特許第6160156号(P6160156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6160156
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】空調室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20170703BHJP
   F24F 13/32 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   F24F1/00 401A
   F24F1/00 421
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-59987(P2013-59987)
(22)【出願日】2013年3月22日
(65)【公開番号】特開2014-185795(P2014-185795A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2016年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】安冨 正直
【審査官】 田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−114352(JP,A)
【文献】 特開2012−220062(JP,A)
【文献】 特開2011−179743(JP,A)
【文献】 特開2005−069636(JP,A)
【文献】 特開2004−011941(JP,A)
【文献】 実開昭56−010216(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
F24F 13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
据付板(90)を介して室内の側壁面に設置される壁掛け型の空調室内機であって、
熱交換器(14)と、
前記熱交換器を支持する熱交換器支持部(26)を含む第1フレーム(20)と、前記第1フレームよりも背面側に配置されており前記据付板に支持される第2フレーム(30)と、を有する背面フレーム(16)と、
を備え、
前記第2フレームは、前記第1フレームを支持する支持部(34)を含み、
前記第1フレームは、被支持部(27)を含み、前記被支持部が前記支持部に下方から支持されることによって前記据付板に支持される、
空調室内機(10)。
【請求項2】
前記熱交換器に空気を流すために回転するファン(15)を備え、
前記支持部は、前記ファンの回転中心よりも高い位置で前記被支持部を支持する、
請求項1に記載の空調室内機。
【請求項3】
前記支持部は、前記第2フレームの上端近傍に位置しており、
前記被支持部は、前記支持部に係合する、
請求項1又は2に記載の空調室内機。
【請求項4】
前記被支持部は、前記支持部に形成された開口下部(134a)に引っ掛かることで前記支持部に係合する被支持用突起(127b)を含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の空調室内機。
【請求項5】
前記支持部は、上方を開口させた箱状に形成されており、
前記被支持部は、前記支持部に引っ掛かるように係合する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の空調室内機。
【請求項6】
前記支持部は、前記第2フレームの下部に位置しており、
前記被支持部は、前記支持部に係合する、
請求項1に記載の空調室内機。
【請求項7】
前記支持部は、上方を開口させた箱状に形成されおり、
前記被支持部は、前記第1フレーム側から前記第2フレーム側に向かって斜め下方に突出しており、
前記被支持部の下端部が前記支持部に支持される、
請求項6に記載の空調室内機。
【請求項8】
前記支持部は、上方を開口させた箱状に形成されおり、
前記被支持部は、前記第1フレームの下端に位置している、
請求項6に記載の空調室内機。
【請求項9】
下部に形成された下吸込み口(83)から前記熱交換器に至る下吸込み経路(84)、
を備え、
前記下吸込み経路は、前記第1フレーム及び前記第2フレームが共同して構成している、
請求項1から8のいずれか1項に記載の空調室内機。
【請求項10】
前記被支持部の前記支持部との接触面又は前記支持部の前記被支持部との接触面には、凹凸が形成されている、
請求項1から9のいずれか1項に記載の空調室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1(特開2001−116346号公報)にも開示されているように、背面側に配置される背面フレームが熱交換器を支持するように構成された空調室内機がある。このような構成の空調室内機には、背面フレームが室内の側壁面に固定された据付板に支持されることで、空調室内機が室内の側壁面に設置される構成のものがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、熱交換器が背面フレームによって支持される場合、背面フレームには熱交換器の重量に耐えられるだけの強度が必要になる。そして、据付板に支持される背面フレームが熱交換器を支持するフレームとそれ以外のフレームとに分割された構成であって、熱交換器を支持するフレームがそれ以外の据付板に支持されたフレームに支持されることで空調室内機が側壁面に設置される場合、フレーム同士の連結箇所に十分な強度が確保されていなければ、この連結箇所で背面フレームが折れてしまうおそれがある。このおそれを解消するために連結箇所の強度を増加させようとすると、背面フレームの製造コストが増加してしまう。
【0004】
