特許第6159346号(P6159346)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6159346
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】環境発電及びセンサノードの制御
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/32 20060101AFI20170626BHJP
   G06F 1/04 20060101ALI20170626BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20170626BHJP
   A61B 5/04 20060101ALN20170626BHJP
【FI】
   G06F1/32 Z
   G06F1/04 575
   H02J1/00 307C
   H02J1/00 307F
   !A61B5/04 R
【請求項の数】33
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2014-557819(P2014-557819)
(86)(22)【出願日】2013年2月15日
(65)【公表番号】特表2015-516606(P2015-516606A)
(43)【公表日】2015年6月11日
(86)【国際出願番号】US2013026390
(87)【国際公開番号】WO2013123359
(87)【国際公開日】20130822
【審査請求日】2016年1月6日
(31)【優先権主張番号】61/600,467
(32)【優先日】2012年2月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514209319
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ ヴァージニア パテント ファウンデーション
(73)【特許権者】
【識別番号】512205245
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ ワシントン スルー イッツ センター フォー コマーシャリゼーション
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】カルフーン、ベントン エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】オーティス、ブライアン
【審査官】 宮下 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−109847(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0079565(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26
G08C 13/00
A61B 5/00
A61B 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境発電トランスデューサに接続可能な入力を含む調整回路と、
調整回路に接続され、環境発電トランスデューサを必要とせず、センサーノードの動作を確立する少なくとも十分な動作エネルギーを無線で受信するように構成されている無線受信機回路と、
調整回路に接続されるデジタルプロセッサ回路と、
調整回路への入力に基づいてセンサーノードのエネルギー消費レベルを選択するように構成されている電力管理プロセッサ回路とを備え、
デジタルプロセッサ回路は、選択されたエネルギー消費レベルに基づいて電力管理プロセッサ回路によって確立された閾値下動作モードを含み、
閾値下動作モードを確立することは、デジタルプロセッサ回路において電界効果トランジスタ(FET)の閾値下動作を確立するように調整回路によって提供された供給電圧を調整又は選択することを含むことを特徴とするセンサーノード。
【請求項2】
調整回路に接続される環境発電トランスデューサを更に備え、
調整回路は、環境発電トランスデューサに接続されたときに一次電池又は再充電可能な電池を必要とすること無く、連続的に動作するためにセンサーノード用の十分な動作エネルギーを提供するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のセンサーノード。
【請求項3】
無線信機回路は、センサーノードの動作を最初に確立するために少なくとも十分な動作エネルギーを無線で受信するように構成されており、
調整回路及び環境発電トランスデューサは、更なる無線受信の動作エネルギーの無い状態でセンサーノード用の持続される動作エネルギーを提供するように構成されていることを特徴とする請求項2記載のセンサーノード。
【請求項4】
環境発電トランスデューサは、熱電発電装置(TEG)を含むことを特徴とする請求項2乃至3のいずれか1項に記載のセンサーノード。
【請求項5】
電力管理プロセッサ回路は、センサーノードの動作のリセット又は消滅を抑制するために、少なくとも部分的にセンサーノードのエネルギー消費レベルを選択するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセンサーノード。
【請求項6】
選択されたエネルギー消費レベルに基づいて電力管理プロセッサ回路によって確立された閾値下動作モードを含む機能特定プロセッサ回路を備え、
デジタルプロセッサ回路は汎用プロセッサ回路からなり、
調整回路は、供給電圧を1以上の汎用プロセッサ回路又は機能特定プロセッサ回路に提供するように構成されている調整可能な出力を含み、
閾値下動作モードを確立することは、1以上の汎用プロセッサ回路又は機能特定プロセッサ回路において各電界効果トランジスタ(FET)の閾値下動作を確立するように調整可能な出力を調整することを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のセンサーノード。
【請求項7】
選択されたエネルギー消費レベルに基づいて、電力管理プロセッサ回路によって確立された閾値下動作モードを含む機能特定プロセッサ回路を備え、
デジタルプロセッサ回路は汎用プロセッサ回路からなり、
調整回路は、1以上の汎用プロセッサ回路又は機能特定プロセッサ回路に制御可能に接続される異なった特定の供給電圧を提供するように構成されている2以上の出力を含み、
電力管理回路は、閾値下動作モードを確立するため調整回路の各出力を1以上の汎用プロセッサ回路又は機能特定プロセッサ回路に接続することを制御するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のセンサーノード。
【請求項8】
クロック出力で特定の出力クロック周波数を提供するように構成されているクロック発生回路を備え、
電力管理プロセッサ回路は、選択されたエネルギー消費レベルに基づいて、デジタルプロセッサ回路に提供される出力クロック周波数を調整するか、又はデジタルプロセッサ回路に提供されるクロック出力をゲートするように構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のセンサーノード。
【請求項9】
生理的な信号を表示する情報を得るように構成されているアナログ入力を備え、
アナログ入力は、選択されたエネルギー消費レベルに基づいて電力管理回路の制御下で、デジタルプロセッサ回路に制御可能に接続可能であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のセンサーノード。
【請求項10】
アナログ入力はアナログデジタルコンバータを含み、
電力管理回路は、アナログデジタルコンバータを用いて調整回路への入力を表示する情報を得るように構成されており、
電力管理回路は、調整回路への入力についての得られた情報を用いてセンサーノードのエネルギー消費レベルを調整するように構成されていることを特徴とする請求項9記載のセンサーノード。
【請求項11】
デジタルプロセッサ回路又はアナログ入力に制御可能に接続可能な無線送信機を備え、
無線送信機は、選択されたエネルギー消費レベルに基づいて電力管理回路の制御下で、
アナログ入力によって得られた生理的な信号を表示する1以上の流された又は処理された情報を送信するように構成されていることを特徴とする請求項9乃至10のいずれか1項に記載のセンサーノード。
【請求項12】
選択されたエネルギー消費レベルに基づいて電力管理プロセッサ回路によって確立された閾値下動作モードを含む機能特定プロセッサ回路を備え、
デジタルプロセッサ回路は汎用プロセッサ回路からなり、
電力管理回路は、選択されたエネルギー消費レベルに基づいて1以上の汎用プロセッサ回路又は機能特定アクセラレータ回路を含むか又は排除するためにアナログ入力と無線送信機との間のデータパスを制御可能に確立するように構成されていることを特徴とする請求項11記載のセンサーノード。
【請求項13】
エネルギー消費レベルは少なくとも3つのレベルを含み、
これら少なくとも3つのレベルは、
汎用プロセッサ回路、アプリケーション特定プロセッサ回路、アナログ入力及び無線送信機が可能とされる第1エネルギー消費レベルと、
第1エネルギー消費レベルが選択されるときに無線送信機の対応するエネルギー消費量よりもより少ないエネルギーを消費するために、無線送信機がデューティ−サイクルされる第2エネルギー消費レベルと、
第1又は第2エネルギー消費レベルが選択されるときに無線送信機の対応するエネルギー消費量よりもより少ないエネルギーを消費するために、無線送信機がデューティ−サイクルされるか、又は無効となり、且つ1以上の汎用プロセッサ回路、アプリケーション特定プロセッサ回路又はアナログ入力が1以上のクロック信号又は供給電圧を受信することを妨げる第3エネルギー消費レベルとを含むことを特徴とする請求項11乃至12のいずれか1項に記載のセンサーノード。
【請求項14】
電力管理回路及びデジタルプロセッサ回路に接続される共有の命令メモリ回路を備えたことを特徴をする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のセンサーノード。
【請求項15】
1以上の電力管理回路及びデジタルプロセッサ回路に接続されるデータメモリ回路を備えたことを特徴とする請求項14記載のセンサーノード。
【請求項16】
調整回路、無線信機回路、デジタルプロセッサ回路及び電力管理回路の活性部は共有の集積回路装置において共通に集積されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載のセンサーノード。
【請求項17】
集積回路装置は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)装置からなることを特徴とする請求項16記載のセンサーノード。
【請求項18】
無線受信機回路は、1以上の誘導結合された電磁結合動作エネルギー又は放射結合された電磁結合動作エネルギーを受信するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載のセンサーノード。
