【実施例】
【0014】
(パチンコ機)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1および
図2に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の設置枠台(図示せず)に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤14を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が、開閉および着脱可能に組み付けられている。遊技盤14の後側には、所定条件の成立を契機として演出用の図柄を変動表示させて図柄変動演出を行う図柄表示装置30が着脱可能に配設されている。中枠12の前面側には、遊技盤14を透視可能に保護する装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方には、パチンコ球を貯留する下球皿16が中枠12に組み付けられる。また、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球皿15が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球皿15も一体的に開閉するよう構成される。更に、中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル17が設けられており、該操作ハンドル17の操作により打球発射装置が作動することで、上球皿15に貯留されたパチンコ球が所定間隔で1球ずつ遊技盤14に向けて発射されるようになっている。なお、図柄表示装置30は、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶式図柄表示装置や、外周面に複数の図柄を配列したドラムを収容ケースに収容したドラム式図柄表示装置や、ドットマトリックス式の表示部を備えた図柄表示装置等、各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置も採用可能である。
【0015】
(中枠について)
中枠12は、
図2に示す如く、上側縁をなす上枠体12aと、下側縁をなし、打球発射装置等の各種遊技部品を設置する設置部として機能する下枠体12bと、左側縁をなす左枠体12cと、右側縁をなす右枠体12dとから略矩形状に形成されている。そして外枠11に対して中枠12は、互いの正面左側の上部および下部に配設されたヒンジ機構18,18で横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側(
図2では左側)に設けられた一般的な施錠装置を利用して外枠11と係合された閉鎖状態に保持される。中枠12には、4つの枠体12a,12b,12c,12dにより前後に開口する遊技盤保持部12eが画成され、該遊技盤保持部12eに遊技盤14が前方から着脱自在にセット保持される。なお、中枠12は、上下および左右の各枠体12a,12b,12c,12dを一体に形成したものであってもよい。
【0016】
パチンコ機10には、
図2に示す如く、中枠12における上枠体12aの後側(遊技盤保持部12eの上側)に位置して、設置枠台等に設けられた外部球供給設備(図示せず)から供給されるパチンコ球を貯留する球タンク19が、左右方向に延在するよう設けられている。中枠12の下枠体12bの左側上部(遊技盤保持部12e左側下方)に、上球皿15および下球皿16に連通する球通出案内部20が設けられている。また、中枠12の左枠体12cの後側(遊技盤保持部12e左側後方)に、球タンク19の左部と球通出案内部20の上部とを連通する球送出路部21aを備えた球通路ユニット21が配設されている。更に、球通路ユニット21の下部に設けられた設置部21bには後述する球払出装置40が配設されており、該球払出装置40の作動により、球タンク19内から球通路ユニット21の球送出路部21aに供給されたパチンコ球を、上球皿15または下球皿16へ給出し得るよう構成されている。球通路ユニット21の球送出路部は、前後方向に湾曲した蛇行状に形成されて、相当量(例えば2〜300個程度)のパチンコ球を貯留球として整列した状態で一時的に貯留し得るようになっている。
【0017】
また、
図2に示すように、中枠12における下枠体12bの裏側には、パチンコ機10の電源制御を行う電源基板22、球払出装置40を制御する払出制御基板23、中枠12に設置された打球発射装置を駆動制御する発射制御基板24、外部端末に接続されるインターフェース基板25等が配設されている。電源基板22、払出制御基板23、発射制御基板24およびインターフェース基板25は、遊技盤14の裏側に配設される主制御基板(図示せず)に配線接続され、この主制御基板からの制御信号に基づいて所定の制御が実行される。なお、電源基板22、払出制御基板23および発射制御基板24は、何れも基板ケースに収容された状態でユニット化され、該基板ケースが下枠体12bの裏側の所定位置に取り付けられる。
【0018】
(球払出装置)
本実施例のパチンコ機10では、遊技開始時の「貸球払出し」および遊技中の「賞球払出し」を1つの球払出装置40で行うよう構成されており、設置部21bには1つの球払出装置40が配設されている。球払出装置40は、ケース体41の内部に球払出作動ユニット(電磁作動ユニット)43を内蔵しており、前述した払出制御基板23からの球払出し信号(貸球払出し信号および賞球払出し信号)により作動制御される。なお、球払出装置40に関する以降の説明において、該球払出装置40の前後、左右および上下とは、当該球払出装置40を設置部21bに配設した
図2に示す状態、すなわちパチンコ機10の後側から見た関係で指称するものとする。従って、設置部21bに配設した球払出装置40の正面が、パチンコ機10の後方を向いている。
【0019】
球払出装置40は、
図3〜
図5および
図12に示す如く、パチンコ球Bの球入口41aおよび球出口41bが形成されたケース体41の内部に、球入口41aおよび球出口41bの夫々に整合する球通路45を画成する球通路部材42と、球入口41aを介して球送出路部から球通路45に供給されたパチンコ球Bを貸球または賞球として球出口41bへ1球ずつ払出す球払出作動ユニット(電磁作動ユニット)43と、球通路45を通過するパチンコ球Bを検出する検出手段44とを備えている。球払出作動ユニット43は、払出制御基板23からの球払出し信号により作動制御され、球入口41aから球通路45へ供給されたパチンコ球Bの払出しを許容または規制し得るよう構成されている。
【0020】
(ケース体)
ケース体41は、
図3〜
図5に示すように、略矩形状をなす有底箱状に形成されて後方に開口する本体部材50と、本体部材50の開口を閉塞可能な形状に形成されて該本体部材50に取り付けられる蓋部材51とから構成されている。本体部材50および蓋部材51は、1本の固定ネジ52の締結により分離可能に組み付けられ、内部に収容空間が画成された略矩形箱体状に構成される。本体部材50は、球払出装置40を設置部21bに取り付けた際にパチンコ機10の前方に向く底壁50aと、該底壁50aの外縁から蓋部材51側へ立設されて枠状をなす側壁50bとを有し、底壁50aおよび側壁50bが一体に形成されている。また、蓋部材51は、球払出装置40を設置部21bに取り付けた際にパチンコ機10の後方を向く頂壁51aと、該頂壁51aの外縁から本体部材50側へ立設されて枠状をなす側壁51bとを有し、頂壁51aおよび側壁51bが一体に形成されている。そして、本体部材50の側壁50bにより形成される開口端に沿って嵌合凹部53が形成されると共に、蓋部材51の側壁51bにより形成される開口端に嵌合凸部54が形成され、本体部材50と蓋部材51とは、嵌合凸部54および嵌合凹部53の嵌合による所謂印籠構造によって組み付け可能に構成されている。また、本体部材50の底壁50aの内側および蓋部材51の頂壁51aの内側には、球払出作動ユニット43の支持部材68を保持する保持リブ55,55が突設されている(
図4、
図12参照)。
【0021】
図4および
図5に示すように、本体部材50の内側における底壁50aの略中央部には、固定用支柱56が開口に向け突設されると共に、該固定用支柱56の先端には、ネジ孔56bが形成された小径のボス56aが突設されている。そして、蓋部材51の内側における頂壁51aの略中央部には、ネジ孔56bと対応する位置に通孔57が該頂壁51aを貫通して開設されており、該通孔57に外側(前側)から挿通した固定ネジ52をネジ孔56bに螺挿することで、本体部材50と蓋部材51とが固定される。
【0022】
図4および