そこで、本発明の課題は、熱交換器を支持するフレームとそれ以外のフレームとに分割して構成された背面フレームにおいて、熱交換器を支持するフレームがそれ以外の据付板に支持されたフレームによって支持される構成であっても、連結箇所の強度増加に伴う製造コストの増加を低減することができる空調室内機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る空調室内機は、据付板を介して室内の側壁面に設置される壁掛け型の空調室内機であって、熱交換器と、背面フレームと、を備える。背面フレームは、第1フレームと、第2フレームと、を有する。第1フレームは、熱交換器を支持する熱交換器支持部を含む。第2フレームは、第1フレームよりも背面側に配置されている。また、第2フレームは、据付板に支持される。さらに、第2フレームは、第1フレームを支持する支持部を含む。第1フレームは、被支持部を含む。そして、第1フレームは、被支持部が支持部に下方から支持されることによって、据付板に支持される。
【0006】
本発明の第1観点に係る空調室内機では、被支持部が支持部に下方から支持されることで第1フレームが据付板に支持されるため、熱交換器からの重量を受ける第1フレームを下方から支えることができる。この結果、第1フレームと第2フレームとの連結箇所に大きな力が作用し難くなるため、第1フレームと第2フレームとの連結箇所の強度を確保しやすくなる。
【0007】
これによって、分割された背面フレームにおいて、第1フレームが第2フレームに支持される構成であっても、連結箇所の強度増加に伴う製造コストの増加を低減することができる。
【0008】
本発明の第2観点に係る空調室内機は、第1観点の空調室内機において、熱交換器に空気を流すために回転するファンを備える。支持部は、ファンの回転中心よりも高い位置で被支持部を支持する。この空調室内機では、被支持部がファンの回転中心よりも高い位置で支持部に支持されることで、第1フレームが据付板から正面側に離れないようにすることができる。
【0009】
本発明の第3観点に係る空調室内機は、第1観点又は第2観点の空調室内機において、支持部は、第2フレームの上端近傍に位置している。被支持部は、支持部に係合する。この空調室内機では、第2フレームの上端近傍に位置する支持部に被支持部を係合させることで、第1フレームの上端部と第2フレームの上端部とが離れないようにすることができる。これにより、背面フレームの組み立てる際、第1フレームと第2フレームとを一体化するために使用されるビス等の締結部材の数を減らすことができる。
【0010】
なお、ここでいう「上端近傍」は上端を含まず、「上端部」は上端を含むものとする。
【0011】
本発明の第4観点に係る空調室内機は、第1観点から第3観点のいずれかの空調室内機において、被支持部は、支持部に形成された開口下部に引っ掛かることで支持部に係合する被支持用突起を含む。この空調室内機では、被支持部の被支持用突起を支持部に形成された開口下部に引っ掛ける簡易な構成により、被支持部を支持部に係合させることができる。
【0012】
本発明の第5観点に係る空調室内機は、第1観点から第3観点のいずれかの空調室内機において、支持部は、上方を開口させた箱状に形成されている。被支持部は、支持部に引っ掛かるように係合する。この空調室内機では、支持部を箱状に形成することで、支持部の強度を高めることができる。
【0013】
本発明の第6観点に係る空調室内機は、第1観点の空調室内機において、支持部は、第2フレームの下部に位置している。また、被支持部は、支持部に係合する。この空調室内機では、第2フレームの下部に位置する支持部に被支持部を係合させることで、第1フレームの下端部と第2フレームの下端部とが離れないようにすることができる。この結果、背面フレームを組み立てる際、第1フレームと第2フレームとを一体化するために使用されるビス等の締結部材の数を減らすことができる。
【0014】
なお、ここでいう「下部」は、ファンの回転中心よりも下方の部分を意味している。
【0015】
本発明の第7観点に係る空調室内機は、第6観点の空調室内機において、支持部は、上方を開口させた箱状に形成されている。被支持部は、第1フレーム側から第2フレーム側に向かって斜め下方に突出している。そして、被支持部の下端部が支持部に支持される。この空調室内機では、支持部が箱状に形成されているため、支持部の強度を増加させることができる。
【0016】
本発明の第8観点に係る空調室内機は、第6観点の空調室内機において、支持部は、上方を開口させた箱状に形成されている。被支持部は、第1フレームの下端に位置している。この空調室内機では、支持部が箱状に形成されているため、支持部の強度を増加させることができる。
【0017】
本発明の第9観点に係る空調室内機は、第1観点から第8観点のいずれかの空調室内機において、下部に形成された下吸込み口から熱交換器に至る下吸込み経路を備える。また、下吸込み経路は、第1フレーム及び第2フレームが共同して構成している。この空調室内機では、下吸込み経路を備えていることで、下部から室内の空気を吸込むことができる。
【0018】
本発明の第10観点に係る空調室内機は、第1観点から第9観点のいずれかの空調室内機において、被支持部の支持部との接触面又は支持部の被支持部との接触面には、凹凸が形成されている。当該接触面に微小な凹凸が形成されていれば、被支持部と支持部との摩擦に起因するきしみ音を抑制することができる。これにより、熱膨張等に起因したきしみ音を抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1観点に係る空調室内機では、分割された背面フレームにおいて、第1フレームが第2フレームに支持される構成であっても、連結箇所の強度増加に伴う製造コストの増加を低減することができる。
【0020】
本発明の第2観点に係る空調室内機では、第1フレームが据付板から正面側に離れないようにすることができる。
【0021】
本発明の第3観点に係る空調室内機では、第1フレームと第2フレームとを一体化するために使用されるビス等の締結部材の数を減らすことができる。
【0022】
本発明の第4観点に係る空調室内機では、簡易な構成により、被支持部を支持部に係合させることができる。
【0023】
本発明の第5観点に係る空調室内機では、支持部を箱状に形成することで、支持部の強度を高めることができる。
【0024】
本発明の第6観点に係る空調室内機では、第1フレームと第2フレームとを一体化するために使用されるビス等の締結部材の数を減らすことができる。
【0025】
