁極30bとの間で上下方向に磁界を印加するようになっている。
【0032】
これにより、被検査物Wは、磁気検出領域45より上流側の位置で着磁部30により直流磁界を印加され、被検査物W内の金属異物mが所定の残留磁化レベルで磁化される。
【0033】
このため、金属異物mの磁化方向は、上側磁極30aと下側磁極30bとを結ぶ線と平行(矢印Hで示す上下方向)になっている。また、上側磁気センサ41a〜41hおよび下側磁気センサ42a〜42hは、着磁部30で磁化された金属異物mの磁束を良好に検出するため、上側磁極30aと下側磁極30bとを結ぶ線と平行となる方向(矢印Hで示す上下方向)に鋭指向性をそれぞれ有している。なお、上側磁気センサ41a〜41hと下側磁気センサ42a〜42hも、搬送路20aを挟んで矢印Hで示す上下方向に離隔して配置されている。
【0034】
なお、複数の上側磁気センサ41a〜41h、下側磁気センサ42a〜42hが列設される直交方向は、厳密に90°に限定されるものではなく、外乱ノイズの影響を受けない範囲であれば許容される。例えば、その範囲は±30°である。
【0035】
すなわち、上側磁気センサ41a〜41h、下側磁気センサ42a〜42hからなる検出ヘッド40を傾斜配置して、上方から見たときにコンベア20の搬送方向に直交する方向(コンベア20の幅方向)に対して角度を設けるようにしてもよい。
【0036】
検出ヘッド40は、被検査物Wの搬送路20aを挟んで上下に対向するように配置された上側ヘッド41と下側ヘッド42とから構成されている。上側ヘッド41には、複数の上側磁気センサ41a〜41hが、被検査物Wの搬送方向と直交する矢印Bで示す直交方向に列設されている。また、下側ヘッド42には、複数の下側磁気センサ42a〜42hが、被検査物Wの搬送方向と直交する直交方向にそれぞれ列設されている。
【0037】
検出ヘッド40の上側ヘッド41と下側ヘッド42に挟まれた領域は、コンベア20により矢印Aの方向に搬送される被検査物Wが通過する磁気検出領域45を形成している。この磁気検出領域45においては、被検査物Wが上側ヘッド41と下側ヘッド42を同時に通過するため、上側ヘッド41の上側磁気センサ41a〜41hと下側ヘッド42の下側磁気センサ42a〜42hは、被検査物Wの同一部位に対して同一タイミングで磁気を検出する。
【0038】
検出ヘッド40の外側周囲には、
図1、
図2に示すように、検出ヘッド40の内部の磁気検出領域45に侵入する外乱ノイズを遮蔽する磁気シールド49が設けられている。
図1、
図2では、磁気シールド49は、被検査物Wの矢印Aで示す搬送方向と直交する方向である矢印Bで示す方向(ベルト21の幅方向)の両端部、および上下方向(
図1、
図4に矢印Hで示す)の両端部に配置され、検出ヘッド40を外側から巻回するように搬送路20aを囲んで設けられている。磁気シールド49は、搬送路20aが通過する部分で搬送方向上流側に開口する開口部49aおよび下流側に開口する開口部49bを有している。
【0039】
上側磁気センサ41a〜41h、下側磁気センサ42a〜42hは、
図4に示すように、着磁部30による被検査物Wの磁化方向と等しい方向、すなわち矢印Hで示す上下方向に鋭指向性を有している。
【0040】
このため、上側磁気センサ41a〜41h、下側磁気センサ42a〜42hは、被検査物W中の金属異物mの磁束のうち、この上下方向の矢印Hで示す鋭指向性方向の成分のみを検出することができる。また、上側磁気センサ41a〜41h、下側磁気センサ42a〜42hは、磁気シールド49の搬送方向下流側の開口部49bから侵入するモータ100からの外乱ノイズに対しても、鋭指向性方向の成分のみを検出する。上側磁気センサ41a〜41h、下側磁気センサ42a〜42hは、鋭指向性を持つ磁気センサ、例えば、磁気インピーダンスセンサ、ホール素子、磁気抵抗素子、フラックスゲートセンサから構成されている。
【0041】
