(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
着用物品の外面を形成する外装体を備え、前身頃における外装体の両側縁部と後身頃における外装体の両側縁部とが合掌状に接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型着用物品であって、
前記サイドシール部は、レーザー光の照射によって、前身頃における前記外装体の前記側縁部と後身頃における前記外装体の前記側縁部が、該サイドシール部が延びる方向に延在する連続線状の融着部で結合して形成されており、
自然状態における前記サイドシール部が延びる方向と直交する断面において、前記融着部の外縁が、パンツ型着用物品の内方に向かって窪んだ形状を有しており、該融着部の前身頃側の端部及び後身頃側の端部の何れか一方の端部が、パンツ型着用物品の外方に向かって突出しているパンツ型着用物品。
着用状態における前記サイドシール部が延びる方向と直交する断面において、前記融着部は、前記外方に向かって突出する前身頃側の端部及び後身頃側の端部の何れか一方の端部における前記外装体との境界に位置する非肌対向面から該端部の先端までの長さ(W1)と、該外装体との境界に位置する非肌対向面から前身頃の前記外装体及び後身頃の前記外装体の境界までの長さ(W2)との関係が、W2≧W1である請求項1記載のパンツ型着用物品。
自然状態における前記サイドシール部が延びる方向と直交する断面において、前記融着部の前身頃側の端部及び後身頃側の端部が、それぞれ、パンツ型着用物品の外方に向かって突出しており、
前記融着部の外縁における最も内方に窪んだ位置及び前記融着部の前身頃側の端部の先端を結ぶ第1仮想線と、該融着部の外縁における最も内方に窪んだ位置及び前記融着部の後身頃側の端部の先端を結ぶ第2仮想線とのなす角度(θ)が、90°以上170°以下である請求項1〜3の何れか1項に記載のパンツ型着用物品。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のパンツ型着用物品を、その好ましい実施形態に基づき、
図1〜
図4を参照しながら説明する。
本実施形態のパンツ型着用物品は、
図1に示すように、パンツ型使い捨ておむつ1(以下、「おむつ1」とも言う。)である。おむつ1は、着用物品の外面を形成する外装体3を備え、前身頃F(腹側部1A)における外装体3の両側縁部A1,A1と後身頃R(背側部1B)における外装体の両側縁部B1,B1とが合掌状に接合されて一対のサイドシール部4,4、ウエスト開口部8及び一対のレッグ開口部9,9が形成されている。外装体3は、吸収性本体2の非肌当接面側に位置して該吸収性本体2を固定している。また、サイドシール部4は、レーザー光の照射によって、前身頃F(腹側部1A)における外装体3の側縁部A1と後身頃R(背側部1B)における外装体3の側縁部B1が、サイドシール部4が延びる方向(X方向)に延在する連続線状の融着部40で結合して形成されている。以下、おむつ1について具体的に説明する。
【0011】
おむつ1は、
図2に示す如き展開且つ伸長状態の平面視において、着用者の前後方向に相当する縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有している。おむつ1は、
図2に示すように、おむつ1を縦方向Xに二分する横方向Yに延びる仮想中心線CLを境にして、前身頃Fと後身頃Rとに区分することができる。また、おむつ1は、着用時に股下部に配される股下部1C並びにその縦方向Xの前後に位置する腹側部1A及び背側部1Bに区分することができる。股下部1Cにおける外装体3は、その縦方向Xに沿う左右両側縁部にレッグ開口部9,9形成用の凹欠部が形成されている。
【0012】
尚、本明細書において、肌当接面は、パンツ型使い捨ておむつ又はその構成部材(例えば吸収性本体)における、着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌当接面は、パンツ型使い捨ておむつ又はその構成部材における、着用時に着用者の肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。おむつ1において、縦方向Xは、使い捨ておむつ又はその構成部材である吸収性本体2の長辺に沿う方向(長手方向)に一致し、横方向Yは、使い捨ておむつ又はその構成部材である吸収性本体2の幅方向に一致する。
【0013】
吸収性本体2は、
図2に示すように、一方向(縦方向X)が相対的に長い縦長の形状を有しており、肌当接面を形成する表面シート(図示せず)と、非肌当接面を形成する裏面シート(図示せず)と、これら両シート間に介在配置された液保持性の吸収体(図示せず)とを具備し、該吸収体は、縦方向Xと同方向に長い形状を有している。吸収性本体2は、その長手方向を、展開且つ伸長状態におけるおむつ1の縦方向Xに一致させて、外装体3の中央部に公知の接合手段(接着剤等)により接合されている。ここで、展開且つ伸長状態とは、サイドシール部4を引き剥がして、おむつを展開状態とし、その展開状態のおむつを、各部の弾性部材を伸長させて、設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。
【0014】
外装体3は、
図1〜