【請求項19】
環境発電トランスデューサに接続可能な調整回路に接続された無線受信機回路によって、環境発電トランスデューサからの動作エネルギーを必要とすることなくセンサーノードの動作を確立するために十分な動作エネルギーを無線受信し、
調整回路への入力に基づいてセンサーノードのエネルギー消費レベルを選択し、
選択されたエネルギー消費レベルに基づいてデジタルプロセッサ回路の閾値下動作モードを確立し、この閾値下動作モードは、デジタルプロセッサ回路において電界効果トランジスタ(FET)の閾値下動作モードを確立するように調整回路によって提供される供給電圧を調整すること又は選択することを含むことを特徴とするセンサーノードの動作方法。
【請求項20】
一次電池又は再充電可能な電池を必要とすることなく環境発電トランスデューサを用いてセンサーノードを連続的に動作させるための十分な動作エネルギーを得ることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項21】
無線受信機回路によって、初期にセンサーノードの動作を確立するための十分な動作エネルギーを無線受信し、
更なる無線受信の動作エネルギーが無い状態で環境発電トランスデューサを用いてセンサーノードの動作用の持続的な動作エネルギーを得ることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
環境発電トランスデューサは熱電発電装置(TEG)を含むことを特徴とする請求項20乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
センサーノードの動作のリセット又は消滅を妨げるため少なくとも部分的にセンサーノードのエネルギー消費レベルを選択することを特徴とする請求項19乃至22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
供給電圧を1以上の汎用プロセッサ回路又は機能特定プロセッサ回路に提供するため調整回路の出力を調整し、
閾値下動作モードを確立することは、1以上の汎用プロセッサ回路又は機能特定プロセッサ回路において各電界効果トランジスタ(FET)の閾値下動作を確立するように調整可能な出力を調整することを含むことを特徴とする請求項19乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
閾値下動作モードを確立するために調整回路のそれぞれ異なった出力を1以上の汎用プロセッサ回路又は機能特定プロセッサ回路に制御可能に接続することを特徴とする請求項19乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
クロック出力で特定の出力クロック周波数を発生させ、
選択されたエネルギー消費レベルに基づいてデジタルプロセッサ回路に提供される出力クロック周波数を調整するか、又はデジタルプロセッサ回路に提供されるクロック出力をゲートすることを含むことを特徴とする請求項19乃至25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
選択されたエネルギー消費レベルに基づいてデジタルプロセッサ回路に制御可能に接続可能なアナログ入力を用いて生理的な信号を表示する情報を得ることを特徴とする請求項19乃至26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
生理的な信号は、1以上の心電図(ECG)、および脳電図(EEG)、又は筋電図(EMG)を含むことを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項29】
調整回路への入力について得た情報であってアナログ入力を用いて得た情報を用いてセンサーノードのエネルギー消費レベルを調整することを特徴とする請求項27乃至28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
無線送信機を用いて、選択されたエネルギー消費レベルに基づいてアナログ入力によって得た生理的な信号を表示する1以上の流された又は処理された情報を無線送信することを特徴とする請求項27乃至29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
選択されたエネルギー消費レベルに基づいて1以上の汎用プロセッサ回路又は機能特定アクセラレータ回路を含む又は除外するためのアナログ入力と無線送信機との間のデータパスを制御可能に確立することを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項32】
エネルギー消費レベルは少なくとも3つのレベルを含み、
これら少なくとも3つのレベルは、
汎用プロセッサ回路、アプリケーション特定プロセッサ回路、アナログ入力及び無線送信機が可能とされる第1エネルギー消費レベルと、
第1エネルギー消費レベルが選択されるときに無線送信機の対応するエネルギー消費量よりもより少ないエネルギーを消費するために、無線送信機がデューティ−サイクルされる第2エネルギー消費レベルと、
第1又は第2エネルギー消費レベルが選択されるときに無線送信機の対応するエネルギー消費量よりもより少ないエネルギーを消費するために、無線送信機が更にデューティ−サイクルされるか、又は無効となり、且つ1以上の汎用プロセッサ回路、アプリケーション特定プロセッサ回路又はアナログ入力が1以上のクロック信号又は供給電圧を受信することを妨げる第3エネルギー消費レベルとを含むことを特徴とする請求項29乃至31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
少なくとも1つのプロセッサ回路によって実行されるとき、少なくとも1つのプロセッサ回路を含む装置に請求項19乃至32のいずれか1項に記載の方法を実施させる命令を含むプロセッサ読み取り媒体。
【発明の詳細な説明】
【先の出願との優先権関係】
【0001】
発明者カルフーン等により2012年2月17日に出願された米国特許仮出願番号61/600,467(代理人番号01918−01)、発明の名称「バッテリー無し環境発電センサノードSoCおよびそれに関連した方法」の優先権の利益をここに主張するものであり別紙A乃至別紙Hと付された部分を含む仮出願の全体を参照によって本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
組み込みシステムは、監視、検知、制御又は防犯機能を含む様々なアプリケーションにおいて使用することができる。このような組み込みシステムは、サイズ、消費電力又は環境耐久性についての比較的厳しい制約に応じて特定のアプリケーションに合わせて作られている。
【0003】
特に、組み込みシステムの1つの種類は1以上の生理的なパラメーターを検知又は監視等を行うためのセンサノードを含むことができる。無線通信能力を有したセンサノードは無線センサノード(WSN)と称することができる。同様に、対象物の本体上に又は本体の近く又は本体内にあるセンサノードはボディエリアセンサノード(BASN)又はボディセンサノード(BSN)と称することができる。センサノードは、生理的な情報の連続的な監視、作動及び記録を可能とし、自動的又は遠隔追跡調査を容易とし、又は悪化していく生理的な状態が存在すると1以上の警報を提供する等の大きな利益を介護提供者に提供することができる。センサノードを用いて得られた生理的な情報は、糖尿病、喘息、心臓疾患といった種々の病気又は他の病気又は体調を診断、予防及び処置の助け等に使用される他のシステムに転送することができる。
【0004】
センサノードが、例えば、長期の監視能力又はウェアラブル性等の特徴を持っている場合には、センサノードは特定の値を患者又は介護者に提供することができる。医療コストが上昇するにつれて、又は、より多くの介護提供者が遠隔患者のフォーローアップ及び遠隔治療に移行する試みがなされるようになるにつれて、メンテナンス、交換、又はマニュアルの再充電をすることなくセンサノードを長寿命にすることがかつてないほど重要になっている。一般的に入手可能なセンサノードは、長期の運用能力又はウェアラブル性が欠如しているために広く採用されていないと、考えられる。
【0005】
例えば、大きな1次電池又は大きな再充電可能な電池を含むセンサノードは身につけるには快適ではなく、小さなバッテリーを有したセンサノードは、患者又は他のユーザーが必要な再充電又は取り替えの間隔に合わせることができないので未だ好ましくはない。同様に、情報をノードに伝達又は情報をノードから伝達するために、装着者又は介護者は手動で通信インターフェイスケーブルをノードに接続しなければならないので、導電性のデータ伝送インターフェイスを必要とするセンサノードは一般的に大きくて扱いにくい。無線通信回路はそのような厄介な有線のインターフェイスの必要性を減じるか又は排除することができる。しかしながら、そのような無線回路は相当量のエネルギーを消費するので、限られたエネルギー予算に負担をかけ、又は、一般的に入手可能なセンサノードの動作寿命を制限してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ボディセンサノード(BSN)等のセンサーノードは、各種システム機能の高集積を有した1以上の半導体デバイスを含むことができる。そのような半導体デバイスは、システムオンチップ又はSoCと称することができる。SoCは、1以上の汎用プロセッサ回路、特定目的のプロセッサ回路、アナログ信号コンディショニング回路、供給調整又はコンバータ回路、電圧又は電流基準回路、又は電力管理回路を含む等のシステムの全ての主要機能を実現するデジタル又は混合信号回路を提供することができる。
【0007】
本発明者らは、とりわけ、超低電力(ULP)技術がセンサーノードに含まれる1以上の回路に適用可能であることを認識した。ULP技術は、センサーノードの一部として含まれるSoCを実現するために使用することができる。例えば、センサーノード用のそのようなSoCは閾値下動作のために構成された1以上のアナログ又はデジタル部分を含むことができる。
【0008】
システムの特定の部分の動作を無効とする又は中止とするためのパワーゲーティング又はクロックゲーティング等、又は電力消費を減らすためのデューティ−サイクル、クロック周波数(例えば、クロックスロットル)、又は供給パラメータ(例えば、供給電圧スロットル)を調整することを含む他の技術を、閾値下動作に代えて、又は閾値下動作に加えて使用することができる。
【0009】
本発明者らは、また、センサーノードの動作可能な寿命が環境エネルギー源から得られる環境発電を用いて実質的に増加させることができるということを認識した。例えば、そのようなエネルギーは、熱勾配又は機械振動を用いて得ることができる。環境発電技術は、電池に依存するセンサーノードに比較して長期の動作可能な寿命を提供することができる。しかしながら、持続した動作を提供するため、環境発電センサーノードは、一般的に、環境発電で得られた量より少ないエネルギーを消費しなければならない。
【0010】