本発明の第7観点に係る空調室内機では、支持部の強度を増加させることができる。
【0026】
本発明の第8観点に係る空調室内機では、支持部の強度を増加させることができる。
【0027】
本発明の第9観点に係る空調室内機では、下部から室内の空気を吸込むことができる。
【0028】
本発明の第10観点に係る空調室内機では、熱膨張等に起因したきしみ音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態に係る空調室内機の斜視図。
図2】本発明の実施形態に係る空調室内機の概略断面図。
図3】第1実施形態に係る空調室内機の備える背面フレームの断面を側方から見たときの模式図。
図4】背面フレーム上部を概略的に示した断面図。
図5】被支持部及び支持部の周辺を概略的に示した断面図。
図6】第1フレーム及び第2フレームの構成を概略的に示した模式図であって、(a)第1フレームの正面図、(b)第2フレームの正面図。
図7】変形例1Bに係る被支持部及び支持部の周辺を概略的に示した断面図。
図8】変形例1Bに係る第1フレーム及び第2フレームの構成を概略的に示した模式図であって、(a)第1フレームの正面図、(b)第2フレームの正面図。
図9】第2実施形態に係る空調室内機の備える背面フレームの断面を側方から見たときの模式図。
図10】被支持部及び支持部の周辺を概略的に示した斜視図。
図11】第1フレーム及び第2フレームの構成を概略的に示した模式図であって、(a)第1フレームの正面図、(b)第2フレームの正面図。
図12】変形例2Bに係る背面フレームの断面を側方から見たときの模式図。
図13】第1フレーム及び第2フレームの構成を概略的に示した模式図であって、(a)第1フレームの正面図、(b)第2フレームの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る空調室内機について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0031】
<第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態に係る空調室内機10について説明する。
【0032】
(1)全体構成
図1は、本発明の実施形態に係る空調室内機10の斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る空調室内機10の概略断面図である。
【0033】
なお、以下にいう「正面側」とは、図2における空調室内機10の前側のことであり、「背面側」とは、図2における空調室内機10の後側のことである。
【0034】
本発明の実施形態に係る空調室内機10は据付板90を介して室内の側壁W面に設置される壁掛け型の室内機であって、図1及び図2に示すように、本体ケーシング11、フィルタ12、フィルタ掃除機構13、熱交換器14及びファン15を備えている。
【0035】
本体ケーシング11は、前面グリル11aと、前面パネル11bと、背面フレーム16と、を有しており、空調室内機10の外郭を構成している。
【0036】
前面グリル11aの上部前側には、空調室内機10の上側から本体ケーシング11内に室内の空気を吸込むための開口である上吸込み口80が設けられている。
【0037】
前面パネル11bは、前面グリル11aの前側に配置されており、空調室内機10の前面の一部を構成している。また、前面パネル11bは、開口のないフラットな形状を成している。
【0038】
背面フレーム16は、本体ケーシング11の背面を構成しており、室内の側壁W面に固定された据付板90に支持される。また、背面フレーム16は、2以上に分割された構成であり、本実施形態では、第1フレーム20と、第1フレーム20とは別体の第2フレーム30とを有している。第1フレーム20は、熱交換器14を支持している。第2フレーム30は、第1フレーム20よりも背面側に配置されている。そして、前面グリル11a、前面パネル11b及び第1フレーム20によって形成される空間内に、フィルタ12、フィルタ掃除機構13、熱交換器14及びファン15等が収まっている。
【0039】
熱交換器14は、側面視において両端が下方に向いて屈曲する逆V字状の形状を呈しており、通過する空気との間で熱交換を行う。また、熱交換器14は、第1フレーム20に固定されている。
【0040】
ファン15は、室内から取り込んだ空気を、熱交換器14に当てて通過させた後、室内に吹出すための送風装置であって、本実施形態ではクロスフローファンである。ファン15は、熱交換器14の下方に配置されている。
【0041】
フィルタ12は、前面グリル11aと熱交換器14との間に、熱交換器14の上側を覆うように配置されている。このため、フィルタ12は、熱交換器14に向かって流入してくる室内の空気に含まれる塵埃を捕捉することができる。また、この空調室内機10は、フィルタ12が自動で清掃されるようにフィルタ掃除機構13が搭載されている。
【0042】
また、本体ケーシング11の下部には、本体ケーシング11の長手方向に長い長方形状の吹出し口81が設けられている。吹出し口81は、熱交換器14において熱交換された空気を吹出すための開口であって、吹出し経路82を介して本体ケーシング11の内部と繋がっている。吹出し口81近傍には、吹出し口81を開閉するための水平羽根17が回動自在に取り付けられている。水平羽根17は、本体ケーシング11の長手方向に長い板状の部材であって、モータ(図示せず)によって駆動して傾斜角度が異なる複数の姿勢を採ることで、吹出し空気の上下方向の流れを変更することができる。
【0043】
そして、上吸込み口80近傍の室内の空気は、ファン15の稼働によって、上吸込み口80、フィルタ12及び熱交換器14を経てファン15に吸い込まれ、ファン15から吹出し経路82を経て吹出し口81から吹出される。
【0044】
なお、ファン15の回転数や水平羽根17の角度調整等の制御は、本体ケーシング11内に収納された制御装置(図示せず)によって行われている。
【0045】
また、空調室内機10の具体的な構成は、上記のものに限定されるものではなく、分割された構成の背面フレームのうち、熱交換器を支持するフレーム以外のフレームによって、熱交換器を支持するフレームが据付板に支持される空調室内機であれば他の機器構成であってもよい。