以下、上側磁気センサ41a〜41h、下側磁気センサ42a〜42hの具体的な構成を、鋭指向性を持つフラックスゲートセンサの1つである直交型フラックスゲートセンサで説明する。なお、フラックスゲートセンサに関しては、例えば、特開2012−154674号公報に記載されている公知のセンサであるため説明を省略する。また、上側磁気センサ41a〜41h、下側磁気センサ42a〜42hは、互いに同一の構成を有しているので、下側磁気センサ42aについて以下説明する。
【0042】
図5に示すように、鋭指向性を持つ下側磁気センサ42aにおいては、入力磁界に対してそれを打ち消すコイルを検出コイル63として設け、高感度センサで残余磁界を検出し、残余磁界がほぼゼロになるようにして、入力磁界を打ち消すのに使用した電流の大きさから入力磁界の大きさを検出するゼロ位法を採用した負帰還構成となっている。ゼロ位法を採用した負帰還構成においては、リニアリティーが良く、ダイナミックレンジが広くなるという利点がある。
【0043】
センサヘッド61はU字型のアモルファス磁性ワイヤをコア62として採用しており、検出コイル63は一端を低抵抗で接地している。構造を簡単にするために検出コイル63は、負帰還コイルとしても使用している。
【0044】
コア62の励磁電流は、簡単のために50Ωの出力抵抗を持つ信号発生器64から直接取っている。励磁は100kHzの正弦波電圧(Vac)に必要な直流バイアス電圧(Vdc)をかけている。
【0045】
検出コイル63からの検出電圧は励磁周波数と同じ100kHzであるので、交流結合によって前置増幅器65に入力し、同期検波部回路66によって平行復調し、後段の平滑フィルタ(カットオフ周波数≒100Hz)で直流へ変換している。
【0046】
直流に変換された信号は、0Vを参照電圧とする帯域制限した誤差増幅器67で増幅して、高抵抗Rfを介して検出巻線にはキャンセルのための負帰還電流を重畳する。ここで、高抵抗Rfの抵抗値を高くする理由は、負帰還電流を高感度に電圧に変換するため、および、検出コイル63から見て帰還回路が負荷にならないようにするためである。
【0047】
前置増幅器65の入力側と負帰還回路側の誤差増幅器の時定数の選択は1/(C1R1)>10/(C2R2)の範囲で設定している。高抵抗Rfの両端の電圧は、図示しないボルテージフォロワーで抽出した後、引き算回路および60Hzのノッチフィルタを通して出力している。
【0048】
下側磁気センサ42aは、
図6(a)または
図6(b)に示すように、アモルファス線から構成されるコア62がU字型にすることにより、コア62の左右個々の脚で入力磁界と無関係に発生する磁束変化が打ち消され、オフセットが発生することを防止することができるようになっている。
【0049】
なお、下側磁気センサ42aのコア62の長さは、1.5〜3cm程度とするのが最適である。コア62を長くすると分解能を高く指向性を鋭くすることができる一方、中央部に不感体が生じてしまうためである。
【0050】
本実施の形態では、上側磁気センサ41a〜41hおよび下側磁気センサ42a〜42hを、鋭指向性方向(矢印Hで示す上下方向)で同一向きに配置し、これら磁気センサの上下で検出信号の正負(極性)が逆となっている。
【0051】
ここで、上下の磁気センサを鋭指向性方向で同一向きに配置するとは、上側磁気センサ41a〜41hに対して磁気検出領域45から上側に向う磁束を正(または負)の値の検出信号として検出するとともに、下側磁気センサ42a〜42hに対して磁気検出領域45から下側に向う磁束を負(または正)の値の検出信号として検出するように、上側磁気センサ41a〜41hおよび下側磁気センサ42a〜42hを配置することである。
【0052】
なお、上側磁気センサ41a〜41hおよび下側磁気センサ42a〜42hを、鋭指向性方向で逆向きに配置したときには、これら磁気センサの上下で検出信号の正負(極性)が同じになる。この場合、上側磁気センサ41a〜41hまたは下側磁気センサ42a〜42hの一方からの検出信号をAD変換手段52でデジタル信号に変換する際にその正負を反転することにより、上下の磁気センサを鋭指向性方向で同一向きに配置したときと検出信号の正負(極性)を同じにすることができる。
