【課題を解決するための手段】
【0025】
この理由から、第1の態様によると、本発明の主題は、水中油型エマルションの形態で与えられる組成物(C
1)であって、その重量100%に対して、
5重量%〜55重量%、好ましくは7重量%〜30重量%、より好ましくは10重量%〜20重量%の、少なくとも1つの油と任意に少なくとも1つのろうとからなる油相(P
1)と、
0.06重量%〜4.5重量%、好ましくは0.3重量%〜3.6重量%、より好ましくは0.3重量%〜2.7重量%の、少なくとも1つの架橋剤の存在下での部分的又は完全に塩化した2−メチル−2−[(1−オキソ2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸と、各アルキル基の炭素原子数が1〜4のN,N−ジアルキルアクリルアミドから選ばれる少なくとも1つの中性モノマーと、式(I):
【化3】
(式中、Rは炭素原子数8〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキルラジカルを表し、nは1以上20以下の数を表す。)の少なくとも1つのモノマーとの重合によって生じる少なくとも1つの架橋アニオン性高分子電解質(PA)と、
0.0025重量%〜1重量%、好ましくは0.0125重量%〜0.8重量%、より好ましくは0.0125重量%〜0.6重量%のキサンタンガム(GX)と、
0.0025重量%〜1重量%、好ましくは0.0125重量%〜0.8重量%、より好ましくは0.0125重量%〜0.6重量%のアカシアゴム(GA)と、
38.5重量%〜94.935重量%、好ましくは55重量%〜94.935重量%、より好ましくは65重量%〜94.935重量%の、その重量100%に対して1重量%〜10重量%、好ましくは1重量%〜8重量%、より好ましくは1重量%〜4重量%の溶解形態で与えられる少なくとも1つの塩(S)を含む化粧品に許容可能な水相(P
2)と、
を含むことを特徴とし、キサンタンガム(GX)とアカシアゴム(GA)との重量比が1/3以上3/1以下、好ましくは1/3以上3/2以下、より好ましくは1/3以上1/1以下であることを更に特徴とする、組成物(C
1)である。
【0026】
「油」は本願において、25℃の温度で液体状態の、水に不溶性の化合物及び/又は化合物の混合物を意味する。本発明の主題である組成物(C
1)の油相(P
1)に使用することができる油の中でも、以下のものに言及することができる:
パラフィン油、流動ワセリン、イソパラフィン又は白色鉱油等の鉱油;
スクアレン又はスクアラン等の動物起源の油;
フィトスクアラン(phytosqualane)、甘扁桃油、コプラ油、ヒマシ油、ホホバ油、オ
リーブ油、菜種油、ラッカセイ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、トウモロコシ胚芽油、大豆油、綿実油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ種子油、月見草油、雑穀油(millet oil)、オオムギ油、ライムギ油、サフラワー油、ククイ油、トケイソウ油、ヘーゼルナッツ油、ヤシ油、シアバター、杏仁油、カロフィラム油、シシンブリウム油、アボカド油、カレンジュラ油、花又は野菜に由来する油等の植物油;
エトキシ化植物油;
脂肪酸エステル、例えばミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸ドデシル、ラウリン酸ヘキシル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ラノリン脂肪酸(lanolic acid)に由来するエステル、例えばラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソセチル、脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド、例えばトリヘプタン酸グリセロール、安息香酸アルキル、水素化油、ポリ(α−オレフィン)、ポリオレフィン、例えばポリイソブテン、合成イソアルカン、例えばイソヘキサデカン、イソドデカン、過フッ素化油等の合成油;並びに、
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニル−ポリシロキサン、アミンで変性されたシリコーン、脂肪酸で変性されたシリコーン、アルコールで変性されたシリコーン、アルコール及び脂肪酸で変性されたシリコーン、ポリエーテル基で変性されたシリコーン、変性エポキシシリコーン、フッ素化基で変性されたシリコーン、環状シリコーン及びアルキル基で変性されたシリコーン等のシリコーン油。
【0027】
「ろう」は本願において、45℃以上の温度で固体状態の、水に不溶性の化合物及び/又は化合物の混合物を意味する。本発明の主題である組成物(C
1)の油相(P
1)に使用することができるろうの中でも、以下のものを挙げることができる:蜜ろう、カルナウバろう、カンデリラろう、オーリキュリーろう、木ろう、コルク繊維ろう、サトウキビろう、パラフィンろう、亜炭ろう、微結晶ろう、ラノリンろう;オゾケライト;ポリエチレンろう、シリコーンろう;植物ろう;常温で固体の脂肪アルコール及び脂肪酸;常温で固体のグリセリド。
【0028】
本発明の主題である組成物(C
1)の油相(P
1)と関連付けることができる他の脂肪の中でも、直鎖若しくは分岐鎖の飽和した若しくは不飽和の脂肪アルコール、又は直鎖若しくは分岐鎖の飽和した若しくは不飽和の脂肪酸を挙げることができる。
【0029】