図5に示すように、本体部材50の内側における底壁50aの右下部位、すなわち固定用支柱56から右下方に離間した位置に、位置決め用支柱58が前方の開口に向け突設されている。また、蓋部材51の内側に、位置決め用支柱58の先端が整合する位置決め凹部59が形成されており、位置決め用支柱58の頂部に突設したボス58aが位置決め凹部59に嵌合することで、本体部材50と蓋部材51との位置決めがなされるようになっている。
【0023】
(係止部)
前述した位置決め用支柱58には、後述する球払出作動ユニット43を構成する揺動部材67が係脱可能に係止するよう構成されている(
図14参照)。底壁50aから水平前方に延出する位置決め用支柱58は、
図4および
図12に示すように、延出方向と直交する垂直方向で破断した断面形状が、上下幅より左右幅が大きく、上面および下面が平坦で左面および右面が外方へ凸となる曲面形状をなし、特に左右方向からの外力に対して変形し難く構成されている。そして、位置決め用支柱58の延出方向において、底壁50aとの隣接側および頂壁51aとの隣接側には、揺動部材67に設けられた後述の係止片(第1係止部)92,92が係脱可能に係止する係止部(第2係止部)60,60が形成されている。これら係止部60,60は、左方に向く平坦な係止面を備えている(
図12)。また、
図12および
図14に示すように、位置決め用支柱58は、該位置決め用支柱58の下部左側が、仕切壁61を介して側壁50bに連設されており、撓み変形や曲げ変形が発現し難く構成されている。
【0024】
(当接部)
図4、
図5および
図12に示すように、本体部材50の内側における底壁50aの中央下部、すなわち固定用支柱56の下方位置に、大径の取付ボス72が突設されており、球払出作動ユニット43を構成する後述の球送り体65が該取付ボス72に配設されている。取付ボス72の中央には、球送り体65を回転自在に支持する支軸73を固定可能な軸支孔72aが形成されている。また、取付ボス72の右部分には、上下方向へ直線状に延在する平坦な当接部63が形成されており、揺動部材67が右方から当接可能になっている。当接部63は、揺動部材67の後述する係止姿勢((
図12参照)を規定するもので、当接部63に当接した状態が揺動部材67の係止姿勢となり、該揺動部材67により球送り体65が回転不能となるようになっている。なお、当接部63の下方には、揺動部材67に設けられた係止片92,92との干渉を回避する切り欠き64が形成されている。
【0025】
本体部材50は、
図4、
図5および
図12に示すように、前述した固定用支柱56、位置決め用支柱58および仕切壁61の夫々の配置に基づき、球払出作動ユニット43の配設位置や球通路部材42の配設位置が定められている。すなわち、本体部材50の内部において、固定用支柱56の右方でかつ位置決め用支柱58の上方の部分に、球払出作動ユニット43を構成する支持部材68、電磁ソレノイド66および揺動部材67が配設され、固定用支柱56の下方に、該球払出作動ユニット43を構成する球送り体65が配設され、固定用支柱56の左方に、球通路部材42が配設されるよう構成されている。
【0026】
(球払出作動ユニット)
球払出作動ユニット43は、球通路45内のパチンコ球Bを1球ずつ払出す球送り体65と、払出制御基板23からの球払出し信号に基づいて励磁・消磁制御される作動手段としての電磁ソレノイド66と、電磁ソレノイド66の励磁・消磁制御に伴い揺動変位して球送り体65との係脱により該球送り体65の回転を規制または許容する揺動部材67と、電磁ソレノイド66および揺動部材67が配設される支持部材68と、揺動部材67を球送り体65に係止した係止姿勢に付勢する付勢手段としての引張りコイルバネ69とを備えている。この球払出作動ユニット43は、電磁ソレノイド66の非励磁時では、引張りコイルバネ69の付勢力により揺動部材67を係止姿勢(
図12、
図14参照)に保持して球送り体65に係止させることで、該球送り体65の回転が規制されてパチンコ球Bの払出しを規制する。また、球払出作動ユニット43は、電磁ソレノイド66の励磁制御時では、電磁ソレノイド66の励磁部66bが励磁することで発生する磁力により揺動部材67を係止解除姿勢(
図14参照)に揺動させ、該揺動部材67と球送り体65との係止を解除させることで、該球送り体65の回転が許容されてパチンコ球Bの払出しを許容する。
【0027】
(球送り体)
球送り体65は、
図4、
図5、
図12および
図14に示すように、外周に形成した複数(実施例では6つ)の区画爪部70により、周方向に均等に並んだ複数(実施例では6つ)の球受部71を備えている。各球受部71は、周方向へ隣接する区画爪部70,70の間において球送り体65の中心側へ凹む円弧状をなし、1つのパチンコ球Bが整合可能となっており、球送り体65はスプロケット状をなしている。そして球送り体65は、本体部材50における底壁50aに設けられた大径の取付ボス72に立設固定された支軸73に回転自在に支持されて、各球受部71を球通路部材42に形成された球送り体配設口(第1開口部)107から球通路45内へ臨むように配設される。これにより、球送り体65は、球通路45内を流下するパチンコ球Bを各球受部71で1個ずつ受けながら回転することで、該パチンコ球Bの払出しを可能とする(
図14参照)。また、球送り体65は、揺動部材67により回転規制された状態では、球通路45内へ延出した区画爪部70にパチンコ球Bが引っ掛かることにより、球通路45内からの該パチンコ球Bの払出しを規制するようになっている(
図12参照)。なお、球送り体65は、比較的硬質でかつ耐摩耗性に優れた合成樹脂(例えばポリアセタール等)から形成されている。
【0028】
(電磁ソレノイド)
電磁ソレノイド66は、
図6〜
図8に示すように、芯部(図示せず)の両端にフランジ部75a,75bを備えた本体75の該芯部に導線76を所定回数巻き付けて形成されたコイル部(ボビンともいう)66aと、コイル部66aの一方の端面(一方のフランジ部75a)に設けられ、導線76への通電時に該コイル部66aに発生した励磁力が集中的に作用して励磁する励磁部66bとを備えている。電磁ソレノイド66は、コイル部66aの導線76に接続された配線78を介して払出制御技班23に電気的に接続されている。そして、電磁ソレノイド66は、払出制御基板23からの球払出し信号に基づいてコイル部66aの導線76に通電すると、該コイル部66aの励磁により励磁した励磁部66bに磁力が発生する。また、電磁ソレノイド66は、コイル部66aの導線76に通電しないと、該コイル部66aが励磁しないので励磁部66bに磁力が発生しない。このような電磁ソレノイド66は、コイル部66aにおける他方の端面(本体75の他方のフランジ部75b)を支持部材68の固定部80に対向させ、該フランジ部75bに突設されたボスを固定部80にかしめることで該固定部80に固定される。
【0029】
(カバー部材)
電磁ソレノイド66のコイル部66aの外周には、
図6および
図7に示すように、カバー部材77が配設されている。このカバー部材77は、透明または半透明なフィルム材から形成されている。ここで、電磁ソレノイド66は、励磁・消磁制御に伴って揺動部材67が揺動する際に振動が発生すると、コイル部66aを形成する導線76が適宜位置で断線することがあり得る。そこで、実施例の電磁ソレノイド66では、カバー部材77が透明または半透明であることで、コイル部66aを形成する導線76がカバー部材77を配設した状態のままで視認可能となっており、該導線76の断線有無を蓋部材51を取り除くことなく適時に容易に確認可能となっている。なお、
図6〜
図8では、カバー部材77を介して透視される導線76は図示していない。
【0030】
(支持部材)
支持部材68は、
図6〜
図8に示すように、正面視においてL字状に折曲した板状部材であり、電磁ソレノイド66を固定する固定部80と、該固定部80の一縁から立ち上がった支持部81とを備えている。支持部材68は、固定部80が上下方向に延在すると共に、支持部81が該固定部80の上方から左方へ延出した姿勢で、ケース体41の本体部材50に設置され、前述した保持リブ55で位置決め保持される。固定部80は、略正方形の平板状をなし、前後方向の幅および上下方向の幅が電磁ソレノイド66のコイル部66aの直径と略同じ寸法となっている。固定部80の略中央には、電磁ソレノイド66に設けられたボスを挿通してかしめることで、当該電磁ソレノイド66を該固定部80に固定するための係止孔82が開設されている。そして、固定部80と支持部81との折曲部には、該固定部80に連設されると共に支持部81を挟んで該固定部80と反対側(上方)へ延出する第1掛止部83が形成されている。この第1掛止部83には、前述した付勢手段としての引張りコイルバネ69の一端である第1フック部98が掛止されるようになっている。なお、実施例の支持部材68は、金属製の板状部材を折り曲げて形成したものであり、固定部80、支持部81および第1掛止部83が一体に形成されている。
