特許第6159568号(P6159568)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6159568
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】ミシン
(51)【国際特許分類】
   D05B 27/04 20060101AFI20170626BHJP
【FI】
   D05B27/04
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-95219(P2013-95219)
(22)【出願日】2013年4月30日
(65)【公開番号】特開2013-233427(P2013-233427A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2016年2月8日
(31)【優先権主張番号】10 2012 207 257.8
(32)【優先日】2012年5月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513107517
【氏名又は名称】ミネルヴァ ボスコヴィッチェ アー.エス.
(74)【代理人】
【識別番号】100091867
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 アキラ
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】パベル マチェジツク
(72)【発明者】
【氏名】ボリボジェ フバー
(72)【発明者】
【氏名】パベル ヴィビハル
【審査官】 山本 杏子
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭63−031236(JP,B2)
【文献】 特開平04−314493(JP,A)
【文献】 米国特許第03196815(US,A)
【文献】 実開平05−048877(JP,U)
【文献】 特開2008−104718(JP,A)
【文献】 特開昭57−110293(JP,A)
【文献】 特開昭64−037994(JP,A)
【文献】 特開昭63−117792(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D05B 1/00−97/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
− フレーム(15)と、
− 布地支持板(16)と、
− ステッチ形成領域にて他の縫製部品と協働して縫い目を形成する縫い針(7)を備える針棒(6)と、
− 布地(18、18’)を送り方向(T)に沿って送るために使用される、送り足棒(22)に取り付けられた送り足(20)と、
− ステッチ形成周期中の保持期間中に、前記布地(18、18’)を前記支持板(16)に締付固定するために使用される、押さえ棒(23)に取り付けられた押さえ(21)と、
− 前記送り足(20)と前記押さえ(21)に接続され、一方で前記送り足(20)を、他方で前記押さえ(21)を、前記支持板(16)に対して交互に上下にホッピングさせるためのホッパ機構(19)と、
を含むミシンにおいて、
− 前記ホッパ機構(19)が、ホッパ要素(24)を介して前記送り足棒(22)、前記押さえ棒(23)、ホッパドライブ(25)に連結され、
− 前記ホッパ要素(24)と前記ホッパドライブ(25)との、駆動要素(32)を介したジョイント接続部が案内溝(33)を有するように構成され、それによって、布地の厚さに応じて、駆動のために前記ホッパ要素(24)を作動させることなく、前記送り足棒(22)と前記押さえ棒(23)の、一方で前記駆動要素(32)に対する相対移動、他方で前記支持板(16)に垂直な移動経路(V)に沿った相対移動が行われ、
− 前記駆動要素(32)がギアレバー(35)とホッパドライブシャフト(36)を介してホッパギア(37)に接続され、これによって前記送り足棒(22)と前記押さえ棒(23)のホッパ上昇を行うことができ、
− 前記駆動要素(32)がフレームレバー(43)を介して前記フレーム(15)に接続される、
ミシン(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のミシンにおいて、
前記ホッパ機構(19)が三角レバー機構として構成され、ホッパ要素(24)が三角レバーであり、これが
