(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記閲覧者把握処理において、前記閲覧者の状況として、前記画像表示手段における前記閲覧者の人数を取得する人数取得処理を実行すると共に、前記人数取得処理において取得された前記閲覧者の人数に基づいて前記広告決定処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の広告配信システム。
商品の1個当たりの評価値と前記人数取得処理において取得された前記閲覧者の人数とを乗算した値に基づいて、前記広告決定処理として、当該商品に係る広告内容を前記画像表示手段に表示させるか否かを決定することを特徴とする請求項3に記載の広告配信システム。
前記人数取得処理において取得された前記閲覧者の人数が前記商品の在庫数を上回る場合に、前記商品の1個当たりの評価値と前記商品の在庫数とを乗算した値に基づいて、前記広告決定処理として、当該商品に係る広告内容を前記画像表示手段に表示させるか否かを決定することを特徴とする請求項4に記載の広告配信システム。
前記閲覧者把握処理において、前記閲覧者の状況として、移動中の前記第2の携帯端末の位置が取得されると共に、前記移動中の第2の携帯端末の移動先となるエリアを推定するエリア推定処理と、
前記広告決定処理として、前記第1の携帯端末と前記エリアとを関連付けるエリア関連付け情報に基づいて、前記エリア推定処理において推定されたエリアに関連付けられた前記第1の携帯端末からの前記指令を前記サーバから前記移動中の第2の携帯端末に送信することに決定することを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の広告配信システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
以下、本発明を実施するための一形態である第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る広告配信システム1の概略構成図である。
【0010】
広告配信システム1は、広告主の端末である送信側端末100(第1の携帯端末)、送信側端末100からの指令に従って広告を配信する広告配信サーバ200(サーバ)、及び、広告配信サーバ200から配信された広告を受信する受信側端末300(第2の携帯端末)を有している。また、広告配信システム1には、広告の閲覧者からの接続が可能なHTMLサーバ250が設けられていてもよい。これらの端末やサーバは、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、ユーザインタフェース用のデバイスなどのハードウェアを備えている。ROMやRAMなどの記憶部には、プログラムや各種のデータなどのソフトウェアが格納されており、CPUはこれらのソフトウェアに基づいて各種の処理を実行する。ハードウェアとソフトウェアがこのように協働して情報処理を実行することにより、端末やサーバが実行する処理やこれらが有する各機能部が実現される。
【0011】
送信側端末100及び受信側端末300は、いずれも、携帯電話通信網や無線LAN通信網などを介して無線通信を行うことができると共に、これらの無線通信を介してインターネット99に接続することができる。広告配信サーバ200も、インターネット99に接続されている。送信側端末100、広告配信サーバ200及び受信側端末300間では、インターネット99及び無線通信を介したデータの送受信が行われる。以下、これらの装置間でのデータや情報の送受信は、特に断りのない限り、インターネット99及び無線通信を介したものである。
【0012】
本システムを利用する広告主としては、例えば、アパレル店や飲食店の経営者などが想定される。このような広告主からは、顧客の来店状況や在庫の状況など現時点の状況に応じて即効性のある広告を適時に配信可能な配信サービスが求められる。
【0013】
送信側端末100及び受信側端末300はスマートフォンやタブレットPCなどの汎用の携帯端末である。これらの端末は、文字や画像を表示すると共に指などの接触を検知可能なタッチパネルディスプレイと、ユーザ入力を受け付ける入力インタフェースとを有している。入力インタフェースは、ソフトウェアキーボードとして実現されている。つまり、タッチパネルディスプレイに表示された文字や画像からなる入力画面と、タッチパネルディスプレイによって検出された指等の接触位置との位置関係に基づき、入力内容が決定される。また、これらの端末には、入力インタフェースとして、音声入力部も設けられていてもよい。音声入力部はマイクを有しており、ユーザが発した声がマイクを介して入力されると、その声の内容を認識して文字や数字等に変換する。各受信側端末300には、文字や画像などからなる広告を表示するディスプレイ401が接続されている。なお、ディスプレイ401が接続されず、受信側端末300に搭載されたディスプレイに広告が表示されるのみであってもよい。
【0014】
