特許第6160275号(P6160275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6160275
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】熱交換パイプユニット
(51)【国際特許分類】
   F28D 1/047 20060101AFI20170703BHJP
   F28D 1/06 20060101ALI20170703BHJP
   F28F 9/02 20060101ALI20170703BHJP
   F28D 21/00 20060101ALI20170703BHJP
   F25B 30/06 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   F28D1/047 A
   F28D1/06 A
   F28F9/02 301E
   F28D21/00
   F25B30/06 T
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-121475(P2013-121475)
(22)【出願日】2013年6月10日
(65)【公開番号】特開2014-238232(P2014-238232A)
(43)【公開日】2014年12月18日
【審査請求日】2016年5月20日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会名 enex 2013 開催場所 東京ビッグサイト東1ホール 展示日 平成25年1月30日〜平成25年2月1日 [刊行物等] 刊行物 北日本新聞 平成25年1月25日付朝刊、第5面 発行者 北日本新聞社 発行日 平成25年1月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134534
【氏名又は名称】株式会社トヨックス
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100124246
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 和光
(72)【発明者】
【氏名】田中 智明
(72)【発明者】
【氏名】松澤 潤一
【審査官】 鈴木 充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−021275(JP,A)
【文献】 実開平05−008275(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第02549197(EP,A2)
【文献】 特開2010−156468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 1/047,1/06,7/16,21/00
F28F 9/02
F25B 30/06
F24J 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の方向に沿って配置された供給用メインパイプ及び戻り用メインパイプと、中央に配管空間が形成されるように筒状に湾曲して形成され、前記供給用メインパイプと前記戻り用メインパイプとを接続する複数の熱交換パイプとを有し、前記所定の方向に沿って一方から他方に向かって配列された複数の熱交換パイプマットと、
前記一方の側に配列された前記熱交換パイプマットの前記配管空間を通るように配置され、前記他方の側に配列された前記熱交換パイプマットの前記供給用メインパイプ及び前記戻り用メインパイプにそれぞれ接続された供給用配管及び戻り用配管と、
を備えた熱交換パイプユニット。
【請求項2】
前記熱交換パイプマットは、
前記供給用メインパイプ又は前記戻り用メインパイプの一方の端部に設けられ、前記供給用配管又は前記戻り用配管に接続される第1のコネクタと、
前記戻り用メインパイプ又は前記供給用メインパイプの他方の端部に接続され、前記一方に延びて前記配管空間に配置された延長用パイプと、
前記延長用パイプの前記一方の端部に設けられ、前記戻り用配管又は前記供給用配管に接続される第2のコネクタと、
を備えた請求項1に記載の熱交換パイプユニット。
【請求項3】
前記熱交換パイプマットは、前記複数の熱交換パイプが渦巻き状に巻回された請求項1又は2に記載の熱交換パイプユニット。
【請求項4】