【0031】
支持部81は、前後方向の幅が固定部80と略同じで、固定部80からの立ち上がり長さ(左右方向の幅)が、電磁ソレノイド66における両フランジ部75a,75b間の距離(電磁ソレノイド66の高さ寸法)より長く設定されている。
【0032】
(軸受部)
支持部材68の支持部81には、
図5〜
図7に示すように、揺動部材67を揺動可能に支持する軸受部85,85が設けられている。夫々の軸受部85,85は、支持部81を挟んで両側(実施例では支持部81を挟んで前後)に夫々設けられており、揺動部材67の前側および後側に位置している。軸受部85,85は、支持部81の前端および後端に連設されて電磁ソレノイド66側へ折曲され、該支持部81を挟んで前後方向で対向すると共に、支持部81の先端(左端)よりも左方へ延出した形状に形成されている。そして、夫々の軸受部85,85における支持部81から左方へ延出した部分は、上方へ突出した略円形状に形成されており、夫々の軸受部85,85における該延出部分には、前後に貫通する支持孔86,86が前後方向に整列して開設されている。
【0033】
夫々の軸受部85,85は、
図5〜
図8に示すように、スリット87が形成されて、支持孔86は該スリット87を介して左方へ開口している。すなわち、夫々の軸受部85,85の左部は、正面視において逆C字状に形成されている。ここで、夫々のスリット87,87の開口幅は、揺動部材67に配設される揺動支軸(支軸部)95の直径以上で、かつ支持孔86の直径より小さく設定されている。これにより、揺動支軸95は、軸受部85,85の左方から夫々のスリット87,87に対し径方向から挿通させることで、該揺動支軸95の両端部分を支持孔86,86内へ挿入することが可能となっている(
図8参照)。
【0034】
(軸受部材)
夫々の支持孔86,86には、
図6および
図7に示すように、軸受部材(軸受装着部)88,88が嵌合されるようになっている。夫々の軸受部材88,88は、内径が揺動支軸95の外径と合致すると共に、外径が軸受部85の支持孔86の内径に合致する円筒状部材であり、軸方向の一端には、径方向外方へ延出するフランジ88aが設けられている。フランジ88aの外径は、軸受部85の支持孔86の内径より大きくなっている。このような軸受部材88は、軸受部85に対する揺動支軸95の挿入方向と異なる方向から、支持孔86に嵌合して軸受部85に固定されるようになっている。すなわち、支持部81の前側に設けられた軸受部85の支持孔86に対しては、軸受部材88が前方から嵌合して固定されるようになっており、該支持孔86に対する該軸受部材88の嵌合時に、揺動支軸95の前端部分が該軸受部材88に挿入される。また、支持部81の後側に設けられた軸受部85の支持孔86に対しては、軸受部材88が後方から嵌合して固定されるようになっており、該支持孔86に対する該軸受部材88の嵌合時に、揺動支軸95の後端部分が該軸受部材88に挿入される。そして、夫々の軸受部85の支持孔86に固定された軸受部材88の外径がスリット87の開口幅より大きいことにより、夫々の軸受部材88,88に前後端部分が支持された揺動支軸95は、スリット87を介して左方への取り外しが不能となる。
【0035】
支持部81の後側に設けられた軸受部85の支持孔86に固定された軸受部材88は、該軸受部材88のフランジ88aが本体部材50の底壁50aの内側に接触すると共に、支持部81の前側に設けられた軸受部85の支持孔86に固定された軸受部材88は、該軸受部材88のフランジ88aが蓋部材51の頂壁51aの内側に接触するよう構成されている。これにより、支持部材68は、球払出作動ユニット43をケース体41内に収容した状態において、夫々の軸受部85,85に固定された軸受部材88,88を介して本体部材50および蓋部材51で前後から挟持される。従って、球払出作動ユニット43の作動時に揺動部材67の揺動変位しても、ケース体41内で支持部材68のがたつきが防止され得るよう構成されている。
【0036】
(揺動部材)
揺動部材67は、
図6〜
図8に示すように、板状に形成された磁性を有する部材であって、電磁ソレノイド66の励磁部66bに対向した状態で、支持部材68の支持部81に対し揺動可能に支持されている。実施例の揺動部材67は、金属製の板状部材から成形されており、励磁部66bが励磁されて磁力が発生した際に該励磁部66bに吸引されることで揺動する。揺動部材67は、支持部材68の支持部81を挟んで、電磁ソレノイド66の配設側から該電磁ソレノイド66の配設側と反対側まで延出しており、該揺動部材67の上下方向の長さは、支持部材68の固定部80の上下方向の長さより長くなっている。すなわち揺動部材67は、電磁ソレノイド66に対向する位置から、両軸受部85,85を間を介して、前述した第1掛止部83と左右に対向する位置まで延在している。より具体的に、揺動部材67の前後方向の幅は、両軸受部85,85の前後方向の間隔より僅かに小さく、かつ前述した球送り体65の前後方向の幅より大きく設定されている。
【0037】
(当接縁)
揺動部材67における揺動端である下縁は、球送り体65に係脱可能に係止する当接縁(当接部)67aとなっている。当接縁67aは、揺動部材67が係止姿勢において球送り体65の区画爪部70に当接して係止可能となっていると共に(
図12、
図15参照)、電磁ソレノイド66の励磁による揺動部材67の係止解除姿勢において球送り体65の区画爪部70から離間して係止が解除可能となっている(
図14参照)。そして、球送り体65が係止姿勢に保持されて当接縁67aが区画爪部70に係止すると、球送り体65に対して球通路45に供給されたパチンコ球Bによる押下げ力が作用しても該球送り体65の回転が規制される。また、球送り体65が係止解除姿勢に変位すると共に保持されて当接縁67aが区画爪部70から離間すると、球送り体65の自由回転が許容されて、パチンコ球Bによる押下げ力による球送り体65の回転が可能となる。
【0038】
(軸固定部)
揺動部材67は、
図6〜
図8に示すように、前縁および後縁における軸受部85,85と対向する位置に、支持部材68と反対側(実施例では左方)へ突出する支軸支持部90,90が形成されている。夫々の支軸支持部90,90は、前後方向において対向しており、揺動支軸95が挿通して固定可能な軸支孔91,91が、前後に整列して開設されている。そして、夫々の支軸支持部90,90は、軸支孔91,91に挿通させた揺動支軸95を、前方の支軸支持部90から前方への延出長および後方の支軸支持部90から後方への延出長が同じ状態で揺動部材67に固定するようになっている。すなわち、揺動支軸95は、その前端部分および後端部分が揺動部材67から前後方向へ夫々突出した状態で、該揺動
部材67に対して軸回りの回転が不能に固定されている。
【0039】
(揺動支軸)
揺動支軸95は、
図6および
図7に示すように、両軸受部85,85における離間距離(前方の軸受部85の前面から後方の軸受部85の後面までの前後方向の距離)と略同じ長さで、かつ支軸支持部90,90の軸支孔91,91の内径と同じ外径の丸棒状の部材である。また、揺動支軸95の外径は、前述した軸受部材88の内径と同じに設定されている。従って、揺動部材67の夫々の支軸支持部90,90に架設して固定された揺動支軸95は、軸受部85,85のスリット87,87を介して支持孔86,86に位置させた状態で、前述した軸受部材88,88を夫々の軸受部85,85の支持孔86,86に夫々嵌合させることで、軸受部85,85間に支持される。そして、揺動支軸95は、両軸受部85,85に嵌合された夫々の軸受部材88,88に接触した状態で、揺動部材67を揺動自在に支持する。
【0040】
揺動支軸95により支持部材68の夫々の軸受部85,85の間に揺動可能に支持された揺動部材67は、電磁ソレノイド66が固定された該支持部材68をケース体41の本体部材50への取り付ける前において、次の範囲内で揺動変位が可能となっている。すなわち、揺動部材67は、電磁ソレノイド66から離間する方向へ揺動して支持部材68における支持部81の先端に当接した姿勢と、電磁ソレノイド66に近接する方向へ揺動して該電磁ソレノイド66の励磁部66bに当接した姿勢との間を揺動可能となっている。但し、揺動部材67は、支持部材68をケース体41の本体部材50への取り付けた状態においては、前述した当接部63に当接した係止姿勢(
図12参照)および後述の係止片92が係止部60に当接した係止解除姿勢(
図14参照)の間で揺動可能となっている。すなわち、揺動部材67は、支持部81の先端および電磁ソレノイド66の励磁部66bに当接しない範囲内で揺動変位するよう構成されている。