【0053】
また、金属検出装置10は、AD変換手段52、検出信号組合せ手段70、差分算出手段80、判定手段53および結果表示手段54を有する制御部50を備えている。制御部50は、具体的なハードウェア構成を図示しないが、CPU、ROM、RAM、および入出力インターフェース回路に加えて、不揮発性メモリとしてのEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)やハードディスク等を含んで構成されており、ROMやEEPROM、ハードディスク等に格納された所定の金属検出制御プログラムに従って、検出ヘッド40からの検出信号やEEPROMに不揮発に記憶保持された判定用閾値等に基づいて、被検査物Wに金属異物mが混入しているか否かの判定を実行するようになっている。
【0054】
上側磁気センサ41a〜41h、下側磁気センサ42a〜42hからの検出信号は、上側磁気センサ41a〜41h、下側磁気センサ42a〜42h毎に個別に設けられたAD変換手段52に信号線51を介してそれぞれ入力されるようになっており、被検査物Wが磁気検出領域45を通過する間、上側磁気センサ41a〜41h、下側磁気センサ42a〜42hからの検出信号が、AD変換手段52においてそれぞれアナログ信号からデジタル信号に変換される。
【0055】
AD変換手段52でデジタル信号に変換された検出信号は、検出信号組合せ手段70に入力され、検出信号組合せ手段70により2つの検出信号毎に組み合わされて複数の上側組合せ検出信号または下側組合せ検出信号として出力されるようになっている。
【0056】
具体的には、例えば、検出信号組合せ手段70は、
図7に示すように、複数の上側磁気センサ41a〜41hのうち互いに隣り合わない2つの上側磁気センサからの検出信号を組み合わせて複数の上側組合せ検出信号として出力するとともに、複数の下側磁気センサ42a〜42hのうち互いに隣り合わない2つの下側磁気センサからの検出信号を組み合わせて複数の下側組合せ検出信号として出力するようになっている。
【0057】
図7において、検出信号組合せ手段70では、複数の上側磁気センサ41a〜41hのうち互いに隣り合わない上側磁気センサ41a、41cからの2つの検出信号、上側磁気センサ41b、41dからの2つの検出信号、上側磁気センサ41e、41gからの2つの検出信号、上側磁気センサ41f、41hからの2つの検出信号、を組み合わせて複数の上側組合せ検出信号として出力するとともに、複数の下側磁気センサ42a〜42hのうち互いに隣り合わない下側磁気センサ42a、42cからの2つの検出信号、下側磁気センサ42b、42dからの2つの検出信号、下側磁気センサ42e、42gからの2つの検出信号、下側磁気センサ42f、42hからの2つの検出信号、を組み合わせて複数の下側組合せ検出信号として出力するようになっている。
【0058】
検出信号組合せ手段70から出力された複数の上側組合せ検出信号および下側組合せ検出信号は、上側組合せ検出信号毎および下側組合せ検出信号毎に個別に設けられた差分算出手段80に入力され、2つの検出信号の差分が算出されるようになっている。
【0059】
すなわち、差分算出手段80では、例えば、上側ヘッド41の互いに隣り合わない上側磁気センサ41aと上側磁気センサ41cの差分、上側磁気センサ41bと上側磁気センサ41dの差分等がそれぞれ算出されるとともに、下側ヘッド42の互いに隣り合わない下側磁気センサ42aと下側磁気センサ42cの差分、下側磁気センサ42bと下側磁気センサ42dの差分等がそれぞれ算出されるようになっている。
【0060】
差分算出手段80からの各出力信号は、各差分算出手段80の後段にそれぞれ接続された判定手段53に入力され、各判定手段53より予め設定された判定用閾値を参照して金属の有無が判定されるようになっている。
