特許第6160285号(P6160285)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オートネットワーク技術研究所の特許一覧 ▶ 住友電装株式会社の特許一覧 ▶ 住友電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6160285-給電制御装置 図000002
  • 特許6160285-給電制御装置 図000003
  • 特許6160285-給電制御装置 図000004
  • 特許6160285-給電制御装置 図000005
  • 特許6160285-給電制御装置 図000006
  • 特許6160285-給電制御装置 図000007
  • 特許6160285-給電制御装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6160285
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】給電制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/14 20060101AFI20170703BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20170703BHJP
   B60L 7/10 20060101ALI20170703BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20170703BHJP
【FI】
   H02J7/14 H
   H02J7/00 P
   B60L7/10
   H02J7/02 F
【請求項の数】7
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-126888(P2013-126888)
(22)【出願日】2013年6月17日
(65)【公開番号】特開2015-2636(P2015-2636A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2015年6月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】谷口 知弘
【審査官】 赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−075280(JP,A)
【文献】 特開2004−328988(JP,A)
【文献】 特開2002−171691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/14
B60L 7/10
H02J 7/00
H02J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、前記第1蓄電池から前記負荷への給電とを制御する給電制御装置において、
前記発電機から前記第1蓄電池への給電経路に設けられた第1スイッチと、
前記発電機から前記第2蓄電池及び負荷への給電経路に設けられた第2スイッチと、
前記第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと前記負荷との間に設けられ、前記発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を前記負荷に印加する変圧回路と、
前記第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する取得手段と、
前記発電機が回生電力を発生しているか否かを判定する判定手段と、
該判定手段の判定結果と、前記取得手段が取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量とに応じて、前記第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフ、並びに、前記変圧回路の作動/停止を制御する制御手段と
を備え、
該制御手段は、前記判定手段が回生電力を発生していると判定した場合にて、前記取得手段が取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値未満であり、かつ、前記取得手段が取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値未満であるときに前記第1及び第2スイッチを共にオンにし、前記変圧回路を停止させ
該変圧回路は、複数のスイッチと、コイルとを有し、
該変圧回路では、該複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返され、オン/オフを繰り返す該複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整されること
を特徴とする給電制御装置。
【請求項2】
発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、前記第1蓄電池から前記負荷への給電とを制御する給電制御装置において、
前記発電機から前記第1蓄電池への給電経路に設けられた第1スイッチと、
前記発電機から前記第2蓄電池及び負荷への給電経路に設けられた第2スイッチと、
前記第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと前記負荷との間に設けられ、前記発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を前記負荷に印加する変圧回路と、
前記第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する取得手段と、
前記発電機が回生電力を発生しているか否かを判定する判定手段と、
該判定手段の判定結果と、前記取得手段が取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量とに応じて、前記第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフ、並びに、前記変圧回路の作動/停止を制御する制御手段と
を備え、
該制御手段は、前記判定手段が回生電力を発生していると判定した場合にて、前記取得手段が取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値未満であり、かつ、前記取得手段が取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値以上であるときに前記第1及び第2スイッチ夫々をオン及びオフにし、前記変圧回路を作動させ
該変圧回路は、複数のスイッチと、コイルとを有し、
該変圧回路では、該複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返され、オン/オフを繰り返す該複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整されること
を特徴とする給電制御装置。
【請求項3】
発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、前記第1蓄電池から前記負荷への給電とを制御する給電制御装置において、
前記発電機から前記第1蓄電池への給電経路に設けられた第1スイッチと、
前記発電機から前記第2蓄電池及び負荷への給電経路に設けられた第2スイッチと、
前記第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと前記負荷との間に設けられ、前記発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を前記負荷に印加する変圧回路と、
前記第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する取得手段と、
前記発電機が回生電力を発生しているか否かを判定する判定手段と、
該判定手段の判定結果と、前記取得手段が取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量とに応じて、前記第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフ、並びに、前記変圧回路の作動/停止を制御する制御手段と
を備え、
該制御手段は、前記判定手段が回生電力を発生していると判定した場合にて、前記取得手段が取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値以上であり、かつ、前記取得手段が取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値未満であるときに前記第1及び第2スイッチ夫々をオフ及びオンにし、前記変圧回路を停止させ
該変圧回路は、複数のスイッチと、コイルとを有し、
該変圧回路では、該複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返され、オン/オフを繰り返す該複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整されること
を特徴とする給電制御装置。
【請求項4】
発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、前記第1蓄電池から前記負荷への給電とを制御する給電制御装置において、
前記発電機から前記第1蓄電池への給電経路に設けられた第1スイッチと、
前記発電機から前記第2蓄電池及び負荷への給電経路に設けられた第2スイッチと、
