【実施例】
【0067】
材料および方法
細胞:CHO−S(ギブコBRL、カタログ番号11619)細胞 CHO DHFR
-培地粉末、SAFC(バイオサイエンス、カタログ番号C6614)に適応
【0068】
試薬
AccuPrime Pfx インビトロジェンDNAポリメラーゼ カタログ番号12344−024
氷酢酸 メルク カタログ番号K28351556(独国)
アクリルアミドゲル −NuPAGE;10%トリスゲル、カタログ番号NP0301BOX、インビトロジェン(米国)
アガロース IBI カタログ番号IB70042
アンピシリン −シグマ カタログ番号A9518
ELISA用抗体:捕捉:ヤギ抗−ヒトIgG(H+L)、カタログ番号109−005−088 ジャクソンイムノリサーチ(米国)。検出:ヤギ抗−ヒトIgG Fab HRP、カタログ番号109−036−098 ジャクソンイムノリサーチ(米国)。
ウェスタンブロット用抗体:染色:A)ヤギ抗−ヒトIgG Fc HRP、ジャクソン、カタログ番号109−036−098;B)ヤギ抗−ヒトκ軽鎖、サザンバイオテック、カタログ番号2060−01、続いてロバ抗−ヤギ HRP、ジャクソン、カタログ番号705−015−147。
ブロッティング紙 GB002 カタログ番号426677、シュライヒャー・アンド・シュエル(Schleicher and Schuell)(米国)
ウシ血清アルブミン(BSA)、Bovostar、ボボジェン(Bovogen)、カタログ番号BSAS.01
ウシ血清アルブミン(BSA)、シグマ、カタログ番号A−4503
ブロモフェノールブルー、メルク、カタログ番号2126169
デキストラン硫酸塩(シグマ、カタログ番号D4911)
DH5αコンピテントバクテリア、ライフ−テクノロジーズ、カタログ番号18263−012
DMSO、メルク、カタログ番号K31630931
DNAラダー:DNA用1kbラダー、バイオラボ、カタログ番号3232L
DNAラダー:DNA用100bpラダー、バイオラボ、カタログ番号3231L
電気泳動サンプルバッファーLDS、インビトロジェン、カタログ番号NP0007、(米国)
エタノール、メルク、カタログ番号00983.1000
FACS Accudrop Beads、BD、カタログ番号MAB345249
グルコース、シグマ、カタログ番号G7021
グルタミン、シグマ、カタログ番号G5972
Hispeed plasmid Maxi Kit、キアゲン社、独国、カタログ番号12663
HT バイオロジカルインダストリー、カタログ番号03−085−1C
37%塩酸、メルク、カタログ番号1.00314
塩酸、メルク、カタログ番号UN−1789 1.00314.2500
LB+アンピシリンプレート−Hy−Labs、カタログ番号PD178
細菌生育用LB培地−Hy−Labs、カタログ番号BP302/400S
LipofectAmine試薬、ギブコBRL、カタログ番号18324−020
L−メチオニンスルホキシミン(MSX)、シグマ、カタログ番号M5379
発光性基質:ECLアマシャムキット、カタログ番号RPN2109
メタノール、メルク、カタログ番号1.06009.2500
Mgcl2−1M、シグマ、カタログ番号M1028
NuPAGE MOPS ランニングバッファー、X20、インビトロジェン、カタログ番号NP0001
NuPage トランスファーバッファー、インビトロジェン、カタログ番号NP0006−1
NuPAGE Trisグリシン ランニングバッファー、X10、インビトロジェン、カタログ番号LC2675
フェノールレッド、シグマ、カタログ番号P0290
PluronicF−68、シグマ、カタログ番号P5556
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Tween20)、シグマ、カタログ番号P−1379
事前染色マーカータンパク質標準品、カタログ番号、LC5925、インビトロジェン
プロテアーゼ阻害剤カクテル、シグマ、カタログ番号P8340
純粋ニトロセルロースメンブレン BA−85、シュライヒャー・アンド・シュエル、78×90mm、カタログ番号401184
ピューロマイシン、インビボジェン、カタログ番号ant−pr−1
参照試料 抗−IL22RA(MSB0010074/C12)を、PBS、pH6.0中のEMD(GVA)5.9mg/mlから得た。
制限酵素は、ニューイングランドバイオラボから購入した。
R−フィコエリトリン−共役ストレプトアビジン(SA−PE)、0.2mg/ml、バイオレジェンド(BioLegend)、カタログ番号405203(9.3のCoOおよび9.4のCoA参照)
スキムミルクパウダー、フルカ、カタログ番号70166
重炭酸ナトリウム、メルク、カタログ番号6329
炭酸ナトリウム、メルク、カタログ番号6392
リン酸ナトリウム、シグマ、カタログ番号S−3264
SYBR Safe DNA ゲル染色、インビトロジェン、カタログ番号S33102、3Dl/ゲル
TMB Savion Diagnostics、カタログ番号1928
Tween20(ポリオキシエチレン−ソルビタン モノラウレート)−シグマ、カタログ番号P−1379
水、R.O.(ITL)