送信側端末100には、広告を配信するための指令(以下、「配信指令」とする)を広告配信サーバ200に送信するためのアプリケーション(以下、「送信アプリ」とする;広告送信プログラム)がインストールされている。受信側端末300には、広告配信サーバ200から配信指令を受信し、自身の記憶部に配信指令を格納したり、この配信指令に基づいてディスプレイ401に広告を表示させたりするためのアプリケーション(以下、「受信表示アプリ」とする;広告受信表示プログラム)がインストールされている。送信アプリや受信表示アプリは、無線通信及びインターネット99を介して広告配信システム1外のサーバからダウンロードされる。これらの端末には、送信アプリや受信表示アプリなどのユーザアプリケーションの他、オペレーティングシステムやデバイスドライバがインストールされている。送信アプリや受信表示アプリによる処理は、オペレーティングシステムやデバイスドライバが実行する処理によって一部の機能を補助されながら実行される。
【0015】
本実施形態において、ディスプレイ401は、例えば広告主の店舗に近い繁華街など、広告主の店舗に顧客を直接的に誘導可能な地点に設置される。ディスプレイ401の設置地点には、この他に、ディスプレイ401に表示される広告の閲覧者を撮像するウェブカメラ402が設置される。ウェブカメラ402が撮影した画像はインターネット99を介して広告配信サーバ200へと送信される。また、ディスプレイ401に表示されるURL(Uniform Resource Locator)を手掛かりに、閲覧者が自身の所有する端末を通じ、インターネット99を介してHTMLサーバ250にアクセスできるように構成されていてもよい。
【0016】
配信指令は、
図7に示すように、グループID(後述)、命令及び命令IDを含んでいる。命令は、広告を構成する要素ごとに、広告内容や広告の表示態様等を指示する。例えば、背景表示命令は、背景として画像を表示するか、背景を単一色とするかなどを指示し、画像を表示する場合には表示する画像の内容を含んでいる。テキスト表示命令は、表示するテキストの内容をテキストデータとして含んでおり、テキストを表示する態様(色、フォント、位置、大きさ、点滅表示など)、テキストを表示するタイミングなどを指示する。動画表示も、表示対象が動画であること以外は、上記の命令と同様である。優先度は、当該配信指令の優先度の高さを示す。優先度が高い場合には受信側端末300における当該配信指令に関する処理が優先的に実行される。
【0017】
クーポン処理命令は、受信側端末300にクーポン処理を実行させるように指示する。クーポン処理は、受信側端末300において、クーポン処理を開始するための条件が満たされた場合に、店情報やクーポン情報を含むクーポン画面をディスプレイ401に表示させるための処理である。クーポン情報は、商品の割引情報など、情報を見た顧客に直接来店を促すような情報である。
【0018】
本実施形態におけるクーポン処理の目的は、店舗において閲覧者が次に説明するようなサービスを受けられるようにすることにより、店舗に顧客を誘導することである。広告の閲覧者は、ディスプレイ401に表示されたクーポン画面を、各閲覧者が所有する携帯端末のカメラで撮影する。そして、閲覧者は、クーポン画面に含まれる店情報が示す店舗に赴く。閲覧者が自身の携帯端末に撮影したクーポン画面を店舗の担当者に提示すると、クーポン画面に含まれる割引情報に対応する割引サービスを受けられる。
【0019】
本実施形態では、ディスプレイ401に表示させるクーポン画面は、広告配信システム1において、あらかじめ後述のグループごとに登録される。例えば、送信側端末100は、送信アプリに従って、クーポンの登録情報をグループIDと共に広告配信サーバ200へと送信する。クーポンの登録情報は、クーポン処理の開始条件やクーポン画面の内容などを含んでいる。クーポン処理の開始条件は、クーポン処理の開始時刻や商品の在庫情報などである。広告配信サーバ200は、グループIDに対応する受信側端末300へと、クーポンの登録情報を送信する。受信側端末300は、受信した登録情報を記憶部に格納する。クーポン画面は、グループごとに複数種類を登録可能である。クーポン処理命令には、登録済みのクーポン画面のうちのいずれを表示するのかを指示する情報と、クーポン処理の実行を指示するか否かを示す情報とが含まれている。受信側端末300は、受信したクーポン処理命令がクーポン処理の実行を指示している場合に、後述のとおり、クーポン処理の開始条件が満たされたかどうかを判定する。そして、満たされたと判定するとクーポン処理を実行する。これにより、受信側端末300において、その時点までディスプレイ401に表示されていた広告がクーポン画面に切り替えられる。
【0020】
広告配信サーバ200は、送信側端末100から配信指令を受信する指令受信部201、端末に関する情報を記憶する端末情報記憶部202、指令受信部201が受信した配信指令を記憶する指令記憶部203、及び、指令記憶部203が記憶した配信指令を受信側端末300に送信する指令送信部204を有している。
【0021】
広告配信サーバ200は、送信側端末100と受信側端末300とをグループ分けして管理する。例えば、
図2に示すように、1台の送信側端末100と複数台の受信側端末300からなるグループXと、他の1台の送信側端末100と複数台の受信側端末300からなるグループYとが作られる。同グループ内の端末同士は関連付けられており、この関連付けを示す情報(端末関連付け情報)は、端末情報記憶部202に格納される。広告配信サーバ200は、このようなグループを同時に複数管理することが可能である。なお、異なるグループ同士で受信側端末300が重複してもよい。例えば、グループXに含まれる少なくとも一部の受信側端末300がグループYにも含まれてよい。指令記憶部203は、送信側端末100から送信された配信指令をその送信側端末100が属するグループに関連付けて記憶する。
