(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の一実施形態のチューブ容器1は、
図1及び
図2に示すように、筒状のチューブ体3の外周面にラベル4を貼付してなる胴部2を備えている。前記チューブ体3は、好ましくは合成樹脂を押出成形して製造したものであり、該チューブ体3の一端に、別部材である吐出部形成部材を融着固定することによって、チューブ容器1の上端部に吐出部5が形成されている。吐出部5は、開口部を液密に閉鎖するキャップ部材(図示せず)を固定するキャップ固定部51とキャップ固定部51から略円錐台状に広がって下端がチューブ体3と融着している拡大接続部52とを備えている。チューブ体3の他端分は、開口状態となっており、チューブ容器1の下端部に、容器1内に内容物を充填するための開口端部21が形成されている。
【0010】
本実施形態のチューブ容器1におけるチューブ体3は、
図3に示すように、内側ポリオレフィン層11及びその外側に設けられたバリア層12を有し、更にその外側に外側ポリオレフィン層13を有している。また、チューブ体3の外側には、合成樹脂製のシートからなるラベル本体15及びラベル本体15の片面に設けられた接着剤層14を有するラベル4が、その接着剤層14を介して接合されている。本実施形態における内側ポリオレフィン層11は、チューブ容器の胴部2の厚み方向において、バリア層12よりも内側に位置しており、その内側ポリオレフィン層11が、本発明におけるポリオレフィン層である。本実施形態における内側ポリオレフィン層11は、チューブ容器1の内表面を形成しており、チューブ容器1の胴部2においては、内側ポリオレフィン層11からなる内表面が、内部に収容された内容物と接触する。
【0011】
内側ポリオレフィン層11及び外側ポリオレフィン層13を構成するポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン、後述する接着性ポリオレフィン等が挙げられ、これらを一種単独で又は二種以上を混合して使用することができる。また、内側ポリオレフィン層11と外側ポリオレフィン層13とで、ポリオレフィンの種類が異なっていても良い。
【0012】
また、内側ポリオレフィン層11及び外側ポリオレフィン層13は、それぞれ、バリア層12に用いられるエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)又はポリアミドとの間の層間接着力を高める観点から、少なくともバリア層12に隣接する部位が、接着性ポリオレフィンからなることが好ましい。
【0013】
接着性ポリオレフィンとは、官能基をポリオレフィンに導入して接着性を付与した、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレン等の変性ポリオレフィンであり、ポリオレフィンに導入する官能基が、バリア層12を構成する樹脂であるEVOH等との結合性を向上させることによって、バリア層12との接着性が向上する。接着性ポリオレフィンによりバリア層12との層間接着力を高めることにより、層間剥離を防止できるとともに、例えば、バリア層12と内側ポリオレフィン層11からなる多層構造のシートやチューブ体、バリア層12とそれを挟む内外のポリオレフィン層11,13からなる多層構造のシートやチューブ体を、共押出成形により製造することも容易となる。
接着性ポリオレフィンとしては、三井化学株式会社製のアドマー(登録商標)、三菱化学株式会社製のモディック(登録商標)等を用いることができる。
【0014】
内側ポリオレフィン層11のバリア層12に隣接する部位が、変性ポリオレフィンからなる形態としては、
図3に示すように、内側ポリオレフィン層11の厚み方向の全体が接着性ポリオレフィンからなる形態、
図4に示すように、接着性ポリオレフィンを含まないポリオレフィン層11Aとバリア層12との間に、接着性ポリオレフィン層11Bを有する形態等が挙げられる。
外側ポリオレフィン層13についても同様であり、バリア層12に隣接する部位が、変性ポリオレフィンからなる形態としては、