図3に示すように、おむつ1の外面(外装体3の非肌当接面)を形成する外層シート31と、該外層シート31の内面側に配され、おむつ1の内面(外装体3の肌当接面)を形成する内層シート32と、両シート31,32間に接着剤により固定された複数本の糸状又は帯状の弾性部材5,6,7とを含んで構成されている。両シート31,32間は、所定部位において接着剤又はヒートシール等(図示せず)によって接合されている。
【0015】
外装体3(外層シート31、内層シート32)は、樹脂材を含み、該樹脂材を主成分として形成されている。外装体3(外層シート31、内層シート32)の一例として、樹脂材としてポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の熱融着性の合成樹脂を含み、不織布、フィルム、不織布とフィルムとのラミネートシート等からなるものが挙げられる。不織布としては、エアースルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等が挙げられる。外層シート31及び内層シート32を合わせた坪量が、レーザー光の照射によって、後述する融着部40の前身頃F側の端部40F又は後身頃R側の端部40Rを突出させる観点から、30g/m
2以上であることが好ましく、45g/m
2以上であることが更に好ましく、そして、100g/m
2以下であることが好ましく、90g/m
2以下であることが更に好ましく、具体的には、30g/m
2以上100g/m
2以下であることが好ましく、45g/m
2以上90g/m
2以下であることが更に好ましい。同様の観点から、外層シート31及び内層シート32に不織布が用いられた場合、外層シート31及び内層シート32それぞれは、該不織布における前記熱融着性の合成樹脂の含有量が、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。尚、上限値に特に制限はなく、高ければ高いほど好ましい。
【0016】
本実施形態のおむつ1において、サイドシール部4は、上述したように、
図1に示すように、レーザー光の照射によって、前身頃F(腹側部1A)における外装体3の側縁部A1と後身頃R(背側部1B)における外装体3の側縁部B1が、サイドシール部4が延びる方向(X方向)に延在する連続線状の融着部40で結合して形成されている。融着部40は、
図3に示すように、自然状態におけるサイドシール部4が延びる方向と直交する断面において、融着部40の外縁4aが、パンツ型着用物品の内方に向かって窪んだ形状を有している。具体的には、本実施形態のおむつ1では、サイドシール部4の外縁4aが、外装体3の内方に向かって凸の弧状をなしている。言い換えれば、融着部40の断面においては、その厚み方向において中央部に向けて融着部40の輪郭の幅が徐々に広くなっており、所謂、三日月状に形成されている。尚、本実施形態のおむつ1では、
図4,
図5に示すように、融着部40の輪郭は三日月状であるが、サイドシール部4の外縁4aが内方に向かって凸の弧状をなしていればよく、例えば、
図9(a)に示すような木の葉形状であってもよく、
図9(b)に示すようなバナナ形状であってもよい。
【0017】
そして、本実施形態のおむつ1においては、
図3に示すように、融着部40の前身頃F側の端部40F及び後身頃R側の端部40Rそれぞれが、パンツ型着用物品の外方に向かって突出している。ここで、「自然状態」とは、「収縮状態」と同じ意味である。また、「融着部40の外縁4a」とは、融着部40を、自然状態にてサイドシール部4が延びる方向と直交する方向に断面視した際の融着部40の輪郭における、パンツ型着用物品(おむつ1)の外方側の側縁を意味する。
【0018】
さらに、「融着部40の端部40F,40Rがパンツ型着用物品の外方に向かって突出している」とは、前身頃F側の端部40Fを例に挙げて説明すると、
図4,
図5に示すように、着用状態及び自然状態において、前身頃F側の端部40Fが、前身頃F側における融着部40と外装体3との境界に位置する外層シート31の非肌対向面SFから、おむつ1の外方に向かって隆起していることを意味する。同様に、後身頃R側の端部40Rでは、
図4,
図5に示すように、着用状態及び自然状態において、後身頃R側の端部40Rが、後身頃R側における融着部40と外装体3との境界に位置する外層シート31の非肌対向面SRから、おむつ1の外方に向かって隆起していることを意味する。尚、融着部40と外装体3との境界は、サイドシール部4が延びる方向と直交する方向に断面視した際の融着部40及び融着部40近傍の断面の状態を、実体顕微鏡又は電子顕微鏡にて50倍〜500倍に拡大して観察することにより行う。尚、本実施形態のおむつ1では、
図4,
図5に示すように、融着部40の両端部40F,40Rが、それぞれ、外方に向かって尖った形状に突出しているが、外方に向かって隆起していればよく、その先端形状は、丸みを帯びていてもよい。具体的には、該先端形状が
図10(a)に示すような楕円形状に丸みを帯びていてもよく、
図10(b)に示すような円形状に丸みを帯びていてもよい。
【0019】
また、本実施形態のおむつ1において、サイドシール部4は、