ワットマン3mm、ワットマン、カタログ番号3030917
【0069】
溶液
1%漂白剤 −FACSClean、ベクトン デッキンソン、カタログ番号340345
PBS(ITL製造、BR R0450V01)
0.1%プロニック酸含有PBS
【0070】
培地
CHO DHFR−クローニング培地、SAFC バイオサイエンス、カタログ番号C6366、4mM L−グルタミンおよび15mg/L フェノールレッド、シグマ、カタログ番号P0290を補足
ProCHO5培地、ロンザ(Lonza)、カタログ番号BE12−766Q、4mM L−グルタミンおよび15mg/L フェノールレッド、シグマ、カタログ番号P0290を補足
イーグル最小必須培地、シグマ、カタログ番号M2279
【0071】
方法
DNA発現ベクターの構築
全てのベクターは、たとえばF.M.Ausubelら[F. M. Ausbel, 2009 #132]に教示されているような標準的な分子生物学的技術を用いて構築した。
【0072】
プラスミドDNAの調製
プラスミドDNAは、QIAGEN Hispeed plasmid Maxi Kitを用いて製造業者により説明された手順にしたがって単離した。
【0073】
DNA配列決定
契約企業(ジーンアート(GeneArt)、独国)により製造され、標準的な手法によりベクターにクローン化されたDNAフラグメントは、Hy−Labs、イスラエル国で配列決定された。DNA配列決定は、完全に自動化された16 Capillary ABI Prism 3100 Genetic Analyzerにより行われた。配列は、Sci−Ed Generalソフトウェア(Clone manager software、バージョン7.01およびAlign plus5、バージョン5.01)を用いて社内で分析した。
【0074】
CHO−S細胞のトランスフェクション
CHO−S細胞を溶かし、ProCHO5血清不含培地(ロンザ、カタログ番号BE12−766Q)にヒポキサンチン13.61mg/Lおよびチミジン3.88mg/L(HTx1、バイオロジカルインダストリー、カタログ番号03−085−1B)を補足した培地で培養した。細胞を、フィルターチューブ50mlバイオリアクター(TPP、カタログ番号87050)において、37℃、加湿、および320RPMで振とうして浮遊状態で増殖させた。トランスフェクションの2日前、細胞を、500mlの蓋付き三角フラスコ(コーニング、カタログ番号431145)に0.2×10
6細胞/mlの濃度で播いた。細胞を、LipofectAmine(ギブコBRL、カタログ番号18324−020)によりトランスフェクトした。トランスフェクションの日に、細胞を洗浄して再懸濁し、10×10
6細胞を、125mlのフィルターキャップ付き三角フラスコ(コーニング、カタログ番号431143)の4ml MEM(シグマ、カタログ番号M2279)中に播いた。各単一のプラスミドによるトランスフェクションに対し、20μg線状化ベクター(MB−098)を使用した。最終DNA容量は、MEM中で100μlに調整した。その後、100μlのLipofectAmineを添加し、45分間室温でインキュベートした。次に、DNA−LipofectAmine混合物を、細胞に添加し、4時間、37℃、5%CO
2で45RPMで振とうするインキュベーターにおいてインキュベートした。このインキュベーション期間の終了時に、細胞を遠沈し、培地を、125mlのフィルターキャップ付き三角フラスコ(コーニング、カタログ番号431143)において、20mlの新しいProCHO5(ロンザ、カタログ番号BE12−766Q)にヒポキサンチン27.22mg/Lおよびチミジン7.76mg/L(HTx2、バイオロジカルインダストリー、カタログ番号03−085−1B)を補足した培地に置換した。フラスコを37℃で振とうインキュベーターにおいて125RPMで72時間インキュベートした。
【0075】
トランスフェクションから72時間後、細胞を回収し、遠心分離にかけ、そして20mlのProCHO5培地にピューロマイシン20μg/ml(インビボジェン、カタログ番号ant−pr−1)、MSX 25μM(シグマ、カタログ番号M5379)およびデキストラン硫酸塩 100μg/ml(シグマ、カタログ番号D4911)を補足した培地に再懸濁した。これらの選択条件下では、PAC遺伝子を発現する細胞のみが生き残ることができた。
【0076】
インビトロビオチン化
動物成分不含培地(ACFM)で培養された細胞を、プルロニック酸F−68 0.1%(シグマ、カタログ番号P5556)およびMgCl
2 5mM(シグマ、カタログ番号M1028)を含むPBS(リン酸バッファー食塩水)中で洗浄し、その後2×10
6細胞を、プルロニック酸F−68 0.1%(シグマ、カタログ番号P5556)、MgCl
2 5mM(シグマ、カタログ番号M1028)、BirA 0.06mM(アビディティー(Avidity)、カタログ番号BirA500)、ATP 1mM(シグマ、カタログ番号A6419)およびビオチン 10mM(シグマ、カタログ番号B4639)を含むPBSで、室温で1時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を、プルロニック酸F−68 0.1%(シグマ、カタログ番号P5556)およびMgCl