前記熱交換パイプマットは、前記複数の熱交換パイプの筒状の形状を保持する網状の保持部材を備えた請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換パイプユニット。
【請求項5】
前記複数の熱交換パイプマットは、井戸内に配置された請求項1から4のいずれか1項に記載の熱交換パイプユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下熱(地中熱、地下水)や工場の排熱等と熱交換パイプを流れる熱媒体との間で熱交換を行う熱交換パイプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光、風力等の再生可能エネルギーは、地球温暖化対策の観点、我が国自前のエネルギー源の観点等から、その導入が試みられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1の図8に記載された冷暖房ヒートポンプシステムは、地中に埋設された内径10〜25cmm、深さ50〜100mの井戸ケースと、井戸ケース内の貯水室内に縦方向に並べて収容され、熱媒ガスが流れる2つの熱交換パイプと、各熱交換パイプに接続された室外機と、室外機に接続された室内熱交換器とを備える。熱交換パイプは、下端に位置する第1分岐器と、上端に位置する第2分岐器と、第1分岐器と第2分岐器とを接続する複数の分岐パイプとにより構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−7476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の冷暖房ヒートポンプシステムでは、単位深さ当たりの熱交換効率が低いため、井戸の深さを50m以上に深くしなければならず、掘削工事の負担が大きいという問題がある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、単位深さ当たりの熱交換効率の向上を図り、掘削工事の負担を大幅に軽減することが可能な熱交換パイプユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、所定の方向に沿って配置された供給用メインパイプ及び戻り用メインパイプと、中央に配管空間が形成されるように筒状に湾曲して形成され、前記供給用メインパイプと前記戻り用メインパイプとを接続する複数の熱交換パイプとを有し、前記所定の方向に沿って一方から他方に向かって配列された複数の熱交換パイプマットと、前記一方の側に配列された前記熱交換パイプマットの前記配管空間を通るように配置され、前記他方の側に配列された前記熱交換パイプマットの前記供給用メインパイプ及び前記戻り用メインパイプにそれぞれ接続された供給用配管及び戻り用配管と、を備えた熱交換パイプユニットを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、単位深さ当たりの熱交換効率の向上を図り、掘削工事の負担を大幅に軽減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係る熱交換パイプユニットを示す図である。
図2図2は、第1の実施の形態に係る熱交換パイプマットを展開した状態を示す正面図である。
図3図3は、図2に示す熱交換パイプマットを渦巻き状に巻回した状態を示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
図4図4は、図3に示す熱交換パイプマットに保護ネットを被せる直前の状態を示す斜視図である。
図5図5は、図3に示す状態の熱交換パイプマットに保護ネットを被せた状態を示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
図6図6は、保護ネットが被された複数の熱交換パイプマットに供給用配管及び戻り用配管を接続した状態を示す斜視図である。
図7図7は、本発明の第2の実施の形態に係る熱交換パイプユニットを示す図である。
図8図8は、本発明の実施例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0011】
[実施の形態の要約]