前記第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと前記負荷との間に設けられ、前記発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を前記負荷に印加する変圧回路と、
前記第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する取得手段と、
前記発電機が回生電力を発生しているか否かを判定する判定手段と、
該判定手段の判定結果と、前記取得手段が取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量とに応じて、前記第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフ、並びに、前記変圧回路の作動/停止を制御する制御手段と
を備え、
該制御手段は、前記判定手段が回生電力を発生していると判定した場合にて、前記取得手段が取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値以上であり、かつ、前記取得手段が取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値以上であるときに前記第1及び第2スイッチを共にオフにし、前記変圧回路を作動させ
該変圧回路は、複数のスイッチと、コイルとを有し、
該変圧回路では、該複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返され、オン/オフを繰り返す該複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整されること
を特徴とする給電制御装置。
【請求項5】
発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、前記第1蓄電池から前記負荷への給電とを制御する給電制御装置において、
前記発電機から前記第1蓄電池への給電経路に設けられた第1スイッチと、
前記発電機から前記第2蓄電池及び負荷への給電経路に設けられた第2スイッチと、
前記第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと前記負荷との間に設けられ、前記発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を前記負荷に印加する変圧回路と、
前記第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する取得手段と、
前記発電機が回生電力を発生しているか否かを判定する判定手段と、
該判定手段の判定結果と、前記取得手段が取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量とに応じて、前記第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフ、並びに、前記変圧回路の作動/停止を制御する制御手段と、
前記判定手段が回生電力を発生していないと判定した場合にて、前記取得手段が取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値未満であり、かつ、前記取得手段が取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値未満であるときに前記発電機を駆動する駆動手段と
を備え、
前記制御手段は、前記判定手段が回生電力を発生していないと判定した場合にて、前記取得手段が取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値未満であり、かつ、前記取得手段が取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値未満であるときに前記第1及び第2スイッチを共にオンにし、前記変圧回路を停止させ
該変圧回路は、複数のスイッチと、コイルとを有し、
該変圧回路では、該複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返され、オン/オフを繰り返す該複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整されること
を特徴とする給電制御装置。
【請求項6】
発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、前記第1蓄電池から前記負荷への給電とを制御する給電制御装置において、
前記発電機から前記第1蓄電池への給電経路に設けられた第1スイッチと、
前記発電機から前記第2蓄電池及び負荷への給電経路に設けられた第2スイッチと、
前記第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと前記負荷との間に設けられ、前記発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を前記負荷に印加する変圧回路と、
前記第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する取得手段と、
前記発電機が回生電力を発生しているか否かを判定する判定手段と、
該判定手段の判定結果と、前記取得手段が取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量とに応じて、前記第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフ、並びに、前記変圧回路の作動/停止を制御する制御手段と
を備え、
該制御手段は、前記判定手段が回生電力を発生していないと判定した場合にて、前記取得手段が取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値未満であり、かつ、前記取得手段が取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値以上であるときに前記第1及び第2スイッチを共にオフにし、前記変圧回路を停止させ
該変圧回路は、複数のスイッチと、コイルとを有し、
該変圧回路では、該複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返され、オン/オフを繰り返す該複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整されること
を特徴とする給電制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記判定手段が回生電力を発生していないと判定した場合にて、前記取得手段が取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値以上であるときに前記第1及び第2スイッチを共にオフにし、前記変圧回路を作動させるように構成してあること
を特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の給電制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電機から蓄電池及び負荷への給電と、蓄電池から負荷への給電とを制御する給電制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、HEV(Hybrid Electric Vehicle)又はEV(Electric Vehicle)等の車両には、車両が減速する場合に発電機が車両の運動エネルギーを電力に変換することによって回生電力を発生し、発生した回生電力を蓄電池及び負荷に供給する電源システム(例えば特許文献1参照)が搭載されている。
【0003】
特許文献1に記載の電源システムでは、発電機の正極端子には、蓄電池として機能する鉛電池の正極端子と、スイッチの一端とが接続されており、スイッチの他端には、蓄電池として機能するリチウム電池の正極端子と、負荷の一端とが接続されている。発電機、鉛電池及びリチウム電池の負極端子、並びに、負荷の他端は接地されている。
【0004】
特許文献1に記載の電源システムでは、発電機は直流の回生電力を発生するように構成されており、発電機からリチウム電池への給電は、スイッチのオン/オフによって制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−176958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の電源システムでは、発電機が回生電力を発生している間、スイッチはオンに制御される。スイッチがオンである場合、発電機は、鉛電池、リチウム電池及び負荷夫々に並列に接続された状態となる。
【0007】
このとき、鉛電池の出力電圧がリチウム電池の出力電圧よりも高い場合には、鉛電池からリチウム電池へ電流が流れ、リチウム電池の出力電圧が鉛電池の出力電圧よりも高い場合には、リチウム電池から鉛電池へ電流が流れ、鉛電池及びリチウム電池の充電量は同じになる。
【0008】
このため、例えば、リチウム電池の容量が鉛電池の容量よりも大きい場合であっても、リチウム電池を満充電にすることができず、リチウム電池の充電量が限定される。
以上のことから、特許文献1に記載の電源システムには鉛電池及びリチウム電池に効率的に充電することができないという問題がある。
【0009】