本発明の主題である組成物(C
1)において、キサンタンガム(GX)は、キサントモナス・カンペストリス(xanthomonas campestris)属の細菌の好気性発酵によって得られる単糖類(oses)とウロン酸とのヘテロポリマーを意味する。その構造は、炭素原子1及び4によって相互接続するβ−D−グルコース単位の主鎖からなる。主鎖中の分岐三糖類は2グルコース単位毎に規則的に交互に数えられ、各々の分岐は以下のタイプの2つのマンノース及びグルクロン酸から構成される三糖類からなる:β−D−Manp−(1→4)−β−D−GlcAp−(1→2)−α−D−Manp−(1→3)。
【0030】
キサンタンガム(GX)はナトリウム塩、カリウム塩又はカルシウム塩の形態で利用可能であり、1,000,000〜50,000,000の分子量を特徴とする。キサンタンガムは例えば、Rhodia Chimie社によってRhodicare(商標)という商品名で販売される製品及びCP-KELCO社によってKeltrol(商標)CG−Tという商品名で販売される製品に代表される。
【0031】
本発明の主題である組成物(C
1)において、アカシアゴム(GA)は、主鎖が炭素原子1及び3によって相互接続したβ−D−ガラクトース単位からなる分岐複合体である糖とウロン酸とのヘテロポリマーを意味する。主鎖へと分岐する鎖は、炭素原子1及び6に
よって相互接続したβ−D−ガラクトース単位からなり、更にα−アラビノース単位及びより少ない割合のβ−グルクロノシル単位を有する。主鎖及び垂下鎖(hanging chains)はα−L−アラビノシル単位、α−L−ラムノピラノシル単位、β−D−グルクロノピラノシル単位及び4−O−メチル−β−D−グルクロノピラノシル単位を含有する。
【0032】
アカシアゴム(GA)は「アラビアゴム」という用語によっても表され、天然に又はアカシア科の幹又は木の根元の切開による混合された固化した下降樹液滲出液を構成する。
【0033】
本発明に使用されるアカシアゴム(GA)は例えば、Colloides Naturels International社によってEfficacia(商標)Mという商品名で販売される製品に代表される。
【0034】
架橋アニオン性高分子電解質(PA)は、本発明の主題である組成物(C
1)の定義において、水に不溶性であるが、水膨潤性であり、化学ゲルをもたらす非線状架橋アニオン性高分子電解質を意味する。
【0035】
「部分的に塩化した又は完全に塩化した」とは、上に規定される組成物(C
1)中に存在する架橋アニオン性高分子電解質(PA)の定義において、上記2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸が、概してアルカリ金属塩、例えばナトリウム塩若しくはカリウム塩の形態又はアンモニウム塩の形態で部分的又は完全に塩化していることを意味する。
【0036】
上に規定される組成物C
1に使用される上記架橋アニオン性高分子電解質(PA)は概して、5モル%〜95モル%、好ましくは10モル%〜90モル%、より好ましくは20モル%〜80モル%、特に好ましくは60モル%〜80モル%の、2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸に由来するモノマーを含む。
【0037】
上に規定される組成物C
1に使用される上記架橋アニオン性高分子電解質(PA)は概して、4.9モル%〜90モル%、好ましくは9.5モル%〜85モル%、より好ましくは15%〜75モル%、特に好ましくは15モル%〜39.5%の、各アルキル基の炭素原子数が1〜4のN,N−ジアルキルアクリルアミドから選ばれる中性モノマーを含む。
【0038】
上に規定される組成物(C
1)に使用される上記架橋アニオン性高分子電解質(PA)は概して、0.1モル%〜10モル%、好ましくは0.5モル%〜5モル%の式(I)のモノマーを含む。
【0039】
上に規定される組成物C
1に使用される上記架橋アニオン性高分子電解質(PA)の定義において、中性モノマーはより具体的には各アルキル基の炭素原子数が1〜4のN,N−ジアルキルアクリルアミドから選ばれ、特にN,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド及びN,N−ジプロピルアクリルアミドから選ばれる。
【0040】
上に規定される組成物C
1に使用される上記架橋アニオン性高分子電解質(PA)の定義において、炭素原子数8〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキルラジカルは、より具体的には式(I)中のRについて以下のものを意味する:
直鎖の第一級アルコールに由来するラジカル、例えばオクチルラジカル、デシルラジカル、ウンデシルラジカル、ドデシルラジカル、トリデシルラジカル、テトラデシルラジカル、ペンタデシルラジカル、ヘキサデシルラジカル、ヘプタデシルラジカル、オクタデシルラジカル、ノナデシルラジカル若しくはエイコシルラジカル;又は、
一般式:
CH
3−(CH
2)
p−CH[CH
3−(CH
2)
p−2]−CH
2OH
(pは2〜9の整数を表す)に適合する分岐1−アルカノールであるゲルベ(Guerbet)アルコールに由来するラジカル、例えば2−エチルヘキシルラジカル、2−プロピルヘプチルラジカル、2−ブチルオクチルラジカル、2−ペンチルノニルラジカル、2−ヘキシルデシルラジカル若しくは2−オクチルドデシルラジカル;又は、
一般式:
CH
3−CH(CH
3)−(CH
2)
m−CH
2OH