図3に示すように、外側ポリオレフィン層13の厚み方向の全体が接着性ポリオレフィンからなる形態、
図4に示すように、接着性ポリオレフィンを含まないポリオレフィン層13Aとバリア層12との間に、接着性ポリオレフィン層13Bを有する形態等が挙げられる。
【0015】
バリア層12は、前述した通り、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)又はポリアミドからなる。
EVOH及びポリアミドは、高いガスバリア性を有する樹脂として公知であり、バリア層12の構成樹脂としてこれらを用いることにより、チューブ容器1に高いガスバリア性を付与することができる。
EVOHとしては、例えば、エチレン含有量が20〜60モル%、特に25〜50モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにして得られる共重合体ケン化物が好ましく使用される。また、EVOHは、シートやフィルムを十分形成できる分子量を有することが好ましい。
EVOHとしては、例えば、クラレ株式会社のエバール(登録商標)、日本合成化学工業株式会社のソアノール(登録商標)等を好ましく用いることができる。
【0016】
他方、ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン13等が挙げられ、これらを一種単独で又は二種以上を混合して使用することができる。
【0017】
本実施形態のチューブ容器1は、内側ポリオレフィン層11に、カーボンブラック及び酸化チタンの少なくとも一方が配合されている。内側ポリオレフィン層11に、カーボンブラックや酸化チタンを配合することで、金属箔や金属蒸着膜からなるバリア層を設けることなく、チューブ容器1に高い遮光性を付与することができる。
【0018】
内側ポリオレフィン層11に、カーボンブラック及び酸化チタンの何れか一方のみを配合しても良いが、内側ポリオレフィン層11にカーボンブラックを配合する場合には、カーボンブラックとともに酸化チタンも配合することが、遮光性の向上と、カーボンブラックの黒色が、ラベル4によって付与するチューブ容器1の外観に悪影響を与えることを防止する観点から好ましい。
また、内側ポリオレフィン層11にカーボンブラックを配合する場合には、外側ポリオレフィン層13にも、酸化チタンを配合することが、カーボンブラックのチューブ容器1の外観への悪影響を防止する観点から好ましい。また、遮光性の向上とカーボンブラックの黒色の外観への悪影響を防止する観点から、カーボンブラックは、内側ポリオレフィン層11に配合する一方、外側ポリオレフィン層13には配合しないことが好ましい。
【0019】
カーボンブラックは、遮光性の向上及び分散性の点から、平均粒子径が5μmから35μmであるものが好ましく、13μmから30μmであるものが更に好ましい。
また、内側ポリオレフィン層11に配合するカーボンブラックの配合量は、内側ポリオレフィン層11の構成樹脂の総量に対して、好ましくは0.00001質量%以上、更に好ましくは0.0001質量%以上である。
【0020】
酸化チタンは、遮光性の向上及び分散性の点から、平均粒子径が0.15μmから0.30μmであるものが好ましく、0.20μmから0.25μmであるものが更に好ましい。
【0021】
また、ポリオレフィン層11に配合する酸化チタンの配合量は、内側ポリオレフィン層11、バリア層12及び外側ポリオレフィン層13の構成樹脂の質量に対して、好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上であり、また、好ましくは10.0質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下であり、また、好ましくは1.0質量%以上5.0質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以上4.0質量%以下である。
【0022】
チューブの成形性および製造コスト削減、さらにはチューブのスクイズ性の点から、内