【0061】
このように、判定手段53は、差分算出手段80で算出された2つの検出信号の差分に基づいて被検査物W中の金属異物mの有無を判定している。また、判定手段53による判定結果は、結果表示手段54により表示される。
【0062】
判定手段53は、上側磁気センサ41a〜41hからの検出信号の差分、下側磁気センサ42a〜42hからの検出信号の差分、に基づいて被検査物W中の金属異物mの有無を判定するだけでなく、何れの差分算出手段80からの出力信号が判定用閾値を超えていたかに基づいて、被検査物W中の金属異物mの矢印Bで示す直交方向における位置を算出し、結果表示手段54に出力するようになっている。
【0063】
換言すると、判定手段53は、何れの差分算出手段80からの出力信号が判定用閾値を超えていたかに基づいて、コンベア20の幅方向における被検査物W中の金属異物mの位置も算出して結果表示手段54に出力するようになっている。
【0064】
なお、本実施の形態に係る金属検出装置10においては、検出信号組合せ手段70における検出信号の組合せ方法を
図7に例示した方法で構成した場合について説明した。
しかしながら、本発明に係る金属検出装置の検出信号組合せ手段は、本実施の形態の検出信号組合せ手段70の組合せ方法による構成に限定されるものではなく、他の組合せ方法で構成するようにしてもよい。
【0065】
他の組合せ方法で構成される検出信号組合せ手段の変形例として、例えば、検出信号組合せ手段70A、70B、70C、70Dが挙げられる。
【0066】
検出信号組合せ手段70A、70B、70Dは、それぞれ、複数の上側磁気センサ41a〜41hのうち互いに隣り合わない2つの上側磁気センサからの検出信号を組み合わせて複数の上側組合せ検出信号として出力するとともに、複数の下側磁気センサ42a〜42hのうち互いに隣り合わない2つの下側磁気センサからの検出信号を組み合わせて複数の下側組合せ検出信号として出力するよう構成されている。
【0067】
なお、検出信号組合せ手段70Cにおいては、隣り合う上側磁気センサ41a、41bの組合せ、および隣り合う下側磁気センサ42a、42bの組合せ以外は、検出信号組合せ手段70A、70B、70Dと同様に、互いに隣り合わない2つの上側磁気センサおよび下側磁気センサからの検出信号を組み合わせて上側組合せ検出信号および下側組合せ検出信号として出力するよう構成されている。
【0068】
具体的には、検出信号組合せ手段70Aは、
図8に示すように、上側磁気センサ41a〜41hの8個のうち上側磁気センサ41a、41eからの2つの検出信号、上側磁気センサ41b、41fからの2つの検出信号、上側磁気センサ41c、41gからの2つの検出信号、上側磁気センサ41d、41hからの2つの検出信号を、それぞれ組み合わせて複数の上側組合せ検出信号として出力するよう構成される。
nを自然数とすると、検出信号組合せ手段70Aは、n=8、で構成され、各検出信号は、n/2のピッチ毎に組み合わされる構成となる。
【0069】
下側磁気センサ42a〜42hも、上側磁気センサ41a〜41hと同様に、下側磁気センサ42a、42eからの2つの検出信号、下側磁気センサ42b、42fからの2つの検出信号、下側磁気センサ42c、42gからの2つの検出信号、下側磁気センサ42d、42hからの2つの検出信号を、それぞれ組み合わせて複数の下側組合せ検出信号として出力するよう構成される。
【0070】
また、検出信号組合せ手段70Bは、
図9に示すように、上側磁気センサ41a〜41hの8個のうち上側磁気センサ41a、41cからの2つの検出信号、上側磁気センサ41b、41eからの2つの検出信号、上側磁気センサ41d、41gからの2つの検出信号、上側磁気センサ41f、41hからの2つの検出信号を、それぞれ組み合わせて複数の上側組合せ検出信号として出力するよう構成される。
8個の上側磁気センサ41a〜41hが、1個置きに組み合わされ、いわゆる千鳥で組み合わされる構成となる。