2 5mM(シグマ、カタログ番号M1028)を含むPBSで洗浄した。
【0077】
蛍光ストレプトアビジン(F−SA)による標識化
インビボもしくはインビトロのいずれかにおいてビオチン化されたBAPを発現する細胞(2×10
6)、またはBMPを発現する細胞を、プルロニック酸F−68 0.1%(シグマ、カタログ番号P5556)を含むPBSで洗浄し、その後、プルロニック酸F−68 0.1%および1:100に希釈したR−フィコエリトリン共役ストレプトアビジン(SA−PE)(ジャクソン、カタログ番号016−110−084)(F−SA)を含むPBSでインキュベートし、37℃で30分間、80RPMで振とうしながらインキュベートした。その後、細胞を、0.1%プルロニック酸F−68を含むPBSで洗浄し、解析のためにFACSAriaにかけた。
【0078】
FACSによる分析
BMPを発現する細胞(2×10
6)を、0.1%プルロニック酸F−68(シグマ、カタログ番号P5556)を含むPBSで洗浄し、その後、0.1%プルロニック酸F−68および1:100に希釈したR−フィコエリトリン共役ストレプトアビジン(SA−PE)(BioLegend、カタログ番号405203)(F−SA)を含むPBSでインキュベートし、37℃で30分間、80RPMで振とうしながらインキュベートした。その後、細胞を、0.1%プルロニック酸F−68を含むPBSで洗浄し、解析のためにFACSAriaにかけた。
【0079】
細胞増殖
細胞培養物を、つぎのようにACFMに維持した。細胞を、50mlチューブに、25mlの容量で0.2×10
6細胞/mlの濃度で播き、φ25mmのオービタルシェーカー上で、320rpm、37℃でインキュベートした。週に2回、細胞数と生存率を測定した。培養物を、4℃で5分間、100gで遠心分離することにより継代させ、その後、細胞ペレットを新鮮な事前に温めたACFMに再懸濁した。
【0080】
細胞増殖およびACFMにおける生産性
細胞培養物の維持
細胞培養物をつぎのようにACFMにおいて維持した。細胞を、T−80フラスコに、0.2×10
6細胞/mlの濃度で播き、45rpmでオービタルシェーカー上で37℃でインキュベートした。週に2回、細胞数と生存率とを測定した。培養物を、4℃で5分間、100gで遠心分離することにより継代させ、その後、細胞ペレットを新鮮な事前に温めたACFMに再懸濁した。
【0081】
組織培養フラスコ25cm
2を8〜10mlの培地で播種し、f25mmのオービタルシェーカー上、55rpmでインキュベートした。組織培養フラスコ80cm
2を20〜30ml培地で播種し、f25mmのオービタルシェーカー上、45rpmでインキュベートした。
【0082】
ACFMにおける細胞の生産性
ACFMにおける比生産性(PCD)について、細胞を、50mlチューブに入れた特定のACFMに0.5×10
6細胞/mlの濃度で播き、オービタルシェーカー(320rpm)上、37℃で24時間インキュベートした。その後、培地を試料に取り、生成物濃度をELISAにより測定した。計算は、24時間力価を播種時の細胞の平均濃度と、24時間実験後での細胞の平均濃度により割ることで行った。
【0083】
細胞ソーティング FACSソーティングについては、20μg/mlピューロマイシンおよびMSX 25μMを補足したProCHO5培地の統一プールから、トランスフェクトされた細胞が使用された。各ソートについて、約60×10
6細胞を培養し、F−SAで標識化した。ソートされるべき細胞を、0.1%プルロニック酸F−68および1:100に希釈したF−SAを含むPBS中で、T80フラスコの4×10
6細胞/mlの濃度で標識化し、80rpmで振とうインキュベーターにおいて37℃で1時間インキュベートした。標識化後、細胞を回収し、PBS+0.1%プルロニック酸F−68で2回洗浄し、バルクソーティングのためにPBS+0.1%プルロニック酸F−68に、最終濃度10×10
6で再懸濁した。最も高い蛍光細胞4%を「単一細胞」精密モードにおけるFACDAriaフローサイトメーターによるソーティングのために、FSC/PEドットプロット上でゲーティングした。ソートされた細胞を、20μg/mlピューロマイシンおよびMSX 25μMを補足したProCHO5培地に播き、細胞生存率が>=90%で生存細胞数が≧70×10
6まで増殖させた。この段階で、蛍光が解析およびつぎのソーティングサイクルがなされた。全部で、3回の連続したソートがなされた。
【0084】
FACS ACDUによるクローニング
クローニングは、FACSAria細胞ソーターの自動細胞捕集装置(ACDU)デバイスにより、20μg/mlピューロマイシンおよびMSX 25μMを含むProCHO5において増殖する細胞になされた。2×10