本実施の形態の熱交換パイプユニットは、所定の方向に沿って配置された供給用メインパイプ及び戻り用メインパイプと、中央に配管空間が形成されるように筒状に湾曲して形成され、前記供給用メインパイプと前記戻り用メインパイプとを接続する複数の熱交換パイプとを有し、前記所定の方向に沿って一方から他方に向かって配列された複数の熱交換パイプマットと、前記一方の側に配列された前記熱交換パイプマットの前記配管空間を通るように配置され、前記他方の側に配列された前記熱交換パイプマットの前記供給用メインパイプ及び前記戻り用メインパイプにそれぞれ接続された供給用配管及び戻り用配管と、を備える。
【0012】
「所定の方向」は、本熱交換パイプユニットの設置状態では、例えば鉛直方向である。「筒状に湾曲して形成」とは、熱交換パイプが1回以上渦巻き状に巻回された場合の他、1回に満たない範囲(例えば、3/4回以上1回未満)で巻回された場合を含む趣旨である。熱交換パイプを流れる熱媒体は、水、ガス等の流体を用いることができる。熱交換パイプユニットを構成する熱交換パイプ等は、樹脂製、又は銅、ステンレススチール等の金属製のものを用いることができる。
【0013】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る熱交換パイプユニットを示す図である。この熱交換パイプユニット1は、図1に示すように、例えば直径15〜25cm、深さ10〜20mの井戸孔100に、鉛直方向(所定の方向)に沿って地表面101側(一方)から深さ方向(他方)に向かって配列されたn個の熱交換パイプマット2、2・・・2(これらを総称するときは「熱交換パイプマット2」という。)を有する。なお、図1中、102は地下水から井戸孔100に浸入した井戸水、103は井戸水102の水面である。
【0014】
また、熱交換パイプユニット1は、n個の熱交換パイプマット2にそれぞれ接続されて地表面101の外に延びるn本の供給用配管3及び戻り用配管4と、各熱交換パイプマット2の筒状の形状を保つ保持部材の一例としての保護ネット5とを備える。保護ネット5同士は市販の連結バンド6によって連結されている。最も深さ方向に位置する熱交換パイプマット2の保護ネット5には、浮き上がり防止のための重り7が吊り部材8によって吊るされている。
【0015】
熱交換パイプマット2は、所定の方向に沿って配置された供給用メインパイプ20及びリバースリターンパイプ21と、中央に配管空間24が形成されるように1回以上渦巻き状に形成され、供給用メインパイプ20とリバースリターンパイプ21の後述する戻り用メインパイプ210とを接続する複数の熱交換パイプ22とを備える。
【0016】
供給用配管3及び戻り用配管4は、地表面101側に配列された熱交換パイプマット2の配管空間24を通るように配置され、地表面101から2番目以降の熱交換パイプマット2〜2の供給用メインパイプ20及びリバースリターンパイプ21の後述する延長用メインパイプ211にそれぞれ接続されている。地表面101に最も近い熱交換パイプマット21には、供給用配管3及び戻り用配管4が配管空間24を通らずに直接接続される。
【0017】
保護ネット5は、例えば格子状の網目からなる網状になっており、例えばポリエチレン等の樹脂から形成されている。保護ネット5は、金属から構成されてもよく、表面が樹脂で被覆された金属から構成されてもよい。保護ネット5は、幅(鉛直方向の長さ)は熱交換パイプマット2の幅(鉛直方向の長さ)よりも長い方が好ましい。なお、保護ネット5は、各熱交換パイプマット2毎に設けなくても、2個以上の熱交換パイプマット2毎に設けてもよい。
【0018】
熱交換パイプユニット1は、ヒートポンプ10に供給用ライン11及び戻り用ライン12を介して接続されている。ヒートポンプ10としては、熱回収式、水冷式のいずれのヒートポンプでもよい。ヒートポンプ10は、供給用ライン11からn個に分岐した供給用分岐ライン110と、戻り用ライン12からn個に分岐した戻り用分岐ライン120とを有する。各熱交換パイプマット2の供給用メインパイプ20は、それぞれの供給用配管3を介して供給用分岐ライン110に接続され、リバースリターンパイプ21は、それぞれの戻り用配管4を介して戻り用分岐ライン120に接続されている。なお、図1中、13は流量を調整する流量調整弁、14は供給用分岐ライン110、戻り用分岐ライン120と供給用配管3、戻り用配管4とを接続する接続具である。
【0019】
図2は、熱交換パイプマット2を展開した状態を示す正面図である。なお、図2において、符号に付された矢印以外の矢印は、熱媒体の流れる方向を示す。熱交換パイプマット2は、互いに平行に配置された供給用メインパイプ20及びリバースリターンパイプ21と、供給用メインパイプ20とリバースリターンパイプ21の戻り用メインパイプ210にほぼ同一ピッチでほぼ平行に接続された複数(図2では64本)の熱交換パイプ22と、熱交換パイプ22の間隔を保持する複数の間隔保持部材23とを備える。なお、熱交換パイプ22の数は、同図に示すものに限られない。