図4に示すように、着用状態におけるサイドシール部4が延びる方向と直交する断面において、外方に向かって突出する前身頃F側の端部40F及び後身頃R側の端部40Rの何れか一方の端部における外装体3との境界に位置する非肌対向面SF,SRから該端部の先端40F1,40R1までの長さ(W1)と、外装体3との境界に位置する非肌対向面SF,SRから前身頃Fの外装体3及び後身頃Rの外装体3の境界Lまでの長さ(W2)との関係が、W2≧W1である。ここで、「境界L」とは、最も融着部40側に位置する外装体3であって、
図4に示すように、ウエスト開口部8を開口させた着用状態における、前身頃Fの外装体3と後身頃Rの外装体3との中間の位置を意味する。
【0020】
尚、本実施形態においては、融着部40の前身頃F側の端部40F及び後身頃R側の端部40Rそれぞれが、パンツ型着用物品の外方に向かって突出しており、外方に向かって突出する前身頃F側の端部40Fにおける外装体3との境界に位置する非肌対向面SFから端部40Fの先端40F1までの長さと、外方に向かって突出する後身頃R側の端部40Rにおける外装体3との境界に位置する非肌対向面SRから端部40Rの先端40R1までの長さとが、同じ長さ(W1)であるが、それらの長さが異なる場合には、長さの長い方をW1として判断する。
【0021】
前記長さ(W1)と前記長さ(W2)との関係は、W1が着用感に悪影響を与えず、且つ外部から視認し難くする観点から、W2が1. 1W1より長いことが更に好ましく、1.3W1より長いことが特に好ましく、そして、3W1より短いことが更に好ましく、2.5W1より短いことが特に好ましく、具体的には、1. 1W1<W2<3W1であることが更に好ましく、1.3W1<W2<2.5W1であることが特に好ましい。長さ(W1)は、0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることが更に好ましく、そして、2mm以下であることが好ましく、1mm以下であることが更に好ましく、具体的には、0.1mm以上2mm以下であることが好ましく、0.2mm以上1mm以下であることが更に好ましい。また、長さ(W2)は、0.6mm以上であることが好ましく、1mm以上であることが更に好ましく、そして、6mm以下であることが好ましく、3mm以下であることが更に好ましく、具体的には、0.6mm以上6mm以下であることが好ましく、1mm以上3mm以下であることが更に好ましい。
【0022】
また、本実施形態においては、上述したように、融着部40の前身頃F側の端部40F及び後身頃R側の端部40Rそれぞれが、パンツ型着用物品の外方に向かって突出している。そして、
図5に示すように、自然状態において、融着部40の外縁4aにおける最も内方に窪んだ位置4a1及び融着部4
0の前身頃F側の端部40Fの先端40F1を結ぶ第1仮想線L1と、融着部40の外縁4aにおける最も内方に窪んだ位置4a1及び融着部40の後身頃R側の端部40Rの先端40R1を結ぶ第2仮想線L2とのなす角度(θ)が、パックから取り出したおむつを開く時の屈曲部となりやすい観点から、150°より小さいことが好ましく、90°以上であることが好ましく、100°以上であることが更に好ましく、そして、170°以下であることが好ましく、150°以下であることが更に好ましく、具体的には、90°以上170°以下であることが好ましく、100°以上150°以下であることが更に好ましい。尚、先端40F1,40R1が判断し難い場合には、最も内方に窪んだ位置4a1を基準に、該位置4a1から前身頃F側において最も近くにある隆起部を先端40F1とし、該位置4a1から後身頃R側において最も近くにある隆起部を先端40R1として判断する(
図10(a),
図10(b)参照)。
【0023】
上述した本発明のパンツ型着用物品の実施形態としてのパンツ型使い捨ておむつ1を使用した際の作用効果について説明する。
おむつ1においては、
図3,
図5に示すように、前身頃F(腹側部1A)における外装体3の両側縁部A1,A1と後身頃R(背側部1B)における外装体の両側縁部B1,B1とが合掌状に接合されてサイドシール部4が形成されている。その為、おむつ1を、例えば、寝たきりの高齢者の介護用のおむつとして利用した場合、前身頃Fの外装体3の側縁部A1と後身頃Rの外装体の側縁部B1との段差が無く、サイドシール部4が配された位置における外装体3の内面が平滑な状態となっているので、着用中に、介護者に褥瘡が形成され難い。また、
図12に示すようなサイドシール部は、高圧力下での熱融着によりサイドシール部付近の不織布が潰れて堅くなり、さらに屈曲部を持たないため、パックから取り出したおむつを開きにくい。おむつ1においては、
図3,
図5に示すように、自然状態におけるサイドシール部4が延びる方向と直交する断面において、融着部40の外縁4aが、パンツ型着用物品の内方に向かって窪んだ形状を有している。その為、サイドシール部4が配された位置における外装体3が開き易く、それを起点に、ウエスト開口部8全体も開き易くなり、おむつ1が履き易くなる。特に、おむつ1においては、融着部40の断面が三日月状に形成されているので、前記効果が更に奏され易い。さらにまた、おむつ1においては、
図3,
図5に示すように、融着部40の端部40F,40Rがおむつ1の外方に向かって突出しているので、サイドシール部4の融着部40が分かり易く、使用後にサイドシール部4から引き裂き易い。
【0024】
また、おむつ1においては、