6細胞を回収し、PBS+0.1%プルロニック酸F−68で2回洗浄し、2μg/ml(希釈1:100)濃度のSA−PE(BioLegend)0.5mlで標識化した。細胞を24ウェルプレートで30分間、80rpm、37℃でインキュベートした。標識化後、細胞を回収し、PBS+0.1%プルロニックで2回洗浄し、4mlのPBS+0.1プルロニック酸に再懸濁した(細胞濃度、約0.1〜0.2細胞/ml)。最も高い蛍光細胞2.5%を、「単一細胞」精密モードにおいて、ACDUにより、ProCHO5において培養された細胞用の80%シグマC6366および20%ProCHO5 ACFM混合物180μl/ウェルを含む96ウェルプレート中にクローン化した。プレートをCellavistaにより、0日目、その後2〜3日周期で、単一コロニーを有するウェルの検出のために解析した。クローニングの2週間後、コロニー増殖が検出されたウェルからの上清をサンプリングし、ELISAにより分析した。ウェルにつき1より多いコロニーを含むウェルは、除外した。細胞を、最も高い力価を有するウェルから採取し、まず、4mlの50%シグマC6366および50%ProCHO5培地混合物を含む振とうなしのT25フラスコに移した。3〜5日後、2〜4mlの100%ProCHO5培地をT25フラスコに添加し、細胞を、振とうしながらインキュベートした。1〜3日後、8mlのProCHO5を添加し、懸濁液をT80フラスコに移した(全体で、87.5%のProCHO5と12.5%のC6366)。1〜2日後、10mlの新鮮な培地を細胞に添加した。その後、細胞を25mlの新鮮な培地に0.2×10
6細胞/mlで別の増殖サイクルのために播種した。比生産性を決定するために、細胞を0.5×10
6細胞/mlの濃度で、24時間、37℃、320rpmで50フィルターチューブに播いた。
【0085】
sCD164−Fcに対するELISA 以下の手法を用いた。
1.マイクロタイタープレートを0.5mg/mlのPBS中CD164に対するモノクローナル抗体で被覆し、〜4℃で一晩インキュベートした。
2.プレートを洗浄バッファー(0.05%Tween20を含むPBS)で3回洗浄した。
3.プレートをブロッキングバッファー(0.5%I−Blockを含むPBS)200μl/ウェルで、37℃、振とう下で1時間ブロッキングした。
4.ブロッキング後、プレートを洗浄バッファーで3回洗浄し、アッセイバッファー(0.25%I−Blockおよび0.05%Tween20を含むPBS)中の試験試料、検量線(0.78〜50ng/ml)およびチェック試料の100mlアリコートをプレートに添加し、振とう下、37℃で60分インキュベートした。
5.プレートを再び洗浄バッファーで3回洗浄し、そして100mlのFc部分への二次抗体(アッセイバッファー中に1:40,000に希釈されたHRP共役F(ab’)2フラグメントヤギ抗ヒト)を各ウェルに添加した。
6.プレートを振とう下、37℃で60分インキュベートした。
7.プレートを洗浄バッファーで3回洗浄し、基質溶液(TMB)100mlを各ウェルに添加し、プレートを室温で(振とうなしで)20分間インキュベートした。
8.反応を停止溶液(4N HCl)50μl/ウェルを添加することにより止めた。
9.吸光度をELISAリーダーにおいてA492nmで測定した。
10.検量溶液を、293HEK細胞由来のStd.SCD164−Fcの段階希釈により調製し、アッセイバッファーにおける0.78〜50ng/mlの範囲(線形範囲は0.78〜12.5ng/mlの間であった。)で検量線を得た。SCD164−Fcプールからの粗収穫物の試料を、アッセイバッファーで希釈し、〜10ng/mlを得て、チェック試料として用いた。
11.光学密度データ結果を処理し、結果をMagelanソフトウェアにより計算した。
12.試料の希釈、検量線希釈シリーズの調製およびプレート上の試料の分配は、ロボットサンプルプロセッサーにより行われた。
【0086】
GCSFに対するELISA 以下の手順を用いた。
1.マイクロタイタープレートを1μg/mlのPBS中GCSFに対するモノクローナル抗体で被覆し、〜4℃で一晩インキュベートした。
2.プレートを洗浄バッファー(0.05%Tween20を含むPBS)で3回洗浄した。
3.プレートをブロッキングバッファー(1%BSAを含むPBS)、200μl/ウェルで、37℃、振とう下で1時間ブロッキングした。
4.ブロッキング後、プレートを洗浄バッファーで3回洗浄し、試験試料、検量線試料およびチェック試料の100mlアリコートをプレートに添加し、振とう下、37℃で60分インキュベートした。
5.プレートを再び洗浄バッファーで3回洗浄し、そして100mlの検出ビオチニル化抗体抗−ヒトGCSF溶液を各ウェルに添加した。
6.プレートを振とう下、37℃で60分インキュベートした。
7.プレートを、二次抗体、ストレプトアビジンHRPでインキュベートし、上記工程5〜6に記載されたのと同じ手順を行った。
8.プレートを洗浄バッファーで3回洗浄した。
9.基質溶液(TMB)100mlを各ウェルに添加し、プレートを室温で(振とうなしで)20分間インキュベートした。
10.反応を停止溶液(3N HCl)50μl/ウェルを添加することにより止めた。
11.吸光度をELISAリーダーにおいて492nmで測定した。
12.検量溶液を、標準組換えヒトGCSFの段階希釈により調製し、1.56〜100ng/ml(線形範囲は3〜50ng/mlの間であった。)の検量線を得た。
13.光学密度データ結果を処理し、結果をMagelanソフトウェアにより計算した。