これを受けて、本発明者らは、また、電力管理プロセッサ回路が、閉ループ方式で監視された条件に応答する等して、各種のシステム部を通ってデータを有効とする、又は無効とする、又はスロットルする、又は別の経路に切り替えるために使用されうると認識した。例えば、環境発電トランスデューサによって提供されたエネルギー量は、時間とともに変化することができる。電力管理プロセッサ回路は、環境発電トランスデューサによって提供されるエネルギーのレベルを表示する情報を監視することができる。監視された情報を用いて、電力管理回路は、入力エネルギーの変化にもかかわらず、センサーノードの連続的動作(例えば、持続的動作)を提供するためセンサーノードのエネルギー消費レベルを調整することができる。
【0011】
エネルギー消費量は、3個又は4個のレベルのエネルギー消費スキーム、又は他のレベルのスキームを用いる等、モード又はレベルによって特定されうる。センサーノードは、消滅又はリセットを避けるためそのようなエネルギー消費レベル間で切り替えることができる。リセットの場合、センサーノードは、監視を再開、コミュニケーションを再開、又は1以上の他の機能を再開する等、特定モードの動作に復帰することができる。
【0012】
一例では、センサーノードは、センサー装置内に一次電池又は再充電可能な電池を搭載することなく又は組み込まれることなく動作可能であるように、バッテリー無しでよい。一つのアプローチでは、熱電発電機(TEG)の、数十ミリボルト(mV)等の、比較的低電圧出力をセンサーノード回路の1以上の他の部分とともに使用するために特定される高電圧レベルに変換することができるブーストコンバータ回路及び調整器の構造が使用されうる。一例では、無線受信機回路は、センサーノードの動作を確立するため無線で連結されたエネルギーの初期バーストを受信するなど、1以上のブースト回路又は調整器に接続することができる。
【0013】
一例では、センサーノードの一部として含まれる集積回路は、環境発電トランスデューサに接続可能な入力装置を有した調整回路を含むことができる。集積回路は、調整回路に接続され、環境発電トランスデューサを必要とせず、センサーノードの動作を確立するのに十分な動作エネルギーを無線で受信するように構成されている無線受信機回路を含むことができる。集積回路は、調整回路に接続されたデジタルプロセッサ回路および電力管理プロセッサ回路を含むことができる。デジタルプロセッサ回路又は1以上の他の回路は、選択されたエネルギー消費レベルに基づいて電力管理プロセッサ回路によって確立された閾値下動作モードを含むことができる。例えば、閾値下動作モードを確立することは、デジタルプロセッサ回路又は他の回路において電界効果トランジスタ(FET)の閾値下動作を確立するために供給電圧を調整又は選択することを含むことができる。
【0014】
ここの例で説明されているセンサーノードのアップリケ−ションは、生理的な又は健康管理のアプリケーションに限定される必要はない。例えば、そのようなセンサーノードは、監視制御又はユーティリティの自動化、インフラ、又はエネルギーシステム、構造的な健康管理、監視、又は生息地監視又は野生生物管理等の環境監視をサポートするなど、より一般的には遠隔監視又は遠隔感知に関連した様々なアプリケーションにおいて使用されうる。
【0015】
この概要は、本特許出願の主題の要約を提供することを意図している。本発明の排他的又は完全な説明を提供することを意図してはいない。詳細な説明は、本特許出願についての更なる情報を提供するために含まれている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
必ずしも一定の基準で描かれていない図面中、同様の符号は異なった図において類似の構成要素を説明している。異なった文字の接尾辞をもった同様の符号は類似の構成要素の異なった例を示すことがある。図面は、概して、例を示しているが制限するものではなく、本明細書において説明される種々の実施形態を図示している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、調整回路、電力管理回路、無線受信機回路、又はデジタルプロセッサ回路を含むことができるシステムの一例を一般的に図示している。
図2図2は、1以上の生理的な信号を示す情報を得るように構成されているアナログ入力を含むことができるシステムの例を示している。
図3図3は、アナログ入力、電力管理回路、調整回路ブロック、1以上の機能特定プロセッサ回路、又は汎用プロセッサ回路を含むことができるシステムの例を概略示している。
図4A図4Aは、無線受信機回路又はコンバータ回路を含むことができるシステムの一部の図示例を示している。
図4B図4Bは、無線受信機回路に提供される無線で接続されたバーストパルスに対応するプロット、電力コンバーター回路の出力ノード、及び環境発電トランスデューサの出力に対応する電力コンバーター回路への入力の実例を図示している。前記実例は、図3又は図4Bの例において示されるようなシステムの少なくとも一部を用いて実験的に得られる。
図5図5は、電力管理プロセッサ回路が特定のエネルギー消費レベルに基づいてシステムの他の機能ブロックの種々のパラメーターを調整又は制御することができる場合の、電力管理プロセッサ回路に接続された命令メモリを含むことができるシステムの一部の図示例を概略的に図示している。
図6図6は、汎用プロセッサ回路、電力管理回路、又は機能特定プロセッサ回路等の1以上の他の回路の間で共有されうる命令メモリを含むことができるシステムの一部の図示例を概略的に示す。
図7図7は、特定のエネルギー消費レベルに基づいて確立されたデータパスを含むことができるような、データ処理又はデータの無線送信のための1以上の制御可能なデータパスを含むことができるシステムの一部の図示例を概略的に示す。
図8図8は、センサーノードの一部として含まれうる調整回路の一部など、システムの一部の図示例を概略的に示す。
図9図9は、調整回路入力を示す情報を提供するように構成されている監視回路を含むことができるシステムの一部の図示例を概略的に示している。
図10図10は、図3の例で示されるシステムを用いて実験的に得ることができるような、自動的に制御された異なったエネルギー消費レベルに相当するシステムの各種パラメーターを含んでいるプロットの図示例を概略的に示している。
図11A図11Aは、センサーノード等のシステムによってリアルタイム又はリアルタイムに近い状態で送信されうるような心電図の実際の表示及び再構築された表示に対応するプロットの図示例を概略的に示している。
図11B図11Bは、調整回路への入力を監視するなどのために調整回路への入力をサンプリングし入力が切り替えられる期間を含み、アナログ−デジタルコンバータ入力に提供される情報の検知された表示に相当するプロットの図示例を概略的に示す。
図12図12は、図3の図示例のシステムの少なくとも一部に相当するような集積回路の注釈付き顕微鏡図を概略的に示す。
図13図13は、図1から図9の1以上の例で示されるようなシステムを用いて含むことができる方法等の技術を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、センサノード等のシステム100の一例を一般的に図示している。システム100は、調整回路104、電力管理プロセッサ回路130、無線受信機回路142、又はデジタルプロセッサ回路132を備えることができる。システム100は、例えば、放射結合又は誘導結合等の電磁結合エネルギー112を受け取るように構成されたアンテナ140を備えることができる。このような電磁結合エネルギー112は、概略キロヘルツ(kHz)の範囲から数十または数百メガヘルツ(MHz)の範囲にわたって選択される特定範囲の周波数に相当する、又は、1以上の他の領域の周波数を含むような高周波(RF)エネルギーと称することができる。無線受信機回路142は、特定範囲の周波数に相当する電磁結合エネルギー112を捉えるような又は他の範囲の周波数を拒否するような同調受信機、プレセレクター、又は1以上の他の回路を含むことができる。
【0019】
システム100は、例えば、1以上のピエゾ圧電トランスデューサ、直線又は回転装置等の機械−電気トランスデューサ、光起電力トランスデューサ又は他の光電変換トランスデューサ又は熱電発電装置(TEG)等の環境発電トランスデューサ114を含むことができるか又は連結することができる。調整回路104への入力136は、1以上の無線受信機回路142、又は環境エネルギートランスデューサ114から受信するエネルギーによって駆動することが可能である。このように、システム100は無線受信機回路142又は環境発電トランスデューサ114を用いて動作エネルギーを受信することができる。例えば、システム100は、1以上の無線連結エネルギー112又は環境発電トランスデューサ114により提供されるエネルギーを用いて、連続して動力源を供給するため又は長期間の操作などのために、一次電池又は再充電可能な電池を必要としないで操作することができる。
【0020】
調整回路104は、固定又は調整可能な出力電圧の1以上の出力を、供給ノード198を含むようなシステム100の1以上の他の部分に提供することができる。以下の例で示されるように、環境発電トランスデューサ114から得られるエネルギーは、電圧を上昇させるコンバータ等の、1以上の他の回路によって調整可能であるか又は変換可能である。
【0021】
調整回路104への入力は、電力管理プロセッサ回路130によって監視されるように、電力管理プロセッサ回路130に連結可能である。電力管理プロセッサ回路130は、1以上のデジタルプロセッサ回路132に連結された1以上のバス(例えば、第1バス138)又は機能特定プロセッサ回路134のような他の機能ブロック等のシステム100の他の部分に連結することが可能である。
【0022】
システム100のデジタル部102の1以上の部分は閾値下の動作モードを含むことができる。1以上の電力管理プロセッサ回路130、デジタルプロセッサ回路132、機能特定プロセッサ回路134、又は1以上のデジタル又は混合信号回路等のようなシステム100における1以上の他の回路において、電界効果トランジスタ(FET)の閾値下の動作を確立するように調整回路によって提供される供給電圧を提供、調整、又は選択する等の閾値下の動作モードを確立することができる。
【0023】
閾値下の動作は、ゲートソース間電圧が1以上のFET用の閾値電圧(V)以下に確立されており、ゲートソース間電圧の関数としてドレインソース間電流への1次指数関数的依存性という結果をもたらす弱反転モードにおいて1以上のFETを動作するものとして説明することができる。供給電圧に連結された部分において全てのFETの閾値電圧以下のVDD−VSS間電圧を有した供給電圧を提供する等の閾値下の動作を確立するために種々の技術を用いることができる。
エネルギー効率、最大クロック速度、及び供給電圧の間にはトレードオフが存在し得る。閾値下の動作は単一の供給電圧に限定する必要はない。例えば、1以上のクロック周波数又は供給電圧は、以下の例で説明するように低消費電力を維持しながら、特定レベルの計算能力又は他の操作上の性能を提供するように調整可能である。
【0024】