図4に示すように、着用状態におけるサイドシール部4の断面において、外方に向かって突出する前身頃F側の端部40Fにおける外装体3との境界に位置する非肌対向面SFから該端部41Fの先端40F1までの長さ(W1)と、外装体3との境界に位置する非肌対向面SFから前身頃Fの外装体3及び後身頃Rの外装体3の境界Lまでの長さ(W2)との関係が、W2≧W1である。その為、従来のサイドシール部(
図12に示すサイドシール部104B)における融着部のように同断面視においてW1>>W2の関係を有する形状に形成されている場合(
図12参照)に比して、着用状態において、サイドシール部4の融着部40が、手で触れ難く且つ外部から視認し難い状態となり、それによって、おむつ1の着用感のみならず外観も向上する。
【0025】
次に、本発明の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ1の好適な製造方法について、
図6を参照しながら説明する。おむつ1の好適な製造方法は、レーザー式接合装置20を用いて行うことができる。
説明すると、おむつ1の製造方法は、前身頃F側と後身頃R側とを重ねた状態の帯状の外装体3におけるサイドシール部4の形成予定部位を加圧状態にする重合加圧工程と、加圧状態にあるサイドシール部4の形成予定部位に、外装体3の搬送方向Aと交差する方向に延在する光通過部27を介してレーザー光を照射することにより、該外装体3を分断すると共に、その分断によって生じた、積層状態の外装体の切断縁部どうしを融着させてサイドシール部4を形成するサイドシール部形成工程とを具備している。また、重合加圧工程の前に、帯状の外装体3(外層シート31、内層シート32)に吸収性本体2を固定する本体固定工程を具備している。
【0026】
具体的に説明すると、前記本体固定工程において、ホットメルト接着剤等の接着剤が塗工された吸収性本体2を、帯状の外装体3を構成する内層シート32上に間欠的に供給して固定した後、二つ折して、サイドシール部4が形成されていないパンツ型使い捨ておむつの前駆体が一方向に連なってなる、おむつ連続体10を予め製造する。ここまでのおむつ連続体10の製造方法は、従来と同様である。
【0027】
次に、おむつ1の製造方法では、前記重合加圧工程において、おむつ連続体10の一方の面を支持しながら支持部材21で搬送し、該おむつ連続体10の他方の面側から押さえ部材(加圧ベルト24)を用いて該おむつ連続体10を該支持部材21に当接させて加圧状態にする。そして、前記サイドシール部形成工程において、加圧状態のおむつ連続体10における帯状の外装体3を、
図6に示すように、レーザー光30の照射により、分断(溶断)するのと同時に、その分断によって生じた、積層状態の複数枚の外装体3(外層シート31、内層シート32)の切断縁部どうしを融着して、一対のサイドシール部4,4を有する外装体3を具備するパンツ型使い捨ておむつ1を連続的に製造する。以下、詳細に説明する。
【0028】
レーザー式接合装置20について説明すると、レーザー式接合装置20は、
図6に示すように、矢印A方向に回転駆動される中空の円筒ロール23と、円筒ロール23の中空部に配され、円筒ロール23の周面部を形成する円筒状の支持部材21に向けてレーザー光30を照射する照射ヘッド35と、無端状の加圧ベルト24(押さえ部材)を備えたベルト式加圧装置26とを備えている。
レーザー式接合装置20は、支持部材21(円筒ロール23の周面部)と加圧ベルト24との間隔を増減調整できる間隔調整機構(図示せず)を有し、該間隔の調整により、支持部材21と加圧ベルト24とによって、おむつ連続体10(シート積層体)に加える圧力を適宜調整することができる。
【0029】
照射するレーザー光について説明すると、おむつ連続体10に照射するレーザー光としては、外装体3を構成するシート(外層シート31及び内層シート32)に吸収され該シートを発熱させる波長のレーザー光を用いる。レーザー光のエネルギー密度は、2.8mJ/cm
2以上であることが好ましく、3.0mJ/cm
2以上であることが更に好ましく、そして、113mJ/cm
2以下であることが好ましく、50mJ/cm
2以下であることが更に好ましく、具体的には、2.8mJ/cm
2以上113mJ/cm
2以下であることが好ましく、3.0mJ/cm
2以上50mJ/cm
2以下であることが更に好ましい。ここで、「外装体を構成するシート」は、外装体の一方の面(後述する支持部材21との当接面)を構成するシート(例えば外層シート31)に限定されず、外装体を構成するシートであればどれであっても良い。外装体に照射するレーザー光が、該外装体を構成する個々のシートについて、該シートに吸収されて該シートを発熱させる波長であるか否かは、シートの材質と、使用するレーザー光の波長との関係で決まる。外装体を構成するシートが、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品(サニタリー用品)の製造に汎用される合成樹脂製の不織布やフィルムである場合、レーザー光としては、CO
2レーザー、YAGレーザー、LDレーザー(半導体レーザー)、YVO4レーザー、ファイバーレーザー等を用いることが好ましい。また、外装体を構成するシートが、合成樹脂として、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等を含む場合、該シートに吸収され該シートを良好に発熱させ得る波長としては、例えば、8.0μm以上15.0μm以下を用いることが好ましく、高出力のレーザー装置が存在するCO