− 第一のジョイント(26)を介して前記送り足棒(22)に、
− 第二のジョイント(29)を介して前記押さえ棒(23)に、
− 第三のジョイント(30)を介して前記駆動要素(32)に、
連結されていることを特徴とするミシン。
【請求項3】
請求項1または2に記載のミシンにおいて、
前記駆動要素(32)がスライド溝板として構成され、その前記スライド案内溝(33)にて、前記ホッパ要素(24)の案内ボルト(30)が案内されることを特徴とするミシン。
【請求項4】
請求項3に記載のミシンにおいて、
前記案内ボルト(30)が、スライドブロック(31)を介して前記スライド案内溝(33)に案内されることを特徴とするミシン。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか一項に記載のミシンにおいて、
布地に針を送るための針棒(6)が、針棒フレーム連結点(44)を介して前記フレーム(15)に接続された針棒フレーム(45)によって回転可能に駆動できることを特徴とするミシン。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか一項に記載のミシンにおいて、
前記フレームレバー(43)が、針棒フレーム連結点(44)によって前記フレーム(15)に連結されることを特徴とするミシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はミシン、特に厚物用ミシン、すなわち非常に強いまたは非常に丈夫な布地を縫製するためのミシンに関する。
【背景技術】
【0002】
ミシン、特に厚物用ミシンの各種の実施形態が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、布地を送るための送り足と布地を締付固定するための押さえに接続されて、支持板に対する上昇と下降を交互にホッピングするためのホッパ機構を有し、動作中に前記ホッパ機構が布地の厚さによって実際に影響を受けないようなミシンを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的は、本発明によれば、特許請求の範囲の請求項1に記載の特徴を有するミシンによって実現される。
【0005】
本発明による、駆動要素を介したホッパ要素とホッパドライブとのジョイント接続部によって、縫製する布地の厚さまたは強さが送り足と押さえのホッパ運動に影響を与えないようにすることができる。非常に薄手の布地でも、あるいは非常に厚手の布地でも、送り足と押さえの駆動は、上昇と下降をホッピングさせるためのホッパドライブによって同じようにできる。ホッパ要素と駆動要素とのジョイント接続部の案内溝は、駆動要素またはホッパ要素に形成することができる。駆動要素がフレームレバーを介してフレームに接続されるフレームレバー接続部によって、駆動要素を確実に連結できる。
また、ホッパギアによって、ホッパドライブを各縫製作業の必要に応じて調整することができる。ホッパギアは、ミシンのアームシャフトによって駆動でき、そこからは他の縫製用構成要素、特に針棒の運動も起こすことができる。ホッパギアによって、ホッパの上昇を特に連続的なものとすることができる。さらに、駆動要素をフレームに接続するフレームレバーは、ギアレバーとともに平行四辺形の配置を形成できる。このような平行四辺形の配置は安定している。
【0006】
機械的構成要素が比較的少なくコンパクトな請求項2による三角レバー機構を形成できる。
請求項3によるスライド溝は、駆動要素の堅牢な変形形態である。
【0007】
請求項4によるスライドブロックにより、案内溝の領域でのよじれが防止され、摩耗が軽減される。
【0008】
請求項5による従動型の旋回式針棒フレームは、布地を送るための堅牢な手段となる。このような布地針送りは、送り足の運動と同期するように構成できる。
請求項6によるフレームレバーの連結によって、コンパクトな構造とすることができる。これにより、駆動要素のための別のフレームホルダが不要となる。
以下に、図面を参照しながら、本発明の例示的実施形態をより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、使用者の視点から見たミシンの側面図を示す。
図2図2は、ミシンのホッパ機構と針棒機構の分解図を示す。