他の基準は、電流密度の視点を用いる等閾値下の動作を特定又は説明するために使用することができる。例えば、閾値下の動作は、相互コンダクタンス(例えば、g)が相対的又は絶対的な最大値であるFET動作の領域、又は相互コンダクタンスが閾値電圧及びドレイン電流に主として依存しゲートソース間電圧における変化に対して弱い依存性のみを示す(又は依存性を全く示さない)FET動作の領域として説明することができる。無線受信機回路又は環境発電トランスデューサを用いて得られる利用可能なエネルギーが極めて限定(例えば、マイクロワット程度)されているが、そのような閾値下の動作は、他の技術とともに又は他の技術の代わりに、システム100に長寿命を提供することができる。
【0025】
電力管理プロセッサ回路130は、調整回路104への入力136を監視することによって又は他の電圧、電流、動作状態等のシステムにおける他のパラメーターを監視することによって得られる情報を用いるなどして、システム100のエネルギー消費レベルを調整するように構成され得る。
【0026】
図2は、図1の例の態様と同様又は図1の例の態様を組み込むなどのシステム200の例を示している。システム200は、例えば、心電図(ECG)、脳電図(EEG)、又は筋電図(EMG)等の1以上の生理的な信号を示す情報を得るように構成されているアナログ入力144を備えることができる。そのような生理的な信号はExGシグナルと総称的に称することができる。例えば、呼吸、神経作用、動き等の1以上の生理的なパラメーターに相当するような他の生理的な情報を得ることができる。アナログ入力144は生理的な情報を得ることに制限される必要はない。例えば、他の情報が、遠隔監視、検知又は監視を含むアプリケーション又は他のアプリケーションのためなどのアナログ入力によって得られる。
【0027】
図2の例では、アナログ入力144(すなわち「アナログフロントエンド」(AFE))は、入力ノード116に接続された生理的な信号をバッファリングする又は増幅するための1以上の増幅器ステージを含むことができる。増幅器118の出力は、連続的な逐次比較型レジスタ(SAR)トポロジーを含むコンバータ120等のアナログ−デジタルコンバータ120に接続することができる。
【0028】
システム200は汎用プロセッサ回路(例えば、マイクロコントローラユニット又は他の汎用プロセッサ回路)、1以上の機能特定プロセッサ回路(例えば、1以上の機能を実施するようになっているアクセラレータ回路)、1以上の記憶回路、又は電力管理プロセッサ回路を含むようなデジタル部102を備えることができる。システム200は、システム200から他のシステム又は位置へ信号をテレメトリングするためなどの無線送信回路122を備えることができる。
【0029】
図1の例及び他の例で説明するように、システム200は、調整回路104等の1以上の調整回路に接続されるコンバータ回路106を含むような調整部108を備えることができる。調整回路104の出力198はシステム200の他の部分に接続することができる。調整部108は、電磁結合による動作エネルギー112を受信するようになっているような無線受信機を備えることができる。例えば、TEG214又は他の環境発電トランスデューサは、コンバータ回路の入力110に接続することができ、コンバータ回路は、図3又は図4Aの例で示されるように調整回路104に接続されるような出力を提供することができる。コンバータ回路106の出力はシステム200の初期動作を確立するためには不十分である。例えば、被験者の本体部の熱から得られる等、TEG214によって提供されるエネルギーはシステム200の連続的な動作を維持するために十分である。しかしながら、そのようなエネルギーは、システム200の初期動作を開始又は確立するためには不十分である。
【0030】
このシナリオにおいて、図4Bの例で示すように、電磁結合による動作エネルギー112は、システム200の1以上の調整又は制御機能を始めるためにコンバータ回路106の出力に十分なエネルギーを確立するため、又はシステムにおける1以上のコンデンサーに初期のチャージ状態を確立するために、調整部108によって受信される。
【0031】
図3は、図1又は図2の1以上の例の態様に類似しているか又はその態様を組み込んだシステム300の例を概略示している。システム300は調整部304、アナログ入力326(例えば、アナログフロントエンド)、デジタル部302(例えば、閾値下動作用に構成されている1以上の部分を含む)、無線送信機回路322、又は1以上の他の機能ブロック又は部分を含むことができる。
【0032】
システム300の1以上の部分は、図12の図示例のように、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)集積回路等の集積回路の一部として共に集積されうる。用語「金属酸化膜半導体」の使用は、ゲート電極が金属でなければならない、ということを意味していない。CMOS回路に含まれるFETにおけるゲート電極はポリシリコン導電部、又は他の導電部を含むことができる。
【0033】
図3の図示例では、調整部304は、図4A又は図8の図示例に示されるように、種々の回路又はサブシステムを含むことができる。調整部304はTEG314に接続することが可能である。調整部304は、蓄積キャパシタ(例えば、外部蓄積キャパシタ)に接続されるブーストコンバータ338の出力ノード336(例えば、Vブースト)で、約30mVの電圧レベルから、約1.35Vといった特定の昇圧された電圧までTEGからのエネルギーを変換するようになっているようなブーストコンバータ338を含むことができる。
【0034】
図3の図示例では、調整部304は、システム300の他の部分に各々調整された電圧供給を行うためなどの多重調整回路を含むことができる。例えば、調整部304は、1以上の基準回路(例えば、バンドギャップ基準)、又は1以上のクランプ回路等の他の回路を含むことができる。電磁結合エネルギー312は、整流回路340を用いる等してブーストコンバータ338の出力ノード336に提供されうる。調整部は、ブーストコンバータ338の出力ノード336の過電圧条件を防止するためクランプ回路を用いることができる。
【0035】
アナログ出力326は、図3又は図9の図示例において示される4−チャンネル構造等の各入力チャンネル318を備えることができる。各入力チャンネルは、各固定又は可変利得増幅器(VGAs)に接続されるなどの各低ノイズ増幅器(LNAs)を備えることができる。図3の図示例に示されるような8ビットSAR ADC320などの、1以上のアナログ−デジタルコンバータが含まれる。各入力チャンネル318は、マルチプレクサを用いる等してADC320に多重送信することができる。直列のLNAとVGA構造を使用することによって、ADC320の全範囲にアプローチする数マイクロボルト(μV)の範囲において生理的な信号をスケーリングすることができる。そのようなスケーリングは、1チャンネルあたり約4マイクロワット(μW)以下の消費電力の生理的な信号の取得又は分析のための十分な解像度を依然として保持しながらADCの垂直ビットの解像度を緩和するために用いることができる。
【0036】
アナログ入力326を用いて得られた情報は、デジタル部302に提供することができる。デジタル部302は、デジタル電力管理(DPM)プロセッサ回路330の制御下のように閾値下動作用に構成することができる。DPM330は、特定のエネルギー消費レベルに従ってシステム300のエネルギー消費状態を制御する等のためにシステム300のモード制御を提供することができる。そのようなエネルギー消費量の制御は、種々の他の部分に対するパワースロットル又はクロックスロットル又はパワーゲーティング又はクロックゲーティングを含むことができる。
【0037】
例えば、DPM330を使用するときなどのエネルギー消費量は、ブーストコンバータの出力ノード336の監視に基づいて、さもなければ利用可能なエネルギーの評価に基づいて、1以上の機能ブロックに提供される電圧(例えば、「ダイナミックボルテージスケーリング」(DVS)の提供)を自動的に調整するために、調整部304によって提供される1以上の電圧供給を選択又は調整することによって制御可能である。
【0038】
デジタル部302は、汎用プロセッサ回路332(例えば、マイクロプロセッサ又は8ビットのマイクロコントローラユニット(MCU))等の他の回路を含むことができる。デジタル部302は、1以上の機能特定プロセッサ回路(例えば、機能特定アクセラレータ)を含むことができ、例えば、プログラム可能なフィルター334A(例えば、有限インパルス応答(FIR)フィルター)、エンベロープ検知回路334B、又は他の機能特定回路(例えば、細動検出回路、R波間区間推定量回路)を含むことができる。デジタル部302は、命令記憶回路350(例えば、図3の図示例では1.5キロバイトを有する)等の、1以上の記憶回路を含むことができる。命令記憶回路350は読み取り専用メモリー(ROM)として実行することができ、またスタティックRAM(SRAM)回路等の再プログラム可能なランダムアクセスメモリー(RAM)であってもよい。
【0039】
図3の図示例では、システム300は、命令記憶回路350から分離したようなデータ記憶回路348を含む等の、修正ハーバードアーキテクチャーを備えることができる。先入れ先出し(FIFO)バッファトポロジー等の他のメモリー又はバッファを含むことができる。
【0040】
DPM330は、図6の図示例に示されるように、命令記憶回路350に保存された命令によって動作するように構成されている単純化された命令セットアーキテクチャー(ISA)を含むことができる。同様に、汎用のプロセッサ回路332も命令記憶回路350に保存された命令によって動作するように構成されうる。しかしながら、汎用のプロセッサ回路332は、DPM330と同一の命令セットを使用する必要はない。
【0041】
図示例では、システム300の1以上の部分は、1以上の記憶回路(例えば、SRAM)を含むようなNストロングCMOS集積回路技術を備えることができる。例えば、システム300の1以上の記憶回路は、ベルマ、他著「256キロバイト65nmの8T閾値下SRAMを用いたセンスアンプの冗長性」IEEE固体回路部会のジャーナル1号43巻 p.141−149、2008年1月発行、に示されるトポロジーに類似しているような8トランジスタビットセルトポロジーを含むことができる。(この文献全体の参照によってこの明細書に組み込まれる。)図示例では、書き込み中に半選択といった不安定性を除去し、読込と書込の両方はメモリの全列に適用することができる。
【0042】
図示例では、データ記憶回路348は、基底基準の安定性を高める動作時に1.2VにオーバードライブされたNMOSフッターによって個々にパワーゲーティングされうる4×1kBバンク等のバンクに仕切ることが可能である。そのようなパワーゲーティングはシステム300の特定のエネルギー消費レベルに相当するようなDPM330によって制御されうる。
そのような図示例において、実験的に得られる測定値は、130ナノメータ(nm)プロセッサノードで得られる、約200kHzを1クロックとするような0.3V供給電圧への記憶トポロジーの信頼性のある動作を示すことができる。
