特許第6160239号(P6160239)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6160239
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】開閉機器の絶縁バリア取付構造
(51)【国際特許分類】
   H01H 31/02 20060101AFI20170703BHJP
   H01H 33/65 20090101ALN20170703BHJP
【FI】
   H01H31/02 Z
   !H01H33/65 E
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-108978(P2013-108978)
(22)【出願日】2013年5月23日
(65)【公開番号】特開2014-229513(P2014-229513A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161562
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 朗
(72)【発明者】
【氏名】徳永 圭秀
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−139884(JP,A)
【文献】 特開2010−080414(JP,A)
【文献】 特開平04−337103(JP,A)
【文献】 実開昭63−073831(JP,U)
【文献】 特開2012−142149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 31/02
H01H 33/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断路器,負荷開閉器などの開閉機器の基台に装着して各相の相間、対地間を絶縁する絶縁バリアの取付構造であり、該絶縁バリアはその絶縁板の後端縁に設けた留め具を介して前記基台側のベース板に着脱可能に装着したものにおいて、
前記留め具は、U字形状の先端部に左右一対のフック形状の係合爪を設けた脚片部と、
この脚片部に組み付けた板ばね式のスナップフィットからなり、
基台側のベース板には前記係合爪、スナップフィットと個別に対応する掛け穴を穿設し、該掛け穴の一方に留め具の係合爪を掛け合わせた上で、他方の掛け穴に前記板ばね式スナップフィットを押し込んでスナップフィット結合したことを特徴とする開閉機器の絶縁バリア取付構造。
【請求項2】
請求項に記載絶縁バリア取付構造において、板ばね式のスナップフィットが片持ち梁型であり、その取付基部を留め具の脚片部に重ね合わせて固着したことを特徴とする開閉機器の絶縁バリア取付構造。
【請求項3】
請求項1、2に記載の絶縁バリア取付構造において、留め具の脚片部には、前記係合爪と変位した部位に突起状の支柱を設け、該支柱に対向して基台側のベース板に支柱嵌合穴を穿設したことを特徴とする開閉機器の絶縁バリア取付構造。
【請求項4】
請求項1ないしに記載の絶縁バリア取付構造において、基台側のベース板がU型鋼板であり、その両側縁の角部に留め具の係合爪,板ばね式スナップフィットに対応する掛け穴を振り分けて穿設したことを特徴とする開閉機器の絶縁バリア取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断路器,負荷開閉器などを対象とする開閉機器の基台に装着して各相の端子間,対地間を絶縁する絶縁バリアの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
まず、三相用の断路器を例に、開閉機器の基台に装着した絶縁バリアの従来における取付構造を図9図11に示す。各図において、1は断路器の本体、2はその基台、2aは基台2の左右両サイドに配した取付フレーム、2b,2cは前記取付フレーム2aの間に跨がって上部,下部に架設したベース板、3はベース板2b,2cに搭載したR,S,T各相に対応する端子の支持碍子、4は上部側の入力端子、5は下部側の出力端子、6は入力/出力端子の間に配した開閉ブレード、7は絶縁バリア(オプション品)であり、図示例では絶縁バリア7をR,S,T各相の相間に配した相間バリア7aと、基台2の両端に配した対地間バリア7bとに分けて合計4枚の絶縁バリア7が起立姿勢に配置されている。なお、前記基台2はその背後の据付け面11(例えば、配電盤の盤内に設けた取付フレーム)に設置されている。