【0071】
下側磁気センサ42a〜42hも、下側磁気センサ42a〜42hのうち下側磁気センサ42a、42cからの2つの検出信号、下側磁気センサ42b、42eからの2つの検出信号、下側磁気センサ42d、42gからの2つの検出信号、下側磁気センサ42f、42hからの2つの検出信号を、それぞれ組み合わせて複数の下側組合せ検出信号として出力するよう構成される。
【0072】
また、検出信号組合せ手段70Cは、
図10に示すように、上側磁気センサ41a〜41hの8個のうち上側磁気センサ41a、41bからの2つの検出信号、上側磁気センサ41a、41cからの2つの検出信号、上側磁気センサ41a、41dからの2つの検出信号、上側磁気センサ41a、41eからの2つの検出信号、上側磁気センサ41a、41fからの2つの検出信号、上側磁気センサ41a、41gからの2つの検出信号、上側磁気センサ41a、41hからの2つの検出信号を、それぞれ組み合わせて複数の上側組合せ検出信号として出力するよう構成される。
【0073】
下側磁気センサ42a〜42hの8個のうち下側磁気センサ42a、42bからの2つの検出信号、下側磁気センサ42a、42cからの2つの検出信号、下側磁気センサ42a、42dからの2つの検出信号、下側磁気センサ42a、42eからの2つの検出信号、下側磁気センサ42a、42fからの2つの検出信号、下側磁気センサ42a、42gからの2つの検出信号、下側磁気センサ42a、42hからの2つの検出信号を、それぞれ組み合わせて複数の上側組合せ検出信号として出力するよう構成される。
【0074】
このように、検出信号組合せ手段70Cは、上側磁気センサ41a〜41hのうちの端に列設された列設端上側磁気センサ41aからの検出信号と、列設端上側磁気センサ41aから1番目ないし7番目の上側磁気センサ41b〜41hからの検出信号とを組み合わせて複数の上側組合せ検出信号として出力するようになっている。
【0075】
また、下側磁気センサ42a〜42hも、列設端上側磁気センサ41aに対して搬送路を挟んで正対するよう搬送路20aの下側で端に列設された列設端下側磁気センサ42aからの検出信号と、列設端下側磁気センサから1番目ないし7番目の下側磁気センサ42b〜42hからの検出信号とを組み合わせて複数の下側組合せ検出信号として出力するようになっている。
【0076】
各上側磁気センサおよび下側磁気センサは、8個で構成されているが、8個以外の任意のn個で構成されていてもよい。この場合は、列設端上側磁気センサ41aおよび列設端下側磁気センサ42aの検出信号と、列設端上側磁気センサ41aおよび列設端下側磁気センサ42aからn番目の上側磁気センサおよび下側磁気センサの検出信号とが組み合わせられる。
【0077】
この検出信号組合せ手段70Cにおいては、列設端上側磁気センサ41aおよび列設端下側磁気センサ42aの検出信号と、列設端上側磁気センサ41aおよび列設端下側磁気センサ42aからn番目の上側磁気センサおよび下側磁気センサの検出信号とがそれぞれ組み合わせられる。この構成により、列設端上側磁気センサ41aおよび列設端下側磁気センサ42aが、被検査物Wに含まれている金属異物mを感知しないよう、被検査物Wが列設端上側磁気センサ41aおよび列設端下側磁気センサ42aで挟まれる搬送空間を避けて通過するよう制限する構造で検出信号組合せ手段70Cを構成することができる。
【0078】
この構成により、列設端上側磁気センサ41aおよび列設端下側磁気センサ42aを外乱ノイズのみ検出するセンサとして使用することができ、列設端上側磁気センサ41aおよび列設端下側磁気センサ42aの検出信号と、列設端上側磁気センサ41aおよび列設端下側磁気センサ42aと組み合わせられる各上側磁気センサおよび下側磁気センサの各信号とが、各差分算出手段80により算出され、外乱ノイズが好適に打ち消されて確実に低減される。
【0079】
また、検出信号組合せ手段70Dは、