14.試料の希釈、検量線希釈シリーズの調製およびプレート上の試料の分配は、ロボットサンプルプロセッサーにより行われた。
【0087】
IL−6に対するELISA 以下の手順を用いた。
1.マイクロタイタープレートを1mg/mlのPBS中IL6に対するモノクローナル抗体で被覆し、〜4℃で一晩インキュベートした。
2.プレートを洗浄バッファー(0.05%Tween20を含むPBS)で3回洗浄した。
3.プレートをブロッキングバッファー(1%BSAを含むPBS)、200μl/ウェルで、37℃、振とう下で1時間ブロッキングした。
4.ブロッキング後、プレートを洗浄バッファーで3回洗浄し、試験試料、検量線試料およびチェック試料の100mlアリコートをプレートに添加し、振とう下、37℃で60分インキュベートした。
5.プレートを再び洗浄バッファーで3回洗浄し、そして100mlの検出抗体:ビオチニル化抗−IL6を各ウェルに添加した。
6.プレートを振とう下、37℃で60分間インキュベートした。
7.プレートを、二次抗体、アビジン−HRPでインキュベートし、続いて上記工程5〜6に記載されたのと同じ手順を行った。
8.プレートを洗浄バッファーで3回洗浄した。
9.基質溶液(TMB)100mlを各ウェルに添加し、プレートを室温で(振とうなしで)20分間インキュベートした。
10.反応を停止溶液(3N HCl)50μl/ウェルを添加することにより止めた。
11.吸光度をELISAリーダーにおいて450nmで測定した。
12.検量溶液を、IL6参照標準の段階希釈により調製し、31.75〜2000pg/ml(線形範囲は31.75〜500pg/mlの間であった。)の検量線を得た。
13.光学密度データ結果を処理し、結果をMagelanソフトウェアにより計算した。試料の希釈、検量線希釈シリーズの調製およびプレート上の試料の分配は、ロボットサンプルプロセッサーにより行われた。
【0088】
分析用抗−IL22RA細胞培養収穫物の回収
産生細胞(0.5×10
6)を、フィルターチューブ50の20mlのProCHO5培地に播き、320rpmのシェーカー上で、37℃で、24時間培養した。収穫物を遠心分離し、0.22μmフィルターを通してろ過した。透明な上清をELISAアッセイ、ついでウェスタンブロットアッセイにて解析した。
【0089】
抗−IL22に対するELISA 以下の手順を用いた。
1.マイクロタイタープレートを、コーティングバッファー中、2.0μg/mlのヤギ抗−ヒトIgG(H+L)で1ウェルにつき100μlでコートし、湿潤箱において〜4℃で一晩インキュベートした。プレートは、O/Nインキュベーションの後、3ヵ月間−20℃で保管できる。
2.プレートを洗浄バッファー(0.05%Tween20を含むPBS)で4回洗浄した。
3.プレートをブロッキングバッファー(1%BSAを含むPBS−T0.05%)200μl/ウェルで、室温で1時間ブロッキングした。
4.ブロッキング後、プレートを洗浄バッファーで4回洗浄し、アッセイバッファー(PBS×1中ミルク1%)中の試験試料、検量線試料(1.56〜100ng/ml)およびチェック試料の100mlアリコート。プレートを、プレートシーラーで覆い、振とうなしで、37℃で60分間インキュベートした。
5.プレートを再び洗浄バッファーで4回洗浄し、そしてアッセイバッファーに1:100,000で希釈した二次抗体、ヤギ抗ヒトIgG Fab HRP 100μlを各ウェルに添加した。
6.プレートを、37℃で60分間インキュベートした。
7.プレートを洗浄バッファーで4回洗浄し、基質溶液(TMB)100mlを各ウェルに添加し、プレートを室温で(振とうなしで)15〜20分間インキュベートした。
8.反応を停止溶液(1N HCl)100μl/ウェルを添加することにより止めた。
9.吸光度をELISAリーダーにおいてA450nmで測定した。
10.検量溶液を、標準抗IL22RA MSB0010074/C12のPBSでの段階希釈により調製し、pH6.0、アッセイバッファーにおける1.56〜100ng/ml(線形範囲は1.56〜50ng/mlの間であった。)の検量線を得た。関連するプールからの粗収穫物のサンプルを、アッセイバッファーで希釈して、〜25ng/mlを得て、チェック試料として使用した。
11.光学密度データ結果を処理し、結果をMagelanソフトウェアにより計算した。
12.試料の希釈、検量線希釈シリーズの調製およびプレート上の試料の分配は、ロボットサンプルプロセッサーにより行われた。
【0090】
SDS−PAGE/ウェスタンブロット解析
ProCHO5培地中の抗−IL22RAクローンの透明な上清試料をSDS PAGE試料バッファーに希釈した。抗−IL22RAクローンの試料(ELISAによりレーンにつき0.1μg)を、非還元条件下、SDS−PAGE10%ビス・トリス・ゲル上で分離した。事前に染色したMWタンパク質標準(15mcl)を、同様にゲル上に載せた。電気泳動を定電圧(100V)で、〜2時間、Novex Xcell SureLock Mini−Cell電気泳動システムにより行った。SDS PAGE実行の終わりに、1時間で35ボルトに調整された電源を用いる移行バッファーを備えたブロッティングモジュールにおいて、タンパク質をゲルからニトロセルロース膜に移した。膜をPBS−0.05%Tween20で5分間洗浄し、ブロッキングバッファーで4℃で一晩インキュベートした。膜をワーキングバッファーに希釈した以下の抗体と共に、振とう下、2時間室温でインキュベートした。a)ヤギ抗−ヒトIgG Fc HRP、b)ヤギ抗−ヒトκ軽鎖、そしてロバ抗−ヤギ HRPに続く。その後、膜をPBS−0.05%Tween20で3回、各回5分間洗浄した。バンドをECL試薬中で1分間インキュベーションし、フィルムをAFP X−線フィルムプロセッサー「Mini−Medical」現像液に曝すことにより可視化した。現像後、フィルムを詳細に調べた。
