【実施例】
【0038】
次に具体的な数値実施例1−6を示す。諸収差図及び横収差図並びに表中において、d線、g線、C線はそれぞれの波長に対する収差、Sはサジタル、Mはメリディオナル、FNO.はFナンバー、fは全系の焦点距離、Wは半画角(゜)、Yは像高、fB
はバックフォーカス、Lはレンズ全長、Rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、N(d)はd線に対する屈折率、ν(d)はd線に対するアッベ数を示す。Fナンバー、焦点距離、半画角、像高、バックフォーカス、レンズ全長及び変倍に伴って間隔が変化するレンズ間隔dは、短焦点距離端−中間焦点距離−長焦点距離端の順に示している。長さの単位は[mm]である。
回転対称非球面は次式で定義される。
x=cy
2/[1+[1-(1+K)c
2y
2]
1/2]+A4y
4+A6y
6+A8y
8+A10y
10+A12y
12・・・
(但し、cは曲率(1/r)、yは光軸からの高さ、Kは円錐係数、A4、A6、A8、・・・・・は各次数の非球面係数、xはサグ量)
【0039】
全数値実施例1−6を通じて、第2レンズ群G2(第2Bレンズ群G2B)と像面Iとの間には、図示を省略した固定絞りが設けられている。この固定絞りは、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、像面Iに対して固定されている(光軸方向に移動しない)。このため、バックフォーカスfBは、固定絞りと像面Iとの間の光軸上の距離であり、一定値となっている。
【0040】
[数値実施例1]
図1〜
図6と表1〜表4は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例1を示している。
図1は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図2はその諸収差図、
図3はその横収差図であり、
図4は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図5はその諸収差図、
図6はその横収差図である。表1は面データ、表2は非球面データ、表3は各種データ、表4はレンズ群データである。
【0041】
本数値実施例1のズームレンズ系は、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2とからなる。
【0042】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズ11と、物体側に凸の負メニスカスレンズ12と、物体側に凸の正メニスカスレンズ13とからなる。負メニスカスレンズ12は、その像側の面が非球面からなる。
【0043】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力の第2Aレンズ群G2Aと、正の屈折力の第2Bレンズ群G2Bとからなる。第2Aレンズ群G2Aと第2Bレンズ群G2Bの間には開口絞りSが位置しており、この開口絞りSは第2レンズ群G2と一体に移動する。
第2Aレンズ群G2Aは、物体側から順に、両凸正レンズ21と、物体側に凸の正メニスカスレンズ22と、両凸正レンズ23と、両凹負レンズ24とからなる。両凸正レンズ23の像側の面と両凹負レンズ24の物体側の面は接合されている。
第2Bレンズ群G2Bは、物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズ25と、両凸正レンズ26と、像側に凸の負メニスカスレンズ27とからなる。両凸正レンズ26の像側の面と負メニスカスレンズ27の物体側の面は接合されている。
【0044】
(表1)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 44.886 1.900 1.72916 54.7
2 16.536 7.470
3 75.512 1.650 1.71300 53.9
4* 20.975 8.090
5 36.638 3.530 1.72151 29.2
6 131.601 d6
7 46.772 2.990 1.53172 48.9
8 -369.726 0.100
9 58.567 2.470 1.49700 81.6
10 425.176 0.100
11 35.365 4.800 1.49700 81.6
12 -35.374 1.830 1.80400 46.6
13 496.816 5.370
14絞 ∞ 4.530
15 30.046 1.990 1.80518 25.4
16 19.197 1.300
17 65.376 3.310 1.60300 65.5
18 -22.015 1.150 1.80100 35.0
19 -33.575 d19
20(固定絞り) ∞ -
(表2)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8 A10
4 0.000 -0.1704E-04 -0.6292E-07 0.9980E-10 -0.6959E-12
(表3)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.89
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 2.9 3.4 4.1
f 20.60 30.00 39.00
W 35.8 25.8 20.2
Y 14.24 14.24 14.24
fB 38.92 38.92 38.92
L 116.94 112.02 114.43
d6 25.437 9.672 1.699
d19 0.000 10.848 21.234
(表4)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -29.97
2 7 34.59
【0045】
[数値実施例2]
図7〜
図12と表5〜表8は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例2を示している。
図7は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図8はその諸収差図、
図9はその横収差図であり、
図10は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図11はその諸収差図、
図12はその横収差図である。表5は面データ、表6は非球面データ、表7は各種データ、表8はレンズ群データである。
【0046】
この数値実施例2のレンズ構成は、数値実施例1のレンズ構成と同様である。
【0047】
(表5)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 44.083 2.000 1.72916 54.7
2 17.429 7.700
3 88.655 1.630 1.74330 49.3
4* 20.721 8.610
5 37.733 3.460 1.74077 27.8
6 135.752 d6
7 49.607 3.210 1.54072 47.2
8 -308.165 0.100
9 40.260 2.930 1.49700 81.6
10 561.656 0.100
11 39.181 4.390 1.49700 81.6
12 -39.197 1.800 1.80400 46.6
13 121.646 4.760
14絞 ∞ 4.850
15 31.338 2.650 1.80000 29.9
16 19.297 1.300
17 53.282 3.400 1.59522 67.7