図11に示すように、上側磁気センサ41a〜41hの8個のうち上側磁気センサ41a、41cからの2つの検出信号、上側磁気センサ41b、41dからの2つの検出信号、上側磁気センサ41c、41eからの2つの検出信号、上側磁気センサ41d、41fからの2つの検出信号、上側磁気センサ41e、41gからの2つの検出信号、上側磁気センサ41f、41hからの2つの検出信号を、それぞれ組み合わせて複数の上側組合せ検出信号として出力するよう構成される。
8個の上側磁気センサ41a〜41hが、1個置きに組み合わされ、いわゆる1つとびで組み合わされる構成となる。このように、1つの磁気センサから複数の差分算出手段80に検出信号が入力されるようにしてもよい。
【0080】
下側磁気センサ42a〜42hも、8個のうち下側磁気センサ42a、42cからの2つの検出信号、下側磁気センサ42b、42dからの2つの検出信号、下側磁気センサ42c、42eからの2つの検出信号、下側磁気センサ42d、42fからの2つの検出信号、下側磁気センサ42e、42gからの2つの検出信号、下側磁気センサ42f、42hからの2つの検出信号を、それぞれ組み合わせて複数の下側組合せ検出信号として出力するよう構成される。
【0081】
次に、動作を説明する。金属検出装置10においては、金属異物mを含む被検査物Wが磁気検出領域45を通過すると、上側磁気センサ41a〜41h、下側磁気センサ42a〜42hからの検出信号が、AD変換手段52でそれぞれアナログ信号からデジタル信号に変換される。
【0082】
デジタル信号に変換された各検出信号は、検出信号組合せ手段70に入力され、検出信号組合せ手段70により2つの検出信号毎に組み合わされて複数の上側組合せ検出信号または下側組合せ検出信号として出力される。
【0083】
検出信号組合せ手段70から出力された複数の上側組合せ検出信号および下側組合せ検出信号は、上側組合せ検出信号毎および下側組合せ検出信号毎に個別に設けられた差分算出手段80に入力され、2つの検出信号の差分が算出される。各差分算出手段80からの出力信号は、差分算出手段80の後段にそれぞれ接続された判定手段53に入力される。
【0084】
判定手段53では、差分算出手段80からの出力信号から、予め設定された判定用閾値を参照して、被検査物W中の金属異物mの有無を判定するとともに、金属異物mが有る場合は、その直交方向の位置を判定する。判定手段53による判定結果(金属異物mの有無および直交方向の位置)は、結果表示手段54により表示される。
【0085】
以上のように、本実施の形態に係る金属検出装置10は、被検査物Wを搬送路20a内で搬送するコンベア20と、コンベア20により搬送される被検査物W中の金属異物mを所定の磁化方向に磁化する着磁部30と、搬送路20aを挟んで正対するよう搬送路20aの上側および下側において被検査物Wの搬送方向と直交する直交方向に複数列設され、着磁部30の磁化方向に鋭指向性を持つ上側磁気センサ41a〜41hおよび下側磁気センサ42a〜42hを有し、着磁部30により着磁された被検査物W中の金属異物mの残留磁気成分を上側磁気センサ41a〜41hおよび下側磁気センサ42a〜42hにより検出する検出ヘッド40と、複数列設された上側磁気センサ41a〜41hからの各検出信号を受けて、2つの検出信号毎に組み合わせて複数の上側組合せ検出信号として出力するとともに、複数列設された下側磁気センサ42a〜42hからの各検出信号を受けて、2つの検出信号毎に組み合わせて複数の下側組合せ検出信号として出力する検出信号組合せ手段70と、検出信号組合せ手段70から出力された複数の上側組合せ検出信号毎および下側組合せ検出信号毎に2つの検出信号の差分を算出する差分算出手段80と、差分算出手段80からの出力信号に基づいて被検査物W中の金属異物mの有無および直交方向の位置を判定する判定手段53と、を備えたことを特徴とする。
【0086】