(式中、mは2〜16の整数を表す)に適合するイソアルカノールに由来するラジカル、例えば4−メチルペンチルラジカル、5−メチルヘキシルラジカル、6−メチルヘプチルラジカル、15−メチルペンタデシルラジカル若しくは16−メチルヘプタデシルラジカル、若しくは2−ヘキシルオクチルラジカル、2−オクチルデシルラジカル若しくは2−ヘキシルドデシルラジカル。
【0041】
具体的な態様によると、本発明の主題は、上記架橋アニオン性高分子電解質(PA)が、その構成要素モノマー100モル%に対して、
20モル%〜80モル%の、部分的又は完全に塩化した強酸官能基を含むモノマーに由来するモノマー単位と、
15モル%〜75モル%の、各アルキル基の炭素原子数が1〜4のN,N−ジアルキルアクリルアミドから選ばれる中性モノマーに由来するモノマー単位と、
0.5モル%〜5モル%の、上に規定される式(I)のモノマーに由来するモノマー単位と、
を含むことを特徴とする、上に規定されるような組成物(C
1)である。
【0042】
別の具体的な態様によると、本発明の主題は、上記架橋アニオン性高分子電解質(PA)の定義において、上記中性モノマーがN,N−ジメチルアクリルアミドであることを特徴とする、上に規定されるような組成物(C
1)である。
【0043】
本発明の具体的な態様によると、本発明の主題は、上記架橋アニオン性高分子電解質(PA)の定義において、式(I)中のRがより具体的には炭素原子数12〜18のアルキルラジカルを表すことを特徴とする先に規定されるような組成物(C
1)である。
【0044】
別の具体的な態様によると、本発明の主題は、上記架橋アニオン性高分子電解質(PA)の定義において、式(I)中のnがより具体的には3〜20の整数を表すことを特徴とする上に規定されるような組成物(C
1)である。
【0045】
更により具体的な態様によると、本発明の主題は、上記架橋アニオン性高分子電解質(PA)の定義において、上記式(I)のモノマーがテトラエトキシ化メタクリル酸ラウリルであることを特徴とする、上に規定されるような組成物(C
1)である。
【0046】
更により具体的な態様によると、本発明の主題は、上記架橋アニオン性高分子電解質(PA)の定義において、上記式(I)のモノマーがエイコサエトキシ化メタクリル酸ステアリルであることを特徴とする、上に規定されるような組成物(C
1)である。
【0047】
別の具体的な態様によると、本発明の主題は、上記架橋アニオン性高分子電解質(PA)が、使用されるモノマーに対して表されるモル比で0.005%〜1%、好ましくは0.01%〜0.5%、より好ましくは0.01%〜0.25%のジエチレン化合物又はポリエチレン化合物で架橋される上に規定されるような組成物(C
1)である。架橋剤は、より具体的にはエチレングリコールジメタクリレート、テトラアリルオキシエタン、エチレングリコールジアクリレート、ジアリル尿素、トリアリルアミン、トリメチロールプロパントリアクリレート若しくはメチレン−ビス(アクリルアミド)、又はこれらの化合物
の混合物から選ばれる。
【0048】
先に規定の組成物(C
1)に使用される架橋アニオン性高分子電解質(PA)は錯化剤、移動剤(transfer agents)又は連鎖制限剤(chain-limiting agents)等の様々な添加剤も含み得る。
【0049】
具体的な態様によると、本発明の主題は、上記架橋アニオン性高分子電解質(PA)が、トリメチロールプロパントリアクリレートで架橋した、アンモニウムの形態の部分的に塩化した2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸と、N,N−ジメチルアクリルアミドと、テトラエトキシ化メタクリル酸ラウリルとのターポリマー、又はトリメチロールプロパントリアクリレートによって架橋した、アンモニウム塩の形態の部分的に塩化した2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸と、N,N−ジメチルアクリルアミドと、エイコサエトキシ化メタクリル酸ステアリルとのターポリマーから選ばれる上記のような組成物(C
1)である。
【0050】
更により具体的な態様によると、本発明の主題は、上記架橋アニオン性高分子電解質(PA)が、トリメチロールプロパントリアクリレートによって架橋した、アンモニウムの形態で部分的に塩化した2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸と、N,N−ジメチルアクリルアミドと、テトラエトキシ化メタクリル酸ラウリルとのターポリマーである上記のような組成物(C
1)である。
【0051】
更により具体的な態様によると、本発明の主題は、上記架橋アニオン性高分子電解質(PA)が、100モル%に対して、
60モル%〜80モル%の、アンモニウム形態の部分的に塩化した2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸に由来するモノマー単位と、
15モル%〜39.5モル%の、N,N−ジメチルアクリルアミドに由来するモノマー単位と、
0.5モル%〜5モル%の、テトラエトキシ化メタクリル酸ラウリルに由来するモノマー単位と、
を含む上記のような組成物(C
1)である。
【0052】
本発明による組成物(C
1)において、先に規定の割合での上に規定されるような架橋アニオン性高分子電解質(PA)、キサンタンガム(GX)及びアカシアゴム(GA)のin situ組合せによって上記組成物(C
1)の安定化系が構成される。
【0053】
本発明の主題である組成物(C
1)の水相(P