【0091】
実施例1:仕様設計
細胞表面上のBMPおよびBAP発現レベルの評価のための仕様設計は、当初、充分な発現を保証し、発現評価を可能とするために個々の発現カセット上に位置するレポータータンパク質により作製された(
図1;ベクターMB−065、MB−066およびMB−067)。レポータータンパク質発現の検証とFACSによる細胞表面上の検出の後、新規なBMP含有ベクターを、BMPに基づくレポーター遺伝子と2シストロン性mRNAにおけるGOIsとの間の固い結合により構築した。プラスミドは、強力なヒトCMV(hCMV)プロモーターにより駆動されるGOIsからなり、レポーター遺伝子は、EMCV IRESの下流に配置した。この構造は、同じmRNA上での両遺伝子の転写を決定している[47](
図1;ベクターMB−070−MB−076)。
【0092】
レポーター分子は、膜結合タンパク質またはペプチドとレポーター部分を含有した(BMPまたはBAP)。最初の膜結合タンパク質は、101アミノ酸[37]の小さなタンパク質で、そのC末端を介してグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)[40]により細胞膜の外側に固定されたマウス由来のCD59aからなっていた(
図1のベクターMB065、MB066、MB−070−MB−072)。BMP−CD59a構築物の核酸配列は、配列番号10に規定されているものである。あるいは、60アミノ酸の合成ペプチドが作製され(配列番号1)、これは2つの潜在的N−グリコシル化部位を有し、マウスIGF−Iレセプター由来のTMドメイン(配列番号2;ベクターMB−073およびMB−075;
図1)か、またはCD48のGPI固定ドメイン(Cys残基がSerにより置き換えられていた;配列番号3;ベクターMB−074およびMB−076;
図1)のいずれかを介して細胞膜に固定された。TMドメイン配列の予測は、TMHMM server v.2.0によりなされ[32]、そしてGPI固定配列は、GPI修飾部位推定によりなされた[33〜36]。膜タンパク質またはペプチドのN末端またはGPI固定シグナルは、リンカーを介して、CHPQGPPC[22、23](配列番号5)のアミノ酸配列に対するBMPコーディング配列、またはGLNDIFEAQKIEWHE[24](配列番号13)のアミノ酸配列に対するBAPコーディング配列のいずれかに結合される。
【0093】
BMP含有ベクターによりトランスフェクトされた細胞は、蛍光標識ストレプトアビジンにより直接染色された(F−SA、
図2A)。BAP発現細胞の染色は、このレポーターペプチドのビオチニル化よりも前に必要とされる。これは、細胞自身によるインビボ ビオチニル化を得るためのCHO最適化BirA配列[27]による同時トランスフェクションによるか(データは示さず)[27〜29、31、48]、または細菌性酵素BirAを外から加えることによる細胞表面でのBAPのインビトロビオチニル化によるか[30、49](
図2B)のいずれかで達成された。
【0094】
仕様は、BMPをPAC耐性遺伝子と融合させることにより目的の遺伝子を高レベルに産生する細胞をストリンジェントに選択するために拡張された。BMP−PACは、トランスフェクション後のピューロマイシン選択と、それに続くBMPレベルによるFACS選択を可能とする。2つの発現カセット、重鎖に対するものと軽鎖に対するものからなるモデル抗体の発現のためにプラスミドを構築した。重鎖発現は強力なマウスCMV IE2(mCMV IE2)プロモーターにより駆動され、レポーター遺伝子はEMCV IRESの下流に配置される。軽鎖発現は、マウスCMV IE1(mCMV IE1)プロモーターにより駆動され、QSy(グルタミンシンセターゼ)選択マーカーは、別のEMCV IRESの下流に配置される。この構造は、単一mRNA上での重鎖およびBMP−PAC遺伝子の転写と、別のmRNA上での軽鎖およびQSyの転写を決定している[47](
図3;ベクターMB98)。
【0095】
レポーター選択分子は、マウスCD59a分子由来のシグナルペプチドの前に置かれたBMPを含む。BMPは、そのC末端で60アミノ酸の合成ペプチドに融合し、この合成ペプチドは2つの潜在的なN−グルコシル化部位を有する。この合成キャリアは、マウスIGF−Iレセプター由来のTMドメインに連結される。TMドメインは、PAC選択耐性遺伝子に、短いリンカーを介して連結される(
図2C、
図3;ベクターMB−098)。TMドメイン配列の予測は、TMHMM server v.2.0によりなされた。BMPは、配列番号5のアミノ酸配列によりコードされる。