また、スイッチがオンである場合、負荷に鉛電池及びリチウム電池夫々が並列に接続されるため、鉛電池及びリチウム電池を略同一の充電電圧で充電し、鉛電池及びリチウム電池夫々が出力する電圧を略同一にしなければならない。このため、特許文献1に記載の電源システムには、作動する電圧が異なる複数の負荷、例えば12V及び48V夫々で作動する2つの負荷を駆動することができないという問題がある。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、第1及び第2蓄電池夫々を異なる充電電圧で効率的に充電することができる給電制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る給電制御装置は、発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、前記第1蓄電池から前記負荷への給電とを制御する給電制御装置において、前記発電機から前記第1蓄電池への給電経路に設けられた第1スイッチと、前記発電機から前記第2蓄電池及び負荷への給電経路に設けられた第2スイッチと、前記第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと前記負荷との間に設けられ、前記発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を前記負荷に印加する変圧回路と、前記第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する取得手段と、前記発電機が回生電力を発生しているか否かを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果と、前記取得手段が取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量とに応じて、前記第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフ、並びに、前記変圧回路の作動/停止を制御する制御手段とを備え、該制御手段は、前記判定手段が回生電力を発生していると判定した場合にて、前記取得手段が取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値未満であり、かつ、前記取得手段が取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値未満であるときに前記第1及び第2スイッチを共にオンにし、前記変圧回路を停止させ、該変圧回路は、複数のスイッチと、コイルとを有し、該変圧回路では、該複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返され、オン/オフを繰り返す該複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整されることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、発電機から第1スイッチを介して第1蓄電池へ給電され、発電機から第2スイッチを介して第2蓄電池及び負荷へ給電される。また、変圧回路は、第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと負荷との間に設けられており、発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を負荷に印加する。変圧回路では、複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返される。オン/オフを繰り返す複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整される。
【0013】
また、第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する。取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量に応じて、第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフと、変圧回路の作動/停止を制御する。これにより、発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、第1蓄電池から負荷への給電とを制御する。
【0014】
従って、第1及び第2蓄電池夫々を個別に充電することが可能であるため、第1及び第2蓄電池を異なる充電電圧で充電することが可能となる。例えば、第1及び第2スイッチ夫々がオン及びオフである場合に第1蓄電池を所定電圧で充電し、第1及び第2スイッチがオフ及びオンである場合に、第2蓄電池を所定電圧と異なる電圧で充電することが可能となる。
【0015】
このため、第1及び第2蓄電池夫々について、一方の蓄電池の充電量が他方の蓄電池の充電量に制限されない。更には、第1及び第2蓄電池夫々の残容量に応じて第1及び第2スイッチのオン/オフと、変圧回路の作動/停止とが制御される。従って、第1及び第2蓄電池夫々を効率的に充電し、第1及び第2蓄電池夫々が蓄えた電力が効率的に消費することが可能となる。
【0017】
また、第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフと、変圧回路の作動/停止とを、取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量だけではなく、発電機が回生電力を発生しているか否かの判定結果にも応じて制御する。
このため、第1及び第2蓄電池夫々をより効率的に充電し、第1及び第2蓄電池夫々が蓄えた電力をより効率的に消費することができる。
【0019】
更に、発電機が回生電力を発生していると判定した場合において、取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値未満であり、かつ、取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値未満であるとき、即ち、第1及び第2蓄電池の残容量が共に少ないときが想定される。このとき、第1及び第2スイッチを共にオンにし、変圧回路を停止させる。これにより、第1及び第2蓄電池夫々には発電機から回生電力が供給される。
【0020】
本発明に係る給電制御装置は、発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、前記第1蓄電池から前記負荷への給電とを制御する給電制御装置において、前記発電機から前記第1蓄電池への給電経路に設けられた第1スイッチと、前記発電機から前記第2蓄電池及び負荷への給電経路に設けられた第2スイッチと、前記第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと前記負荷との間に設けられ、前記発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を前記負荷に印加する変圧回路と、前記第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する取得手段と、前記発電機が回生電力を発生しているか否かを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果と、前記取得手段が取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量とに応じて、前記第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフ、並びに、前記変圧回路の作動/停止を制御する制御手段とを備え、該制御手段は、前記判定手段が回生電力を発生していると判定した場合にて、前記取得手段が取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値未満であり、かつ、前記取得手段が取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値以上であるときに前記第1及び第2スイッチ夫々をオン及びオフにし、前記変圧回路を作動させ、該変圧回路は、複数のスイッチと、コイルとを有し、該変圧回路では、該複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返され、オン/オフを繰り返す該複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整されることを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、発電機から第1スイッチを介して第1蓄電池へ給電され、発電機から第2スイッチを介して第2蓄電池及び負荷へ給電される。また、変圧回路は、第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと負荷との間に設けられており、発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を負荷に印加する。変圧回路では、複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返される。オン/オフを繰り返す複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整される。
また、第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する。取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量に応じて、第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフと、変圧回路の作動/停止を制御する。これにより、発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、第1蓄電池から負荷への給電とを制御する。