図3図3は、組み立てた状態の図2によるホッパ機構と針棒機構を、厚さ2mmの布地とともに示しており、押さえが上位置、送り足が下位置、針棒が支持板に対して下位置にある。
図4図4は、図3と同様の図においてホッパ機構と針棒機構を示しており、押さえが下位置、送り足が上位置、針棒が布地支持板に対して上位置にある。
図5図5は、図3のそれに対応する棒位置のホッパ機構と針棒機構を示すが、布地の厚さは20mmである。
図6図6は、図4に対応する棒位置のホッパ機構と針棒機構を示すが、布地の厚さは20mmである。
図7図7は、図3図4と同様の図において、図3図4の位置間の途中の位置にあるホッパ機構と針棒機構を示し、押さえが下位置に到達しようとしており、送り足も下位置にあり、針棒が支持板に対して下位置と上位置の間にある。
図8図8は、図7に対応する棒位置のホッパ機構と針棒機構を示すが、布地の厚さは20mmである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示されるミシン1は、筐体状の台座2と、上側アーム3と、これらをつなぐスタンド4を含む。ミシン1はそれゆえ、全体としてC字形の形状をなす。アーム3の中ではアームシャフト5が取り付けられ、これによって、針7を担持する針棒6を図には詳細に示されていないクランクドライブで上下に駆動することが可能となる。アームシャフト5により、ベルトドライブ8と、台座2の中に取り付けられた下棒9を介して、台座2の内部に取り付けられて針7に関連付けられたグリッパが駆動されるが、このグリッパも図には詳細に示されていない。針棒の運動と協働して、グリッパの運動が、公知のように、縫製領域の中で縫い目を形成することになる。
【0011】
フランジ部10が、アームシャフト5の、ベルトドライブ8の高さに配置される。フランジ部10により、アームシャフト5は、それと直線状に並ぶアームシャフト駆動モータ12のドライブシャフト11に回転不能に接続される。フランジ部10の付近に、ドライブシャフト11がアキシャル/ラジアル軸受12aによって取り付けられる。はずみ車14がドライブシャフト11の自由端13に取り付けられ、図示されていない切り込みねじによって回転不能にドライブシャフト11に接続される。
【0012】
ミシン1は、丈夫な、および/または強度のある布地の縫製、特に皮革、非常に厚手の布材および/またはパネル状の材料、たとえばプラスチックパネルの縫製のために構成される。
【0013】
ミシン1の構成要素は、ミシン1のフレーム15によって支持され、そこに搭載され、台座2はその一部である。台座2の一部は布地支持板16でもあり、その一部が針板17により形成される。針板17の領域では、布地18が支持板16上のステッチ形成領域内に置かれる(図2参照)。この領域において、縫い針7が他の縫製部品、すなわち、たとえばグリッパと協働して縫い目を形成する。
【0014】
図2は、ホッパ機構19と針棒機構19aの詳細を分解図で示している。ホッパ機構19は、送り足20(図3参照)と押さえ21に接続され、一方で送り足20の、他方で押さえ21の、針板17に対する上昇と下降を交互にホッピングする。針棒機構19aは針棒6に接続され、それ以外においては図示されていない針棒ドライブの一部であって、布地18の針送りを行う。
【0015】
相対的な位置を簡潔に表すために、以下では、xyzのデカルト座標系を使用する。x方向は図1の右側に延びる。y方向は図1の図面の平面に垂直に、その平面に向かって延びる。z方向は図1の上方に延びる。アームシャフト5はx方向に平行に延びる。z軸は支持板16に垂直である。
【0016】
送り足20は送り足棒22に取り付けられ、縫い針7と協働して、布地18をプラスのy方向へと延びる送り方向Tに沿って送るために使用される。
押さえ21は、押さえ棒23に取り付けられ、布地18を、ミシン1のステッチ形成周期中の保持期間中に針板17に締付固定するために使用される。
【0017】