【0041】
(係止片)
揺動部材67には、
図6〜
図8に示すように、当接縁67aをなす下端に、当接縁67aに隣接した係止片(第1係止部)92が設けられている。この係止片92は、電磁ソレノイド66の励磁制御に伴い励磁した励磁部66b側へ揺動部材67が揺動した際に、当該揺動部材67が該励磁部66bに接触する前に前述した係止部60に係止するように形成されている。そして、
図14に示すように、電磁ソレノイド66の励磁制御時に、係止片92と係止部60とが係止する位置で揺動部材67が停止すると、該揺動部材67の当接縁67aと球送り体65との係止が解除されて、該球送り体65の回転が許容されるよう構成されている。実施例の係止部60は、揺動部材67の下端において当接縁67aから下方へ延出して設けられている。また実施例では、当接縁67aを挟んだ両側に夫々係止片92,92を備えており、夫々の係止片92,92は、前述した位置決め用支柱58に設けられた夫々の係止部60,60に対応して設けられている。
【0042】
なお、夫々の係止片92,92は、
図6〜
図8に示すように、位置決め用支柱58に設けられた係止部60,60との位置関係から、揺動部材67の下端から電磁ソレノイド66と反対側へ斜めに延在するよう形成されていると共に、該係止片92の下縁部が、揺動部材67と同じ向きとなるように曲がった形状をなしている。これにより、電磁ソレノイド66の励磁部66bの励磁により、夫々の係止片92,92が対応の係止部60,60に係止した際には、
図14に示すように、揺動部材67が励磁部66b側へ傾斜して該励磁部66bに当接直前の係止解除姿勢となるように設定され、これにより当接縁67aと球送り体65との係止が解除されるよう構成されている。
【0043】
(第2掛止部)
揺動部材67は、
図6〜
図8に示すように、上縁から上方へ延出する第2掛止部93を備えている。第2掛止部93は、支持部材68に設けられた第1掛止部83と左右方向において対向する位置に設けられている。第2掛止部93には、引張りコイルバネ69の他端に設けられた第2フック部99が掛止される。
【0044】
(引張コイルバネ)
引張りコイルバネ69は、
図6〜
図8および
図12に示すように、所要径のバネ鋼材を所要の巻き径および巻き数で成形した巻線部97と、該巻線部97の一端に形成された第1フック部98と、該巻線部97の他端に形成された第2フック部99とを備えている。引張りコイルバネ69は、第1フック部98を支持部材68の第1掛止部83に掛止させると共に、第2フック部99を揺動部材67の第2掛止部93に掛止させることで、本体部材50の支持部81における電磁ソレノイド66の配設側と反対側において、該支持部81に沿って左右方向へ長手方向が向いた姿勢で配設される。なお、第1掛止部83および第2掛止部93に架設された引張りコイルバネ69は、揺動部材67が前述した係止姿勢となっている状態においても巻線部97が伸張的に弾性変形する自然長さのものが採用されている。これにより、揺動部材67は、引張りコイルバネ69の付勢力により、電磁ソレノイド66の非励磁時においては係止姿勢に弾力的に保持される。また、揺動部材67は、電磁ソレノイド66の励磁部66bの励磁制御時において、励磁した該励磁部66bに発生する磁力により引張りコイルバネ69の付勢力に抗して係止解除姿勢に向けて姿勢変位するようになっている。
【0045】
(球通路部材)
球通路部材42は、
図4、
図5、
図9〜
図13に示すように、ケース体41に形成された球入口41aおよび球出口41bの夫々に整合し、パチンコ球Bが通過可能な球通路45が内部に画成された樋部100と、第1基板135を収容して保持する基板収容部である第1基板収容部(第1の基板収容部)101と、第2基板145を収容して保持する基板収容部である第2基板収容部(第2の基板収容部)102とを備えている。また、球通路部材42は、固定用支柱56に係合する第1保持部103を備えると共に、位置決め用支柱58に当接する第2保持部104とを備えている。実施例の球通路部材42は、樋部100、第1保持部103および第2保持部104が一体に形成されると共に、第1基板収容部101の一部(第1枠壁110)および第2基板収容部102の一部(第2枠壁120)が樋部100に一体に形成されている。また、第1基板収容部101および第2基板収容部102は、樋部100において、球通路45を挟んで対向する両側部に夫々設けられている。なお、球通路部材42は、例えばカーボンブラックを混入した導電性樹脂から形成されている。これにより、球通路部材42は、球通路ユニット21に設けられたアース回路に接触することで、静電気を帯電したパチンコ球Bが接触しても静電気が帯電し難くなっており、第1基板収容部101に収容された第1基板135および第2基板収容部102に収容された第2基板145が静電気の影響を受けることを防止し得るようになっている。
【0046】
(第1基板)
ここで、第1基板収容部101に収容される第1基板135は、
図9〜
図11および
図13に示すように、上下方向に細長い矩形状に形成されており、その表面135aに、球通路45を通過するパチンコ球Bを検知する検出手段44における複数(実施例では2つ)の第1検出手段136,137と、当該第1基板135と払出制御基板23とを電気的に接続する配線(図示せず)が接続される第1配線接続端子(配線接続部)138とを備えている。実施例の検出手段44は、発光素子と受光素子を組合せた小型の電子部品で、発光素子からの光が検出物体であるパチンコ球Bによって変化(有無、強弱)したのを受光素子で検知して電気信号を出力する非接触センサであるフォトセンサである。そして、第1検出手段136,137は、第1基板135の表面135aから立ち上がった姿勢で該第1基板135に実装される発光素子としてのLEDであり、第1基板135を第1基板収容部101に収容保持した状態で、パチンコ球Bの直径と略同じ間隔で球通過方向(上下方向)に離間して配設されている。なお、以降の説明において、上方に配設された第1検出手段136を「第1上検出手段」、該第1上検出手段136の下方に配設された第1検出手段137を「第1下検出手段」と指称する場合がある。また、第1配線接続端子138は、第1基板135の表面135aに沿う方向へ向いた姿勢で実装されており、図示しない配線の接続端子が該表面135aに沿う方向から接続可能となっている。
【0047】
(第2基板)
第2基板収容部102に収容される第2基板145は、
図9〜
図11および
図13に示すように、上下方向に細長い矩形状に形成されており、その表面145aに、検出手段44における複数(実施例では2つ)の第2検出手段146,147と、当該第2基板145と払出制御基板23とを電気的に接続する配線(図示せず)を接続する第2配線接続端子(配線接続部)148とを備えている。そして、実施例の第2検出手段146,147は、第1検出手段136,137からの光を受光する受光素子としてのトランジスタであり、第2基板145を第2基板収容部102に収容保持した状態で、前述した夫々の第1検出手段136,137と、球通路45を挟んで前後に対向する位置に配設されている。なお、以降の説明において、上方に配設されて第1上検出手段136と対をなす第2検出手段146を「第2上検出手段」、下方に配設されて第1下検出手段137と対をなす第2検出手段147を「第2下検出手段」と指称する場合がある。また、第2配線接続端子148は、第2基板145の表面145aに沿う方向へ向いた姿勢で実装されており、図示しない配線の接続端子が該表面145aに沿う方向から接続可能となっている。
【0048】
実施例の検出手段44では、
図12および
図13に示すように、対をなす第1上検出手段136および第2上検出手段146が、球通路45内において球送り体65で直接保持されているパチンコ球Bに対向する位置に、該球通路45を挟んで前後に位置するよう対向して配置される。従って、球送り体65により直接保持されているパチンコ球Bがない場合には、発光素子である第1上検出手段136から発せられた光が受光素子である第1上検出手段136で受光され、球送り体65により直接保持されているパチンコ球Bがある場合には、第1上検出手段136から発せられた光が当該パチンコ球Bで遮断されて第1上検出手段136で受光されないようになる。すなわち、第1上検出手段136および第2上検出手段146は、球通路45内に供給されている払出し前のパチンコ球Bの存在を検出するものである。一方、対をなす第1下検出手段137および第2下検出手段147は、球通路45内において球送り体65で直接保持されているパチンコ球Bより下方の位置(球送り体65の回転中心と略同じ高さ位置)に、球通路45を挟んで前後に位置するよう対向して配置される。従って、球送り体65の回転により払出されるパチンコ球Bがない場合(球送り体65によりパチンコ球Bが保持されている場合)は、発光素子である第1下検出手段137から発せられた光が受光素子である第2下検出手段147で受光され、球送り体65が回転してパチンコ球Bが払出される場合(