【0020】
供給用メインパイプ20は、入口側端部に供給用配管3に接続するための第1のコネクタとしての供給側コネクタ200を備える。
【0021】
リバースリターンパイプ21は、戻り用メインパイプ210、延長用接続パイプ212及び延長用メインパイプ211によってU字状に形成されている。延長用接続パイプ212及び延長用メインパイプ211は、延長用パイプを構成する。延長用メインパイプ211は、出口側端部に戻り用配管4に接続するための第2のコネクタとしての戻り側コネクタ213を備える。供給用メインパイプ20及びリバースリターンパイプ21は、熱交換パイプ22の内径よりも大きい内径を有する。延長用メインパイプ211は、戻り用メインパイプ210と同じ長さでもよく、戻り用メインパイプ210よりも短くても長くてもよい。
【0022】
熱交換パイプ22は、断面円形を有し、例えば外径2〜5mm又は外径3〜4mmを有する。熱交換パイプ22のピッチは、例えば8〜20mm又は10〜15mmが好ましい。熱交換パイプ22が配列される領域の幅は、0.3〜2m又は0.5〜1.5mが好ましい。
【0023】
熱交換パイプマット2の供給用メインパイプ20、戻り用メインパイプ210及び複数の熱交換パイプ22は、例えば、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂等からなり、供給用メインパイプ20、戻り用メインパイプ210及び複数の熱交換パイプ22をそれぞれ押出成形し、これらを溶着して組み立てられる。なお、供給用メインパイプ20、戻り用メインパイプ210及び複数の熱交換パイプ22は、射出成型等により一体的に形成してもよい。
【0024】
(組立方法)
次に、熱交換パイプユニット1の組立方法の一例について説明する。図3は、図2に示す熱交換パイプマット2を渦巻き状に巻回した状態を示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。図4は、図3に示す熱交換パイプマット2に保護ネット5を被せる直前の状態を示す斜視図である。図5は、図3に示す状態の熱交換パイプマット2に保護ネット5を被せた状態を示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。図6は、保護ネット5が被された複数の熱交換パイプマット2に供給用配管3及び戻り用配管4を接続した状態を示す斜視図である。なお、図6は、下から2番目の保護ネット5の一部を省略して図示する。
【0025】
まず、図2に示す熱交換パイプマット2を図3に示すように渦巻き状に巻回する。図3では4回巻回した状態を示す。渦巻き状に巻回された熱交換パイプマット2が渦巻き状の形状を保つため、樹脂製のバンドにより固定してもよい。
【0026】
次に、図4及び図5に示すように、図3に示す状態の熱交換パイプマット2に保護ネット5を被せる。次に、保護ネット5の端部同士を市販(公知)の止め具50により固定する。熱交換パイプマット2と保護ネット5は、図示しない市販(公知)のバンドにより固定する。
【0027】
次に、図6に示すように、保護ネット5が被された各熱交換パイプマット2を長手方向に配列し、各熱交換パイプマット2の供給用メインパイプ20の供給側コネクタ200に供給用配管3を接続し、リバースリターンパイプ21の戻り側コネクタ213に戻り用配管4を接続する。地表面101側から2番目以降の熱交換パイプマット2〜2に接続される供給用配管3及び戻り用配管4は、地表面101側に位置する熱交換パイプマット2の内側の配管空間24を通るように接続する。地表面101に最も近い熱交換パイプマット2には、供給用配管3及び戻り用配管4を配管空間24を通らずに直接接続される。次に、保護ネット5同士を市販の連結バンド6で連結する。最も深さ方向に位置する熱交換パイプマット2を保護する保護ネット5に重り7を吊り部材8によって吊るす。ここまでの作業は、地上で行う。
【0028】
以上のようにして組み立てられた熱交換パイプユニット1を井戸孔100に挿入する。このとき、重り7を先にして井戸孔100に挿入する。各供給用配管3を供給用ライン11の供給用分岐ライン110に接続し、各戻り用配管4を戻り用ライン12の戻り用分岐ライン120に接続する。
【0029】
(第1の実施の形態の動作)