2)の定義に使用される「化粧品に許容可能な」という表現は、1993年6月14日付けの欧州経済共同体理事会指令第93/35/EEC号によって改正された1976年7月27日付けの欧州経済共同体理事会指令第76/768/EEC号によると、上記水相(P
2)が水と、専ら主に洗浄、香り付け、外観の改善及び/又は体臭の矯正、及び/又は保護若しくは良好な条件での維持を目的としてヒト身体の様々な部位(表皮、毛包系及び毛髪系、爪、唇並びに生殖器)、又は歯及び口腔粘膜と接触して置かれることを意図する任意の物質又は調製物とを含むことを意味する。
【0054】
本発明の主題である組成物(C
1)に含まれる化粧品に許容可能な水相(P
2)は水を含有し、通常は1つ又は複数の化粧品に許容可能な有機溶媒、水と1つ又は複数の化粧品に許容可能な有機溶媒との混合物を含有し得る。化粧品に許容可能な溶媒は、より具体的には多価アルコール、例えばグリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール、グリセ
ロールオリゴマー、キシリトール、エリトリトール、ソルビトール、2−メチル−1,3−プロパンジオール;アルコキシル化多価アルコール;グリコール、例えばブチレングリコール、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール若しくは1,2オクタンジオール、ペンチレングリコール若しくは1,2ペンタンジオール、モノプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、ブチルジグリコール、分子量が200g・mol
−1〜8000g・mol
−1のポリエチレングリコール;又は水溶性アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール又はブタノールから選ぶことができる。
【0055】
上に規定される組成物(C
1)において、塩(S)は、結晶格子に水素イオンとは異なる少なくとも1つのタイプのカチオンと、水酸化物イオンとは異なる少なくとも1つのタイプのアニオンとが含まれる異極化合物を意味する。
【0056】
具体的な態様によると、本発明の主題である組成物(C
1)の水相(P
2)中に溶解形態で与えられる塩(S)は、無機塩及び有機塩から選択される。
【0057】
この具体的な態様によると、塩(S)は特に無機塩から選択される。
【0058】
より具体的な態様によると、本発明の主題は、塩(S)が、アンモニウムイオン又は金属カチオンであるカチオンと、ハロゲン化物イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、リン酸アニオン、硝酸アニオン、ホウ酸アニオン及び硫酸アニオンからなる群の要素から選択されるアニオンとからなる無機塩であることを特徴とする上に規定される組成物(C
1)である。
【0059】
より具体的な態様によると、本発明の主題は、塩(S)が、金属カチオンがナトリウムカチオン、カリウムカチオン、リチウムカチオン、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、亜鉛カチオン、マンガンカチオン、鉄カチオン、銅カチオン、コバルトカチオン、銀カチオン、金カチオン、アルミニウムカチオン、バリウムカチオン、ビスマスカチオン、セレンカチオン、ジルコニウムカチオン、ストロンチウムカチオン及びスズカチオンからなる群の要素から選ばれる一価又は多価カチオンである無機塩であることを特徴とする上に規定される組成物(C
1)である。
【0060】
更により具体的な態様によると、本発明の主題は、塩(S)が塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、炭酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、ホウ酸ナトリウムからなる群の要素から選ばれる無機塩であることを特徴とする上に規定される組成物(C
1)である。
【0061】
別の具体的な態様によると、塩(S)は特に有機塩から選択される。
【0062】
具体的な態様によると、本発明の主題は、塩(S)が、アンモニウムイオン又は金属カチオンであるカチオンと、カルボン酸形態の少なくとも1つのカルボン酸官能基を有する有機化合物又はスルホン酸形態の少なくとも1つのスルホン酸官能基を有する有機化合物又は少なくとも1つの硫酸官能基を有する有機化合物である有機イオンとからなる有機塩であることを特徴とする上に規定される組成物(C
1)である。
【0063】
この具体的な態様によると、本発明の主題は、塩(S)がより具体的にはナトリウムカチオン、カリウムカチオン、リチウムカチオン、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、亜鉛カチオン、マンガンカチオン、鉄カチオン、銅カチオン、コバルトカチオン、銀カチオン、金カチオン、アルミニウムカチオン、バリウムカチオン、ビスマスカチオン、セレンカチオン、ジルコニウムカチオン、ストロンチウムカチオン及びスズカチオンからなる群の要素から選ばれる一価又は多価金属カチオンからなる有機塩であることを特徴
とする上に規定される組成物(C
1)である。この好ましい態様によると、塩(S)はナトリウムカチオン、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、亜鉛カチオン及びマンガンカチオンからなる群の要素から選ばれるカチオンからなる有機塩であり、より好ましくは、塩(S)はナトリウムカチオンからなる有機塩である。