図14参照)には、第1下検出手段137から発せられた光が当該パチンコ球Bで遮断されて第2下検出手段147で受光されないようになる。すなわち、第1下検出手段137および第2下検出手段147は、球送り体65の回転により払出されるパチンコ球Bを検出するものである。
【0049】
(樋部)
樋部100は、
図9〜
図13に示すように、球入口41aおよび球出口41bが上下方向に整列して設けられていることで、球通路部材42をケース体41内に配設した状態において、該ケース体41内で上下方向へ垂直かつ直線に延在するように形成されている。樋部100は、上下方向に沿う長手方向と直交する短手方向における外側形状が矩形をなす角筒状をなすと共に、短手方向における内側形状が略六角形をなしている。樋部100は、上開口105の上縁に球入口41aに整合するよう上方へ突出した上係合突縁105aが形成されていると共に、下開口106の下縁に球出口41bに整合するよう下方へ突出した下係合突縁106aが形成されており、上係合突縁105aを球入口41aに嵌合させることで該球入口41aと上開口105とが上下に整合すると共に、下係合突縁106aを球出口41bに整合させることで該球出口41bと下開口106とが上下に整合するようになる。
【0050】
(球送り体配設口)
樋部100における球送り体65に臨む壁部には、
図9(b)、
図10(b)、
図12および
図13に示すように、該球送り体65を球通路45内へ臨ませる球送り体配設口107が開設されている。球送り体配設口107は、回転する球送り体65の回転領域に合わせて、樋部100の右壁100aから球通路45の中央へ凹となる円弧状に形成されている。すなわち、球送り体配設口107は、球送り体65の区画爪部70と僅かな隙間が画成されるよう形成されている。ここで、球送り体65は、球通路45に対して、球送り体65の区画爪部70の先端が球通路45の中央近くまで突出すると共に、該球送り体65の球受部71の底部(球送り体65の径方向において中心側へ最も凹んだ位置)が該球通路45の右内側壁面と略一致する位置関係で配設される。これにより、球送り体65が揺動部材67により回転規制された状態(
図12参照)では、該球送り体65の区画爪部70が球通路45内へ突出して、該区画爪部70と球通路45の左内側壁面との間がパチンコ球Bの直径より狭くなることで、パチンコ球Bの払出しが規制される。また、球送り体65が回転が許容された状態(
図14参照)では、球受部71と球通路45の左側内壁面との間にパチンコ球Bの直径以上の隙間が画成されることで、パチンコ球Bの払出しが可能となる。
【0051】
(第1基板収容部)
第1基板収容部101は、
図5、
図9、
図10、
図11(b)および
図13に示すように、樋部100の後壁100cに、該樋部100に沿って設けられている。第1基板収容部101は、収容される第1基板135のサイズに合わせて、上下、左右および前後の大きさが設定されている。第1基板収容部101は、樋部100の後壁100cから枠状に立設された第1枠壁110と、該第1枠壁110の突出端に当接して後壁100cと平行となっている第1外壁111とにより構成され、後壁100c、第1枠壁110および第1外壁111により画成された内部空間112に第1基板135が収容可能に構成されている。第1枠壁110および第1外壁111は、カーボンブラックを混入した合成樹脂から形成されている。これにより、第1基板収容部101に収容された第1基板135は、ケース体41内に露出していないので電磁ソレノイド66の励磁による磁力の影響を受け難くなっており、第1上検出手段136および第1下検出手段137の誤検出を防止し得るようになっている。ここで、実施例では、第1枠壁110は樋部100に一体に形成され、第1外壁111は該第1枠壁110と別体に構成されており、第1外壁111は、第1枠壁110により形成された開口を塞ぐように該第1枠壁110に固定されるよう構成されている。従って、第1基板収容部101に収容された第1基板135は、該第1基板収容部101から取り出し不能に球通路部材42に固定される。なお、第1外壁111は、内部空間112側が凹んでおり、該凹んだ部分に第1基板135が嵌り込むようになっている(
図9(c)、
図10参照)。
【0052】
(第1検出口)
樋部100の後壁100cには、
図9〜
図13に示すように、第1上検出手段136に対向する位置および第1下検出手段137に対向する位置に、球通路45内と第1基板収容部101内とを連通するよう貫通した第1検出口(第2開口部)113が夫々開設されている。すなわち、第1基板収容部101に第1基板135を収容した状態において、第1上検出手段136の出光部(先端)に対向する位置に第1上検出口113a(113)が開設されると共に、第1下検出手段137の受光部(先端)に対向位置に第1下検出口113b(113)が開設されている。第1上検出口113aおよび第1下検出口113bは、砲弾型の第1上検出手段136および第1下検出手段137の直径より小径に形成されており、該第1上検出手段136からの光が第1上検出口の開口領域においてのみ通過すると共に、第1下検出手段137からの光が第1下検出口113bの開口領域においてのみ通過するよう構成されている。
【0053】
樋部100の後壁100cには、
図9〜
図11および
図13に示すように、第1上検出口113aを囲むように第1基板収容部101内へ突出する筒状の第1上遮蔽部115と、第1上検出口113aを囲むように第1基板収容部101内へ突出する筒状の第1下遮蔽部116とが形成されている。第1上遮蔽部115および第1下遮蔽部116は、夫々の突出端が第1基板135の表面135aに当接するようになっており、第1上検出手段136からの光および第1下検出手段137からの光が第1基板収容部101の内部空間112内へ漏れるのを防止するようになっている。また、第1上遮蔽部115および第1下遮蔽部116は、第1基板収容部101内において第1基板135を保持する保持台として機能するようになっている。また、第1上遮蔽部115および第1下遮蔽部116の間と、第1外壁111における内部空間112に臨む壁面とに、第1基板135に形成された第1位置決め孔139に嵌合する第1位置決めボス117,117が夫々突設されており、該第1位置決めボス117,117と第1位置決め孔139とを嵌合させることで、第1基板135の位置決めおよび保持が図られるよう構成されている。
【0054】
(第1露出口)
第1基板収容部101には、
図9〜
図11に示すように、内部に収容した第1基板135の第1配線接続端子138に整合する第1露出口(第3開口部)118が開設されている。実施例では、第1枠壁110における右側面上部に第1露出口118が開設されており、該第1露出口118を介して第1配線接続端子138を第1基板収容部101の外部(ケース体41内)へ露出させ得るようになっている。第1露出口118は、第1配線接続端子138の外形サイズと同じか僅かに大きい開口サイズとされており、該第1露出口118の開口縁と第1配線接続端子138との間には隙間が殆ど形成されないよう構成されている。これにより、第1露出口118の開口縁および第1配線接続端子138の間から第1基板収容部101内へ塵埃や異物が入り込むことを防止し得る。
【0055】
(第2基板収容部)
第2基板収容部102は、
図4、
図5、
図9〜
図11(a)に示すように、樋部100の後壁100cと球通路45を挟んで対向する前壁100bに、該樋部100に沿って設けられている。第2基板収容部102は、収容される第2基板145のサイズに合わせて、上下、左右および前後の大きさが設定されている。第2基板収容部102は、樋部100の前壁100bから枠状に立設された第2枠壁120と、該第2枠壁120の突出端に当接して後壁100cと平行となっている第2外壁121とにより構成され、前壁100b、第2枠壁120および第2外壁121により画成された内部空間122に第2基板145が収容可能に構成されている。第2枠壁120および第2外壁121は、カーボンブラックを混入した合成樹脂から形成されている。これにより、第2基板収容部102内に収容された第2基板145は、ケース体41内に露出していないので電磁ソレノイド66の励磁による磁力の影響を受け難くなっており、第2上検出手段146および第2下検出手段147の誤検出を防止し得るようになっている。ここで、実施例では、第2枠壁120は樋部100に一体に形成され、第2外壁121は該第2枠壁120と別体に構成されており、第2外壁121は、第2枠壁120により形成された開口を塞ぐように該第2枠壁120に固定されるよう構成されている。従って、第2基板収容部102に収容された第2基板145は、該第2基板収容部102から取り出し不能に球通路部材42に固定される。なお、第2外壁121は、内部空間122側が凹んでおり、該凹んだ部分に第2基板145が嵌り込むようになっている(