【0046】
(2)詳細構成
(2−1)背面フレームの構成
図3は、背面フレーム16の断面を側方から見たときの模式図である。図4は、第1フレーム20及び第2フレーム30が据付板90に支持された状態の背面フレーム16上部を概略的に示した断面図である。図5は、第1フレーム20及び第2フレーム30が据付板90に支持された状態の被支持部27及び支持部34の周辺を概略的に示した断面図である。図6は、第1フレーム20及び第2フレーム30の構成を概略的に示した模式図であって、(a)は第1フレーム20の正面図であり、(b)は第2フレーム30の正面図である。なお、図6(a)では、第1フレーム20と熱交換部14aとの位置関係を示すために、熱交換部14aの外郭を一点鎖線で示している。
【0047】
空調室内機10は据付板90を介して室内の側壁W面に設置されるが、具体的には、本体ケーシング11が室内の側壁W面に固定された据付板90に支持されることで、空調室内機10が室内の側壁W面に設置されている。また、本発明では、本体ケーシング11に含まれる背面フレーム16のうち、熱交換器14を支持する第1フレーム20以外のフレームである第2フレーム30が、据付板90に支持されている。
【0048】
なお、本実施形態では、本体ケーシング11の下部には吹出し口81よりも背面側に下吸込み口83が形成されている。下吸込み口83は、下吸込み口83から上方へと延びる下吸込み経路84を介して本体ケーシング11の内部と繋がっている。そして、下吸込み口83近傍の室内空気は、ファン15の稼動によって下吸込み口83、下吸込み経路84、フィルタ12及び熱交換器14を経てファン15に吸い込まれ、ファン15から吹出し経路82を経て吹出し口81から吹出される。なお、下吸込み経路84は、第1フレーム20と第2フレーム30とが共同して形成している。
【0049】
(2−1−1)第1フレーム
第1フレーム20は、背面フレーム16の前側を構成する部材であって、図2図3図4図5及び図6(a)に示すように、第1下端部21と、第1流路形成部22と、ドレンパン形成部23と、第1上端部25と、開口形成部24と、被支持部27と、熱交換器支持部26と、を有している。
【0050】
第1下端部21は、第1フレーム20の一端(下端)を含んでおり、吹出し口81の近傍に位置している。第1下端部21は、例えば、図2及び図3に示すように、第1流路形成部22に対して屈曲しており、第2フレーム30に固定されている。なお、第1下端部21は、第2フレーム30に固定されていなくても、本体ケーシング11に固定されていればよい。
【0051】
第1流路形成部22は、ファン15の背面側から第1下端部21へと滑らかに延びるスクロール状になっている。また、第1流路形成部22は、第1前面22aと、第1前面22aとは反対側の面である第1背面22bとを含んでいる。そして、第1前面22aが、吹出し経路82の一部を構成しており、第1背面22bが下吸込み経路84の一部を構成している。
【0052】
ドレンパン形成部23は、熱交換器14から滴下するドレン水を受けるためのドレンパンを構成しており、例えば、図2に示すように、第1流路形成部22上端から分岐するように構成されている。ドレンパン形成部23は、第1流路形成部22上端から上方に延びる正面側受部23aと、正面側受部23aよりも背面側で第1流路形成部22上端から上方に延びる背面側受部23bと、を有する。正面側受部23aは、熱交換器14においてファン15の後方に位置する熱交換部14aとファン15との間に位置しており、熱交換部14a下部の正面側を覆っている。背面側受部23bは、熱交換部14a下部の下方に位置しており、熱交換部14a下部の下側と背面側とを覆っている。そして、正面側受部23a及び背面側受部23bから構成されたドレンパンは、熱交換部14aの下部に位置する受け皿のようになるため、主に熱交換部14aで発生したドレン水を受けることができる。
【0053】
第1上端部25は、第1フレーム20の他端(上端)を含んでおり、空調室内機10の上部背面側に位置している。第1上端部25は、例えば、図4に示すように、断面が鉛直に延びる平坦な面で構成されており、後述する第2上端部33とビス93によって連結される連結箇所を含む。第1上端部25は必ずしも鉛直に延びる平坦な面である必要はなく、第2上端部33と連結可能な連結箇所を含んでいればよい。すなわち、第2上端部33の形状によって変更されてもよい。
【0054】
開口形成部24は、背面側受部23b側から第1上端部25側に向かって上方に向かって延びており、背面側受部23b上端と第1上端部25の下端とを繋いでいる。また、開口形成部24には、下吸込み口83から吸い込まれ下吸込み経路84を経た空気を熱交換器14に送り込むための開口24aが形成されている。開口24aは、図6(a)に示すように、第1フレーム20の長手方向(幅方向)に長い長方形状に形成されている。
【0055】
被支持部27は、第1フレーム20において、ファン15の回転中心よりも上方に位置しており、本実施形態では、開口形成部24において開口24aの上縁よりも上方に位置している(図3及び図6(a)参照)。また、被支持部27は、後述する支持部34に係合可能なように構成されており、例えば、図5に示すように、第1フレーム20側から第2フレーム30側に向かって突出している。さらに、本実施形態では、被支持部27は、図6(a)に示すように、複数(本実施形態では、4つ)設けられている。
【0056】
より詳しくは、被支持部27は、開口形成部24の背面24bから背面側に向かって延びる第1部分27aと、第1部分27aの下面から鉛直に突出する被支持用突起27bと、を有している。なお、ここでは、第1部分27aが、下面が水平に延びており、かつ、先端に向かうほど幅が小さくなる先細り形状(側面視が三角形状)に形成されているが、必ずしもその必要はなく、例えば、上方に湾曲していてもよい。また、被支持用突起27bは必ずしも鉛直に延びている必要はなく、例えば、第1部分27aから斜め下方に延びていてもよい。このように、被支持部27は上記形状に限定されず、その断面が、例えば、L字状、U字状、J字状又はV字状等、支持部34に係合可能な形状であればよい。そして、被支持部27が支持部34に下方から支持されることで、第1フレーム20が据付板90に支持される。