【0064】
具体的な態様によると、本発明の主題は、塩(S)がアンモニウムイオン又は上記のような金属カチオンであるカチオンと、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、サリチル酸、乳酸、マンデル酸、アスコルビン酸、ピルビン酸、フマル酸、レチノイン酸、安息香酸、コウジ酸、リンゴ酸、グルコン酸、ガラクツロン酸、プロピオン酸、ヘプタン酸、4−アミノ安息香酸、桂皮酸、ベンザルマロン酸、アスパラギン酸及びグルタミン酸からなる群の要素から選ばれるカルボン酸形態の少なくとも1つのカルボン酸官能基を有する有機化合物である有機イオンとからなる有機塩であることを特徴とする上に規定される組成物(C
1)である。
【0065】
更により具体的な態様によると、本発明の主題は、上記塩(S)がグリコール酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸亜鉛、グルコン酸マンガン、グルコン酸銅及びアスパラギン酸マグネシウムからなる群の要素から選択される有機塩であることを特徴とする上に規定される組成物(C
1)である。
【0066】
別の具体的な態様によると、本発明の主題は、塩(S)がアンモニウムイオン又は上記のような金属カチオンであるカチオンと、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、ベンゾフェノンに由来するスルホン酸、例えば4−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−(オキソ−フェニルメチル)ベンゼンスルホン酸(該酸はベンゾフェノン−4という名で登録されている)、3−ベンジリデンカンファーに由来するスルホン酸、例えば4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸、2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸からなる群の要素から選ばれるスルホン酸形態の少なくとも1つのスルホン酸官能基を有する有機化合物である有機アニオンとからなる有機塩であることを特徴とする上に規定される組成物(C
1)である。
【0067】
更により具体的な態様によると、本発明の主題は、上記塩(S)が、2−フェニルベンズイミダゾール−5スルホン酸ナトリウム及び4−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−(オキソ−フェニルメチル)ベンゼンスルホン酸ナトリウムからなる群の要素から選ばれる有機塩であることを特徴とする上に規定される組成物(C
1)である。
【0068】
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸は、特にMerck社によってEUSOLEX(商標)232という商品名で販売されている。4−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−(オキソ−フェニルメチル)ベンゼンスルホン酸ナトリウムは、ベンゾフェノン−5という名で登録されている。
【0069】
概して、本発明の主題である組成物(C
1)は、上記油相(P
1)に加えて、上に規定されるような架橋アニオン性高分子電解質(PA)、アカシアゴム(GA)及びキサンタンガム(GX)のin situ組合せから構成される安定化系と、上に規定される上記化粧品に許容可能な水相(P
2)と、化粧品配合物、皮膚用化粧品(dermocosmetic)配合物、医薬品配合物及び皮膚用医薬品(dermopharmaceutical)配合物の分野で日常的に使用されるアジュバント及び/又は添加剤とを含む。
【0070】
本発明の主題である組成物(C
1)中に存在し得るアジュバントの中でも、以下のものを挙げることができる:塗膜形成化合物、ヒドロトロープ剤、可塑剤、乳白剤、真珠光沢剤、過脂肪剤、金属イオン封鎖剤、キレート剤、非イオン性洗浄用界面活性剤、抗酸化剤
、香料、保存料、品質改良剤、毛髪及び皮膚の脱色を対象とする漂白剤、皮膚又は毛髪に対する治療行為を目的とする活性成分、無機充填剤又は顔料、視覚効果をもたらす又は活性成分の封入を対象とする粒子、角質除去粒子、テクスチャー剤、光学的光沢剤、防虫剤。
【0071】
本発明の主題である組成物(C
1)と関連付けることができる乳白剤及び/又は真珠光沢剤の中でも、以下のものを特に挙げることができる:ナトリウム又はマグネシウムのパルミチン酸塩、ステアリン酸塩又はヒドロキシステアリン酸塩、エチレングリコール又はポリエチレングリコールのモノステアリン酸塩又はジステアリン酸塩、脂肪アルコール、スチレンのホモポリマー及びコポリマー、例えばSEPPIC社によってMONTOPOL(商標)OP1という名で販売されているアクリル酸スチレンコポリマー。
【0072】
本発明の主題である組成物(C
1)と関連付けることができるテクスチャー剤の中でも、以下のものに言及することができる:アミノ酸のN−アシル誘導体、例えば味の素株式会社によってAMINOHOPE(商標)LLという名で販売されているラウロイルリシン、NATIONAL STARCH社によってDRYFLO(商標)という名で販売されているコハク酸オクテニルデンプン、SEPPICによってMONTANOV(商標)14という名で販売されているミリスチルポリグルコシド、セルロース繊維、綿繊維、キトサン繊維、タルク、セリサイト、マイカ。
【0073】
本発明の主題である組成物(C