2レーザーの発振波長の9.0μm以上11.0μm以下を用いることが特に好ましい。レーザー光のスポット径、レーザー出力等は、外装体を構成するシートの材質や厚み等を考慮して適宜選択することができる。
【0030】
支持部材21は、円筒ロール23の周面部(被加工物との当接部)を形成しており、円筒ロール23の回転軸方向両端部を形成する一対の環状の枠体22,22間に挟持固定されている。支持部材21の材料としては、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、銅等の金属材料が挙げられる。
【0031】
支持部材21は、レーザー光が通過可能な光通過部を有している。支持部材21は、
図6及び
図7に示すように、光通過部として、該支持部材21を厚み方向に貫通するスリット状の開口部27を有している。開口部27は、平面視して矩形形状を有し、その長手方向を、おむつ連続体10(帯状の外装体3)の搬送方向Aと交差する方向、より具体的には、円筒ロール23の回転軸の軸長方向と平行な方向(
図7(a)中に符号Xで示す方向)に一致させて、円筒状の支持部材21の周方向に所定間隔を置いて複数形成されている。スリット状の開口部27のスリット幅W(
図8(b)参照。開口部27の、円筒ロール23の周方向に沿った長さ。)は、レーザー光30のスポット径よりも広くなっていることが好ましく、該スポット径の1.5倍以上であることが好ましく、3.5倍以上であることが更に好ましい。具体的には、スリット幅Wは、0.9mm以上であることが好ましく、1.0mm以上であることが更に好ましく、そして、2.5mm以下であることが好ましく、2.1mm以下であることが更に好ましく、具体的には、0.9mm以上2.5mm以下であることが好ましく、1.0mm以上2.1mm以下であることが更に好ましい。支持部材21は、開口部27ではレーザー光を通過させる一方、開口部27以外の部分ではレーザー光を通過(透過)させないようになっている。尚、
図7では、説明容易の観点から、支持部材21及び加圧ベルト24(押さえ部材)並びにこれらに挟まれたおむつ連続体10(帯状の外装体)が、
図7中左側から右側に向かって水平移動しているかのように記載しているが、実際には、これら各部材は、円筒ロール23の円筒状の周面部に対応した湾曲状態で回転移動している。
【0032】
支持部材21は、
図7(b)に示すように、その外面(被加工物との当接面)に凹部28を有している。凹部28は、円筒状の支持部材21の周方向に所定間隔を置いて複数形成されており、隣接する2つの凹部28,28間に位置する領域(凸部)に、スリット状の開口部27が形成されている。開口部27は、前記凸部における円筒状の支持部材21の周方向の中央に形成されている。このように、支持部材21の外面に凹部28が形成されていることにより、おむつ連続体10における相対的に厚みの大きい部分(例えば吸収性本体2の配置領域)が凹部28内に収まるように、該おむつ連続体10を支持部材21の外面上に導入することが可能となる。そして、おむつ連続体10をそのように支持部材21上に導入すると、
図7(b)に示すように、おむつ連続体10における加圧ベルト24(押さえ部材)との当接面(他方の面10b)が略平坦となるため、加圧ベルト24をおむつ連続体10に押し付けたときに、おむつ連続体10における、開口部27が形成された前記凸部上に位置する部分が、おむつ連続体10の支持部材21への所定のテンションでの巻きかけと加圧ベルト24とによって、所定の圧力でその厚み方向に均一に加圧されるようになる。
【0033】
ベルト式加圧装置26は、無端状の加圧ベルト24(押さえ部材)及び該加圧ベルト24が架け渡された状態で回転する3本のロール25a,25b,25cを備えている。ロール25a,25b,25cは駆動ロールでも良く、円筒ロール23に連れ回りする従動ロールでも良い。加圧ベルト24は、ロール25a,25b,25cの何れか1以上を回転駆動として、又は円筒ロール23と連れ回りして、円筒ロール23(支持部材21)と同速度で移動する。支持部材21及び加圧ベルト24は、空冷、水冷等により温度を所定の温度範囲に維持することが好ましい。
【0034】
加圧ベルト24(押さえ部材)としては、加工時に発生する熱に耐えうる耐熱性を有する金属製のベルトが挙げられ、金属の材料としては、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼等が挙げられる。上述したように、支持部材21(円筒ロール23の周面部)の材料としては、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、銅等の金属材料が挙げられ、レーザー式接合装置20においては、加圧ベルト24(押さえ部材)の材料も支持部材21の材料も、冷却の役割を担う、同一の金属材料であることが好ましく、特に熱伝導率の高い、アルミニウムであることが更に好ましい。
【0035】
また、
図6に示すように、中空の円筒ロール23の中空部には、該円筒ロール23の周面部を形成する支持部材21に向けてレーザー光30を照射する照射ヘッド35が設けられている。照射ヘッド35は、レーザー光30を自在に走査するガルバノスキャナ(モータ軸にミラーが付いた装置)であり、レーザー光30を円筒ロール23の回転軸と平行な方向(