【0043】
図3の図示例に示すように、システム300は無線送信機回路322を含むことができる。例えば、そのような送信機回路は医療用インプラント通信システム(MICS)用の約400MHzから約433MHzまでの周波数の領域内のバンド、又は産業科学医療用(ISM)バンドを用いて、又はセンサーノードアプリケーションにおいて使用するための関連するスペクトルを当局によって分配された1以上の他の周波数領域を用いて動作するように構成することができる。
【0044】
図3の図示例において、ADC320を用いて得られた情報はパケタイザーに連結することができ、デジタル部302によって処理を必要とすることが無いように、送信機回路322によって流されることができ、又、そのような情報は処理の間又は処理後などにデジタル部302によって提供されうる。例えば、そのような情報は生理的な信号又は他の検知信号のデジタル化された表示を含むことができ、また、そのような情報は図11A又は図11Bの図示例において示されるようにそのような信号から抽出された1以上のパラメーターを含むことができる。
【0045】
無線受信機回路322は、DPM330の制御下でデューティ−サイクル化された、あるいはそうでなければデューティ可能な又はデューティ不可能な等のサブミリワット(mW)動作のために構成することが可能であり、1以上の大きな個別のバケット又はフィルター用のコンデンサーの必要性を避けることができる。無線送信機回路322は、1秒あたり約200キロビット(kbps)の伝送速度、又は1以上の他の変調技術、操作周波数範囲又はデータ転送速度を提供する等のために、2値FSK(BFSK)のように周波数偏移変調(FSK)を使用することができる。
【0046】
図示例では、無線送信機回路322は、特定のキャリア周波数の約1/9で局部発振器(LO)を操作することによってシンセサイザの電力を減らすための周波数逓倍送信機アーキテクチャーを含むことができる。例えば、内蔵した電力増幅器(PA)を有したエッジ結合器(EC)を駆動するために並列のリング発振器を用いて周波数逓倍を行うために等間隔のエッジを発生することができる。こうして、そのような周波数逓倍は、水晶振動子からハーモニック注入同期を提供することができる。そのような技術は、位相ロックループ(PLL)を使用する必要がない。代わりに、低周波数のリング発振器を内蔵水晶基準に注入同期する。そのような注入同期は、無線送信機回路322の積極的なデューティ−サイクルを許容するように、PLLベースのアプローチに比較して急速な整定時間を提供することができる。
【0047】
単一の位相基準を用いた多相のリング発振器を直接に注入同期することは重大なミスマッチを引き起こしうる。その代わり、直列の多相注入同期スキームは位相と振幅のミスマッチを修正するために使用することができる。内蔵BFSK変調は水晶の基準クロックを変えることによって提供されうる。例えば、負荷コンデンサーを変調することによって、水晶周波数は約200ppmまで変えることができる。この図示例では、9xの乗算の後、無線送信機回路は約100kHzの周波数偏差を提供することができ、約100kbpsより速い無線情報転送速度を提供することができる。
【0048】
図示例では、無線送信機回路322は、約200kbpsの転送速度で転送する時に約160μWを消費することができる。図11A及び図11Bの図示例で示すように、ストリーミングデータ転送モードにおいて、無線送信機回路322は100%のデューティ−サイクルで動作することができる。R波間摘出モードなど、別のモード(異なったエネルギー消費レベルに相当する等)において、無線送信機回路322はデューティ−サイクルであることができる。そのようなデューティ−サイクルは、無線送信機回路322の電力消費を約0.013%、電力消散で約190nWに相当する電力消費を減らすことができる。パケタイザーは、汎用の受信機回路と互換性を提供するようにプログラム可能な又は特定されたパケットヘッダー及び周期的冗長検査(又は他のエラー検知又はエラー訂正)を提供することができるように構成されている。
【0049】
図4Aは、センサーノード等のシステムの一部の図示例400を示し、この図示例400は無線受信機回路440(例えば、整流回路)、又はコンバータ回路438(例えば、ブーストコンバータ)を含むことができる。コンバータ回路438はTEG414Aに接続されうるか又は接続することができるようになっている。コンバータ回路438は、図1乃至図3の例又は他の例に示されるように、センサーノード等のシステムの他の部分に連結された出力436A(例えば、Vブースト)を提供することができる。例えば、リセット発生回路496は、出力436Aで提供される電圧の監視に応答して電源投入時リセット(POR)を発生又は防止するように出力436Aに接続することができる。
【0050】
TEGは、特定のサイズ(例えば、面積)のTEG414A全体に特定の温度差から確立される電圧を提供するようになっているような直列の熱電対列から構成されている。例えば、一般的に入手可能な熱電対(例えば、テルル化ビスマス)のゼーベック係数は、1℃あたり約±0.2ミリボルト(mV)(mV/℃)である。
【0051】
約1℃の特定の温度勾配のために、1×1センチメートル(cm)のTEGは、一般的に1Vよりはるかに低い電圧を提供する。そのような温度勾配はTEG414Aの近くの環境によって更に減少させることができる。例えば、TEG414Aを囲んでいる空気は、熱電対列の全体に渡って有効な温度勾配を大幅に減らすことができる大きな熱抵抗を示すことができ、更にTEG414A出力で得られる電圧を制限する。従って、TEG414A等の環境発電トランスデューサを用いたシステムは、数十mVの範囲でのみ可能であるTEG出力をより高い電圧レベルに上昇させることができるように構成されている。カールソン、他著「熱電力環境発電のための効率的なデジタル制御を伴う20mV入力ブーストコンバータ」IEEE固体回路部会のジャーナル4号45巻2010年4月4日発行に示されるコンバータアーキテクチャー等の種々のコンバータ回路438のトポロジーが使用されうる。この文献全体の参照によってこの明細書に組み込まれる。
【0052】
TEG414Aを含むことができる図示例においては、動作エネルギーの1以上の他のソースを、システム(例えば、センサーノード)の初期動作(例えば、始動)を確立することに利用することができる。そのような動作エネルギーの他のソースは、バッテリー又は機械的なスイッチを含むことができる。しかしながら、そのようなバッテリー又はスイッチは大きさが大きい。本件発明者は、とりわけ、無線で接続されたエネルギー(例えば、ラジオ周波数(RF)パルス)をシステムの初期動作を確立するために使用されるというように、無線受信機回路440のアンテナ412Aに提供することができるということを認識した。例えば、1ミリワット(dBm)に対して−10デシベルの比較的低い電力レベル等のように、付随的な電磁結合による動作エネルギーは、1〜2秒の間など1以上の蓄積キャパシタを予め充電するため、又は、システムの1以上のノードで特定の初期条件を確立するために提供することができる。
【0053】
図4Aの例400においては、電磁的な結合によるエネルギー(例えば、放射的、又は誘導的に結合した)は受信機回路440によって整流することができる。例400は、受信した電磁的な結合による動作エネルギーの存在下で、潜在的な有害過電圧条件を防止するために出力ノード436Aを特定範囲の電圧に規制するように分路クランプ回路494等の他の回路を含むことができる。図400の例の1以上の部分は、共通した集積回路に共通に集積することができる。1以上のインダクター又はコンデンサー等の、より大きな受動素子は共通したプリント組立体又はモジュール上に位置させることができ、且つ、集積回路に接続することができる。そのような素子は「オフ−チップ」と称することができる。
【0054】
上述したように、入力で約−10dBmのレベルなどの付随的な電磁結合によるエネルギーを受信機回路に提供することができる。6段階整流チャージポンプ回路は、付随的な電磁結合による動作エネルギーを出力ノード436Aに接続するために使用することができる。リセット生成回路496はバンドギャップ基準であることが可能で、且つ出力ノード436Aを監視すること等によって、PORをシステムに提供することができる。例えば、出力ノード、Vブーストが、1Vに達する時、PORはアサートを停止することができる。
【0055】
リセット生成回路496におけるヒステリシスはPOR回路の好ましくないトグリングを防止することができる。例えば、PORトリガーレベルは、出力ノード436Aが特定の電圧を下回る時にPORの発生が可能であるように特定されうる。前記特定の電圧は、チップが正確に機能することができなくなる電圧であって、1Vをはるかに下回った電圧である。そのような特定のトリガー電圧であるVKILLは、基準に合って生成した基準電圧又は維持されたエネルギー変換の信頼性という結果になる最小VBOOSTについての情報を用いて決定することができる。
【0056】
図4Bは、図4Aの無線受信機回路440に提供される無線で接続されたバーストパルス412に対応するプロット、図4Aの電力コンバーター回路438の出力ノード436Aの電圧436Bのプロット、及び環境発電トランスデューサの出力に対応する電力コンバーター回路438への入力のプロット414Bの実例を図示している。前記実例は、図3又は図4Bの例において示されるようなシステムの少なくとも一部を用いて実験的に得られる。
【0057】
TEGプロット414Bは、初期起動及びTEGによって提供されうる電圧の安定化を概略的に図示している。例えば、図4Bに示すように、TEG出力が落ち着いた後、ショートバーストパルス412が、プロット436Bで示されるように出力ノード436A上の蓄積キャパシタを無線で充電するために提供されうる。この図示例では、出力ノード436A上の電圧が600mVに到達した直後に、ブーストコンバータは機能することができ、蓄積キャパシタを更に約1.35Vに充電することができる。それから、システムは、更なるバーストパルス412無しで、延長した期間、連続的にシステムはその機能を続けることができる。しかしながら、出力ノード(例えば、VBOOST)が特定のトリガー電圧(例えば、VKILL)以下に低下する場合、環境発電エネルギーを超えるエネルギー消費が長期間に渡ることにより又は環境発電エネルギーが無い場合、システムはリセットすることができ、或いは、動作を完全に失わせることができる。そのような消滅は「ノード死」と称することができる。
【0058】
出力ノード436AがVKILLといったトリガー電圧を下回る例において、システムは自動的に停止することができる。その後、システムは、図4Bの図示例に示されるようなシーケンスを用いる等によって「再生」又は再スタートすることができる。システムは、停止前に記憶されたプログラム状態を含む不揮発性のメモリを用いる等、処理の状態を把握維持した状態で再スタートすることができるか、あるいはシステムは、ROMに含まれるようなブートローダー又はデフォルトプログラムを含む特定のメモリー位置から再スタートすることができる。
【0059】