【0022】
グループの登録は、送信側端末100から広告配信サーバ200に各種の登録情報を送信することによってなされる。これにより、広告配信サーバ200において新たなグループが作成され、送信側端末100へとグループIDが送信される。グループIDは、送信側端末100が属するグループを識別する情報である。送信側端末100は、広告配信サーバ200から送信されたグループIDを記憶部に格納する。このような登録処理は、送信アプリが初めて実行された際に送信アプリに従って実行されてもよいし、送信アプリとは別途用意された登録用のアプリに従って実行されてもよい。
【0023】
受信側端末300のグループへの登録は、受信側端末300において受信表示アプリが初めて実行された際に行われる。受信側端末300は、受信表示アプリに従って、広告配信サーバ200に登録要請を送る。広告配信サーバ200は、登録要請の内容を確認し、登録が可能である場合に、受信側端末300へとグループIDを送信する。受信側端末300は、グループIDを記憶部に格納する。このような登録処理は、受信表示アプリとは別途用意された登録用のアプリに従って実行されてもよい。
【0024】
また、広告配信サーバ200は、広告の閲覧者の状況を把握する閲覧者把握部205を有している。閲覧者把握部205は、ウェブカメラ402から送信された撮影画像を解析することにより、撮影画像に映された広告の閲覧者の人数を算出する。閲覧者の人数は、グループごとに把握される。つまり、あるグループに属する複数の受信側端末300があるとき、各受信側端末300の設置地点に設置されたウェブカメラ402からの撮影画像の解析結果が集計される。これにより、各受信側端末300に対応するディスプレイ401に表示された広告を閲覧している全閲覧者の人数がグループごとに把握される。閲覧者把握部205が算出した閲覧者の人数は、クーポン処理が実行される際に用いられる(後述)。
【0025】
なお、閲覧者把握部205による閲覧者の人数の把握方法として、以下のような別の方法が用いられてもよい。ディスプレイ401に広告として、URLを示す情報を表示させる。閲覧者は、自らが所有する端末403にインストールされたブラウザアプリに基づき、広告に含まれるURLを入力して当該URLに対応するHTMLサーバ250にアクセスする。HTMLサーバ250は、アクセス数を管理している。広告配信サーバ200は、HTMLサーバ250からアクセス数を取得し、取得したアクセス数を閲覧者の人数とする。あるいは、URLに対応する二次元バーコードをディスプレイ401に表示させ、閲覧者の端末403に読み取らせてもよい。
【0026】
以下、広告配信システム1が実行する広告配信処理について説明する。この処理は、広告主の指示に基づき、
図6に示すような文字や画像等からなる広告をディスプレイ401に表示させる処理である。また、この処理は、送信側端末100及び受信側端末300が登録されたグループが既に存在していること、クーポン画面が既に登録されていることを前提とする。まず、送信側端末100が送信アプリに基づいて実行する処理について、
図3等を参照しつつ説明する。
【0027】
送信側端末100は、配信指令に対応する情報を入力するための入力画面をタッチパネルディスプレイに表示する(S1)。この入力画面には、命令ごとに、テキストの入力ボックス画像や、項目を選択するメニュー画像、背景として表示する画像を示すファイルを指示するための画像、優先度が高いか低いかを選択するボタン画像等が含まれている。次に、入力インタフェースを介してユーザが情報を入力していないと判定すると(S2、No)、送信側端末100は、S6の処理に移る。一方、入力インタフェースを介してユーザが情報を入力したと判定すると(S2、Yes)、送信側端末100は、入力された情報に基づいて配信指令を生成する(S3)。具体的には、入力情報に対応する各種命令を生成し、命令ごとに命令IDを生成すると共に、記憶部に格納されたグループIDと組み合わせて配信指令を生成する。送信側端末100は、前回生成した内容と異なる内容となる命令に関しては、前回と異なる命令IDをランダムな内容で生成する。一方、送信側端末100は、前回の内容から変更しない命令については、前回と同じ命令IDを使用する。したがって、配信指令において、命令IDが同じであることは、その命令IDに対応する命令の内容に変更がないことに相当する。
【0028】
なお、本システムでは、広告を構成する各要素の表示態様等の自由度がある程度、制限されている。したがって、命令によって指示可能な範囲もある程度制限されている。例えば、背景となる画像については、画像の大きさや表示位置等が制限されており、背景表示命令は、あらかじめ定められた範囲でしか、画像の表示態様を指示できない。このように、命令できる範囲がある程度、制限されていることにより、送信側端末100において、ユーザが入力すべき内容が複雑になり過ぎない。また、テキストデータに基づきテキストが表示されるため、送信側端末100においてあらかじめテキストをレイアウトした画像を用意する必要がない。
【0029】
次に、送信側端末100は、S3で生成した指令に対応する広告の内容(例えば
図6に示す内容)を、プレビュー画像としてタッチパネルディスプレイに表示する(S4)。このプレビュー画面は、S1において表示される入力画面を消去せずに、ディスプレイにおける入力画面とは異なる一角に表示されてもよいし、プレビュー画面を表示した状態と入力画面を表示した状態とが切り替え可能であってもよい。