従って、第1及び第2蓄電池夫々を個別に充電することが可能であるため、第1及び第2蓄電池を異なる充電電圧で充電することが可能となる。例えば、第1及び第2スイッチ夫々がオン及びオフである場合に第1蓄電池を所定電圧で充電し、第1及び第2スイッチがオフ及びオンである場合に、第2蓄電池を所定電圧と異なる電圧で充電することが可能となる。
このため、第1及び第2蓄電池夫々について、一方の蓄電池の充電量が他方の蓄電池の充電量に制限されない。更には、第1及び第2蓄電池夫々の残容量に応じて第1及び第2スイッチのオン/オフと、変圧回路の作動/停止とが制御される。従って、第1及び第2蓄電池夫々を効率的に充電し、第1及び第2蓄電池夫々が蓄えた電力が効率的に消費することが可能となる。
また、第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフと、変圧回路の作動/停止とを、取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量だけではなく、発電機が回生電力を発生しているか否かの判定結果にも応じて制御する。
このため、第1及び第2蓄電池夫々をより効率的に充電し、第1及び第2蓄電池夫々が蓄えた電力をより効率的に消費することができる。
更に、発電機が回生電力を発生していると判定した場合において、取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値未満であり、かつ、取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値以上であるとき、即ち、第1蓄電池の残容量が少なくて第2蓄電池の残容量が多いときが想定される。このとき、第1及び第2スイッチ夫々をオン及びオフにし、変圧回路を作動させる。これにより、第1蓄電池は回生電力を供給され、変圧回路は発電機の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を負荷に印加する。
【0022】
本発明に係る給電制御装置は、発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、前記第1蓄電池から前記負荷への給電とを制御する給電制御装置において、前記発電機から前記第1蓄電池への給電経路に設けられた第1スイッチと、前記発電機から前記第2蓄電池及び負荷への給電経路に設けられた第2スイッチと、前記第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと前記負荷との間に設けられ、前記発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を前記負荷に印加する変圧回路と、前記第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する取得手段と、前記発電機が回生電力を発生しているか否かを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果と、前記取得手段が取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量とに応じて、前記第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフ、並びに、前記変圧回路の作動/停止を制御する制御手段とを備え、該制御手段は、前記判定手段が回生電力を発生していると判定した場合にて、前記取得手段が取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値以上であり、かつ、前記取得手段が取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値未満であるときに前記第1及び第2スイッチ夫々をオフ及びオンにし、前記変圧回路を停止させ、該変圧回路は、複数のスイッチと、コイルとを有し、該変圧回路では、該複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返され、オン/オフを繰り返す該複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整されることを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、発電機から第1スイッチを介して第1蓄電池へ給電され、発電機から第2スイッチを介して第2蓄電池及び負荷へ給電される。また、変圧回路は、第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと負荷との間に設けられており、発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を負荷に印加する。変圧回路では、複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返される。オン/オフを繰り返す複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整される。
また、第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する。取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量に応じて、第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフと、変圧回路の作動/停止を制御する。これにより、発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、第1蓄電池から負荷への給電とを制御する。
従って、第1及び第2蓄電池夫々を個別に充電することが可能であるため、第1及び第2蓄電池を異なる充電電圧で充電することが可能となる。例えば、第1及び第2スイッチ夫々がオン及びオフである場合に第1蓄電池を所定電圧で充電し、第1及び第2スイッチがオフ及びオンである場合に、第2蓄電池を所定電圧と異なる電圧で充電することが可能となる。
このため、第1及び第2蓄電池夫々について、一方の蓄電池の充電量が他方の蓄電池の充電量に制限されない。更には、第1及び第2蓄電池夫々の残容量に応じて第1及び第2スイッチのオン/オフと、変圧回路の作動/停止とが制御される。従って、第1及び第2蓄電池夫々を効率的に充電し、第1及び第2蓄電池夫々が蓄えた電力が効率的に消費することが可能となる。
また、第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフと、変圧回路の作動/停止とを、取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量だけではなく、発電機が回生電力を発生しているか否かの判定結果にも応じて制御する。
このため、第1及び第2蓄電池夫々をより効率的に充電し、第1及び第2蓄電池夫々が蓄えた電力をより効率的に消費することができる。
更に、発電機が回生電力を発生していると判定した場合において、取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値以上であり、かつ、取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値未満であるとき、即ち、第1蓄電池の残容量が多くて第2蓄電池の残容量が少ないときが想定される。このとき、第1及び第2スイッチ夫々をオフ及びオンにし、変圧回路を停止させる。これにより、第2蓄電池及び負荷に回生電力が供給される。
【0024】
本発明に係る給電制御装置は、発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、前記第1蓄電池から前記負荷への給電とを制御する給電制御装置において、前記発電機から前記第1蓄電池への給電経路に設けられた第1スイッチと、前記発電機から前記第2蓄電池及び負荷への給電経路に設けられた第2スイッチと、前記第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと前記負荷との間に設けられ、前記発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を前記負荷に印加する変圧回路と、前記第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する取得手段と、前記発電機が回生電力を発生しているか否かを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果と、前記取得手段が取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量とに応じて、前記第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフ、並びに、前記変圧回路の作動/停止を制御する制御手段とを備え、該制御手段は、前記判定手段が回生電力を発生していると判定した場合にて、前記取得手段が取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値以上であり、かつ、前記取得手段が取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値以上であるときに前記第1及び第2スイッチを共にオフにし、前記変圧回路を作動させ、該変圧回路は、複数のスイッチと、コイルとを有し、該変圧回路では、該複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返され、オン/オフを繰り返す該複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整されることを特徴とする。