図7(a)中符号Xで示す方向)に進退させる機構、レーザー光30が支持部材21上のおむつ連続体10に当たる位置(照射点)を円筒ロール23の周方向に移動させる機構、及び円筒ロール23の周面上でレーザー光30のスポット径を一定にする機構等を備えている。レーザー照射機構は、このような構成を有することによって、レーザー光30の照射点を、円筒ロール23の周方向及び該周方向と直交する方向(
図7(a)中符号Xで示す方向。円筒ロール23の回転軸と平行な方向。)の両方向に任意に移動させることができる。
【0036】
続いて、上述したレーザー式接合装置20を用いて、一対のサイドシール部4,4を有するパンツ型使い捨ておむつ1を連続的に製造する方法の一実施態様を説明する。
先ず、
図6に示すように、予め製造されたおむつ連続体10を、図示しない案内ロール等によって、所定のテンションが掛けられた状態で、矢印A方向に回転駆動される円筒ロール23の周面部を形成する支持部材21の外面上に導入する。
【0037】
次いで、
図6、
図7及び
図8に示すように、支持部材21に当接しているおむつ連続体10の他方の面10b(支持部材21との当接面である一方の面10aとは反対側の面)に、加圧ベルト24(押さえ部材)を押し付け、加圧状態とする(重合加圧工程)。そして加圧状態のおむつ連続体10を搬送しながら、該おむつ連続体10に対して、
図8(a)に示す位置から
図8(b)に示す位置を経て、支持部材21側からスリット状の開口部27を介して、レーザー光30を照射ヘッド35から照射することにより、おむつ連続体10を個々に分断するのと同時に、その分断によって生じた加圧状態にある複数枚のシートの切断縁部どうしを融着して、サイドシール部4,4を形成し(サイドシール部形成工程)、一対のサイドシール部4,4を有する外装体3を具備するパンツ型使い捨ておむつ1を連続的に製造する。
【0038】
以下、
図8に基づき詳述する。サイドシール部形成工程を説明する
図8には、おむつ連続体10のレーザー光30による分断予定部分10C及びその近傍が模式的に示されている。本実施態様におけるおむつ連続体10の分断予定部分10Cは、おむつ連続体10の吸収性本体2が配置されていない領域における長手方向(搬送方向A)の中央である。斯かる分断予定部分10Cは、ウエスト開口部8(
図1参照)の開口端部及びその近傍が、8枚のシートが重ねられた8層構造部分、それ以外の部分が、4枚のシートが重ねられた4層構造部分となっている。4層構造部分は、
図8に示すように、腹側部1Aにおける1枚の外装体3を構成する2枚のシート(外層シート31及び内層シート32)と、背側部1Bにおける1枚の外装体3を構成する同じく2枚のシート31,32とからなり、これら4枚のシートが積層されて構成されている。一方、8層構造部分は、おむつ連続体10の製造時に帯状の外装体3の両側部が吸収性本体2の長手方向両端部を覆うように折り返されていることに起因して、腹側部1A及び背側部1Bそれぞれに外装体3が2枚存し且つこれら計4枚の外装体3,3が積層されているので、結果として8枚のシート31,32が積層されて構成されている。尚、4層構造部分及び8層構造部分それぞれにおいて、互いに重なり合うシート31,32間には、ウエスト部弾性部材5、胴回り部弾性部材6等の弾性部材が介在配置されている場合があるが、
図8では、説明容易の観点から、該弾性部材の図示を省略している。以下、主として、4層構造部分について説明するが、特に断らない限り、8層構造部分も4層構造部分と同様に構成されサイドシール部4が形成される。
【0039】
おむつ連続体10における4層構造の分断予定部分10Cにおいて、おむつ連続体10の一方の面10a(支持部材21との当接面)を構成する外層シート31及び一方の面10aを構成するシート以外のシート(内層シート32)は、本実施態様においては、それぞれ、レーザー光30を吸収して発熱するシートである。即ち、本実施態様においては、分断予定部分10Cを構成する4枚のシート31,32の全てが、レーザー光30を吸収して発熱するシート(不織布)である。
【0040】
おむつ連続体10は、
図8に示すように、一方の面10aが支持部材21に当接し且つ分断予定部分10Cがスリット状の開口部27上に位置するように、矢印A方向に回転する支持部材21上に導入されると共に、他方の面10bに加圧ベルト24(押さえ部材)が押し付けられることによって、矢印A方向に搬送されつつ厚み方向に加圧(圧縮)される。そして、斯かる搬送中且つ加圧状態の分断予定部分10Cに対して、
図8(b)に示すように、支持部材21側からスリット状の開口部27を介してレーザー光30が照射される。このように分断予定部分10Cにレーザー光30が照射されると、該分断予定部分10Cに存するシート31,32の形成材料(繊維等)は、レーザー光30の直射による発熱によって気化して消失し、該分断予定部分10Cの近傍に存する該形成材料は、レーザー光30によって間接的に熱せされて溶融する。その結果、4層構造の分断予定部分10Cが溶断されて、おむつ連続体10から1つのおむつ1が切り分けられる形で、該おむつ連続体10が分断されるのと同時に、その分断によって生じた4枚のシート31,32の切断縁部どうし、及び、切り分けられた該おむつ連続体10における4枚のシート31,32の切断縁部どうしが、それぞれ融着する。ここで、支持部材21及び加圧ベルト24(押さえ部材)によって加圧状態であるため、支持部材21に当接する一方の面10a側及び加圧ベルト24(押さえ部材)に当接する他方の面10b側から溶融部分が固まり易く、融着部40の外縁4aが内方に向かって窪んだ形状(
