特許第6159621号(P6159621)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6159621コアシェル触媒用コア材料に適した高分散担持されたパラジウム触媒の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6159621
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】コアシェル触媒用コア材料に適した高分散担持されたパラジウム触媒の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/44 20060101AFI20170626BHJP
   B01J 35/02 20060101ALI20170626BHJP
   B01J 37/16 20060101ALI20170626BHJP
   B01J 37/02 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
   B01J23/44 M
   B01J35/02 H
   B01J37/16
   B01J37/02 101D
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-176736(P2013-176736)
(22)【出願日】2013年8月28日
(65)【公開番号】特開2015-44159(P2015-44159A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2016年7月18日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成25年度、 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、 「固体高分子形燃料電池実用化推進技術開発/基盤技術開発/低白金化技術」委託研究、 産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000198709
【氏名又は名称】石福金属興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166039
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 款
(72)【発明者】
【氏名】井上 秀男
(72)【発明者】
【氏名】添田 博史
(72)【発明者】
【氏名】青木 直也
【審査官】 安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−147720(JP,A)
【文献】 特開2007−029778(JP,A)
【文献】 特開2006−289213(JP,A)
【文献】 特開2006−205088(JP,A)
【文献】 特開2005−095873(JP,A)
【文献】 特開2008−093606(JP,A)
【文献】 特開2007−239054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00−38/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒担体上へパラジウム原料を含浸担持して気相還元にてパラジウム粒子に還元する第1担持工程と、パラジウム原料を追加担持して液相還元にて所定のパラジウム担持量までパラジウムを担持させる第2担持工程と、を含み、
パラジウム総担持量のうち、第1担持工程でのパラジウム担持量が総担持量の50〜95%、第2担持工程でのパラジウム担持量が総担持量の5〜50%であり、
第1担持工程で担持されるパラジウムとして非塩素系のパラジウム化合物酸性溶液を適用し、第2担持工程で担持されるパラジウムとして非塩素系のパラジウム化合物塩基性溶液を適用することを特徴とするパラジウム触媒の製造方法。
【請求項2】
パラジウム触媒の粒子サイズの平均が3nm以下、標準偏差が1nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のパラジウム触媒の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコアシェル触媒用コア材料に適用できる、カーボン担体上にパラジウムが高分散担持されたパラジウム触媒の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パラジウムは酸化反応や還元反応に対して触媒作用を示すため、さまざまな用途で触媒として広く使用されている。パラジウムなどの金属粒子表面が活性点として利用される触媒の場合、その反応場である表面積を増やすために金属粒子は小粒径かつ高分散であることが望まれる。このように小粒径かつ高分散に担持されたパラジウム触媒の応用は多岐に渡っており、酸化還元反応に直接寄与する触媒としてだけではなく、近年では燃料電池触媒への適用が検討されている。
【0003】
燃料電池は、環境問題や資源問題を解決できる可能性のある1つの手段として注目されている。燃料電池のひとつである固体高分子形燃料電池(PEFC)は、小型で高い電流密度を出すことが可能であることから、車載用電源などへの適用が期待されている。燃料電池はエネルギー源として水素を使用しているため水のみが生成されるクリーンエネルギーデバイスであって、カソード側の触媒として白金を使用するものが知られている。
【0004】
しかし、白金は資源量が少なく価格が高いという問題があり、その利用効率や耐久性を向上させて使用量を低減するために種々の検討が進められている。検討の一つとして、異種金属上に白金を被覆してなる白金コアシェル触媒が注目されている。白金コアシェル触媒は、触媒活性を発揮する白金原子は触媒粒子の最外層に露出した白金原子のみであることに着目して考案されたもので、白金原子層(シェル)で被覆された異種金属微粒子(コア)が、触媒等の担体に担持された構成を有する。
【0005】
これまでさまざまな金属微粒子がコアとして用いられてきており、その一つとしてパラジウムが知られる。非特許文献1(J. Zhang et al., J. Phys. Chem. B, 108,10955 (2004)))によれば、コア金属にパラジウムを使用した場合、酸素還元活性(ORR)が向上し、パラジウム触媒をコアシェル触媒のコア材料へ適用することの有効性が記載されている。
【0006】
コアシェル触媒は、コア材料の形態に大きく影響を受けるため、コア粒子径の標準偏差が大きい(分散性が悪い)コア材料の適用により、コアシェル触媒の活性の低下が起こるなどの問題がある。
【0007】
コア粒子径の標準偏差を小さく、高分散なコア材料を得る方法として特許文献1では有機系溶媒中でパラジウム原料を一酸化炭素(CO)で還元することで微細で標準偏差1nm以下のパラジウム粒子をコアとした白金コアシェル触媒の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【非特許文献1】J.Zhang et al., J. Phys. Chem. B, 108,10955 (2004)