ホッパ要素24によって、ホッパ機構19が送り足棒22、押さえ棒23、およびホッパドライブ25に連結される。ホッパ機構19は三角レバー機構として構成され、ホッパ要素24が三角レバーである。三角レバー24は、ジョイントボルト26を用いた第一のジョイントによって送り足レバー27に連結され、これは送り足ジョイント28によって送り足棒22に連結される。三角レバー24は、ジョイントボルト29を用いた第二のジョイントによって押さえ棒23に連結される。ワッシャ29aもまた、ホッパ要素24とジョイントボルト29の間に配置されている。三角レバー24は、ジョイントボルト30を用いた第三のジョイントとスライドブロック31によって、ホッパ機構19の駆動要素32に連結される。駆動要素32は、ホッパドライブ25の駆動運動を三角レバー24に伝達する。駆動要素32は、スライド溝33を有するスライド溝板として構成され、これはリニアガイドとも呼ばれる。スライド溝33は、スライド溝板32の、図2〜6の観察者から反対側の面に形成される。スライド溝33は、図2と3において破線で示されている。スライド溝33はz軸に対して概ね平行、すなわち、あったとしても小さな角度で延びる。
【0018】
ホッパ要素24、すなわち三角レバーと、駆動要素32、すなわちスライド溝板を介したホッパドライブ25とのジョイント接続部は、スライドまたは案内溝33に基づいて構成され、布地18の厚さに応じて、すなわち布厚に応じて、ホッパドライブ25によってホッパ要素24を作動させることなく、送り足棒22と押さえ棒23の、一方で駆動要素32に対する、他方で支持板16と針板17に垂直な移動経路V(図2の両矢印と図3と5の矢印参照)に沿った相対移動が行われるようになっている。
【0019】
ホッパドライブの接続を完成させるために、駆動要素32は、ジョイントボルト34を用いたドライブジョイント部を有し、それによってホッパドライブ25のギアドライブレバーが押さえレバー35の形態で駆動要素32に連結される。押さえレバー35は、押さえシャフト36に回転不能に接続される。押さえシャフト36は、ホッパドライブシャフトとなる。押さえシャフト36は押さえギア37によって駆動され、これはホッパギアとも呼ばれる。ホッパドライブ25のホッパ上昇は、押さえギア37によって設定することができる。これは、押さえギア37のギア調整シャフト38の回転位置によって行われる。偏心コネクタ39とテンションバー40により、押さえギア37が図2では破線で示されているアームシャフト5と作動的に接続される。押さえギア37は、複数のギアタブ41を有するタブギアである。このようなタブギアの機能は、EP 2 330 241 A1の中で、ステッチ調整ギアの例で説明されている。
【0020】
押さえギア37によって、送り足棒22と押さえ棒23のホッパ運動のホッパ上昇を連続的に行うことができる。
駆動要素32、すなわちスライド溝板は、ジョイントボルト42を用いた別のジョイント部を介してフレームレバー43に接続される。フレームレバー43は、ジョイントボルト44を用いた別のジョイント部を介して、図2に示されるミシン1のフレーム15に接続される。このようなフレームレバー43とフレーム15とのジョイント接続部はまた、針棒機構19aの一部である針棒フレーム45の接続点でもある。針棒フレーム45は案内スリーブ部46を含み、その中で針棒6と送り足棒22が案内される。布地18を送るために、針棒フレーム45は、図示されていない針棒ドライブを介して、x軸に平行に延びるジョイントボルト44によって提供されるジョイント軸の周囲で旋回する。ジョイントボルト44は、一方で針棒フレーム45のため、他方でフレームレバー43のための連結点となる。
【0021】
一方で押さえレバー35と他方でフレームレバー43は、駆動要素32とともに平行四辺形の配置を形成する。
押さえ棒23に針板17に向かうプリテンションは調節ネジ47によって行われ、これはプリテンションばね48を介して押さえ棒23に作用する。
【0022】
図2による分解図では、ジョイント接続部に軸方向の遊びが生じないようにするための、別のジョイント保持用クランプ49も示されている。
図3は、ホッパ機構19と針棒機構19aを棒の相対位置で示しており、その中で、押さえ棒23は上位置にあり、送り足棒22は下位置にあり、針棒6も下位置にある。送り足20はこの位置において、布地18を針板17に締付固定し、それによって布地18を確実に送ることができる。
【0023】
布地18の厚さは、図3図4による相対的棒位置の図では2mmである。
布地18が比較的薄手であるため、図3に示されるその下位置にある送り足棒22は、針板17に向かって、大きくマイナスのz方向へと下げられている。これはホッパ機構19のホッパ上昇に影響を与えず、それはホッパ要素24を駆動要素32に対して、送り足棒22と押さえ棒23とともにマイナスのz方向に移動できるからである(図3の矢印V参照)。
【0024】