図5は、システムの一部の図示例500を概略的に図示している。システムは、電力管理プロセッサ回路530が、特定のエネルギー消費レベルに対応させて、システムの他の機能ブロックの種々のパラメーターを調整又は制御できる場合などのように、電力管理プロセッサ回路530(例えば、DPM)に接続された命令メモリ550を含むことができる。
【0060】
図5の図示例において、電力管理プロセッサ回路530は調整回路(例えば、コンバータ回路536の出力)への入力ノード、又は1以上の他のノードを監視することができる。そのような監視は、図9の図示例に類似したアナログ入力526Aを用いるなど、又は1以上の他の例に示されるように行うことができる。ADC520は、コンバータ回路の監視出力を示す情報を電力管理プロセッサ回路530に提供することができる。この情報を用いて、電力管理プロセッサ回路は、可能、不可能、又は他の機能ブロックのスロットルオペレーションなどと、システムのエネルギー消費レベルを自動的に調整することができる。
【0061】
例えば、電力管理プロセッサ回路530は、1以上のメモリアクセスコントローラ又はデータメモリ回路548、1以上の機能特定プロセッサ回路534、又は無線送信機回路522のエネルギー消費レベルを制御することができる。デジタルパケタイザー552は、データを無線送信機回路522に流すために使用することができる(例えば、特定のパケタイズされたフォーマットで送信するためにシリアルデータを提供すること)。
【0062】
一例においては、システムは、デジタル部の1以上の部分がデータメモリ回路548にアクセスすることを可能とするようなダイレクトメモリアクセス(DMA)能力を含むことができる。DMAコントローラは、データメモリ回路548(DMEM)とシステムの1以上の他の部分との間をインターフェイス接続するエネルギー効率閾値下デジタル回路を提供することができる。例えば、電力管理プロセッサ回路は、効率的なデータストリーミング能力を提供するために、FIFOアクセスモードにおいて、DMEMの少なくとも一部へのアクセスを提供するDMAコントローラに対する命令を含むことができる。クロックマルチプレクサは、DMAコントローラが接続される1以上の他の機能ブロックとDMAクロックレートを同期するために使用可能である。一例においては、データメモリ回路548は、理論的又は物理的に特定のエネルギー消費レベル(例えば、1以上の図示例において説明する「ストップライト」スキームを用いて)に対応する複数のバンクに分けることができる。
【0063】
2つの8ビットスイッチボックスバス等の1以上のバスは、DPM530によって制御されうる。そのようなバスは、MCU、DMA、又はパケタイザー552などのデジタル部の他の部分の入力、又は出力に制御可能に接続されうる。図示例では、各入力または出力バスポートは4ビットアドレスを持つことができる。2以上のバスを持つことはデータステアリング又は制御を容易とすることができる。
【0064】
他の例で説明したように、センサーノード等のシステムは、図5に示すアナログ入力526A等のマルチチャンネルアナログ入力(例えば、AFE)を含むことができる。例えば、アナログ入力526Aは、各完全差動型チョッパ−スタビライズド低ノイズ増幅器(LNA)又は可変利得増幅器(VGA)を含むような、4つの独立して構成可能な入力チャンネルを含むことができる。例えば、LNAに含まれている演算相互コンダクタンス増幅器(OTA)のフリッカノイズコーナーを超える約20kHzのチョッパ周波数を使用することができる。OTA出力を飽和させる可能性があるOTAオフセットの増幅を減らすために、入力キャパシタの前に入力チョッパスイッチを配置することができる。入力キャパシタにおけるミスマッチは、差動モード利得に対してコモンモードになる。従って、ACシグナルの増幅のために、入力でのDCオフセット電圧をブロックする又は減らすため、オフ−チップキャパシタ及び抵抗器を用いるなどして、増幅器を、AC結合とすることができる。
【0065】
そのようなトポロジーは、他の対応するトポロジーよりも低い入力インピーダンスを提供することができるが、定常状態のシミュレーション結果に基づくと、入力インピーダンスは依然としてメガオーム(MΩs)のオーダーでありうる。そのような入力インピーダンス範囲は、ExG信号の監視又は他のセンシングアプリケーションのため等のように、生理的な監視のために使用されることができる。
【0066】
設定可能またはプログラム可能なGm−Cフィルターは、ノイズフロアを下げてスイッチングリップルを抑制または無くすのに役立つことができる。図示例では、接続されたLNAとVGAは、約3μW/チャンネルの電力消費でDCから320Hzへの7段階デジタル化プログラマブルゲイン(40−78dB)を提供することができる。図9などの例において説明したように、A−5入力マルチプレクサ、又は他のトポロジーは、各入力チャンネルをサンプリングするADC520、又はエネルギー消費状態または蓄えられたエネルギーレベルを監視するなどのVBOOSTコンバータ回路出力ノード536などのサブマイクロワット(sub−μW)8ビットSAR ADCに入力を提供することができる。
【0067】
図6は、センサーノード等のシステムの一部の図示例602を概略的に示す。図示例602は、汎用プロセッサ回路(例えば、MCU632)、電力管理プロセッサ回路(例えば、DPM630)、又は特定機能プロセッサ回路等の1以上の他の回路の間で共有されうる命令メモリ(IMEM)650を含むことができる。図6の図示例602においては、MCUはIMEM650をDPM630と共に共有することができる。例えば、各マルチプレクサ660A又は660Bは特定のコードワードを用いる等して各命令をMCU632又はDPM630にステアリングすることができる。
【0068】
一例では、DPM630は、MCU632が命令を実行をしている時などに、自動的により低いエネルギー消費状態(「節電」モードと称することができるような停止状態又は動作しない状態)に入るように構成することができる。同様に、DPM630が1以上の命令を実行する時、MCU632は、省エネルギーを図るために電源を切るか、又は状態を保存するためにクロックゲートすることができる。こうして、余分な命令またはデータ記憶スペースを必要とすることなく、MCU632は汎用のプロセスの適用性を提供することができ、DPM630は、効率的なエネルギー消費レベルの制御を提供することができる。
【0069】
図7は、センサーノード等のシステムの一部の図示例700を概略的に示す。図示例700は、特定のエネルギー消費レベルに対応して確立されたデータパスを含むことができるように、データ処理又はデータの無線送信のための1以上の制御可能なデータパスを含むことができる。
【0070】
実施例等で説明されているDPM等の電力管理プロセッサ回路は、電力管理責任を提供することができる。DPMは、特定のエネルギー消費レベルに対応するなどして、1以上のデータ信号パスを管理することができる。図6の図示例で説明したように、DPMは、以下の表1の図示例で示されるように、システムを制御するための1以上の汎用プロセッサ回路を用いることに比較してより少ない動作エネルギーを消費するなど、命令メモリ(例えば、1.5kB命令メモリ)からの命令を実行することもできる。
【表1】
ここのいずれかで説明したように、DPMは、汎用プロセッサ回路に比較して単純化されたISAなどのような、ISAを含むことができる。DPMは、DMEM、AFE726の入力チャンネル(例えば、ゲイン又はADCサンプリングレート、例えば)、送信速度、クロック周波数の作成と分配、柔軟なタイミング定義のデータフロー用バス管理、時間遅延、クロックゲーティング、又はシステムのデジタル部等のようなシステムの各ブロックに提供される供給電圧の選定および調整を制御するために使用することができる。以下の例は、DPMによって構成可能な信号プロセスオプションの種々の例を概略図示している。
【0071】
図7は、システムデータパスの設定可能性を概略図示している。例えば、1以上の各データパスは処理のために確立可能になっている。同様に、1以上のデータパスが無線送信のために確立可能である。上記及び下記の例で説明するように、センサーノード等のシステムは、汎用のプロセッサ回路(例えば、MCU)を含むことができる。ジェネリックデータプロセスパス770Aは、命令メモリに記憶された命令を実行するためMCUを用いる等して確立可能である。しかしながら、システム用の所望のアプリケーションによっては、特定のエネルギー消費レベルに対応して、MCUに加えて又はMCUの代わりに他の機能特定プロセッサ回路を使用することができる。
【0072】
図3の例で示されるように、クロック発生器回路は、プログラム可能なクロック信号(例えば、1以上の周波数又は位相でプログラム可能)を各プロセッサ回路に分配することができる。こうして、システムは、例えば、1以上のMCU、1以上の機能特定プロセッサ回路又は1以上の機能特定アクセラレータ回路およびMCUの直列構造を用いてデータを柔軟に処理することができる。
【0073】
例えば、細動検出回路に接続されるなど、1以上の有限インパルス応答(FIR)フィルター、又はR波間区間推定量(例えば、RR抽出器)を提供するように、第2データプロセスパス770Bが選択されうる。DPMは、豊富な動作エネルギーが確立される時にジェネリックパス770Aを選択し、又は利用可能な動作エネルギーが低いことに対応して又は低下していくエネルギー量をモニターすると、第2データプロセスパス770Bを選択する等、データプロセスパスから自動的に選択することができる。一例では、第3データプロセスパス770Cは、MCUに接続可能な1以上のFIRフィルター又は包絡線検出器など機能特定プロセッサ回路の組み合わせを含むことができる。
【0074】
MCU等の汎用プロセッサ回路は、8ビットの縮小命令セットコンピューター(RISC)命令セットアーキテクチャーを含むことができる。汎用又は機能特定プロセス回路などのシステムの1以上のデジタル部はクロックゲート又はヘッダーを含むことができる。例えば、PMOSヘッダーは、各デジタル部と、0.5V供給又は調整可能な供給などの1以上の調整された供給回路出力との間の制御可能な結合を提供することができる。調整可能な供給は、ダイナミックボルテージスケーリング(DVS)を提供するなど、DPMによって制御されうる。
【0075】
図示例では、MCUは、8ビットPICマイクロコントローラ(例えば、米国アリゾナ州チャンドラーのマイクロチップテクノロジー株式会社によって提供される1以上のPICアーキテクチャーに類似しているようなPICマイクロコントローラ)に類似したアーキテクチャーを含むような、閾値下の動作を行うように構成されている。例えば、MCUは、約1.2kHzのクロック周波数で約0.26VのVDD電圧まで機能するように構成することができる。約0.55VのVDD電圧で、MCUは約800kHzで機能することができる。図示例では、MCUは、初期値0.5V、200kHzエネルギー消費レベルで1回の動作につき約1.5pJを提供するなど、約VDD=0.26Vから約VDD=0.55Vまでの供給電圧範囲に対応して測定可能であるように、約0.7ナノワット(nW)から約1.4μWまで消費することができる。