【0030】
次に、送信側端末100は、S3で生成した配信指令を、当該送信側端末100の属するグループを示すグループIDと共に広告配信サーバ200へと送信する(S5)。次に、送信側端末100は、広告配信サーバ200からクーポン処理の結果を受信したか否かを判定する(S6)。後述の通り、クーポン処理の結果が受信側端末300から広告配信サーバ200を介して送信側端末100へと送信される。送信側端末100は、クーポン処理の結果を受信したと判定すると(S6,Yes)、その結果に応じて現在の広告表示の状態を示すデータを更新すると共に、プレビュー画面を更新し(S7)、S1の処理に戻る。一方、クーポン処理の結果を受信していないと判定すると(S6、No)、送信側端末100は、S1の処理に戻る。
【0031】
次に、広告配信サーバ200が実行する処理について
図4等を参照しつつ説明する。広告配信サーバ200は、
図3のS5において送信側端末100が送信した配信指令を受信したか否かを判定する(S11)。受信していないと判定すると(S11、No)、広告配信サーバ200は、S13の処理に移る。受信したと判定すると(S11,Yes)、広告配信サーバ200は、受信した配信指令を指令記憶部203に格納する(S12)。送信側端末100からは、送信側端末100の属するグループを示すグループIDが配信指令と共に送信されるため、指令記憶部203は、当該グループIDが示すグループと関連付けて配信指令を記憶する。このとき、当該グループに関連付けてすでに配信指令が記憶されている場合には、その記憶内容を今回受信した配信指令に更新する(S12)。
【0032】
S13において、広告配信サーバ200は、受信側端末300から問い合わせを受信したか否かを判定する。後述の通り、受信側端末300からは、配信指令の配信要請に対応する問い合わせがグループIDと共に送信される。問い合わせを受信していないと判定すると(S13、No)、広告配信サーバ200は、S15の処理に移る。問い合わせを受信したと判定すると(S13、Yes)、広告配信サーバ200は、受信側端末300から送信されたグループIDが示すグループに関連付けて指令記憶部203が記憶している配信指令を受信側端末300に送信する(S14)。
【0033】
S15において、広告配信サーバ200は、受信側端末300からクーポン処理結果が送信されたか否かを判定し(S15)、送信されたと判定すると(S15、Yes)、そのクーポン処理結果を送信側端末100に送信し(S16)、S11の処理に戻る。一方、受信側端末300からクーポン処理結果が送信されていないと判定すると(S15、No)、広告配信サーバ200は、S11の処理に戻る。
【0034】
次に、受信側端末300が受信表示アプリに従って実行する処理について
図5を参照しつつ説明する。受信側端末300は、記憶部に格納されたグループIDと共に、配信指令の送信要請に対応する問い合わせを広告配信サーバ200に送信する(S21)。この問い合わせに応じて広告配信サーバ200から配信指令が送信されるので、受信側端末300は、この配信指令を受信する(S22)。受信側端末300は、受信した配信指令を記憶部の一時的な記憶領域に格納する。この一時的な記憶領域は、S27(後述)において配信指令が格納される記憶領域とは異なる記憶領域である。
【0035】
次に、受信側端末300は、受信した配信指令に含まれる優先度を照会し、優先度が高いか否かを判定する(S23)。優先度が低いと判定すると(S23,No)、受信側端末300は、今回受信した配信指令に含まれる各命令の中に前回受信した配信指令における内容から変更されているものがあるか否かを判定する(S24)。具体的には、受信側端末300は、前回配信指令を受信した際にS27において記憶部に格納した配信指令と、上記の一時的な記憶領域に格納された配信指令との間で各命令における命令IDを比較する。そして、命令IDの内容が異なるものが1つでもあれば、受信側端末300は、今回の配信指令に含まれる命令のうちで前回の配信指令から変更されたものがあると判定する(S24、Yes)。このとき、受信側端末300は、S24の比較において命令IDの内容が異なっている各命令に対応する処理を更新し(S25)、S27の処理に移る。例えば、今回のテキスト表示命令に対応する命令IDが前回とは異なっていれば、受信側端末300は、今回のテキスト表示指令に基づき、ディスプレイ401にテキストを表示させる。一方、今回の背景表示命令の命令IDが前回と同じであれば、受信側端末300は、背景の表示を変更しない。
【0036】
一方、S24の比較において命令IDの内容が異なるものが全くなければ、受信側端末300は、今回の配信指令に含まれる命令のうちで前回の配信指令から変更されたものがないと判定し(S24、No)、S27の処理に移る。
【0037】
このように、S23で優先度が低いと判定された場合には、今回受信された配信指令における各命令について、前回受信された配信指令から変更されたものについてのみ処理が実行され、変更された命令がない場合には処理が更新されない。したがって、命令の内容が変更され、更新が必要となった命令についてのみ処理が更新される。なお、最初に配信指令を受信した場合のために、受信表示アプリは、未だ1回も配信指令を受信していない状態において、ダミーの配信指令を記憶部に格納しておく。このダミーの配信指令は、各命令に関してダミーの命令IDを含んでいる。ダミーの命令IDは、送信側端末100で生成されるいずれの命令IDとも異なる内容を有する。これにより、受信側端末300は、初めて配信指令を受信した際、S24においていずれの命令についても命令IDが異なると判定するため、S25において全ての命令に対応する処理が実行される。