【0003】
ここで、前記の絶縁バリア7には、図11(a),(b)で示すように絶縁板の後端縁に沿って上下二か所に板金製の留め具8,9を設け、該留め具8,9を介して絶縁バリアを次記のようにベース板2b,2cの前面に起立姿勢で装着するようにしている。
【0004】
すなわち、前記留め具8,9のうち、上部側の留め具8にはその先端にフック形状の係合爪8aを形成し、この係合爪8aの先端を上部ベース2bの板面に穿設した掛け穴に差し込んで引っ掛ける。一方、下部側の留め具9はL字形に折り曲げた先端の板面にダルマ穴9aを形成し、下部ベース板2cに螺設した締結ボルト10を前記ダルマ孔9aに通してボルト締結するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記した従来の絶縁バリア取付構造は、その取付作業性に次記のような課題がある。すなわち、絶縁バリアは開閉機器のオプション品として、断路器,負荷開閉器などを現地に据え付けた後にユーザーサイドで後付けする場合が多いことから、絶縁バリアはできるだけ簡易な作業で装着,取り外しできることが望まれる。
【0006】
かかる点、先記した従来のバリア取付構造では、図11(a)のように絶縁バリア7の後縁に設けた留め具9を締結ボルト10でベース板2cに締結する作業が必要である。しかも、基台2に絶縁碍子3,端子4,5,およびブレード6からなる断路器の本体1を組み付けた状態(図9参照)では、相間バリア7a,対地間バリア7bを装着する部分の遊び間隔が狭くて十分な作業スペースを確保できない。このために、作業に不慣れなユーザーには工具を使って行うボルト締め作業が困難となる。しかも、締結ボルト10の締め付けが不十分であると、外部から加わる振動などによりボルト10が緩んで絶縁バリア7が横振れしたり,基台側のベース板から脱落したりするおそれもある。
【0007】
そのほか、従来構造では、各枚の絶縁バリアごとに形状の異なる2種類の留め具8,9を使用していることから、部品点数が増えてコスト高になる問題もある。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は前記課題を解決して絶縁バリアの取付け,取り外し作業を簡易化し、併せて基台側のベース板に取付けた絶縁バリアのガタつき,横振れを防止して安定よく起立姿勢に保持できるよう改良した信頼性の高い開閉機器の絶縁バリア取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明によれば、断路器,負荷開閉器などの開閉機器の基台に装着して各相の相間,対地間を絶縁する絶縁バリアの取付構造であり、該絶縁バリアはその絶縁板の後端縁に設けた留め具を介して前記基台側のベース板に着脱可能に装着したものにおいて、
前記留め具は、U字形状の先端部に左右一対のフック形状の係合爪を設けた脚片部と、この脚片部に組み付けた板ばね式のスナップフィットからなり、基台側のベース板には前記係合爪,スナップフィットと個別に対応する掛け穴を穿設し、該掛け穴の一方に留め具の係合爪を掛け合わせた上で、他方の掛け穴に板ばね式スナップフィットを押し込んでスナップフィット結合するものとし(請求項1)、その細部構造については次記のような具体的態様で構成することができる。
)前記板ばね式のスナップフィットは、片持ち梁型のスナップフィットとして、その取付基部を留め具の脚片部に重ね合わせて固着する(請求項)。
)前記留め具の脚片部には、前記係合爪と変位した部位に突起状の支柱を追加して設け、該支柱を基台側のベース板に穿設した支柱嵌合穴に嵌め合わせて絶縁バリアの起立姿勢を安定保持させるようにする(請求項)。
)前記基台側のベース板がU型鋼板であり、その長手方向に沿って両側縁の角部に留め具の係合爪,板ばね式スナップフィットに対応する掛け穴を振り分けて穿設して絶縁バリアの着脱操作の簡便化を図るようにする(請求項)。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、次記の効果を奏することができる。すなわち