18 -21.933 1.200 1.80000 29.9
19 -33.357 d19
20(固定絞り) ∞ -
(表6)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8 A10
4 0.000 -0.1553E-04 -0.4942E-07 0.5024E-10 -0.4192E-12
(表7)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.89
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 2.9 3.4 4.1
f 20.60 30.00 39.00
W 35.8 25.8 20.2
Y 14.24 14.24 14.24
fB 36.88 36.88 36.88
L 118.32 113.60 116.19
d6 25.446 9.734 1.788
d19 1.900 12.896 23.424
(表8)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -29.72
2 7 34.76
【0048】
[数値実施例3]
図13〜
図18と表9〜表12は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例3を示している。
図13は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図14はその諸収差図、
図15はその横収差図であり、
図16は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図17はその諸収差図、
図18はその横収差図である。表9は面データ、表10は非球面データ、表11は各種データ、表12はレンズ群データである。
【0049】
この数値実施例3のレンズ構成は、以下の点を除いて、数値実施例1のレンズ構成と同様である。
(1)第2Bレンズ群G2Bが、物体側から順に、両凸正レンズ25’と、物体側に凸の負メニスカスレンズ26’と、両凸正レンズ27’と、像側に凸の負メニスカスレンズ28’とからなる。両凸正レンズ27’の像側の面と負メニスカスレンズ28’の物体側の面は接合されている。
【0050】
(表9)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 33.478 2.000 1.72916 54.7
2 16.179 9.330
3 157.837 1.650 1.75501 51.2
4* 21.181 8.340
5 38.446 3.410 1.74077 27.8
6 145.601 d6
7 50.224 2.910 1.67003 47.3
8 -916.604 0.100
9 53.307 2.670 1.56907 71.3
10 1010.841 0.100
11 33.725 4.610 1.49700 81.6
12 -36.573 2.310 1.80400 46.6
13 75.120 5.220
14絞 ∞ 1.650
15 68.414 2.000 1.60342 38.0
16 -1498.138 0.820
17 39.105 2.330 1.80518 25.4
18 19.961 1.270
19 70.194 4.600 1.59522 67.7
20 -18.632 1.220 1.80610 40.9
21 -30.765 d21
22(固定絞り) ∞ -
(表10)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8 A10
4 0.000 -0.1696E-04 -0.4548E-07 0.9988E-11 -0.3844E-12
(表11)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.89
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 2.9 3.5 4.2
f 20.60 30.00 39.00
W 35.9 25.9 20.3
Y 14.24 14.24 14.24
fB 38.92 38.92 38.92
L 119.32 116.05 119.55
d6 23.860 9.193 1.776
d21 0.000 11.400 22.315
(表12)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -28.20
2 7 34.20
【0051】
[数値実施例4]
図19〜
図24と表13〜表16は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例4を示している。
図19は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図20はその諸収差図、
図21はその横収差図であり、
図22は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図23はその諸収差図、
図24はその横収差図である。表13は面データ、表14は非球面データ、表15は各種データ、表16はレンズ群データである。
【0052】
この数値実施例4のレンズ構成は、以下の点を除いて、数値実施例3のレンズ構成と同様である。
(1)第2Bレンズ群G2Bの正レンズ25’が、物体側に凸の正メニスカスレンズからなる。
【0053】
(表13)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 34.634 1.900 1.72916 54.7
2 16.445 8.460
3 158.145 1.700 1.74330 49.3
4* 21.265 7.380
5 36.560 3.680 1.72825 28.5
6 172.929 d6
7 99.852 2.620 1.72000 43.7
8 -168.612 0.100
9 63.696 2.290 1.49700 81.6
10 249.416 0.100
11 27.565 4.840 1.49700 81.6
12 -34.923 1.970 1.78800 47.4
13 174.814 5.810
14絞 ∞ 2.100
15 70.649 2.030 1.58144 40.7
16 13666.243 0.110
17 33.346 1.720 1.80518 25.4
18 18.816 1.400
19 101.316 3.120 1.56907 71.3
20 -20.984 1.200 1.80440 39.6
21 -30.885 d21
22(固定絞り) ∞ -
(表14)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8 A10
4 0.000 -0.1525E-04 -0.5281E-07 0.8674E-10 -0.5513E-12
(表15)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.89
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 2.9 3.4 4.1
f 20.60 30.00 39.00
W 35.8 25.8 20.2
Y 14.24 14.24 14.24
fB 38.92 38.92 38.92
L 117.62 112.50 114.69
d6 26.171 10.474 2.536
d21 0.000 10.580 20.709