図9(c)、
図10参照)。
【0056】
(第2検出口)
樋部100の前壁100bには、
図9〜
図13に示すように、第2上検出手段146に対向する位置および第2下検出手段147に対向する位置に、球通路45内と第2基板収容部102内とを連通するよう貫通した第2検出口(第2開口部)123が夫々開設されている。すなわち、第2基板収容部102に第2基板145を収容した状態において、第2上検出手段146の受光部(先端)に対向する位置に第2上検出口123a(123)が開設されると共に、第2下検出手段147の受光部(先端)に対向位置に第2下検出口123b(123)が開設されている。そして、第2上検出口123aは、第1上検出口113aと前後方向で整合する位置に開設されると共に、第2下検出口123bは、第1下検出口113bと前後方向で整合する位置に開設される。更に、第2上検出口123aおよび第2下検出口123bは、砲弾型の第2上検出手段146および第2下検出手段147の直径より小径に形成され、かつ対応する第1上検出口113aおよび第1下検出口113bの開口サイズと同じ開口サイズに形成されている。これにより、第1上検出口113aからの光が第2上検出口123aを通過して第2上検出手段146で受光可能となると共に、第1下検出口113bからの光が第2下検出口123bを通過して第2下検出手段147で受光可能となるよう構成されている。
【0057】
樋部100の前壁100bには、
図9〜
図11および
図13に示すように、第2上検出口123aを囲むように第2基板収容部102内へ突出する筒状の第2上遮蔽部125と、第2上検出口123aを囲むように第2基板収容部102内へ突出する筒状の第2下遮蔽部126とが形成されている。第2上遮蔽部125および第2下遮蔽部126は、夫々の突出端が第2基板145の表面145aに当接するようになっており、第2上検出手段146に到達した光および第2下検出手段147に到達した光が第2基板収容部102の内部空間122へ漏れるのを防止するようになっている。また、第2上遮蔽部125および第2下遮蔽部126は、第2基板収容部102内において第2基板145を保持する保持台として機能するようになっている。また、第2上遮蔽部125と第2下遮蔽部126との間に、第2上遮蔽部125および第2下者壁部126の間と、第2基板145に形成された第2位置決め孔149に嵌合する第2位置決めボス127が夫々突設されており、該第2位置決めボス127,127と第2位置決め孔149とを嵌合させることで、第2基板145の位置決めおよび保持が図られるよう構成されている。
【0058】
(第2露出口)
第2基板収容部102には、
図9〜
図11に示すように、内部に収容した第2基板145の第2配線接続端子148に整合する第2露出口(第3開口部)128が開設されている。実施例では、第2枠壁120における右側面に第2露出口128が開設されており、該第2露出口128を介して第2配線接続端子148を第2基板収容部102の外部(ケース体41内)へ露出させ得るようになっている。第2露出口128は、第2配線接続端子148の外形サイズと同じか僅かに大きい開口サイズとされており、該第2露出口128の開口縁と第2配線接続端子148との間には隙間が殆ど形成されないよう構成されている。これにより、第2露出口128の開口縁と第2配線接続端子148との間から第2基板収容部102内へ塵埃や異物が入り込むことを防止し得る。
【0059】
(第1保持部)
第1保持部103は、
図4、
図9〜
図11に示すように、樋部100の壁部に一体に形成されている。第1保持部103は、樋部100の右壁100aの外面上部から右方へ延出して本体部材50に形成された固定用支柱56の上方に位置する基部130と、該基部130の前縁から下方へ延在して該固定用支柱56の前方に位置する係止部131とを備えている。そして、係止部131には、前後に貫通する係止孔132が開設されている。この係止孔132は、固定用支柱56の前端に形成された前述のボス56aが嵌合する開口形状に形成されている。従って、球通路部材42は、係止孔132とボス56aとを嵌合させることで、本体部材50に対して位置決めされると共に固定保持されるようになっている。
【0060】
(第2保持部)
第2保持部104は、
図4、
図9および
図10に示すように、樋部100の壁部に一体に形成されている。第2保持部104は、樋部100の右壁100aの外面下部から右方へ延出して、本体部材50に配設された球送り体65の前方に位置し、延出端である右端が、位置決め用支柱58の左外面に当接する長さに形成されている。従って、第2保持部104は、位置決め用支柱58に当接した状態となることで、球通路部材42が球送り体65側へずれることを防止可能であり、該球送り体65と球通路部材42との接触を回避するよう機能する。
【0061】
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された球払出装置40を備えた実施例のパチンコ機10の作用につき説明する。
【0062】
(球払出ユニットの組立てについて)
先ず、球払出作動ユニット43の球送り体65を除く構成部材を予め組み立てる。すなわち、
図8に示すように、支持部材68の固定部80には電磁ソレノイド66を予め固定すると共に、揺動部材67の支軸支持部90,90に揺動支軸95を予め固定する。そして、揺動部材67に固定した揺動支軸95の両端部分を、夫々の軸受部85,85の支持孔86,86に対しスリット97,87を介してセットしたもとで、夫々の軸受部材88,88を該支持孔86,86に嵌合して固定する。ここで、前方の軸受部85の支持孔86に対しては、前側から軸受部材88を嵌合させることで、当該軸受部材88に揺動支軸95の前端部分が挿入されて軸受部85に支持される。また、後方の軸受部85の支持孔86に対しては、後側から軸受部材88を嵌合させることで、当該軸受部材88に揺動支軸95の後端部分が挿入されて軸受部85に支持される。これにより、揺動部材67が、揺動支軸95を介して、支持部材68の支持部81に揺動可能に取り付けられる。そして、支持部材68の第1掛止部83に第1フック部98を掛止させると共に、揺動部材67の第2掛止部93に第2フック部99を掛止させることで、引張りコイルバネ69を支持部材68と揺動部材67との間に架設する。
【0063】
また、
図11に示すように、別途成形した球通路部材42の第1基板収容部101内に、第1上検出手段136、第1下検出手段137および第1配線接続端子138を実装した第1基板135を収容すると共に、第2基板収容部102内に、第2上検出手段146、第2下検出手段147および第2配線接続端子148を実装した第2基板145を収容する。これにより、第1基板135の第1上検出手段136が、第1上遮蔽部115内に収容されると共に第1上検出口113aに臨むと共に、第1下検出手段137が、第1下遮蔽部116内に収容されると共に第1下検出口113bに臨む。また、第2基板145の第2上検出手段146が、第2上遮蔽部125内に収容されると共に第2上検出口123aに臨むと共に、第2下検出手段147が、第2下遮蔽部126内に収容されると共に第2下検出口123bに臨む。そして、第1基板135の第1上検出手段136および第2基板145の第2上検出手段146が、第1上検出口113aおよび第2上検出口123aを通して球通路45を挟んで対向配置されると共に、第1基板135の第1下検出手段137および第2基板145の第2下検出手段147が、第1下検出口113bおよび第2下検出口123bを通して球通路45を挟んで対向配置される。従って、第1基板135および第2基板145は、第1基板収容部101および第2基板収容部102の夫々から取り出し不能に球通路部材42に固定されると共に、球通路部材42と第1基板135および第2基板145とを1つのユニット部材として取り扱うことができて部品管理が容易になる。
【0064】
そして、
図4および
図5に示すように、電磁ソレノイド66を固定すると共に揺動部材67および引張りコイルバネ69を取り付けた支持部材68を、保持リブ55により本体部材50にセットする。また、球送り体65に挿通した支軸73を取付ボス72の軸支孔72aに差し込むことで、該支軸73に支持された球送り体65を本体部材50に回転自在に配設する。更に、第1基板135および第2基板145を夫々収容した球通路部材42を、本体部材50にセットする。そして、本体部材50に対して蓋部材51を固定ネジ52により固定することで、球払出装置40の組立てが完了する。