【0009】
【特許文献1】特開2012-102345
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載のパラジウム粒子製造方法では、粒子径が5nm以下での粒子を製造可能であるが、溶媒が有機溶媒であること、および還元剤としてCOガスを使用しているため、安全面に課題があった。
【0011】
上記の課題に対し、本発明の目的は、安全で簡便な方法よって、微細で高分散なパラジウム粒子が担持された触媒の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは種々の検討の結果、上記の課題を解決するために微細かつ高分散に担持されたパラジウム触媒の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
上記の課題は、触媒担体上へパラジウム原料を含浸担持して、気相還元にてパラジウム粒子に還元する第1担持工程と、パラジウム原料を追加含浸担持して、液相還元にて所定のパラジウム担持量までパラジウムを担持する第2担持工程とを有する高分散担持されたパラジウム触媒の製造方法によって解決される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によるパラジウム触媒は、平均粒子径が3nm以下と小さいことおよび標準偏差が1nm以下ときわめて小さいことを特徴とする。コアシェル触媒はコア粒子の形態をそのまま引き継ぐので、コア材料である本発明によるパラジウム触媒を利用することで標準偏差が小さいコアシェル触媒を製造することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施例1のTEM画像
図2】実施例2のTEM画像
図3】実施例3のTEM画像
図4】実施例4のTEM画像
図5】比較例2のTEM画像
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、平均粒子径3nm以下、標準偏差1nm以下のパラジウム粒子を触媒担体に担持したパラジウム触媒の製造方法である。
【0017】
上記パラジウム粒子の触媒担体への第1担持工程および第2担持工程の総担持量は1〜60mass%であり、望ましくは10〜30mass%である。担持量が1mass%未満では触媒量が不足して十分な性能を得ることができず、60mass%を超えるとパラジウム粒子の凝集が発生し、粒度分布が大きくなることが考えられる。
【0018】
第1担持工程でのパラジウム担持量は総担持量の5〜95%、望ましくは50%以上であって、第2担持工程でのパラジウム担持量は総担持量の5〜95%、望ましくは50%以下である。
【0019】
触媒担体としては、粒子の凝集を抑制するために、高比表面積を持つカーボンブラックが望ましい。一例としてケッチェンブラックEC300J、ケッチェンブラックEC600JDがあげられる。
【0020】
上記触媒担体へ含浸担持させるパラジウム原料としては、第1担持工程においては非塩素系のパラジウム化合物を含む酸性溶液が望ましく、第2担持工程においては非塩素系のパラジウム化合物を含む塩基性溶液が望ましい。第1担持工程で用いるパラジウム原料の具体例としては、ジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液が挙げられ、また、第2担持工程で用いるパラジウム原料の具体例としては、ジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液が挙げられる。
【0021】
上記のパラジウム触媒は、以下の工程によって製造される。
【0022】
各工程の実施方法に制限はないが、望ましい例を挙げて説明すると以下の通りである。
【0023】
本発明の高分散パラジウム触媒は、パラジウム粒子の第1担持工程において、パラジウム原料と触媒担体を混合、乾固させたものを所定の温度で熱分解させることで得られる。例えば非塩素系のパラジウム化合物水溶液とカーボンブラックを混合、乾固させたパラジウム化合物吸着カーボンを、一酸化炭素、水素を含む還元雰囲気、あるいは窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性雰囲気下で200〜500℃、望ましくは200〜300℃で加熱処理する。これによってパラジウム化合物は還元あるいは熱分解してパラジウム粒子となる。
【0024】
上記第1担持工程後の第2担持工程において、パラジウム原料と触媒担体を混合、乾固させたものを液相還元によって還元することで得られる。例えば非塩素系のパラジウム化合物水溶液とカーボンブラックを混合、乾固させたパラジウム化合物吸着カーボンを、アルコール還流還元、あるいは水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、シュウ酸、クエン酸などの還元剤を使用する液相還元にてパラジウム粒子を得ることができる。
【実施例】
【0025】
本発明を以下の実施例にて説明するが、実施の形態で限定されるものではない。
【0026】
(実施例1)
パラジウムを0.19g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に、ケッチェンブラックEC600JDを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを、パラジウムを0.01g含むジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液中に分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、エタノールでの還流還元を行い、パラジウム触媒を得た。
【0027】
(実施例2)
パラジウムを0.19g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に、ケッチェンブラックEC300Jを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを、パラジウムを0.01g含むジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液中に分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、エタノールでの還流還元を行い、パラジウム触媒を得た。
【0028】
(実施例3)