側ポリオレフィン層11の厚みは、バリア層12の厚みの、好ましくは1.0倍以上、更に好ましくは2.0倍以上であり、また、好ましくは10.0倍以下、更に好ましくは4.0倍以下であり、また、好ましくは1.0倍以上10.0倍以下、更に好ましくは2.0倍以上4.0倍以下である。
【0023】
本実施形態におけるラベル4は、シート状のラベル本体15と、該ラベル本体15の片面に設けられた接着剤層14とからなる。ラベル本体15は、合成樹脂製のシートに、高輝度インクを用いた印刷を施すことによって、少なくとも一部が金属光沢を有している。
ラベル本体15に用いる合成樹脂製のシートとしては、ラベルの形成材料として従来用いられている各種公知の樹脂フィルムを特に制限なく用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、PE,LLDPE,PP等のポリオレフィン、ポリアミド(Ny)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ乳酸(PLA)等からなるシートやフィルムが好ましく用いられる。これらのなかでも、ポリエステル又はポリオレフィンが好ましく、延伸ポリプロピレン(OPP)、延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)、低密度ポリエチレン(LDPE)が好ましい。
また、合成樹脂製のシートは、複数種類の樹脂の混合物、共重合体、多層積層体等からなるものであっても良い。
高輝度インクとは、金属光沢感を付与する成分として、樹脂被覆アルミニウム微粉末等を含むものであり、高輝度インクを用いることによって、ラベル4の全体又は一部に容易に金属光沢を付与することができる。
【0024】
金属光沢とは、金属一般に特有な、滑らかな表面に見られる光を反射する性質であり、具体例としてはアルミニウムや銀のような銀色や、黄金色のような金色等が挙げられる。金属光沢は、メタリックレッド、メタリックブルー、メタリックイエローなどと呼ばれる、金属のような光沢を持つ有彩色であっても良い。また、金属のような光沢を発現させるためには、ラベル本体15を構成する合成樹脂製のシートとして、無色透明又は有色透明の合成樹脂製のシートを用い、そのシートに対して、チューブ体3側に向けられる面側から高輝度インクを用いた印刷を施すか、あるいは、合成樹脂製のシートのチューブ体3側とは反対側に向けられる面に高輝度インクを用いた印刷を施したのち、その上に無色透明又は有色透明の合成樹脂からなるクリアコート層を設けることが好ましい。特に、ラベル本体(ラベル基材)を構成する合成樹脂製のシートの裏面側に印刷を施すことが、ラベル基材の光沢を生かすことで金属光沢がよりきれいに再現できるので好ましい。
高輝度インクを用いた印刷方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等の各種公知の印刷方法を採用できるが、これらのなかでもより微細なデザインを表現することができるグラビア印刷が好ましい。
【0025】
ラベルには、通常、文字や模様等が表される。ラベルに表示する文字としては、商品名、使用方法、使用上の注意、成分表示、販売元、製造元等を示す文字が挙げられる。
ラベルの一部のみに金属光沢に持たせる態様としては、例えば、商品名のみ、模様の一部のみ、又は商品名と模様の一部のみに金属光沢を持たせる一方、それら以外の部分は、金属色以外の色に着色するか無着色とする態様、商品名のみ、模様の一部のみ、又は商品名と模様の一部のみを、金属色以外の色に着色するか無着色とする一方、それら以外の部分に金属光沢を持たせる態様等が挙げられる。ラベルの印刷可能な範囲を、金属光沢を付与する部分(高輝度インクを塗着させる部分)と金属光沢を付与しない部分(高輝度インクを塗着させない部分)とに分ける態様は、上述した態様に制限されず、他の多様な態様で、両部分に分けることができる。また、ラベルの全体又はラベルの印刷可能な範囲の全体に、印刷により高輝度インクを塗着させて金属光沢を持たせても良い。
【0026】