図3,
図5参照)を形成する。また、支持部材21及び加圧ベルト24(押さえ部材)が共に金属製であるため、冷却効果により、融着部40の端部40F,40Rがおむつ1の外方に向かって突出している形状(
図3,
図5参照)を形成し易い。
以上のようにして、レーザー式接合装置20を用いて、断面視して三日月状の輪郭の融着部40を有する一対のサイドシール部4,4を備えたパンツ型使い捨ておむつ1を連続的に製造することができる。
【0041】
以上、本発明を、その好ましい実施形態のおむつ1に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態のおむつ1に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、おむつ1では、
図3,
図4,
図5に示すように、融着部40の前身頃F側の端部40F及び後身頃R側の端部40Rそれぞれが、パンツ型着用物品の外方に向かって突出しているが、何れか一方の端部のみが突出していてもよい。
【0042】
また、本発明のパンツ型着用物品としては、乳幼児用のパンツ型の使い捨ておむつ、大人用のパンツ型使い捨ておむつ、生理用のパンツ型のナプキンの他、パンツ型のショーツ等が挙げられる。
【0043】
前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0044】
<1>
着用物品の外面を形成する外装体を備え、前身頃における外装体の両側縁部と後身頃における外装体の両側縁部とが合掌状に接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型着用物品であって、
前記サイドシール部は、レーザー光の照射によって、前身頃における前記外装体の前記側縁部と後身頃における前記外装体の前記側縁部が、該サイドシール部が延びる方向に延在する連続線状の融着部で結合して形成されており、
自然状態における前記サイドシール部が延びる方向と直交する断面において、前記融着部の外縁が、パンツ型着用物品の内方に向かって窪んだ形状を有しており、該融着部の前身頃側の端部及び後身頃側の端部の何れか一方の端部が、パンツ型着用物品の外方に向かって突出しているパンツ型着用物品。
【0045】
<2>
前記外装体は外層シートと内層シートとからなり、
前記外層シートの坪量及び前記内層シートの坪量を合わせた坪量が、30g/m
2以上であることが好ましく、45g/m
2以上であることが更に好ましい、前記<1>に記載のパンツ型着用物品。
<3>
前記外装体は外層シートと内層シートとからなり、
前記外層シートの坪量及び前記内層シートの坪量を合わせた坪量が、100g/m
2以下であることが好ましく、90g/m
2以下であることが更に好ましい前記<1>又は<2>に記載のパンツ型着用物品。
<4>
前記外装体は外層シートと内層シートとからなり、
前記外層シート及び前記内層シートはそれぞれ不織布からなり、
前記外層シート及び前記内層シートそれぞれは、該不織布における熱融着性の合成樹脂の含有量が、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい前記<1>〜<3>何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<5>
前記融着部の断面においては、その厚み方向において中央部に向けて該融着部の輪郭の幅が徐々に広くなっている前記<1>〜<4>何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<6>
前記融着部の断面は、その厚み方向において、木の葉形状であってもよく、バナナ形状であってもよい前記<1>〜<4>何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<7>
前記融着部の突出した端部が尖った形状である前記<1>〜<6>何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<8>
前記融着部の突出した端部が尖った丸みを帯びている前記<1>〜<6>何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<9>
前記レーザー光のエネルギー密度は、2.8mJ/cm
2以上であることが好ましく、3.0mJ/cm
2以上であることが更に好ましい前記<1>〜<8>何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<10>
前記レーザー光のエネルギー密度は、113mJ/cm
2以下であることが好ましく、50mJ/cm
2以下であることが更に好ましい前記<1>〜<9>何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<11>
前記レーザー光の波長は、8.0μm以上を用いることが好ましく、高出力のレーザー装置が存在するCO