【0057】
熱交換器支持部26は、図6(a)に示すように、第1フレーム20の長手方向(幅方向)両端部に設けられており、熱交換器14の両端を支持するように構成されている。熱交換器14が熱交換器支持部26に支持されることで、第1フレーム20が熱交換器14を支持する構成になっている。
【0058】
(2−1−2)第2フレーム
第2フレーム30は、背面フレーム16の後側を構成する部材であって、図2図3図4図5及び図6(b)に示すように、第2下端部31と、第2流路形成部32と、第2上端部33と、支持部34と、を有している。
【0059】
第2下端部31は、第2フレーム30の一端(下端)を含んでおり、第1フレーム20の第1下端部21が固定されている。また、第2下端部31は、図2及び図3に示すように、水平に延びる下面部31aを含む。下面部31aには、第2フレーム30の長手方向(幅方向)に長い開口である下吸込み口83が形成されている。下吸込み口83には、モータ(図示せず)の駆動により下吸込み口83を開閉する開閉板19が設けられている。
【0060】
第2流路形成部32は、第1フレーム20の第1流路形成部22と共に下吸込み経路84を構成している。具体的には、第2流路形成部32は、第2前面32aと第2背面32bとを含んでおり、第2前面32aが第1フレーム20の第1背面22bと共に下吸込み経路84を構成しており、第2背面32bは空調室内機10の背面側の外面を構成している。また、第2流路形成部32の上部は据付板90に概ね沿ったフラットな形状になっており、第2流路形成部32の下部は据付板90との間に冷媒管等の配管を配置できるように前側に屈曲した形状になっている。
【0061】
第2上端部33は、第2フレーム30の他端(上端)を含んでおり、空調室内機10の上部背面側に位置している。第2上端部33は、据付板90の有する被係合部91に上方から引っ掛かり可能なように構成されており、例えば、図4に示すように、断面がコの字状になるように設けられている。第2上端部33が据付板90の有する被係合部91に係合することで、第2フレーム30が据付板90に支持される。
【0062】
第2上端部33は、水平に延びる第2上面部33aと、第2上面部33aの下面から鉛直に延びる第2正面部33bと、第2正面部33bの下面から鉛直に延びる第2背面部33cと、を有している。また、第2上端部33が被係合部91に係合した状態で、第2背面部33cは第2正面部33bよりも背面側に位置している。そして、本実施形態では、第1上端部25と接触する部分を含む第2正面部33bが、第1上端部25とビス93によって連結される連結箇所を含む。なお、本実施形態では、第2上端部33の正面部が連結箇所を含んでいるが、これに限定されず、第2上端部33以外の部分に連結箇所が設けられていてもよい。また、第2上面部33aは必ずしも水平に延びている必要はなく、例えば上方に湾曲していてもよい。また、第2正面部33b及び第2背面部33cは必ずしも鉛直に延びている必要はなく、例えば第2上面部33aから斜め下方に延びていてもよい。このように、第2上端部33は上記形状に限定されず、その断面が、例えば、L字状、U字状、J字状又はV字状等、据付板90の被係合部91に係合可能な形状であればよく、据付板90の被係合部91の形状によって変更されてもよい。
【0063】
支持部34は、第2フレーム30において、被支持部27に対向するようにファン15の回転中心よりも上方に位置しており、本実施形態では、第2フレーム30の第2流路形成部32の上部に設けられている(図3参照)。また、支持部34は、第1フレーム20の被支持部27に係合可能なように構成されており、例えば、図5に示すように、第2フレーム30側から第1フレーム20側に向かって突出している。さらに、本実施形態では、支持部34は、図6(b)に示すように、複数(本実施形態では、4つ)設けられている。
【0064】
より詳しくは、支持部34は、第2流路形成部32の第2前面32aから正面側に向かって延びる第2部分34aと、第2部分34aの上面から鉛直に突出する支持用突起34bと、を有している。なお、第2部分34aは、上面が水平に延びており、かつ、先端に向かうほど幅が小さくなる先細り形状(側面視が三角形状)に形成されているが、必ずしもその必要はなく、例えば、下方に湾曲していてもよい。また、支持用突起34bは必ずしも鉛直に延びている必要はなく、例えば、第2部分34aから斜め上方に延びていてもよい。このように、支持部34は上記形状に限定されず、その断面が、例えば、L字状、U字状、J字状又はV字状等、被支持部27が係合可能な形状であればよい。そして、支持部34が被支持部27を下方から支持することで、第1フレーム20が据付板90に支持される。すなわち、支持部34は、第1フレーム20を支持するものであり、被支持部27を下方から支えつつ、第1フレーム20が据付板90から正面側に離れることを防止している。
【0065】
(3)特徴
(3−1)
背面フレームが分割された構成であって、熱交換器を支持するフレームが、それ以外の据付板に支持されたフレームに支持される場合、フレーム同士の連結箇所に十分な強度が確保されていなければ、熱交換器の重量により連結箇所に大きな力が加わることで背面フレームが折れてしまうおそれがある。このおそれを解消するために連結箇所の強度を増加させようとすると、背面フレームの製造コストが増加してしまう。
【0066】
そこで、本実施形態では、被支持部27が支持部34に下方から支持されることで、熱交換器14を支持している第1フレーム20が据付板90に支持されている。このため、熱交換器14からの重量を受ける第1フレーム20を下方から支えることができる。この結果、第1フレーム20と第2フレーム30との連結箇所に大きな力が作用し難くなるため、第1フレーム20と第2フレーム30との連結箇所の強度を確保しやすくなる。
【0067】
