【実施例】
【0025】
本発明を以下の実施例にて説明するが、実施の形態で限定されるものではない。
【0026】
(実施例1)
パラジウムを0.19g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に、ケッチェンブラックEC600JDを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを、パラジウムを0.01g含むジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液中に分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、エタノールでの還流還元を行い、パラジウム触媒を得た。
【0027】
(実施例2)
パラジウムを0.19g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に、ケッチェンブラックEC300Jを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを、パラジウムを0.01g含むジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液中に分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、エタノールでの還流還元を行い、パラジウム触媒を得た。
【0028】
(実施例3)
パラジウムを0.1g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に、ケッチェンブラックEC600JDを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを、パラジウムを0.1g含むジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液中に分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、エタノールでの還流還元を行い、パラジウム触媒を得た。
【0029】
(実施例4)
パラジウムを0.15g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に、ケッチェンブラックEC600JDを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを、パラジウムを0.05g含むジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液中に分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、エタノールでの還流還元を行い、パラジウム触媒を得た。
【0030】
(比較例1)
パラジウムを0.2g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に、ケッチェンブラックEC600JDを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。
【0031】
(比較例2)
パラジウムを0.05g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に、ケッチェンブラックEC600JDを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを、パラジウムを0.15g含むジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液中に分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、エタノールでの還流還元を行い、パラジウム触媒を得た。
【0032】
(比較例3)
パラジウムを0.19g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に、ケッチェンブラックEC600JDを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを、パラジウムを0.01g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、エタノールでの還流還元を行い、パラジウム触媒を得た。
【0033】
(比較例4)
パラジウムを0.19g含むジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液中に、ケッチェンブラックEC600JDを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを、パラジウムを0.01g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、エタノールでの還流還元を行い、パラジウム触媒を得た。
【0034】
(比較例5)
パラジウムを0.19g含むジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液中に、ケッチェンブラックEC600JDを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを、パラジウムを0.01g含むジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液中に分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、エタノールでの還流還元を行い、パラジウム触媒を得た。
【0035】
本発明の実施例1〜4のTEM画像を
図1〜4に、比較例2のTEM画像を
図5に示す。
【0036】
実施例1〜4および比較例1〜5の平均、最大、最小粒子径および標準偏差を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
表の粒子径算出はTEM観察による。測定点数は100点である。
【0039】
実施例1、実施例2の結果は、本発明によってカーボン担体の表面積によらず高分散パラジウム担持カーボンを作製可能であることを表している。
【0040】
実施例3の結果は、第1担持工程の担持率を総担持率の50%、第2担持工程の担持率を総担持率の50%とした結果である。TEM観察から粒子の凝集体が存在せず、本発明の担持率配分範囲が有効あることを表している。
【0041】
実施例4の結果は、第1担持工程の担持率を総担持率の75%、第2担持工程の担持率を総担持率の25%とした結果である。TEM観察から粒子の凝集体が存在せず、本発明の担持率配分範囲が有効あることを表している。
【0042】
比較例1の結果は、1段でパラジウムを担持した結果である。平均粒径は2段での担持と同じだが標準偏差が大きく、標準偏差を小さくするために本発明の2段階での担持が有効であることを表している。
【0043】
比較例2の結果は、第1担持工程の担持率を総担持率の25%、第2担持工程の担持率を総担持率の75%とした本発明の担持率範囲外での結果である。TEM観察から粒子の凝集体が存在し、標準偏差も大きいことから本発明の担持率配分範囲が有効であることを表している。
【0044】
比較例3の結果は、第1担持工程および第2担持工程のパラジウム原料を共にジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液を適用した結果である。平均粒径、標準偏差ともに大きいことから、本発明のパラジウム原料選定が有効であることを表している。
【0045】
比較例4の結果は、第1担持工程のパラジウム原料をジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液、第2担持工程のパラジウム原料をジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液を適用した結果である。平均粒径、標準偏差ともに大きいことから、本発明のパラジウム原料選定が有効であることを表している。
【0046】
比較例5の結果は、第1担持工程および第2担持工程のパラジウム原料を共にジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液を適用した結果である。平均粒径、標準偏差ともに大きいことから、本発明のパラジウム原料選定が有効であることを表している。