【0038】
一方で、S23で優先度が高いと判定された場合には(S23、Yes)、受信側端末300は、今回の配信指令に含まれる全ての命令に対応する処理を実行し(S26)、S27の処理に移る。優先度が高い配信指令は、緊急情報の配信など、普段配信される情報とは異なる緊急度や公共度の高い情報が配信される際に利用される。
【0039】
S27において、受信側端末300は、記憶部に格納された前回の配信指令を、一時的な記憶領域に格納された今回の配信指令に更新する。次に、受信側端末300は、配信指令におけるクーポン処理命令がクーポン処理の実行を指示しているか否かを判定する(S28)。指示していないと判定すると(S28、No)、受信側端末300は、S32の処理に移る。指示していると判定すると(S28、Yes)、受信側端末300は、各配信指令のクーポン処理命令に含まれる開始条件が満たされているか否かを判定する(S29)。満たされていないと判定した場合(S29、No)、受信側端末300は、S32の処理に移る。満たされていると判定した場合(S29、Yes)、受信側端末300は、クーポン処理を実行する(S30)。配信指令のクーポン処理命令には、登録済みのクーポン画面のうち、いずれを表示するのかを指示する情報が含まれている。したがって、受信側端末300は、クーポン処理において、クーポン処理命令が指示するクーポン画面をディスプレイ401に表示させる。受信側端末300は、クーポン処理の実行後、クーポン処理の結果を広告配信サーバ200に送信し(S31)、S32の処理に移る。クーポン処理及び結果送信の具体例については後述する。そして、受信側端末300は、所定時間待機した後(S32)、S21の処理に戻る。
【0040】
(クーポン処理1)
以下、広告配信システム1が実行するクーポン処理の具体例について説明する。第1の具体例は以下のとおりである。広告配信システム1において、クーポン処理を開始する条件としてどのような条件を設定できるか、配信可能な内容などは、あらかじめ規定されている。例えば、受信側端末300は、
図5のS29において処理を開始する時刻か否かを判定し、その時刻になったと判定すると、その時点までにディスプレイ401に表示させていた広告の代わりに、
図6(a)のようなカウントダウンを示す動画をディスプレイ401に表示させる(S30)。
【0041】
カウントダウンが終了すると、受信側端末300は、
図6(b)に示す割引情報に対応する画像をディスプレイ401に表示させる(S30)。このとき、受信側端末300は、クーポン処理の結果として、割引情報に対応する画像を配信していることを示す情報を広告配信サーバ200へと送信する(S31)。クーポン画像の表示開始から所定の表示時間が経過すると、受信側端末300は、ディスプレイ401にクーポン処理を実行する以前の広告を表示させる。このとき、受信側端末300は、クーポン処理を終了して元の配信内容に戻したことを示す情報を、クーポン処理の結果として広告配信サーバ200へと送信する(S31)。
【0042】
第1の具体例に係るクーポン処理を実行するために、クーポン画面の登録情報には、クーポン処理の開始時刻の他、カウントダウンの秒数、割引情報の内容、割引情報を表示させる表示時間などが含まれている。受信側端末300は、登録情報に含まれるこれらの情報に基づき、上記のクーポン処理を実行する。
【0043】
(クーポン処理2)
第2の具体例は以下のとおりである。第2の具体例に係るクーポン処理を実行するため、クーポンの登録情報には、(A)複数の商品に関する[在庫条件][原価][売価][クーポン画面の内容]を示す情報(以上、
図8(a)参照)が含まれている。また、配信指令におけるクーポン処理命令には、(B)各商品の[現在の在庫]を示す情報(
図8(b)又は
図8(c)参照)が含まれる。本例では、クーポン画面としてあらかじめ、Tシャツの10%引きに対応するクーポン画面とスウェットの20%引きに対応するクーポン画面とが登録されている。在庫条件は、これらのクーポン画面をディスプレイ401に表示させる条件となる在庫数を示している。受信側端末300は、
図5のS29において、現在の在庫が在庫条件以下となったと判定した場合、S30においてクーポン処理を開始する。現在の在庫を示す情報は、送信側端末100の入力画面を介して広告主によって入力され、クーポン処理命令として広告配信サーバ200を介して受信側端末300に送信される。なお、現在の在庫を示す情報は、広告主が保有する商品管理システムから自動的に送信されてもよい。
【0044】
一方、広告配信サーバ200は、閲覧者把握部205が把握した閲覧者の人数を受信側端末300に送信する。受信側端末300は、広告配信サーバ200からの閲覧者の人数、配信指令に含まれる現在の在庫、原価、売価及びクーポン内容に基づき、広告としてディスプレイ401に表示させるクーポン画面を決定する。具体的には、受信側端末300は、広告の閲覧者を店舗に誘導することでどのくらいの粗利が生じるかを商品ごとに推測する。この推測は、閲覧者把握部205が算出した人数分の顧客が全て来店し、クーポン画面が示す割引サービスを受けつつ、在庫の限りにおいて1人が1つずつ商品を購入するとの仮定に基づく。例えば、