1)と関連付けることができる活性成分の中でも、例えば以下のものに言及することができる:ビタミン及びその誘導体、特にそのエステル、例えばレチノール(ビタミンA)及びそのエステル(例えばパルミチン酸レチニル)、アスコルビン酸(ビタミンC)及びそのエステル、アスコルビン酸糖誘導体(例えばアスコルビルグルコシド)、トコフェロール(ビタミンE)及びそのエステル(例えば酢酸トコフェロール)、ビタミンB3若しくはB10(ナイアシンアミド及びその誘導体);皮膚の美白作用若しくは脱色素作用を示す化合物、例えばSEPIWHITE(商標)MSH、アルブチン、コウジ酸、ハイドロキノン、VEGEWHITE(商標)、GATULINE(商標)、SYNERLIGHT(商標)、BIOWHITE(商標)、PHYTOLIGHT(商標)、DERMALIGHT(商標)、CLARISKIN(商標)、MELASLOW(商標)、DERMAWHITE(商標)、ETHIOLINE、MELAREST(商標)、GIGAWHITE(商標)、ALBATINE(商標)、LUMISKIN(商標);鎮静作用を示す化合物、例えばSEPICALM(商標)S、アラントイン及びビサボロール;抗炎症剤、保湿作用を示す化合物、例えば尿素、ヒドロキシウレア、グリセロール、ポリグリセロール、AQUAXYL(商標)、グリセロールグルコシド;ポリフェノール抽出物、例えばブドウ抽出物、マツ抽出物、ワイン抽出物、オリーブ抽出物;痩身作用若しくは脂肪分解作用を示す化合物、例えばカフェイン若しくはその誘導体、ADIPOSLIM(商標)、ADIPOLESS(商標);N−アシル化タンパク質;N−アシル化ペプチド、例えばMATRIXIL(商標);N−アシル化アミノ酸;N−アシル化タンパク質の部分加水分解物;アミノ酸;ペプチド;全タンパク質加水分解物、大豆抽出物、例えばRaffermine(商標);小麦抽出物、例えばTENSINE(商標)若しくはGLIADINE(商標);植物抽出物、例えばタンニンに富んだ植物抽出物、イソフラボンに富んだ植物抽出物若しくはテルペンに富んだ植物抽出物;淡水若しくは海水藻類抽出物;海洋抽出物(marine extracts)、例えば概してサンゴ;エッセンシャルろう(essential waxes);細菌抽出物;セラミド;リン脂質;抗菌作用若しくは浄化作用を示す化合物、例えばLIPACIDE(商標)C8G、LIPACIDE(商標)UG、SEPICONTROL(商標)A5;OCTOPIROX(商標)若しくはSENSIVA(商標)SC50;強精(energising)特性若しくは強壮特性を示す化合物、例えばPhysiogenyl(商標)、パンテノール及びSEPICAP(商標)MP等のその誘導体;老化防止剤、例えばSEPILIFT(商標)DPHP
、LIPACIDE(商標)PVB、SEPIVINOL(商標)、SEPIVITAL(商標)、MANOLIVA(商標)、PHYTO−AGE(商標)、TIMECODE(商標);SURVICODE(商標);抗光老化剤;表皮真皮接合部の完全性を保護する薬剤;細胞外基質の構成成分の合成を増大する薬剤、例えばコラーゲン、エラスチン、グリコサミノグリカン;サイトカイン等の化学的な細胞伝達を促進する薬剤若しくはインテグリン等の物理的な細胞伝達を促進する薬剤;皮膚に対して「温」感を生じる薬剤、例えば皮膚微小循環活性剤(例えばニコチン酸誘導体);又は皮膚に対して「冷」感を生じる製品(例えばメントール及び誘導体);皮膚微小循環を改善する薬剤、例えば静脈緊張剤(veinotonics);排膿剤(draining agents);充血除去用の薬剤、例えばイチョウ、アイビー、マロニエ、タケ、ルスクス、ナギイカダ、ツボクサ、ヒバマタ、ローズマリー及びヤナギの抽出物。
【0074】
本発明の主題である組成物(C
1)と関連付けることができる活性成分の中でも、より具体的には以下のものを挙げることができる:皮膚タンニング剤又は褐色化剤、例えばジヒドロキシアセトン、イサチン、アロキサン、ニンヒドリン、グリセルアルデヒド、メソ酒石酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、エリトルロース。
【0075】
本発明の主題である組成物(C
1)と関連付けることができる非イオン性洗浄用界面活性剤の中でも、炭素原子数8〜12の脂肪アルコールエトキシ化誘導体、炭素原子数8〜12の脂肪酸エトキシ化誘導体、炭素原子数8〜12の脂肪酸エステルエトキシ化誘導体、炭素原子数8〜12のモノグリセリドエトキシ化誘導体、式(II):
R
2−O−(S)
y−H (II)
(式中、yは1〜5の10進数を表し、Sは還元糖残基を表し、R
2は炭素原子数5〜16、好ましくは炭素原子数8〜14の飽和した又は不飽和の直鎖又は分岐鎖のアルキルラジカルを表す。)のアルキルポリグルコシド、又は式(II)の化合物の混合物に言及することができる。
【0076】
本発明の主題である組成物(C
1)と関連付けることができる非イオン性洗浄用界面活性剤は、より具体的には特にSEPPIC社によってORAMIX(商標)CG 110という商品名で販売されるカプリリルカプリルグルコシド、特にSEPPIC社によってORAMIX(商標)NS 10という商品名で販売されるデシルグルコシドからなる群の要素から選ばれる。
【0077】
本発明の主題である組成物(C
1)と関連付けることができる顔料の中でも、二酸化チタン、褐色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄若しくは赤色酸化鉄、又はマイカ−チタン等の白色若しくは着色真珠光沢顔料に言及することができる。
【0078】