【0076】
FIRフィルターは、固定の又はプログラム可能な係数セット又はタップ数を提供するように構成されているようなデジタル方式でありうる。図示例では、FIRフィルターは、閾値下の方式で約300mVの供給電圧まで動作可能であるように(この実施例では、実験的に決定されているように)、30タップ(又はそれ以上)まで許容するように、4チャンネルのプログラム可能なアーキテクチャーを含むことができる。FIRフィルターは、タップの数、フィルターの数など係数の選択ができるように設定可能である。特定の低いエネルギー消費モードでは、FIRフィルターは、利用可能なタップの数を半分にカット(例えば、30の利用可能なタップから15の利用可能なタップへの移行)するような「半タップ」動作のために構成することができる。
【0077】
直接のFIRフィルター実行は、各タップに対応するように、各乗算器と加算器を含むことができる。しかしながら、そのようなアプローチは面積とエネルギー消費性能を要する。サンプリングレートが比較的低い場合のアプリケーションを検知又はフィルタリングするために、サンプリングレートの倍数であるクロックゲートを用いて、時間的に連続した形で所定タップ数の乗算を決定し、および連続的な決定を加えるなどシリアルフィルターの実現が使用されうる。そのようなシリアルの実現は、完全30タップFIRの実現に比較して面積において30x縮小を提供するように、各チャンネルのためにごく小さな単一の乗算器と単一の加算器とを使用することができる。そのようなシリアルFIRアーキテクチャーは、350mVの供給電圧を用いてタップあたり1.1pJのエネルギー消費を提供することができる。各チャンネルは、DPMによって制御されるように特定のエネルギー消費レベルに対応するなど、パワーゲーティング又はクロックゲートされうる。
【0078】
ExG検知など、生理的な検知のアプリケーションのために、機能特定プロセッサ回路の1つは包絡線検出器を含むことができる。例えば、EEG検知アプリケーションのために、信号の電力は、α、β、γおよび低−γ周波数帯域において神経作用に対応するような特定の周波数帯域内で決定されうる。包絡線検出回路は特定の周波数帯域内で平均の信号電力を決定することができる。例えば、FIRフィルターのチャンネル出力に相当する4つの入力チャンネルを用いるなどして、FIRフィルターからデータを受信することができる。例えば、以下の式(1)は、信号xによって表すことができる平均信号電力pを決定するために使うことができる。
【数1】
ここで、Nは加算ウィンドウサイズを表すことができる。計算の複雑さを減らすために、Nは2の累乗(例えば、2から2の範囲から選択される)として確立することができる。そのような2の累乗はデータを右シフトすることによって実行された分割動作を提供することができる。xの値は、ルックアップテーブルから得られた2乗した結果を用いる等、4の累乗に最も近い概数にすることができる。こうして、最下位2ビットが常にゼロ値であるから、データ変換の間に用いられるビット数を減らすことができる。図示例では、そのような包絡線検出器は、約0.5VのVDD供給電圧および約200kHzのクロックレートに相当する3.5nWを消費することができる。
【0079】
一例では、R間区間推定量は、Pan−Tomkins技術を実施するための回路構成を含むことができる。そのようなR間区間推定量技術は、ベースラインDC値を取得した後など、1以上のタイムウィンドウィングと閾値を用いる等して、心拍を測定することを含むことができる。R間区間推定量は、サンプルの数の違いに対応して2つの連続したピークに与えられるタイムスタンプを提供することができる。こうして、RR間隔測定の解像度は、確立されたエネルギー消費レベルを考慮してより早い又はより遅いプロセスレートに対応するためDPMの制御の下で、サンプリングレート又は供給電圧を変えることによって調節されうる。
【0080】
実施例では、一旦、R間区間推定量が見積もられると、細動検出プロセッサなどにパルスを提供することができる。例えば、細動検出プロセッサは心房細動検出器を含むことができる。細動検出プロセッサは、臨床人口で確立された又は立証されたような1以上の細動検出技術を使用することができる。細動検出回路は、エントロピー閾値基準と共に僅か12個の連続的なR間区間推定量を用いるか、又は1以上の他の技術を用いる等して、検知された細動イベントに応答してフラッグを出力することができる。
【0081】
また、DPMは、図7等に示されるように、1以上の無線データ送信パスを制御することができる。例えば、第1データ送信パス772Aは、MCUによって提供されたデータの送信のためなどストリーミングモードに対応することができる。第2送信パス772Bは、データメモリ回路(例えば、FIFO配置内で)を用いる等して、蓄積及びバーストのスキームを含むことができる。第3送信パス772Cは、1以上の検知されたイベントに応答して、情報のバーストを送信するような環状バッファー又はFIFOにおいて、情報の保存を含むことができる。例えば、生理的な検知アプリケーションにおいてR間区間を表す情報は保存することができる。細動を示す情報に応答する等して、送信された情報のバーストが提供されうる。そうでなければ、そのようなR間区間情報は後の送信又は廃棄のために保存することができる。
【0082】
図8は、センサーノードの一部として含まれうる調整回路の一部などのようなシステムの一部の図示例804を概略的に示す。他の例で説明したように、TEGなど環境発電トランスデューサーの出力は高めることができる。図8の例では、ブーストコンバータなどコンバータ回路の出力ノード836は蓄積キャパシタ886で確立された電圧に対応させることができる。図示例804において、バイアスは例804の調整回路を含む集積回路内で発生されうる。
【0083】
例えば、1以上の固定の調整器は、4以上のサブμW線形レギュレータを含む等、固定の調整器部884内に含めることができる。そのような調整器は、約1.2V等(例えば、AFEに連結可能)、約0.5V(例えば、1以上の機能特定プロセッサ回路又は1以上の他の回路等のようなデジタル信号処理において使用するため)、約1.0V(例えば、無線送信機ローカルオシレータを供給するため)、又は約0.5Vを発生するように構成されている他の供給(例えば、無線送信機電力増幅器へ)など、システムの1以上の部分に連結するための特定の固定電圧を提供することができる。
【0084】
図8の図示例は、調整可能な調整器部882等、1以上の他の調整回路を含むことができる。例えば、調整可能な調整器部882はスイッチトキャパシタDC−DCコンバータを含むことができる。コンバータは、50mVステップにおいて等、約0.25Vから1Vまで調整可能又は制御可能な出力形式を提供するように構成することができる。例えば、3ビットの抵抗DAC(RDAC)は、DPMからの制御ワードに基づいて等、所望の出力レベルに対応した基準電圧を発生するために使用することができる。配列状のキャパシタの配置は、所望の出力範囲などによって、変更することが可能である。1以上の外部キャパシタはスイッチング行為によってリプルを減らす又は抑制するなどして、調整可能な調整部882に連結することができる。
【0085】
他の例で説明したように、システムの1以上の部分は、DPMの制御下におけるようにPMOSヘッダー等を用いて、固定又は可変の電圧供給に制御可能に接続される等、閾値下動作のために構成することができる。こうして、DPMは、1以上の固定又は調整可能な供給電圧を用いて、各部分のための制御されたエネルギー消費レベルを確立することができる。
【0086】
図9は、センサーノード等のシステムの一部の図示例900を概略的に示している。図示例900は、調整回路入力を示す情報を提供するように構成されている監視回路を含むことができる。システムは、システムのエネルギー消費レベルを監視することができる。このような監視された情報は、システムのリセット又はシステムの消滅を防止するなどのために動作モードを調整するために使用することができる。例えば、調整器入力ノード(例えば、ブーストコンバータ回路出力ノード986、VBOOST)を示す監視された情報が減少している場合、システムはモードを切り替えて動作を維持するためのエネルギー消費を減らすことができる。環境エネルギーが豊富になる時、システムは最大又は限定されることのない動作を提供するモードにシステム自身を回復又は調整することができるか、又はそのようなモードで動作を維持することができる。
【0087】
DPM930(例えば、デジタル電力管理プロセッサ回路)は、システムのいくつかの又は全ての動作可能なモードにおいて閉ループエネルギー消費管理を提供するなどのために、ブーストコンバータ回路出力ノード986(例えば、VBOOST)又は1以上の他のノードを監視するように構成することができる。DPM930は、図9の図示例において示されるように回路を用いて得られた監視された情報を使用して、少なくとも部分的に決定可能である特定のエネルギー消費レベルに対応するような、エネルギーデータフロー管理又は他の監督上の機能を提供することができる。
【0088】
例えば、DPM930はADC920を通してVBOOSTの表示を監視することができる。ADC920に提供されたVBOOSTの表示は、ADCの全入力範囲で又は近傍で活用するために大きさを拡大・縮小することができる。例えば、VBOOSTは抵抗分割器によって半分にすることができ、バッファー回路990を用いて出力インピーダンスを減らすためにバッファーすることができ、又は差動アンプ回路992を用いて基準電圧と比較することができる。例えば、VBOOSTと基準電圧との差は、1以上のOTAを含むような差動アンプ回路992などを介して、4倍まで増幅することができる。定期的又は特定の期間の間、DPMは、システムのエネルギー消費レベルを表す情報を得るために、数ある他のチャンネル(例えば、AFEによって提供されるような他のチャンネル1乃至4)の中でマルチプレクサ926Aの入力チャンネルを選択するような命令を発することができる。
CAP_DIGによって表すことができるVBOOST電圧の大きさを拡大・縮小又はデジタル化された表示は、発せられた命令に応答する等して、DPM930に提供することができる。この監視された情報に応答して、DPM930は、ストップライトスキームを用いてなど、システムのエネルギー消費レベルを調整又は選択することができる。
【0089】
図10は、図3の例で示されるように実験的にシステムを用いて得ることができたような、又は図9の図示例に関連して上述したような、自動的に制御された異なったエネルギー消費レベルに相当するシステムの各種パラメーターに対応するプロットの図示例1000を概略的に示している。そのようなスキームは、1以上の固定又はプログラム可能な閾値又はウィンドウを用いるなどして、システムのエネルギー消費レベルを自動的に選択又は調整するために使用することができる。
【0090】