図8(a)のTシャツに関する10%引きのクーポンを選択したとき、粗利の単価(商品1個当たりの評価値)は1250*0.9−250=875となる。一方、スウェットに関する20%引きのクーポンを選択したとき、粗利の単価は3600*0.8−600=2280となる。
【0045】
ここで、現在の在庫が
図8(b)に示す状況であった場合には、閲覧者の人数が何人であっても、受信側端末300は、スウェットに関する20%引きのクーポン画面をディスプレイ401に表示させる。Tシャツとスウェットの在庫数が同じである場合には、閲覧者が何人であったとしても、その閲覧者がクーポンを持って来店すると共に、1人が1つずつ商品を買うとすると、スウェットの方が粗利が大きくなるためである。
【0046】
これに対し、現在の在庫が
図8(c)に示す状況であった場合には、受信側端末300は、閲覧者の人数に基づき、粗利が大きいと予想される商品を選択する。閲覧者数が5以下であった場合には、Tシャツが人数分売れる場合よりもスウェットが人数分の枚数(人数が1の場合)、又は、2枚(人数が2以上の場合)売れる方が粗利が大きいため、受信側端末300は、スウェットに関する20%引きのクーポン画面をディスプレイ401に表示させる。一方、閲覧者が6人以上である場合には、スウェットが2枚売れるよりもTシャツが6枚売れる方が粗利が大きいため、受信側端末300は、Tシャツに関する10%引きのクーポン画面をディスプレイ401に表示させる。
【0047】
第2の具体例に係るアルゴリズムの一例として、受信側端末300は、以下の粗利を商品ごとに計算し、粗利が最大となる商品に関するクーポン画面をディスプレイ401に表示させてもよい。なお、MAX(x,y)は、xとyで小さくない方の値を意味する。
(粗利)=MAX(商品の現在庫,閲覧者人数)*粗利の単価
【0048】
以上説明した第1の実施形態によると、送信側端末100がスマートフォンなどの汎用の端末であるため、広告主は非常に手軽に広告を表示する配信指令を広告配信サーバ200に送信することができるし、来客状況を見て随時広告の内容を変更することも容易である。また、受信側端末300も汎用の端末であり、専用の装置ではないため、設置場所を選ばず、導入もしやすい。
【0049】
なお、上記では、商品同士の粗利の比較に基づいてクーポン画面を表示しているが、閲覧者の人数が所定値を上回ればいずれかの商品のクーポン画面を表示してもよい。また、粗利に人数や在庫数を掛けた値が所定値を上回った商品に関して、クーポン画面を順に表示していってもよい。このように、閲覧者の人数等に応じてどの商品のクーポン画面を表示させるかや、粗利と閲覧者の人数等に応じて各商品に関してクーポン画面を表示させるか否かが決定される処理は、本発明における広告決定処理に対応する。
【0050】
[第2の実施形態]
以下、本発明を実施するための別の形態である第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る広告配信システム2は、
図9に示すように、送信側端末500、広告配信サーバ600及び受信側端末700を有している。これらは、第1の実施形態にかかる送信側端末100、広告配信サーバ200及び受信側端末300に対応している。対応する構成同士は、多くの機能及び構成が共通であるため、共通の機能及び構成については説明を省略する。また、同じ構成については同じ符号を使用する。
【0051】
第2の実施形態において第1の実施形態と異なるのは、広告の表示手段と広告の配信条件である。本実施形態では、
図9に示すように、受信側端末700には外付けのディスプレイは接続されておらず、広告は受信側端末700自身のタッチパネルディスプレイに表示されるのみである。したがって、広告の閲覧者として想定される者は、受信側端末700の所有者(各消費者)である。また、本実施形態では、広告の配信条件として、(イ)閲覧者の位置、及び(ロ)閲覧者の要望が考慮される。
【0052】
配信条件(イ)は以下のとおりである。本実施形態では、
図10に示すように、広告主の店舗Sを中心とする複数のエリア:エリアA〜Cが規定される。エリアA〜Cは、店舗からの距離で規定されてもよい。この場合には例えば、エリアAは店舗Sまでの距離が100m以内の領域、エリアBは店舗Sまでの距離が1km以内でエリアAを除く領域、エリアCは店舗Sまでの距離が10km以内でエリアA及びBを除く領域などと規定される。あるいは、店舗S周辺の自治体などの行政区画に応じて規定されてもよい。この場合には例えば、エリアAは店舗Sが属する市町村、エリアBは店舗Sが属する市町村に隣接する市町村、エリアCは店舗Sが属する都道府県のうち、エリアA及びBを除いた領域などと規定される。受信側端末700の所有者Rは、
図10に示すように、いろいろなエリアに存在すると想定される。
【0053】
一方、受信側端末700は、GPSシステムに基づく位置取得機能を有している。受信側端末700は、受信表示アプリに基づき、広告配信サーバ600へと、自身の位置を示す情報を送信する。送信側端末500は、送信アプリに基づき、配信指令として、商品の在庫を示す情報を広告配信サーバ600に定期的に送信する。広告配信サーバ600は、