【0025】
本発明にあっては、発電機から第1スイッチを介して第1蓄電池へ給電され、発電機から第2スイッチを介して第2蓄電池及び負荷へ給電される。また、変圧回路は、第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと負荷との間に設けられており、発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を負荷に印加する。変圧回路では、複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返される。オン/オフを繰り返す複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整される。
また、第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する。取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量に応じて、第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフと、変圧回路の作動/停止を制御する。これにより、発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、第1蓄電池から負荷への給電とを制御する。
従って、第1及び第2蓄電池夫々を個別に充電することが可能であるため、第1及び第2蓄電池を異なる充電電圧で充電することが可能となる。例えば、第1及び第2スイッチ夫々がオン及びオフである場合に第1蓄電池を所定電圧で充電し、第1及び第2スイッチがオフ及びオンである場合に、第2蓄電池を所定電圧と異なる電圧で充電することが可能となる。
このため、第1及び第2蓄電池夫々について、一方の蓄電池の充電量が他方の蓄電池の充電量に制限されない。更には、第1及び第2蓄電池夫々の残容量に応じて第1及び第2スイッチのオン/オフと、変圧回路の作動/停止とが制御される。従って、第1及び第2蓄電池夫々を効率的に充電し、第1及び第2蓄電池夫々が蓄えた電力が効率的に消費することが可能となる。
また、第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフと、変圧回路の作動/停止とを、取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量だけではなく、発電機が回生電力を発生しているか否かの判定結果にも応じて制御する。
このため、第1及び第2蓄電池夫々をより効率的に充電し、第1及び第2蓄電池夫々が蓄えた電力をより効率的に消費することができる。
更に、発電機が回生電力を発生していると判定した場合において、取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値以上であり、かつ、取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値以上であるとき、即ち、第1及び第2蓄電池の残容量が共に多いときが想定される。このとき第1及び第2スイッチを共にオフにし、変圧回路を作動させる。これにより、第1及び第2蓄電池に回生電力は供給されず、変圧回路は、第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を負荷に印加する。
【0026】
本発明に係る給電制御装置は、発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、前記第1蓄電池から前記負荷への給電とを制御する給電制御装置において、前記発電機から前記第1蓄電池への給電経路に設けられた第1スイッチと、前記発電機から前記第2蓄電池及び負荷への給電経路に設けられた第2スイッチと、前記第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと前記負荷との間に設けられ、前記発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を前記負荷に印加する変圧回路と、前記第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する取得手段と、前記発電機が回生電力を発生しているか否かを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果と、前記取得手段が取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量とに応じて、前記第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフ、並びに、前記変圧回路の作動/停止を制御する制御手段と、前記判定手段が回生電力を発生していないと判定した場合にて、前記取得手段が取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値未満であり、かつ、前記取得手段が取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値未満であるときに前記発電機を駆動する駆動手段とを備え、前記制御手段は、前記判定手段が回生電力を発生していないと判定した場合にて、前記取得手段が取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値未満であり、かつ、前記取得手段が取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値未満であるときに前記第1及び第2スイッチを共にオンにし、前記変圧回路を停止させ、該変圧回路は、複数のスイッチと、コイルとを有し、該変圧回路では、該複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返され、オン/オフを繰り返す該複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整されることを特徴とする。
【0027】
本発明にあっては、発電機から第1スイッチを介して第1蓄電池へ給電され、発電機から第2スイッチを介して第2蓄電池及び負荷へ給電される。また、変圧回路は、第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと負荷との間に設けられており、発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を負荷に印加する。変圧回路では、複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返される。オン/オフを繰り返す複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整される。
また、第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する。取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量に応じて、第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフと、変圧回路の作動/停止を制御する。これにより、発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、第1蓄電池から負荷への給電とを制御する。
従って、第1及び第2蓄電池夫々を個別に充電することが可能であるため、第1及び第2蓄電池を異なる充電電圧で充電することが可能となる。例えば、第1及び第2スイッチ夫々がオン及びオフである場合に第1蓄電池を所定電圧で充電し、第1及び第2スイッチがオフ及びオンである場合に、第2蓄電池を所定電圧と異なる電圧で充電することが可能となる。
このため、第1及び第2蓄電池夫々について、一方の蓄電池の充電量が他方の蓄電池の充電量に制限されない。更には、第1及び第2蓄電池夫々の残容量に応じて第1及び第2スイッチのオン/オフと、変圧回路の作動/停止とが制御される。従って、第1及び第2蓄電池夫々を効率的に充電し、第1及び第2蓄電池夫々が蓄えた電力が効率的に消費することが可能となる。
また、第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフと、変圧回路の作動/停止とを、取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量だけではなく、発電機が回生電力を発生しているか否かの判定結果にも応じて制御する。
このため、第1及び第2蓄電池夫々をより効率的に充電し、第1及び第2蓄電池夫々が蓄えた電力をより効率的に消費することができる。
更に、発電機が回生電力を発生していないと判定した場合において、取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値未満であり、かつ、取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値未満であるとき、即ち、第1及び第2蓄電池の残容量が共に少ないときが想定される。このとき、第1及び第2スイッチを共にオンにし、変圧回路を停止させ、発電機を駆動する。これにより、発電機が発生した電力が第1及び第2蓄電池並びに負荷に供給される。