これによって、分割して構成された背面フレーム16において、熱交換器14の重量を受ける第1フレーム20が第2フレーム30に支持される構成であっても、連結箇所の強度増加に伴う製造コストの増加を低減することができている。
【0068】
(3−2)
本実施形態では、支持部34が、第2フレーム30において、ファン15の回転中心よりも高い位置にある。このため、支持部34は、第2フレーム30の上部で、被支持部27を下方から支えつつ、第1フレーム20が据付板90から正面側に離れないようにすることができる。したがって、第1フレーム20と第2フレーム30との連結箇所に使用されるビス等の締結部材の数を減らすことができている。
【0069】
(3−3)
本実施形態では、支持部34は、第2フレーム30の上端近傍に位置している。このため、被支持部27が支持部34に係合することで、第1フレーム20の第1上端部25と第2フレーム30の第2上端部33とが離れないようにすることができる。これにより、背面フレーム16を組み立てる際に、第1フレーム20と第2フレーム30とを一体化するために連結箇所等に使用されるビス等の締結部材の数を減らすことができている。
【0070】
(3−4)
本実施形態では、被支持部27及び支持部34は、断面がL字状になるように設けられている。このように、断面をL字状に形成するだけの簡易な構成により、被支持部27を支持部34に引っ掛けるように係合させて、第1フレーム20を下方から支持することができている。
【0071】
また、支持部34が上方を開口させた箱状に形成されている場合には、支持部34が側方に開口していないことで、支持用突起34bと第2流路形成部32とがそれぞれの離れる方向に開き難くなり、支持部34の強度を増加させることができる。さらに、被支持部27が下方に開口した箱状に形成されている場合には、被支持部27が側方に開口していないことで、被支持用突起27bと開口形成部24とがそれぞれの離れる方向に開き難くなり、被支持部27の強度を増加させることができる。
【0072】
(3−5)
本実施形態では、第1フレーム20と第2フレーム30とが共同して下吸込み経路84を形成している。このように、下吸込み経路84が設けられていることで、空調室内機10の下方からも室内の空気を吸込むことができている。
【0073】
(4)変形例
(4−1)変形例1A
上記実施形態では、背面フレーム16を分割して構成された第1フレーム20と第2フレーム30との間に下吸込み経路84が設けられているが、このような経路が設けられていなくてもよい。
【0074】
例えば、上記実施形態の空調室内機10において、下面部31aの下吸込み口83及び開口形成部24の開口24aが設けられておらず、背面フレーム16の内部が閉じた空間であってもよい。このように、空調室内機10の背面側に中空があることで断熱性を向上させることができるため、断熱材の使用量を削減することができる。
【0075】
(4−2)変形例1B
上記実施形態では、支持部34が、第2フレーム30側から第1フレーム20側に向かって突出している。しかしながら、被支持部27を下方から支持することができれば、支持部34が第2フレーム30から突出するような構成でなくてもよい。
【0076】
例えば、図7及び図8に示すように、支持部134が、被支持部127の係合する開口部を含むものであってもよい。図7及び図8に示す支持部134は、第2流路形成部32の一部であり、第2流路形成部32上部において開口135が形成された部分のことである。この場合、被支持部127は、第1フレーム120側から第2フレーム130側に向かって突出するように設けられている。より詳しくは、被支持部127は、開口形成部24の背面24bから背面側に向かって延びる第1部分127aと第1部分127aの下面から鉛直に突出する被支持用突起127bとを有している。そして、被支持用突起127bが開口下部134aに引っ掛かることで被支持部127が支持部134に係合する。このように支持部134に開口135を形成し、開口下部134aに被支持部127の被支持用突起127bを引っ掛けるだけの簡易な構成により、被支持部127を支持部134に係合させることができ、かつ、第1フレーム120を下方から支持することができる。
【0077】
また、上記実施形態では、第1部分27aと被支持用突起27bとを有する被支持部27が複数設けられているが、例えば、第1部分27a同士が第1フレーム120の長手方向(幅方向)に繋がっており、第1部分27aの下面から複数の被支持用突起27bが鉛直に突出していてもよい。なお、下吸込み経路84を設ける場合には、長手方向に繋がる第1部分27aに1又は複数の開口を形成してもよい。
【0078】
(4−3)変形例1C
上記実施形態及び変形例において、被支持部の支持部との接触面又は支持部の被支持部との接触面に、微小な凹凸が形成されていてもよい。上記実施形態であれば、支持部の支持部との接触面とは第1部分27aの背面部下面及び被支持用突起27bの前面と下面とにあたり、支持部の被支持部との接触面とは第2部分34aの前部上面及び支持用突起34bの上面と背面とにあたる。被支持部が支持部に支持された状態で接触する接触面のいずれかに当該接触面同士の摩擦に起因するきしみ音を抑制することのできる微小な凹凸が設けられていることで、熱膨張等に起因したきしみ音を抑制することができる。
【0079】
なお、凹凸の形成方法としては、シボ加工、サンドブラス又は研磨等、平面が微細な凹凸形状に加工できれば、その形成方法は限定されない。
【0080】
<第2実施形態>
以下に、本発明の第2実施形態に係る空調室内機について説明する。
【0081】
(1)全体構成
本発明の実施形態に係る空調室内機は据付板90を介して室内の側壁W面に設置される壁掛け型の室内機であって、本体ケーシング11、フィルタ12、フィルタ掃除機構13、熱交換器14及びファン15を備えている。
【0082】
なお、第2実施形態に係る空調室内機の全体構成は、第1実施形態に係る空調室内機の全体構成と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0083】
(2)詳細構成
(2−1)背面フレームの構成