【0065】
組立て完了した球払出装置40では、
図12に示すように、支持部材68がケース体41における本体部材50の底壁50aおよび蓋部材51の頂壁51aで前後から挟持されると共に、軸受部材88,88のフランジ部88a,88aも底壁50aおよび頂壁51aに当接することで、球払出作動ユニット43がケース体41内で安定的に保持されている。また、
図12に示すように、上係合突縁105aがケース体41における球入口41aの開口縁に嵌合し、下係合突縁105bがケース体41における球出口41bの開口縁に嵌合すると共に、第1保持部103が固定用支柱56のボス56aに嵌合し、第2保持部103が位置決め用支柱58に当接することで、球通路部材42がケース体41内で安定的に保持されている。
【0066】
また、組立て後の球払出装置40の球払出作動ユニット43は、
図12に示すように、は、電磁ソレノイド66の励磁部66bが励磁されていないことで、引張りコイルバネ69の付勢力により、揺動部材67は当接部63に当接して係止姿勢に保持されている。これにより、球送り体65は、係止姿勢に保持された揺動部材67の当接縁67aに区画爪部70が係止することで、回転が規制された状態となっている。
【0067】
球払出装置40は、
図2に示す如く、球通路ユニット21の設置部21bに組付けられる。設置部21bに組付けられた球払出装置40は、球入口41aが球送出路部21aの下端に整合すると共に、球出口41bが球通出案内部20の上端に整合している。また、球払出装置40の電磁ソレノイド66、第1基板135および第2基板145は、図示省略した配線により、払出制御基板23に電気的に接続される。
【0068】
パチンコ機10は、パチンコ遊技に先立って貸球操作が行われると払出制御基板23に信号が入力され、これに基いて該払出制御基板23からの球払出し信号により球払出装置40が作動制御されることにより、球タンク19および球通路ユニット21の球送出路部21a内に貯留されているパチンコ球Bが、貸球として球通出案内部20から上球皿15側へ払出される。また、パチンコ機10は、パチンコ遊技中に、操作ハンドル17の操作により遊技盤14内へ打出されたパチンコ球Bが該遊技盤14の遊技領域に配設された各種入賞装置に入賞すると、該入賞装置に配設された入賞球検知センサがパチンコ球Bを検知すると、これに基いて該払出制御基板23からの球払出し信号により球払出装置40が作動制御されることにより、球タンク19および球通路ユニット21の球送出路部21a内に貯留されているパチンコ球Bが、賞球として球通出案内部20から上球皿15側へ払出される。
【0069】
実施例の球払出装置40は、払出制御基板23からの球払出し信号が入力されない場合に、
図12に示すように、電磁ソレノイド66に通電されないので該電磁ソレノイド66の励磁部66に磁力が発生しない。このため、揺動部材67が引張りコイルバネ69の付勢力により係止姿勢に保持されるので、球送り体65の区画爪部70に該揺動部材67の当接縁67aが係止して該球送り体65が回転規制される。これにより、球入口41aから球通路45内に供給されたパチンコ球Bは、回転規制された球送り体65の区画爪部70で受け止められ、球通路45内に停止保持される。そして、球送り体65で停止保持されたパチンコ球Bがある場合には、検出手段44における第1上検出手段136からの光が、該パチンコ球Bで遮られて第2上検出手段146で受光されないので、球通路45内にパチンコ球Bがある球有検出条件が成立する。
【0070】
球有検出条件が成立しているもとで、払出制御基板23から球払出し信号が球払出装置40に入力されると、導線76に通電されて電磁ソレノイド66のコイル部66aが励磁し、励磁部66bに磁力が発生する。励磁部66bに磁力が発生すると、揺動部材67は、軸受部85,85に軸受部材88,88を介して支持された揺動支軸95を中心として、係止姿勢から係止解除姿勢に向けて揺動する。そして、
図14に示すように、揺動部材67に設けられた係止片92,92が位置決め用支柱58に設けられた係止部60,60に当接して当該揺動部材67が係止解除姿勢となると、揺動部材67の当接縁67aと球送り体65の区画爪部70との係止が解除され、該球送り体65の回転が許容される。この結果、球送り体65は、区画爪部70に支持されていたパチンコ球Bを球受部71に受入れながら回転して、該球受部71が球通路45の下方に向くことで当該パチンコ球Bを払出すようになる。
【0071】
また、球送り体65の回転により払出されるパチンコ球Bが、検出手段44における第1下検出手段137からの光を遮ることで、第2下検出手段147が第1下検出手段137からの光を受光しない状態となって球払出し検出条件が成立する。この球払出し検出条件が成立と導線76に対する通電が停止され、電磁ソレノイド66のコイル部66aの消磁により励磁部66bに磁力が発生しなくなる。従って揺動部材67は、引張りコイルバネ69の付勢力により、軸受部85,85に軸受部材88,88を介して支持された揺動支軸95を中心として、係止解除姿勢から係止姿勢に向けて揺動する。そして、
図15に示すように、揺動部材67が当接部63に当接して係止姿勢となり、揺動部材67の当接縁67aが球送り体65の区画爪部70に係止して、該球送り体65の回転が規制される。この結果、球送り体65は、区画爪部70で次のパチンコ球Bを支持する。
【0072】
前述した動作が繰返され、決められた所定個数のパチンコ球Bの払出しがカウント検出されると、電磁ソレノイド66が消磁状態に保持され、球払出装置40による1回分の球払出し作動が終了する。
【0073】
実施例のパチンコ機10に配設された球払出装置40によれば、球払出作動ユニット43では、支持部材68に設けた軸受部85,85に、揺動部材67に設けられた揺動支軸95を挿通して支持させるよう構成したことで、揺動部材67が支持部材68に対してがたつきなく支持される。これにより、電磁ソレノイド66の励磁・消磁制御に伴って揺動部材67の揺動変位が繰返されても、支持部材68と該揺動部材67との擦れが生じないので、揺動部材67の安定した揺動変位が長期に亘って維持可能である。また、支持部材68および揺動部材67が擦れないので鉄粉が生じることがなく、電磁ソレノイド66の励磁部66bやコイル部66aに該鉄粉が付着することによる該電磁ソレノイド66の作動不良や故障の発生も防止可能である。
【0074】
そして、支持部材68に設けた軸受部85,85の支持孔86,86に嵌合して固定される軸受部材88,88に、揺動部材67に対して支軸支持部90,90により支持した揺動支軸95の両端を挿入した構成となっていることで、支持部材68の支持部81に対して揺動部材67を安定して支持させることができると共に、揺動部材67のスムーズな揺動変位が可能となる。
【0075】
また、揺動部材67に係止片92,92を設けると共に、ケース体41に該係止片92,92が係止可能な係止部60,60を設け、電磁ソレノイド66の励磁に伴って励磁部66bに発生した磁力により揺動部材67が該励磁部66bに近接するよう揺動変位する際に、該揺動部材67が励磁部66bに当接する前に夫々の係止片92,92が夫々の係止部60,60に係脱可能に係止した状態を係止解除姿勢としたことで、当該揺動部材67が励磁部66bに勢いよく当接することが回避される。これにより、揺動部材67と励磁部66bとの衝突により電磁ソレノイド66が振動することが回避され、該電磁ソレノイド66のコイル部66aをなす導線76が断線し難くすることができる。また、揺動部材67と励磁部66aとの衝突による異音の発生も防止し得る。
【0076】
揺動部材67の係止片82,82は、球送り体65の区画爪部70に係合する当接縁70aを挟んだ両側に設けるようにしたことで、夫々の係止片82,82は球送り体65に隣接して位置するようになり、夫々の係止片82,82が夫々の係止部60,60に係合した係止解除姿勢では、揺動部材67の当接縁67aが球送り体65から適切に離間した状態で該揺動部材67を保持し得る。これにより、夫々の係止片82,82が夫々の係止部60,60に係合して揺動部材67が係止解除姿勢となった際に、球送り体65が適切に回転可能な状態となり、球通路45内のパチンコ球Bのスムーズな払出しが可能となる。
【0077】
また、電磁ソレノイド66のコイル部66bは、透明または半透明のカバー部材77により被覆されているので、該コイル部66bがカバー部材77により保護される。また、コイル部66aに装着したカバー部材77を取り除くことなく、該コイル部66aの導線76の断線有無を容易に確認することができ、球払出装置40のメンテナンス作業が容易である。