【0028】
本発明に係る給電制御装置は、発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、前記第1蓄電池から前記負荷への給電とを制御する給電制御装置において、前記発電機から前記第1蓄電池への給電経路に設けられた第1スイッチと、前記発電機から前記第2蓄電池及び負荷への給電経路に設けられた第2スイッチと、前記第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと前記負荷との間に設けられ、前記発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を前記負荷に印加する変圧回路と、前記第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する取得手段と、前記発電機が回生電力を発生しているか否かを判定する判定手段と、該判定手段の判定結果と、前記取得手段が取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量とに応じて、前記第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフ、並びに、前記変圧回路の作動/停止を制御する制御手段とを備え、該制御手段は、前記判定手段が回生電力を発生していないと判定した場合にて、前記取得手段が取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値未満であり、かつ、前記取得手段が取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値以上であるときに前記第1及び第2スイッチを共にオフにし、前記変圧回路を停止させ、該変圧回路は、複数のスイッチと、コイルとを有し、該変圧回路では、該複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返され、オン/オフを繰り返す該複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整されることを特徴とする。
【0029】
本発明にあっては、発電機から第1スイッチを介して第1蓄電池へ給電され、発電機から第2スイッチを介して第2蓄電池及び負荷へ給電される。また、変圧回路は、第1蓄電池及び第1スイッチ間の接続ノードと負荷との間に設けられており、発電機又は第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を負荷に印加する。変圧回路では、複数のスイッチ夫々のオン/オフが各別に繰り返される。オン/オフを繰り返す複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、昇圧幅又は降圧幅が調整される。
また、第1及び第2蓄電池夫々の残容量を示す第1及び第2残容量情報を取得する。取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量に応じて、第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフと、変圧回路の作動/停止を制御する。これにより、発電機から第1及び第2蓄電池並びに負荷への給電と、第1蓄電池から負荷への給電とを制御する。
従って、第1及び第2蓄電池夫々を個別に充電することが可能であるため、第1及び第2蓄電池を異なる充電電圧で充電することが可能となる。例えば、第1及び第2スイッチ夫々がオン及びオフである場合に第1蓄電池を所定電圧で充電し、第1及び第2スイッチがオフ及びオンである場合に、第2蓄電池を所定電圧と異なる電圧で充電することが可能となる。
このため、第1及び第2蓄電池夫々について、一方の蓄電池の充電量が他方の蓄電池の充電量に制限されない。更には、第1及び第2蓄電池夫々の残容量に応じて第1及び第2スイッチのオン/オフと、変圧回路の作動/停止とが制御される。従って、第1及び第2蓄電池夫々を効率的に充電し、第1及び第2蓄電池夫々が蓄えた電力が効率的に消費することが可能となる。
また、第1及び第2スイッチ夫々のオン/オフと、変圧回路の作動/停止とを、取得した第1及び第2残容量情報夫々が示す残容量だけではなく、発電機が回生電力を発生しているか否かの判定結果にも応じて制御する。
このため、第1及び第2蓄電池夫々をより効率的に充電し、第1及び第2蓄電池夫々が蓄えた電力をより効率的に消費することができる。
更に、発電機が回生電力を発生していないと判定した場合において、取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値未満であり、かつ、取得した第2残容量情報が示す残容量が第2所定値以上であるとき、即ち、第1蓄電池の残容量が少なくて第2蓄電池の残容量が多いときが想定される。このとき、第1及び第2スイッチを共にオフにし、変圧回路を停止させる。これにより、第2蓄電池から負荷へ給電される。
【0030】
本発明に係る給電制御装置は、前記制御手段は、前記判定手段が回生電力を発生していないと判定した場合にて、前記取得手段が取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値以上であるときに前記第1及び第2スイッチを共にオフにし、前記変圧回路を作動させるように構成してあることを特徴とする。
【0031】
本発明にあっては、発電機が回生電力を発生していないと判定した場合において、取得した第1残容量情報が示す残容量が第1所定値以上であるとき、即ち、第1蓄電池の残容量が多いときが想定される。このとき、第1及び第2スイッチを共にオフにし、変圧回路を作動させる。これにより、変圧回路は、第1蓄電池の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を負荷に印加する。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、第1及び第2蓄電池夫々を異なる充電電圧で効率的に充電することができ、第1及び第2蓄電池夫々が蓄えた電力を効率的に消費することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明に係る電源システムの構成を示すブロック図である。
図2】回生電力が発生していると判定した場合に制御部が行う制御を説明するための図表である。
図3】制御部の制御を説明するためのブロック図である。
図4】制御部の制御を説明するための他のブロック図である。
図5】制御部の制御を説明するための更に他のブロック図である。
図6】回生電力が発生していないと判定した場合に制御部が行う制御を説明するための図表である。
図7】変形例に係る電源システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る電源システムの構成を示すブロック図である。この電源システム1は、好適に車両に搭載され、オルタネータ11、蓄電池12,13、負荷14、スタータ15及び給電制御装置16を備える。給電制御装置16は端子T1,T2,T3を有する。
【0035】
給電制御装置16の端子T1,T2,T3夫々には、オルタネータ11及び蓄電池12,13の正極端子が着脱可能に接続されている。蓄電池13の正極端子には、更に、負荷14及びスタータ15夫々の一端が接続されている。オルタネータ11及び蓄電池12,13夫々の負極端子と、負荷14及びスタータ15夫々の他端とは接地されている。
【0036】
オルタネータ11は、車両が減速する場合に車両の運動エネルギーを電力に変換することによって、回生電力を発生する。また、オルタネータ11は、給電制御装置16から、作動を指示する作動指示を受け付けた場合、図示しないエンジンと連動して発電する。更に、オルタネータ11は、給電制御装置16から、オルタネータ11の出力電圧を指示する電圧指示を受け付けた場合、受け付けた電圧指示が指示する出力電圧を出力する。
【0037】
オルタネータ11は、回生電力を発生する場合、又は、エンジンと連動して発電する場合、交流電力を生成し、生成した交流電力を直流電力に整流する。オルタネータ11が発生する回生電力と、オルタネータ11がエンジンと連動して発生する電力とは直流電力である。オルタネータ11は発電機として機能する。
【0038】
蓄電池12は、リチウム電池又は電気二重層キャパシタ等であり、オルタネータ11が発生した電力を、給電制御装置16を介して供給され、供給された電力を蓄える。蓄電池12は、蓄えた電力を、給電制御装置16を介して負荷14に供給する。蓄電池12は第1蓄電池として機能する。
【0039】
蓄電池13は、例えば鉛電池であり、蓄電池12と同様に、オルタネータ11が発生した電力を、給電制御装置16を介して供給され、供給された電力を蓄える。蓄電池13は、蓄えた電力を負荷14及びスタータ15に供給する。蓄電池13は第2蓄電池として機能する。
負荷14は、ライト又はワイパー等の電気機器であり、電力をオルタネータ11若しくは蓄電池12から給電制御装置16を介して供給されるか、又は、蓄電池13から直接に供給される。負荷14は、供給された電力を用いて作動する。
スタータ15は、エンジンを始動するためのモータであり、蓄電池12から供給された電力を用いて始動する。
【0040】
給電制御装置16は、車両の速度を示す車速情報と、蓄電池12,13夫々のSOC(State Of Charge)を示す充電情報とを外部から受信する。ここで、SOCは、例えばパーセントで表される数値であり、蓄電池12,13夫々のSOCは蓄電池12,13の残容量を示している。充電情報は第1及び第2残容量情報に該当する。