2レーザーの発振波長の9.0μm以上を用いることが特に好ましい前記<1>〜<10>何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<12>
前記レーザー光の波長は、15.0μm以下を用いることが好ましく、高出力のレーザー装置が存在するCO
2レーザーの発振波長の11.0μm以下を用いることが特に好ましい前記<1>〜<11>何れか1に記載のパンツ型着用物品。
【0046】
<13>
前記パンツ型着用物品の連続体を搬送する支持部材の材料は、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、銅等の金属材料である前記<1>〜<12>何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<14>
前記パンツ型着用物品の連続体を支持部材に当接させる加圧ベルト(押さえ部材)の材料は、鉄、ステンレス鋼等、特にアルミニウムである前記<1>〜<13>何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<15>
前記パンツ型着用物品の連続体を搬送する支持部材はスリット状の開口部を有し、
前記スリット状の開口部のスリット幅Wは、前記レーザー光のスポット径よりも広くなっていることが好ましく、該スポット径の1.5倍以上であることが好ましく、3.5倍以上であることが更に好ましい前記<1>〜<14>何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<16>
前記パンツ型着用物品の連続体を搬送する支持部材のスリット状の開口部のスリット幅Wは、0.9mm以上であることが好ましく、1.0mm以上であることが更に好ましい前記<1>〜<15>何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<17>
前記パンツ型着用物品の連続体を搬送する支持部材のスリット状の開口部のスリット幅Wは、2.5mm以下であることが好ましく、2.1mm以下であることが更に好ましい前記<1>〜<15>何れか1に記載のパンツ型着用物品。
【0047】
<18>
着用状態における前記サイドシール部が延びる方向と直交する断面において、前記融着部は、前記外方に向かって突出する前身頃側の端部及び後身頃側の端部の何れか一方の端部における前記外装体との境界に位置する非肌対向面から該端部の先端までの長さ(W1)と、該外装体との境界に位置する非肌対向面から前身頃の前記外装体及び後身頃の前記外装体の境界までの長さ(W2)との関係が、W2≧W1である前記<1>〜<17>の何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<19>
前記長さ(W1)と前記長さ(W2)との関係が、1.1W1<W2<3W1である前記<18>に記載のパンツ型着用物品。
<20>
前記長さ(W2)が、1.1W1より長いことが更に好ましく、1.3W1より長いことが特に好ましい前記<18>又は<19>に記載のパンツ型着用物品。
<21>
前記長さ(W2)が、3W1より短いことが更に好ましく、2.5W1より短いことが特に好ましい前記<18>〜<20>の何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<22>
前記長さ(W1)は、0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることが更に好ましい前記<18>〜<21>の何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<23>
前記長さ(W1)は、2mm以下であることが好ましく、1mm以下であることが更に好ましい前記<18>〜<22>の何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<24>
前記長さ(W2)は、0.6mm以上であることが好ましく、1mm以上であることが更に好ましい前記<18>〜<23>の何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<25>
前記長さ(W2)は、6mm以下であることが好ましく、3mm以下であることが更に好ましい前記<18>〜<24>の何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<26>
自然状態における前記サイドシール部が延びる方向と直交する断面において、前記融着部の前身頃側の端部及び後身頃側の端部が、それぞれ、パンツ型着用物品の外方に向かって突出しており、
前記融着部の外縁における最も内方に窪んだ位置及び前記融着部の前身頃側の端部の先端を結ぶ第1仮想線と、該融着部の外縁における最も内方に窪んだ位置及び前記融着部の後身頃側の端部の先端を結ぶ第2仮想線とのなす角度(θ)が、90°以上170°以下である前記<1>〜<25>の何れか1に記載のパンツ型着用物品。
<27>
前記角度(θ)が、90°以上であることが好ましく、100°以上であることが更に好ましい前記<26>に記載のパンツ型着用物品。
<28>
前記角度(θ)が、170°以下であることが好ましく、150°以下であることが更に好ましい前記<26>又は<27>に記載のパンツ型着用物品。