(1)絶縁バリアの装着に際しては、絶縁板の後縁に固着した留め具に形成したフック形状の係合爪を基台側のベース板に穿設した掛け穴に掛け合わせた上で、この係合爪を支点に板ばね式スナップフィットを他方の掛け穴に押し込んで係合する簡単なワンタッチ操作で、締結ボルトを使わずに留め具を基台側のベース板にスナップフィット結合させることができてその取付け作業性を大幅に改善できる。
(2)また、前記係合爪,板ばね式スナップフィットに加えて、留め具の脚片部に設けた突起状の支柱を基台側のベース板の支柱嵌合穴に嵌め込むことにより、絶縁バリアの支持箇所を多点支持として横振れ対する支持姿勢の安定化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例による絶縁バリアの取付け作業手順の説明図であって、(a)は絶縁バリアを基板側のベース板に装着する直前状態、(b)は留め具の係合爪をベース板の掛け穴に掛け合わせた状態、(c)は板ばね式スナップフィットをベース板にスナップフィット結合した絶縁バリアの装着状態を表わす図である。
図2】絶縁バリアの取り外し作業手順の説明図であって、(a)は留め具の係合爪,板ばね式スナップフィットを基板側のベース板に掛け合わせた絶縁バリアの装着状態、(b)は板ばね式スナップフィットをベース板から引き抜いた状態、(c)は係合爪を外して絶縁バリアをベース板から取り外した状態を表わす図である。
図3】本発明による留め具を固着して絶縁バリアの外形図であって、(a),(b)はそれぞれ側面図,および正面図である。
図4図3の相間,対地間の絶縁バリアを左右に並べて開閉機器の基台に装着した状態の平面図である。
図5図4における絶縁バリア取付け箇所の拡大平面図である。
図6図5における留め具の分解図であって、(a)は留め具本体の外形斜視図、(b),(c)は板ばね式スナップフィットの正面図、および側面図である。
図7図6(a)の留め具本体に板ばね式スナップフィットを固着した留め具の外形図であって、(a),(b)はそれぞれ表側,裏側から見た外形斜視図である。
図8図5におけるベース板の要部拡大図であって、(a),(b)はそれぞれ上面側,下面側から見た斜視図である。
図9】三相断路器を例に、その基台に絶縁バリアを装着した開閉機器全体の側面図である。
図10図9の平面図である。
図11図10における絶縁バリアの従来における取付構造を表わす図であって、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図1図8に示す実施例に基づいて説明する。なお、実施例の図中で図10図11に対応する部材には同じ符号を付している。
図示実施例のバリア取付構造においては、絶縁バリアが次記構造になる留め具を介して開閉機器の基台側に配したベース板に装着されており、その絶縁バリアの全体構造を図3に、該絶縁バリアを開閉機器の基台に装着した状態を図4に示す。図3において、12は絶縁バリア7の後縁に設けた留め具であり、該留め具12を介して相間バリア7a,対地間バリア7bが、図10の従来構造と同様に基台2のベース板16の前方に起立姿勢で装着されている。
【0012】
次に、前記留め具12の詳細構造を図6図7に示す。すなわち、留め具12は板金製の本体(図6(a)参照)に板ばね式のスナップフィット15(図6(b),(c)参照)を組み付けた構造(図7(a),(b)参照)になる。
【0013】
ここで、留め具12の本体(図6(a)参照)には取付基部13と脚片部14がL字状に形成されており、その取付基部13がボルト,ないしリベットを介して絶縁バリア7の板面に固着される(図3参照)。また、前記の脚片部14はU字形状に曲げ加工されていて、その上縁部位には左右一対のフック形状の係合爪14aが形成され、該係合爪14aから下方に変位した位置に突起状の係合支柱14bが突き出し形成されている。また、脚片部14の中央壁面には板ばね式スナップフィット15を固定するリベット穴14c、およびその上方に係合用の凸部14dが形成されている。
【0014】
一方、板ばね式スナップフィット15は、図6(c)で示すように板ばね材をZ字形に曲げ加工してその下半部が前方に突き出した形状になり、前方に突き出した屈曲部位には凸状の係合部15aを形成し、さらに上半側の取付基部の板面にはリベット穴15b、および上縁に係合用の凹溝(切欠溝)15cが形成されている。