パラジウムを0.1g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に、ケッチェンブラックEC600JDを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを、パラジウムを0.1g含むジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液中に分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、エタノールでの還流還元を行い、パラジウム触媒を得た。
【0029】
(実施例4)
パラジウムを0.15g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に、ケッチェンブラックEC600JDを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを、パラジウムを0.05g含むジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液中に分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、エタノールでの還流還元を行い、パラジウム触媒を得た。
【0030】
(比較例1)
パラジウムを0.2g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に、ケッチェンブラックEC600JDを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。
【0031】
(比較例2)
パラジウムを0.05g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に、ケッチェンブラックEC600JDを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを、パラジウムを0.15g含むジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液中に分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、エタノールでの還流還元を行い、パラジウム触媒を得た。
【0032】
(比較例3)
パラジウムを0.19g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に、ケッチェンブラックEC600JDを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを、パラジウムを0.01g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、エタノールでの還流還元を行い、パラジウム触媒を得た。
【0033】
(比較例4)
パラジウムを0.19g含むジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液中に、ケッチェンブラックEC600JDを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを、パラジウムを0.01g含むジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液中に分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、エタノールでの還流還元を行い、パラジウム触媒を得た。
【0034】
(比較例5)
パラジウムを0.19g含むジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液中に、ケッチェンブラックEC600JDを0.8g分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、窒素雰囲気下、300℃で気相還元して第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを得た。第1担持工程を完了したパラジウム担持カーボンを、パラジウムを0.01g含むジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液中に分散させ、ロータリーエバポレーターにて混合、乾燥することでカーボン担体表面にパラジウム化合物を吸着させ、エタノールでの還流還元を行い、パラジウム触媒を得た。
【0035】
本発明の実施例1〜4のTEM画像を図1〜4に、比較例2のTEM画像を図5に示す。
【0036】
実施例1〜4および比較例1〜5の平均、最大、最小粒子径および標準偏差を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
表の粒子径算出はTEM観察による。測定点数は100点である。
【0039】
実施例1、実施例2の結果は、本発明によってカーボン担体の表面積によらず高分散パラジウム担持カーボンを作製可能であることを表している。
【0040】
実施例3の結果は、第1担持工程の担持率を総担持率の50%、第2担持工程の担持率を総担持率の50%とした結果である。TEM観察から粒子の凝集体が存在せず、本発明の担持率配分範囲が有効あることを表している。
【0041】
実施例4の結果は、第1担持工程の担持率を総担持率の75%、第2担持工程の担持率を総担持率の25%とした結果である。TEM観察から粒子の凝集体が存在せず、本発明の担持率配分範囲が有効あることを表している。
【0042】
比較例1の結果は、1段でパラジウムを担持した結果である。平均粒径は2段での担持と同じだが標準偏差が大きく、標準偏差を小さくするために本発明の2段階での担持が有効であることを表している。
【0043】
比較例2の結果は、第1担持工程の担持率を総担持率の25%、第2担持工程の担持率を総担持率の75%とした本発明の担持率範囲外での結果である。TEM観察から粒子の凝集体が存在し、標準偏差も大きいことから本発明の担持率配分範囲が有効であることを表している。
【0044】
比較例3の結果は、第1担持工程および第2担持工程のパラジウム原料を共にジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液を適用した結果である。平均粒径、標準偏差ともに大きいことから、本発明のパラジウム原料選定が有効であることを表している。
【0045】
比較例4の結果は、第1担持工程のパラジウム原料をジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液、第2担持工程のパラジウム原料をジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液を適用した結果である。平均粒径、標準偏差ともに大きいことから、本発明のパラジウム原料選定が有効であることを表している。
【0046】
比較例5の結果は、第1担持工程および第2担持工程のパラジウム原料を共にジニトロジアンミンパラジウムアンモニア溶液を適用した結果である。平均粒径、標準偏差ともに大きいことから、本発明のパラジウム原料選定が有効であることを表している。
図1
図2
図3
図4
図5