本発明の主題である組成物(C
1)と関連付けることができる日焼け止め剤の中でも、改正された化粧品指令第76/768/EEC号付録VIIに掲載されている全てのもの、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、桂皮酸エステル、例えば4−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、4−メトキシ桂皮酸イソペンチル、非イオン性ベンゾフェノン誘導体、4−アミノ安息香酸エステル、例えば2−エチルヘキシル、4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート又はアミル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエートに言及することができる。
【0079】
別の具体的な態様によると、本発明の主題は、ブルックフィールド型粘度計を用いて20℃の温度で測定されるその動的粘度が、30,000mPa・s以上200,000mPa・s以下、好ましくは40,000mPa・s以上130,000mPa・s以下、より好ましくは50,000mPa・s以上130,000mPa・s以下であることを特徴とする上に規定される組成物(C
1)である。
【0080】
組成物(C
1)の動的粘度が20℃の温度でおよそ100,000mPa・s以下である場合、該動的粘度はブルックフィールドLVT型粘度計を用いて毎分6回転の速度で測定される。
【0081】
組成物(C
1)の動的粘度が20℃の温度でおよそ100,000mPa・sを超える場合、該動的粘度はブルックフィールドRVT型粘度計を用いて毎分5回転の速度で測定される。
【0082】
本発明の主題である組成物(C
1)は、特に連続水相エマルション又はマイクロエマルションの形態である。
【0083】
本発明の主題である組成物(C
1)は、合成若しくは天然織物繊維からなる基質、織布若しくは不織布、又は例えば皮膚、頭皮若しくは毛髪の手入れ、保護若しくは洗浄を目的とするワイプ、若しくは例えば衛生用若しくは家庭用の紙等の物品を形成する紙等の基質の含浸に使用することができる。
【0084】
本発明の主題である組成物(C
1)は、化粧品、皮膚用化粧品、皮膚用医薬品若しくは医薬組成物の場合の直接的適用、又は皮膚、毛髪若しくは頭皮と接触させることを意図する織物製品、例えばワイプ、若しくは例えば衛生用の紙製品の形態で与えられる身体の手入れ、保護、洗浄用の製品の場合の間接的適用からなるかを問わず、皮膚、毛髪又は頭皮に適用することによって使用することができる。
【0085】
上に規定される組成物(C
1)は、乳化界面活性剤を該組成物(C
1)に組み込む必要なしに、20℃で少なくとも1ヶ月の貯蔵期間後も経時的に安定であり、均一な外観を保持し、同じ操作条件下での同じ貯蔵期間後に塊又はクラスターの外観を示さない。
【0086】
別の具体的な態様によると、本発明の主題は、その重量100%に対して、0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜5重量%、より好ましくは0.5重量%〜3重量%の、以下のものから選ばれる少なくとも1つの乳化界面活性剤(EM)を含む組成物(C
1)である:
炭素原子数14〜22の脂肪酸、
炭素原子数14〜22のエトキシ化脂肪酸、
ソルビトールを含む炭素原子数14〜22の脂肪酸エステル、
ポリグリセロールを含む炭素原子数14〜22の脂肪酸エステル、
エトキシ化炭素原子数14〜22の脂肪アルコール、
スクロースを含む炭素原子数14〜22の脂肪酸エステル、
式(II):
R
3−O−(S)
z−H (III)
(式中、zは1〜5の10進数を表し、Sは還元糖残基を表し、R
3は炭素原子数14〜22、好ましくは炭素原子数16〜22の飽和した又は不飽和の直鎖又は分岐鎖のアルキルラジカルを表す。)のアルキルポリグルコシド、又は式(III)の化合物の混合物。
【0087】
上に規定されるような式(III)の定義において、zは残基Sの平均重合度を表す10進数である。zが整数である場合、(S)
zは残基Sのランクzのポリマー残基である。zが10進数である場合、式(III)は以下のような化合物の混合物を表す:
a
1 R
3−O−S−H+a
2 R
3−O−(S)
2−H+a
3 R
3−O−(S)
3−H+...+a
q R
3−O−(S)
q−H
(式中、qは1〜10の整数を表し、モル比a
1、a
2、a
3...a
qは、
q=1
Σa
q=1;a1>0
q=10のようになる)
【0088】
上に規定される式(III)において、zは1.05〜5.0、より具体的には1.05〜2である。
【0089】
上に規定される式(III)において、R
3は例えばn−テトラデシルラジカル、n−ヘキサデシルラジカル、n−オクタデシルラジカル、n−エイコシルラジカル又はn−ドコシルラジカルを表す。
【0090】
還元糖とは、式(III)の定義において、参考文献" Biochemistry" , Daniel Voet/Judith G. Voet, p. 250, John Wyley & Sons, 1990に規定されるように、その構造内にアノマー炭素とアセタール基の酸素との間に確立され、配置されたグルコシド結合を有しない単糖誘導体を意味する。オリゴマー構造(S)
zは光学異性、幾何異性又は位置異性からなるかを問わず、任意の異性形態で与えられ得る。(S)
zは異性体混合物を表していてもよい。
【0091】
上に規定される式(III)において、R