図9は、背面フレームの断面を側方から見たときの模式図である。図10は、被支持部227及び支持部234の周辺を概略的に示した斜視図である。図11は、第1フレーム220及び第2フレーム230の構成を概略的に示した模式図であって、(a)は第1フレーム220の正面図であり、(b)は第2フレーム230の正面図である。なお、図11(a)では、第1フレーム220と熱交換部14aとの位置関係を示すために、熱交換部14aの外郭を一点鎖線で示している。
【0084】
空調室内機は据付板90を介して室内の側壁W面に設置されるが、具体的には、本体ケーシング11が室内の側壁W面に固定された据付板90に支持されることで、空調室内機が室内の側壁W面に設置されている。また、本発明では、本体ケーシング11に含まれる背面フレームのうち、熱交換器14を支持する第1フレーム220以外のフレームである第2フレーム230が、据付板90に支持されている。
【0085】
なお、本実施形態では、第1実施形態と同様に、本体ケーシング11の下部には吹出し口よりも背面側に下吸込み口83が形成されている。下吸込み口83は、下吸込み口83から上方へと延びる下吸込み経路84を介して本体ケーシング11の内部と繋がっている。そして、下吸込み口83近傍の室内空気は、ファン15の稼動によって下吸込み口83、下吸込み経路84、フィルタ12及び熱交換器14を経てファン15に吸い込まれ、ファン15から吹出し経路82を経て吹出し口から吹出される。なお、下吸込み経路84は、第1フレーム220と第2フレーム230とが共同して形成している。
【0086】
(2−1−1)第1フレーム
第1フレーム220は、背面フレームの前側を構成する部材であって、図9図10及び図11(a)に示すように、第1下端部221と、第1流路形成部22と、ドレンパン形成部23と、第1上端部25と、開口形成部24と、熱交換器支持部26と、を有している。なお、第1流路形成部22、ドレンパン形成部23、第1上端部25、開口形成部24及び熱交換器支持部26の構成は、第1実施形態と同様の構成であるため、これらの構成については、第1実施形態と同様の符号を付すとともに、ここでは説明を省略する。
【0087】
第1下端部221は、第1フレーム220の一端(下端)を含んでおり、吹出し口の近傍に位置している。第1下端部221は、例えば、図9に示すように、第1流路形成部22に対して屈曲している。
【0088】
また、第1下端部221は、後述する支持部234に係合可能なように構成された被支持部227を含む。被支持部227は、図10及び図11(a)に示すように、第1下端部221の下端に位置している。このため、被支持部227は、ファン15の回転中心よりも下方に位置しているといえる。被支持部227は、第1フレーム220の長手方向(幅方向)に沿って下方に突出した被支持用突起227aを含む。なお、被支持部227の形状はこれに限定されず、下方から支持部234に支持される構成であればよい。被支持部227が支持部234に下方から支持されることで、第1フレーム220が据付板90に支持される。
【0089】
(2−1−2)第2フレーム
第2フレーム230は、背面フレームの後側を構成する部材であって、図9に示すように、第2下端部231と、第2流路形成部32と、第2上端部33と、を有している。なお、第2流路形成部32及び第2上端部33の構成は、第1実施形態と同様の構成であるため、これらの構成については、第1実施形態と同様の符号を付すとともに、ここでは説明を省略する。
【0090】
第2下端部231は、第2フレーム230の一端(下端)を含んでいる。また、第2下端部231は、図9に示すように、水平に延びる下面部231aを含む。下面部231aには、第2フレーム230の長手方向(幅方向)に長い開口である下吸込み口83が形成されている。下吸込み口83には、モータの駆動により下吸込み口83を開閉する開閉板が設けられている。
【0091】
また、第2下端部231は、第1フレーム220の被支持部227を支持する支持部234を含む。支持部234は、図9及び図10に示すように、第2下端部231の下端(先端)に位置している。このため、支持部234は、ファン15の回転中心よりも下方であって、第2フレーム230の下部に位置しているといえる。また、支持部234は、例えば、断面がコの字状になるように設けられており、本実施形態では、図10に示すように、上方が開口した箱状に形成されている。このため、本実施形態の支持部234は、底面を含む溝部234aを有しているといえる。また、支持部234は、被支持部227の被支持用突起227aが溝部234aに嵌るように、第2フレーム230の長手方向(幅方向)に沿って設けられている。そして、被支持部227の被支持用突起227aが上方から溝部234aに係合することで、支持部234は被支持部227を下方から支持することができる。また、被支持部227が支持部234に支持されることで、第1フレーム220が据付板90から正面側に離れることが防止される。なお、支持部234の形状はこれに限定されず、被支持部227を下方から支持することができる構成であればよい。
【0092】
(3)特徴
(3−1)
背面フレームが分割された構成であって、熱交換器を支持するフレームが、それ以外の据付板に支持されたフレームに支持される場合、フレーム同士の連結箇所に十分な強度が確保されていなければ、熱交換器の重量により連結箇所に大きな力が加わることで背面フレームが折れてしまうおそれがある。このおそれを解消するために連結箇所の強度を増加させようとすると、背面フレームの製造コストが増加してしまう。
【0093】
そこで、本実施形態では、被支持部227が支持部234に下方から支持されることで、熱交換器14を支持している第1フレーム220が据付板90に支持されている。このため、熱交換器14からの重量を受ける第1フレーム220を下方から支えることができる。この結果、第1フレーム220と第2フレーム230との連結箇所に大きな力が作用し難くなるため、第1フレーム220と第2フレーム230との連結箇所の強度を確保しやすくなる。
【0094】
これによって、分割して構成された背面フレームにおいて、熱交換器14の重量を受ける第1フレーム220が第2フレーム230に支持される構成であっても、連結箇所の強度増加に伴う製造コストの増加を低減することができている。