この構成により、差分算出手段80で差分が算出される上側組合せ検出信号および下側組合せ検出信号を成す2つの検出信号において、この検出信号が含む外乱ノイズの振幅と位相が略等しいものとなるので、差分算出手段80の出力信号は、外乱ノイズが打ち消されて低減されたものとなり、外乱ノイズの周波数に関わらず、外乱ノイズによる影響を低減して被検査物中の微小な金属異物を安定して高感度で検出することができる。
【0087】
また、判定手段53は、何れの差分算出手段80からの出力信号が判定用閾値を超えていたかに基づいて、コンベア20の幅方向における被検査物W中の金属異物mの位置も判定および算出して結果表示手段54に出力することができるので、金属異物の幅方向位置を特定することができる。
【0088】
したがって、外乱ノイズの周波数に関わらず、外乱ノイズによる影響を低減して被検査物中の微小な金属異物を安定して高感度で検出することができるとともに、金属異物の幅方向位置を特定することができる。
【0089】
また、本実施の形態に係る金属検出装置10は、検出信号組合せ手段70は、互いに隣り合わない2つの上側磁気センサ41a〜41hからの検出信号を組み合わせて複数の上側組合せ検出信号として出力するとともに、互いに隣り合わない2つの下側磁気センサ42a〜42hからの検出信号を組み合わせて複数の下側組合せ検出信号として出力することを特徴とする。
【0090】
この構成により、検出信号組合せ手段70では、互いに隣り合わない2つの上側磁気センサ41a〜41h、下側磁気センサ42a〜42hからの検出信号を組み合わせるので、組合せを行う2つの検出信号が同一となってしまって所謂不感体が発生することを防止することができる。
【0091】
検出信号組合せ手段70A、70B、70Dは、実施の形態に係る検出信号組合せ手段70と同様、差分算出手段80で差分が算出される上側組合せ検出信号および下側組合せ検出信号を成す2つの検出信号において、この検出信号が含む外乱ノイズの振幅と位相が略等しいものとなるので、外乱ノイズの周波数に関わらず、外乱ノイズによる影響を低減して被検査物中の微小な金属異物を安定して高感度で検出することができるとともに、金属異物の幅方向位置を特定することができる。また、検出信号組合せ手段70A、70B、70Dは、互いに隣り合わない2つの上側磁気センサ41a〜41h、下側磁気センサ42a〜42hからの検出信号を組み合わせるので、組合せを行う2つの検出信号が同一となってしまって所謂不感体が発生することを防止することができる。
【0092】
検出信号組合せ手段70Cは、実施の形態に係る検出信号組合せ手段70と同様、差分算出手段80で差分が算出される上側組合せ検出信号および下側組合せ検出信号を成す2つの検出信号において、この検出信号が含む外乱ノイズの振幅と位相が略等しいものとなるので、外乱ノイズの周波数に関わらず、外乱ノイズによる影響を低減して被検査物中の微小な金属異物を安定して高感度で検出することができるとともに、金属異物の幅方向位置を特定することができる。
【0093】
特に、検出信号組合せ手段70Cは、列設端上側磁気センサ41aおよび列設端下側磁気センサ42aを外乱ノイズのみ検出するセンサとして使用することができ、列設端上側磁気センサ41aおよび列設端下側磁気センサ42aの検出信号と、列設端上側磁気センサ41aおよび列設端下側磁気センサ42aと組み合わせられる各上側磁気センサおよび下側磁気センサの各信号とが、各差分算出手段80により算出され、外乱ノイズが好適に打ち消されて確実に低減される。
【0094】
また、本実施の形態に係る金属検出装置10は、検出ヘッド40を外側から包囲するとともに搬送路20aが通過する開口部49a、49bを有し、検出ヘッド40の内部に侵入する外乱ノイズを遮蔽する磁気シールド49を備えたことを特徴とする。
【0095】
この構成により、検出ヘッド40の内部に侵入する外乱ノイズを磁気シールド49により遮蔽または減衰することができるので、上側磁気センサ41a〜41h、下側磁気センサ42a〜42hの検出信号が外乱ノイズによって飽和してしまうことを防止することができる。