ラベル4は、ラベル本体15を、接着剤層14を介してチューブ体3に貼り付ける。接着剤層14を形成する接着剤しては、各種公知のものを特に制限なく用いることができ、例えば、(1)感圧接着剤、(2)感熱接着剤、(3)コールドグルー等を用いることができる。
【0027】
感圧接着剤を用いた感圧接着剤ラベルは、チューブ体に押し付けることによって貼付できるものであるが、加熱を併用してチューブ体の表面に密着状態に貼付するものであっても良い。例えば、ラベルを容器本体の表面に押し付ける前に、加熱によりラベルの曲面追従性や柔軟性を高め、その状態でチューブ体の表面に押し付けたり、ラベルをチューブ体の表面に押し付けつつ加熱し、該表面に対する密着性を高めても良い。感圧接着ラベルとしては、例えば、特表2010−524035号公報に記載のものを用いることができる。
【0028】
感熱接着剤を用いた感熱接着剤ラベルは、ラベルを加熱して、その接着剤を活性化させて貼付できるものである。感熱接着剤としては、ポリエチレンビニルアセテート(EVA)等が好ましい。
【0029】
コールドグルー接着剤を用いた接着剤ラベルは、貼り付け時(直前等)にラベルに接着剤を塗り貼付できるものである。接着剤としては、澱粉、ガゼイン等が好ましく、これらの中でも澱粉が好ましい。
【0030】
前述したような感圧接着剤ラベルや感熱接着剤ラベルを、チューブ体に貼付する方法の一例としては、吐出部形成部材を固定した後のチューブ体にマンドレルを挿入し、マンドレルで支持したチューブ体を回転させながら該チューブ体の周囲にラベルを押し付けて巻き付ける方法が挙げられる。
【0031】
本実施形態のチューブ容器1によれば、チューブ体3が、上述した構成を有するため、チューブ容器1の胴部2に、優れた遮光性とガスバリア性(酸素バリア性等)が得られる。
また、前述したバリア層12を構成するEVOH及びポリアミドは、耐油性にも優れている。しかも、バリア層12の内側に内側ポリオレフィン層11を有している。そのため、内部に収容する内容物として、油性成分の割合が多い内容物を収容した場合においても、油性成分が染みだしたり、油性成分によってチューブ体の壁面が膨潤したりすることもない。
また、前述したバリア層12を構成する樹脂がEVOH及びポリアミドのいずれの場合であっても、その内側に内側ポリオレフィン層11を有している。そのため、内部に収容する内容物として、水分の多い内容物を収容した場合においても、水分が染みだしたり、水分によってチューブ体の壁面が膨潤したりすることもない。なお、耐水性の観点からは、バリア層12を構成する樹脂はポリアミドであることが好ましい。
【0032】
また、ラベル4自体に金属光沢を有する部分を形成して、チューブ容器1に金属光沢を有する部分を形成したので、例えば、印刷する内容を異ならせた複数種類のラベルを製造しておき、それらを同一構成のチューブ体に貼り付けることにより、遮光性、ガスバリア性、耐油性等に共通して優れる上に、表示が異なる複数種類のチューブ容器を効率よく製造することもできる。
また、アルミニウム箔を用いて金属色を得た場合とは異なり、焼却処分等も容易となる。また、金属箔や金属蒸着膜を有するチューブ体を製造する場合に比して、チューブ容器の製造コストの削減を図ることもできる。
【0033】
本実施形態のチューブ容器1は、例えば、吐出部5の開口部をキャップ(図示せず)で閉鎖した後、公知の充填装置により、チューブ容器の開口端部21から内容物を充填し、次いで、開口端部21付近を押し潰して熱シールすることにより、内部に内容物が収容されたチューブ容器となる。そして、その状態で、店頭等に陳列される。
チューブ容器1の内部に収容される内容物としては、洗顔剤、日焼け止め剤、ハンドクリーム剤、乳液等の化粧剤、練り歯磨き、食品(練りわさびやからし等)等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
【0034】
また、美白美容クリーム剤用組成物として、カモミラ抽出成分(カモミラEX成分)を含む天然抽出物を配合した混合物が知られている。この組成物は、カモミラEX成分を含む天然抽出物が、光により品質が劣化し易いことから、一般には高い遮光性を有しながらも比較的高価なアルミニウム箔などの金属箔をバリア層に用いたラミネートチューブ等が用いられていたが、本発明のチューブ容器を用いることによって、このような組成物を含む内容物を高い遮光性と金属光沢を有しながら、比較的安価に提供することが可能になる。