【0095】
(3−2)
本実施形態では、支持部234は、被支持部227を下方から支えつつ、第1フレーム220の第1下端部221と第2フレーム230の第2下端部231とが離れないようにすることができる。このため、背面フレームを組み立てる際に、第1フレーム220と第2フレーム230とを一体化するために連結箇所等に使用されるビス等の締結部材の数を減らすことができている。
【0096】
(3−3)
本実施形態では、上方が開口した箱状の支持部234に、第1下端部221の下端に位置する被支持部227が係合される。このように、支持部234が側方に開口していないことで、支持部234の前面と背面とがそれぞれの離れる方向に開き難くなり、支持部234の強度を増加させることができている。
【0097】
(3−4)
本実施形態では、第1フレーム220と第2フレーム230とが共同して下吸込み経路84を形成している。このように、下吸込み経路84が設けられていることで、空調室内機の下方からも室内の空気を吸込むことができている。
【0098】
(4)変形例
(4−1)変形例2A
変形例1Aと同様に、第2実施形態においても、第1フレーム220と第2フレーム230との間に下吸込み経路84が設けられていなくてもよい。
【0099】
(4−2)変形例2B
上記実施形態では、被支持部227が第1下端部221の下端に位置しており、支持部234が第2下端部231の下端(先端)に位置している。しかしながら、支持部が、第2フレームの下部に位置しており、被支持部を下方から支持する構成であれば、被支持部及び支持部が第1下端部の先端及び第2下端部の先端に設けられていなくてもよい。
【0100】
例えば、図12及び図13(a)に示すように、被支持部327が第1流路形成部22に設けられている場合について説明する。被支持部327は、後述する支持部334に係合可能なように構成されており、第1流路形成部22に複数(本変形例では、4つ)設けられている。また、被支持部327は、板状のリブ部327cと、被支持用突起327bとを有する。リブ部327cは、先端に向かうほど幅が小さくなる先細り形状(側面視が三角形状)になるように形成されている。また、リブ部327cは、第1背面22bから背面側下方に向かって延びている。被支持用突起327bは、支持部334に係合可能なように構成されており、リブ部327cの先端から下方に向かって突出している。なお、被支持部327の形状はこれに限定されず、下方から支持部334に支持される構成であればよい。被支持部327が支持部334に支持されることで、第1フレーム320が据付板90に支持される。
【0101】
また、支持部334は、図12及び図13(b)に示すように、第2下端部331において、第2流路形成部32に近い側の端部に位置している。このため、支持部334は、ファン15の回転中心よりも下方であって、第2フレーム330の下部に位置しているといえる。また、支持部334は、例えば、図12に示すように、断面がコの字状になるように設けられており、底面を含む溝部334aを有している。なお、本実施形態では、支持部334は、上方が開口した箱状に形成されている。そして、被支持部327の被支持用突起327bが上方から溝部334aに係合することで、支持部334が被支持部327を下方から支持することになる。なお、支持部334の形状はこれに限定されず、被支持部327を下方から支持することができる構成であればよい。このように、被支持部327が第1フレーム320側から第2フレーム330側に向かって斜め下方に突出するような構成であっても、被支持部327が支持部334に下方に支持されることで、第1フレーム320と第2フレーム330との連結箇所に大きな力が作用し難くなるため、第1フレーム320と第2フレーム330との連結箇所の強度を確保しやすくなる。
【0102】
(4−3)変形例2C
変形例1Cと同様に、第2実施形態及び変形例においても、被支持部の支持部との接触面又は支持部の被支持部との接触面に、微小な凹凸が形成されていてもよい。上記実施形態であれば、被支持部の支持部との接触面とは被支持用突起227aの外側面にあたり、接触面又は支持部の被支持部との接触面とは溝部234aの内側面にあたる。なお、凹凸の形成方法としては、シボ加工、サンドブラス又は研磨等、平面が微細な凹凸形状に加工できれば、その形成方法は限定されない。
【0103】
(4−4)変形例2D
上記実施形態では、被支持部227が第1フレーム220の下部に位置しており、かつ、支持部234が第2フレーム230の下部に位置している。
【0104】
これに加えて、第1フレームの被支持部及び第2フレームの支持部が、ファン15の回転中心よりも上方に位置していてもよい。すなわち、第2実施形態に係る空調室内機において、更に、第1実施形態の被支持部27及び支持部34を備えていてもよい。このように、支持部が、第2フレームの上端近傍及び下部で、被支持部を下方から支持する構成にすることで、第1フレームと第2フレームとの連結箇所に大きな力がさらに作用し難くなるため、第1フレームと第2フレームとの連結箇所の強度が確保されやすくなる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、熱交換器を支持するフレームがそれ以外の据付板に支持されたフレームによって支持される構成であっても、連結箇所の強度増加に伴う製造コストの増加を低減することができる空調室内機に係る発明であり、熱交換器を支持するフレームがそれ以外の据付板に支持されたフレームによって支持される構成の空調室内機への適用が有効である。
【符号の説明】
【0106】
10 空調室内機
14 熱交換器
15 ファン
16 背面フレーム
20 第1フレーム
26 熱交換器支持部
27 被支持部
30 第2フレーム
34 支持部
83 下吸込み口
84 下吸込み経路
127b 被支持用突起
134a 開口下部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0107】
【特許文献1】特開2001−116346号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13