【0096】
この特定の構築物におけるPACは、細胞膜に付着される。したがって、PACは、膜結合タンパク質として有効なNアセチル化活性を含まなければならず、その天然の細胞質状態とは異なる。
【0097】
実施例2:発現ベクターの構築
この研究課題のため、3つのセットのベクターが研究課題の種々のステージで構築された。
【0098】
第1のセットでは、ビオチン模倣ペプチド(BMP)、ビオチンアクセプタペプチド(BAP)およびBirA遺伝子を、hCMVプロモーターの直接下流でベクターにクローン化した。これらのベクターは、当初は、細胞表面上のBMPおよびBAP発現レベルおよびFACSによる蛍光ストレプトアビジン(F−SA)でのこれらのマーカーの検出能力のテストのために使用され、実験の後期には対照ベクターとして使用された。ベクターの第2のセットは、EMCV IRESの下流にBMP−CD59−GPIカセットを含有し、したがって、前に使用されたベクターにおいてよりも強固に直接的な方法でGOIにFACS選択マーカーを連結した。第3のセットは、マウスCD59aの代りに合成ペプチドキャリア(GPIを含む)を含み、GPIまたはTMドメインを介して細胞膜に固定された(
図1)。選択マーカーとして、PAC遺伝子をSV40プロモーターの下流でベクターに挿入し、トランスフェクトされた細胞で細胞質PACを生じた。
【0099】
すべてのベクターは、既知の手法、たとえばF.M.Ausubelらに教示されているような手法にしたがって構築された[50]。
【0100】
実施例3:高POI産生細胞のソーティングに対するレポーター分子の評価
3.1 細胞表面上のレポーター分子の発現と検出
GOIおよびBMP、またはGOIおよびBAP、またはGOIおよびBAPおよびBirAを発現する細胞の作製は、CHO−S細胞へのプラスミドのLipofectAmineトランスフェクションによりなされ、その後、ピューロマイシンにより、またはBirA含有プラスミドで同時トランスフェクトされた細胞においてピューロマイシンおよびゼオシンにより選択された。
【0101】
安定なプールをレポーター遺伝子の発現レベルについて解析した。BAPレベルは、外から添加されたBirAによるビオチニル化、その後F−SAでの標識化後に解析された(
図4)、またはBirAにより同時トランスフェクトされたそれらの細胞における細胞内でのビオチニル化、その後F−SAで標識化後に解析された(データは示さず)。
【0102】
BMPレベルは、F−SAの結合により直接的に解析された。結果は、非トランスフェクト細胞および非標識化細胞に関する有意なバックグラウンドなしでトランスフェクトされた細胞上のレポーター分子の特定の蛍光シグナルを示す(
図5A)。
【0103】
図5において、非トランスフェクトCHO−S細胞、およびBMP−CD59aをhCMVプロモーターの下流に直接(A)、またはEMCV IRESの下流に直接(B)含むプラスミドでトランスフェクトされたCHO−S細胞を、F−SAで染色するかまたは染色せず、FACSによるそれらの蛍光標識レベルを解析した。ストレプトアビジン−染色BMPの蛍光レベル(
図5)は、ストレプトアビジン−染色BAPの蛍光レベル(
図4)よりも低かった。
【0104】
BMPとBAPで染色した細胞の蛍光標識強度における違いについての理由は、BAPの場合には天然のビオチンであるのに対して、ストレプトアビジンに対するビオチン模倣ペプチドの有意に低い親和性にあると考えられる(数桁分)。この違いにもかかわらず、FACSにより標識された細胞のソーティングを可能とするバックグラウンドよりも有意にBMP発現細胞の高い染色強度が得られた。
【0105】
低い蛍光と高い蛍光の2つのピークが、トランスフェクトされ標識化された細胞に見られる(
図5A−B;曲線−・・−)。これらの2つのピークは、おそらく低いBMP発現細胞と高いBMP発現細胞を示す。低い発現細胞は、また、PACが標準的な発現カセットに配置されていてもなおPACの発現も低いことが推測される。PACレベルは、それでも細胞がピューロマイシン選択圧力下で生存するのに充分であった。
【0106】
3.2 高産生細胞のソーティングと作製
細胞を、3つの異なるGOIs(sCD164−Fc、GCDF、IL−6)および、BMP−CD59a(ベクターMB−070、MB−071、MB−072)、BMP−ペプチドキャリア−GPI(ベクターMB−074およびMB−076)またはBMP−ペプチドキャリア−TM(ベクターMB−073およびMB−075)のキメラを含み、GOIおよびBMPが、EMCV IRESにより分けられた同じ2シストロン発現カセット上に配置されているベクター(
図6〜12)でトランスフェクトした。(異なるカセット上で発現される)ピューロマイシンでの生物学的な選択により作製された安定なプールについて、FACSによりレポーター分子の発現レベルを、そして特異的ELISAによりGOIsの発現レベルを解析した。
【0107】
低い蛍光と高い蛍光を有する2つのピークが、トランスフェクトされ標識化された細胞に見られた(