【0041】
給電制御装置16は、外部から受信した車速情報が示す速度と、外部から受信した充電情報が示す蓄電池12,13夫々のSOCとに応じて、オルタネータ11から蓄電池12,13及び負荷14への給電と、オルタネータ11から蓄電池12への給電とを制御する。また、給電制御装置16は、外部から受信した車速情報及び充電情報夫々が示す速度及びSOCに応じて、端子T1に印加されたオルタネータ11の出力電圧、又は、端子T2に印加された蓄電池12の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を端子T3から負荷14に印加する。更には、給電制御装置16は、外部から受信した車速情報及び充電情報夫々が示す速度及びSOCが、後述する所定の条件を満たした場合に作動指示を出力し、オルタネータ11を駆動する。
【0042】
給電制御装置16は、スイッチ21,22、DCDCコンバータ23及び制御部24を有する。
スイッチ21,22夫々の一端は端子T1に接続されている。スイッチ21の他端は端子T2に接続され、スイッチ22の他端は端子T3に接続されている。DCDCコンバータ23は、端子T2,T3間に接続され、更には制御部24にも接続されている。
【0043】
以上のようにスイッチ21,22及びDCDCコンバータ23夫々が接続された給電制御装置16では、オルタネータ11から蓄電池12への給電経路にスイッチ21が設けられており、オルタネータ11から蓄電池13及び負荷14への給電経路にスイッチ22が設けられている。また、蓄電池12及びスイッチ21間の接続ノードと負荷14との間にDCDCコンバータ23が設けられている。
スイッチ21,22夫々は第1及び第2スイッチとして機能する。
【0044】
スイッチ21,22夫々は、FET(Field Effect Transistor)若しくはバイポーラトランジスタ等の半導体スイッチ、又は、リレー接点等であり、制御部24によってオン/オフされる。
【0045】
DCDCコンバータ23は、図示しない複数のスイッチ及びコイル等を備える。DCDCコンバータ23は、制御部24が複数のスイッチ夫々のオン/オフを各別に繰り返すことよって作動し、オルタネータ11又は蓄電池13の出力電圧の昇圧又は降圧を行い、該出力電圧を変圧する。DCDCコンバータ23は、変圧した電圧を、端子T3を介して負荷14に印加する。
DCDCコンバータ23は変圧回路として機能する。
【0046】
また、DCDCコンバータ23は、制御部24が複数のスイッチ夫々のオン/オフ状態を所定状態、例えば複数のスイッチ全てがオフである状態に維持することによって、変圧を停止させることが可能である。DCDCコンバータ23が停止した場合、端子T2,T3間は開放されている。
【0047】
制御部24は外部から車速情報及び充電情報を所定時間ごとに取得する。制御部24は、車速情報を、例えば、エンジンを制御するECU(Electronic Control Unit)から取得し、充電情報を、例えば、蓄電池12,13の充電状態を監視するECUから取得する。
制御部24は取得手段として機能する。
【0048】
制御部24は、外部から取得した車速情報が示す速度に基づいて、車両が減速しているか否かを判定する。具体的には、制御部24は、車速情報が示す速度が経時的に低下している場合に車両が減速していると判定し、車速情報が示す速度が経時的に一定である又は上昇している場合に車両は減速していないと判定する。
【0049】
制御部24は、車両が減速しているか否かの判定結果に基づいて、オルタネータ11が回生電力を発生しているか否かを判定する。制御部24は、車両が減速していると判定した場合、オルタネータ11が回生電力を発生していると判定し、車両が減速していないと判定した場合、オルタネータ11が回生電力を発生していないと判定する。
制御部24は判定手段としても機能する。
【0050】
制御部24は、外部から取得した充電情報が示す蓄電池12,13夫々のSOCと、オルタネータ11が回生電力を発生しているか否かの判定結果とに応じて、スイッチ21,22夫々のオン/オフ、及び、DCDCコンバータ23の作動/停止を制御する。
制御部24は制御手段としても機能する。
【0051】
制御部24は、前述したように、DCDCコンバータ23が有する複数のスイッチ夫々のオン/オフを繰り返すことによって、DCDCコンバータ23を作動させ、DCDCコンバータ23が有する複数のスイッチを所定状態に維持することによってDCDCコンバータ23を停止させる。
更に、制御部24は、作動指示をオルタネータ11に出力することによってオルタネータ11を駆動し、電圧指示をオルタネータ11に出力することによってオルタネータ11の出力電圧を制御する。
【0052】
図2は、回生電力が発生していると判定した場合に制御部24が行う制御を説明するための図表である。図2には、蓄電池12のSOCが第1基準値以上であるか否かと、蓄電池13のSOCが第2基準値以上であるか否かとに応じて、制御部24が制御するスイッチ21,22夫々のオン/オフ、及び、DCDCコンバータ23の作動/停止が示されている。
【0053】
制御部24は、オルタネータ11が回生電力を発生していると判定した場合において、充電情報が示す蓄電池12のSOCが第1基準値未満であり、充電情報が示す蓄電池13のSOCが第2基準値未満であるとき、スイッチ21,22を共にオンにし、DCDCコンバータ23を停止させる。
【0054】
図3は制御部24の制御を説明するためのブロック図である。オルタネータ11が回生電力を発生している場合において、スイッチ21,22が共にオンであってDCDCコンバータ23が停止しているとき、オルタネータ11が発生した回生電力は、図3の矢印で示すように、スイッチ21を介して蓄電池12に供給され、スイッチ22を介して蓄電池13及び負荷14に供給される。制御部24は、電圧指示を出力することによって、オルタネータ11の出力電圧を一定の第1電圧に制御し、蓄電池12,13夫々の正極端子及び負荷14の一端夫々には第1電圧が印加される。
【0055】
SOCが第1基準値未満であって残容量が少ない蓄電池12に、オルタネータ11が発生した回生電力がスイッチ21を介して供給される。同様に、SOCが第2基準値未満であって残容量が少ない蓄電池13にも、オルタネータ11が発生した回生電力がスイッチ22を介して供給される。これにより、蓄電池12,13夫々は充電される。
【0056】
制御部24は、オルタネータ11が回生電力を発生していると判定した場合において、充電情報が示す蓄電池12のSOCが第1基準値未満であり、充電情報が示す蓄電池13のSOCが第2基準値以上であるとき、図2に示すように、スイッチ21,22夫々をオン及びオフにし、DCDCコンバータ23を作動させる。
【0057】
図4は制御部24の制御を説明するための他のブロック図である。オルタネータ11が回生電力を発生している場合において、スイッチ21,22夫々がオン及びオフであってDCDCコンバータ23が作動しているとき、オルタネータ11が発生した回生電力は、図4の矢印で示すように、スイッチ21を介して蓄電池12へ供給され、残容量が少ない蓄電池12は充電される。このとき、制御部24は、電圧指示を出力することによって、オルタネータ11の出力電圧を一定の第2電圧に制御し、蓄電池12の正極端子には第2電圧が印加される。
【0058】
DCDCコンバータ23は、オルタネータ11の出力電圧、即ち、第2電圧を変圧し、変圧した電圧を負荷14に印加する。これにより、負荷14は給電される。ここで、制御部24は、DCDCコンバータ23においてオン/オフを繰り返す複数のスイッチ夫々のデューティを調整することによって、DCDCコンバータ23の昇圧幅又は降圧幅を調整する。制御部24は、DCDCコンバータ23が変圧した電圧を、例えば、蓄電池13の出力電圧に略一致させることによって、蓄電池13を給電することなく負荷14を給電する。これにより、蓄電池13は、残容量が多い状態に維持される。
【0059】
給電制御装置16において、端子T2,T3間にDCDCコンバータ23が設けられ、蓄電池12,13夫々を個別に充電することが可能であるため、第2電圧を第1電圧よりも高い電圧に設定することが可能である。従って、蓄電池12,13を異なる充電電圧で充電することができる。より詳細には、蓄電池13を第1電圧で充電し、蓄電池12を第1電圧よりも高い第2電圧で充電することができる。このため、例えば、蓄電池12を開放電圧が48Vとなるまで充電し、蓄電池13を開放電圧が12Vとなるまで充電することが可能である。
【0060】
従って、電源システム1が給電制御装置16を備えることによって、蓄電池12,13夫々を個別に充電することが可能となるので、蓄電池12,13夫々について、一方の蓄電池の充電量が他方の蓄電池充電量に制限されることはない。
このため、電源システム1では、負荷14の他に、作動する電圧が負荷14と異なる負荷を駆動することが可能となる。例えば、蓄電池12,13夫々の出力電圧が48V及び12Vである場合、12Vで作動する負荷14の他に、48Vで作動する負荷を電源システム1に設けることができる。この場合、48Vで作動する負荷ついて、一端を蓄電池12の正極端子に接続し、他端を接地する。これにより、スイッチ21,22が共にオンである場合を除く他の場合において、この負荷を駆動することができる。
【0061】
また、電源システム1は、給電制御装置16を備え、異なる充電電圧で蓄電池12,13を各別に充電することができるため、蓄電池12からオルタネータ11に、負荷14の作動電圧よりも高い出力電圧を印加してエンジンの駆動を助けるトルクアシスト機能を備えることも可能である。
【0062】