【0035】
また、日焼け止め剤用組成物として、有機系の紫外線吸収剤を配合した組成物が知られている。この組成物は、有機系の紫外線吸収剤が、光により品質が劣化し易いことから般には高い遮光性を有しながらも比較的高価なアルミニウム箔などの金属箔をバリア層に用いたラミネートチューブ等が用いられていたが、本発明のチューブ容器を用いることによって、このような組成物を含む内容物を高い遮光性と金属光沢を有しながら、比較的安価に提供することが可能になる。なお、有機系の紫外線吸収剤としては、GAP−AP、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル混合物、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは1種を単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。
【0036】
本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。
例えば、
図4に示す実施形態において、接着性ポリオレフィン層11B及び接着性ポリオレフィン層13Bの一方又は両方を、バリア層12と接着性ポリオレフィンを含まないポリオレフィン層11A,13Aとの層間接着力を高め得る他の樹脂からなる層に代えても良い。
【実施例】
【0037】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0038】
〔実施例1〕
内
側ポリオレフィン層形成用の樹脂には、接着性ポリオレフィン(三井化学株式会社製「アドマーLF300」)にカーボンブラック(0.005質量%)及び酸化チタン(3.4質量%)を配合したものを用いた。バリア層形成用の樹脂には、EVOH樹脂(株式会社クラレ製「エバールEP−F101」)を用いた。また、外
側ポリオレフィン層形成用の樹脂には、接着性ポリオレフィン(三井化学株式会社製「アドマーLF300」に、酸化チタン(3.4質量%)を配合したものを用いた。
これらを3層構成となるべく共押出成形してチューブ体を製造し、そのチューブ体の一端部に吐出部形成部材を融着固定して吐出部を形成した。次いで、チューブ体にマンドレルを挿入し、その周囲に、ラベルを巻き付けながら貼付し、
図1及び
図2に示す形態を有し、胴部が表1に示す層構造を有するチューブ容器を得た。
ラベルは、OPP製の樹脂フィルムに、高輝度インクを用いてグラビア印刷を商品ロゴの部分が金属光沢を有し、それ以外の部分は金属光沢を有しないようにチューブ体3側の面に施した後、チューブ体3側の面に接着剤層を形成して製造し、該接着剤層を介してチューブ体3に貼り付けた。
【0039】
〔実施例2〕
内
側ポリオレフィン層形成用の樹脂には、表2の内
側ポリオレフィン層の欄に示す配合でポリオレフィンをブレンドし、更にカーボンブラック(0.005質量%)及び酸化チタン(3.4質量%)を配合したものを用いた。バリア層形成用の樹脂には、EVOH樹脂(株式会社クラレ製「エバールEP−F101」を用いた。外
側ポリオレフィン層形成用の樹脂には表2の外
側ポリオレフィン層の欄に示す配合でポリオレフィンをブレンドし、更に酸化チタン(3.4質量%)を配合したものを用いた。
上記の内
側ポリオレフィン層、バリア層、外
側ポリオレフィン層を、接着性ポリオレフィン(三井化学株式会社製のアドマー「LF300」)層を介してバリア層が中間に配置され、計5層構成となるべく共押出成形してチューブ体を製造し、そのチューブ体の一端部に吐出部形成部材を融着固定して吐出部を形成した。次いで、チューブ体にマンドレルを挿入し、その周囲に、ラベルを巻き付けながら貼付し、
図1及び
図2に示す形態を有し、胴部が表2に示す層構造を有するチューブ容器を得た。