3−O−基はアセタール官能基を形成するように単糖残基のアノマー炭素によってSに結合する。
【0092】
上に規定される式(III)において、Sはより具体的にはグルコース、キシロース又はアラビノースから選ばれる還元糖の残基を表す。
【0093】
この他の具体的な態様によると、上に規定されるようなアニオン性高分子電解質(PA)の量(重量)及びキサンタンガム(GX)の量(重量)及びアカシアゴム(GA)の量(重量)の総和と、乳化剤(EM)の量(重量比)との重量比は1.0以上、より具体的には5.0以上、更により具体的には10.0以上である。
【0094】
別の態様によると、本発明の主題は、上に規定されるような組成物(C
1)を調製する方法であって、
少なくとも、架橋アニオン性高分子電解質(PA)、キサンタンガム(GX)及びアカシアゴム(GA)を油相(P
1)中で混合することによって相(P’
1)を調製する工程a)と、
少なくとも、工程a)によって得られる上記相(P’
1)を化粧品に許容可能な水相(P
2)で乳化する工程b)と、
を含むことを特徴とする、方法である。
【0095】
本発明の主題である方法において、油相(P
1)は上に規定されるような1つ又は複数の油及び/又は1つ又は複数のろうを含む。
【0096】
油相(P
1)が単一の油又は単一のろうからならない場合、油相(P
1)はその構成成分を典型的には20℃〜85℃の温度、好ましくは20℃〜60℃の温度で、当業者に既知の任意の混合デバイスを用いて、例えば「アンカー」型可動アセンブリを備える機械的攪拌デバイスを用いて、毎分50回転〜毎分500回転、好ましくは毎分50回転〜毎分300回転の攪拌速度で混合することによって調製される。
【0097】
上記のような本発明の主題である方法において、架橋アニオン性高分子電解質(PA)、キサンタンガム(GX)及びアカシアゴム(GA)を油相(P
1)中で混合することによって相(P’
1)を調製する工程a)は、85℃以下20℃以上の温度、好ましくは60℃以下20℃以上の温度で有利に実行することができる。
【0098】
上記のような本発明の主題である方法において、架橋アニオン性高分子電解質(PA)、キサンタンガム(GX)及びアカシアゴム(GA)を油相(P
1)中で混合することによって相(P’
1)を調製する工程a)は、当業者に既知の任意の混合デバイスを用いて、例えば「アンカー」型可動アセンブリを備える機械的攪拌デバイスを毎分50回転〜毎分500回転、好ましくは毎分50回転〜毎分300回転の攪拌速度で用いて、更には例えば回転子−固定子型の攪拌デバイスを毎分100回転〜毎分10000回転、好ましくは毎分500回転〜毎分4000回転の撹拌速度で用いて行うことができる。
【0099】
本発明の主題である方法において、工程a)によって得られる相(P’
1)を水相(P
2)で乳化する工程b)は20℃〜90℃の温度、好ましくは20℃〜85℃の温度、より好ましくは20℃〜60℃の温度で有利に実行することができる。
【0100】
本発明の主題である方法において、工程a)によって得られる相(P’
1)を水相(P
2)で乳化する工程b)は、当業者に既知の任意の混合デバイスを用いて、例えば「アンカー」型可動アセンブリを備える機械的攪拌デバイスを毎分50回転〜毎分500回転、好ましくは毎分50回転〜毎分300回転の攪拌速度で用いて、更には例えば回転子−固定子型の攪拌デバイスを毎分100回転〜毎分10000回転、好ましくは毎分500回転〜毎分4000回転の撹拌速度で用いて行うことができる。
【0101】
上記のような本発明の主題である方法において、化粧品に許容可能な水相(P
2)は水と、任意に1つ又は複数の先に記載したような化粧品に許容可能な有機溶媒と、上記化粧品に許容可能な水相(P
2)の重量100%に対して1重量%〜25重量%の先に規定したような溶解形態で与えられる少なくとも1つの塩(S)とを含む。
【0102】
化粧品に許容可能な水相(P
2)は、水と、任意に1つ又は複数の化粧品に許容可能な有機溶媒と、先に記載したような少なくとも1つの塩(S)とを20℃〜85℃の温度、好ましくは20℃〜60℃の温度で、当業者に既知の任意の混合デバイスを用いて、例えば「アンカー」型可動アセンブリを備える機械的攪拌デバイスを用いて、毎分50回転〜毎分500回転、好ましくは毎分50回転〜毎分300回転の攪拌速度で混合することによって調製される。
【0103】
別の態様によると、本発明の主題は、皮膚、毛髪、頭皮又は粘膜の洗浄、保護及び/又は手入れへの上に規定される組成物(C
1)の化粧品的使用である。
【0104】
本発明の範囲内で、「化粧品的使用」は皮膚、毛髪、頭皮又は粘膜の美的外観を改善及び/又は維持することを目的とする組成物(C
1)の使用を意味する。
【0105】
より具体的な態様によると、本発明の主題である組成物(C
1)は皮膚、毛髪又は頭皮の洗浄に使用することができ、より具体的にはバスジェル又はシャワージェル、シャンプーとして使用することができる。この具体的な使用では、組成物(C
1)は先に記載したような少なくとも1つの非イオン性洗浄用界面活性剤を更に含む。
【0106】
別のより具体的な態様によると、本発明の主題である組成物(C
1)は皮膚の手入れ又は保護に、例えば顔、手及び身体の手入れ又は保護のためのクリーム、ミルク又はローションとして使用することができる。この具体的な態様によると、組成物(C
1)は、より具体的には皮膚を太陽光線から保護する製品、肌用メイクアップ製品、皮膚を皮膚老化から保護する製品、皮膚保湿製品、にきび及び/又は毛穴の黒ずみ及び/又は面皰の美容術用の製品として使用することもできる。