次に、本実施の形態に係る熱交換パネルユニット1の動作の一例をヒートポンプ10が冷房運転する場合について説明する。
【0030】
ヒートポンプ10と例えば室内熱交換器との間で熱交換されて例えば30℃に温められた熱媒体が供給用ライン11に供給されると、その熱媒体は、各供給用分岐ライン110に分岐し、それぞれの供給用配管3を介して各熱交換パイプマット2の供給用メインパイプ20に供給される。供給用メインパイプ20に供給された熱媒体は、各熱交換パイプ22に分岐し、熱交換パイプ22に沿って螺旋状に循環する。熱媒体が熱交換パイプ22を循環する間に熱媒体は常時ほぼ一定の温度(例えば15℃)の井戸水102と熱交換し、例えば20℃に冷やされる。冷やされた熱媒体は、リバースリターンパイプ21、戻り用配管4、戻り用分岐ライン120及び戻り用ライン12を介してヒートポンプ10に戻り、室内熱交換器による室内の冷房に供される。
【0031】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)熱交換パイプ22を渦巻き状に巻回しているので、直径20cm程度の井戸孔100内に容易に設置することができる。
(2)熱交換パイプ22を鉛直軸を中心に渦巻き状に巻回しているので、単位深さ当たりの熱交換効率の向上を図ることができる。
(3)井戸孔100の深さが10m程度で従来と同等の熱交換効率を発揮することができるので、掘削工事の負担を大幅に軽減することができる。
(4)井戸孔100の深さ等に応じて必要な数の熱交換パイプマット2を用いることができるため、熱交換パイプマット2の量産が可能になる。
(5)井戸孔の直径に応じた熱交換パイプ22の長さのものを用いることで、各種サイズの井戸孔に容易に適用することができる。
【0032】
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る熱交換パイプユニットを示す図である。第1の実施の形態は、供給用ライン11及び戻り用ライン12を複数の供給用分岐ライン110及び戻り用分岐ライン120に分岐したが、本実施の形態は、供給用配管3及び戻り用配管4を分岐したものである。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0033】
本実施の形態の熱交換パイプユニット1は、ヒートポンプ10に供給用ライン11及び戻り用ライン12を介して接続されている。供給用ライン11には、各熱交換パイプマット2に対して共通の供給用配管3が接続され、戻り用ライン12には、各熱交換パイプマット2に対して共通の戻り用配管4が接続されている。戻り用配管4は、第1の戻り用配管4aと第2の戻り用配管4bとから構成されている。各熱交換パイプマット2の供給用メインパイプ20と供給用配管3とは分岐配管30、30、・・・30によって接続されている。各熱交換パイプマット2のリバースリターンパイプ21と戻り用配管4とは分岐配管40、40、・・・40によって接続されている。
【0034】
(第2の実施の形態の動作)
次に、本実施の形態に係る熱交換パネルユニット1の動作の一例をヒートポンプ10が冷房運転する場合について説明する。
【0035】
ヒートポンプ10と例えば室内熱交換器との間で熱交換されて例えば30℃に温められた熱媒体が供給用ライン11に供給されると、その熱媒体は、供給用配管3及び分岐配管30〜30を介して各熱交換パイプマット2の供給用メインパイプ20に供給される。供給用メインパイプ20に供給された熱媒体は、各熱交換パイプ22に分岐し、熱交換パイプ22に沿って螺旋状に循環する。熱媒体が熱交換パイプ22を循環する間に熱媒体は常時一定の温度(例えば15℃)の井戸水102と熱交換し、例えば20℃に冷やされる。冷やされた熱媒体は、リバースリターンパイプ21、分岐配管40〜40、戻り用配管4及び戻り用ライン12を介してヒートポンプ10に戻り、室内熱交換器による室内の冷房に供される。
【0036】
(第2の実施の形態の効果)
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に直径20cm程度の井戸孔100内に設置することができ、単位深さ当たりの熱交換効率の向上を図ることができ、掘削工事の負担を大幅に軽減することができる。また、熱交換パイプマット2の数が多い場合でも、配管空間24を通る供給用配管3及び戻り用配管4の数が変わらないので、配管施工が容易となる。
【実施例】
【0037】
図8は、本発明の実施例を模式的に示す図である。
【0038】