ラベルは、実施例1と同じく、OPP製の樹脂フィルムに、高輝度インクを用いてグラビア印刷を商品ロゴの部分が金属光沢を有し、それ以外の部分は金属光沢を有しないようにチューブ体3側の面に施した後、チューブ体3側の面に接着剤層を形成して製造し、該接着剤層を介してチューブ体3に貼り付けた。
【0040】
〔比較例1〕
内
側ポリオレフィン層形成用の樹脂には、表3の内
側ポリオレフィン層の欄に示す配合でポリオレフィンをブレンドし、更にカーボンブラック(0.005質量%)及び酸化チタン(3.4質量%)を配合したものを用いた。外
側ポリオレフィン層形成用の樹脂には表2の外
側ポリオレフィン層の欄に示す配合でポリオレフィンをブレンドし、更に酸化チタン(3.4質量%)を配合したものを用いた。
上記の内
側ポリオレフィン層、外
側ポリオレフィン層を共押出成形してチューブ体を製造し、そのチューブ体の一端部に吐出部形成部材を融着固定して吐出部を形成した。次いで、チューブ体にマンドレルを挿入し、その周囲に、ラベルを巻き付けながら貼付し、
図1及び
図2に示す形態を有し、胴部が表3に示す層構造を有するチューブ容器を得た。
ラベルは、実施例1と同じく、OPP製の樹脂フィルムに、高輝度インクを用いてグラビア印刷を商品ロゴの部分が金属光沢を有し、それ以外の部分は金属光沢を有しないようにチューブ体3側の面に施した後、チューブ体3側の面に接着剤層を形成して製造し、該接着剤層を介してチューブ体3に貼り付けた。
【0041】
〔比較例2〕
チューブ体形成用のポリオレフィン層の樹脂には、表4のポリオレフィン層に示されるポリオレフィン(LLDPE)にカーボンブラック(0.005質量%)及び酸化チタン(3.4質量%)を配合したものを用いた。上記樹脂を押出成形してチューブ体を製造し、そのチューブ体の一端部に吐出部形成部材を融着固定して吐出部を形成した。次いで、チューブ体にマンドレルを挿入し、その周囲に、ラベルを巻き付けながら貼付し、
図1及び
図2に示す形態を有し、胴部が表2に示す層構造を有するチューブ容器を得た。
ラベルは、実施例1と同じく、OPP製の樹脂フィルムに、高輝度インクを用いてグラビア印刷を商品ロゴの部分が金属光沢を有し、それ以外の部分は金属光沢を有しないようにチューブ体3側の面に施した後、チューブ体3側の面に接着剤層を形成して製造し、該接着剤層を介してチューブ体3に貼り付けた。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
〔評価〕
実施例及び比較例のチューブ容器について、下記の評価を行い、その結果を表1〜4に示した。
【0047】
1)遮光性
(方法)
UV分光光度計(SHIMADZU UV−3100PC)にて300〜800nmの範囲の透過率を1nm刻みで測定し、各波長における遮光性を比較した。また、内容液を各チューブに所定量充填後、エンドシール部を熱融着したサンプルについて、日光暴露試験(300〜400nmにおけるUV積算照度10万カウント相当)を実施し、内容液の諸物性の変化有無ついて比較した。
(評価基準)
○:変化が生じなかった。
△:変化が僅かに生じた。
×:変化が生じた。
【0048】
2)ガスバリア性
(方法)
各チューブについてJIS−K7126Bに定める手法で、23℃×65%RHにおける酸素透過率を測定し、ガスバリア性を比較した。また、内容液を各チューブに所定量充填後、エンドシール部を熱融着したサンプルについて40℃にて6ヶ月保存したのち、内容液の香りを定性評価し、保香性について確認した。
(評価基準)
○:比較例1のものに比して顕著に高いガスバリア性が認められた。
△:比較例1のものと同程度であった。
×:比較例1のものに比してガスバリア性に劣っていた。
【0049】
3)耐油性及び外観(金属光沢)
実施例1および2については、EVOHからなるバリア層を有するため、比較例1および2よりも耐油性に優れていた。
また実施例1および2については、チューブ本体を積層構造とし、その最内層のみにカーボンブラックを所定量配合したため、比較例2と比べてチューブ本体外表面が白色となり金属光沢を含む外観に優れていた。なお、比較例2は、チューブ体の外面の色がグレーとなり、ラベルから透けて見えるため金属光沢を含むデザイン性が低下した。