(表16)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -30.28
2 7 34.08
【0054】
[数値実施例5]
図25〜
図30と表17〜表20は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例5を示している。
図25は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図26はその諸収差図、
図27はその横収差図であり、
図28は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図29はその諸収差図、
図30はその横収差図である。表17は面データ、表18は非球面データ、表19は各種データ、表20はレンズ群データである。
【0055】
この数値実施例5のレンズ構成は、以下の点を除いて、数値実施例1のレンズ構成と同様である。
(1)第2Aレンズ群G2Aが、物体側から順に、両凸正レンズ21’と、両凸正レンズ22’と、両凹負レンズ23’とからなる。両凸正レンズ22’の像側の面と両凹負レンズ23’の物体側の面は接合されている。
(2)第2Bレンズ群G2Bが、物体側から順に、物体側に凸の正メニスカスレンズ25”と、物体側に凸の負メニスカスレンズ26”と、物体側に凸の負メニスカスレンズ27”と、両凸正レンズ28”とからなる。負メニスカスレンズ27”の像側の面と両凸正レンズ28”の物体側の面は接合されている。
【0056】
(表17)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 37.045 2.100 1.72916 54.7
2 16.206 8.500
3 138.831 1.600 1.69350 53.2
4* 21.237 7.340
5 36.218 3.450 1.71736 29.5
6 152.367 d6
7 63.357 2.890 1.72000 50.2
8 -103.144 0.100
9 29.303 4.980 1.49700 81.6
10 -34.534 1.600 1.80400 46.6
11 105.609 7.290
12絞 ∞ 1.550
13 38.989 1.880 1.60342 38.0
14 99.136 1.070
15 33.463 2.060 1.80000 29.9
16 19.930 1.210
17 62.852 1.200 1.80610 33.3
18 22.294 3.590 1.61800 63.4
19 -37.544 d19
20(固定絞り) ∞ -
(表18)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8 A10
4 0.000 -0.1675E-04 -0.5943E-07 0.9465E-10 -0.6543E-12
(表19)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.89
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 2.9 3.4 4.1
f 20.60 30.00 39.00
W 35.8 25.8 20.2
Y 14.24 14.24 14.24
fB 38.82 38.82 38.82
L 116.81 111.87 114.19
d6 25.580 9.990 2.106
d19 0.000 10.654 20.856
(表20)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -30.07
2 7 34.08
【0057】
[数値実施例6]
図31〜
図36と表21〜表24は、本発明によるズームレンズ系の数値実施例6を示している。
図31は長焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図32はその諸収差図、
図33はその横収差図であり、
図34は短焦点距離端における無限遠合焦時のレンズ構成図、
図35はその諸収差図、
図36はその横収差図である。表21は面データ、表22は非球面データ、表23は各種データ、表24はレンズ群データである。
【0058】
この数値実施例6のレンズ構成は、数値実施例5のレンズ構成と同様である。
【0059】
(表21)
面データ
面番号 R d N(d) ν(d)
1 39.530 2.000 1.72916 54.7
2 16.375 8.750
3 111.373 1.700 1.69350 53.2
4* 21.983 7.330
5 37.276 3.500 1.71736 29.5
6 163.653 d6
7 72.105 3.100 1.71700 47.9
8 -128.840 0.100
9 30.791 4.940 1.49700 81.6
10 -33.067 4.200 1.80400 46.6
11 293.356 6.230
12絞 ∞ 1.650
13 33.843 1.980 1.65844 50.9
14 97.748 0.100
15 35.072 2.030 1.61340 44.3
16 18.931 1.430
17 85.887 1.200 1.80100 35.0
18 18.538 3.910 1.60300 65.5
19 -37.331 d19
20(固定絞り) ∞ -
(表22)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8 A10
4 0.000 -0.1622E-04 -0.5957E-07 0.1075E-09 -0.6575E-12
(表23)
各種データ
ズーム比(変倍比) 1.89
短焦点距離端 中間焦点距離 長焦点距離端
FNO. 2.9 3.4 4.0
f 20.60 30.00 39.00
W 35.8 25.8 20.2
Y 14.24 14.24 14.24
fB 37.02 37.02 37.02
L 120.03 114.06 115.76
d6 26.963 10.562 2.267
d19 1.900 12.331 22.319
(表24)
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -31.17
2 7 34.59
【0060】
各数値実施例の各条件式に対する値を表25に示す。
(表25)
実施例1 実施例2 実施例3
条件式(1) -0.867 -0.855 -0.825
条件式(2) 0.417 0.471 0.617
条件式(3) 0.331 0.313 0.216
条件式(4) 1.60300 1.59522 1.59522
条件式(5) 65.44 67.73 67.73
条件式(6) 48.84 47.23 47.23
実施例4 実施例5 実施例6
条件式(1) -0.889 -0.882 -0.901
条件式(2) 0.474 0.714 0.647
条件式(3) 0.269 0.300 0.255
条件式(4) 1.56907 1.61800 1.60300
条件式(5) 71.31 63.33 65.44
条件式(6) 43.69 50.23 47.93
【0061】
表25から明らかなように、数値実施例1〜数値実施例6は、条件式(1)〜(6)を満足しており、諸収差図及び横収差図から明らかなように諸収差及び横収差は比較的よく補正されている。
【0062】
本発明の特許請求の範囲に含まれるズームレンズ系に、実質的なパワーを有さないレンズまたはレンズ群を追加したとしても、本発明の技術的範囲に含まれる(本発明の技術的範囲を回避したことにはならない)。