【0078】
そして、実施例の球払出装置40では、検出手段44を構成する第1上検出手段136および第1下検出手段137と、配線が接続される第1配線接続端子138とが設けられた第1基板135と、検出手段44を構成する第2上検出手段146および第2下検出手段147と、配線が接続される第2配線接続端子148とが設けられた第2基板145とを、球通路45が画成された球通路部材42に設けられた第1基板収容部101および第2基板収容部102に夫々収容したもとでケース体41に収容するよう構成した。これにより、球払出装置40の取扱い時やパチンコ機10の設置部21bへの該球払出装置40の設置作業時に、第1基板135または第2基板145が損傷することを防止し得る。また、第1基板135および第2基板145がケース体41の外部に露出していないので、該第1基板135および第2基板145に塵埃が付着し難いと共に、該第1基板135および第2基板145に対する不正行為を防止し得る。
【0079】
また、第1基板収容部101を画成する第1枠壁110および第1外壁111および第2基板収容部102を画成する第2枠壁120および第2外壁121が、カーボンブラックを混入した合成樹脂から形成されており、第1基板収容部101に収容された第1基板135および第2基板収容部102に収容された第2基板145が、ケース体41内に配設された電磁ソレノイド66に対し露出しないので、第1基板135および第2基板145において該電磁ソレノイド66の作動に伴うノイズが発生し難くなり、検出手段44の誤検出を防止し得る。また、第1基板収容部101に収容された第1基板135および第2基板収容部102に収容された第2基板145は、当該パチンコ機10に搭載された電子機器(ケース体41の外部に配設された電子機器)からの影響も受け難いので、該電子機器の作動に伴うノイズも発生し難くなり、検出手段44の誤検出を防止し得る。
【0080】
また、第1基板135および第2基板145を第1基板収容部101および第2基板収容部102に夫々収容した状態で球通路部材42をケース体41にセットするようにしたので、第1基板135および第2基板145をケース体41にセットする手間が省かれ、球払出装置40の組立作業が容易となる。また、球通路部材42をケース体41にセットする前に、第1基板収容部101へ第1基板135を収容することで、第1上検出口113aを介して第1上検出手段136が球通路45に適切に臨んでいるか否かの確認や、第1下検出口113bを介して第1下検出手段137が球通路45に適切に臨んでいるか否かの確認を、球送り体配設口107を介して行うことができる。同様に、球通路部材42をケース体41にセットする前に、第2基板収容部102へ第2基板145を収容することで、第2上検出口123aを介して第2上検出手段146が球通路45に適切に臨んでいるか否かの確認や、第2下検出口123bを介して第2下検出手段147が球通路45に適切に臨んでいるか否かの確認を、球送り体配設口107を介して行うことができる。すなわち、球通路部材42をケース体41に取り付ける前に、第1基板135および第2基板145の配設状態が確認可能であり、第1基板135または第2基板145の組付けミスを原因とした検出手段44の検知不良の発生を防止し得る。また、球通路部材42と第1基板135および第2基板145とがユニット化されて部品管理が容易となる。
【0081】
また、球通路部材42をケース体41にセットする前に、第1露出口118を介して第1配線接続端子138を外方へ臨ませ得ると共に、第2露出口128を介して第2配線接続端子148を外方への臨ませ得る。そして、第1基板135の第1配線接続端子138が第1露出口118を介して外方へ露出しているので、該第1配線接続端子138に対する配線の接続が容易であり、第2基板145の第2配線接続端子148が第2露出口128を介して外方へ露出しているので、該第2配線接続端子148に対する配線の接続が容易である。更に、第1露出口118と第1配線接続端子138との間に隙間が殆ど形成されないので、該第1露出口118を介して異物や塵埃が第1基板収容部101内へ入ることを防止し得ると共に、第2露出口128と第2配線接続端子148との間に隙間が殆ど形成されないので、該第2露出口128を介して異物や塵埃が第2基板収容部102内へ入ることを防止し得る。
【0082】
更に、球通路部材42が導電性樹脂から形成されているので、球払出装置40の作動により球通路45内に供給されたパチンコ球Bの払出しを行うに際して当該球通路部材42に静電気が帯電することが防止され、第1基板135および第2基板145が静電気により影響を受けることを防止し得る。
【0083】
更に、球通路部材42は、樋部100の壁部に球送り体配設口107を設けてあるので、球送り体65をケース体41の本体部材50に配設すると共に、該本体部材50に当該球通路部材42を配設することで、該球送り体65が球送り体配設口107を介して球通路45内へ臨ませることができる。
【0084】
〔変更例〕
本発明に係る遊技機は、実施例に例示の形態に限らず種々の変更が可能である。
(1)揺動部材に軸受部を配設すると共に、支持部材に、軸受部に挿入して支持される支軸部を設けて、支軸部を軸受部を支持することで揺動部材が支持部材に揺動可能に支持されるよう構成してもよい。
(2)揺動部材または支持部材のどちらか一方に設けられる支軸部と、揺動部材または支持部材の他方に設けられる支軸支持部とを、一列に整列させた状態としたもとで、支軸部を軸受部および支軸支持部に挿通させて支持部材に揺動部材を揺動可能に配設してもよい。
(3)揺動部材に設けられる係止片は、球送り体を挟んだ両側に設けたものに限らず、球送り体の何れか一方の側に1つだけ設けてもよい。
(4)揺動部材に設けられる係止片は、球送り体から離れた位置、すなわち該揺動部材における球送り体に係脱可能に係止する当接縁が設けられた端縁とは異なる端縁に設けるようにしてもよい。
(5)球払出作動ユニットは、電磁ソレノイドの非励磁(消磁)時において揺動部材が該電磁ソレノイドの励磁部に近接した係止解除姿勢に付勢手段の付勢力により保持され、電磁ソレノイドの励磁時において揺動部材が励磁部から離間するよう揺動して係止姿勢となるよう構成されたものであってもよい。
(6)電磁作動ユニットは、実施例で例示した球払出装置に限らず、遊技盤に配設される入賞装置の作動ユニットや可動演出装置の作動ユニットとしても実施可能である。
(7)第1基板収容部は、第1枠壁および第1外壁が一体に形成されて、第1基板を収容したもとで樋部に取付けて固定するよう構成したものであってもよい。また、第2基板収容部は、第2枠壁および第2外壁が一体に形成されて、第2基板を収容したもとで樋部に取付けて固定するよう構成したものであってもよい。
(8)第1基板収容部および第2基板収容部は、枠壁および外壁が樋部と一体に形成されたものであってもよい。このような形態では、球通路部材を成形する成形型に第1基板および第2基板をセットして、インモールド成形技術により、第1基板収容部に第1基板が収容されると共に第2基板収容部に第2基板が収容された状態で球通路部材を成形することも可能である。従って、球通路部材の成形工程と、第1基板および第2基板の配設工程とを同時に行うことができ、製造工数を減らして製造コストを抑えることが可能である。
(9)第1基板収容部および第2基板収容部は、該基板収容部を画成する壁部の内面または外面に、金属板を配設するか金属めっきを施すことで、第1基板収容部に収容した第1基板および第2基板収容部に収容した第2基板に、電磁ソレノイドの作動やケース体の外部に配設された電子機器の作動に伴うノイズが発生することを防止するようにしてもよい。
(10)実施例では、遊技機としてのパチンコ機を示したが、遊技機はパチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機であってもよい。
【0085】
本願には、次のような技術的思想が含まれている。
(付記1)
請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機において、
前記球通路部材(42)は、導電性樹脂から形成されている。
付記1の発明によれば、球通路部材に静電気が帯電することが防止され、第1基板および第2基板が静電気により影響を受けることを防止し得る。
【0086】
(付記2)
請求項1〜4または付記1の何れか一項に記載の遊技機において、
前記基板(135,145)は、前記基板収容部(101,102)から取り出し不能に球通路部材(42)に固定されている。
付記2に係る発明によれば、球通路部材と基板とを1つのユニット部材として取り扱うことができ、部品管理が容易になる。