図6〜12;曲線−・・−)。それらの2つのピークは、低いBMP発現細胞と高いBMP発現細胞とを示す。低い発現細胞はPACの発現も低いことが推測される。PACレベルは、細胞がピューロマイシン選択圧力下で生存するのに充分であるが、それらの細胞のBMP発現および、もしかするとPOIレベルも低いと思われる。
【0108】
全てのケースにおいて(
図6〜12)有意なレベルのBMPならびにGOIsが検出された。細胞をF−SAで標識化し、最も高い蛍光細胞4%をソートした。その後、ソートした細胞を増殖させ、BMPおよびGOIsレベルを解析した。ソーティング手順と分析は、連続的に3回繰り返した。各ソーティングにおいて、最も高いBMP発現集団を富化し、結果として、GOIの生産性レベルを高めた。(GOIおよびBMP発現レベルの間の正相関が見られた(
図6〜12)。)
【0109】
実施例4:レポーターPAC融合産物をコードする発現ベクターの構築
4.1 ベクターMB−098(
図3)の構築−ベクターMB−098は、たとえばF.M.Ausubelら[50]に教示されているように既知の手法にしたがって構築した。
【0110】
4.2 BMP−PACレポーターを含む安定なプールの作製、PAC活性の評価および生産性の解析
ProCHO5においてBMP−PAC含有ベクターでトランスフェクトされたCHO−S細胞は、20μg/mlピューロマイシン(インビトロジェン、カタログ番号ant−pr−1)およびMSX 25μM(シグマ、カタログ番号M5379)による選択に付された。これらの条件下、浮上した安定な細胞は、PACが膜結合型で活性であることを示す。安定なプールは、抗−IL22RA mAbを、比生産性8.5〜9.4PCDで発現する(
図13)。
【0111】
4.3 BMP−PACレポーターを含有する高産生プールのソーティングおよび作製
安定な細胞を、ProCHO5培地においてFACSにより分析、およびソートした(
図14)。分析は、BMPがトランスフェクトされたプールで検出されることを示す。2つの亜集団がソートの前に見られ、高いBMPレベルと低いBMPレベルとを発現する。最も高いBMP発現細胞4%の選択により行われた連続的なソートは、BMPレベルと相関するPCD上昇との結果を示した。結果のまとめを表1に示す。
【0112】
【表1】
【0113】
ProCHO5において、抗−IL22RA mAbおよびBMP−PACを含むベクターでトランスフェクトされた安定な細胞(3反復実験)(
図14)を、20μg/mlピューロマイシンおよびMSX 25μMで選択し、統一のプールに一緒にした。細胞をBMPレベル(赤線)について解析した。プールを、それらのF−SAで標識されたBMPレベルにより連続的に3回ソートした。各ソーティングサイクル後、細胞を回収し、蛍光ならびに生産性を測定した。蛍光レベルと生産性の値は、
図14の簡単な説明に示す。
【0114】
3.5 FACS ACDU装置によるソートされたプールのクローニング−クローンの単離
3回の連続的なソーティングサイクルの後、ProCHO5中の抗−IL22RA mAb産生プール#2418UN−Hx3の上から4%の蛍光細胞を、96ウェルプレートへの単細胞クローニングを可能とする、FACSAriaの自動細胞捕集装置(ACDU)によりクローン化した。ProCHO5+20mg/mlピューロマイシンおよび25μM/ml MSX中で培養されている細胞のクローニングを、80%培地C6366および20%C6614を含む96ウェルプレートにおいて行った。コロニーを、播種日とその後2〜3日毎にCellavistaにより検出した。1つより多くのコロニーを有するウェルを廃棄した。クローニング以降、培地にはピューロマイシンは含まれていなかった。
【0115】
358ウェルからの上清を試料とし、ELISAにより生産性(力価)についてアッセイした(
図15)。プールから誘導した最も高い力価を有する40個のクローンをまずT25フラスコに移し、その後、比生産率を評価するために50ml試験管に移した(
図16)。両プール由来の最も優秀な15個のクローンを、50ml試験管において生産性の評価のために、25μM MSXと培養した(
図17)。
【0116】
3.6 SDS PAGEおよびウェスタンブロットによる粗細胞培養培地におけるタンパク質生成物の同定
候補のクローンをProCHO−5培地において培養した。これらのクローンにより粗細胞培養培地中に産生された生成物は、SDS−PAGE/ウェスタンブロッティングにより解析した(
図18)。生成物の検出は、ヒトFcおよび抗−IL22RA mAbのκ軽鎖サブユニットに対する抗体により行った(それぞれAおよびB)。
【0117】
結果は、見掛けの分子量〜150kDaを有するインタクトな生成物(ヘテロダイマー)が、両抗体により同定されたことを示す。さらに、全ての候補クローンにより分泌された自由な軽鎖(見掛けのMWによるとモノマーおよびダイマー)が、抗−LCで染色されたウェスタンブロットにおいて認められた(
図18Bおよび19B)。
【0118】
全てのクローン由来の粗細胞培養培地におけるヘテロダイマーの分子量は、抗−IL22RA mAb参照サンプル由来の精製された生成物のものと一致する。異なるクローンの生成物の見掛けのMWにおいて有意差は見られなかった。多重バンドは、グリコシル化の微小不均一性(micro-heterogeneity)を表す。
【0119】