図9に示すように閲覧者把握部605を備えている。閲覧者把握部605は、受信側端末700から送信される端末の位置情報に基づき、各端末がエリアA〜Cのいずれの範囲にあるかを判定する。
【0054】
そして、広告配信サーバ600は、端末の位置するエリアと、送信側端末500から送信される商品の在庫とに基づき、配信指令を配信する対象となる受信側端末700を選別する。具体的には、広告配信サーバ600は、まず、エリアAに位置する受信側端末700のみに配信指令を配信する。この配信指令の内容は、クーポン画面を表示するように指示するものであってもよいし、クーポン画面ではなく、通常の広告を表示するように指示するものであってもよい。
【0055】
エリアAの受信側端末700のみに配信指令を送信する状態で所定の時間が経過したと判定すると、広告配信サーバ700は、商品の在庫数が所定数以下になったか否かを判定する。商品の在庫数が所定数以下になったと判定すると、広告配信サーバ700は、エリアAの受信側端末700のみに配信指令を送信する状態を維持する。なお、在庫数がゼロになれば、配信指令の配信が停止されてもよい。一方、商品の在庫数が所定数以下でないと判定すると、広告配信サーバ700は、配信指令を送信する対象をエリアAのみでなく、エリアBに広げる。同様に、エリアA及びBの受信側端末700に配信指令を送信する状態で所定の時間が経過したと判定すると、広告配信サーバ700は、在庫数が所定数以下になったか否かに基づき、配信指令を送信する対象をエリアA及びBのままにするか、エリアCに広げるかを決定する。
【0056】
配信条件(ロ)は以下のとおりである。受信側端末700は、割引条件又は価格条件を広告配信サーバ600に送信する。この条件は、受信側端末700が、ソフトウェアキーボードや音声入力を介してユーザから受け付けた数値に基づく。広告配信サーバ600は、送信側端末500からの配信指令に含まれる割引情報や売価情報に基づき、これらの情報が示す割引率や価格(評価値)が受信側端末700から送信された割引条件又は価格条件を満たす場合にのみ、その受信側端末700に配信指令を送信する。広告配信サーバ600は、このような配信指令を送信するか否かの判定を、受信側端末700ごとに行う。
【0057】
例えば、受信側端末700から価格条件として500という値が送信された場合であって、送信側端末500から割引率10%、売価600という値が配信指令として送信された場合、広告配信サーバ600は、売価600に割引率10%を適用した価格540が、価格条件である500を上回ることになるため、送信側端末500からの配信指令を受信側端末700には送信しない。一方、送信側端末500から割引率20%、売価600という値が配信指令として送信された場合、価格は480となり、価格条件である500以下となる。このため、この場合には、広告配信サーバ600は、配信指令を受信側端末700に送信する。また、送信側端末500から割引率10%、売価600という値が配信指令として送信された場合であっても、価格条件として540以上を送信してきた受信側端末700に対しては、広告配信サーバ600は、配信指令を送信する。
【0058】
本実施形態としては、上記(イ)及び(ロ)のいずれかが採用されてもよいし、両方が採用されてもよい。両方が採用される場合は、配信条件(イ)を満たす受信側端末700のうち、配信条件(ロ)も満たす受信側端末700にのみ、配信指令が送信されることとなる。なお、配信条件(ロ)を満たす受信側端末700であれば、配信条件(イ)を満たさなくても、配信指令が送信されてもよい。例えば、現時点でエリアAのみを配信範囲としている場合であっても、送信側端末500における売価と割引率がエリアBの範囲内にいるいずれかの受信側端末700における価格条件に適合する場合には、例外的にその受信側端末700にも配信指令が送信される、といった処理が実行されてもよい。また、上記では、売価と割引率から得られた価格と価格条件の大小の比較に基づき、配信指令を送信するか否かが決定されている。しかし、割引率と割引条件の大小を直接比較した結果に基づき、配信指令を送信するか否かが決定されてもよい。
【0059】
以上説明した第2の実施形態の配信条件(イ)によると、まずは広告主の店舗に近いエリアから広告が配信され、在庫数があまり減らない、つまり、広告による顧客誘導の効果があまり得られていないと考えられる場合には、配信エリアが徐々に広げられる、したがって、広告配信が効率よく且つ効果的に実施される。また、配信条件(ロ)によると、広告の閲覧者の要望に応じて広告が配信されるため、広告配信の効果が高い。なお、配信指令(イ)や(ロ)に応じて、送信先となる受信側端末700が決定される処理は、本発明における広告決定処理に対応する。
【0060】
[第3の実施形態]
以下、本発明を実施するためのさらに別の形態である第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る広告配信システム3は、
図11に示すように、送信側端末800、広告配信サーバ900及び受信側端末1000を有している。これらは、第1の実施形態にかかる送信側端末100、広告配信サーバ200及び受信側端末300に対応している。対応する構成同士は、多くの機能及び構成が共通であるため、共通の機能及び構成については説明を省略する。また、同じ構成については同じ符号を使用する。
【0061】