図示例において、DPM930は、エネルギー消費レベル(例えば、緑レベル又はモード、黄色レベル又はモード、赤レベル又はモード)を選択するなどのために、2つの8ビット閾値(例えば、緑の閾値や黄色の閾値)を含むことができるような、1以上のプログラム可能な閾値と得られた情報(例えば、VCAP_DIG)とを比較することができる。DPM930は、中間レベルを介した連続的な移行を必要とすることなしに、現在の消費レベルから他のレベルへジャンプするように構成することができる(例えば、移行は緑から赤へのモードスイッチを含むことができる)。
各エネルギー消費レベル(例えば、動作モード)は、各エネルギー消費レベルを提供するように構成することができるブロックの各サブセット又はスーパーセットに対応することができる。そのような制御の図示例は表2に示すことができる。
【表2】
【0091】
図10の図示例において、ブーストコンバータへの入力は約250mVから20mVの範囲及びその逆の範囲で掃引することができる。例えば、緑モードの動作(例えば、約1.3Vより大きなVBOOST)は、図10の第1緑領域1002、又は第2緑領域で示されるように、システムの殆ど又は全ての機能ブロックが運転可能である。
黄色モード(例えば、約1.1Vより大きく且つ約1.3Vより低いVBOOST)において、DPMは、図10の第1黄色領域1004、又は第2黄色領域1008で示されるように、入手可能なエネルギーに基づいて送信機のスイッチをオフ又はデューティ−サイクルにすることができる。
赤モード(例えば、約1.1Vより小さいVBOOST)において、送信機、機能特定プロセッサ回路、又はAFEは、図10の赤領域1006において示されるようにエネルギーを節約するために1以上のクロックゲート又はパワーゲートであり得る。
【0092】
DPMは、システムの実行をオーバーライドするか、さもなければ変えることができる。例えば、システムが特定のシリーズの動作のため1以上の動作していない又はスロットルされたブロックの動作を要求したとしても、DPMは「スポットライト」スキームによって確立されたエネルギー消費レベルに従ってそのような要求をオーバーライドすることができる。DPMは、付加的な命令を要求することなくして8ビットのデジタルVCAP_DIG決定などの監視された情報に応答する等、モードからモードへ同時期に移行することができる。そのような方法で、閉ループエネルギー消費管理スキームが提供されうる。ストップライトスキームは、エネルギー消費レベル変化の間又は後にノード行為を変更するなどのために、DPM又は汎用プロセッサ回路において分岐又はジャンプ行為を提供するために使用可能である。
【0093】
図9及び図10の例において示され且つ説明されているエネルギー消費管理スキームは、エネルギー消費サンプリング動作の間の期間を制御するため調整可能又はユーザーがプラグラム可能な閾値又はパラメーターを用いる等、柔軟性でありうる。
【0094】
一例では、DPMによって確立されたエネルギー消費レベルは、センサーノードリセット又は消滅の恐れに関して十分に重要であるとみなされる情報を監視又は送信するなどのために、1以上の他のシステム要素によってオーバーライドされることができる。そのようなオーバーライド能力は、1以上の機能特定プロセッサ回路によって提供される等、特定のイベント又はフラッグに対応して起こりうる。
【0095】
図11Aは、センサーノード等の、システムによってリアルタイム又はリアルタイムに近い状態で送信されうるような心電図の実際で且つ再構築された表示に対応するプロットの図示例1100Aを概略的に示している。図11Aの図示例において、ECGは、健康な人の被験者から得られ、1.35V VBOOSTノードから測定されるように397μWを消費するような、ロウストリーミングモードにおける無線通信回路によって送信される。無線送信された情報は、約433MHzの周波数を用いてテキサスインスツルメンツCC1101によって受信された。受信され再構築されたECG(破線で示す)は一般的に実際の局部的に測定されたECGに一致する。
【0096】
図11Bは、VBOOSTノード(例えば、VBOOSTコンバータ回路の出力ノード)をサンプリングするために入力が切り替えられる期間を含んでアナログ−デジタルコンバータ入力に提供される情報の検知された表示に相当するプロットの図示例1100Bを概略的に示す。図11Bの図示例において、システムは、約30mVの環境発電入力から動作する時、5秒毎など、周期的又は特定の間隔で測定された心拍を送信するなどの、RR間隔抽出技術を用いて動作することができる。連続的な間隔の間、VBOOSTは、情報の無線送信のための水晶振動子を可能とする前などに、連続した動作を維持するために十分なエネルギーが存在することを立証するためなどサンプリングされうる。
【0097】
図12Bは、図1から図3図4A図5から図10又は図12の図示例のシステムの少なくとも一部に相当するような集積回路の注釈付顕微鏡図1200を概略的に示す。そのような集積回路は、センサーノード又は他の内蔵したシステムの動作のためのSoCを含むことができる。図示例では、心拍抽出モードに対応するような無線通信機回路がデューティ−サイクルであり得る場合、SoCは、他の一般的に入手可能なシステムより、より低いと考えられている約19μWを消費することができる。
【0098】
図13は、図1から図3図4A図5から図10、又は図12の1以上の例で示されるようなシステムを用いて含むことができる方法等の技術1300を概略的に示す。無線受信機回路は、図1の例で示されるように調整回路に接続することができる。無線受信機回路は、符号1304におけるように、センサーノード等のシステムの初期動作を確立するか、又は連続した動作を提供するためなど、電磁結合した動作エネルギーを得るように構成することができる。例えば、センサーノードは、トランスデューサが調整回路に接続可能であっても環境発電トランスデューサから得られる動作エネルギーを必要とすることなく、センサーノードの動作を確立するための十分な動作エネルギーを無線で受信することができる。
【0099】
調整回路への入力は、センサーノードのエネルギー消費レベルを選択する際に使用するためなどに監視することができる。例えば、符号1306において、センサーノードのエネルギー消費レベルは調整回路への入力に基づいて選択することができる。符号1308において、閾値下動作モードは、デジタルプロセッサ回路の操作に関連して等、システムの1以上の部分において確立することができる。閾値下動作モードはシステムの選択されたエネルギー消費レベルに対応させることができる。
【0100】
各種事項および例
この書面において説明されている各々限定されることのない例は、それ自身単独でも良く、1以上の他の例と各種変形した形、又は組み合わせの形で組み合わせることができる。
上記詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面を参照することを含む。図面は、例として、本発明が実施される特定の実施形態を示している。これらの実施形態は、また、ここで「例」としても称される。このような例は、図示されている又は説明されている要素に加えて他の要素を含むことができる。しかしながら、本件の発明者達は、図示され又は説明されている要素のみが設けられている例も想定している。更に、本件の発明者達は、ここに図示され又は説明される特定の例(又は1以上の態様)、又は他の例(又は1以上の態様)に関して図示され又は説明されている(1以上の態様)要素の組み合わせ又は変形を用いた例も想定している。
【0101】
この書面と参照として組み込まれた幾つかの書面との間に矛盾がある用法が生じた場合、この書面の用法が優先する。
この書面において、特許文献において通常であるように、他の例とは独立して又は「少なくとも1つ」又は「1以上」の用法とは独立して、1以上を含むために用語「a」あるいは「an」が使われる。この書面において、用語「or」は、特に表示されていない場合には、「A又はB」は「AでありBでない」、「BでありAでない」および「AおよびB」を含むように非排他的であることを指すために使用される。この書面において、用語「including」および「in which」は、各用語「comprising」および「wherein」の平易な英語での等価物として使われている。また、次の特許請求の範囲において、用語「including」および「comprising」は制約が無いことを意味し、即ち、請求項の用語中に挙げられている要素に加えて他の要素を含んでいるシステム、装置、アーティクル、組成、公式、又はプロセスは、特許請求の範囲内にあるとみなされる。更に、特許請求の範囲において、用語「第1」、「第2」および「第3」等は、単にラベルとして使われ、対象物に数値的な条件を課す意図ではない。
【0102】
ここで説明されている方法の例は、少なくとも部分的に機械で作られるか又はコンピュータで実施することができる。幾つかの例は、上記例において説明されたような方法を実施するための電子デバイスを構成するために動作可能な命令で符号化されたコンピュータ読み取り可能媒体又は機械読み取り可能媒体を含むことができる。そのような方法の実施は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高級言語コード等のようなコードを含むことができる。そのようなコードは、種々の方法を実施するためのコンピュータ読み取り可能な命令を含むことができる。コードはコンピュータプログラム製品の部分を形成することが可能である。また、例においては、コードは、実行中あるいはその他の時など、1以上の揮発性、持続性、あるいは不揮発性の有形なコンピュータ読み取り媒体に記憶することができる。これら有形のコンピュータ読み取り可能な媒体の例は、限定することなく、ハードディスク、着脱可能な磁気ディスク、着脱可能な光ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカード又はスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)等を含むことができる。
【0103】
上述の説明は、例証を意図しており、限定的な説明ではない。例えば、上述の例(1以上の態様)は、互いに組み合わせて使用可能である。上述の説明を検討する際に当業者によってなど他の実施形態が使用され得る。要約書は、読み手に技術的な開示の性質を速やかに確認することを可能とするために37C.F.R.§1.72(b)に準拠して設けられている。要約は特許請求の範囲の権利範囲又は意味を解釈又は限定するために使われるべきではない。また、上述の詳細な説明において、種々の特徴は、開示を合理化するために互いに一緒にしてもよい。この事は、請求されていない開示の特徴がいずれかの請求項に本質的であるという意図として解釈されるべきものではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない。これ故、次の特許請求の範囲は、例又は実施形態として詳細な説明に組み込まれ、各請求項は個別の実施形態としてそれ自身単独で成立し、そのような実施形態は種々の組み合わせ又は変形をした形で互いに組み合わせ可能である。本発明の範囲は、各請求項が持っている権利範囲の等価物の全範囲とともに添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13