【0015】
そして、この板ばね式スナップフィット15は、図7で示すように上半の基部を留め具12の脚片部14に重ね合わせリベット17により固着する。なお、この取付位置で前記脚片部14の凸部14dがスナップフィット15の凹溝15cに嵌まり込んで回り止め結合している。
【0016】
一方、絶縁バリア7に設けた前記留め具12に対向して基台側のベース板16には、図4に示した相間バリア7a,対地間バリア7bの装着位置に合わせて、図8で示すように留め具12の係合爪14a、板ばね式スナップフィット15の係合部15a、および留め具12の係合支柱14bと個別に対応する掛け穴16a,16bと、支柱嵌合穴16cが形成されている。
【0017】
次に、留め具付きの絶縁バリア7を基台側のベース板16に装着する際の作業手順を図1(a)〜(c)で説明する。先ず、図1(a)のように留め具12をベース板16の装着位置に合わせ、図1(b)のように留め具のフック形状になる係合爪14aをベース板16の掛け穴16aに引っ掛ける。続いて係合爪14aを支点に絶縁バリア7を矢印A方向に押し込む。これにより、板ばね式スナップフィット15の凸状係合部15aがベース板16の掛け穴16bの縁に当たって矢印B方向に撓み、さらに係合部15aがベース板16の裏面側に突き出すとともに、留め具12の係合支柱14bがベース板16に開口した支柱嵌合穴16cに嵌まり込み、図1(c)のように絶縁バリア7がベース板16の前面に起立姿勢で係止保持される。なお、この絶縁バリア7の装着状態の拡大正面図を図5に示す。
【0018】
一方、ベース板16に装着した絶縁バリア7を取り外す場合には、図2(a)〜(c)の作業手順で示すように、図2(a)の装着状態で板ばね式スナップフィット15の下端を持って矢印C方向に撓ませるか、もしくは絶縁バリア7を矢印D方向に引き寄せる。これにより、留め具12は係合爪14aを支点に、板ばね式スナップフィット15の係合部15a、および係合支柱14bがベース板16の掛け16b,支柱嵌合穴16cから抜け出す(図2(b)参照)。続いて係合爪14aをベース板16の掛け穴16aから抜き出すことにより、図2(c)のように絶縁バリア7を取り外すことができる。
【0019】
なお、3相開閉機器に適用した図示実施例では、図4のようにベース板16の長手方向に沿って2枚の相間バリア7aと対地間バリア7bの合計4枚の絶縁バリアを基台2の中心線Aに対し左右相対位置に配置して各絶縁バリアの相互間に所定の絶縁間隔を確保するようにしている。この場合に、中心線Aの左側に並ぶ絶縁バリア7a,7bの留め具12を絶縁バリアの右側に固着し、中心線Aの右側に並ぶ絶縁バリアの留め具12を絶縁バリアの左側に固着するようにして4枚の絶縁バリアが基台2の横幅寸法内に収まるようにしている。そのために、留め具12については、左向き用と右向き用の二種類の留め具を用意して使い分けるようにしている。
【0020】
以上説明したように、図示実施例の留め具12は、その脚片部14に設けた左右一対の係合爪14aと係合支柱14bとでベース板16に多点支持(3点支持)され、さらに板ばね式スナップフィット15を介してベース板16に簡単なワンタッチ操作で着脱できる。したがって、従来の取付構造のように締結ボルト10(図11参照)を使わずに、絶縁バリア7を基台2に起立姿勢に安定よく装着することができてその取付作業性が大幅に向上する。
【0021】
しかも、図5に示した絶縁バリア7の装着状態では、外力,振動により絶縁バリア7に矢印E,F方向の横揺れ荷重が加わっても、前記の多点支持構造、特に係合支柱14bをベース板16の支柱嵌合穴16cに嵌め合わせたことにより、絶縁バリア7の横振れを効果的に防ぐことができる。また、板ばね式スナップフィット15の係合部15aがベース板16の掛け穴16bにスナップフィット結合されているので絶縁バリア7が不測に脱落するおそれもない。
【符号の説明】
【0022】
1 断路器(開閉機器)
2 基台
7 絶縁バリア
7a 相間バリア
7b 対地間バリア
12 留め具
14 脚片部
14a フック形状の係合爪
14b 係合支柱
15 板ばね式スナップフィット
15a 係合部
16 ベース板
16a,16b 掛け穴
16c 支柱嵌合穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11