【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1に記載のジェスチャ検出装置、請求項2に記載の方法、請求項8に記載のジェスチャ認識システム、請求項9に記載の方法、及び請求項14に記載のコンピュータプログラムにより達成される。好適な実施例は、従属請求項において開示される。
【0005】
第1の態様によると、本発明は、ユーザのジェスチャを検出するジェスチャ検出装置に関する。本発明に関連して、用語"ジェスチャ"は、広い意味で理解されるべきであり、生体がとることができるいかなる構成又は姿勢をも有する。特に、ジェスチャは、人体が自発的にとることができ、何らかの情報、例えばコマンドに対するシンボルを表す姿勢を有するべきである。本発明によるジェスチャ検出装置は、前記装置の前記ユーザの皮膚の電気特性を測定する少なくとも1つの電極を有する。実際に、2以上の電極が、典型的には、皮膚の所望の電気特性を測定するのに使用される。
【0006】
第2の態様によると、本発明は、ユーザのジェスチャを検出する方法に関し、前記方法は、前記ユーザの皮膚の電気特性の測定を有する。前記方法は、一般的な形式において、前述のジェスチャ検出装置により実行されることができるプロシージャを有する。前記ジェスチャ検出装置に対してなされた見解、説明及び定義は、したがって、前記方法に対して類似的に適用され、逆も同様である。
【0007】
前記ジェスチャ検出装置及び前記方法は、ユーザによりなされたジェスチャを検出するために、すなわちジェスチャが推測されることができるデータを提供するために、皮膚の電気特性の測定を利用する。このアプローチは、データ収集に対してハードウェア努力をほとんど必要としないという利点を持つ。必要とされるのは、前記ユーザの皮膚に接触する1つの(又は複数の)電極である。更に、異なるジェスチャは、常に前記ジェスチャを行う体部位を覆う皮膚に対して何らかの効果を生じ、これらの効果は、通常、皮膚の電気特性の変化を有するので、前記アプローチは、非常に高感度であり、信頼できる。前記変化は、典型的には、局所的であるので、前記電極は、好ましくは、関心のジェスチャにより最も影響を受ける皮膚の領域(例えば最大に伸縮される領域)に取り付けられる。
【0008】
以下に、上で規定された前記ジェスチャ検出装置及び前記方法の両方に関する本発明の様々な実施例が、記載される。
【0009】
測定される前記皮膚の電気特性は、一般に、異なるジェスチャにより影響を受けるいかなる特性又は値であってもよい。好ましくは、これは、受動的電気特性、すなわち前記ユーザの体により又は体内で電圧の能動的な発生を有さない特性である。受動的電気特性は、例えば、前記皮膚の容量、及び最も好適なオプションである前記皮膚の電気伝導度を有する。電気伝導度(又は、同等に、電気インピーダンス)は、容易に測定されることができる特性であり、同時に、前記特性は、ジェスチャが通常は前記皮膚の異なる領域の伸縮を伴い、前記皮膚の局所伝導度に影響を与えるので、異なるジェスチャに対して高感度である。
【0010】
前記皮膚の測定された電気特性は、前述の電気特性の1つの変化、特に前記皮膚の電気伝導度の変化を更に有することができる。前記皮膚の電気特性は、通常は、ジェスチャの他に様々な影響に依存するので、このような特性の特定の値は、しばしば、対応するジェスチャを曖昧でなく決定することを可能にしない。例えば、前記皮膚の電気伝導度が人の感情状態により影響を受けることは周知である。この理由で、電気特性の変化は、しばしば、ジェスチャのより信頼できるインジケータを提供する。電気特性の変化は、特にジェスチャがとられる又は止められる場合に、すなわちあるジェスチャから他のジェスチャへの遷移中に、生じることができる。このようなジェスチャ間の遷移中に、前記皮膚の電気特性に対する他の影響(例えば感情的状態)は、通常は、一定のままである。前記電気特性の変化は、したがって、高い信頼性で、前記ジェスチャの変化に起因することができる。電気特性の"変化"が、変化率(すなわち速度)を表す単一の値及び前記特性の"軌道"を表す複数の値を有することができる。
【0011】
ジェスチャが、(人間又は動物の)体がとることができるいかなる構成又は姿勢をも有することができると、既に述べられた。多くの実際的な重要な場合に、手が、情報を伝達するのに人間の(発話の次に)最も自然かつ多用途の"道具"であるので、ジェスチャは、手の姿勢を有する。
【0012】
電気的皮膚特性を測定する前記少なくとも1つの電極は、好ましくは、ユーザの手又は手首に取り付けられる。これは、手の姿勢の前述の好適な検出を可能にする。
【0013】
本発明の他の好適な実施例において、1つ又は複数の電極は、皮膚に取り付けられる及び/又は体の一部(例えば手首)の周りに巻きつけられることができる可撓性のキャリア、例えば織物マット上に配置される。このように、通常は小さい電極の付着は、より快適にされることができる。更に、前記キャリアは、特に複数の電極間の相互距離について、電極の適切な配置を保証するのを助ける。
【0014】
前記ジェスチャ検出装置は、典型的には、全てが詳細に述べられるわけではないアシスタントコンポーネント、例えば(測定)データを他の装置に送信する通信装置又は電源(バッテリ)を更に有する。