図5は、送り足棒22、押さえ棒23、針棒6の、図3による相対的棒位置を、非常に厚手の布地18’とともに示す。布地18’の厚さは20mmである。したがって、図5による布地18’をその下位置で締付固定している送り足20は、図3による位置と比較して、大幅にプラスのz方向に移動している。ホッパ要素24と駆動要素32とのジョイント接続部がそのバランスをとることができ、これは、ホッパ要素24が、スライド溝33を介した直線的な案内によって、プラスのz方向に(図5の矢印V参照)移動できるからである。
【0025】
布地18、18’の厚さは事実上ホッパの運動に影響を与えず、特に、送り足20と押さえ21のホッパ上昇に事実上影響を与えない。たとえば布地18のように非常に薄手の布地であっても、あるいはたとえば布地18’のように非常に厚手の布地であっても、送り足20と押さえ21は、上昇と下降をホッピングするホッパドライブ25によって同じように駆動できる。
【0026】
図4は、薄手の布地18とともに、相対的棒位置を示しており、押さえ棒23は、押さえ21が布地18を針板17に締付固定する下位置にあり、送り足棒22と針棒6は上位置にある。
【0027】
図3図4の間の、一方で送り足棒22と、他方で押さえ棒23の相対位置の変化は、ホッパドライブ25がホッパ機構19とともに発生させる。図3と比較すると、図4では、押さえレバー35が押さえシャフト36の軸の周囲で反時計回りに旋回され、それによって押さえレバー35と駆動要素32とフレームレバー43の平行四辺形全体が相応に旋回している。駆動レバー32は、スライドブロック31を介したスライド溝33とジョイントボルト30との接続部を介して、三角レバー、すなわちホッパ要素24を担持して、これを反時計回りに旋回させる。これは、図3と比較して、図4では押さえ棒23が下降し、送り足棒22が上昇していることを意味する。
【0028】
図5図6は、今度は、一方で「押さえ棒23が上、送り足棒22が下、針棒6が下」の相対的棒位置(図5参照)と、他方で「押さえ棒23が下、送り足棒22が上、針棒6が上」の相対的棒位置(図6参照)との間の変化を示す。図3と4の使用例と比較して、より厚手の布地18’であることから、図5と6ではホッパ要素24、すなわち三角レバーが駆動要素32に対して、すなわちスライド溝板に対して、プラスのz方向(図5の矢印「V」参照)に移動している。ホッパドライブ25が駆動要素32を介してホッパ要素24に及ぼす平行四辺形の駆動原理により、何も変化しない。それゆえ、押さえ棒23と送り足棒22のホッパ運動は布地による影響を受けない。
【0029】
他の、図示されていない実施形態において、スライド溝33のような案内またはスライド溝はまた、三角レバー24に形成することもできる。この代替的実施形態では、特にスライドブロックが駆動要素32に設けられるなど、ジョイントベルトが配置される。
【0030】
図7は、薄手の布地18とともに相対的棒位置を示しており、押さえ棒23は下位置に到達し、送り足棒22はより下位置にあり、針棒6は図3による下位置と図4による上位置の間にある。
図8は、厚手の生地18’とともに、図7による相対的棒位置を示す。
【符号の説明】
【0031】
1 ミシン
2 台座
3 アーム
4 スタンド
5 アームシャフト
6 針棒
7 針
8 ベルトドライブ
9 下棒
10 フランジ部
11 ドライブシャフト
12 アームシャフト駆動モータ
12a ラジアル軸受
13 自由端
14 はずみ車
15 フレーム
16 支持板
17 針板
18、18’ 布地
19 ホッパ機構
19a :針棒機構
20 送り足
21 押さえ
22 送り足棒
23 押さえ棒
24 ホッパ要素
25 ホッパドライブ
26 ジョイントボルト
27 送り足レバー
28 送り足ジョイント
29 ジョイントボルト
29a ワッシャ
30 案内ボルト
31 スライドブロック
32 駆動要素
33 案内溝
34 ジョイントボルト
35 ギアレバー
36 ホッパドライブシャフト
37 ホッパギア
38 ギア調整シャフト
39 偏心コネクタ
40 テンションバー
41 ギアタブ
42 ジョイントボルト
43 フレームレバー
44 針棒フレーム連結点
45 針棒フレーム
46 案内スリーブ部
47 調節ネジ
48 プリテンションばね
49 ジョイント保持用クランプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8