本実施形態では、1つの受信側端末1000に対して、複数の送信側端末800がグループとして関連付けられている場合が想定される。受信側端末1000は、複数の送信側端末800について広告配信サーバ900から送信された配信指令に基づき、各送信側端末800からの広告を、所定の切り替え時間が経過するごとに切り替えてディスプレイ401に表示させる。あるいは、1画面を複数の領域に分割し、各領域に広告を表示することにより、複数の送信側端末800に関する複数の広告を1画面に同時に表示させてもよい。
【0062】
また、本実施形態では、各送信側端末800がエリアに関連付けられて広告配信サーバ900に登録されていることを前提とする。送信側端末800とエリアとの関連付け情報は、広告配信サーバ900の関連記憶部906に格納される。例えば、
図12に示すように、店舗S1〜S3はエリアα内にあるため、これらの店舗が広告主となる場合の送信側端末800は、エリアαに関連付けられて広告配信サーバ900に登録される。また、店舗S4〜S6はエリアβ内にあるため、これらの店舗が広告主となる場合の送信側端末800は、エリアβに関連付けられて広告配信サーバ900に登録される。
【0063】
さらに本実施形態では、閲覧者の閲覧環境として、タクシーの車内が想定されている。例えば、タクシー会社等によって受信側端末1000及びディスプレイ401が、
図12に示すタクシーTの車内に設置され、タクシーTの乗客がディスプレイ401に表示された広告を閲覧する。したがって、受信側端末1000は移動する。
【0064】
受信側端末1000は、GPSシステムに基づく位置取得機能を有している。受信側端末1000は、受信表示アプリに基づき、広告配信サーバ900へと、自身の位置を示す情報を定期的に送信する。広告配信サーバ900は、閲覧者の状況を把握する閲覧者把握部905を有している。閲覧者把握部905は、受信側端末1000から定期的に送信される端末の位置情報に基づき、受信側端末1000の移動方向や移動速度を導出する。そして、閲覧者把握部905は、受信側端末1000の移動先のエリアとそのエリアへの到達時間とを推定する。広告配信サーバ900は、受信側端末1000が当該エリアに所定時間内に到達すると推定される場合には、そのエリアに関連付けられた送信側端末800の配信指令を選択的に受信側端末1000に送信する。
【0065】
例えば、受信側端末1000を搭載したタクシーTが方向D1に移動中であり、所定時間以内にエリアαに到達する場合には、エリアα内の店舗S1〜S3に関する送信側端末800からの配信指令が広告配信サーバ900からタクシーTの受信側端末1000に送信される。このとき、エリアα以外の送信側端末800からの配信指令は、タクシーTの受信側端末1000に送信されない。一方、タクシーTが方向D2に移動中であり、所定時間以内にエリアβに到達する場合には、エリアβ内の店舗S4〜S6に関する送信側端末800からの配信指令が広告配信サーバ900からタクシーTの受信側端末1000に送信される。このとき、エリアβ以外の送信側端末800からの配信指令は、タクシーTの受信側端末1000に送信されない。なお、受信側端末1000が移動していない場合や移動していても所定時間内に他のエリアに到達しない場合には、受信側端末1000が現在存在するエリア内の送信側端末800からの配信指令が広告配信サーバ900から受信側端末1000に送信される。
【0066】
以上説明した第3の実施形態によると、閲覧者の移動先にある店舗に関する広告が配信されるため、閲覧者にとって必要な広告が選択的に配信されることとなり、広告の効果が高い。なお、閲覧者の移動先の推定に応じて、どの送信側端末800の配信指令が受信側端末1000へと配信されるかが決定される処理は、本発明における広告決定処理に対応する。
【0067】
<変形例等>
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
【0068】
例えば、上述の実施形態では、閲覧者把握部が広告配信サーバに設けられているが、他のサーバに備えられていてもよい。また、上述の実施形態では、広告配信サーバが配信指令を配信するかどうかや配信内容を決定しているが、広告配信サーバでなくて送信側端末や受信側端末で決定されてもよい。つまり、送信アプリや受信アプリによって実現されてもよい。このように、広告配信サーバは配信指令の内容を吟味せず、単に、送信側端末から送信された配信指令を、配信要請のあった受信側端末に送信するだけであってもよい。この場合、端末側に処理を分散することになるため、サーバに処理が集中するのを回避できる。
【0069】
また、上述の第1の実施形態では、受信側端末300が、配信指令に含まれるクーポン処理命令に従って、クーポン処理を実行するか否かを判定し、クーポン処理を実行している。つまり、本発明の広告決定処理を受信側端末300が実行している。しかし、広告配信サーバ200が本発明の広告決定処理を実行してもよい。例えば、広告配信サーバ200が、クーポン処理を実行するか否かを判定し、クーポン処理の内容を決定すると共に、受信側端末300にその旨を送信してもよい。また、広告配信サーバ200が、閲覧者把握部205が把握した閲覧者の状況に基づいて、ディスプレイ401に表示させるクーポン画面の内容を決定し、その内容を受信側端末300に送信してもよい。また、上述の実施形態では、受信側端末の問い合わせに応じて広告配信サーバが配信指令を配信する。しかし、問い合わせ等がなくても、広告配信サーバが定期的に受信側端末に送信してもよい。