【0015】
第3の態様によると、本発明は、以下の2つの主要なコンポーネント、すなわち、
−上に記載された種類のジェスチャ検出装置、すなわちユーザの皮膚の電気特性を測定する少なくとも1つの電極を持つ装置と、
−前述のジェスチャ検出装置により提供された測定データからジェスチャを認識するデータ処理装置と、
を有するジェスチャ認識システムに関する。前記データ処理装置は、例えば、マイクロプロセッサ又はFPGAを有することができる。
【0016】
第4の態様によると、本発明は、ユーザのジェスチャを認識する方法に関し、前記方法は、前記ユーザの皮膚のでき特性の測定データからのジェスチャの認識を有する。
【0017】
本発明の第3及び第4の態様による前記ジェスチャ認識システム及び前記方法は、ジェスチャの認識、すなわち、これらのデータに対して可能なジェスチャのセットから1つのジェスチャを割り当てる目的での測定データの評価又は解釈に関する。前記データ処理装置を用いて、前記ジェスチャ認識システムは、このような評価を自動的に行うことを可能にするコンポーネントを有する。この自動認識プロシージャの結果は、他のコンポーネントにより、例えばVCR又はCD/DVDプレイヤ等のようなCE装置を制御するのに、使用されることができる。
【0018】
本発明の第3及び第4の態様による前記ジェスチャ認識システム及び前記方法が、皮膚の電気特性の測定を使用する限り、前記ジェスチャ検出装置及び関連した方法に対して上で行われた見解、説明及び定義は、適用される。更に、前記システム及び前記方法は、以下に記載される特定の実施例で実現されることができる。
【0019】
1つの特定の実施例によると、複数の時間的に連続した測定データは、ジェスチャを認識するように評価される。前記測定データは、1つのジェスチャ又は複数の連続したジェスチャに属しうる。このアプローチは、(一般に生物学的パラメータに関する)電気的皮膚特性に対して特徴的である測定データの高い変動性に取り組む方法を提供する。前記アプローチは、単一の測定値が、しばしば、何らかのジェスチャに対する信頼できる関連付けを可能にしないことを考慮に入れる。この理由で、(最初は未知である)ジェスチャに属する複数の測定データが、収集され、これらのデータは、典型的には、前記電気特性の変動性によって拡散される。データの全体的なセットは、しかしながら、典型的には、特定のジェスチャにより信頼できるように関連付けられた特徴的範囲又は間隔にわたり分散される。したがって、ある期間、例えば数秒に対する電気特性の測定は、一般にジェスチャ認識の精度を増すのを助けることができる。
【0020】
関連する実施例によると、ジェスチャは、ジェスチャ間の遷移中に得られた測定データから認識される。既に上で説明されたように、電気特性の変化を測定することは、しばしば、関連付けられたジェスチャを、より信頼できる形で推測するのに使用されることができる。これは、前記変化がジェスチャ間の遷移による場合に特に真である。
【0021】
前記ジェスチャ認識システムの特定の実施例において、前記ジェスチャ検出装置及び前記データ処理装置は、無線通信リンクを介して(機能的に)結合された物理的に分離したコンポーネントである。ユーザにより運ばれなければならない前記ジェスチャ検出装置は、可能な限り軽く作成されることができるのに対し、ジェスチャ認識及びデータ評価に対する必要な計算パワーは、(固定)データ処理装置内に収容されることができる。
【0022】
前記ジェスチャ認識システムの他の実施例によると、前記ジェスチャ検出装置及び前記データ処理装置は、一体化された装置を構成する。このアプローチの利点は、最小量のデータ、特に認識されたジェスチャのみが外に通信されなければならないことである。
【0023】
本発明の第4の態様による前記認識方法は、典型的には、計算装置の助けで、例えば前記ジェスチャ検出装置の前記データ処理装置で、実現される。結果的に、本発明は、計算装置上で実行される場合に本発明によるいずれかの方法の機能を提供するコンピュータプログラムを含む。
【0024】
更に、本発明は、機械可読形式で前記コンピュータプログラムを記憶し、前記データキャリア上に記憶された前記プログラムが計算装置上で実行される場合に本発明の方法の少なくとも1つを実行するデータキャリア、例えばフロッピーディスク、ハードディスク、EPROM又はコンパクトディスク(CD−ROM)を含む。前記データキャリアは、以前の段落において述べられた前記計算装置の前記プログラムを記憶するのに特に適していることができる。
【0025】
近年、このようなソフトウェアは、しばしば、ダウンロード用にインターネット又は企業イントラネット上で提供され、したがって、本発明は、本発明によるコンピュータプログラムをローカル又はワイドエリアネットワーク上で送信することをも含む。
【0026】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施例を参照して説明され、明らかになる。これらの実施例は、添付の図面の助けで、例として記載される。
【0027】
図の同様の参照番号は、同一又は同様のコンポーネントを指す。