実施例の熱交換パイプユニット1は、以下のものを使用した。
(a)熱交換パイプ22の直径:内径2.3mm、外径3.4mm
(b)熱交換パイプ22の材質:ポリプロピレン
(c)1つの熱交換パイプマット2当たりの熱交換パイプ22の本数:96本
(d)熱交換パイプ22の1本当たりの長さ:約2m
(e)熱交換パイプ22の配列ピッチ:10mm
(f)熱交換パイプ22の配列幅:約1m
(g)熱交換パイプ22を筒状に湾曲したときの外径:190mm
(h)井戸孔100の内径:200mm
(i)使用した熱交換パイプマット2の数:6個
(j)井戸孔100における熱交換パイプマット2の位置:地表面101から4mから10m(地表面101から4mに設置したのは、井戸水102の温度が地表面101から4mより深い位置でほぼ一定の15℃になるからである。)
【0039】
比較例は、以下のUチューブを用いた。
(a)Uチューブの直径:内径28.8mm、外径36mm
(b)Uチューブの材質:ポリエチレン
(c)Uチューブの長さ:片道17.6m
【0040】
本実施例は、上記条件の下でシミュレーションした結果、単位深さ当たりの熱交換効率が比較例の4.2倍になることが分かった。この結果から、井戸の深さは従来50m(有効深さ46m)必要だったが、本実施例によれば11m程度でよいことが分かる。
【0041】
[他の実施の形態]
なお、本発明の実施の形態は、上記各実施の形態に限定されず、発明の要旨を変更しない範囲内で種々に変形実施が可能である。例えば、上記各実施の形態では、熱交換パイプマットを井戸孔内に設置した場合について説明したが、工場から排出される工業用水のタンク内に熱交換パイプを設置してもよい。これにより工場の排熱回収を行うことができる。
【0042】
また、本熱交換パイプユニット1を地中に埋設して地中熱と熱交換できるようにしてもよい。この場合は、例えば、地中に設けたコンクリート杭に熱交換パイプユニット1を設置し、コンクリート杭内の隙間に砂利や充填剤等を充填する。
【0043】
また、上記各実施の形態では、熱交換パイプマットとして、戻り側にU字状のリバースリターンパイプを用いたが、供給側にU字状のパイプを用いてもよい。また、熱交換パイプは、供給用メインパイプの供給側開口と戻り用メインパイプの排出口が同じ向きに設けられたものでもよい。また、複数の熱交換パイプマットを重ねて渦巻き状に巻回してもよい。また、上記各実施の形態では、渦巻き状に巻回した複数の熱交換パイプマットを井戸孔内に鉛直方向に配列したが、渦巻き状に巻回した複数の熱交換パイプマットを工場の排液タンク内等に平面的に配列してもよい。また、渦巻き状に巻回した1つの熱交換パイプマットを井戸孔に設置してもよい。
【0044】
上記各実施の形態では、n個の熱交換パイプマットにそれぞれ供給用配管及び戻り用配管を接続して並列配管したが、各熱交換パイプマット毎に供給用配管及び戻り用配管を接続しなくても、2個以上の熱交換パイプマットを直列に接続し、それらの単位毎に供給用配管及び戻り用配管を接続してもよい。
【0045】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で上記実施の形態の構成要素のうち一部を除くことも可能である。例えば、保護ネット5は省いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、地下熱(地中熱、地下水)や、工場、ビル、変電所、ごみ焼却炉等の排熱との熱交換に利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1…熱交換パイプユニット、2…熱交換パイプマット、3…供給用配管、4…戻り用配管、
4a…第1の戻り用配管、4b…第2の戻り用配管、5…保護ネット、6…連結バンド、
7…重り、8…吊り部材、10…ヒートポンプ、11…供給用ライン、
12…戻り用ライン、13…流量調整弁、14…接続具、20…供給用メインパイプ、
21…リバースリターンパイプ、22…熱交換パイプ、23…間隔保持部材、
24…配管空間、30〜30…分岐配管、40〜40…分岐配管、50…止め具、
100…井戸孔、101…地表面、102…井戸水、103…井戸水の水面、
104…堆砂、110…供給用分岐ライン、120…戻り用分岐ライン、
200…供給側コネクタ、210…戻り用メインパイプ、211…延長用メインパイプ、
212…延長用接続パイプ、213…戻り側コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8