制御部24は、オルタネータ11が回生電力を発生していると判定した場合において、充電情報が示す蓄電池12のSOCが第1基準値以上であり、充電情報が示す蓄電池13のSOCが第2基準値未満であるとき、図2に示すように、スイッチ21,22をオフ及びオンにし、DCDCコンバータ23を停止させる。
【0063】
図5は制御部24の制御を説明するための更に他のブロック図である。オルタネータ11が回生電力を発生している場合において、スイッチ21,22夫々がオフ及びオンであってDCDCコンバータ23が停止しているとき、オルタネータ11が発生した回生電力は、図5の矢印で示すように、スイッチ22を介して蓄電池13及び負荷14へ供給され、残容量が少ない蓄電池13は充電される。このとき、制御部24は、電圧指示を出力することによって、オルタネータ11の出力電圧を第1電圧に制御し、蓄電池13の正極端子には第1電圧が印加される。また、スイッチ21はオフであり、DCDCコンバータ23は停止しているため、蓄電池12,13間に電流が流れることはなく、蓄電池12は、残容量が多い状態に維持される。
【0064】
制御部24は、オルタネータ11が回生電力を発生していると判定した場合において、充電情報が示す蓄電池12のSOCが第1基準値以上であり、充電情報が示す蓄電池13のSOCが第2基準値以上であるとき、図2に示すように、スイッチ21,22を共にオフにし、DCDCコンバータ23を作動させる。
【0065】
オルタネータ11が回生電力を発生している場合において、図1に示すように、スイッチ21,22が共にオフであって、DCDCコンバータ23が作動しているとき、DCDCコンバータ23は、蓄電池12の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を負荷14に印加する。これにより、負荷14は給電される。ここで、制御部24は、DCDCコンバータ23が変圧した電圧を、例えば、蓄電池13の出力電圧に略一致させることによって、蓄電池13を充電することなく負荷14に給電する。オルタネータ11が発生した回生電力は、残容量が多い蓄電池12,13と負荷14とに供給されることはない。
【0066】
図6は、回生電力が発生していないと判定した場合に制御部24が行う制御を説明するための図表である。図6には、図2と同様に、蓄電池12のSOCが第1基準値以上であるか否かと、蓄電池13のSOCが第2基準値以上であるか否かとに応じて、制御部24が制御するスイッチ21,22夫々のオン/オフ、及び、DCDCコンバータ23の作動/停止が示されている。
【0067】
制御部24は、オルタネータ11が回生電力を発生していないと判定した場合において、充電情報が示す蓄電池12のSOCが第1基準値未満であり、充電情報が示す蓄電池13のSOCが第2基準値未満であるとき、スイッチ21,22を共にオンにし、DCDCコンバータ23を停止させる。このとき、制御部24は、更に、作動指示を出力することによってオルタネータ11を駆動し、オルタネータ11はエンジンに連動して発電する。
制御部24は駆動手段としても機能する。
【0068】
オルタネータ11が回生電力を発生していない場合において、スイッチ21,22が共にオンであって、DCDCコンバータ23が停止し、オルタネータ11がエンジンと連動して発電しているとき、オルタネータ11が発生した電力は、図3に示すように、スイッチ21を介して蓄電池12に供給され、スイッチ22を介して蓄電池13及び負荷14に供給される。制御部24は、電圧指示を出力することによって、オルタネータ11の出力電圧を第1電圧に制御し、蓄電池12,13夫々の正極端子及び負荷14の一端には第1電圧が印加される。
【0069】
SOCが第1基準値未満であって残容量が少ない蓄電池12に、オルタネータ11がエンジンと連動して発生した電力がスイッチ21を介して供給される。同様に、SOCが第2基準値未満であって残容量が少ない蓄電池13にも、オルタネータ11がエンジンと連動して発生した電力がスイッチ22を介して供給される。これにより、蓄電池12,13夫々は充電される。
【0070】
制御部24は、オルタネータ11が回生電力を発生していないと判定した場合において、充電情報が示す蓄電池12のSOCが第1基準値未満であり、充電情報が示す蓄電池13のSOCが第2基準値以上であるとき、図6に示すように、スイッチ21,22を共にオフにし、DCDCコンバータ23を停止させる。
【0071】
オルタネータ11が回生電力を発生していない場合において、図1に示すように、スイッチ21,22が共にオフであって、DCDCコンバータ23が停止しているとき、残容量が多い蓄電池13から負荷14へ給電される。残容量が少ない蓄電池12は給電を行わないため、蓄電池12の残容量は維持される。
【0072】
制御部24は、オルタネータ11が回生電力を発生していないと判定した場合において、充電情報が示す蓄電池12のSOCが第1基準値以上であるとき、図6に示すように、充電情報が示す蓄電池13のSOCが第2基準値以上であるか否かに無関係に、スイッチ21,22を共にオフにし、DCDCコンバータ23を作動させる。
【0073】
オルタネータ11が回生電力を発生していない場合において、図1に示すように、スイッチ21,22が共にオフであって、DCDCコンバータ23が作動しているとき、DCDCコンバータ23は、残容量が多い蓄電池12の出力電圧を変圧し、変圧した電圧を負荷14に印加する。これにより、負荷14は給電される。ここで、制御部24は、DCDCコンバータ23が変圧した電圧を、例えば、蓄電池13の出力電圧に略一致させることによって、蓄電池13を充電することなく負荷14に給電する。蓄電池13は給電を行わないため、蓄電池13の残容量は維持される。
【0074】
以上のように、給電制御装置16では、制御部24は、充電情報が示す蓄電池12,13夫々のSOCと、オルタネータ11が回生電力を発生しているか否かの判定結果とに応じて、スイッチ21,22夫々のオン/オフとDCDCコンバータ23の作動/停止とを制御する。このため、蓄電池12,13夫々を、異なる充電電圧で効率的に充電することができ、蓄電池12,13夫々が蓄えた電力を効率的に消費することができる。
【0075】
また、端子T1,T2,T3夫々は、前述したように、オルタネータ11及び蓄電池12,13の正極端子に着脱可能に接続されているので、給電制御装置16を電源システム1から取外すことが可能である。給電制御装置16を取外した後、オルタネータ11及び蓄電池13夫々の正極端子を接続し、オルタネータ11を常にエンジンに連動して発電させることによって、電源システム1を回生電力が発生しない従来の車両の電源システムに容易に変更することが可能となる。また、回生電力が発生しない従来の電源システムに給電制御装置16を取付けることによって、従来の電源システムを電源システム1に容易に変更することが可能となる。
【0076】
(変形例)
図7は変形例に係る電源システムの構成を示すブロック図である。この電源システム3は、車両に好適に搭載され、電源システム1と同様に、オルタネータ11、蓄電池13、負荷14及びスタータ15を備える。変形例における電源システム3は、更に、電源システム1における給電制御装置16の代わりに給電制御装置30を備える。
【0077】
変形例における電源システム3は、電源システム1と比較して、給電制御装置30が、スイッチ21,22、DCDCコンバータ23及び制御部24に加えて蓄電池12を有し、蓄電池12の負極端子が端子T2を介して接地している点が異なる。
【0078】
変形例における電源システム3において、オルタネータ11、蓄電池12,13、負荷14、スタータ15、スイッチ21,22、DCDCコンバータ23及び制御部24夫々は、電源システム1中の対応する構成部と同様に接続され、電源システム1中の対応する構成部と同様に作用する。また、端子T1,T3夫々は、オルタネータ11及び蓄電池13と着脱可能に接続されている。
【0079】
従って、給電制御装置30は、給電制御装置16と同様に作用し、給電制御装置16と同様の効果を奏する。
また、給電制御装置30を電源システム3から取外した場合、給電制御装置16を電源システム1から取外す場合とは異なり、蓄電池12も同時に取外すことができる。
【0080】
なお、実施の形態及び変形例において、制御部24は、オルタネータ11が回生電力を発生しているか否かを判定する構成は、外部から取得する車速情報が示す車両の速度に基づいて判定する構成に限定されない。例えば、オルタネータ11がエンジンと連動して発電した場合と、オルタネータ11が回生電力を発生させる場合とにおいて、オルタネータ11の出力電圧が異なるときには、制御部24は、端子T1の電圧に基づいて、オルタネータ11が回生電力を発生しているか否かを判定してもよい。
【0081】
また、制御部24が充電情報を取得する構成は、外部から取得する構成に限定されず、制御部24は、例えば、蓄電池12,13夫々の開放電圧を検出し、検出した開放電圧に基づいて充電情報を取得してもよい。更に、制御部24は、蓄電池12のSOCを示す1つの充電情報と、蓄電池13のSOCを示すもう1つの充電情報とを各別に取得してもよい。
【0082】
開示された実施の形態及び変形例は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0083】
11 オルタネータ(発電機)
12 蓄電池(第1蓄電池)
13 蓄電池(第2蓄電池)
14 負荷
16,30 給電制御装置
21 スイッチ(第1スイッチ)
22 スイッチ(第2スイッチ)
23 DCDCコンバータ(変圧回路)
24 制御部(取得手段、制御手段、判定手段、駆動手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7